【実施例】
【0043】
  以下、図面を参照しながら、本発明のアクチュエータの実施例を説明する。
【0044】
  (1)第1実施例
  はじめに、
図1(a)から
図1(c)を参照しながら、第1実施例のアクチュエータ1について説明する。
図1(a)は、第1実施例のアクチュエータ1の上面図である。
図1(b)は、
図1(a)に示す第1実施例のアクチュエータ1(但し、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123に駆動信号が供給されていない)のI−I’断面図である。
図1(c)は、
図1(a)に示す第1実施例のアクチュエータ1(但し、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123に駆動信号が供給されている)のI−I’断面図である。尚、
図1(a)から
図1(c)では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸によって規定される仮想的な3次元空間内にアクチュエータ1が配置されている例を用いて説明を進める。
【0045】
  図1(a)及び
図1(b)に示すように、アクチュエータ1は、「第1部材」の一具体例である第1基板11と、「第2部材」の一具体例である第2基板12とを備えている。
【0046】
  第1基板11は、XY平面に沿った平面状の又は板状の部材である。第1基板11は、XY平面上において、矩形の形状を有している。第2基板12もまた、XY平面に沿った平面状の又は板状の部材である。第2基板11は、XY平面上において、矩形の形状を有している。第1基板11及び第2基板12は、例えばガラス基板、シリコン基板又はその他の材料から構成される基板であってもよい。
【0047】
  第1基板11は、第1基板11のうちの一部分112の厚さ(つまり、Z軸方向に沿った長さ)が、第1基板11のうちの他の一部分の厚さよりも小さくなっている。
図1(a)に示す例では、厚さが相対的に小さくなる一部分112は、XY平面上においてリング状の形状を有している。つまり、第1基板11は、メンブレン構造を有している。
【0048】
  第1基板11と第2基板12とは、Z軸方向に沿って延伸する支持部材13によって支持されている。支持部材13は、初期状態において第1基板11と第2基板12との間のZ軸方向に沿った間隔(以降、Z軸方向に沿った間隔を、単に“間隔と称する”)が「d1」となるように、第1基板11と第2基板12とを支持する。
【0049】
  尚、「初期状態」とは、第1基板11が歪んでいない状態を意味している。つまり、「初期状態」とは、後述する第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123に駆動信号が供給されていない状態を意味している。
【0050】
  第1基板11は、第1対向面111を備えている。第1対向面111は、第1基板11の面のうち、XY平面に平行な面であって且つ第2基板12に対向する(言い換えれば、−Z軸方向を向いている、又は、第2対向面121に対向する)面である。
【0051】
  第2基板12は、第2対向面121を備えている。第2対向面121は、第2基板12の面のうち、XY平面に平行な面であって且つ第1基板11に対向する(言い換えれば、+Z軸方向を向いている、又は、第1対向面111に対向する)面である。第2対向面121は、第1対向面111に対して平行な面である。
【0052】
  第2対向面121は、第1面121aと、第1面121aによって取り囲まれると共に第1面121aと比較して第1基板11側(言い換えれば、+Z軸方向側)に向かって突き出た第2面121bとを含む。つまり、第2対向面121には、実質的に段差が形成されている。
【0053】
  尚、第1実施例では、上述した第1基板11と第2基板12との間の間隔は、第1対向面111と第2面121bとの間の間隔であるものとする。但し、第1基板11と第2基板12との間の間隔は、第1対向面111と第1面121aとの間の間隔であってもよい。
【0054】
  第1対向面111上には、「第1制御電極」の一具体例である第1アクチュエータ電極113と、「第1検出電極」の一具体例である第1センサ電極114とが形成されている。第2対向面121上には、「第2制御電極」の一具体例である第2アクチュエータ電極123と、「第2検出電極」の一具体例である第2センサ電極124とが形成されている。第1アクチュエータ電極113、第1センサ電極114、第2アクチュエータ電極123及び第2センサ電極124の夫々は、例えば金属を含む電極である。
【0055】
  図1(a)に示す例では、第1アクチュエータ電極113及び第1センサ電極114並びに第2アクチュエータ電極123及び第2センサ電極124の夫々は、XY平面上においてリング状の形状を有している。更に、第1アクチュエータ電極113及び第1センサ電極114並びに第2アクチュエータ電極123及び第2センサ電極124の夫々の中心は、厚さが相対的に小さくなる一部分112(つまり、メンブレン構造を規定する巻く部分)の中心と一致している。尚、
図1(a)では、便宜上、第1アクチュエータ電極113及び第1センサ電極114並びに第2アクチュエータ電極123及び第2センサ電極124の形状を点線で示している。
【0056】
  第1アクチュエータ電極113は、第2アクチュエータ電極123に対向している。つまり、第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123とは、Z軸方向に沿って並んでいる。また、第1センサ電極114は、第2センサ電極124に対向している。つまり、第1センサ電極114と第2センサ電極124とは、Z軸方向に沿って並んでいる。
【0057】
  第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123は、第1基板11の状態を制御するための電極である。具体的には、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123は、第1基板11を歪ませる又は動かすための電極である。
【0058】
