特開2020-174022(P2020-174022A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本圧着端子製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000003
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000004
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000005
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000006
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000007
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000008
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000009
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000010
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000011
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000012
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000013
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000014
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000015
  • 特開2020174022-非シールド型コネクタ 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-174022(P2020-174022A)
(43)【公開日】2020年10月22日
(54)【発明の名称】非シールド型コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/648 20060101AFI20200925BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20200925BHJP
【FI】
   H01R13/648
   H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-76584(P2019-76584)
(22)【出願日】2019年4月12日
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細山田 剛
(72)【発明者】
【氏名】永田 唯
(72)【発明者】
【氏名】中村 英央
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA16
5E021FB02
5E021FC21
5E021FC29
5E021LA10
5E223AB45
5E223AB59
5E223AB67
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223CD01
5E223DB09
5E223DB13
5E223EA02
5E223EB04
5E223EB13
5E223EB23
(57)【要約】
【課題】十分な耐ノイズ性が得られる安価な非シールド型コネクタを提供する。
【解決手段】非シールド型コネクタ1が、シールドシェル72を含むケーブルコネクタ70に対して嵌合接続され、電子機器5の金属製の筐体50内で回路基板60に固定される。非シールド型コネクタ1は、ケーブルコネクタ70が挿入方向X1に挿入される挿入凹部Sが形成される絶縁性のハウジング3と、ハウジング3に固定された導電性の補強タブ4とを備える。補強タブ4が、回路基板60のグラウンドパターンに半田接合される基板固定部43と、筐体50の内壁面52aに接触する筐体接触部41aと、挿入凹部S内でシールドシェル72に接触するシールドシェル接触部42aとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドシェルを含むケーブルコネクタに対して嵌合接続され、電子機器の金属製の筐体内で回路基板に固定される非シールド型コネクタであって、
前記ケーブルコネクタが挿入方向に挿入される挿入凹部が形成される絶縁性のハウジングと、
前記ハウジングに固定された導電性の補強タブと、を備え、
前記補強タブが、前記回路基板のグラウンドパターンに半田接合される基板固定部と、前記筐体の壁面に接触する筐体接触部と、前記挿入凹部内で前記シールドシェルに接触するシールドシェル接触部と、を含む、非シールド型コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の非シールド型コネクタにおいて、
