【実施例】
【0023】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について説明する。
【0024】
図2−
図4を用いて実施例について説明する。なお以下に説明する実施例は、本願発明を、車両に搭載されたナビゲーション装置NVに適用した場合の実施例である。
【0025】
[1.ナビゲーション装置NVの概要]
まず、本実施例におけるナビゲーション装置NVの特徴的な情報更新機能の概略について説明する。情報更新機能は、時間の経過と共に更新される情報をディスプレイに表示する際の更新を制御する機能である。
【0026】
ナビゲーション装置NVは、時間の経過と共に更新される情報である時刻情報、為替情報及びSNS投稿情報を取得する。各情報を取得するタイミングは定期的であっても良いし、その情報が更新された都度であってもよい。SNS投稿情報としては、例えば、利用者の設定したキーワードを含む投稿記事を示す情報である。すなわち、ナビゲーション装置NVは、「北海道」というキーワードが設定されると北海道に関する投稿記事を示す情報を取得する。
【0027】
次いで、ナビゲーション装置NVは、取得した情報を
図2に示すようにそれぞれ個別の領域に表示する。具体的には、画面400の時刻表示領域401に、時刻情報を表示させ、為替表示領域402に為替情報を表示させ、また、投稿情報表示領域403にSNS投稿情報を表示させる。このとき、ナビゲーション装置NVは、SNS投稿情報が利用者の動作の対象である場合、すなわち、利用者の視線がSNS投稿情報に向けられている場合、又は、利用者がSNS投稿情報が表示されている投稿情報表示領域403に対する操作(例えば、スクロール操作等)を行っている場合には、新たにSNS投稿情報を取得したとしても、新たなSNS投稿情報により投稿情報表示領域403に表示されているSNS投稿情報を更新しない。一方、ナビゲーション装置NVは、時刻情報については、利用者の動作の対象であるか否かにかかわらず、新たに時刻情報を取得した場合、新たな時刻情報により時刻表示領域401等に表示されている時刻情報を更新する(為替情報及び為替表示領域402についても同様)。すなわち、ナビゲーション装置NVは、時刻情報については、最新の情報を表示する。
【0028】
[2.ナビゲーション装置NVの構成]
次に、
図3を用いて本実施例に係るナビゲーション装置NVの構成について説明する。
図3に示すように、ナビゲーション装置NVは、制御部211と、HDD等からなる記憶装置212と、入力装置213と、表示ユニット214と、バスライン215と、入出力インターフェース部220と、車速センサ221と、角速度センサ222と、加速度センサ223と、舵角センサ224と、GPS受信部225と、データ送受信部226と、視線検出カメラ227と、車外カメラ228を備えて構成されている。
【0029】
車速センサ221は、例えばナビゲーション装置NVが搭載されている車両から取得される車速パルス等を用いた速度検出処理等を用いて当該車両の現在速度を検出し、速度データを出力する。角速度センサ222は、当該車両の、例えば方向変化の角速度を検出し、単位時間当たりの角速度データ及び相対方位データを出力する。加速度センサ223は、当該車両の例えば前後方向の加速度を検出し、単位時間当たりの加速度データ等を出力する。舵角センサ224は、当該車両の舵角を検出し、舵角データ等を出力する。GPS受信部225は、GPS衛星からの航法電波を受信し、GPS測位データとして自車位置情報である緯度、経度、高度データ、車両の進行方向の絶対方位データ及びGPS速度データ等を出力する。データ送受信部226は、ネットワークを介したサーバ装置との間のデータの送受信に係る処理を行う。視線検出カメラ227は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の車内に設けられ、利用者(運転手及び同乗者)の視線を検出するためのカメラであり、撮影した画像を制御部211に出力する。車外カメラ228は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の車外に設けられ、車両の周辺環境を検出するためのカメラであり、撮影した画像を制御部211に出力する。
【0030】
