(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-172951(P2020-172951A)
(43)【公開日】2020年10月22日
(54)【発明の名称】連結具
(51)【国際特許分類】
F16B 19/00 20060101AFI20200925BHJP
F16B 5/00 20060101ALI20200925BHJP
F16B 15/00 20060101ALI20200925BHJP
【FI】
F16B19/00 C
F16B5/00 C
F16B15/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-73592(P2019-73592)
(22)【出願日】2019年4月8日
(71)【出願人】
【識別番号】517084519
【氏名又は名称】劉 怡汝
(71)【出願人】
【識別番号】516226507
【氏名又は名称】陳 尚廷
【氏名又は名称原語表記】CHEN, SHANG−TING
(71)【出願人】
【識別番号】519127753
【氏名又は名称】李 江林
(71)【出願人】
【識別番号】519127764
【氏名又は名称】昌 文芳
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】李 怡儒
【テーマコード(参考)】
3J001
3J036
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001FA07
3J001GA10
3J001HA07
3J001JD01
3J001KA19
3J001KB03
3J036AA03
3J036BA01
3J036BA02
3J036CA05
3J036DB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象物同士の連結時の作業性を向上させるとともに、連結された対象物同士を安定的に固定する。
【解決手段】連結具1であって、柱状の本体10と、前記本体10の、該本体の軸を中心とする外周面に、離間して形成される複数の突起21を有する係止部20とから構成される。前記突起21は、前記外周面の周方向に沿って離間して形成されている。前記突起21は、前記外周面の周方向に沿って等間隔に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の本体と、
前記本体の、該本体の軸を中心とする外周面に、離間して形成される複数の突起を有する係止部と、
を備える連結具。
【請求項2】
前記突起は、前記外周面の周方向に沿って離間して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記突起は、前記外周面の周方向に沿って等間隔に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の連結具。
【請求項4】
前記突起は、前記外周面の周方向に沿って隣接する突起同士が前記本体の軸に沿ってオフセットして配置されるように、形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の連結具。
【請求項5】
前記突起は、前記外周面の周方向に沿って隣接する突起同士が前記本体の軸に沿って互い違いにオフセットして配置されるように、形成されていることを特徴とする請求項4に記載の連結具。
【請求項6】
前記突起は、前記本体の軸を中心として対向する突起同士が前記外周面の周方向において同位置に配置されるように、形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項7】
前記突起は、前記外周面に、前記本体の軸方向に沿って離間して形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項8】
前記突起は、平板形状を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項9】
前記本体の、該本体の軸方向の一端部に接続され、前記本体の外周面よりも該本体の軸を中心とした径方向の外側に張り出す張出部を有するフランジを更に備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項10】
前記突起は、該突起の先端が前記本体の軸方向に対して一方の端部の側に傾斜するように、形成されることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の連結具。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の連結具を用いて連結させた連結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の対象物を連結させる連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の板材を自在に組み合わせて連結し、様々な形態に組み立てる組立式の家具が知られている。例えば、組立式の家具として棚を組み立てる場合、天板及び底板、左右の側板により枠体を構成し、この枠体に背板を取り付け、さらに枠体の内側に複数の棚板を取り付ける。このような複数の部材同士を連結させる手段として雄ねじと雌ねじとからなる連結具が一般に知られている。このような連結具は、連結した部材同士を安定的に固定することができるが、工具を使ってねじ締めする手間を必要とする。
