【解決手段】導電材料は、樹脂コア粒子10と、樹脂コア粒子10の表面に複数配置され、突起30aを形成する絶縁性粒子20と、樹脂コア粒子10及び絶縁性粒子20の表面に配置される導電層30とを備え、絶縁性粒子20のモース硬度が、7より大きい導電性粒子を含有する。これにより、導電性粒子が電極表面の酸化物層を突き破って十分に食い込み、優れた導通信頼性が得られる。
樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きい導電性粒子を含有する導電材料。
樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きい導電性粒子により第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とが接続されてなる接続構造体。
樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きい導電性粒子を含有する導電材料を介して、第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを圧着する接続構造体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.導電性粒子
2.導電材料
3.接続構造体の製造方法
4.実施例
【0013】
<1.導電性粒子>
本実施の形態に係る導電性粒子は、樹脂コア粒子と、樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きいものである。これにより、導電性粒子が電極表面の酸化物層を突き破って十分に食い込み、優れた導通信頼性が得られる。特に、被着体である回路部材が、PET(Poly Ethylene Terephthalate)基板などの低弾性率のプラスチック基板である場合、圧着時の圧力を高くすることなく、基材変形の影響を軽減して低抵抗を実現できるため、非常に有効である。
【0014】
[第1の構成例]
図1は、導電性粒子の第1の構成例の概略を示す断面図である。第1の構成例の導電性粒子は、樹脂コア粒子10と、樹脂コア粒子10の表面に複数付着され、突起30aの芯材となる絶縁性粒子20と、樹脂コア粒子10及び絶縁性粒子20を被覆する導電層30とを備える。
【0015】
樹脂コア粒子10としては、ベンゾグアナミン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂などが挙げられ、また、これらの樹脂を構成するモノマーに基づく繰り返し単位の少なくとも2種以上を組み合わせた構造を有する共重合体が挙げられる。これらの中でも、ジビニルベンゼン、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、及びスチレンを組合せて得られる共重合体を用いることが好ましい。
【0016】
また、樹脂コア粒子10は、20%圧縮されたときの圧縮弾性率(20%K値)が500〜20000N/mm
2であることが好ましい。樹脂コア粒子10の20%K値が上記範囲内であることにより、結果的に突起が電極表面の酸化物層を突き破ることができる。このため、電極と導電性粒子の導電層とが十分に接触し、電極間の接続抵抗を低下させることができる。
【0017】
樹脂コア粒子10の圧縮弾性率(20%K値)は、次のように測定することできる。微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、及び最大試験荷重10gfの条件下で導電性粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、圧縮弾性率(20%K値)を下記式により求めることができる。なお、微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
K値(N/mm
2)=(3/2
1/2)・F・S
−3/2・R
−1/2
F:導電性粒子が20%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が20%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
【0018】
樹脂コア粒子10の平均粒子径は、2〜10μmであることが好ましい。本明細書において、平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(D50)を意味する。
【0019】
絶縁性粒子20は、樹脂コア粒子10の表面に複数付着され、電極表面の酸化物層を突き破るための突起30aの芯材となる。絶縁性粒子20は、モース硬度が7より大きく、9以上であることが好ましい。絶縁性粒子20の硬度が高いことにより、突起30aが電極表面の酸化物を突き破ることができる。また、突起30aの芯材が絶縁性粒子20であることにより、導電性粒子を使用したときに比べマイグレーションの要因が少なくなる。
【0020】
絶縁性粒子20としては、ジルコニア(モース硬度8〜9)、アルミナ(モース硬度9)、炭化タングステン(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)などが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、経済性の観点からアルミナを用いることが好ましい。
【0021】