前記補強タブが、前記ハウジングに固定された本体部と、前記本体部によって片持ち状に支持され、前記筐体接触部を含む第1弾性アームと、前記本体部によって片持ち状に支持され、前記シールドシェル接触部を前記挿入凹部内に配置する状態で含む第2弾性アームと、を含む、非シールド型コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の非シールド型コネクタにおいて、
前記補強タブの前記本体部が、前記ハウジングの所定の外壁面に開口し且つ前記挿入凹部に連通する補強タブ収容孔に収容保持されており、
前記第1弾性アームの前記筐体接触部が、前記所定の外壁面から突出されており、
前記第2弾性アームの前記シールドシェル接触部が、前記挿入凹部内に進出している、非シールド型コネクタ。
【請求項4】
請求項2に記載の非シールド型コネクタにおいて、
前記補強タブの前記本体部が、前記ハウジングの所定の外壁面と平行に固定され、
前記第1弾性アームが、前記本体部から外向き傾斜状に延設されている、非シールド型コネクタ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の非シールド型コネクタにおいて、
前記第2弾性アームが、前記挿入方向に関して前記本体部の一方側の縁部から折り返し部を介して他方側の縁部に向けて延びている、非シールド型コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非シールド型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
耐ノイズ性が要求されるシールド型のコネクタでは、当該コネクタの導電性のシェルが、当該コネクタが取り付けられる電子機器の金属製の筐体と、基板のグラウンドパターンとに接続される必要がある。
例えば、特許文献1に開示されるシールド型のコネクタでは、外部ハウジングを覆う外部シールドケース(導電性のシェル)が設けられている。前記外部シールドケースから延設された接続端子が、基板の表面のグラウンドパターンに半田接続される。また、前記外部シールドケースから延設された弾性接片が、当該シールド形コネクタが取り付けられる電子機器の金属製の筐体の内面に接触される。これにより、筐体、外部シールドケース及び基板を結ぶグラウンドラインが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4476311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電性のシェルは、コネクタのハウジングの概ね全体を覆う形状であるため、形状や大きさの異なるコネクタの仕様毎に、専用のシェルを設ける必要がある。このため、全体としての製造コストが高くなる。
一方、例えば差動信号等の伝送ラインは、もともと耐ノイズ性が高い。したがって、用途によっては、必ずしも、シェルを設ける必要がないと想定される。
【0005】
本発明の目的は、十分な耐ノイズ性が得られる安価な非シールド型コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、シールドシェル(72;72P)を含むケーブルコネクタ(70;70P)に対して嵌合接続され、電子機器(5;5P)の金属製の筐体(50;50P)内で回路基板(60;60P)に固定される非シールド型コネクタ(1;1P)であって、前記ケーブルコネクタが挿入方向(X1)に挿入される挿入凹部(S)が形成される絶縁性のハウジング(3;8)と、前記ハウジングに固定された導電性の補強タブ(4;9)と、を備え、前記補強タブが、前記回路基板のグラウンドパターンに半田接合される基板固定部(43;93)と、前記筐体の壁面に接触する筐体接触部(41a;91a)と、前記挿入凹部内で前記シールドシェルに接触するシールドシェル接触部(42a;92a)と、を含む、非シールド型コネクタを提供する。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、前記補強タブが、前記ハウジングに固定された本体部(40;90)と、前記本体部によって片持ち状に支持され、前記筐体接触部を含む第1弾性アーム(41;91)と、前記本体部によって片持ち状に支持され、前記シールドシェル接触部を前記挿入凹部内に配置する状態で含む第2弾性アーム(42;92)と、を含んでいてもよい。
【0008】
請求項3に記載の発明のように、請求項2において、前記補強タブ(4)の前記本体部(40)が、前記ハウジングの所定の外壁面(31a)に開口し且つ前記挿入凹部に連通する補強タブ収容孔(36)に収容保持されており、前記第1弾性アーム(41)の前記筐体接触部(41a)が、前記所定の外壁面から突出されており、前記第2弾性アーム(42)の前記シールドシェル接触部(42a)が、前記挿入凹部内に進出していてもよい。
