【解決手段】ブラシ付きモータは、コミュテータを有するロータと、コミュテータに接触するブラシ16を保持するブラシホルダ15と、電源が接続されブラシ16に給電する端子と、を備え、ブラシホルダ15は、ブラシ16をコミュテータに向けて付勢するブラシアーム48と、端子とブラシアーム48とを接続する導体47と、を備え、導体47は、ロータの回転軸O1方向に延びるチョークコイル63と、ブラシアーム48とチョークコイル63とを接続する第1板材62と、を備え、ブラシホルダ15を回転軸O1方向から見た平面視において、チョークコイル63は、ブラシ16よりも第1板材62の近くに配置されている。
前記平面視において、前記ブラシアームが、前記第1板材の第1端部の近傍から、前記第1板材に対して交差する方向に延び、前記チョークコイルの少なくとも一部が、前記ブラシアームの先端部と前記第1板材の第2端部とを結ぶ仮想線と、前記ブラシアームと、前記第1板材と、の間に形成される領域に配置されている請求項1に記載のブラシ付きモータ。
前記ブラシホルダは、前記ブラシ、前記ブラシアームおよび前記導体が内部に配置された筒材と、前記筒材内を、前記ブラシが配置された第1空間と前記導体が配置された第2空間とに区画する壁材と、を備えている請求項1または2に記載のブラシ付きモータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のブラシ付きモータでは、小型化に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ブラシ付きモータの小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るブラシ付きモータは、コミュテータを有するロータと、前記コミュテータに接触するブラシを保持するブラシホルダと、電源が接続され前記ブラシに給電する端子と、を備え、前記ブラシホルダは、前記ブラシを前記コミュテータに向けて付勢する固定されたブラシアームと、前記端子と前記ブラシアームとを接続する導体と、を備え、前記導体は、前記ロータの回転軸方向に延びるチョークコイルと、前記ブラシアームと前記チョークコイルとを接続する第1板材と、を備え、前記ブラシホルダを前記回転軸方向から見た平面視において、前記チョークコイルは、前記ブラシよりも前記第1板材の近くに配置されている。
【0007】
チョークコイルが、回転軸方向に延びている。したがって、例えば、チョークコイルが、回転軸に直交する方向に延びている場合に比べて、ブラシホルダを回転軸方向から見た平面視におけるチョークコイルの専有面積を小さく抑えることができる。よって、モータの小型化を図ることができる。
前記平面視において、チョークコイルが、ブラシよりも第1板材の近くに配置されている。言い換えると、前記平面視において、チョークコイルから第1板材までの最短距離が、チョークコイルからブラシまでの最短距離よりも短い。したがって、ブラシアームが変形、変位するときに、チョークコイルをブラシアームに干渉させ難くすることができる。その結果、モータの更なる小型化を図ることができる。
なお、チョークコイルが回転軸方向に延びていることは、チョークコイルの軸線が回転軸に平行である場合だけでなく、前記軸線が回転軸に30度以下の傾斜をしている場合も含む。回転軸に対する軸線の傾斜角度は、15度以下が好ましく、10度以下がより好ましく、5度以下がより一層好ましい。
【0008】
前記平面視において、前記ブラシアームが、前記第1板材の第1端部の近傍から、前記第1板材に対して交差する方向に延び、前記チョークコイルの少なくとも一部が、前記ブラシアームの先端部と前記第1板材の第2端部とを結ぶ仮想線と、前記ブラシアームと、前記第1板材と、の間に形成される領域に配置されていてもよい。
【0009】
前記平面視において、チョークコイルの少なくとも一部が前記領域に配置されている。したがって、チョークコイル全体が前記領域外に配置されている場合に比べて、モータの更なる小型化を図ることができる。
【0010】
前記ブラシホルダは、前記ブラシ、前記ブラシアームおよび前記導体が内部に配置された筒材と、前記筒材内を、前記ブラシが配置された第1空間と前記導体が配置された第2空間とに区画する壁材と、を備えていてもよい。
【0011】
壁材が、筒材内を第1空間と第2空間とに区画する。したがって、第1空間内で発生するブラシの摩耗粉を第1空間内に留めることができる。よって、摩耗粉を第2空間に侵入させ難くすることができる。摩耗粉が第2空間に侵入した場合、導体を構成する部品間での予期せぬ短絡が生じるおそれがあるものの、その進入を抑えることで部品間の短絡を抑制することができる。
