【解決手段】エア噴出装置4は、ノズル41と、ノズル41にエアを供給する供給配管42と、を備える。ノズル41が、軸方向を平面視にて搬送路111と交差する方向に沿わせつつ、搬送路111の側方に配設される円柱状の本体部411と、本体部411の端面における、中心からずれた位置に形成された吐出口412と、本体部411の周面に、その円周方向に沿って形成された長尺の溝部413と、溝部413と吐出口412とを連通させる連通部414と、を備える。そして、供給配管42が、本体部411の軸方向と交差する方向から溝部413の内部空間に連通して、該内部空間にエアを供給する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
整列していないワーク等を搬送路からはじき飛ばすためのエア噴出装置は、典型的には、上方から見て搬送路と直交する向きのエアを噴出する。このようなエアを噴出可能とするべく、このタイプのエア噴出装置では、先端に吐出口が形成された細長いノズルが、長手方向が上方から見て搬送路と直交するような姿勢とされて、搬送路の側方に配設される。例えば、ボウルフィーダ(すなわち、側壁部の内側面にらせん状の搬送路が形成されたボウルを振動させることにより、該搬送路に沿ってワークを搬送する装置であるボウルフィーダ)に、このタイプのエア噴出装置が設けられる場合、細長いノズルが、吐出口側の先端をボウルの側壁部の内側面に臨ませつつ、平面視にて長手方向をボウルの径方向に沿わせるようにして、ボウルの側壁部に埋設される。そして、ノズルの後端に、その軸方向から供給配管が接続される。
【0006】
ところが、このような構成によると、平面視にてボウルの径方向に沿って延在するノズルの後端から、その軸方向に、エアを供給するための供給配管が延在することになるため、供給配管がボウルの側壁部からその径方向に突出する格好となる。したがって、見栄えが悪い上、供給配管がオペレータの邪魔になったり周囲の設備と干渉したりすることもあった。
【0007】
また、不適当な姿勢のワークの回転を促すためのエア噴出装置は、典型的には、上方から見て搬送路に沿う向きのエアを噴出する。このようなエアを噴出可能とするべく、このタイプのエア噴出装置では、自由に屈曲させることができるチューブ(例えば、SUS製のチューブ)により形成されるノズルが、上方から見て搬送路に沿って延在するような姿勢とされて、搬送路の上方に配設される。そして、オペレータが、該チューブ状のノズルを適宜に屈曲させて吐出口の位置や姿勢を変更することによって、エアが吐出される位置および角度を適宜に微調整するようになっている。
【0008】
ところが、このような構成によると、チューブ状のノズルが、搬送路の上方に搬送路に沿って延在して設けられることになるので、やはり見栄えが悪く、ノズルがオペレータの邪魔になることも多かった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、エア噴出装置がオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダ全体としての見た目をコンパクトでスマートなものとすることができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0011】
すなわち、本発明は、パーツフィーダ用エア噴出装置であって、
ノズルと、
前記ノズルにエアを供給する供給配管と、
を備え、
前記ノズルが、
軸方向を平面視にて搬送路と交差する方向に沿わせつつ、搬送路の側方に配設される円柱状の本体部と、
前記本体部の端面における、中心からずれた位置に形成された吐出口と、
前記本体部の周面に、その円周方向に沿って形成された長尺の溝部と、
前記溝部と前記吐出口とを連通させる連通部と、
を備え、
前記供給配管が、前記本体部の軸方向と交差する方向から前記溝部の内部空間に連通して、該内部空間にエアを供給する、
ことを特徴とする。
【0012】
この構成によると、ノズルにエアを供給する供給配管が、ノズルの本体部の軸方向と交差する方向からエアを供給するので、本体部の軸方向に供給配管が突出することがない。したがって、供給配管がオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダの全体としての見た目がコンパクトでスマートなものとなる。また、この構成では、吐出口が、本体部の端面における中心からずれた位置に形成されているため、本体部をその軸線の回りで回転させることによって、吐出口の位置、すなわち、エアの噴出位置を、変更することができる。さらに、この構成によると、本体部がその軸線の回りで回転されても、溝部の長さに相当する範囲であれば吐出口に対するエアの供給が維持されるようになっており、このときに本体部の回転に応じて供給配管を動かす必要がないので、供給配管の取り回し構造をシンプルなものとすることができる。
【0013】
好ましくは、前記パーツフィーダ用エア噴出装置において、
前記本体部が、側壁部の内側面にらせん状の搬送路が形成されたボウルに、軸方向を平面視にて前記ボウルの径方向に沿わせるような姿勢で、配設される、
ことを特徴とする。
【0014】
この構成によると、ノズルの本体部が、軸方向を平面視にてボウルの径方向に沿わせるような姿勢で配設されるところ、ノズルにエアを供給する供給配管は、本体部の軸方向と交差する方向からエアを供給するので、平面視にてボウルの径方向に供給配管が突出することがない。したがって、供給配管が特にオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダの全体としての見た目が特にコンパクトでスマートなものとなる。
【0015】
