特開2020-174837(P2020-174837A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-174837(P2020-174837A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】絆創膏
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20060101AFI20201002BHJP
   C09J 7/24 20180101ALI20201002BHJP
   C09J 7/25 20180101ALI20201002BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20201002BHJP
【FI】
   A61F13/02 355
   A61F13/02 380
   C09J7/24
   C09J7/25
   C09J7/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-78361(P2019-78361)
(22)【出願日】2019年4月17日
(71)【出願人】
【識別番号】390000929
【氏名又は名称】祐徳薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168114
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 生太
(74)【代理人】
【識別番号】100133592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100192832
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 有希子
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 初美
(72)【発明者】
【氏名】淵野 玉喜
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 文
【テーマコード(参考)】
4J004
【Fターム(参考)】
4J004AA00
4J004AB01
4J004CA04
4J004CA05
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE01
4J004DB02
4J004EA06
4J004FA08
4J004FA09
(57)【要約】
【課題】多様な部位に対して一人でも貼付しやすく、貼り損じを少なくすることができる絆創膏を提供する。
【解決手段】絆創膏10は、粘着剤の層が片面に付された支持体2と、粘着剤の層上の一部に配置された、傷口を保護する保護パッド1と、片面との間に保護パッド1及び粘着剤を介在させて、片面を覆う剥離部材3とを備える。剥離部材3は、保護パッド1を覆う剥離部材3の少なくとも一部が片面から剥がされた場合に、剥離部材3の一部が片面から剥がされていない状態での位置よりも保護パッド1から離れた位置に剥離部材3の一部を維持する折り返し部7を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤の層が片面に付された支持体と、
前記粘着剤の層上の一部に配置された、傷口を保護する保護パッドと、
前記片面との間に前記保護パッド及び前記粘着剤を介在させて、前記片面を覆う剥離部材とを備え、
前記剥離部材は、
前記保護パッドを覆う前記剥離部材の少なくとも一部が前記片面から剥がされた場合に、前記剥離部材の一部が前記片面から剥がされていない状態での位置よりも前記保護パッドから離れた位置に前記剥離部材の一部を維持する折り返し部を有する、
絆創膏。
【請求項2】
前記折り返し部は、
前記片面側からの平面視において、前記保護パッドに重ならない位置にある、
請求項1に記載の絆創膏。
【請求項3】
前記折り返し部は、
2つであって、
前記片面側からの平面視において、一方の前記折り返し部と他方の前記折り返し部との間に前記保護パッドが位置する、
請求項1又は2に記載の絆創膏。
【請求項4】
前記折り返し部は、
前記片面側からの平面視において、前記支持体の長手方向に対して垂直に設けられた線状の折り返し加工である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の絆創膏。
【請求項5】
前記片面側からの平面視において、前記折り返し部から前記支持体の長手方向における前記保護パッドの近い方の端までの距離が、
0〜10mmである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の絆創膏。
【請求項6】
前記剥離部材は、
前記片面側からの平面視において、前記支持体の長手方向の一端から他端に向かって前記保護パッドに達するまでの部分を覆う第1の剥離部材と、
前記片面側からの平面視において、前記支持体の長手方向の前記他端から前記一端に向かって前記保護パッドを超えて前記第1の剥離部材の上に重なる第2の剥離部材と、
を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の絆創膏。
【請求項7】
前記第1の剥離部材は、
前記長手方向における前記保護パッド側の一端が前記保護パッドと反対側に折り返された摘み部を有し、
前記第2の剥離部材は、