また、絶縁性粒子20の平均粒子径は、好ましくは50nm以上250nm以下、より好ましくは100nm以上200nm以下である。また、樹脂コア粒子20の表面に形成された突起の個数は、好ましくは1〜500、より好ましくは30〜200である。このような平均粒子径の絶縁性粒子20を用いて、樹脂コア粒子20の表面に所定数の突起30aを形成することにより、突起30aが電極表面の酸化物を突き破り、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
【0022】
導電層30は、樹脂コア粒子10及び絶縁性粒子20を被覆し、複数の絶縁性粒子20により隆起された突起30aを有する。導電層30は、ニッケル又はニッケル合金であることが好ましい。ニッケル合金としては、Ni−W−B、Ni−W−P、Ni−W、Ni−B、Ni−Pなどが挙げられる。これらの中でも、低抵抗であるNi−W−Bを用いることが好ましい。
【0023】
また、導電層30の厚みは、好ましくは50nm以上250nm以下、より好ましくは80nm以上150nm以下である。導電層30の厚みが小さすぎると導電性粒子として機能させるのが困難となり、厚みが大きすぎると突起30aの高さがなくなってしまう。
【0024】
第1の構成例の導電性粒子は、樹脂コア粒子10の表面に絶縁性粒子20を付着させた後、導電層30を形成する方法により得ることができる。また、樹脂コア粒子10の表面上に絶縁性粒子20を付着させる方法としては、例えば、樹脂コア粒子10の分散液中に、絶縁性粒子20を添加し、樹脂コア粒子10の表面に絶縁性粒子20を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させることなどが挙げられる。また、導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法などが挙げられる。これらの中でも導電層の形成が簡便である無電解めっきによる方法が好ましい。
【0025】
[第2の構成例]
図2は、導電性粒子の第2の構成例の概略を示す断面図である。第2の構成例の導電性粒子は、樹脂コア粒子10と、樹脂コア粒子10の表面に複数付着され、突起32aの芯材となる絶縁性粒子20と、樹脂コア粒子10及び絶縁性粒子20の表面を被覆する第1の導電層31と、導電層31を被覆する第2の導電層32とを備える。すなわち、第2の構成例は、第1の構成例の導電層30を2層構造としたものである。導電層を2層構造とすることにより、最外殻を構成する第2の導電層32の密着性を向上させ、導通抵抗を低下させることができる。
【0026】
樹脂コア粒子10及び絶縁性粒子20は、第1の構成例と同様のため、ここでは説明を省略する。
【0027】
第1の導電層31は、樹脂コア粒子10及び絶縁性粒子20の表面を被覆し、第2の導電層32の下地となる。第1の導電層31としては、第2の導電層32の密着性が向上されれば特に限定されず、例えば、ニッケル、ニッケル合金、銅、銀などが挙げられる。
【0028】
第2の導電層32は、第1の導電層31を被覆し、複数の絶縁性粒子20により隆起された突起32aを有する。第2の導電層32は、第1の構成例と同様、ニッケル又はニッケル合金であることが好ましい。ニッケル合金としては、Ni−W−B、Ni−W−P、Ni−W、Ni−B、Ni−Pなどが挙げられる。これらの中でも、低抵抗であるNi−W−Bを用いることが好ましい。
【0029】
また、第1の導電層31及び第2の導電層32の総厚みは、第1の構成例の導電層30と同様、好ましくは50nm以上250nm以下、より好ましくは80nm以上150nm以下である。総厚みが小さすぎると導電性粒子として機能させるのが困難となり、総厚みが大きすぎると突起32aの高さがなくなってしまう。
【0030】
第2の構成例の導電性粒子は、樹脂コア粒子10の表面に絶縁性粒子20を付着させた後、第1の導電層31を形成した後、第2の導電層32を形成する方法により得ることができる。また、樹脂コア粒子10の表面上に絶縁性粒子20を付着させる方法としては、例えば、樹脂コア粒子10の分散液中に、絶縁性粒子20を添加し、樹脂コア粒子10の表面に絶縁性粒子20を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させることなどが挙げられる。また、第1の導電層31及び第2の導電層32を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法などが挙げられる。これらの中でも導電層の形成が簡便である無電解めっきによる方法が好ましい。
【0031】
[第3の構成例]
図3は、導電性粒子の第3の構成例の概略を示す断面図である。第3の構成例の導電性粒子は、樹脂コア粒子10と、樹脂コア粒子10の表面を被覆する第1の導電層33と、第1の導電層33の表面に複数付着され、突起34aの芯材となる絶縁性粒子20と、第1の導電層33及び絶縁性粒子20の表面を被覆する第2の導電層34とを備える。すなわち、第3の構成例は、第1の導電層33の表面に絶縁性粒子20を付着させ、さらに第2の導電層34を形成したものである。これにより、圧着時に絶縁性粒子20が樹脂コア粒子10に食い込むのを防止し、突起が電極表面の酸化物層を容易に突き破ることができる。
【0032】
樹脂コア粒子10及び絶縁性粒子20は、第1の構成例と同様のため、ここでは説明を省略する。
【0033】