また、別の態様に係る本発明は、パーツフィーダ用エア噴出装置であって、
ノズルと、
前記ノズルを支持する支持部と、
前記ノズルにエアを供給する供給配管と、
を備え、
前記ノズルが、
円柱状の本体部と、
前記本体部の周面における周方向の一部分に形成された吐出口と、
を備え、
前記支持部が、
軸方向を平面視にて搬送路と交差する方向に沿わせつつ、前記本体部を、前記軸の軸線の回りでの回転を許容しつつ、支持する、
ことを特徴とする。
【0016】
この構成によると、ノズルが、周面に吐出口が形成された本体部を備え、この本体部が、軸方向を平面視にて搬送路と交差する方向に沿わせるような姿勢で、支持される。したがって、従来のように、チューブ状のノズルが平面視にて搬送路に沿って配置される場合と比べて、ノズルがオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダの全体としての見た目がコンパクトでスマートなものとなる。また、この構成では、吐出口が、本体部の周面における周方向の一部分に形成されているため、本体部をその軸線の回りで回転させることによって吐出口の位置、すなわち、エアの噴出位置を、変更することができる。本体部の回転角度を変更することでエアの噴出位置を変更する態様は、従来のように、チューブ状のノズルの先端の姿勢を変更することでエアの噴出位置を変更する態様と比べて、位置調整の再現性が高い。したがって、熟練のオペレータでなくとも、簡易かつ高精度にエアの噴出位置を調整することができる。
【0017】
好ましくは、前記パーツフィーダ用のエア噴出装置であって、
前記ノズルが、
前記本体部の周面に、その円周方向に沿って形成された長尺の溝部と、
前記溝部と前記吐出口とを連通させる連通部と、
を備え、
前記供給配管が、前記本体部の軸方向と交差する方向から前記溝部の内部空間に連通して、該内部空間にエアを供給する、
ことを特徴とする。
【0018】
この構成によると、ノズルにエアを供給する供給配管が、ノズルの本体部の軸方向と交差する方向からエアを供給するので、本体部の軸方向に供給配管が突出することがない。したがって、供給配管がオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダの全体としての見た目が特にコンパクトでスマートなものとなる。また、この構成によると、本体部がその軸線の回りで回転されても、溝部の長さに相当する範囲であれば吐出口に対するエアの供給が維持されるようになっており、このときに本体部の回転に応じて供給配管を動かす必要がないので、供給配管の取り回し構造をシンプルなものとすることができる。
【0019】
好ましくは、前記パーツフィーダ用エア噴出装置が、
搬送路の形状が断面V字状から断面弧状に変化する段差部分を通過する被搬送物に向けて、エアを噴出するものである。
【0020】
この構成においては、ワークが断面弧状の搬送路に落下するタイミングで、該ワークに対してエアを吹きかけることによって、ワークの回転を促すことができる。回転しながら落下するワークは、断面弧状の搬送路に着地する際に、最も安定する回転姿勢(すなわち、重心が最も低い回転姿勢)をとろうとするため、落下の際にワークの回転が促されることで、ワークの姿勢がこの回転姿勢に揃えられる。この構成は、例えば、長尺形状のワークを、その長尺方向を搬送方向に沿わせる姿勢に揃えたい場合に有効である。
【0021】
また、本発明は、上述した各構成に係るエア噴出装置を備えるパーツフィーダも対象としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、エア噴出装置がオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダ全体としての見た目をコンパクトでスマートなものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
<1.パーツフィーダの全体構成>
実施形態に係るパーツフィーダの構成を、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係るパーツフィーダ100の構成を示す斜視図である。
【0026】
パーツフィーダ100は、例えばICチップ、微小なコイル等のワークを、振動によって搬送する装置である。この実施形態では、ワークは、略直方体状であるとする。
【0027】
パーツフィーダ100は、ワークをらせん状に搬送しつつ整列させるボウルフィーダ1と、ボウルフィーダ1の搬送方向の下流側に配置され、ボウルフィーダ1から供給されたワークを直線状に搬送しながら決められた方向に整列させて次工程へ供給するリニアフィーダ2と、を備える。ボウルフィーダ1およびリニアフィーダ2は、台座3の上に配置されている。
【0028】
ボウルフィーダ1は、図示しない供給手段から供給されるワークを収容するボウル11と、ボウル11の下方に配置された振動源(ボウル側振動源)12と、を備える。ボウル11の内側面には、らせん状の搬送路111が形成されており、ボウル側振動源12によってボウル11がねじり振動されることで、ワークが搬送路111に沿って搬送される。
【0029】
リニアフィーダ2は、直線状に延びるトラフ21と、トラフ21の下方に配置された振動源(リニア側振動源)22と、を備える。リニア側振動源22によってトラフ21が振動されることで、ワークがトラフ21に沿って搬送される。
【0030】
次に、ボウルフィーダ1について、
図1に加え、
図2、
図3を参照しながら、さらに具体的に説明する。
図2は、ボウルフィーダ1の平面図である。
図3は、ボウルフィーダ1の要部を側方から見た図(a)、および、底面側から見た図(b)である。
