(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-171850(P2020-171850A)
(43)【公開日】2020年10月22日
(54)【発明の名称】ゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/14 20150101AFI20200925BHJP
A63B 60/06 20150101ALI20200925BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20200925BHJP
【FI】
A63B53/14 Z
A63B60/06
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-130783(P2020-130783)
(22)【出願日】2020年7月31日
(62)【分割の表示】特願2018-98354(P2018-98354)の分割
【原出願日】2018年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】518180766
【氏名又は名称】株式会社アースカラー
(74)【代理人】
【識別番号】100150876
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤寛樹
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA06
2C002GG02
2C002GG07
(57)【要約】
【課題】右手の力を正しく使ったゴルフスイングが身に付くゴルフクラブを提供すること。
【解決手段】シャフト、および前記シャフトに連結されたグリップ部を有するゴルフクラブにおいて、前記シャフトと前記グリップ部と間に、前記シャフト及び前記グリップ部の外径よりも径の細い細径部を設けており、前記細径部は、シャフトとグリップ部とを連結する連結部材により形成されており、前記連結部材は、シャフトの端部に固定されるシャフト連結部、グリップ部材を装着することでグリップ部を形成するグリップ形成部、及び両者の間に位置し、両者よりも外径が細い細径部を有するゴルフクラブ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト、および前記シャフトに連結されたグリップ部を有するゴルフクラブにおいて、
前記グリップ部における前記シャフト側の端部に、少なくとも前記グリップ部及び前記シャフトの外径よりも径の細い、棒状で且つ直線状の細径部を設け、前記細径部の外径は、0.3〜1.2cmである
ことを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項2】
前記グリップ部の長さは、7〜20cm、であり、前記細径部は、前記シャフトの端部から前記グリップ部までの間において5〜15cmの長さを有することを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
前記細径部は、シャフトとグリップ部とを連結する連結部材により形成されており、
前記連結部材は、シャフトの端部に固定されるシャフト連結部、グリップ部材を装着することでグリップ部を形成するグリップ形成部、及び両者の間に位置し、両者よりも外径が細い棒状の部分を有し、この棒状の部分により上記細径部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブ。
【請求項4】
シャフト、および前記シャフトに連結されたグリップ部を有するゴルフクラブにおいて、
前記シャフト及び前記グリップ部の軸とは異なる軸を有し、両者の間に所定間隔を設けて連結する連結部材が配されている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブに関し、さらに詳しくは、右手の力を正しく使ったゴルフスイングが身に付くゴルフクラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフスイングをより良いものにしようというのはプロ、アマを問わず共通の意識であり、このことからゴルフスイングをより良いものにする練習器具など種々提案されている。