前記第1の剥離部材と重なる部分である延在部を有する、
請求項6に記載の絆創膏。
【請求項8】
前記摘み部の前記長手方向の幅が、
3〜15mmである、
請求項7に記載の絆創膏。
【請求項9】
前記延在部の前記長手方向の幅が、
4〜20mmである、
請求項7又は8に記載の絆創膏。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絆創膏に関する。
【背景技術】
【0002】
切り傷等の応急処置として、絆創膏が利用されている。傷口に絆創膏を貼付することにより、傷口を保護し、傷口の治癒を促す効果が期待される。
【0003】
一般的に、救急絆創膏は、粘着テープ、傷口を保護する保護パッド及び剥離紙(セパレータ)を備えている。剥離紙は、粘着テープの粘着面側の保護パッド上又は近傍から長手方向の一端までを剥離可能に被覆する第1の剥離紙と、保護パッド上又は近傍で第1の剥離紙と重なり、長手方向の他端までを剥離可能に被覆する第2の剥離紙からなる。
【0004】
絆創膏の使用の際は、保護パッド全体が見える程度まで第1の剥離紙及び第2の剥離紙の少なくとも一方を剥がし、保護パッドを傷口にあて、剥離紙を片方ずつ剥がしながら貼付する。このとき、保護パッドに指が触れることで保護パッドが汚れたり、粘着テープに指が触れることで粘着テープの粘着力が低下したりすることがあった。また、保護パッドを露出させるために途中まで剥がした剥離紙は、手を放すと剥離前の状態に戻ろうとするため、剥離紙を押さえながら粘着テープを貼付しなければならず、作業が煩雑で、一人で貼付するには難しい場合があった。
【0005】
特許文献1には2枚の剥離紙が保護パッドから外れた位置で重なり合う救急絆創膏が開示されている。当該救急絆創膏によれば、剥離紙を剥離する際、保護パッドに指が触れにくい。
【0006】
特許文献2に開示された救急絆創膏では、保護パッドが粘着テープの端部に配置されているため、簡単に救急絆創膏を患部に貼り付けることができる。特許文献3に開示された絆創膏では、背面に貼り付けられた粘着素材を介して指に絆創膏を保持して傷口に絆創膏を貼り付けるため、保護パッド及び粘着テープに指が触れにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平2−63833号公報
【特許文献2】登録実用新案第3025502号公報
【特許文献3】特開2012−24532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された救急絆創膏は、途中まで剥がした剥離紙を押さえながら貼付しなければならないため、貼付時の操作性が好ましくない。また、特許文献2に開示された救急絆創膏は、使用部位が限定されるため、汎用性が高くない。また、特許文献3に開示された絆創膏は、構造が複雑であるため、製造効率及びコストの面で好ましくない。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、多様な部位に対して一人でも貼付しやすく、貼り損じを少なくすることができる絆創膏を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の観点に係る絆創膏は、
粘着剤の層が片面に付された支持体と、
前記粘着剤の層上の一部に配置された、傷口を保護する保護パッドと、
前記片面との間に前記保護パッド及び前記粘着剤を介在させて、前記片面を覆う剥離部材とを備え、
前記剥離部材は、
前記保護パッドを覆う前記剥離部材の少なくとも一部が前記片面から剥がされた場合に、前記剥離部材の一部が前記片面から剥がされていない状態での位置よりも前記保護パッドから離れた位置に前記剥離部材の一部を維持する折り返し部を有する。
【0011】
この場合、前記折り返し部は、
前記片面側からの平面視において、前記保護パッドに重ならない位置にある、
こととしてもよい。
【0012】
また、前記折り返し部は、
2つであって、
前記片面側からの平面視において、一方の前記折り返し部と他方の前記折り返し部との間に前記保護パッドが位置する、
こととしてもよい。
【0013】
また、前記折り返し部は、
前記片面側からの平面視において、前記支持体の長手方向に対して垂直に設けられた線状の折り返し加工である、
こととしてもよい。
【0014】
また、前記片面側からの平面視において、前記折り返し部から前記支持体の長手方向における前記保護パッドの近い方の端までの距離が、
0〜10mmである、
こととしてもよい。
【0015】
また、前記剥離部材は、
前記片面側からの平面視において、前記支持体の長手方向の一端から他端に向かって前記保護パッドに達するまでの部分を覆う第1の剥離部材と、
前記片面側からの平面視において、前記支持体の長手方向の前記他端から前記一端に向かって前記保護パッドを超えて前記第1の剥離部材の上に重なる第2の剥離部材と、
を備える、
こととしてもよい。
【0016】
また、前記第1の剥離部材は、
前記長手方向における前記保護パッド側の一端が前記保護パッドと反対側に折り返された摘み部を有し、
前記第2の剥離部材は、
前記第1の剥離部材と重なる部分である延在部を有する、
こととしてもよい。
【0017】
また、前記摘み部の前記長手方向の幅が、
3〜15mmである、
こととしてもよい。
【0018】
また、前記延在部の前記長手方向の幅が、
4〜20mmである、