第1の導電層33は、樹脂コア粒子10の表面を被覆し、絶縁性粒子20の付着面及び第2の導電層34の下地となる。第1の導電層33としては、第2の導電層34の密着性が向上されれば特に限定されず、例えば、ニッケル、ニッケル合金、銅、銀などが挙げられる。
【0034】
また、第1の導電層33の厚みは、好ましくは10nm以上200nm以下、より好ましくは50nm以上150nm以下である。厚みが大きすぎると樹脂コア粒子10の弾性の効果が低下するため、導通信頼性が低下してしまう。
【0035】
第2の導電層34は、絶縁性粒子20及び第1の導電層33を被覆し、複数の絶縁性粒子20により隆起された突起34aを有する。第2の導電層34は、第1の構成例と同様、ニッケル又はニッケル合金であることが好ましい。ニッケル合金としては、Ni−W−B、Ni−W−P、Ni−W、Ni−B、Ni−Pなどが挙げられる。これらの中でも、低抵抗であるNi−W−Bを用いることが好ましい。
【0036】
また、第2の導電層34の厚みは、第1の構成例の導電層30と同様、好ましくは50nm以上250nm以下、より好ましくは80nm以上150nm以下である。総厚みが小さすぎると導電性粒子として機能させるのが困難となり、総厚みが大きすぎると突起34aの高さがなくなってしまう。
【0037】
第3の構成例の導電性粒子は、樹脂コア粒子10の表面に第1の導電層33を形成した後、絶縁性粒子20を付着させ、第2の導電層34を形成する方法により得ることができる。また、第1の導電層33の表面上に絶縁性粒子20を付着させる方法としては、例えば、第1の導電層33が形成された樹脂コア粒子10の分散液中に、絶縁性粒子20を添加し、第1の導電層33の表面に絶縁性粒子20を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させることなどが挙げられる。また、第1の導電層33及び第2の導電層34を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法などが挙げられる。これらの中でも導電層の形成が簡便である無電解めっきによる方法が好ましい。
【0038】
<2.導電材料>
本実施の形態に係る導電材料は、樹脂コア粒子と、樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、樹脂コア粒子及び絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きい導電性粒子を含有する。導電材料としては、フィルム状、ペースト状などの形状が挙げられ、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などが挙げられる。また、導電材料の硬化型としては、熱硬化型、光硬化型、光熱併用硬化型などが挙げられる。
【0039】
以下では、導電性粒子を含有するACF層と導電性粒子を含有しないNCF(Non Conductive Film)層とが積層された2層構造の熱硬化型の異方性導電フィルムを例に挙げて説明する。また、熱硬化型の異方性導電フィルムとしては、例えば、カチオン硬化型、アニオン硬化型、ラジカル硬化型、又はこれらを併用することができるが、ここでは、アニオン硬化型の異方性導電フィルムについて説明する。
【0040】
アニオン硬化型の異方性導電フィルムは、ACF層及びNCF層は、バインダーとして、膜形成樹脂と、エポキシ樹脂と、アニオン重合開始剤とを含有する。
【0041】
膜形成樹脂は、例えば平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂等の種々の樹脂が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂を好適に用いることが好ましい。
【0042】
エポキシ樹脂は、3次元網目構造を形成し、良好な耐熱性、接着性を付与するものであり、固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを併用することが好ましい。ここで、固形エポキシ樹脂とは、常温で固体であるエポキシ樹脂を意味する。また、液状エポキシ樹脂とは、常温で液状であるエポキシ樹脂を意味する。また、常温とは、JIS Z 8703で規定される5〜35℃の温度範囲を意味する。
【0043】
固形エポキシ樹脂としては、液状エポキシ樹脂と相溶し、常温で固体状であれば特に限定されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などが挙られ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。市場で入手可能な具体例としては、新日鉄住金化学(株)の商品名「YD−014」などを挙げることができる。
【0044】
液状エポキシ樹脂としては、常温で液状であれば特に限定されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、フィルムのタック性、柔軟性などの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。市場で入手可能な具体例としては、三菱化学(株)の商品名「EP828」などを挙げることができる。
【0045】