  より具体的には、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123には、不図示の駆動信号処理回路から、第1基板11の状態を制御するための駆動信号が供給される。駆動信号が第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123に供給されると、第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間には、静電力が発生する。その結果、第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123とは、Z軸方向に沿って互いに引っ張り合う(或いは、遠ざかる)。その結果、メンブレン構造を有するがゆえに第2基板12よりも歪みやすくなっている第1基板11は、
図1(c)に示すように歪むことになる。つまり、第1実施例では、第2基板12が、実質的には固定されている固定基板として機能する一方で、第1基板11が、実質的に動くことが可能な可動基板として機能している。その結果、第1基板11と第2基板12との間の間隔が変わる。
【0059】
  第1センサ電極114及び第2センサ電極124は、第1基板11の状態を検出するための電極である。具体的には、第1センサ電極114及び第2センサ電極124は、第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出するための電極である。
【0060】
  より具体的には、第1基板11と第2基板12との間の間隔が変わると、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔もまた変わる。例えば、
図1(b)及び
図1(c)に示すように、第1基板11が歪むことで第1基板11と第2基板12との間の間隔が「d1」から「d1’(但し、
図1(c)に示す例ではd1’<d1)」に変わると、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔もまた、「d2」から「d2’ (但し、
図1(c)に示す例ではd2’<d2)」に変わる。第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔が変わると、第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量もまた変わる。従って、不図示の検出信号処理回路は、第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量を検出信号として検出することで、第1基板11と第2基板12との間の間隔を実質的に検出することができる。
【0061】
  第1実施例では特に、第2アクチュエータ電極123は、第2対向面121のうち第1面121a上に形成されている。一方で、第2センサ電極124は、第2対向面121のうち第2面121b上に形成されている。その結果、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3は、初期状態における第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔d2よりも小さくなる。
【0062】
  加えて、第1実施例では、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とは、電気的に分離されている。言い換えれば、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とは、電気的に独立している。更に言い換えれば、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とは、電気的に接続されていない。
【0063】
  加えて、第1実施例では、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とは、電気的に分離されている。言い換えれば、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極114とは、電気的に独立している。更に言い換えれば、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とは、電気的に接続されていない。
【0064】
  以上説明したアクチュエータ1によれば、第1基板11に2種類の電極(つまり、第1アクチュエータ電極113及び第1センサ電極114)が形成される。第2基板12にもまた、2種類の電極(つまり、第2アクチュエータ電極123及び第2センサ電極124)が形成される。このため、アクチュエータ1は、これら2種類の電極のうちの第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123を用いて、第1基板11の状態を制御する(つまり、第1基板11を歪める)ことができる。一方で、アクチュエータ1は、これら2種類の電極のうちの第1センサ電極114及び第2センサ電極124を用いて、第1基板11の状態を検出する(つまり、第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出する)ことができる。従って、アクチュエータ1は、第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出しながら、第1基板11を歪める(つまり、第1基板11と第2基板12との間の間隔を制御する)ことができる。例えば、アクチュエータ1は、第1基板11と第2基板12との間の間隔が所望間隔となるように、第1基板11を所望量だけ歪めることができる。従って、アクチュエータ1は、第1センサ電極114及び第2センサ電極124が形成されていない第1比較例のアクチュエータと比較して、第1基板11を精度良く歪める(つまり、第1基板11と第2基板12との間の間隔を精度良く制御する)ことができる。
【0065】