記憶装置212は、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、CD、DVD、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込んで実行することとしてもよい。
【0031】
また、記憶装置212は、表示ユニット214に地図を表示するための地図画像データや、経路を探索する際に用いる地図情報、道路リンク情報などが格納される。また、記憶装置212は、事故が起きやすい交差点、踏切、高速道路の合流地点などのいわゆるヒヤリハットポイントを示す情報を記憶する。更に、記憶装置212は、利用者のナビゲーション装置NVに対する操作履歴を示す操作履歴情報、又は利用者の視線の移動履歴を示す視線移動履歴情報を記憶する。なお、記憶装置212が記憶する情報は、ナビゲーション装置NV外のサーバ装置に記憶させ、適宜、受信して利用することとしてもよい。
【0032】
入力装置213は、タッチセンサ、タッチパネル、キーボード、マウス、圧力検知センサ、ジョグダイヤル、その他のコントローラ等により構成され、利用者の入力操作を受け付けて、操作内容を示す操作信号を制御部211に送信する。
【0033】
表示ユニット214は、制御部211の制御下で各種表示データを表示する。表示ユニット214は、グラフィックスコントローラ214aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ214bと、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ214c等を備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ214aは、バスライン215を介して制御部211から送られる制御データに基づいて、表示ユニット214全体の制御を行う。また、バッファメモリ214bは、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ214aから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ214cに画像が表示される。
【0034】
制御部211は、制御部211全体を制御するCPU211aと、制御部211を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM211bと、各種データを一時的に格納するRAM211cと、により構成されている。制御部211は、車速センサ221、角速度センサ222、加速度センサ223、舵角センサ224及びGPS受信部225と、バスライン215及び入出力インターフェース部220を介して接続されており、それぞれから出力される速度データ、角速度データ及び相対方位データ、舵角データ、GPS測位データ及び車両の進行方向の絶対方位データ、加速度データ等に基づいて、ナビゲーション装置全体の制御を行うとともに、表示ユニット214等の各種構成部材における夫々の動作を制御する。
【0035】
制御部211は、システム時計から時刻情報を取得し、図示しないサーバ装置から為替情報やSNS投稿情報を取得する。なお、為替情報としては、利用者が設定した通貨間の為替レートを示す情報が取得され、SNS投稿情報としては、利用者が設定したキーワードを含む投稿記事を示す情報が取得される。制御部211は、時刻情報及び為替レートは所定間隔で取得し、SNS投稿情報は新たな投稿記事がサーバ装置にアップロードされる度に取得する。
【0036】
制御部211は、現在、ディスプレイ214cに表示している画面の構成を特定する。例えば、画面における更新の対象となる部分(例えば、
図2における時刻表示領域401、為替表示領域402、投稿情報表示領域403)の位置や表示内容、画面内において利用者が操作可能な部分の位置等を特定する。また、制御部211は、取得した情報が何れの更新の対象となる部分に表示されている情報を更新するための情報であるかを特定する。一方で、制御部211は、視線検出カメラ227が出力した撮影画像に基づいて、利用者(運転手及び同乗者)の視線の向きを特定する。具体的には、何れの利用者が、ディスプレイ214cに表示される画面において時刻表示領域401、為替表示領域402、投稿情報表示領域403の何れの領域に視線を向けているかを特定する。また、制御部211は、車外カメラ228が出力した撮影画像に基づいて、車外の天候や道路の状況などの周囲環境を特定する。