【0009】
請求項4に記載の発明のように、請求項2において、前記補強タブ(9)の前記本体部(90)が、前記ハウジング(8)の所定の外壁面(83a)と平行に固定され、前記第1弾性アーム(91)が、前記本体部から外向き傾斜状に延設されていてもよい。
請求項5に記載の発明のように、請求項1〜4の何れか一項において、前記第2弾性アームが、前記挿入方向に関して前記本体部の一方側の縁部(40a;90a)から折り返し部を介して他方側の縁部(40b;90b)に向けて延びていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明では、本非シールド型コネクタがケーブルコネクタと嵌合接続された状態で、ケーブル側からのノイズ電流が、ケーブルコネクタのシールドシェルから補強タブを介して、回路基板のグラウンドパターンと、電子機器の金属製の筐体とに流される。このため、自身がシールドシェルを持たない非シールド型コネクタであっても十分な耐ノイズ性を得ることができる。また、補強タブであれば、形状や大きさ等の仕様が異なるコネクタに対して、部品の共通化を容易に図ることができる。このため、安価で、十分な耐ノイズ性が得られる非シールド型コネクタを実現することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、筐体接触部が、片持ち状の第1弾性アームに設けられ、シールドシェル接触部が、片持ち状の第2弾性アームに設けられる。このため、各接触部による接触が確実になる。
請求項3に記載の発明では、補強タブの本体部をハウジングの補強タブ収容孔に収容保持するレイアウトにおいて、前記補強タブ収容孔が挿入凹部に連通されている。このため、補強タブにおいて、本体部から延設された第2弾性アームのシールドシェル接触部を挿入凹部内でケーブルコネクタのシールドシェルに好適に接触させることができる。また、前記補強タブ収容孔が開口する所定の外壁面から突出する第1弾性アームの筐体接触部を筐体に好適に接触させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、ハウジングの所定の外壁面と平行に固定された本体部から第1弾性アーム部が外向き傾斜状に延設される。このため、第1弾性アームの筐体接触部を、筐体に好適に接触させることができる。
請求項5に記載の発明では、第2弾性アームが、ケーブルコネクタの挿入方向に関して本体部の一方側の縁部から他方側の縁部に向けて折り返し状に形成されている。このため、第2弾性アームの長さを十分に長くすることができ、第2弾性アームによってシールドシェル接触部を十分な弾力で撓み変位させることができる。このため、シールドシェルに対する接触が確実となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る非シールド型コネクタが適用された電子機器の模式的断面図である。図1(b)は、ケーブルコネクタが連結された非シールド型コネクタの一部破断平面図である。
図2図2は、第1実施形態の非シールド型コネクタとケーブルコネクタの斜視図である。
図3図3は、第1実施形態の非シールド型コネクタの分解斜視図である。
図4図4は、第1実施形態の非シールド型コネクタの平面図である。
図5図5は、第1実施形態の非シールド型コネクタの正面図である。
図6図6は、第1実施形態の非シールド型コネクタの側面図である。
図7図7は、第1実施形態の非シールド型コネクタの背面図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る非シールド型コネクタが適用された電子機器の模式的断面図である。
図9図9は、第2実施形態の非シールド型コネクタとケーブルコネクタの斜視図である。
図10図10(a)は、第2実施形態の補強タブの斜視図であり、図10(b)は、第2実施形態の補強タブの概略断面図である。
図11図11は、第2実施形態の非シールド型コネクタの平面図である。
図12図12は、第2実施形態の非シールド型コネクタの正面図である。
図13図13は、第2実施形態の非シールド型コネクタの側面図である。
図14図14は、第2実施形態の非シールド型コネクタの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る非シールド型コネクタが適用された電子機器の模式的断面図である。図1(a)に示すように、非シールド型コネクタ1は、電子機器5の金属製(例えばアルミニウム合金製)の筐体50の例えば前壁部51の開口部51aに臨むようにして、筐体50内に配置されている。非シールド型コネクタ1は、筐体50の内部に固定された回路基板60の表面61に実装されている。
【0015】
図1(b)は、ケーブルコネクタ70が連結された非シールド型コネクタ1の一部破断平面図である。図1(b)に示すように、非シールド型コネクタ1に対して、シールド型コネクタであるケーブルコネクタ70が、挿入方向X1に嵌合接続される。