【0031】
ボウル11は、中央が膨出した平面視円形の底部11aと、底部11aの周縁部から延出し、上方に向かうにつれて外方に傾斜する側壁部11bと、を備える。側壁部11bの内側面には、溝状の搬送路111が、らせん状に形成される。また、搬送路111の近傍には、2種類のエア噴出装置(第1エア噴出装置4および第2エア噴出装置5)が設けられる。各エア噴出装置4,5の構成については、後に詳細に説明する。
【0032】
ボウル側振動源12は、
図3に示されるように、固定ブロック121aと可動ブロック121bとを含んで構成される支持部121と、支持部121に収容される電磁駆動部122と、を備える。
【0033】
図3(a)に示されるように、固定ブロック121aの中央には凹部が形成されており、ここに電磁駆動部122が配置されるとともに、該凹部を上側から塞ぐようにして可動ブロック121bが設けられる。可動ブロック121bは、電磁駆動部122の動作に応じて振動する可動部材であり、固定ブロック121aの周方向に等間隔で配置された4個の板バネ123を介して固定ブロック121aと接続されることによって、固定ブロック121aに対して弾性的に支持されている。各板バネ123は、全て同一の方向に傾斜させて設けられており、電磁駆動部122が動作すると、各板バネ123にたわみが生じて、可動ブロック121bに、ねじり方向と垂直方向が組み合わされた変位を伴う振動が生じるようになっている。
【0034】
図3(b)に示されるように、可動ブロック121bは、平面視にて万字(卍)状(すなわち、正方形の各辺において同じ側の頂点近傍から互いに直角をなす延出部分が形成された形状)とされている。可動ブロック121bの各突出部分には挿通孔Hが設けられており、各挿通孔Hに、ボルト等の固定具(図示省略)が挿通されてこれがボウル11の底面に設けられたボルト挿通孔(図示省略)に螺合されることによって、可動ブロック121bとボウル11の底面とが連結される。これにより、ボウル11がボウル側振動源12に対して取り付けられる。この状態で、電磁駆動部122が動作すると、可動ブロック121bを介してボウル11に振動が伝達され、ボウル11の側壁部11bに形成された搬送路111に沿って、ワークが搬送される。
【0035】
このように、ここでは、可動ブロック121bが、電磁駆動部122の動作に応じて振動する可動部材としての機能だけでなく、ボウル11をボウル側振動源12に対して取り付ける取り付け部材としての機能を担っている。従来の一般的な構成においては、電磁駆動部の動作に応じて振動する部材(可動ブロック)の外周側に、これとは別体に構成された取り付け部材を連結し、この取り付け部材をボウルの底部に固定することで、ボウルをボウル側振動源に取り付けていた。ところが、この構成によると、可動ブロックと取り付け部材との間の密着性(垂直方向の密着性)と、取り付け部材とボウルとの間の密着性(水平方向の密着性)の両方を担保する必要があり、両方の密着性が十分に担保されないと、振動が適切に伝達されず、搬送性能が低下してしまう。これに対し、この実施形態のように、可動部材である可動ブロック121bが、取り付け部材としての機能をも担うように構成される場合、従来のように垂直方向の密着性を考慮する必要がなく、可動ブロック121bとボウル11との間の水平方向の密着性だけが担保されればよい。したがって、従来の一般的な構成と比べて、搬送性能の担保が容易となる。また、可動ブロック121bとは別の取り付け部材が不要となるため、部品点数の削減、および、組立て工数の削減が実現される。さらに、可動ブロック121bと取り付け部材が別体により構成される場合と比べて、ボウル側振動源12の全体としての剛性も高くなる。
【0036】
<2.エア噴出装置>
<2−1.エア噴出装置の配設位置>
次に、エア噴出装置4,5の配設位置について、
図2、
図4、
図5を参照しながら説明する。
図4は、ボウル11におけるエア噴出装置4,5が配設されている部分を示す斜視図である。
図5は、搬送路111の途中に形成されている段差部分111aを説明するための図である。
【0037】
図2に示されるように、ボウル11には、2種類のエア噴出装置(第1エア噴出装置4および第2エア噴出装置5)が設けられる。
【0038】
第1エア噴出装置4は、縦方向に重なり合っているワークのうちの上側のワークに対して、上方から見て(すなわち、平面視にて)、搬送路111と交差する向きのエアを吹きかけて、該ワークを搬送路111からはじき飛ばすための装置である。この実施形態では、2個の第1エア噴出装置4,4が、搬送路111の近傍に、搬送路111の延在方向について間隔を設けつつ、配置される。
【0039】
第2エア噴出装置5は、上方から見て搬送路111に沿う向きのエアをワークに吹きかけて、その回転を促すための装置である。この実施形態では、2個の第2エア噴出装置5,5が、搬送路111の近傍に、搬送路111の延在方向について間隔を設けつつ、配置される。
【0040】
ここで、
図5に示されるように、ボウル11に形成される搬送路111の途中には、搬送方向AR1の下流側が相対的に低くなるような段差部分111aが形成されている。そして、この段差部分111aを境に、搬送方向AR1の上流側は、縦断面(搬送方向と直交する断面)の形状がV字状の溝からなる搬送路部分(V字状溝部分)111bとされ、搬送方向AR1の下流側は、縦断面の形状が弧状の溝からなる搬送路部分(弧状溝部分)111cとされている。
【0041】