【0037】
制御部211は、取得した時刻情報、為替情報、SNS投稿情報により、時刻表示領域401、為替表示領域402、投稿情報表示領域403の表示内容を更新するか否かを判定する。例えば、次の(1)−(5)の少なくとも何れかの規則に基づいて、取得した情報により更新の対象となる部分(「更新部分」という場合がある)を更新するか否かを判定することができる。但し、取得した情報が、時刻情報のように最新の情報を表示することが好ましい情報については常に当該取得した情報による更新を行うのが好ましい。
(1)取得した情報が、利用者の視線が向けられている更新部分を更新するための情報である場合には、当該取得した情報による更新を見合わせる。
(2)取得した情報が、利用者の操作の対象となっている更新部分を更新するための情報である場合には、当該取得した情報による更新を見合わせる。
(3)現在位置がヒヤリハットポイントである場合には、取得した情報による更新を見合わせる。
(4)現在の周囲の環境が危険度の高い状況である場合、すなわち、豪雨である場合、現在走行している道路が渋滞している場合、現在走行している道路が極細道である場合には、取得した情報による更新を見合わせる。
(5)取得した情報が、任意に設定された時間内に利用者の操作が行われた(視線が向けられた)更新部分を更新するための情報である場合には、当該取得した情報による更新を見合わせる。
【0038】
[3.ナビゲーション装置NVの動作例]
次に、
図4のフローチャートを用いて、ナビゲーション装置NVの動作例について説明する。なお、視線検出カメラ227による視線検出のキャリブレーション等は完了しているものとする。また、制御部211は、利用者の視線を検出し、視線の移動履歴を記憶装置212に記憶させ、利用者による操作が行われると操作履歴を記憶装置212に記憶させるものとする。
【0039】
まず、制御部211は、情報(時刻情報、為替情報又はSNS投稿情報)を取得する(ステップS11)。次いで、制御部211は、ステップS11の処理で取得した情報により更新する更新部分(時刻表示領域401、為替表示領域402又は投稿情報表示領域403)を特定する(ステップS12)。例えば、取得した情報が時刻情報であれば、時刻表示領域401を更新部分として特定し、取得した情報がSNS投稿情報であれば、投稿情報表示領域403を更新部分として特定する。
【0040】
次に、制御部211は、ステップS11の処理で取得した情報は更新見合わせ不要の情報か否かを判定する(ステップS13)。なお、本実施形態では、説明の便宜上、時刻情報は更新見合わせ不要の情報であると仮定し、一方、為替情報及びSNS投稿情報は更新見合わせ不要の情報ではない(すなわち、更新見合わせ必要の情報である)と仮定する。制御部211は、取得した情報は更新見合わせ不要の情報(時刻情報)であると判定した場合には(ステップS13:YES)、取得した情報(時刻情報)により、ステップS12の処理で特定した更新部分(時刻表示領域401)の情報を更新し(ステップS21)、ステップS11の処理に移行する。一方、制御部211は、取得した情報は更新見合わせ不要の情報ではないと判定した場合(すなわち、為替情報又はSNS投稿情報であると判定した場合)には(ステップS13:NO)、次いで、利用者の現在の視線情報及び操作情報を取得する(ステップS14)。
【0041】
次に、制御部211は、ステップS14の処理で取得した視線情報に基づいて、利用者の視線が、ステップS12の処理で特定した更新部分に向いているか否かを判定する(ステップS15)。このとき、制御部211は、利用者の視線が更新部分に向いていると判定した場合には(ステップS15:YES)、ステップS11で取得した情報による、ステップS12の処理により特定した更新部分に表示されている情報の更新を見合わせて(ステップS22)、ステップS11の処理に移行する。これにより、利用者が視線を向けている更新部分について、新たに情報が取得されたとしても当該情報により更新部分の情報は更新されないので、情報の内容に対する利用者の理解が深まる。一方、制御部211は、利用者の視線が更新部分に向いていないと判定した場合には(ステップS15:NO)、次いで、ステップS14の処理で取得した操作情報に基づいて、利用者の操作対象がステップS12の処理で特定した更新部分であるか否かを判定する(ステップS16)。このとき、例えば、ステップS11の処理で取得した情報がSNS投稿情報であって、利用者が投稿情報表示領域403についてスクロール操作を行っている場合などには、「YES」と判定する。