図2は、非シールド型コネクタ1とケーブルコネクタ70の斜視図である。図2に示すように、ケーブルコネクタ70は、例えば差動信号を伝送するシールドケーブル100の端部に接続されている。ケーブルコネクタ70は、絶縁性のハウジング71と、導電性のシールドシェル72と、ハウジング71から延設されたロックアーム73とを含む。
【0016】
ハウジング71は、図示しない一対のコンタクト端子を保持し、直方体形状に形成されている。シールドシェル72は、ハウジング71の底面と一対の側面と上面の一部とを覆っている。ロックアーム73は、基端部に設けられた支点部73aと、先端部に設けられた指押し解除部73bと、係止部73cとを含む。ロックアーム73は、支点部73aを介して片持ち状に支持されており、支点部73aを支点として弾性的に揺動変位可能である。
【0017】
図3は、非シールド型コネクタ1の分解斜視図である。図4は、非シールド型コネクタ1の平面図である。図5は、非シールド型コネクタ1の正面図である。図6は、非シールド型コネクタ1の側面図である。図7は、非シールド型コネクタ1の背面図である。
図3図7を参照して、非シールド型コネクタ1は、一対の導電性のピン型のコンタクト端子2と、絶縁性のハウジング3と、一対の導電性の補強タブ4とを備える。
【0018】
図3に示すように、ハウジング3には、ケーブルコネクタ70が挿入方向X1に挿入される挿入凹部Sが形成されている。ハウジング3は、天壁部31と、底壁部32と、一対の側壁部33と、後壁部34とを含む。挿入凹部Sは、天壁部31と底壁部32と一対の側壁部33と後壁部34とによって区画されている。挿入凹部Sは、開口部S1を介して、前方(挿入方向X1の反対側X2)に開放されている。
【0019】
図7に示すように、後壁部34には、一対のコンタクト端子挿通孔35が形成されている。図3に示すように、天壁部31には、一対の補強タブ4がそれぞれ収容される一対の補強タブ収容孔36が開口形成されている。挿入凹部Sの入口には、天壁部31から挿入凹部S側へ突出するロック突起37が形成されている。
図2に示すように、ケーブルコネクタ70が挿入凹部S内に挿入されるときに、ロックアーム73が一旦撓まされた後、弾性復帰することにより、ロックアーム73の係止部73cが、ロック突起37に抜け止め係止される。これにより、ケーブルコネクタと非シールド型コネクタ1との連結状態がロックされる。ロックを解除するときには、ロックアーム73の指押し解除部73bを押すことにより、ロック突起37に対する係止部73cの係合が解除される。
【0020】
図5図7に示すように、コンタクト端子2は、挿入凹部S内に配置され挿入方向X1に延びるピン状のコンタクト部21と、コンタクト部21の後端部から直交状に延設されたリード部22とを含む。各コンタクト端子2のコンタクト部21の後端部は、後壁部34の対応するコンタクト端子挿通孔35(図7を参照)を挿通してハウジング3外に配置されている。
【0021】
リード部22は、ハウジング3外に配置されて、回路基板60側へ延びている。リード部22は、回路基板60に挿通され、回路基板60の裏面の導体部に半田接合されている(図1(a)を参照)。
図3に示すように、一対の補強タブ4は、回路基板60に対する非シールド型コネクタ1の接合状態を補強する基本機能を有する。一対の補強タブ4は、共通の仕様のものが、互いに向きを代えた状態で、ハウジング3に固定されている。
【0022】
補強タブ4は、略矩形の本体部40と、筐体接触部41aを含む第1弾性アーム41と、シールドシェル接触部42aを含む第2弾性アーム42と、一対の基板固定部43と、ハウジング固定部44とを含む。
一対の基板固定部43は、本体部40から回路基板60側へ突出する一対の片部である。一対の基板固定部43は、回路基板60を挿通して回路基板60の裏面のグラウンドパターン(図示せず)に半田接合される。
【0023】
ハウジング固定部44は、本体部40から挿入方向X1又は挿入方向X1の反対側X2に延びる片部である。ハウジング固定部44は、ハウジング3の対応する側壁部33の固定孔に圧入固定される。
第1弾性アーム41は、本体部40から基板固定部43側とは反対側に真直に延びる延伸部41bと、延伸部41bの上端から内向き傾斜状に延設された山形状部41cとを含む。山形状部41cは、延伸部41bによって片持ち状に支持されており、上下方向に弾性的に撓み変形可能である。
【0024】
山形状部41cの頂部によって、筐体接触部41aが形成される。筐体接触部41aは、ハウジング3の天壁部31の外壁面31a(所定の外壁面)から突出しており、筐体50の天壁部52の内壁面52aに弾性的に接触する(図1(a)を参照)。
第2弾性アーム42は、挿入方向X1に関して本体部40の一方側の縁部40a(ハウジング固定部44とは反対側の本体部40の縁部)から湾曲状に折り返された折り返し部42bと、折り返し部42bを介して反転され本体部40の他方側の縁部40bに向けて延びる反転部42cとを含む。反転部42cの先端部には、山形状部42dが形成されている。
【0025】