アニオン重合開始剤としては、通常用いられる公知の硬化剤を使用することができる。例えば、有機酸ジヒドラジド、ジシアンジアミド、アミン化合物、ポリアミドアミン化合物、シアナートエステル化合物、フェノール樹脂、酸無水物、カルボン酸、三級アミン化合物、イミダゾール、ルイス酸、ブレンステッド酸塩、ポリメルカプタン系硬化剤、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物などが挙げられ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、イミダゾール変性体を核としその表面をポリウレタンで被覆してなるマイクロカプセル型潜在性硬化剤を用いることが好ましい。市場で入手可能な具体例としては、旭化成イーマテリアルズ(株)の商品名「ノバキュア3941HP」などを挙げることができる。
【0046】
また、バインダーとして、必要に応じて、応力緩和剤、シランカップリング剤、無機フィラー等を配合してもよい。応力緩和剤としては、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−イソプレンブロック共重合体等を挙げることができる。また、シランカップリング剤としては、エポキシ系、メタクリロキシ系、アミノ系、ビニル系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系等を挙げることができる。また、無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を挙げることができる。
【0047】
<3.接続構造体の製造方法>
本実施の形態に係る接続構造体の製造方法は、樹脂コア粒子と、樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、樹脂コア粒子及び絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きい導電性粒子を含有する導電材料を介して、第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを圧着する。これにより前述の導電性粒子により第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とが接続されてなる接続構造体を得ることができる。
【0048】
第1の回路部材及び第2の回路部材は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第1の回路部材としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネル用途、プラズマディスプレイパネル(PDP)用途などのプラスチック基板、ガラス基板、プリント配線板(PWB)などが挙げられる。また、第2の回路部材としては、例えば、IC(Integrated Circuit)、COF(Chip On Film)などのフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)、テープキャリアパッケージ(TCP)基板などを挙げることができる。
【0049】
図4は、圧着時の導電性粒子の概略を示す断面図である。
図4において導電層は省略する。導電性粒子40は、突起を形成する絶縁性粒子42が樹脂コア粒子41の表面に複数配置されているため、第1の回路部材50の端子51上に形成された酸化物層52を突き破ることが可能となる。酸化物層52は、配線の腐食を防止する保護層として機能し、例えばTiO
2、SnO
2、SiO
2などが挙げられる。
【0050】
本実施の形態では、絶縁性粒子41のモース硬度が、7より大きいため、圧着時の圧力を高くすることなく、酸化物層52を突き破ることができ、配線クラックの発生を抑制することができる。特に、第1の回路部材50が、PET(Poly Ethylene Terephthalate)基板などの低弾性率のプラスチック基板である場合、圧着時の圧力を高くすることなく、基材変形の影響を軽減して低抵抗を実現できるため、非常に有効である。なお、プラスチック基板の弾性率は、接続体に求められるフレキシビリティや、屈曲性と後述する駆動回路素子3等の電子部品との接続強度との関係等の要素を考慮して求められるが、一般に2000MPa〜4100MPaとされる。
【0051】
第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子との圧着では、第2の回路部材上から、所定温度に加温された圧着ツールによって、所定の圧力及び所定の時間、熱加圧され、本圧着される。ここで、所定の圧力は、回路部材の配線クラックを防止する観点から、10MPa以上80MPa以下であることが好ましい。また、所定温度は、圧着時における異方性導電フィルムの温度であり、80℃以上230℃以下であることが好ましい。
【0052】
圧着ツールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、押圧対象よりも大面積である押圧部材を用いて押圧を1回で行ってもよく、また、押圧対象よりも小面積である押圧部材を用いて押圧を数回に分けて行ってもよい。圧着ツールの先端形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平面状、曲面状などが挙げられる。なお、先端形状が曲面状である場合、曲面状に沿って押圧することが好ましい。
【0053】
また、圧着ツールと第2の回路部材との間に緩衝材を介装して熱圧着してもよい。緩衝材を介装することにより、押圧ばらつきを低減できると共に、圧着ツールが汚れるのを防止することができる。緩衝材は、シート状の弾性材又は塑性体からなり、例えばシリコンラバーやポリ4フッ化エチレンが用いられる。