【0042】
制御部211は、利用者の操作対象がステップS12の処理で特定した更新部分であると判定した場合には(ステップS16:YES)、ステップS11で取得した情報による、ステップS12の処理により特定した更新部分に表示されている情報の更新を見合わせて(ステップS22)、ステップS11の処理に移行する。これにより、利用者が操作をしている更新部分について、新たに情報が取得されたとしても当該情報により更新部分の情報は更新されないので、情報の内容に対する利用者の理解が深まる。一方、制御部211は、利用者の現在の操作対象がステップS12の処理で特定した更新部分ではないと判定した場合には(ステップS16:NO)、次いで、利用者の操作履歴情報、視線移動履歴情報、現在位置情報及び周囲環境情報を取得する(ステップS17)。具体的には、制御部211は、利用者の操作履歴情報及び視線移動履歴情報を記憶装置212から取得し、GPS受信部225が出力する緯度、経度、高度データを現在位置情報として取得し、車外カメラ228が出力する車外を撮影した画像を分析することにより周囲環境情報を取得する。周囲環境情報は、現在の周囲の環境が危険度の高い状況であるか否かを示す情報であり、制御部211が、車外カメラ228が出力した撮影画像に基づいて、車外の天候や道路の状況などに基づいて算出して取得する。例えば、豪雨である場合、現在走行している道路が渋滞している場合、現在走行している道路が極細道である場合には、危険度が高い状況であることを示す周囲環境情報が取得される。なお、制御部211は、位置毎に天候や道路の状況などを示す情報を保持するサーバ装置に対して、ネットワークを介して自車両の現在位置を送信して、サーバ装置から現在位置に対応する当該情報を取得し、当該情報に基づいて周囲環境情報を算出してもよい。また、制御部211は、位置毎に当該位置の危険度を示す危険度情報を算出するサーバ装置に対して、ネットワークを介して自車両の現在位置を送信し、サーバ装置から危険度情報を周囲環境情報として取得することとしてもよい。
【0043】
次に、制御部211は、ステップS17の処理で取得した利用者の操作履歴情報及び視線移動履歴情報に基づいて、ステップS12の処理で特定した更新部分が、現在から所定時間内に操作の対象になった又は視線が向けられた更新部分であるか否かを判定する(ステップS18)。例えば、現在から30秒前までの間に、操作の対象となった又は視線が向けられた更新部分であるか否かを判定する。制御部221は、所定時間内に操作の対象になった又は視線が向けられた更新部分であると判定した場合には(ステップS18:YES)、ステップS11で取得した情報による、ステップS12の処理により特定した更新部分に表示されている情報の更新を見合わせて(ステップS22)、ステップS11の処理に移行する。これにより、利用者が所定時間前まで視線を向けていた、又は、操作の対象としていた更新部分について、新たに情報が取得されたとしても当該情報により更新部分の情報は更新されないので、利用者が再度情報を閲覧するために情報に視線を向けた際、以前と同じ情報を閲覧することができる。一方、制御部211は、所定時間内に操作の対象になった又は視線が向けられた更新部分ではないと判定した場合には(ステップS18:NO)、次いで、ステップS17の処理で取得した現在位置情報と、記憶装置212が記憶するヒヤリハットポイントを示す情報とに基づいて、現在位置はヒヤリハットポイントであるか否かを判定する(ステップS19)。
【0044】
制御部211は、現在位置はヒヤリハットポイントであると判定した場合には(ステップS19:YES)、ステップS11で取得した情報による、ステップS12の処理により特定した更新部分に表示されている情報の更新を見合わせて(ステップS22)、ステップS11の処理に移行する。これにより、現在位置がヒヤリハットポイントである場合には、新たに情報が取得されたとしても当該情報により更新部分の情報は更新されないので、利用者(運転手)は運転に集中することができ、安全性が向上する。一方、制御部211は、現在位置はヒヤリハットポイントではないと判定した場合には(ステップS19:NO)、次いで、ステップS17の処理で取得した周囲環境情報に基づいて、周囲環境は危険度が高い状況であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0045】