  加えて、第1実施例のアクチュエータ1では、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とが電気的に分離されており、且つ、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とが電気的に分離されている。このため、第1基板11を歪めるために第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123に供給される駆動信号と、第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出するために第1センサ電極114及び第2センサ電極124を流れる検出信号とが、電気的に分離される。つまり、アクチュエータ1は、駆動信号と検出信号とが電気的に分離した状態で、これら2種類の信号を取り扱うことができる。従って、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とが電気的に分離されておらず且つ第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とが電気的に分離されていない第2比較例のアクチュエータと比較して、アクチュエータ1では、第1基板11を歪めるための信号処理を行う駆動信号処理回路及び第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出するための信号処理を行う検出信号処理回路の回路構成が簡略化される。
【0066】
  このように、第1実施例のアクチュエータ1は、比較的容易に、第1基板11の状態を制御しつつ、第1基板11の状態を検出することができる。つまり、第1実施例のアクチュエータ1は、比較的容易に、第1基板11を歪めつつ、第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出することができる。
【0067】
  加えて、第1実施例のアクチュエータ1によれば、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3は、初期状態における第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔d2よりも小さくなる。ここで、
図2を参照しながら、間隔d3を間隔d2よりも小さくすることで実現される技術的効果について説明する。
図2は、第1センサ電極114及び第2センサ電極124の間の間隔と第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量との関係を示すグラフである。
【0068】
  まず、第1実施例のアクチュエータ1では、上述したように、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123に発生する静電力により、第1基板11が歪められる。この場合、第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔が、初期状態での間隔d1に対して所定割合以上小さくなる(例えば、間隔d1の2/3になる)と、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123が接触し合うプルイン状態が発生する。プルイン状態が発生すると、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123に発生する静電力によって第1基板11を歪めることが困難になってしまう。このため、第1基板11の歪み量を相対的に大きくすることで第1基板11の可動範囲を広げるためには、初期状態における第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔d2が相対的に大きいことが好ましい。
【0069】
  一方で、第1実施例のアクチュエータ1では、第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量に基づいて第1基板11と第2基板12との間の間隔が検出される。このため、第1基板11と第2基板12との間の間隔の検出精度は、第1基板11と第2基板12との間の間隔の所定量の変化に対する第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量の変化量が大きくなるほど向上する。但し、第1基板11と第2基板12との間の間隔が第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔と実質的に等価であることを考慮すれば、第1基板11と第2基板12との間の間隔の検出精度は、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔の所定量の変化に対する第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量の変化量が大きくなるほど向上する。ここで、第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量は、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の媒質の誘電率×(第1センサ電極114又は第2センサ電極124の表面積/第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔)と言う数式から導出される。つまり、
図2に示すように、第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量は、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔に反比例する。そうすると、
図2に示すグラフから分かるように、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3が小さくなるほど、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔の所定量の変化に対する第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量の変化量が大きくなる。例えば、