たとえば、特許文献1には、ゴルフのスイング中に手の把持姿勢を一貫して維持させることを目的として、ゴルフクラブのグリップが挿し込まれる収容部、及びゴルフクラブの把持位置を設定する突起部を備える補助グリップ本体と、前記収容部に引き出し自在に挿し込まれ、前記ゴルフクラブのグリップを前記収容部に挿し込むとき前記収容部と前記ゴルフクラブのグリップとの間に介在して前記ゴルフクラブ の グリップの移動をガイドし、前記収容部に前記ゴルフクラブのグリップが挿し込まれれば、前記補助グリップ本体が前記ゴルフクラブのグリップに密着固定するように前記収容部の外部に引き出される第1ガイド部材と、を含 み、前記第1ガイド部材は、前記収容部の外部に露出して把持面を提供する第1把持部と、前記収容部に引き出し自在に挿し込まれて前記ゴルフクラブのグリップの移動をガイドする第1ガイド部と、を備え、前記第1把持部は、前記収容部に前記ゴルフクラブのグリップを挿し込むとき、前記ゴルフクラブのグリップを前記収容部に案内する案内孔と、外周に沿って予め決められた深さで形成され、前記収容部の一端部が分離可能に結合されて前記補助グリップ本体を固定する固定溝と、を備える ことを特徴とするゴルフクラブ用補助グリップが提案されている。
また、特許文献2には、従来の握り方矯正器具は、既に所有している手持ちのゴルフクラブに取付けて練習することはできず、実際に打って手応えを感じる事が出来なかったことを解決するために、手持ちのゴルフクラブのグリップに装着し、実際に打つ事で正しいグリップの握り方に矯正する装着具であり、アドレスをとった状態において、右打ちの場合(左打ちは逆)ゴルフクラブの左手を握る位置を外からピッタリ包む様にかぶさりながら、グリップ真上面・グリップ中心線の延長線上に中心目印線を設け、その中心目印線に一端を発して・中心目印線から左へ約20度〜40度の方向へサメの背ビレの様にヘラを設け、中心目印線の反対側(グリップの下面側)は数センチ幅で切り欠いてあり、装着開口部を設けヘラから先端までの間・右手薬指の当たる位置に中心目印線を挟んで装着開口部の縁からさらに切り込んで左右対称にグリップスペースを設けた事を特徴とする着脱型ゴルフグリップ握り方矯正具が提案されている。
また、特許文献3には、一側の先端にゴルフボールを打撃するヘッドが形成されるシャフトと、前記シャフトの他側の先端に前記シャフトを包む形態で設けられて取っ手の役割をするグリップと、を含んでなるゴルフクラブであって、ゴルフクラブの重量を集中させた重心部Sが、両手のグリップの内部に設けられた特定の位置で前記シャフトの軸上に設けられ 、前記シャフトは、前記グリップの下側の入口付近でクラブヘッド側の下位の第1シャフトと、クラブのグリップ側の上位の第2シャフトと、に切断分離し、その内部に一つの連結棒が挟まれて単一軸をなすように組み立てられ、前記連結棒は、プラスチックまたは軽量金属材からなることを特徴とする、ゴルフクラブが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2015/016620号公報
【特許文献2】特許第5769185号公報
【特許文献3】WO2012/077990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の提案では、それぞれそれなりの効果はあるものの、右手の使い方(右利きの場合であり、左利きの場合は左手の使い方であり、要は利き手の使い方である。以下、本明細書においては右手の使い方という場合、利き手の使い方を意味するものとする)に着目したものではなかった。
ゴルフスイングにおいてはプロ、アマを問わず「右手に悪さをさせない」こと、すなわち左手主導でスウイングをして「右手の力は正しく使う」ということが重要なポイントである。テレビでアップになったプロのアドレスでのグリップ部分を注意して見ていると、右手親指や人差し指を動かしながら力を抜き、強く握らないようにしているのはよく見られる所作で、飛距離を出したいときや微妙なアプローチには特にこの意識は強いものである。
【0005】
したがって、本発明の目的は、右手の力を正しく使ったゴルフスイングが身に付くゴルフクラブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解消すべく鋭意検討した結果、本案は、ゴルフクラブのグリップの長さを短くし、加えて通常の右利きのゴルファーがクラブを握る場合の右手親指と人差し指がグリップに触れる部分を極端に細くすることで、スイング時にこの2本の指でクラブに誤った力を加えられなくなり、その結果、左手主導の正しいカ配分でのスイングと正しいスイングプレーン上でのスイング、および飛距離の出るスウイングを身に付け易くしたゴルフクラブである。
前記目的を達成し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.シャフト、および前記シャフトに連結されたグリップ部を有するゴルフクラブにおいて、
前記グリップ部における前記シャフト側の端部に、少なくとも前記グリップ部及び前記シャフトの外径よりも径の細い、棒状で且つ直線状の細径部を設け、前記細径部の外径は、0.3〜1.2cmである
ことを特徴とするゴルフクラブ。
2.前記グリップ部の長さは、7〜20cm、であり、前記細径部は、前記シャフトの端部から前記グリップ部までの間において5〜15cmの長さを有することを特徴とする1記載のゴルフクラブ。
3.前記細径部は、シャフトとグリップ部とを連結する連結部材により形成されており、