V字状溝部分111bは、緩斜面である走行面Q1と、急斜面である壁面Q2とから構成される。壁面Q2は、走行面Q1に対し直交する面であり、V字状溝部分111bに沿って搬送されるワークは、走行面Q1および壁面Q2に当接した状態で、壁面Q2に案内されつつ走行面Q1上を移動する。一方、弧状溝部分111cは、弧状に湾曲した面から構成され、ここを搬送されるワーク9は、その底面における搬送方向に沿う両側辺を弧状溝部分111cに当接させた状態で、移動する。
【0042】
第1エア噴出装置4は、搬送路111における、V字状溝部分111bの近傍に配置され、V字状溝部分111bを搬送されるワークに向けて、エアを噴出する(
図6参照)。一方、第2エア噴出装置5は、搬送路111における、段差部分111aの近傍に配置され、段差部分111aを通過するワーク(すなわち、V字状溝部分111bから弧状溝部分111cへと落下するワーク)に向けて、エアを噴出する(
図5参照)。
【0043】
<2−2.第1エア噴出装置>
次に、第1エア噴出装置4の構成について、
図4に加え、
図6〜
図8を参照しながら具体的に説明する。
図6は、第1エア噴出装置4の側断面図である。
図7は、
図6において、第1エア噴出装置4が備える各要素を分解して示す図である。
図8は、第1エア噴出装置4が備えるノズル41の斜視図(a)および正面図(b)である。
【0044】
第1エア噴出装置4は、ノズル41と、ノズル41にエアを供給する供給配管42と、を備える。
【0045】
ノズル41は、円柱状の本体部411を備える。本体部411の一方の端面411aには、吐出口412が形成される。具体的には、吐出口412は、端面411aの周縁の一部が、コ字状に切り欠かれることによって形成される。
【0046】
本体部411の周面411bには、その円周方向に沿って長尺の溝部413が形成される。すなわち、
図8(b)に示されるように、溝部413は、本体部411の軸方向から見て円弧状に延在する長尺の溝である。溝部413は、本体部411の軸方向から見たときに、中央部分(円弧の中央)が、吐出口412と略一致するように形成される。また、溝部413は、本体部411の軸方向から見たときの円弧の中心角θが、十分に大きな値(例えば120度以上)とされる。また、溝部413は、平面視にて、長尺方向の両端が弧状に形成された長円状とされる。
【0047】
本体部411には、溝部413と吐出口412とを連通させる連通部414が形成される。連通部414は、具体的には、本体部411の周面411bに、その軸方向に沿って形成された細長い溝であり、一端が溝部413と連通するとともに、他端が吐出口412と連通する。
【0048】
本体部411における、吐出口412が形成されている端面411aとは逆側の端面の近傍には、本体部411の周面411bを径方向に貫通する治具挿通孔415が形成される。治具挿通孔415は、ここに棒状の治具を挿通させるためのものである。
【0049】
一方、ボウル11の側壁部11bには、搬送路111の側方に、平面視にてボウル11の径方向に沿って延在する、円柱状の貫通孔112が形成されている。貫通孔112は、ボウル11の内方から外方に向かって下方に傾斜するものとされており、その軸方向がV字状溝部分111bの走行面Q1と略平行とされている。
【0050】
貫通孔112は、ここにノズル41の本体部411を挿通させるためのものである。すなわち、本体部411は、吐出口412が形成されている側の端面411aが搬送路111に臨むような位置まで、貫通孔112に差し込まれ、これによって、本体部411がボウル11に配設される。上記の通り、貫通孔112は、搬送路111の側方に、平面視にてボウル11の径方向に沿って延在して設けられている。したがって、本体部411は、その軸方向が、平面視にてボウル11の径方向(すなわち、搬送路111と直交する方向)に沿うような姿勢で、搬送路111の側方に配設される(
図2の二点鎖線)。また、上記の通り、貫通孔112は、その軸方向が走行面Q1と略平行とされている。したがって、本体部411は、その軸方向が、走行面Q1と略平行となるような姿勢で、配設される。
【0051】
貫通孔112の内直径は、本体部411の外直径と略同一とされており、貫通孔112に差し込まれたときに、本体部411の周面411bと貫通孔112の内面とが気密に接触した状態となる。つまり、本体部411は、貫通孔112に気密に挿入され、これにより、溝部413の内部空間が封止されるとともに、該内部空間と吐出口412が連通部414を介して気密に連通する。
【0052】
貫通孔112に差し込まれた本体部411は、その軸線の回りでの回転を許容される。オペレータは、例えば、本体部411に設けられた治具挿通孔415に棒状の治具を挿通し、その一端に力を加えることにより、てこの原理で、本体部411をその軸線の回りで簡単に回転させることができる。一方で、ボウル11には、貫通孔112の上方に、一端が貫通孔112と連通するとともに、貫通孔112と略直角に延在する、固定部材挿入孔115が形成されている。この固定部材挿入孔115に、固定部材(例えば、セットビス)43がねじ込まれて、その一端が貫通孔112に挿入された本体部411の周面に圧接することにより、本体部411がその軸線の回りで回転しないように規制される。
【0053】
ボウル11には、貫通孔112の下方に、その延在方向と交差する方向(ここでは、略垂直)に延在する配管挿入孔113が形成されており、ここに供給配管42の一端が挿入される。つまり、供給配管42の先端は、貫通孔112に挿通された本体部411の軸方向と交差する方向に延在して配置される。配管挿入孔113の上端は、供給孔114を介して、貫通孔112と連通している。ただし、この供給孔114は、貫通孔112に本体部411が挿入されたときに、溝部413の内部空間と連通するような位置に形成される。したがって、配管挿入孔113に挿入された供給配管42から供給されたエアは、供給孔114を介して、溝部413の内部空間に充填され、連通部414を介して吐出口412から吐出される。