【0012】
前記導体は、一対の第2板材と、前記一対の第2板材に挟まれたサーミスタと、を備えていてもよい。
【0013】
サーミスタが一対の第2板材に挟まれており、摩耗粉が第2空間に侵入した場合、一対の第2板材が短絡してサーミスタが機能しなくなるおそれがある。しかしながら、壁材によって、このようなおそれを抑制することができる。
【0014】
前記チョークコイルは、前記第2空間に配置されていてもよい。
【0015】
摩耗粉がチョークコイルに到達すると、巻き線間が短絡するおそれがある。しかしながら、チョークコイルが第2空間に配置され、チョークコイルが壁材を挟んでブラシの反対側に配置されていることによって、このようなおそれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ブラシ付きモータの小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1から
図6を参照し、本発明の一実施形態に係るブラシ付きモータを説明する。
図1から
図3に示すように、ブラシ付きモータ10(以下、単にモータ10という)は、ロータ11と、ステータ12と、ケース13と、ターミナルホルダ14と、ブラシホルダ15と、を備えている。
図2に示すように、モータ10は、いわゆるインナーロータタイプであり、筒状のステータ12内にロータ11が配置される。ロータ11は、シャフト21を備えており、シャフト21の中心軸線である回転軸O1回りに回転する。以下では、回転軸O1に直交する方向を径方向といい、回転軸O1回りに周回する方向を周方向という。
【0019】
ロータ11は、前記シャフト21に加え、コア22と、コミュテータ23と、を備えている。コア22およびコミュテータ23は、いずれもシャフト21に取り付けられている。コア22およびコミュテータ23は、回転軸O1方向に互いにずらされている。シャフト21には、回転軸O1方向の両側からワッシャ24が装着される。
以下では、回転軸O1方向に沿って、コミュテータ23に対してコア22が位置する側を第1側D1という。回転軸O1方向に沿って、コア22に対してコミュテータ23が位置する側を第2側D2という。
【0020】
ステータ12は、マグネット25と、マグネットピン26と、を備えている。マグネット25は、周方向に間隔をあけて複数(図示の例では2つ)設けられている。マグネットピン26は、周方向に隣り合うマグネット25の間に配置されている。これらのマグネット25およびマグネットピン26により、ステータ12が筒状に形成されている。
【0021】
ケース13(大ケース)は、ロータ11およびステータ12を収容する。ケース13は、有頂筒状に形成されている。言い換えると、ケース13は、第1側D1の端部が閉塞された筒状に形成されている。ケース13の頂壁部30(第1側D1の端部を閉塞する壁部)には、シャフト21が貫通する貫通孔が形成されている。前記頂壁部30には、シャフト21用のオイレスベアリング31(オイレスメタル)も配置されている。ケース13の内周面には、前記ステータ12が固定されている。
【0022】
図3に示すように、ターミナルホルダ14は、ケース13に対して第2側D2に配置されている。ターミナルホルダ14は、筒状部35と、端子口36と、端子37と、を備えている。
【0023】
筒状部35および端子口36は、一体に形成されている。筒状部35は、有底筒状に形成されている。言い換えると、筒状部35は、第2側D2の端部が閉塞された筒状に形成されている。筒状部35の底壁部38(第1側D1の端部を閉塞する壁部)には、シャフト21が嵌め込まれる孔が形成されている。なお図示の例では、筒状部35には、組立PCB39と、センサマグネット40と、組立PTC41と、が収容されている。
【0024】
端子口36は、筒状部35から第2側D2に延びる筒状に形成されている。端子口36には、電源(モータ10の外部の電源)が装着される。
端子37は、筒状部35および端子口36に埋め込まれている。端子37の一部は、端子口36内に露出している。端子口36に電源が装着されたときに、端子37は電源に接続される。端子37は、一対設けられている。端子37は、ブラシ16に給電する。
【0025】
ブラシホルダ15は、回転軸O1方向に沿って、ケース13とターミナルホルダ14との間に配置されている。ブラシホルダ15は、ケース13に第2側D2から装着される。ブラシホルダ15は、ターミナルホルダ14に第1側D1から装着される。
図4から
図6に示すように、ブラシホルダ15は、筒材45と、壁材46と、導体47と、ブラシアーム48と、を備えている。壁材46、導体47およびブラシアーム48はそれぞれ一対ずつ設けられている。