前記連結部材は、シャフトの端部に固定されるシャフト連結部、グリップ部材を装着することでグリップ部を形成するグリップ形成部、及び両者の間に位置し、両者よりも外径が細い棒状の部分を有し、この棒状の部分により上記細径部が形成されていることを特徴とする1記載のゴルフクラブ。
4.シャフト、および前記シャフトに連結されたグリップ部を有するゴルフクラブにおいて、
前記シャフト及び前記グリップ部の軸とは異なる軸を有し、両者の間に所定間隔を設けて連結する連結部材が配されている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
このように、細径部を含み、シャフトに連結されると共にグリップ部をも形成する連結部材を設けることで、グリップとシャフトとの間に径が細くなる細径部を設けても安定してスイングすることが可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のゴルフクラブは、右手の力を正しく使ったゴルフスイングが身に付くものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態のゴルフクラブの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すゴルフクラブにおける連結部材のみを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すゴルフクラブの使用態様を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明のゴルフクラブの他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0009】
1:ゴルフクラブ、10:シャフト、20:グリップ部、36:細径部
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本実施形態のゴルフクラブ1は、
図1〜3に示すようにシャフト10、およびシャフト10に連結されたグリップ部20を有する。
そして、本実施形態においては、シャフト10とグリップ部20と間に、少なくともグリップ部の外径よりも径の細い細径部36を設けたことを特徴とする。
なお、本発明を説明する本明細書においてシャフト及びグリップとは、それぞれ
図1に示すようにゴルフクラブを側面から見た状態で示す。すなわち、シャフト及びグリップは、通常、ゴルフクラブにおいては、シャフトを構成するシャフト材の端部にグリップ部材を被せて使用者が握りやすくすることでグリップを形成しており、本発明の説明においては、どの部分をシャフトといい、どの部分をグリップというか問題となる。本明細書においては、いかなる部材構成となっているかは問題にせず、使用者が握るようにグリップ部材を設けてある部分をグリップ部といい、クラブヘッドに連結されている棒状体(通常のシャフト材)部分をシャフトという。
以下更に詳細に説明する。
【0011】
〔シャフト〕
シャフト10は、通常のゴルフクラブと同様の形状であり、特に図示しないが先端にはクラブヘッドが配されている。本実施形態のゴルフクラブにおいて、通常のゴルフクラブと異なる点は、その長さである。通常のゴルフクラブでは基端側にグリップ部を形成するためのグリップ部材(本実施形態においては符号22で示す部材)を装着してグリップ部を形成することができる長さを有している。しかし、本実施形態のシャフトは、後述する連結部材を装着して通常のゴルフクラブと同様の長さとなるように、連結部材の長さの分シャフトが短く形成されている。
シャフト10を形成するための材料は、通常ゴルフクラブに用いられる材料、例えば、木材、炭素繊維を含むコンポジット素材、スチール、チタン合金等特に制限なく用いることができる。
〔グリップ部〕
本実施形態においてグリップ部20は後述するようにグリップ部材22を連結部材30の一端部に装着することで形成されている。このグリップ部材22を形成する材料としては、通常グリップを形成するために用いられる材料を特に制限なく用いることができるが、皮革、ゴム、樹脂コンパウンド等を用いることができる。
【0012】
〔細径部〕
細径部は、シャフトとグリップ部とを連結する連結部材30により形成されている。連結部材30は、シャフト10の端部に固定されるシャフト連結部32、グリップ部材22を装着することでグリップ部20を形成するグリップ形成部34、及び両者の間に位置し、両者よりも外径が細い細径部36を有し、細径部36は、棒状であり、その両端部が直接グリップ形成部及びシャフト連結部に延設または連結された形態となっている。シャフト連結部32は内部が中空であり、断面コの字状となっている。そしてこの中空の部分にシャフトの端部を挿入することで装着される。グリップ形成部34はシャフト連結部32とほぼ同じ外径を有し、グリップ部材22をその外面全面を覆うように装着するとグリップ部20と同じ長さとなるように形成されている。グリップ形成部34の外径とグリップ部材22の内径とは略同じであり、これによりグリップ部材22がグリップ形成部34に密着して良好なホールド性を発揮することができる。