【0054】
このように、ここでは、供給配管42が、本体部411の軸方向と交差する方向から溝部413の内部空間に連通して、該内部空間にエアを供給するので、本体部411の軸方向に供給配管42が突出することがない。また、ここでは、供給配管42と吐出口412の間に、長尺の溝部413が介在するので、本体部411がその軸線の回りで回転されても、溝部413の長さに相当する範囲であれば吐出口412へのエアの供給が維持される。
【0055】
次に、第1エア噴出装置4の動作について、引き続き、
図4、
図6〜
図8を参照しながら説明する。
【0056】
上記の通り、ノズル41の本体部411は、吐出口412を搬送路111に臨ませつつ、ボウル11に形成された貫通孔112に気密に挿入されている。オペレータは、まず、本体部411に形成されている治具挿通孔415に棒状の治具を挿通し、その一端に力を加えて、本体部411をその軸線の回りで回転させて、吐出口412の高さを調整する(
図4の矢印AR2)。ここでは、吐出口412の高さが、搬送路111を適正姿勢で搬送されてくるワークよりも僅かに上方の高さとなるように、本体部411の回転位置が調整されるものとする。
【0057】
本体部411の回転位置が定まると、オペレータは、固定部材挿入孔115に固定部材43をねじ込んで、その一端を本体部411の周面に圧接させる。これにより、本体部411がその軸線の回りで回転しないように規制される。
【0058】
その後、ワークの搬送が開始されると、供給配管42に設けられたバルブ(図示省略)が制御されることによって、供給配管42からエアの供給が開始される。供給配管42から供給されたエアは、供給孔114を介して、溝部413の内部空間に充填され、連通部414を介して吐出口412から吐出される。ここでは、ワークが搬送されている間、供給配管42に対するエアの供給が継続され、吐出口412から所定圧力でエアが噴出され続ける。
【0059】
上記の通り、ここでは、吐出口412の高さが、搬送路111を適正姿勢で搬送されてくるワークよりも僅かに上方の高さとなるように、本体部411の回転位置が調整されている。したがって、搬送路111を、縦方向に重なり合った状態で搬送されてくるワークがあると、上側のワークが、吐出口412から噴出されるエアを受けて吹き飛ばされる。これにより、ワークが重なり合った状態が解除される。
【0060】
<2−3.第2エア噴出装置>
次に、第2エア噴出装置5の構成について、
図4、
図5に加え、
図9〜
図11を参照しながら具体的に説明する。
図9は、
図4において、第2エア噴出装置5が備える各要素を分解して示す斜視図である。
図10は、第2エア噴出装置5の側断面図である。
図11は、
図10において、第2エア噴出装置5が備える各要素を分解して示す図である。
【0061】
第2エア噴出装置5は、ノズル51と、ノズル51を支持する支持部52と、ノズル51にエアを供給する供給配管53と、を備える。
【0062】
ノズル51は、円柱状の本体部511を備える。本体部511の内部には、一端が開口するとともに他端が閉塞した中空空間Vが形成されており、この開口した端部に止めねじ(例えば、六角穴付き止めねじ)512が設けられることによって、中空空間Vの開口端が封鎖されている。
【0063】
本体部511の周面511aにおける周方向の一部分には、中空空間Vと連通する貫通孔である吐出口513が形成される。吐出口513は、本体部511の中空空間Vにおける閉塞側の端部の近傍に形成される。
【0064】
本体部511の周面511aには、その円周方向に沿って長尺の溝部514が形成される。溝部514は、本体部511の円周方向の全周に亘って形成された円環状の溝である。溝部514の底部には連通部515が形成されており、この連通部515を介して、溝部514の内部空間と中空空間Vとが連通している。つまり、溝部514は、連通部515および中空空間Vを介して、吐出口513と連通している。
【0065】
支持部52は、側面視L字状の部材であり、直線状に延在する基体部52aと、その一端から下方に折れ曲がった下垂部52bとを備える。支持部52は、基体部52aに形成された長孔521に挿通されたボルトBによって、ボウル11の側壁部11bの上端面に固定される。ただし、このとき、基体部52aが、搬送路111の上方に、平面視にてボウル11の径方向に沿って延在するような姿勢とされる。
【0066】
下垂部52bには、基体部52aと平行に延在する円柱状の貫通孔522が形成されている。貫通孔522は、ここにノズル51の本体部511を挿通させるためのものである。すなわち、本体部511は、吐出口513が形成されている部分が搬送路111の上方に配置され、かつ、溝部514が貫通孔522の内部に収容されるような位置まで、貫通孔522に差し込まれ、これによって、本体部511が、支持部52を介してボウル11に対して支持される。上記の通り、支持部52は、基体部52aが平面視にてボウル11の径方向に沿って延在するような姿勢でボウル11に固定され、貫通孔522は基体部52aと平行に延在する。したがって、本体部511は、その軸方向を、平面視にてボウル11の径方向(すなわち、搬送路111と直交する方向)に沿わせるような姿勢で、搬送路111の上方に支持される(
図2の二点鎖線)。
【0067】
貫通孔522の内直径は、本体部511の外直径と略同一とされており、貫通孔522に差し込まれたときに、本体部511の周面511aと貫通孔522の内面とが気密に接触した状態となる。つまり、本体部511は、貫通孔522に気密に挿入され、これにより、溝部514の内部空間が封止されるとともに、該内部空間と吐出口513が連通部515および中空空間Vを介して気密に連通する。