【0054】
このような接続構造体の製造方法によれば、絶縁性粒子のモース硬度が大きいため、圧着時の圧力を高くすることなく、酸化物層を突き破ることができ、配線クラックの発生を抑制することができる。また、導電層をNi−W−Bなどの硬度が大きいものとすることにより、圧着時の圧力を高くすることなく、酸化物層を容易に突き破ることができ、配線クラックの発生をさらに抑制することができる。
【実施例】
【0055】
<3.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、突起を有する導電性粒子を作製し、これを含有する異方性導電フィルムを用いて接続構造体を作製した。そして、接続構造体の導通抵抗、及び配線クラックの発生率について評価した。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0056】
異方性導電フィルムの作製、接続構造体の作製、導通抵抗の測定、及び配線クラックの発生率の算出は、次のように行った。
【0057】
[異方性導電フィルムの作製]
ACF層とNCF層とが積層された2層構造の異方性導電フィルムを作製した。先ず、フェノキシ樹脂(YP50、新日鐵化学(株))20質量部、液状エポキシ樹脂(EP828、三菱化学(株))30質量部、固形エポキシ樹脂(YD−014、新日鐵化学(株))10質量部、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(ノバキュア3941H、旭化成イーマテリアルズ)30質量部、導電性粒子10質量部を配合して、厚み6μmのACF層を得た。次に、フェノキシ樹脂(YP50、新日鐵化学(株))20質量部、液状エポキシ樹脂(EP828、三菱化学(株))30質量部、固形エポキシ樹脂(YD−014、新日鐵化学(株))10質量部、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(ノバキュア3941H、旭化成イーマテリアルズ)30質量部を配合して、厚み12μmのNCF層を得た。そして、ACF層とNCF層とを貼り合わせて、厚み18μmの2層構造の異方性導電フィルムを得た。
【0058】
[接続構造体の作製]
評価基材として、TiO
2/Alコーティングガラス基板(0.3mmt、TiO
2厚み:50nm、Al厚み:300nm)、TiO
2/AlコーティングPET(Poly Ethylene Terephthalate)基板(0.3mmt、TiO
2厚み:50nm、Al厚み:300nm)、及び、IC(1.8mm×20mm、T:0.3mm、Au-plated bump:30μm×85μm、h=15μm)を準備した。また、圧着条件は、190℃−60MPa−5sec、又は190℃−100MPa−5secとした。
【0059】
先ず、TiO
2/Alコーティングガラス基板上又はTiO
2/AlコーティングPET基板上に、1.5mm幅にスリットされた異方性導電フィルムを、圧着機を用いて仮貼りし、剥離PETフィルムを剥がした後、ICを、圧着機を用いて、所定の圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。
【0060】
[導通抵抗の測定]
デジタルマルチメーター(商品名:デジタルマルチメーター7561、横河電機社製)を用いて、初期の接続構造体の導通抵抗(Ω)の測定を行った。また、接続構造体を、85℃、85%RHの高温高湿環境下に500h放置して信頼性試験を行った後、接続構造体の導通抵抗(Ω)の測定を行った。
【0061】
[配線クラックの発生率]
接続構造体の基板側の配線の任意の20箇所を金属顕微鏡にて観察し、配線クラックをカウントして発生率を算出した。
【0062】
[総合判定]
初期の導通抵抗と信頼性試験後の導通抵抗との差が0.3Ω以下、且つ配線クラックの発生率が0%の場合を「OK」を評価し、それ以外を「NG」と評価した。
【0063】
<実施例1>
樹脂コア粒子として、次のようにジビニルベンゼン系樹脂粒子を作製した。ジビニルベンゼン、スチレン、ブチルメタクリレートの混合比を調整した溶液に重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを投入して高速で均一攪拌しながら加熱を行い、重合反応を行うことにより微粒子分散液を得た。微粒子分散液をろ過し、減圧乾燥することにより微粒子の凝集体であるブロック体を得た。そして、ブロック体を粉砕することにより、平均粒子径3.0μmのジビニルベンゼン系樹脂粒子を得た。この樹脂コア粒子の20%圧縮されたときの圧縮弾性率(20%K値)は、12000N/mm
2であった。
【0064】
また、絶縁性粒子として、平均粒子径が150nmであるアルミナ(Al
2O
3)を使用した。また、導電層用のメッキ液として、硫酸ニッケル0.23mol/L、ジメチルアミンボラン0.25mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を含むニッケルメッキ液を使用した。
【0065】
先ず、パラジウム触媒液を5wt%含むアルカリ溶液100質量部に対し、樹脂コア粒子10質量部を超音波分散器で分散させた後、溶液をろ過し、樹脂コア粒子を取り出した。次いで、樹脂コア粒子10質量部をジメチルアミンボラン1wt%溶液100質量部に添加し、樹脂コア粒子の表面を活性化させた。そして、樹脂コア粒子を十分に水洗した後、蒸留水500質量部に加え、分散させることにより、パラジウムが付着された樹脂コア粒子を含む分散液を得た。