【0003】
上記のような手間を省くため、例えば、挿通ピンの胴部に、周方向の環状突起を軸方向に対して所定間隔で形成させた連結具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この連結具によれば、対象部材に設けられる挿通孔に挿通させることにより、環状突起と挿通孔の内面が押圧状態で接触するので、別途の部材を必要とせずに部材同士を連結することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−180478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記連結具を使用する場合、環状突起が周方向の全周にわたり形成されているので、挿通ピンを対象部材の挿通孔に挿通させる時の挿通抵抗が比較的大きい。このため、対象部材の材質によっては、挿通作業に大きな負荷が掛かるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の対象物を連結する際の作業性を向上させるとともに、対象物同士を安定的な連結状態で固定することができる連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る一態様は、連結具であって、筒状の本体と、前記本体の、該本体の軸を中心とする外周面に、離間して形成される複数の突起を有する係止部とを備える。
【0008】
また、前記突起は、前記外周面の周方向に沿って離間して形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記突起は、前記外周面の周方向に沿って略等間隔に形成されることが好ましい。
【0010】
また、前記突起は、前記外周面の周方向に沿って隣接する突起同士が前記本体の軸に沿ってオフセットして配置されるように、形成されることが好ましい。
【0011】
また、前記突起は、前記外周面の周方向に沿って隣接する突起同士が前記本体の軸に沿って互い違いにオフセットして配置されるように、形成されることが好ましい。
【0012】
また、前記突起は、前記本体の軸を中心として対向する突起同士が前記外周面の周方向において略同位置に配置されるように、形成されることが好ましい。
【0013】
また、前記突起は、前記外周面に、前記本体の軸方向に沿って離間して形成されることが好ましい。
【0014】
また、前記突起は、平板形状を有することが好ましい。
【0015】
また、前記本体の、該本体の軸方向の一端部に接続され、前記本体の外周面よりも該本体の軸を中心とした径方向の外側に張り出す張出部を有するフランジを更に備えることが好ましい。
【0016】
また、前記突起は、該突起の先端が前記本体の軸方向に対して一方の端部の側に傾斜するように、形成されていることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る他の態様は、上記連結具を用いて連結させた連結体である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る態様によれば、対象物同士を連結させる際の作業性を向上させるとともに、対象物同士を安定的な連結状態で固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】(a)連結具を用いて対象物同士を連結させる状態を表す斜視図であり、(b)連結具を用いて連結された対象物を表す斜視図である。
【
図5】(a)連結具を対象物の挿通孔に挿通させる状態を表す断面図であり、(b)連結具を対象物の挿通孔に挿通させた状態を表す断面図である。
【
図6】(a)変形例に係る連結具の斜視図であり、(b)変形例に係る連結具の斜視図であり、(c)変形例に係る連結具の斜視図であり、(d)変形例に係る連結具の斜視図であり、(e)変形例に係る連結具の斜視図であり、(f)変形例に係る連結具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
【0021】
〔連結具の構成〕
連結具の構成について説明する。
図1に示すように、連結具1は、本体10と、係止部20と、フランジ30と、ガイド部40とを有する。
連結具1は、例えば、樹脂材料で構成されている。なお連結具1としては、金属やゴムなどあらゆる材料を適用することができる。
【0022】
<本体>
本体10は、連結具1の基幹部位を構成し、後述する対象物100,200に形成される挿通孔100a,200aに挿通される部分である。本体10は、断面が直線部を有する略楕円柱状であり、円柱軸(以下「軸」という)Lを中心とした外径が、挿通孔の内径100a,200aよりも小さい。
【0023】
<係止部>
図1に示すように、係止部20は、本体10の軸方向に沿った一端側の外周面に形成されている。係止部20は、本体10が挿通孔100a,200a内に内在したときに挿通孔100a,200aの内面と当接する。係止部20は、この当接部に生じる接触応力によって本体10を挿通孔100a,200a内に係止(固定)する役割を担う。
係止部20は、本体10の外周面に複数形成される突起21を有する。
【0024】
(突起)
図2に示すように、突起21は、本体10の軸Lを中心とする外周面の周方向に沿って離間して形成されている。具体的に、突起21は、外周面の周方向に沿って略4等分した周方向位置に形成されている。