【0068】
貫通孔522に差し込まれた本体部511は、その軸の軸線の回りでの回転を許容される。つまり、支持部52は、本体部511をその軸線の回りでの回転を許容しつつ、これを支持する。オペレータは、例えば、支持部52に支持されている本体部511に設けられている六角穴付き止めねじ512の六角穴に治具を挿通し、その一端を回転させることにより、本体部511をその軸線の回りで回転させることができる。一方で、支持部52には、貫通孔522の側方に、一端が貫通孔522と連通するとともに、貫通孔522と略直角に延在する、固定部材挿入孔524が形成されている。この固定部材挿入孔524に、固定部材(例えば、セットビス)54がねじ込まれて、その一端が貫通孔522に挿入された本体部511の周面に圧接することにより、本体部511がその軸線の回りで回転しないように規制される。
【0069】
支持部52には、貫通孔522の上方に、その延在方向と交差する方向(ここでは、略垂直)に延在する配管挿入孔523が形成されており、ここに供給配管53の一端が挿入される。つまり、供給配管53の先端は、貫通孔522に挿通された本体部511の軸方向と交差する方向に延在して配置される。配管挿入孔523の下端は、貫通孔522と連通している。ただし、配管挿入孔523は、貫通孔522に本体部511が挿入されたときに、溝部514の内部空間と連通するような位置に形成される。したがって、配管挿入孔523に挿入された供給配管53から供給されたエアは、溝部514の内部空間に充填されるとともに、連通部515を介して中空空間Vに充填されて、吐出口513から吐出される。
【0070】
このように、ここでは、供給配管53が、本体部511の軸方向と交差する方向から溝部514の内部空間に連通して、該内部空間にエアを供給するので、本体部511の軸方向に供給配管53が突出することがない。また、ここでは、供給配管53と吐出口513の間に、長尺の溝部514が介在するので、本体部511がその軸線の回りで回転されても、溝部514の長さに相当する範囲であれば吐出口513へのエアの供給が維持される。
【0071】
次に、第2エア噴出装置5の動作について、引き続き、
図4、
図5、
図9〜
図11を参照しながら説明する。
【0072】
上記の通り、支持部52は、長孔521に挿通されたボルトBによって、ボウル11に固定されており、この長孔521は、基体部52aの延在方向に沿うものとなっている。オペレータは、ボルトBを緩めて支持部52をスライドさせることで、支持部52の取り付け位置、すなわち、本体部511のボウル11の径方向に沿う位置を調整する(
図4の矢印AR3)。ここでは、吐出口513が、搬送路111の真上にくるように、本体部511のボウル11の径方向に沿う位置が調整されるものとする。
【0073】
また、上記の通り、ノズル51の本体部511は、吐出口513を搬送路111に臨ませつつ、支持部52に形成された貫通孔522に気密に挿入されている。オペレータは、六角穴付き止めねじ512の六角穴に治具を挿通して、本体部511をその軸線の回りで回転させて、吐出口513の高さと向きを調整する(
図4の矢印AR4)。ここでは、吐出口513から吐出されるエアが、段差部分111a(
図5)を落下するワークの軌道上の位置に向けて吐出されるように、本体部511の回転位置が調整されるものとする。特に、ワークの重心からできるだけ遠い位置(例えばこの実施形態のように直方体状のワークの場合、角部分)にエアが吹きかけられるように、本体部511の回転位置等が微調整されることが好ましい。
【0074】
本体部511の回転位置が定まると、オペレータは、固定部材挿入孔524に固定部材54をねじ込んで、その一端を本体部511の周面に圧接させる。これにより、本体部511がその軸線の回りで回転しないように規制される。
【0075】
その後、ワークの搬送が開始されると、供給配管53に設けられたバルブ(図示省略)が制御されることによって、供給配管53からエアの供給が開始される。供給配管53から供給されたエアは、溝部514の内部空間および連通部515を介して中空空間Vに充填され、吐出口513から吐出される。ここでは、ワークが搬送されている間、供給配管53に対するエアの供給が継続され、吐出口513から所定圧力でエアが噴出され続ける。
【0076】
上記の通り、ここでは、吐出口513から吐出されるエアが、段差部分111aを落下するワークの軌道上の位置に向けて吐出されるように、本体部511の回転位置が調整されている。したがって、段差部分111aを落下するワークにエアが吹きかけられることにより、該ワークの回転が促され、ワークは回転しながら落下する。回転しながら落下するワークは、弧状溝部分111cに着地する際に、最も安定する回転姿勢(すなわち、重心が最も低い回転姿勢であり、この実施形態では、長尺方向を搬送方向に沿わせるような姿勢)をとろうとするため、落下の際にワークの回転が促されることで、ワークの姿勢がこの回転姿勢に揃えられる。
【0077】
<3.効果>
上記の実施形態に係るパーツフィーダ100が備える第1エア噴出装置4は、ノズル41と、ノズル41にエアを供給する供給配管42と、を備える。そして、ノズル41が、軸方向を平面視にて搬送路111と交差する方向に沿わせつつ、搬送路111の側方に配設される円柱状の本体部411と、本体部411の端面411aにおける、中心からずれた位置に形成された吐出口412と、本体部411の周面に、その円周方向に沿って形成された長尺の溝部413と、溝部413と吐出口412とを連通させる連通部414と、を備える。そして、供給配管42が、本体部411の軸方向と交差する方向から溝部413の内部空間に連通して、該内部空間にエアを供給する。