制御部211は、周囲環境は危険度が高い状況であると判定した場合には(ステップS20:YES)、ステップS11で取得した情報による、ステップS12の処理により特定した更新部分に表示されている情報の更新を見合わせて(ステップS22)、ステップS11の処理に移行する。これにより、周囲環境の危険度が高い場合には、新たに情報が取得されたとしても当該情報により更新部分の情報は更新されないので、利用者(運転手)は運転に集中することができ、安全性が向上する。一方、制御部211は、周囲環境は危険度が高い状況ではないと判定した場合には(ステップS20:NO)、ステップS11の処理で取得した情報(為替情報又はSNS投稿情報)により、ステップS12の処理で特定した更新部分(為替表示領域402又は投稿情報表示領域403)の情報を更新し(ステップS21)、ステップS11の処理に移行する。
【0046】
以上説明したように、ナビゲーション装置NVの制御部211(「検出手段」、「更新手段」の一例)は、更新可能にディスプレイ214c(「出力手段」の一例)に出力される情報に対して、利用者が利用している動作を検出し、当該動作に基づいて情報の更新を抑制する。
【0047】
したがって、本実施例に係るナビゲーション装置NVによれば、随時更新される情報を利用者に提示する場合に、利用者の状況に応じて、情報の更新を抑制することにより、利用者の情報の内容に対する理解を助け利便性を向上させることができる。
【0048】
また、ステップS11の処理で取得する情報は、利用者が利用している動作によって情報の更新を見合わせる為替情報及びSNS投稿情報(「第1種別情報」の一例)と、利用者が利用している動作にかかわらず情報の更新をする時刻情報(「第2種別情報」の一例)と、に識別可能であり、制御部211は、情報が為替情報又はSNS投稿情報であると識別した場合(ステップS13:NO)、利用者の利用している動作によって情報の更新を見合わせる一方(ステップS22)、情報が時刻情報であると識別した場合(ステップS13:YES)、利用者が利用している動作にかかわらず情報の更新を行う(ステップS21)。
【0049】
したがって、情報が為替情報又はSNS投稿情報であれば、利用者が利用している動作によって更新を見合わせることから、利用者が利用している動作の対象であるにもかかわらず情報が更新されてしまうことを防ぐことができる。一方、時刻情報であれば、利用者が利用している動作にかかわらず更新されることから、更新すべき情報が更新されることから、利用者の利便性を損なわない。
【0050】
更に、制御部211は、ステップS11の処理で取得した情報による更新を行うディスプレイ214cにおける更新部分(「出力位置」の一例)を認識し(ステップS12)、利用者の動作が当該更新部分に出力される情報に対する動作である場合、情報の更新を見合わせる。したがって、利用者の動作が、更新部分に出力される情報に対する動作であるときには、更新を見合わせることにより、利用者の更新部分に出力されている情報の内容に対する理解を助け利便性を向上させることができる。
【0051】
更にまた、制御部211は、利用者の動作として、当該利用者の視線の動き、又は、当該利用者のディスプレイ214cにより出力される情報に対する操作を検出する。したがって、随時更新される情報を利用者に提示する場合に、利用者が、ディスプレイ214cが出力する情報に対して視線を向けているか、または、ディスプレイ214cが出力する情報に対する操作を行っているかに応じて、更新の制御を行うことにより、利用者のディスプレイ214cに出力されている情報の内容に対する理解を助け利便性を向上させることができる。
【0052】