図2に示すように、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔が「d3a」となる場合には、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔の所定量±Δdの変化に対する第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量の変化量は「Va」となる。一方で、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔が「d3b(但し、d3b>d3a)」となる場合には、第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔の所定量±Δdの変化に対する第1センサ電極114及び第2センサ電極124の静電容量の変化量は「Vb(但し、Vb<Va)」となる。つまり、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔が相対的に小さい「d3a」となる場合の静電容量の検出精度は、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔が相対的に大きい「d3b」となる場合の検出精度よりも良好である。言い換えれば、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔が相対的に小さい「d3a」となる場合の第1基板11と第2基板12との間の間隔の検出精度は、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔が相対的に大きい「d3b」となる場合の第1基板11と第2基板12との間の間隔よりも良好である。従って、第1基板11と第2基板12との間の間隔の検出精度を向上させるためには、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3が相対的に小さいことが好ましい。
【0070】
  このように、初期状態における第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔d2が相対的に大きいことが望まれる一方で、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3が相対的に小さいことが望まれる。つまり、間隔d1と間隔d3とは、互いに背反する要求を満たすことが望まれる。このような背反する要求を間隔d2及び間隔d3が満たすことが望まれることを考慮して、第1実施例のアクチュエータ1では、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3が、初期状態における第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔d2よりも小さくなっている。その結果、アクチュエータ1は、初期状態における第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔d2を相対的に大きくすることができるがゆえに、第1基板11の歪み量を相対的に大きくすることで第1基板11の可動範囲を広げることができる。その一方で、アクチュエータ1は、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3を相対的に小さくすることができるがゆえに、第1基板11と第2基板12との間の間隔の検出精度を向上させることができる。
【0071】
  尚、
図1(a)から
図1(c)に示したアクチュエータ1はあくまで一例である。従って、本発明が
図1(a)から
図1(c)に示したアクチュエータ1に限定されることはない。アクチュエータ1の変更例の一部を以下に列挙する。
【0072】
  第1基板11は、平面状の又は板状の部材でなくてもよい。XY平面上における第1基板11の形状は、矩形でなくてもよい。第2基板12は、平面状の又は板状の部材でなくてもよい。XY平面上における第2基板12の形状は、矩形でなくてもよい。
【0073】
  厚さが相対的に小さくなる一部分112のXY平面上における形状は、リング状でなくてもよい。第1基板11は、厚さが相対的に小さくなる一部分112を備えていなくてもよい。第1基板11は、メンブレン構造を有してなくてもよい。
【0074】
  支持部材13は、第1基板11及び第2基板12の双方とは別個の部材であってもよい。支持部材13は、第1基板11及び第2基板12のうちの少なくとも一方と一体化された部材であってもよい。
【0075】
  第1対向面111及び第2対向面121のうちの少なくとも一方は、XY平面に平行でない面(つまり、XY平面に対して傾斜している面)であってもよい。第1対向面111及び第2対向面121のうちの少なくとも一方は、XY平面に平行でない面を含んでいてもよい。第1対向面111及び第2対向面121のうちの少なくとも一方は、曲面を含んでいてもよい。第2対向面121は、第1対向面111に対して平行でない面(つまり、第1対向面111に対して傾斜している面)を含んでいてもよい。
【0076】
  第2対向面121が第1面121aと第2面121bとを含むことに加えて又は代えて、第1対向面111が、第1面と、第1面によって取り囲まれると共に第1面と比較して第2基板12側(言い換えれば、−Z軸方向側)に向かって突き出た第2面とを含んでいてもよい。つまり、第2対向面121に段差が形成されることに加えて又は代えて、第1対向面111に段差が形成されていてもよい。この場合、第1アクチュエータ電極113は、第1対向面111のうち第1面上に形成されていてもよい。一方で、第1センサ電極114は、第1対向面111のうち第2面上に形成されていてもよい。
【0077】
  第2対向面121が含む第2面121bは、第2対向面121が含む第1面121aによって取り囲まれていなくてもよい。第1対向面111が第1面及び第2面を含む場合においても同様に、第1対向面111が含む第2面は、第1対向面111が含む第1面によって取り囲まれていなくてもよい。
【0078】
  第1アクチュエータ電極113及び第1センサ電極114並びに第2アクチュエータ電極123及び第2センサ電極124のうちの少なくとも一つは、XY平面上においてリング状の形状を有していなくてもよい。また、第1アクチュエータ電極113及び第1センサ電極114並びに第2アクチュエータ電極123及び第2センサ電極124のうちの少なくとも一つの中心は、メンブレン構造を規定する厚さが相対的に小さくなる一部分112の中心と一致していなくてもよい。
【0079】