図3に示すように、突起21は、略4等分した周方向位置のそれぞれにおいて、本体10の軸Lに沿って略等間隔に複数形成されている。以下では、各周方向位置において軸Lに沿って複数形成される突起について、第1列の突起21a、第2列の突起21b、第3列の突起21c及び第4列の突起21dと説明することがある。
【0025】
図3に示すように、突起21は、平板形状に形成されている。突起21は、一対の対向面21e,21fと、側周面21gと、を有する。一対の対向面21e,21fは、軸Lが延びる側に面する互いに平行に延びる面である。対向面21eは、後述するフランジ30に面し、対向面21fは、後述するガイド部40に面する。側周面21gは、一対の対向面21e,21fの間を延びている。
突起21は、外周面の周方向に沿って隣接する突起21同士が本体10の軸Lに沿ってオフセットして配置されるように、形成されている。例えば、第1列の突起21aに隣接する第2列の突起21bは、周方向に沿って第1列の突起21a間の隙間位置に配置されている。周方向に沿って隣接するその他の突起21同士も同様の位置関係で配置されている。すなわち、突起21は、周方向に沿って隣接する突起21同士が本体10の軸Lに沿って互い違いにオフセットして配置されるように形成されている。
【0026】
図3に示すように、突起21は、本体10の軸Lを中心として対向する突起21同士が外周面の周方向において略同位置に配置されるように、形成されている。例えば、第1列の突起21aとこれに対向する第3列の突起21cとは、外周面の周方向において略同位置に配置されている。なおこの構成を実現するためには、突起21(突起の列21a,21b,21c,21d)が、外周面の周方向において偶数個形成されていることが好ましい。
【0027】
図3に示すように、突起21は、本体10の軸方向に沿って基端から先端に向かうにつれて、後述するフランジ30の側に傾斜するように、形成されている。言い換えると、突起21は、本体10の外周面から外側に向かって先端(後述するガイド部40の側)から離れる方向に延びている。突起21の傾斜角度は、各列の突起21a,21b,21c,21dともに略同等に設定されている。
【0028】
<フランジ>
図1及び3に示すように、フランジ30は、本体10の軸方向の一端部に接続されている。フランジ30は、本体10が挿通孔100a,200a内に過度に挿通されることを防止するストッパとしての役割を担う。
フランジ30は、略円板形状を有する。フランジ30は、本体10の外周よりも、軸Lを中心とした径方向の外側に張り出す張出部30aを有する。張出部30aは、その外径が挿通孔100a,200aの内径よりも大きい。フランジ30の外側面(本体10との接続側とは反対の面)は、外側に凸状となる曲面を有している。
【0029】
<ガイド部>
図1及び3に示すように、ガイド部40は、本体10の他端(本体10の軸に沿ってフランジ30とは反対側の端部)に接続されている。ガイド部40は、本体10の挿通孔100a,200aへの挿通を円滑にするためのガイド機能としての役割を担う。
ガイド部40は、軸Lに沿った断面において、基端(本体10と接続する端部)から先端に向けて先細りの略台形形状を有する。ガイド部40は、基端から、連結具1を軸Lに沿った方向に見て、本体10の軸Lを中心として対向する突起21a,21cと同じ方向に延びており、つまり、本体10の軸Lを中心として対向する突起21b,21dの延びに対して交差している。ガイド部40は、基端面41と、一対の主面42と、一対の側面43とを有する。基端面41は、本体10と接続する基端における面であり、フランジ30に面する面である。基端面41は、両端において本体10を超えて延びている。一対の主面42は、所定の間隔をあけて互いに平行に設けられている。各主面42は、基端面41に対して垂直をなす面であり、突起21b,21dがそれぞれ延びる方向を向く面である。主面42は、略台形形状を有する。側面43は、一対の主面42に対して垂直をなす面である。一対の側面43は、基端面41から先端に向かって互いに接近するように延びており、ガイド部40の先端部において交差している。ガイド部40の先端部は、丸味を帯びて形成されている。
ガイド部40は、基端の幅が本体10の外径よりも大きく、且つ挿通孔100a,200aの内径と同じ、略同じ又は少し大きくなっている。また、ガイド部40の基端の幅は、本体10の軸Lを中心として対向する突起21a,21c同士の幅よりも小さい。
【0030】
〔連結具による対象物間の連結〕
図4及び5において、2つの対象物が連結具1を介して連結される例について説明する。以下では、板状に形成された第1対象物100と第2対象物200とを連結することによりL字状の連結体が組み立てられる例について説明する。第1対象物100と第2対象物200は、例えば、木材質で構成されている。対象物100,200は、木材質に限らずあらゆる材質のものを適用される。
【0031】
図4(a)に示すように、第1対象物100と第2対象物のそれぞれには、連結具1を挿通させるための挿通孔100a,200aが形成されている。第1対象物100は、その厚み方向に対して略垂直の方向に延伸する2つの挿通孔100aを有する。第2対象物200は、その厚み方向に対して略平行の方向に延伸する2つの挿通孔200aを有する。
図4(a)に示すように、第1対象物100及び第2対象物200の挿通孔100a,200aは、両対象物100,200がL字状に並んだ状態において同軸上に配置されるように形成されている。
【0032】