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、多様な部位に対して一人でも貼付しやすく、貼り損じを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る絆創膏を示す平面図である。
図2図1に示すA−A’二点破線で切断した絆創膏の矢視図である。
図3図2に示す絆創膏の剥離部材を折り返し部まで剥がした状態を示す図である。
図4】本発明の別の実施の形態に係る絆創膏を示す平面図である。
図5】折り返し線がある絆創膏の有用性に関する評価結果を示す図である。
図6】折り返し線がある絆創膏の貼付時の操作性に関する評価結果を示す図である。
図7】折り返し線の必要性に関する評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は下記の実施の形態によって限定されるものではない。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る絆創膏10を示す。絆創膏10は、絆創膏10の使用時に傷口を保護する保護パッド1と、保護パッド1を支持する支持体2と、支持体2に貼り合わされている剥離部材3と、を備える。保護パッド1は、綿、化学繊維及び不織布等の公知の材料で形成される。保護パッド1には、消毒液等の薬剤を含浸させてもよい。
【0023】
図2は、図1におけるA−A’二点鎖線で絆創膏10を切断し、矢視したときの絆創膏10を示す。支持体2の片面S上には、粘着剤4が層として付されている。粘着剤4は、常法によって、例えば、片面Sに塗布されて片面Sに層を形成する。粘着剤4は、特に限定されず、人体、特に皮膚に使用可能な粘着剤である。
【0024】
保護パッド1は、粘着剤4を介して片面Sに設けられている。より詳細には、保護パッド1は、粘着剤4の層上の一部に配置される。支持体2は、例えば合成樹脂フィルム等の絆創膏に使用される公知の基材で形成される。合成樹脂フィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン及びポリウレタン等のフィルムが挙げられる。
【0025】
剥離部材3は、粘着剤4を介して支持体2の片面Sに貼り付けられている。すなわち、剥離部材3は片面Sを覆っており、剥離部材3と支持体2の片面Sとの間には保護パッド1及び粘着剤4が介在している。剥離部材3としては、一般に絆創膏で使用される紙又はプラスチック製ライナー等を使用できる。
【0026】
剥離部材3は、剥離部材3aと剥離部材3bとを備える。図1に戻って、剥離部材3aは、片面S側からの平面視において、支持体2の長手方向Dの一端Xから他端Yに向かって保護パッド1に達するまでの部分を覆う。剥離部材3aは、長手方向Dにおける保護パッド1側の一端Zが保護パッド1と反対側に折り返された摘み部5を有する。図2に示すように、摘み部5の長手方向Dの幅w1は、特に制限はないが、3〜15mm、好ましくは5〜15mm、より好ましくは5〜12mmである。
【0027】
図1に戻って、剥離部材3bは、支持体2の長手方向Dの他端Yから一端Xに向かって保護パッド1を超えて剥離部材3aの上に重なる。剥離部材3bにおける剥離部材3aと重なる部分を延在部6とする。好ましくは、延在部6の、一端X側の端は、摘み部5の、一端X側の端よりも一端Xに近い。図2に示すように、例えば、延在部6の長手方向Dの幅w2は、特に制限はないが、4〜20mm、好ましくは6〜16mm、より好ましくは6〜13mmである。
【0028】
図3に示すように、剥離部材3は、保護パッド1を覆う剥離部材3の少なくとも一部が片面Sから剥がされた場合に、剥離部材3の当該一部が片面Sから剥がされていない状態での位置よりも保護パッド1から離れた位置に剥離部材3の当該一部を維持する折り返し部7を有する。好ましくは、折り返し部7は、図1に示すように片面S側からの平面視において、保護パッド1に重ならない位置にある。
【0029】
より具体的には、折り返し部7は、支持体2の長手方向Dに対して垂直に設けられた線状の折り返し加工である。折り返し加工は、保護パッド1を覆う剥離部材3の少なくとも一部を保護パッド1と反対側に折り返した際、剥離部材3の当該一部が片面Sから剥がされていない状態での位置よりも保護パッド1から離れた位置に剥離部材3の当該一部を維持できれば特に限定されず、任意の加工方法が採用できる。折り返し加工は、例えば、ミシン目加工及びスジ加工等である。ミシン目加工及びスジ加工は、公知の技術により形成することができる。ミシン目加工の場合、ピッチは任意であるが、例えば、切れ目の長さが2〜10mmで、切らない部分の長さが1.5〜3mmである。
【0030】
折り返し部7の位置は、保護パッド1上を避けて、かつ保護パッド1から離れすぎないのが好ましい。好適には、折り返し部7は、保護パッド1の近傍に設けられる。図1に示す片面S側からの平面視において、折り返し部7から支持体2の長手方向Dにおける保護パッド1の近い方の端Eまでの距離d1は、0〜10mm、好ましくは0〜5mm、より好ましくは0〜2mmである。
【0031】
続いて、絆創膏10の使用方法について説明する。まず使用者は、延在部6を摘み、剥離部材3bを支持体2から剥がす。この際、図3に示すように、剥離部材3bを折り返し部7まで剥離し、保護パッド1を露出させる。このとき、折り返し部7に沿って、剥離部材3bの一部が保護パッド1から離れた状態で癖づけられ、剥離部材3bが剥離前の状態に戻ることを抑制できる。続けて、絆創膏10の端部と剥離した剥離部材3bを同時に摘み、保護パッド1を傷口にあて、剥離部材3a、3bを片方ずつ剥がしながら、粘着剤4を介して支持体2を皮膚に貼り付ける。