  第1基板11が歪むことに加えて又は代えて、第2基板12が歪んでもよい。つまり、第1基板11が歪むことで第1基板11と第2基板12との間の間隔が変わることに加えて又は代えて、第2基板12が歪むことで第1基板11と第2基板12との間の間隔が変ってもよい。言い換えれば、第2基板12は、実質的に動くことが可能な可動基板として機能してもよい。この場合、第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123は、第1基板11の状態を制御するための電極であることに加えて又は代えて、第2基板12の状態を制御するための電極であってもよい。第1センサ電極114及び第2センサ電極124は、第1基板11の状態を検出するための電極であることに加えて又は代えて、第2基板12の状態を検出するための電極であってもよい。
【0080】
  尚、第2基板12が歪む場合には、第2基板12は、第1基板11と同様にメンブレン構造を有していることが好ましい。但し、第2基板12が歪む場合にであっても、第2基板12は、第1基板11と同様にメンブレン構造を有していなくてもよい。或いは、第2基板12が歪まない場合であっても、第2基板12は、第1基板11と同様にメンブレン構造を有していてもよい。
【0081】
  初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3が、初期状態における第1アクチュエータ電極113と第2アクチュエータ電極123との間の間隔d2よりも小さくなる状態は、第2対向面121に形成される段差以外の構造物によって実現されてもよい。例えば、第2対向面121に段差が形成されていない場合であっても、第2対向面121と第2センサ電極124との間に介在部材を挟み込むことで、間隔d3が間隔d2よりも小さくなる状態が実現されてもよい。例えば、第1対向面111と第1センサ電極124との間に介在部材を挟み込むことで、間隔d3が間隔d2よりも小さくなる状態が実現されてもよい。例えば、第1センサ電極114の厚み(つまり、Z軸方向に沿った長さ)を第1アクチュエータ電極113の厚みよりも大きくすることで、間隔d3が間隔d2よりも小さくなる状態が実現されてもよい。例えば、第2センサ電極124の厚みを第2アクチュエータ電極123の厚みよりも大きくすることで、間隔d3が間隔d2よりも小さくなる状態が実現されてもよい。
【0082】
  但し、間隔d3を間隔d2よりも小さくする目的は、主として、第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出しながら第1基板11を歪めるためである。従って、主として第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とを電気的に分離し且つ第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とを電気的に分離することで実現される技術的効果(つまり、第1基板11を歪めるための信号処理を行う駆動信号処理回路及び第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出するための信号処理を行う検出信号処理回路の回路構成を簡略化することができるという技術的効果)ことを目的とするという観点から見れば、間隔d3は間隔d2よりも小さくなくてもよい。例えば、間隔d3と間隔d2とが同一であってもよい。間隔d3が間隔d2よりも大きくてもよい。
【0083】
  第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とが電気的に分離されている一方で、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とが電気的に分離されていなくてもよい。言い換えれば、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とが電気的に接続されていない一方で、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とが電気的に接続されていてもよい。この場合であっても、アクチュエータ1は、第2アクチュエータ電極123の電位と第2センサ電極124の電位とを共通電位として取り扱うことで、駆動信号と検出信号とが電気的に分離した状態でこれら2種類の信号を取り扱うことができる。
【0084】
  或いは、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とが電気的に分離されていない一方で、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とが電気的に分離されていてもよい。言い換えれば、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とが電気的に接続されている一方で、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とが電気的に接続されていなくてもよい。この場合であっても、アクチュエータ1は、第1アクチュエータ電極113の電位と第1センサ電極114の電位とを共通電位として取り扱うことで、駆動信号と検出信号とが電気的に分離した状態でこれら2種類の信号を取り扱うことができる。
【0085】
  但し、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とを及び/又は第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とを電気的に分離する目的は、主として、第1基板11を歪めるための信号処理を行う駆動信号処理回路及び第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出するための信号処理を行う検出信号処理回路の回路構成を簡略化するためである。従って、主として間隔d3を間隔d2よりも小さくすることで実現される技術的効果(つまり、第1基板11と第2基板12との間の間隔を検出しながら第1基板11を歪めることができるという技術的効果)を主たる目的とするという観点から見れば、第1アクチュエータ電極113と第1センサ電極114とが電気的に分離されておらず、且つ、第2アクチュエータ電極123と第2センサ電極124とが電気的に分離されていなくてもよい。
【0086】
  (2)第2実施例
  続いて、
図3(a)及び
図3(b)を参照しながら、第2実施例のアクチュエータ2について説明する。
図3(a)は、第2実施例のアクチュエータ2の上面図である。