【0066】
次に、絶縁性粒子1gを3分間かけて分散液に添加し、絶縁性粒子が付着された粒子を含むスラリーを得た。そして、スラリーを60℃で撹拌しながら、スラリー中にニッケルメッキ液を徐々に滴下し、無電解ニッケルメッキを行った。水素の発泡が停止するのを確認した後、粒子をろ過し、水洗し、アルコール置換した後に真空乾燥し、アルミナで形成された突起と、Ni−Bメッキの導電層とを有する導電性粒子を得た。この導電性粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、平均粒子径は3〜4μmであり、粒子1個当たりの突起の数は約70であり、また、導電層の厚みは約100nmであった。
【0067】
表1に示すように、この導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/Alコーティングガラス基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は0.6Ω、信頼性試験後の抵抗値は0.9Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はOKであった。
【0068】
<実施例2>
表1に示すように、実施例1と同一の導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/AlコーティングPET基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は0.7Ω、信頼性試験後の抵抗値は1.0Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はOKであった。
【0069】
<実施例3>
導電層用のメッキ液として、硫酸ニッケル0.23mol/L、ジメチルアミンボラン0.25mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含むNi−W−Bめっき液(pH8.5)を使用した。これ以外は、実施例1と同様にして、アルミナで形成された突起と、Ni−W−Bメッキの導電層とを有する導電性粒子を得た。この導電性粒子を金属顕微鏡にて観察したところ、平均粒子径は3〜4μmであり、粒子1個当たりの突起の数は約70であり、また、導電層の厚みは約100nmであった。
【0070】
表1に示すように、この導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/Alコーティングガラス基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は0.3Ω、信頼性試験後の抵抗値は0.5Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はOKであった。
【0071】
<実施例4>
表1に示すように、実施例3と同一の導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/AlコーティングPET基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は0.6Ω、信頼性試験後の抵抗値は0.8Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はOKであった。
【0072】
<比較例1>
絶縁性粒子として、平均粒子径が150nmであるシリカ(SiO
2)を使用した。これ以外は、実施例1と同様にして、シリカで形成された突起と、Ni−Bメッキの導電層とを有する導電性粒子を得た。この導電性粒子を金属顕微鏡にて観察したところ、平均粒子径は3〜4μmであり、粒子1個当たりの突起の数は約70であり、また、導電層の厚みは約100nmであった。
【0073】
表1に示すように、この導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/Alコーティングガラス基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は1.5Ω、信頼性試験後の抵抗値は3.0Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はNGであった。
【0074】
<比較例2>
表1に示すように、比較例1と同一の導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/AlコーティングPET基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は3.0Ω、信頼性試験後の抵抗値は6.0Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はNGであった。
【0075】
<比較例3>
絶縁性粒子として、平均粒子径が150nmであるシリカ(SiO