【0032】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る絆創膏10は、折り返し部7を備えることで、剥離部材3bを支持体2から剥がした際、剥離部材3bが剥離前の状態に戻ることを抑制できる。このため、多様な部位に対して一人でも貼付しやすく、貼り損じを少なくすることができる。これにより、絆創膏10の貼付時の操作性が向上し、保護パッド1を傷口に簡便にあてることができ、指が触れることによる保護パッド1の汚染を防止できる。剥離部材3bの一部が保護パッド1から離れた状態で維持できるため、折り返し部7から他端Y側の部分に対向する支持体2の部分を剥離部材3bから剥がさなくても保護パッド1を傷口にあてやすい。このため、片面Sに不要に指が触れることによる粘着剤4の粘着力の低下を防止できる。さらに、折り返し加工等の折り返し部7は容易に形成できるため、絆創膏10を効率的に、かつ低コストで製造できる。
【0033】
なお、保護パッド1及び支持体2は、一般的に絆創膏で使用する素材及び加工方法で形成すればよい。これにより、安全性及び信頼性を確保でき、かつ、製造コスト等を比較的安価にできる。
【0034】
本実施の形態に係る絆創膏10において、折り返し部7は、保護パッド1に重ならない位置、特には、折り返し部7から保護パッド1の端Eまでの距離d1が0〜10mmであるのが好ましいこととした。こうすることで、図3に示された剥離部材3bの一部が保護パッド1から離れた状態で維持されたときに、保護パッド1全体を露出させることができるので、傷口に保護パッド1をあてやすい。また、距離d1が短いことで、剥離部材3bの一部が保護パッド1から離れた状態において粘着剤4が露出しないようにできるため、指が触れることによる粘着剤4の粘着力の低下を極力防止できる。
【0035】
また、折り返し部7は、支持体2の長手方向Dに対して垂直に設けられた線状の折り返し加工であってもよいこととした。線状の折り返し加工は、簡便な方法で施すことができるため、製造コストを抑えることができる。
【0036】
また、剥離部材3a及び剥離部材3bは、それぞれ摘み部5及び延在部6を有してもよいこととした。摘み部5及び延在部6を有することで、剥離起点がわかりやすくなり、剥離する際に剥離部材3a及び3bを摘みやすくなる。延在部6の、一端X側の端が摘み部5の、一端X側の端よりも一端Xに近いことで、片面S側からの平面視において延在部6が摘み部5よりも一端X側にはみ出るため剥離部材3bを摘みやすい。この結果、剥離時の操作性がさらに向上する。
【0037】
別の実施の形態に係る絆創膏20は、折り返し部7の個数が絆創膏10と異なる。図4を参照して、絆創膏20について絆創膏10と異なる点を主に説明する。絆創膏20において、剥離部材3a及び剥離部材3bは、それぞれ折り返し部7a及び7bを有する。保護パッド1は、片面S側からの平面視において、折り返し部7aと折り返し部7bとの間に位置する。絆創膏20では、剥離部材3bと同様に、剥離部材3aを支持体2から剥がした際、剥離部材3aが剥離前の状態に戻ることを抑制できる。これにより、絆創膏20の貼付時の操作性をより向上させることができる。
【0038】
なお、折り返し部7、7a、7bの位置は、保護パッド1上であってもよい。また、絆創膏10において、剥離部材3が剥離部材3aと剥離部材3bとから構成されるようにしたが、剥離部材3は支持体2の長手方向Dの一端Xから他端Yまで1枚で覆うように形成してもよい。
【実施例】
【0039】
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0040】
実施例として、図1に示す構造の絆創膏を製造した。実施例に係る絆創膏は、折り返し部7としてミシン目加工の折り返し線を有する。比較例として、剥離部材に折り返し部を有していない絆創膏を製造した。
【0041】
(貼付試験)
折り返し線を評価するために、被験者10名が左手人差し指に、実施例及び比較例に係る絆創膏を自身で貼付した。実施例に係る絆創膏に関して、次の評価項目について、評価した。評価項目は、折り返し線が役に立ったか否か(有用性評価)、貼りやすさ(操作性評価)及び折り返し線が必要か否か(必要性評価)である。
【0042】
有用性評価に関して、図5に示すように10人中9人が、折り返し線が役に立ったと評価した。操作性評価に関して、図6に示すように10人中9人が、比較例と比較して貼りやすくなったと評価した。必要性評価に関して、図7に示すように10人中9人が、折り返し線が必要であると評価した。貼付試験の結果から明らかなように、実施例に係る絆創膏は、比較例の絆創膏と比較して、貼付時の操作性に優れる。折り返し線により、指が保護パッドに触れにくくなり、貼付しやすくなった。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、特殊な素材又は加工等を必要とせず、低コストで製造する絆創膏、特には救急絆創膏である。
【符号の説明】
【0044】
1 保護パッド
2 支持体
3、3a、3b 剥離部材
4 粘着剤
5 摘み部
6 延在部
7、7a、7b 折り返し部
10、20 絆創膏
E 端
S 片面
X、Z 一端
Y 他端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7