図3(b)は、
図3(a)に示す第2実施例のアクチュエータ2のIII−III’断面図である。尚、
図3(a)から
図3(b)においても、
図1(a)から
図1(c)と同様に、仮想的な3次元空間内にアクチュエータ3が配置されている例を用いて説明を進める。また、第1実施例のアクチュエータ1が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0087】
  図3(a)及び
図3(b)に示すように、第2実施例のアクチュエータ2は、第2基板22の第2対向面221が複数の第2面221b(つまり、第2面221b−1及び第2面221b−2)を備えていると言う点において、第2対向面121が複数の第2面121bを備えているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なっている。第2面221b−1は、第2面221b−2と比較して第1基板側(言い換えれば、+Z軸方向側)に向かって突き出している。つまり、第2対向面221には、実質的に複数の段差が形成されている。尚、第2実施例の第2対向面221のその他の特徴は、第1実施例の第2対向面121のその他の特徴と同一であってもよい。
【0088】
  更に、第2実施例のアクチュエータ2は、第1対向面121上に複数の第1センサ電極214(つまり、第1センサ電極214−1及び第1センサ電極214−2)が形成されていると言う点において、第1対向面111上に複数の第1センサ電極114が形成されているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なっている。尚、第2実施例の第1センサ電極214−1及び第1センサ電極214−2の夫々のその他の特徴は、第1実施例の第1センサ電極114のその他の特徴と同一であってもよい。
【0089】
  更に、第2実施例のアクチュエータ2は、第2対向面221上に複数の第2センサ電極224(つまり、第2センサ電極224−1及び第2センサ電極224−2)が形成されていると言う点において、第2対向面121上に複数の第2センサ電極124が形成されているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なっている。具体的には、第2面221b−1上に、第1センサ電極214−1に対向する第2センサ電極224−1が形成される。更に、第2面221b−2上に、第1センサ電極214−2に対向する第2センサ電極224−2が形成される。その結果、初期状態における第1センサ電極214−1と第2センサ電極224−1との間の間隔d31は、初期状態における第1センサ電極214−2と第2センサ電極224−2との間の間隔d32よりも小さくなる。つまり、第2実施例のアクチュエータ2は、互いに対向する第1センサ電極214及び第2センサ電極224の組み合わせを複数備えている。更に、各組み合わせでの初期状態における第1センサ電極214と第2センサ電極224との間の間隔d3が互いに異なる。尚、第2実施例の第2センサ電極224−1及び第2センサ電極224−2の夫々のその他の特徴は、第1実施例の第2センサ電極124のその他の特徴と同一であってもよい。
【0090】
  第2実施例のアクチュエータ2が備えるその他の構成要素は、第1実施例のアクチュエータ1が備えるその他の構成要素と同一であってもよい。
【0091】
  以上説明した第2実施例のアクチュエータ2もまた、第1実施例のアクチュエータ1が享受する各種効果を好適に享受することができる。加えて、第2実施例のアクチュエータ2は、必要に応じて、第1基板11と第2基板22との間の間隔を検出するために用いる第1センサ電極214及び第2センサ電極224の組み合わせを適宜変更することができる。以下、第1基板11と第2基板22との間の間隔を検出するために用いる第1センサ電極214及び第2センサ電極224の組み合わせを適宜変更する動作について説明する。
【0092】
  第1実施例において説明したように、第1基板11と第2基板22との間の間隔の検出精度を向上させるためには、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3が相対的に小さいことが好ましい。しかしながら、初期状態における第1センサ電極114と第2センサ電極124との間の間隔d3が相対的に小さいと、第1基板11の歪み量が相対的に大きくなると、第1センサ電極114と第2センサ電極124が接触してしまう可能性が高くなる。この場合、接触してしまった第1センサ電極114及び第2センサ電極124を用いて第1基板11と第2基板22との間の間隔を検出することが困難になってしまうという技術的問題が生ずる。
【0093】
  そこで、第2実施例のアクチュエータ2は、第1基板11と第2基板22との間の間隔を検出するために用いる第1センサ電極214及び第2センサ電極224の組み合わせを変化させることで、このような技術的問題を解決する。例えば、第1基板11の歪み量が相対的に小さい場合には、アクチュエータ2は、初期状態における間隔が相対的に小さい第1センサ電極214−1及び第2センサ電極224−1を用いて、第1基板11と第2基板22との間の間隔を検出する。一方で、第1基板11の歪み量が相対的に大きくなることに起因して第1センサ電極214−1と第2センサ電極224−1とが接触してしまう可能性が相対的に高くなる場合には、アクチュエータ2は、初期状態における間隔が相対的に小さい第1センサ電極214−1及び第2センサ電極224−1に代えて、初期状態における間隔が相対的に大きい第1センサ電極214−2及び第2センサ電極224−2を用いて、第1基板11と第2基板22との間の間隔を検出する。その結果、アクチュエータ2は、第1基板11の歪み量によらずに、第1基板11と第2基板22との間の間隔を検出することができる。
【0094】
  尚、
図3に示すアクチュエータ2の例では、2つの第1センサ電極214が第1対向面111に形成され且つ2つの第2センサ電極224が第2対向面221に形成されている。しかしながら、3つ以上の第1センサ電極214が第1対向面111に形成され且つ3つ以上の第2センサ電極224が第2対向面221に形成されていてもよい。この場合、第2対向面221には、3つ以上の段差を形成すると共に夫々に対応する第2センサ電極224が形成される3つ以上の第2面221bが形成されることが好ましい。