【0078】
この構成によると、ノズル41にエアを供給する供給配管42が、ノズル41の本体部411の軸方向と交差する方向からエアを供給するので、本体部411の軸方向に供給配管42が突出することがない。したがって、供給配管42がオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダ100の全体としての見た目がコンパクトでスマートなものとなる。
【0079】
また、この構成では、吐出口412が、本体部411の端面411aにおける、中心からずれた位置に形成されているため、本体部411をその軸線の回りで回転させることによって、吐出口412の位置、すなわち、エアの噴出位置を、変更することができる。
【0080】
さらに、この構成によると、本体部411がその軸線の回りで回転されても、溝部413の長さに相当する範囲であれば吐出口412に対するエアの供給が維持されるようになっており、このときに本体部411の回転に応じて供給配管42を動かす必要がないので、供給配管42の取り回し構造をシンプルなものとすることができる。
【0081】
また、第1エア噴出装置4において、本体部411は、側壁部11bの内側面にらせん状の搬送路111が形成されたボウル11に、軸方向を平面視にてボウル11の径方向に沿わせるような姿勢で、配設される。
【0082】
この構成によると、ノズル41の本体部411が、軸方向を平面視にてボウル11の径方向に沿わせるような姿勢で配設されるところ、ノズル41にエアを供給する供給配管42は、本体部411の軸方向と交差する方向からエアを供給するので、平面視にてボウル11の径方向に供給配管42が突出することがない。したがって、供給配管42が特にオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダ100の全体としての見た目が特にコンパクトでスマートなものとなる。
【0083】
また、第1エア噴出装置4においては、本体部411が、ボウル11の側壁部11bに形成された貫通孔112に気密に挿入されることで、溝部413の内部空間が封止されるとともに、該内部空間と吐出口412が連通部414を介して気密に連通する。
【0084】
この構成によると、第1エア噴出装置4の構造を簡易なものとすることができる。
【0085】
また、上記の実施形態に係るパーツフィーダ100が備える第2エア噴出装置5は、ノズル51と、ノズル51を支持する支持部52と、ノズル51にエアを供給する供給配管53と、を備える。そして、ノズル51が、円柱状の本体部511と、本体部511の周面511aにおける周方向の一部分に形成された吐出口513と、を備える。そして、支持部52が、本体部511を、軸方向を平面視にて搬送路111と交差する方向に沿わせつつ、また、該軸の軸線の回りでの回転を許容しつつ、支持する。
【0086】
この構成によると、ノズル51が、周面511aに吐出口513が形成された本体部511を備え、この本体部511が、軸方向を平面視にて搬送路111と交差する方向に沿わせるような姿勢で、支持される。したがって、従来のように、チューブ状のノズルが平面視にて搬送路に沿って配置される場合と比べて、ノズル51がオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダ100の全体としての見た目がコンパクトでスマートなものとなる。
【0087】
また、この構成では、吐出口513が、本体部511の周面511aにおける周方向の一部分に形成されているため、本体部511をその軸線の回りで回転させることによって吐出口513の位置、すなわち、エアの噴出位置を、変更することができる。さらに、本体部511をその軸線に沿ってスライドさせることによって、搬送路111と交差する方向についての吐出口513の位置を変更することもできる。本体部511の軸線回りの回転位置や軸線方向の位置を変更することでエアの噴出位置を変更する態様は、従来のように、チューブ状のノズルの先端の姿勢を変更することでエアの噴出位置を変更する態様と比べて、位置調整の再現性が高い。したがって、熟練のオペレータでなくとも、簡易かつ高精度にエアの噴出位置を調整することができる。
【0088】
また、従来のように、チューブ状のノズルの先端の姿勢によって吐出口の位置や角度が規定される態様においては、ノズルの先端に小さな外力が付加されるだけで、吐出口の位置や角度がずれてしまう可能性がある。これに対し、この構成では、チューブ状のノズルに比べて剛性が高い円柱状の本体部511の軸線回りの回転位置や軸線方向の位置によって、吐出口513の位置や角度が規定されるので、これが簡単にずれてしまうことがない。
【0089】
また、第2エア噴出装置5においては、ノズル51が、本体部511の周面511aに、その円周方向に沿って形成された長尺の溝部514と、溝部514と吐出口513とを連通させる連通部515と、を備える。そして、供給配管53が、本体部511の軸方向と交差する方向から溝部514の内部空間に連通して、該内部空間にエアを供給する。
【0090】
この構成によると、ノズル51にエアを供給する供給配管53が、ノズル51の本体部511の軸方向と交差する方向からエアを供給するので、本体部511の軸方向に供給配管53が突出することがない。したがって、供給配管53がオペレータの邪魔になりにくく、パーツフィーダ100の全体としての見た目が特にコンパクトでスマートなものとなる。
【0091】