2)を使用した。また、導電層用のメッキ液として、硫酸ニッケル0.23mol/L、ジメチルアミンボラン0.25mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含むNi−W−Bめっき液(pH8.5)を使用した。これ以外は、実施例1と同様にして、シリカで形成された突起と、Ni−W−Bメッキの導電層とを有する導電性粒子を得た。この導電性粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、平均粒子径は3〜4μmであり、粒子1個当たりの突起の数は約70であり、また、導電層の厚みは約100nmであった。
【0076】
表1に示すように、この導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/Alコーティングガラス基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は0.7Ω、信頼性試験後の抵抗値は1.1Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はNGであった。
【0077】
<比較例4>
表1に示すように、比較例3と同一の導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/AlコーティングPET基板とICとを190℃−60MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は1.8Ω、信頼性試験後の抵抗値は3.6Ω、配線クラックの発生率は0%であり、総合判定はNGであった。
【0078】
<比較例5>
表1に示すように、比較例3と同一の導電性粒子を添加した異方性導電フィルムを用いて、TiO
2/AlコーティングPET基板とICとを190℃−100MPa−5secの圧着条件で圧着し、接続構造体を得た。接続構造体の初期の抵抗値は0.7Ω、信頼性試験後の抵抗値は1.0Ω、配線クラックの発生率は25%であり、総合判定はNGであった。
【0079】
【表1】
【0080】
比較例1のように、導電層としてNi−Bを形成し、絶縁性粒子としてモース硬度が7であるシリカを用いた場合、信頼性試験後の抵抗が上昇した。また、比較例2のように比較例1の導電性粒子を用いてPET基板を接続させた場合、信頼性試験後の抵抗が大きく上昇した。また、比較例3のように、導電層としてNi−W−Bを形成し、絶縁性粒子としてモース硬度が7であるシリカを用いた場合も、信頼性試験後の抵抗が上昇した。また、また、比較例4のように比較例2の導電性粒子を用いてPET基板を接続させた場合、信頼性試験後の抵抗が大きく上昇した。また、比較例5のように圧着時の圧力を高くしてPET基板を接続させた場合、信頼性試験後の抵抗の上昇を抑制することができたが、クラックが発生してしまった。
【0081】
一方、実施例1〜4のように、絶縁性粒子としてモース硬度が9であるアルミナを用いた場合、圧着時の圧力を高くすることなく、信頼性試験後の抵抗の上昇を抑制することができ、クラックの発生を防止することができた。また、実施例2,4のように、PET基板の接続でも低抵抗を実現することができた。また、実施例4のように、導電層としてNi−W−Bを形成することにより、PET基板の接続においてさらに低抵抗を実現することができた。これらは、絶縁性粒子の硬度が大きいため、圧着時の圧力を高くしなくても、配線表面の酸化物層を突き破り、配線と導電性粒子との接点が増加したからであると考えられる。
樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きく、前記樹脂コア粒子の20%圧縮されたときの圧縮弾性率が、500〜20000N/mm2である導電性粒子を含有する導電材料を介して、2000〜4100MPaの弾性率を有するプラスチック基板である第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを圧着し、前記第1の部材の端子上に酸化物層が形成されてなる接続構造体の製造方法。
樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きく、前記樹脂コア粒子の20%圧縮されたときの圧縮弾性率が、500〜20000N/mm2である導電性粒子により、2000〜4100MPaの弾性率を有するプラスチック基板である第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とが接続されてなり、前記第1の部材の端子上に酸化物層が形成されてなる接続構造体。
樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大きく、前記樹脂コア粒子の20%圧縮されたときの圧縮弾性率が、500〜20000N/mm2である導電性粒子を含有し、2000〜4100MPaの弾性率を有するプラスチック基板である第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを接続し、前記第1の部材の端子上に酸化物層が形成されてなる導電材料。
すなわち、本発明に係る導電材料は、樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大き
また、本発明に係る接続構造体は、樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大き
また、本発明に係る接続構造体の製造方法は、樹脂コア粒子と、前記樹脂コア粒子の表面に複数配置され、突起を形成する絶縁性粒子と、前記樹脂コア粒子及び前記絶縁性粒子の表面に配置される導電層とを備え、前記絶縁性粒子のモース硬度が、7より大き