【0026】
図3に示すように、筒材45は、有底筒状に形成されている。筒材45は、ターミナルホルダ14の筒状部35内に嵌め込まれる。筒材45と筒状部35との間に、前述した組立PCB39、センサマグネット40および組立PTC41が配置されている。組立PCB39、センサマグネット40および組立PTC41は、筒材45の底壁部49に対して第2側D2に配置されている。壁材46、導体47およびブラシアーム48は、筒材45の底壁部49に対して第1側D1に配置されている。なお前記底壁部49には、シャフト21用のオイレスベアリング57(オイレスメタル)が配置されている。
【0027】
図5に示すように、壁材46は、筒材45内を第1空間50と一対の第2空間51とに区画する。第1空間50には、ブラシ16、シャフト21、ブラシアーム48およびオイレスベアリング57が配置される。第2空間51には、導体47(後述するチョークコイル63を含む)およびアースターミナル59が配置される。
一対の壁材46は、シャフト21を径方向に挟んで対向している。一対の壁材46は、筒材45の底壁部49から第1側D1に延びている。一対の壁材46における第2側D2の端部は、前記底壁部49に連結されている。
【0028】
壁材46は、第1壁部52、第1屈曲部53、第2壁部54、第2屈曲部55および第3壁部56を備えている。第1壁部52、第1屈曲部53、第2壁部54、第2屈曲部55および第3壁部56は、ブラシホルダ15を第1側D1から見た場合の反時計回り方向においてこの順で並んでいる。以下では、ブラシホルダ15を第1側D1から見た場合の反時計回り方向を単に反時計回り方向CCWといい、ブラシホルダ15を第1側D1から見た場合の時計回り方向を単に時計回り方向CWという。
【0029】
第1壁部52は、筒材45の内周面から筒材45内に延びている。第1壁部52および第2壁部54は、第1屈曲部53を介して連結されている。言い換えると、第2壁部54は、第1壁部52から、第1壁部52に交差する方向に延びている。第1屈曲部53は、径方向の外側に向けて凸をなす。第2壁部54および第3壁部56は、第2屈曲部55を介して連結されている。言い換えると、第3壁部56は、第2壁部54から、第2壁部54に交差する方向に延びている。第2屈曲部55は、周方向に凸をなす。第3壁部56は、第1壁部52に平行である。第3壁部56は、筒材45の内周面との間に隙間58を形成している。この隙間58には、ブラシアーム48の一部(後述する固定部70)が配置される。
【0030】
図6に示すように、ブラシホルダ15を回転軸O1方向から見た平面視において、一対の第2空間51は、筒材45内の空間における外周部に配置されている。一対の第2空間51は、周方向に間隔をあけて設けられている。前記平面視において、一対の第2空間51は、同等の広さである。1つの第2空間51は、第1空間50よりも狭い。一対の第2空間51は、シャフト21を中心として概ね点対称に配置されている。
【0031】
導体47は、端子37とブラシアーム48とを接続する。一対の導体47はそれぞれ第2空間51に配置されている。一対の導体47は、シャフト21を径方向に挟んで対向している。一対の導体47は、シャフト21を中心として概ね点対称に配置されている。一対の導体47は、第1導体60と、第2導体61と、を備えている。第1導体60と第2導体61とは、それぞれ異なる第2空間51に配置されている。
【0032】
図4から
図6に示すように、第1導体60は、積層体66と、チョークコイル63と、第1板材62と、を備えている。積層体66、チョークコイル63および第1板材62は、端子37からブラシアーム48に向けてこの順に並んでいる。
積層体66は、一対の第2板材64と、サーミスタ65と、を備えている。
【0033】
一対の第2板材64のうち、一方の第2板材64(以下、端子側の第2板材64aという)は、端子37に接続され、他方の第2板材64(以下、コイル側の第2板材64bという)は、チョークコイル63に接続されている。端子側の第2板材64aは、径方向の外側に凸となる折り曲げ部を含んでいる。
【0034】
サーミスタ65は、例えばNiCu合金の金属箔により形成されている。サーミスタ65は、一対の第2板材64に挟まれている。サーミスタ65は、一対の第2板材64によって径方向に挟まれている。サーミスタ65の少なくとも一部は、一対の第2板材64に比べて第1側D1に向けて突出している。図示の例では、一対の第2板材64およびサーミスタ65は、径方向の外側から内側に向けて、端子側の第2板材64a、サーミスタ65およびコイル側の第2板材64bの順に並んでいる。