細径部36の外径は、グリップの外径よりも細く、且つ本実施形態においては、シャフト10の外径よりも細くなっている。特にグリップの外径に対する外径差が重要であり、この外径差が大きい方が右手の人差し指及び親指に余計な力が入らなくなる。一方、細径部の外径があまりに細すぎると本実施形態のゴルフクラブをもってスイングした際に細径部で折れる等する。そのバランスをとるのが重要であり、かかる観点から細径部36の外径は、シャフト10の外径よりも細く、0.3〜1.2cmであるのが好ましく、さらに0.5〜1cmであるのが好ましい。なお、シャフト10の外径とは、細径部36と隣接し且つ露出している部分の外径であり、通常、1.5cm±0.5cmの範囲である。
また、細径部の位置は重要である。すなわち、グリップを持った場合にゴルフクラブとして最適な位置にまでグリップが位置すると共に細径部に右手の人差し指及び親指が位置するように、細径部を位置づける必要がある。通常のゴルフクラブにおいてグリップ部分の長さは20〜30cmであるが、本実施形態のゴルフクラブにおいては、グリップ部20の長さは、好ましくは7〜20cm、さらに好ましくは7~17cmであるため、グリップ形成部34の長さも同じであるのが好ましい。また、細径部36は、シャフト10の端部からグリップ部20までの間において5〜20cmの長さを、更には5〜15cmの長さを有するのが好ましい。
細径部36を含む連結部材30は、種々材料を用いて形成することができるが、ある程度の硬度を有する材料で形成するのが好ましい。このような材料としては、スチール、チタン合金、炭素繊維強化プラスチック、ポリカーボネートや塩化ビニルなどの硬質樹脂、アルミ材等を挙げることができる。なお、炭素繊維強化プラスチックを用いて細径部36を形成する場合には、シャフト連結部32とグリップ形成部34とを別の材料を用いて形成して、異なる材料で形成された各部材を連結して連結部材30を形成することが好ましい。
【0013】
〔製造〕
本実施形態のゴルフクラブは以下のようにして得ることができる。すなわち、常法に準じてシャフト10及びグリップ部材22を形成すると共に、樹脂製であれば射出成型等の方法で、金属製であれば金型を用いた鋳造等の方法で連結部材30を形成する。ついで
図3に示すように、連結部材30のシャフト連結部32の内部の中空部分にシャフトの端部を挿入し、接着剤などを介して固定する。またグリップ部材22をグリップ形成部34の外面全面を覆うように装着して、本実施形態のゴルフクラブを得ることができる。
【0014】
〔使用法〕
図4に示すように、グリップ部20のシャフト10と離れた端部側を左手で握り、シャフト側に右手を置き、右手の小指・薬指・中指は太い部分を握り、右手の人差し指と親指は細径部36の上に位置するように握る。そして、通常のゴルフスイングと同様にスイングをすることで使用することができる。このように使用することを適宜繰り返すことでゴルフスイングの練習を行うことができる。
【0015】
〔作用効果〕
本実施形態のゴルフクラブは、通常のゴルフクラブでは、スイング時に右手の指先でこねるような力を入れる癖のある人において、そのような癖はゴルフの上達に最も妨げになることの一つであるが、右手の人差し指と親指とで押さえる部分に細径部36が位置するように形成されており、通常のクラブだと右手(ヘッドよりに位置する手)の人差し指と親指にスイングにおける不必要な時にも力が入りやすいが、本発明においては通常のグリップにおける右手の人差し指と親指とが位置する部分が極端に細いためこれらの指に力が入らず、こねにくく、正しいスイングを行うことができる。すなわち、スイング時に必然的に正しい力配分になる。そして、続けて練習することで右手指がこの正しい感覚を覚え、スイングプレーンが正しくなり、飛距離も伸びてくるという効果がある。また、左手との一体感を得る右手の小指・薬指・中指部分は通常のグリップができるので、単に右手に力が入らないということではなく、正しい右手の使い方が身に付く。
これらのことから、本発明のゴルフクラブを用いてスイングの練習を行うことにより、スイング時における左右の手指の力配分と、右手人差し指と親指に力を掛けない感覚が無意識のうちに判るようになり、正しいスイングプレーン上を左手がリードし右手のパワーで打つという理想のスウイングが身につく。
【0016】
ついで、
図5を参照して本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の都合上上述の実施形態と同じ部分については100番台の符号を付して説明を省略して異なる部分について特に説明する。特に説明しない点については、上述の実施形態における説明が妥当する。