また、この構成によると、本体部511がその軸線の回りで回転されても、溝部514の長さに相当する範囲であれば吐出口513に対するエアの供給が維持されるようになっており、このときに本体部511の回転に応じて供給配管53を動かす必要がないので、供給配管53の取り回し構造をシンプルなものとすることができる。
【0092】
また、第2エア噴出装置5においては、本体部511が、支持部52に形成された貫通孔522に気密に挿入されることで、溝部514の内部空間が封止されるとともに、該内部空間と吐出口513が連通部515および中空空間Vを介して気密に連通する。
【0093】
この構成によると、第2エア噴出装置5の構造を簡易なものとすることができる。
【0094】
また、第2エア噴出装置5は、搬送路111の形状が断面V字状から断面弧状に変化する段差部分111aを通過するワークに向けて、エアを噴出するものである。
【0095】
この構成においては、ワークが断面弧状の搬送路部分(弧状溝部分)111cに落下するタイミングで、該ワークに対してエアを吹きかけることによって、ワークの回転を促すことができる。回転しながら落下するワークは、弧状溝部分111cに着地する際に、最も安定する回転姿勢(すなわち、重心が最も低い回転姿勢であり、上記の実施形態では、長尺方向を搬送方向に沿わせる姿勢)をとろうとするため、落下の際にワークの回転が促されることで、ワークの姿勢がこの回転姿勢に揃えられる。
【0096】
<4.変形例>
上記の実施形態においては、ワークが搬送される間中、各エア噴出装置4,5からのエアの吐出が継続されるものとしたが、第1エア噴出装置4、または(および)、第2エア噴出装置5からのエアの吐出は間欠的であってもよい。例えば、第1エア噴出装置4の上流側に、ワークの状態を検出する検出部を設け、ここで不適切な姿勢となっているワークや、重なり合っているワークが検出された場合に、第1エア噴出装置4からエアを噴出するものとしてもよい。このような構成が採用される場合、エアを噴出するタイミング(具体的には、供給配管42に介挿されたバルブを閉状態から開状態に切り替えるタイミング)は、ワークの状態が検出される位置から吐出口412までの離間距離と、ワークの搬送速度から規定される。上記の通り、第1エア噴出装置4においては、吐出口412の位置を変更できるように構成されており、吐出口412の位置に応じて該離間距離が変わってくる。したがって、該エアを噴出するタイミングは、調整後の吐出口412の位置を加味して規定されることが好ましい。第2エア噴出装置5においても同様である。
【0097】
上記の実施形態では、第1エア噴出装置4が備えるノズル41の本体部411は、軸方向を、平面視にて搬送路111と直交する方向に沿わせて配設されるものとしたが、本体部411は、軸方向を、平面視にて搬送路111と0より大きな角度をなしつつ交差させていればよく、必ずしも搬送路111と直交して配設されている必要はない。同様に、第2エア噴出装置5が備えるノズル51の本体部511も、軸方向を、平面視にて搬送路111と0より大きな角度をなしつつ交差させていればよく、必ずしも搬送路111と直交して配設されている必要はない。
【0098】
上記の実施形態においては、吐出口412は、本体部411の端面411aの周縁の一部が切り欠かれることによって形成されたものであったが、吐出口412は、端面411aの中心からずれた位置に形成されたものであればどのようなものであってもよい。例えば、吐出口は、端面411aの中心からずれた位置に形成された貫通孔により形成されてもよい。この場合、本体部411を中空状に形成し、この中空空間を介して、端面411aに形成された吐出口と、周面411bに形成された溝部413とが連通する構成とすればよい。
【0099】
上記の実施形態においては、第1エア噴出装置4は、V字状溝部分111bの近傍に配置され、V字状溝部分111bを搬送されるワークに向けてエアを噴出していたが、第1エア噴出装置4の配設位置はこれに限られるものではなく、弧状溝部分111cの近傍に配置され、弧状溝部分111cを搬送されるワークに向けてエアを噴出してもよい。
【0100】
上記の実施形態においては、第2エア噴出装置5は、段差部分111aの近傍に配置され、段差部分111aを通過するワークに向けてエアを噴出していたが、第2エア噴出装置5の配設位置はこれに限られるものではなく、V字状溝部分111b(あるいは、弧状溝部分111c)の近傍に配置され、V字状溝部分111bb(あるいは、弧状溝部分111c)を搬送されるワークに向けてエアを噴出してもよい。
【0101】
上記の実施形態においては、第1エア噴出装置4と第2エア噴出装置5とが、それぞれ2個ずつボウル11に搭載されるものとしたが、ボウル11に搭載される各エア噴出装置4,5の個数は、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、ボウル11には、必ずしも第1エア噴出装置4と第2エア噴出装置5の両方が搭載される必要はなく、一方のみが搭載されてもよい。また、第1エア噴出装置4と第2エア噴出装置5のうちの少なくとも一方が、リニアフィーダ2のトラフ21の近傍に配置され、トラフ21を搬送されるワークに向けてエアを噴出するものであってもよい。また、第1エア噴出装置4と第2エア噴出装置5のうちの少なくとも一方が、ボウルフィーダ1からリニアフィーダ2への乗り継ぎ部分の近傍に配置され、この乗り継ぎ部分を通過するワークに向けてエアを噴出するものであってもよい。
【0102】
上記の実施形態では、パーツフィーダ100で搬送される被搬送物は、ICチップ、微小なコイル等のワークに限られるものではなく、被搬送物の形状も、略直方体状に限られるものではない。
【0103】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。