【0035】
図5に示すように、チョークコイル63は、本体部67と、一対の端子部68と、を備えている。本体部67は、螺旋をなしている。本体部67の軸線が、チョークコイル63全体の軸線O2である。本体部67内には、フェライトコア69(コア、磁性体コア)が配置されている。一対の端子部68はそれぞれ、本体部67の端部から延びている。一対の端子部68のうち、一方は、第2板材64(コイル側の第2板材64b)に固定され、他方は、第1板材62に固定されている。一対の端子部68は、第2板材64における第1側D1の端部、第1板材62における第1側D1の端部それぞれに固定されている。
【0036】
チョークコイル63は、回転軸O1方向に延びている。図示の例では、チョークコイル63の軸線O2は、回転軸O1に平行である。ここで、チョークコイル63が回転軸O1方向に延びていることは、チョークコイル63の軸線O2が回転軸O1に平行である場合だけでなく、前記軸線O2が回転軸O1に30度以下の傾斜をしている場合も含む。回転軸O1に対する軸線O2の傾斜角度は、15度以下が好ましく、10度以下がより好ましく、5度以下がより一層好ましい。
【0037】
第1板材62は、チョークコイル63とブラシアーム48とを接続する。
第1導体60では、積層体66と第1板材62とが、反時計回り方向CCWにおいてこの順で並んでいる。チョークコイル63の本体部67は、第1板材62に対して径方向の内側に配置されている。
【0038】
第2導体61の概略構成は、第1導体60の概略構成と一致している。第2導体61は、積層体66に代えて1つの第2板材64を備えている点で第1導体60と異なる。言い換えると、第2導体61は、サーミスタ65を備えておらず、第2板材64を1つのみ備えている。第2導体61では、1つの第2板材64に端子37およびチョークコイル63が接続される。第2導体61における第2板材64は、第1導体60における端子側の第2板材64aと同様に折り曲げ部を有している。第2導体61では、第2板材64および第1板材62が、反時計回り方向CCWにおいてこの順で並んでいる。
【0039】
図6に示すように、第1導体60および第2導体61では、互いに対応する部品が、シャフト21を径方向に挟んで対向している。具体的には、第1導体60における積層体66と、第2導体61における第2板材64と、が対向している。第1導体60におけるチョークコイル63および第1板材62と、第2導体61におけるチョークコイル63および第1板材62と、が対向している。
【0040】
ブラシアーム48は、ブラシ16をコミュテータ23に向けて付勢する。ブラシ16は、コミュテータ23に接触する。ブラシ16は、シャフト21(コミュテータ23)を径方向に挟んで一対設けられている。ブラシ16は、径方向の内側に向けて弾性的に付勢されている。ブラシ16は、例えばカーボンブラシである。
【0041】
一対のブラシアーム48は、シャフト21を径方向に挟んでいる。ブラシホルダ15を回転軸O1方向から見た平面視において、一対のブラシアーム48はそれぞれ、第1板材62の第1端部62aから(第1端部62aの近傍から)、第1板材62に対して交差する方向に延びている。各ブラシアーム48は、1枚の板材により形成されている。
図5および
図6に示すように、各ブラシアーム48は、固定部70と、保持部71と、変形部72と、を備えている。
【0042】
固定部70は、第1板材62の第1端部62aに固定されている。固定部70の一部は、第1端部62aに対して周方向に突出し、前記隙間58に配置されている。保持部71は、ブラシ16を保持する。保持部71には、開口が形成され、ブラシ16は、開口内に嵌合されている。変形部72は、固定部70と保持部71とを連結する。変形部72は、保持部71よりも変形容易である。図示の例では、保持部71にはリブ71aが形成されているものの、変形部72にはリブがないため、変形部72が保持部71よりも変形容易である。変形部72が変形することで、ブラシアーム48全体が変形する。
【0043】
ロータ11がブラシホルダ15に装着されている状態では、ブラシ16がコミュテータ23によって径方向の内側から外側に押し込まれ、ブラシアーム48が弾性変形している。このとき、ブラシアーム48の弾性復元力によって、ブラシ16がコミュテータ23に押し付けられている。ロータ11がブラシホルダ15から離脱していると、ブラシアーム48がコミュテータ23によって押し込まれることがなく、ブラシアーム48が弾性変形させられていない状態となる。
【0044】
ここで
図6では、ロータ11の図示を省略しているが、