山形状部42dの頂部によって、シールドシェル接触部42aが形成されている。シールドシェル接触部42aは、挿入凹部S内に配置されている。シールドシェル接触部42aは、挿入凹部S内に挿入されたケーブルコネクタ70のシールドシェル72に弾性的に接触する(図1(b)を参照)。
図3図5に示すように、ハウジング3には、各補強タブ4を収容する補強タブ収容孔36が形成されている。補強タブ収容孔36は、第1固定孔36aと、第2固定孔36bと、挿入凹部連通部36cとを含む。補強タブ収容孔36は、天壁部31の外壁面31aに開口を形成している。
【0026】
第1固定孔36aと第2固定孔36bは、側壁部33に形成されている。第1固定孔36aは、上方に開放されている。第2固定孔36bは、下方に開放されている。挿入凹部連通部36cは、側壁部33に形成された凹部で形成されている。挿入凹部連通部36cは、ハウジング3の上方に開放され、且つ挿入凹部Sに連通されている。
第1固定孔36aは、ハウジング固定部44を固定する。第2固定孔36bは、本体部40においてハウジング固定部44よりも下方の部分を固定する。挿入凹部連通部36cは、本体部40の上部と、第2弾性アーム42と、第1弾性アーム41の延伸部41bとを収容する。挿入凹部連通部36cを介して、第2弾性アーム42のシールドシェル接触部42aが挿入凹部S内に進出している。
【0027】
本実施形態では、図1(b)に示すように、非シールド型コネクタ1がケーブルコネクタ70と嵌合接続された状態で、シールドケーブル100(図2を参照)側からのノイズ電流が、ケーブルコネクタ70のシールドシェル72から補強タブ4を介して、回路基板60のグラウンドパターンと、電子機器5の金属製の筐体50とに流される(図1(a)を参照)。このため、自身がシールドシェルを持たない非シールド型コネクタ1であっても十分な耐ノイズ性を得ることができる。また、補強タブ4であれば、形状や大きさ等の仕様が異なるコネクタに対して、部品の共通化を容易に図ることができる。このため、安価で、十分な耐ノイズ性が得られる非シールド型コネクタ1を実現することができる。
【0028】
また、図1(a)に示すように、筐体接触部41aが、片持ち状の第1弾性アーム41に設けられるため、筐体50に対する筐体接触部41aの接触が確実になる。また、図1(b)に示すように、シールドシェル接触部42aが、片持ち状の第2弾性アーム42に設けられるため、シールドシェル72に対するシールドシェル接触部42aの接触が確実になる。
【0029】
また、図2及び図4に示すように、補強タブ4の本体部40をハウジング3の補強タブ収容孔36に収容保持するレイアウトにおいて、補強タブ収容孔36が挿入凹部Sに連通されている。このため、本体部40から延設された第2弾性アーム42のシールドシェル接触部42aを挿入凹部S内でケーブルコネクタ70のシールドシェル72に好適に接触させることができる(図1(b)を参照)。また、補強タブ収容孔36が開口する天壁部31の外壁面31a(所定の外壁面)から突出する第1弾性アーム41の筐体接触部41aを筐体50に好適に接触させることができる(図1(a)を参照)。このため、各接触部41a.42aによる接触が確実になる。
【0030】
また、図3に示すように、補強タブ4において、第2弾性アーム42が、ケーブルコネクタ70の挿入方向X1に関して本体部40の一方側の縁部40aから他方側の縁部40bに向けて折り返し状に形成されている。このため、図1(b)に示すように、第2弾性アーム42の長さを十分に長くすることができ、第2弾性アーム42によってシールドシェル接触部42aを十分な弾力で撓み変位させることができる。このため、シールドシェル72に対する接触が確実となる。
【0031】
また、図1(a)に示すように、第1弾性アーム41の筐体接触部41aが、回路基板60の表面61と対向する底壁部32を有するハウジング3の天壁部31の外壁面31aから突出されている。したがって、筐体50の天壁部52の内壁面52aと回路基板60の表面61とが平行である場合に、第1弾性アーム41の筐体接触部41aを、筐体50の天壁部52の内壁面52aに好適に接触させることができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る非シールド型コネクタ1Pが適用された電子機器5Pの模式的断面図である。
【0032】
図8に示すように、非シールド型コネクタ1Pは、電子機器5Pの金属製(例えばアルミニウム合金製)の筐体50Pの例えば前壁部51Pの開口部51Paを通して一部が筐体50P外へ突出する状態で、筐体50P内に配置されている。非シールド型コネクタ1Pは、筐体50Pの内部に、前壁部51Pと平行に配置された回路基板60Pの表面61Pに実装されている。
【0033】
図9は、非シールド型コネクタ1Pとケーブルコネクタ70Pの斜視図である。図9に示すように、例えば差動信号を伝送するシールドケーブル100の端部に接続されたケーブルコネクタ70Pが、非シールド型コネクタ1Pに対して挿入方向X1に嵌合接続される。