図4(a)及び4(b)に示すように、連結具1は、第1対象物100と第2対象物200とがL字状に並び且つ挿通孔100a,200aが同軸上に配置された状態において、挿通孔100a,200a内に取り付けられている。具体的には、連結具1の本体10が挿通孔100a,200a内に挿通され、フランジ30の張出部30aが第2対象物200の外面に当接した状態で、連結具1が挿通孔100a,200a内に取り付けられる。
【0033】
連結具1は、ガイド部40を先端として、本体10を挿通孔100a,200aの軸と略平行に配置した状態においてフランジ30を押圧することにより取り付けられる。フランジ30を押圧する方法は、作業者の手でフランジ30を押圧する方法であってもよく、フランジ30をハンマー等の工具で打ち付ける方法であってもよい。本体10が挿通孔100a,200a内に挿通されるときに突起21と挿通孔100a,200aの内面との間に生じる挿通抵抗の大きさに応じて、あらゆる押圧方法を適用することができる。
【0034】
図5(a)に示すように、連結具1をガイド部40が設けられた先端側から第1対象物100及び第2対象物200に接近させる。本実施の形態に係る連結具1を使用する場合、挿通孔100a,200aの径は、少なくとも突起21a〜21dを互い結んで形成される略円形状の仮想円の径よりも小さいことが好ましい。
挿通孔100a,200aの径がガイド部40の基端の幅よりも小さい場合、連結具1は、ガイド部40において挿通孔100a,200aの内面に接触しながら、挿通孔100a,200a内に挿通される。これにより、ガイド部40と接触する位置において挿通孔100a,200aの径は拡大され、後続の突起21における挿通孔100a,200aへの挿通が容易になる。連結具1は、突起21において対向面21fの側で挿通孔100a,200aの内面に接触しながら、第1対象物100及び第2対象物200の挿通孔100a,200aにおける材料を径方向外側に押し退けつつ、挿通孔100a,200aに挿通される。
【0035】
図5(b)に示すように、連結具1が挿通孔100a,200a内に挿通された状態において、突起21の先端部が第1対象物の挿通孔100a内面に食い込むことにより本体10が第1対象物に係止される。この状態において、フランジ30の張出部30aが第2対象物の外面と当接する。すなわち、第1対象物100と第2対象物200との連結部分の一方側は本体10と第1対象物との係止により固定され、連結部分の他方側はフランジ30と第2対象物との当接により固定される。
このような構成によれば、第1対象物100と第2対象物200との連結部分の両側部分が固定されるので、第1対象物100及び第2対象物200は、L字状の連結体として、安定的な連結状態で固定される。
【0036】
以上のように、上記実施の形態に係る連結具1は、別途の連結部材を用いることなく、対象物100,200の挿通孔100a,200a内に取り付けられるだけで、対象物100,200同士を連結することができる。
上記実施の形態に係る連結具1は、突起21が本体10の外周面の周方向に沿って離間して形成されている。このため、突起21と対象物100の挿通孔100a内面と接触部分において生じる単位面積当たりの接触応力は、周方向の全周にわたり突起が形成される構成と比較して大きい。これにより本体10の対象物100内での係止力が高まり、本体10が対象物100内に安定的に固定される。特に突起21を平板形状とすることにより、より高い接触応力が生じるので、本体10が対象物100内により安定的に固定される。
上記実施の形態に係る連結具1は、突起21が本体10の外周面の周方向に沿って離間して形成されている。このため、周方向の全周にわたり突起が形成される構成と比較して、本体10の挿通抵抗が軽減する。これにより、連結具1を対象物100,200に取り付ける際の作業性を向上させることができる。
上記実施の形態に係る連結具1は、ガイド部30や突起21が挿通孔100a,200aの径を押し広げながら挿通されるので、挿通孔110a,200aは、少なくとも突起21a〜21dを互いに結んで形成される略円形状の仮想円の径よりも小さければよい。したがって、挿通孔110a,200aの径について高い寸法精度が要求されず、比較的自由に径寸法を設定することができる。
上記実施の形態に係る連結具1は、本体10の外周面の周方向に沿って隣接する突起21同士が本体10の挿通軸Lに沿ってオフセットして配置されている。このため、本体10の軸方向における係止部20のほぼすべての領域において、各列の突起21a,21b,21c,21dのいずれかが対象物100の挿通孔100aの内面と接触する。すなわち、突起21と挿通孔100aとの接触領域がほぼ途切れることなく軸方向において広範に形成される。これにより、例えば、隣接する突起同士がオフセットせずに配置される構成(突起同士が周方向の略同位置に配置される構成)と比較して、連結具1としてより安定的な連結状態を実現することができる。
上記実施の形態に係る連結具1は、本体10の側面の挿通軸Lを中心として対向する突起21同士が周方向において略同位置に配置されている。このため、突起21と挿通孔100aの内面との当接部が挿通軸Lを中心として対称に形成される。これにより、突起21と挿通孔100aの内面との当接部に生じる接触応力が周方向において偏りがなく、連結具1としてより安定的な連結状態を実現することができる。