【0095】
  (3)第3実施例
  続いて、
図4(a)及び
図4(b)を参照しながら、第3実施例のアクチュエータ3について説明する。
図4(a)は、第3実施例のアクチュエータ3の上面図である。
図4(b)は、
図4(a)に示す第3実施例のアクチュエータ3のIV−IV’断面図である。尚、
図4(a)から
図4(b)においても、
図1(a)から
図1(c)と同様に、仮想的な3次元空間内にアクチュエータ3が配置されている例を用いて説明を進める。また、第1実施例のアクチュエータ1から第2実施例のアクチュエータ2が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0096】
  図4(a)及び
図4(b)に示すように、第3実施例のアクチュエータ3は、第2実施例のアクチュエータ2と比較して、第1センサ電極314−1及び314−2並びに第2センサ電極324−1及び324−2の形状が、第1センサ電極214−1及び214−2並びに第2センサ電極224−1及び224−2の形状とは異なると言う点において異なっている。具体的には、第1センサ電極314−1及び314−2並びに第2センサ電極324−1及び324−2の夫々は、円形の形状を有していると言う点で、リング状の形状を有している第1センサ電極214−1及び214−2並びに第2センサ電極224−1及び224−2とは異なる。第3実施例のアクチュエータ3が備えるその他の構成要素は、第2実施例のアクチュエータ2が備えるその他の構成要素と同一であってもよい。
【0097】
  このような第3実施例のアクチュエータ3もまた、第2実施例のアクチュエータ2が享受する各種効果を好適に享受することができる。
【0098】
  尚、第2対向面221が含む第1面121a並びに第2面221b−1及び221b−2の形状は、第2センサ電極324−1及び324−2の形状に合わせて適宜変更されてもよい。つまり、第2対向面221は、第2センサ電極324−1をその上に形成可能な任意の形状を有する第2面221b−1と、第2センサ電極324−2をその上に形成可能な任意の形状を有する第2面221b−2と、第2面221b−1及び221b−2以外の第1面121aとを含んでいてもよい。
【0099】
  (4)第4実施例
  続いて、
図5(a)及び
図5(b)を参照しながら、第4実施例のアクチュエータ4について説明する。
図5(a)は、第4実施例のアクチュエータ4の上面図である。
図5(b)は、
図5(a)に示す第4実施例のアクチュエータ4のV−V’断面図である。尚、
図5(a)から
図5(b)においても、
図1(a)から
図1(c)と同様に、仮想的な3次元空間内にアクチュエータ4が配置されている例を用いて説明を進める。また、第1実施例のアクチュエータ1から第3実施例のアクチュエータ3が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0100】
  図5(a)及び
図5(b)に示すように、第4実施例のアクチュエータ4は、第1実施例のアクチュエータ1と比較して、第1センサ電極414及び第2センサ電極424の形状及び材質が、第1センサ電極114及び第2センサ電極124の形状及び材質とは異なると言う点において異なっている。具体的には、第1センサ電極414及び第2センサ電極424は、XY平面上において円形の形状を有していると言う点で、リング状の形状を有している又は円形の形状を有しているとは限らない第1センサ電極114及び第2センサ電極124とは異なる。第1センサ電極414及び第2センサ電極424は、半透過膜であるという点で、半透過膜であるとは限らない第1センサ電極114及び第2センサ電極124とは異なる。
【0101】
  加えて、第4実施例のアクチュエータ4は、第1基板41のうち少なくとも第1センサ電極414が形成される部分415が半透過性(言い換えれば、光透過性)を有していると言う点で、第1基板11のうち少なくとも第1センサ電極114が形成される部分が半透過性を有しているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。また、第4実施例のアクチュエータ4は、第2基板42のうち少なくとも第2センサ電極424が形成される部分が半透過性425を有していると言う点で、第2基板12のうち少なくとも第2センサ電極124が形成される部分が半透過性を有しているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。
【0102】
  第4実施例のアクチュエータ4が備えるその他の構成要素は、第1実施例のアクチュエータ1が備えるその他の構成要素と同一であってもよい。
【0103】
  このような第4実施例のアクチュエータ4もまた、第1実施例のアクチュエータ1が享受する各種効果を好適に享受することができる。加えて、第4実施例のアクチュエータ4は、いわゆるファブリペロー型の分光素子として用いることができる。
【0104】
  尚、第1センサ電極414は、XY平面上において円形の形状を有していなくてもよい。但し、第1センサ電極414は、光が透過する領域を覆うことが可能な形状を有することが好ましい。第2センサ電極424は、XY平面上において円形の形状を有していなくてもよい。第2センサ電極424は、光が透過する領域を覆うことが可能な形状を有することが好ましい。
【0105】
  (5)第5実施例
  続いて、
図6(a)及び
図6(b)を参照しながら、第5実施例のアクチュエータ5について説明する。
図6(a)は、第5実施例のアクチュエータ5の上面図である。
図6(b)は、
図6(a)に示す第5実施例のアクチュエータ5のVI−VI’断面図である。尚、
図6(a)から
図6(b)においても、
図1(a)から
図1(c)と同様に、仮想的な3次元空間内にアクチュエータ5が配置されている例を用いて説明を進める。また、第1実施例のアクチュエータ1から第4実施例のアクチュエータ4が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0106】
  図6(a)及び