更にまた、制御部211は、検出した利用者の動作の履歴(操作履歴情報、視線移動履歴情報)を記憶する記憶装置212(「動作履歴記憶手段」の一例)を参照し、現在は利用者の動作の対象ではないが、所定時間前まで利用者の動作の対象であったディスプレイ214cに出力されている情報の更新を見合わせる。したがって、例えば、利用者が所定時間前まで情報を閲覧していたが(動作の対象としていたが)、諸事情により閲覧することができなくなった場合に、その後再度情報を閲覧しようと情報に視線を向けた際、情報の更新が見合わせられていることから、所定時間前と同じ情報を閲覧することができる。なお、利用者が所定時間(t時間)前まで所定時間(s時間、連続、非連続は問わない)以上の間、動作の対象としていた場合に情報の更新を見合わせることとしてもよい。すなわち、t時間前まで動作の対象としていたが、その時間がs時間未満の場合には情報の更新を行うこととしてもよい。これにより、じっくりと動作の対象とした情報(じっくりと閲覧した情報)についてのみ更新を見合わせることができ、じっくりと動作の対象としなかった情報(一瞥した情報等)については、更新されることから、利用者の利便性を向上させることができる。
【0053】
[4.変形例]
次に、上記実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は適宜組み合わせることができる。
【0054】
[4.1.変形例1]
上記実施例では、情報を出力する装置としてディスプレイ214cを例示したが、これに加えて他の出力装置(例えば、HUD(Head-Up Display)を設け、複数の出力装置において出力する情報について更新を制御することとしてもよい。この場合、制御部211は、ディスプレイ214c及びHUDに表示している画面の構成を特定できるものとする。
【0055】
[4.2.変形例2]
上記実施例では、利用者の視線を視線検出カメラ227が出力する撮影画像に基づいて検出することとしたが、利用者の視線を眼電位センサが出力するデータに基づいて検出することとしてもよい。
【0056】
[4.3.変形例3]
上記実施例では、ステップS19の処理において、現在位置がヒヤリハットポイントであるか否かを判定することとしたが、現在位置がヒヤリハットポイントに近づいているか否かを判定することとしてもよい。これにより、現在位置がヒヤリハットポイントに近づいている場合又は現在位置がヒヤリハットポイントである場合には、更新が見合わされ、利用者(運転者)は運転に集中することができ、安全性が向上する。
【0057】
[4.4.変形例4]
上記実施例では、利用者が運転者であるか同乗者であるか否かの判定をしていないが、制御部211は、視線検出カメラ227が出力する撮影画像からナビゲーション装置NVを利用している(ここでは、視線を向けている又は操作を行っていることをいう)のが運転者であるか同乗者であるか否かを判定し、利用者が同乗者である場合にはステップS11、ステップS12の処理後、ステップS21の処理に移行することとし、一方、利用者が運転者である場合にのみ
図4に示す処理(すなわち、状況に応じて、情報の更新を見合わせる処理)を実行することとしてもよい。
【0058】
[4.5.変形例5]
上記実施例では、ステップS22の処理で更新を見合わせた後は、ステップS11に移行し、次の情報を取得することとしたため、直近のステップS11の処理で取得した情報による更新を行わないまま、当該情報は破棄されてしまうこととなるが、ステップS11の処理で取得した情報による更新を必ず行うために、ステップS11の処理で取得した情報は記憶装置212にストックしていき、ステップS21の処理を実行する場合には、ストックされた情報のうち、より古い情報から順に(FIFO(First In First Out))更新に使用することとしてもよい。
【0059】
[4.6.変形例6]
上記実施例は、情報処理装置がナビゲーション装置NVである場合について説明したが、情報を出力するあらゆる装置に適用することができる。例えば、PC(personal computer)、ノートPC、スマートフォン、タブレット等に適用することができる。例えば、スマートフォンに適用した場合であれば、利用者の視線を検出し(インカメラ(液晶表示装置側に搭載されているカメラ)を視線検出カメラとして用いることができる)、利用者がSNSの投稿記事を閲覧している最中には、投稿記事の更新を行わずに、利用者が閲覧していないときに更新することとする。また、所定時間内に閲覧していた記事については、視線が外れても更新を見合わせることにより、例えば、電車の乗り降りする際に視線を外しても、再度閲覧しようとするときに更新が行われておらず、同じ記事を閲覧することができる。