ケーブルコネクタ70Pは、直方体形状のハウジング本体71Paとハウジング本体71Paから挿入方向X1に突出する挿入凸部(図示せず)を有するハウジング71Pと、前記挿入凸部の外周面を覆うシールドシェル72Pと、ハウジング71Pに弾性的に揺動変位可能に支持された片持ち状のロックアーム73Pとを含む。
【0034】
図10(a)は、補強タブ9の斜視図であり、図10(b)は、補強タブ9の概略断面図である。図11は、非シールド型コネクタ1Pの平面図である。図12は、非シールド型コネクタ1Pの正面図である。図13は、非シールド型コネクタ1Pの側面図である。図14は、非シールド型コネクタ1Pの背面図である。
図9に示すように、非シールド型コネクタ1Pは、2対のコンタクト端子2P(図12及び図14を参照)と、絶縁性のハウジング8と、一対の補強タブ9とを備える。
【0035】
図9図11図14を参照して、ハウジング8を説明する。ハウジング8には、ケーブルコネクタ70Pのシールドシェル72Pで覆われた挿入凸部が挿入方向X1に挿入される挿入凹部Sが形成されている。
ハウジング8は、天壁部81と、底壁部82と、一対の側壁部83と、後壁部84とを含む。挿入凹部Sは、天壁部81と底壁部82と一対の側壁部83と後壁部84とによって区画されている。挿入凹部Sは、開口部S1(図9を参照)を介して、前方(挿入方向X1の反対側X2)に開放されている。
【0036】
また、ハウジング8は、天壁部81及び底壁部82の外壁面において各側壁部83に隣接する一対の部分からそれぞれ上方及び下方へ突出する二組一対の凸壁部85と、同じ側壁部83側に配置される一対の凸壁部85から外側方へ張り出す二組各一対の支持壁部86と、コンタクト端子保持壁87(図12を参照)とを含む。コンタクト端子保持壁87は、各コンタクト端子2Pを保持する。
【0037】
各組の一対の支持壁部86には、対応する補強タブ9を固定するため圧入溝86bが形成されている。各凸壁部85は、天壁部81及び底壁部82において、挿入方向X1側の半部に配置されている。
図9及び図11に示すように、各支持壁部86の前面86aは、各凸壁部85の前面85aよりも後方に配置されている。各支持壁部86の前面86aは、電子機器5Pの筐体50Pの前壁部51Pの内壁面51Pbに当接される(図8を参照)。これにより、非シールド型コネクタ1Pが筐体50Pに対して位置決めされる。
【0038】
図12に示すように、コンタクト端子保持壁87は、後壁部84の中央部から挿入凹部S内に、紙面前方(図9における挿入方向X1の反対側X2に相当)に向けて突出するように形成されている。
図12及び図14に示すように、各コンタクト端子2Pは、挿入方向X1に延びるコンタクト部21Pと、コンタクト部21Pの後端から回路基板60P側へ直交状に延設されたリード部22Pとを含む。
【0039】
コンタクト端子保持壁87に形成された左右二組で上下一対のコンタクト端子保持孔に、対応するコンタクト端子2Pのコンタクト部21Pが収容保持されている。コンタクト部21Pの後端は、後壁部84を挿通して後壁部84の後方へ突出している。上側のコンタクト端子2Pのリード部22Pの長さは、下側のリード部22Pの長さよりも長くされている。各コンタクト端子2Pのリード部22Pが、回路基板60Pの表面61Pのグラウンドパターンに半田接合されている(図8を参照)。
【0040】
図10(a)及び図10(b)に示すように、各補強タブ9は、略矩形の本体部90と、筐体接触部91aを含む第1弾性アーム91と、シールドシェル接触部92aを含む第2弾性アーム92と、一対の基板固定部93と、本体部90の一部で形成される一対のハウジング固定部94とを含む。
各本体部90は、挿入方向X1側(後側)の縁部90aと、挿入方向X1の反対側X2の縁部90bと、互いに上下方向の反対側に配置された一対の縁部90cとを含む。各本体部90において一対の縁部90cを含む領域によって一対のハウジング固定部94が形成されている。各補強タブ9の本体部90は、ハウジング8の側壁部83の外壁面83a(所定の外壁面)と平行に固定される。
【0041】
本体部90の縁部90bの上下方向の中央部から挿入方向X1に延びる溝95(図10(a)を参照)が形成されている。第1弾性アーム91は、溝95の溝底部から挿入方向X1の反対側X2へ、外向き傾斜状に延設された山形状部で形成されている。第1弾性アーム91は、本体部90によって片持ち状に支持されており、弾性的に撓み変形可能である。
【0042】
第1弾性アーム91の山形状部の頂部によって、筐体接触部91aが形成されている。筐体接触部91aは、筐体50Pの前壁部51Pの内壁面51Pbに弾性的に接触する(図8を参照)。
図10(a)及び図10(b)に示すように、第2弾性アーム92は、本体部90の縁部90aの中央部に設けられた折り返し部92bと、折り返し部92bから挿入方向X1の反対側X2へ内向き傾斜状に挿入凹部S内へ進入するように延設された山形状部92cとを含む。第2弾性アーム92は、本体部90によって折り返し部92bを介して片持ち状に支持されており、弾性的に撓み変形可能である。第2弾性アーム92の山形状部92cの頂部によって、シールドシェル接触部92aが形成されている。