図6(b)に示すように、第5実施例のアクチュエータ5は、第1アクチュエータ電極513が複数の第1アクチュエータ電極部分513aから513dに分割されていると言う点において、第1アクチュエータ電極113が分割されているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。また、第5実施例のアクチュエータ5は、第2アクチュエータ電極523が複数の第2アクチュエータ電極部分523aから523dに分割されていると言う点において、第2アクチュエータ電極123が分割されているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。また、第5実施例のアクチュエータ5は、第1センサ電極514が複数の第1センサ電極部分514aから514dに分割されていると言う点において、第1センサ電極114が分割されているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。また、第5実施例のアクチュエータ5は、第2センサ電極524が複数の第2センサ電極部分524aから524dに分割されていると言う点において、第2センサ電極124が分割されているとは限らない第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。尚、第2実施例の第1アクチュエータ電極513及び第2アクチュエータ電極523並びに第1センサ電極514及び第2センサ電極524のその他の特徴は、夫々、第1実施例の第1アクチュエータ電極113及び第2アクチュエータ電極123並びに第1センサ電極114及び第2センサ電極124のその他の特徴と同一であってもよい。
【0107】
  複数の第1アクチュエータ電極部分513aから513dは、XY平面に沿った面内(つまり、第1基板11と第2基板12とが対向する方向に直交する面内、又は、第1基板11若しくは第2基板12の表面に沿った面内)に分布している。更に、複数の第1アクチュエータ電極部分513aから513dは、互いに電気的に分離されていることが好ましい。
【0108】
  同様に、複数の第2アクチュエータ電極部分523aから523dもまたXY平面に沿った面内に分布している。更に、複数の第2アクチュエータ電極部分523aから523dは、互いに電気的に分離されていることが好ましい。
【0109】
  同様に、複数の第1センサ電極部分514aから514dもまたXY平面に沿った面内に分布している。更に、複数の第1センサ電極部分514aから514dは、互いに電気的に分離されていることが好ましい。
【0110】
  同様に、複数の第2センサ電極部分524aから524dもまたXY平面に沿った面内に分布している。更に、複数の第2センサ電極部分524aから524dは、互いに電気的に分離されていることが好ましい。
【0111】
  第5実施例のアクチュエータ5が備えるその他の構成要素は、第1実施例のアクチュエータ1が備えるその他の構成要素と同一であってもよい。
【0112】
  以上説明した第5実施例のアクチュエータ5もまた、第1実施例のアクチュエータ1が享受する各種効果を好適に享受することができる。加えて、第5実施例のアクチュエータ5は、第1基板11及び第2基板12のうちの少なくとも一方のチルト(言い換えれば、傾き)を検出すると共に、当該チルトを修正するように第1基板11の歪み量を制御することができる。以下、第1基板11及び第2基板12のうちの少なくとも一方のチルトを検出すると共に、当該チルトを修正するように第1基板11の歪み量を制御する動作について説明する。
【0113】
  第5実施例のアクチュエータ5では、第1センサ電極514が複数の第1センサ電極部分514aから514dに分割されており且つ第2センサ電極524が複数の第2センサ電極部分524aから524dに分割されている。このため、第1センサ電極514及び第2センサ電極524の静電容量として、(i)第1センサ電極部分514a及び第2センサ電極部分524aの静電容量、(ii)第1センサ電極部分514b及び第2センサ電極部分524bの静電容量、(iii)第1センサ電極部分514c及び第2センサ電極部分524cの静電容量及び(iv)第1センサ電極部分514d及び第2センサ電極部分524dの静電容量が個別に検出される。その結果、第5実施例では、第1センサ電極514と第2センサ電極524との間の間隔として、(i)第1センサ電極部分514aと第2センサ電極部分524aとの間の間隔d3a、(ii)第1センサ電極部分514bと第2センサ電極部分524bとの間の間隔d3b(iii)第1センサ電極部分514cと第2センサ電極部分524cとの間の間隔d3c及び(iv)第1センサ電極部分514dと第2センサ電極部分524dとの間の間隔d3dが個別に検出される。仮に第1基板11及び第2基板12の少なくとも一方にチルトが発生している(つまり、傾いている)場合には、間隔d3aから間隔d3dのうちの少なくとも2つにずれが生ずる可能性が高くなる。従って、不図示の検出信号処理回路は、間隔d3aから間隔d3dを検出することで、第1基板11及び第2基板12のうちの少なくとも一方のチルトを検出することができる。
【0114】
  一方で、第5実施例のアクチュエータ5では、第1アクチュエータ電極513が複数の第1アクチュエータ電極部分513aから513dに分割されており且つ第2アクチュエータ電極523が複数の第2アクチュエータ電極部分523aから523dに分割されている。従って、不図示の駆動信号処理回路は、第1アクチュエータ電極部分513a及び第2アクチュエータ電極部分523aに供給する駆動信号Saと、第2アクチュエータ電極部分513b及び第2アクチュエータ電極部分523bに供給する駆動信号Sbと、第1アクチュエータ電極部分513c及び第2アクチュエータ電極部分523cに供給する駆動信号Scと、第1アクチュエータ電極部分513d及び第2アクチュエータ電極部分523dに供給する駆動信号Sdとを、個別に調整することができる。その結果、検出されたチルトが修正されるように、第1基板11の歪み量が適宜調整される。
【0115】
  尚、上述した第1実施例のアクチュエータ1から第5実施例のアクチュエータ5のうちの少なくとも一つが採用し得る態様は、第1実施例のアクチュエータ1から第5実施例のアクチュエータ5のうちの少なくとも他の一つに採用されてもよい。
【0116】
  本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なうアクチュエータもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。