図5に示す実施形態のゴルフクラブ100は、シャフト110及びグリップ部120の軸とは異なる軸を有し、両者の間に所定間隔を設けて連結する連結部材130が配されている。すなわち、シャフト110とグリップ部120とは直接連結されておらず、両者の間には部材の存在しない空隙140が設けられている。そして、連結部材130は。シャフト11の端部に連結されているシャフト連結部133と、グリップ部120の端部(シャフト110とは反対側に位置する端部)に連結(又は一体成形)されたグリップ連結部132と、シャフト連結部133及びグリップ連結部132の間において両者に連結された連結軸131を有する。この連結軸131によりシャフト110及びグリップ部120の軸とは異なる軸が形成されている。また、シャフト連結部133及びグリップ連結部は、それぞれ幅細の板状体であり、その両端部においてシャフト110又はグリップ部120と連結軸131とに連結(又は一体成形)されるように形成されている。
このように形成されている本実施形態のゴルフクラブでは、グリップ部を握った際に右手(多くの場合は利き手、ヘッド側に位置する手)の人差し指と親指とが何も握れない状態となるので、これらの指に力が入らず、結果、余計な力を入れてしまい右手が悪さをする状態を回避でき、これらの指に力を入れずにスイングする習慣を身に着けることができる。この結果、正しいスイングが身に付く。
【0017】
なお、本発明は上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、細径部の両端部は指数関数的なテーパーのあるものとしてもよく、このテーパーは直線状のテーパーでもよい。
また、上述の実施形態においては細径部を連結部材により形成したものを例示して説明したが、細径部はシャフトを構成する部材を用いて構成してもよく、グリップ部分を構成する部材とは別の部材を用いて構成してもよい。また、細径部は、連結部材とは異なり、それ自体一つの部品となっていてもよく、シャフトやグリップと一体に形成されていてもよい。
また、シャフトと細径部とを同一の部材に形成し、且つ両者の外径を同じとしてもよい。すなわち、細径部の長さはヘッドまでの長さがあって、細径部とシャフトとが一体となっていてもよい。この場合、細径部と同じ外径を有するシャフト(細径部そのもの)がクラブヘッドに連結されることとなる。
また、細径部には、ウレタン製など柔軟な素材からなるカバーをつけてもよい。
【実施例】
【0018】
以下、具体的な実施例で本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
〔実施例1〜3、参考例1〜3〕
表1に示すグリップ部の外径、細径部の外径、細径部の長さ、グリップ部の長さで
図1に示す形態のゴルフクラブを作成した。なお、シャフト及び連結部材は、炭素繊維強化プラスチックを用いて作成した。この実施例のように、シャフトを構成する材料と連結部材を構成する材料とは同じ材料を用いるのが好ましい。また、シャフトの外径は1.5cmであった。
得られたゴルフクラブについて、耐久性を以下の通りに測定した。また、右手の人差し指と親指の力の入り方とそれ以外の部分の使用感について以下の通り試験を行った。それらの結果を(表1)に示す。
・耐久性
被験者20人について通常のゴルフスイングと同様にして素振りを50回、ゴルフボールの試打を20球行ってもらい以下の基準で評価した。
基準:折れることがなく、必要以上にたわんでボールをとらえることができないということがない。
試打の結果、18人以上上記基準に照らして、通常のゴルフクラブに比して良好であると答えた場合を○、それ以外を×とした。
・力の入り方
被験者20人について通常のゴルフスイングと同様にして素振りを50回、ゴルフボールの試打を20球行ってもらい以下の基準で評価した。
基準:右手の人差し指と親指には力が入らなかったが、左手と右手の小指、薬指及び中指とは十分に力が入り良好にグリップできた。
○:15人以上が基準を満たすと答えた。
△:10〜14人が基準を満たすと答えた。
×:10人未満が基準を満たすと答えた。
・使用感
被験者20人について通常のゴルフスイングと同様にして素振りを50回、ゴルフボールの試打を20球行ってもらい以下の基準で評価した。
基準:右手の人差し指と親指には力が入らなかったが、違和感なく使用することができた。
○:15人以上が基準を満たすと答えた。
△:10〜14人が基準を満たすと答えた。
×:10人未満が基準を満たすと答えた。
【0019】
【表1】
【0020】
〔実施例4〕
シャフト及び連結部材を構成する材料としてスチールを用いた以外は実施例1と同様にしてゴルフクラブを得た。
得られたゴルフクラブについて実施例1と同様に、耐久性、力の入り方及び使用感について検証した結果、いずれも○であった。