上記実施の形態に係る連結具1は、突起21の先端が本体10の軸方向に対して本体10の一方の端部であるフランジ30側に傾斜するように形成されている。これにより、傾斜がない形態と比較して、本体10を後述する対象物の挿通孔に挿通させる際に発生する挿通抵抗を低減することができる。また、突起21を傾斜させることによって、突起21と挿通孔の内面との接触部において、突起21の先端に対して本体10の抜け出し方向と反対方向の接触応力が発生するので、本体10の挿通孔からの抜け出しを防止することができる。
上記実施の形態に係る連結具1は、本体10の一端に張出部30aを有するフランジ30を有しているので、本体10が挿通孔100a,200a内に過度に挿通されることを防止することができる。また、フランジ30の張出部30aが第2対象物200の外面と当接するので、本体10と第1対象物100との間に生じる係止構造との組み合わせによって、対象物100,200の連結部分を安定的に固定することができる。
【0037】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではない。
例えば、
図6(a)に示すように、連結具1aは、断面略円形であり且つ長尺状の柱状の本体10aの外周面に突起21が形成される構成であってもよい。
例えば、
図6(b)に示すように、連結具1bは、断面が略直線部を有する略楕円柱状であり、断面略円形の柱状の大径部11bと、大径部11bよりも外径が小さく且つ断面が直線部を有する略楕円柱状の小径部12bとからなる本体10bを有しており、突起21が小径部12bの外周面に形成される構成であってもよい。
例えば、
図6(c)に示すように、連結具1cは、フランジ30の両側に接続される断面が直線部を有する略楕円柱状の本体11c,12cの外周面に突起21が形成される構成であってもよい。さらに一方の本体11cの一端にガイド部40が接続される構成であってもよい。
例えば、
図6(d)に示すように、連結具1dは、フランジ30の一方側に断面が直線部を有する略楕円柱状の本体11dが接続され、他方側に略円柱状の本体12dが接続されており、突起21が各本体11d,12dの外周面に形成される構成であってもよい。さらに11d,12dのそれぞれの一端にガイド部40が接続される構成であってもよい。
例えば、
図6(e)に示すように、連結具1eは、フランジ30の一方側に断面が直線部を有する略楕円柱状の本体11eが接続され、他方側に断面略円形の本体12eが接続されており、突起21が一方の本体11eの外周面に形成される構成であってもよい。さらに、一方の本体11eの先端部の上面には、先端部の拡縮変形を自在とするための略十字状の溝Gが形成される構成であってもよい。
例えば、
図6(f)に示すように、連結具1fは、2つの略円柱状の本体11f,12fがフランジ30fを介して略直角の関係で配置されており、突起21が各本体11f,12fの外周面に形成される構成であってもよい。
【0038】
上記実施の形態においては、突起21(突起の列21a,21b,21c,21d)が本体10の外周面の周方向に沿って略4等分に離間して形成される構成を例示したがこれに限られない。突起21が外周面の周方向に沿って略2等分、略3等分等、任意の状態に離間して形成される構成であってもよい。また、突起21は外周面の周方向に沿って略等間隔に離間して形成される構成を例示したがこれに限られない。突起21が任意の間隔で形成される構成であってもよい。
上記実施の形態においては、本体10を1つ又はフランジ30を介して2つ有する連結具を例示したがこれに限られない。本体10は、連結する対象物の形状や数などに応じて様々な形態を適用することができる。
上記実施の形態においては、突起21が平板形状を有するものを例示したがこれに限られない。針状や湾曲形状など様々な形状のものを適用することができる。
上記実施の形態においては、係止部20を構成するものとして突起21を説明したが、突起21以外の構成を有していてもよい。例えば、係止部20を構成するものとして、本体10の側面の表面に凹凸部が形成されていてもよい。凹凸部は、側面の表面に溝(スリット)や凹みを形成したもの、表面の波状のうねりを形成したもの、表面を粗面化処理して形成したもの、などを適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 連結具
10 本体
20 係止部
21 突起
21a 第1列の突起
21b 第2列の突起
21c 第3列の突起
21d 第4列の突起
30 フランジ
30a 張出部
40 ガイド部
100 第1対象物
100a 挿通孔
200 第2対象物
200a 挿通孔
L 本体軸
【手続補正書】
【提出日】2020年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の本体と、
前記本体の、該本体の軸を中心とする外周面に、離間して形成される複数の突起を有する係止部と、
を備える連結具。
【請求項2】
前記突起は、前記外周面の周方向に沿って離間して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記突起は、前記外周面の周方向に沿って等間隔に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の連結具。
【請求項4】
前記突起は、前記外周面の周方向に沿って隣接する突起同士が前記本体の軸に沿ってオフセットして配置されるように、形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の連結具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の連結具を用いて連結させた連結体。