【0043】
シールドシェル接触部92aは、挿入凹部S内に配置されている。シールドシェル接触部92aは、図9に示すように挿入凹部S内に挿入されるケーブルコネクタ70Pのシールドシェル72Pに対して、弾性的に接触する。
図10(a)に示すように、一対の基板固定部93は、第1片部93aと第2片部93bとを直交状に含むアングル板で形成されている。すなわち、一対の基板固定部93は、第2弾性アーム92の折り返し部92bを挟んだ両側で、本体部90の挿入方向X1側の縁部90aから挿入方向X1に延びる一対の第1片部93aと、一対の第1片部93aにおける挿入方向X1に沿う外側の縁部から直交状に延設された一対の第2片部93bとを含む。
【0044】
各基板固定部93の挿入方向X1側のアングル形状の縁部93cが、回路基板60Pの表面61Pのグラウンドパターンに半田接合される(図8を参照)。
本実施形態では、非シールド型コネクタ1Pがケーブルコネクタ70Pと嵌合接続された状態で、シールドケーブル100側からのノイズ電流が、ケーブルコネクタ70Pのシールドシェル72Pから補強タブ9を介して、回路基板60Pのグラウンドパターンと、電子機器5Pの金属製の筐体50Pとに流される。このため、自身がシールドシェルを持たない非シールド型コネクタ1Pであっても十分な耐ノイズ性を得ることができる。また、補強タブ9であれば、形状や大きさ等の仕様が異なるコネクタに対して、部品の共通化を容易に図ることができる。このため、安価で、十分な耐ノイズ性が得られる非シールド型コネクタ1Pを実現することができる。
【0045】
また、図10に示すように、筐体接触部91aが、片持ち状の第1弾性アーム91に設けられるため、筐体50Pに対する筐体接触部91aの接触が確実になる(図8を参照)。また、シールドシェル接触部92aが、片持ち状の第2弾性アーム92に設けられるため、シールドシェル72Pに対するシールドシェル接触部92aの接触が確実になる。
また、図9に示すように、補強タブ9において、ハウジング8の側壁部83の外壁面83aと平行に固定された本体部90から外向き傾斜状に延設された第1弾性アーム91の筐体接触部91aを、筐体50Pに好適に接触させることができる(図8を参照)。このため、筐体50Pに対する接触が確実になる。
【0046】
また、図11に示すように、第1弾性アーム91の筐体接触部91aが、回路基板60Pの表面61Pと平行な筐体当接部である支持壁部86の前面86aから突出している。したがって、筐体50Pの前壁部51Pの内壁面51Pbが支持壁部86の前面86aに当接する状態で、第1弾性アーム91の筐体接触部91aを筐体50Pの前壁部51Pの内壁面51Pbに好適に接触させることができる(図8を参照)。
【0047】
また、図10(a)に示すように、補強タブ9において、第2弾性アーム92が、ケーブルコネクタ70Pの挿入方向X1に関して本体部90の一方側の縁部90aから他方側の縁部90bに向けて折り返し状に形成されている。このため、第2弾性アーム92の長さを十分に長くすることができ、第2弾性アーム92によってシールドシェル接触部92aを十分な弾力で撓み変位させることができる。このため、シールドシェル72Pに対する接触が確実となる。
【0048】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、図示していないが、コンタクト端子2Pは、三対以上設けられてもよい。
また、図示していないが、回路基板60;60Pの表面61;61Pは、補強タブ4,9の第1弾性アーム41,91の筐体接触部41a,91aが接触する筐体50;50Pの内壁面52a;51Pbに対して、直交状に配置されていてもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0049】
1;1P 非シールド型コネクタ
2;2P コンタクト端子
3 ハウジング
4 補強タブ
5;5P 電子機器
8 ハウジング
9 補強タブ
31 天壁部
31a 外壁面(所定の外壁面)
36 補強タブ収容孔
40 本体部
40a 縁部
40b 縁部
41 第1弾性アーム
41a 筐体接触部
42 第2弾性アーム
42a シールドシェル接触部
43 基板固定部
44 ハウジング固定部
50;50P 筐体
51P 前壁部
51Pb 内壁面
52 天壁部
52a 内壁面
60;60P 回路基板
61;61P 表面
70;70P ケーブルコネクタ
71;71P ハウジング
72;72P シールドシェル
83 側壁部
83a 外壁面(所定の外壁面)
90 本体部
90a 縁部
90b 縁部
91 第1弾性アーム
91a 筐体接触部
92 第2弾性アーム
92a シールドシェル接触部
93 基板固定部
94 ハウジング固定部
100 シールドケーブル
S 挿入凹部
X1 挿入方向
X2 (挿入方向の)反対側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14