図6に示すブラシアーム48の形状は、ロータ11がブラシホルダ15に装着されている場合の形状を示している。言い換えると、
図6に示すブラシアーム48の形状は、コミュテータ23によって径方向の外側に弾性変形させられているブラシアーム48の形状である。
【0045】
ロータ11がブラシホルダ15に装着されている状態では、前記平面視において、チョークコイル63(本体部67)は、ブラシ16よりも第1板材62の近くに配置されている。すなわち、前記平面視において、チョークコイル63(本体部67)から第1板材62までの最短距離が、チョークコイル63(本体部67)からブラシ16までの最短距離よりも短い。
【0046】
さらに、ロータ11がブラシホルダ15に装着されている状態では、前記平面視において、ブラシアーム48の先端部48aと第1板材62の第2端部62bとを結ぶ仮想線Lと、ブラシアーム48と、第1板材62と、の間の領域Rが形成される。チョークコイル63(本体部67)の少なくとも一部は、前記領域Rに配置されている。本実施形態では、前記領域Rに、チョークコイル63の軸線O2の少なくとも一部(図示の例では、前記軸線O2全体)が配置されている。図示の例では、軸線O2は前記仮想線L上に位置している。
【0047】
なお本実施形態では、上記位置関係は、ロータ11がブラシホルダ15から離脱されている状態においても成り立つ。すなわち、ロータ11がブラシホルダ15から離脱されている図示しない状態においても、前記平面視において、チョークコイル63(本体部67)は、ブラシ16よりも第1板材62の近くに配置されている。さらに、この状態においても、前記平面視において、ブラシアーム48の先端部48aと第1板材62の第2端部62bとを結ぶ仮想線Lと、ブラシアーム48と、第1板材62と、の間の領域Rが形成され、チョークコイル63(本体部67)の少なくとも一部が、前記領域Rに配置される。ただし、ロータ11がブラシホルダ15に装着されている状態と装着されていない状態とでは、仮想線Lや領域Rの形状が異なる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係るモータ10によれば、チョークコイル63が、回転軸O1方向に延びている。したがって、例えば、チョークコイル63が、回転軸O1に直交する方向に延びている場合に比べて、前記平面視におけるチョークコイル63の専有面積を小さく抑えることができる。よって、モータ10の小型化を図ることができる。
【0049】
前記平面視において、チョークコイル63が、ブラシ16よりも第1板材62の近くに配置されている。言い換えると、前記平面視において、チョークコイル63から第1板材62までの最短距離が、チョークコイル63からブラシ16までの最短距離よりも短い。したがって、ブラシアーム48が変形、変位するときに、チョークコイル63をブラシアーム48に干渉させ難くすることができる。その結果、モータ10の更なる小型化を図ることができる。
【0050】
前記平面視において、チョークコイル63の少なくとも一部が前記領域Rに配置されている。したがって、チョークコイル63全体が前記領域R外に配置されている場合に比べて、モータ10の更なる小型化を図ることができる。
【0051】
壁材46が、筒材45内を第1空間50と第2空間51とに区画する。したがって、第1空間50内で発生するブラシ16の摩耗粉を第1空間50内に留めることができる。よって、摩耗粉を第2空間51に侵入させ難くすることができる。摩耗粉が第2空間51に侵入した場合、導体47を構成する部品間での予期せぬ短絡が生じるおそれがあるものの、その進入を抑えることで部品間の短絡を抑制することができる。
【0052】
サーミスタ65が一対の第2板材64に挟まれており、摩耗粉が第2空間51に侵入した場合、一対の第2板材64が短絡してサーミスタ65が機能しなくなるおそれがある。しかしながら、壁材46によって、このようなおそれを抑制することができる。
摩耗粉がチョークコイル63に到達すると、巻き線間が短絡するおそれがある。しかしながら、チョークコイル63が第2空間51に配置され、チョークコイル63が壁材46を挟んでブラシ16の反対側に配置されていることによって、このようなおそれを抑制することができる。
【0053】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0054】
例えば、壁材46がなくてもよい。
チョークコイル63全体が、前記領域R外に配置されていてもよい。
モータ10がインナーロータでなくアウターロータであってもよい。
【0055】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。