【解決手段】柄10と、柄10の先端に設けられた洗浄体20と、を備える洗浄具1であって、洗浄体20は、不織布45からなり柄10を軸とした周方向の全周にわたって並ぶようにして配設された洗浄部40を有する。各洗浄部40は、洗浄体20の全周にわたる外周側の面のうち、少なくとも軸から径方向に最も離れた外周面21をそれぞれ構成する。また、洗浄部40は、洗浄対象箇所の汚れを掻き落とすエッジ部として、周方向側のエッジ部51、基端側のエッジ部52および先端側のエッジ部53を有する。
前記エッジ部は、前記洗浄部の前記周方向側の端部に形成されて該周方向に交差する方向に延在する周方向側のエッジ部であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄具。
前記エッジ部は、前記洗浄部の前記軸方向における前記柄側の基端部に設けられ、前記軸方向に交差する方向に延在する基端側のエッジ部であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄具。
前記エッジ部は、前記洗浄部の前記軸方向における前記柄が延在する側とは反対側の先端部に設けられ、前記軸方向に交差する方向に延在する先端側のエッジ部であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の柄付き洗浄具によって深底容器の内面を洗浄する場合、不織布はスポンジの片面に配置されているため、容器内面には不織布で洗浄される部分とスポンジで洗浄される部分が生じる。したがって、スポンジでは洗浄できず不織布で洗浄しなければならない汚れがあった場合には、柄と容器とを相対的に回して洗浄したい箇所に不織布を接触させる必要がある。しかし、このような動作は面倒で使い勝手に劣ることから使用者の不満を生じさせるものであり、改良が求められていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、洗浄力の高い不織布によって容器内面の全周を容易かつ効率的に洗浄することができ、使い勝手が向上する洗浄具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る洗浄具は、柄と、前記柄の先端に設けられた洗浄体と、を備えた洗浄具であって、前記洗浄体は、不織布からなり前記柄を軸とした周方向の全周にわたって並ぶようにして配設された洗浄部を有し、前記各洗浄部は、前記洗浄体の全周にわたる外周側の面のうち、少なくとも前記軸から径方向に最も離れた外周面をそれぞれ構成し、前記洗浄部は、洗浄対象箇所の汚れを掻き落とすエッジ部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る洗浄具によれば、複数の洗浄部が、洗浄体全体における軸から最も離れた外周面をそれぞれ構成するため、柄や容器を回さずにいずれかの洗浄部を容器の内周面のどの箇所にも接触させることができる。また、洗浄部のエッジ部により、落ちにくい汚れを除去することができる。したがって本発明に係る洗浄具は、洗浄力の高い不織布によって容器内面の全周面を容易かつ効率的に洗浄することができ、使い勝手が向上する。
【0009】
本発明に係る洗浄具は、前記エッジ部は、前記洗浄部の前記周方向側の端部に形成されて該周方向に交差する方向に延在する周方向側のエッジ部であることを特徴とする。
【0010】
この構成により、本発明に係る洗浄具は、深底容器内に洗浄体を入れた状態で、洗浄部の周方向側のエッジ部を容器の内周面に接触させることができる。周方向側のエッジ部を容器の内周面に摺接させることにより、容器の内周面に付着する落ちにくい汚れを周方向側のエッジ部で除去することができる。
【0011】
本発明に係る洗浄具は、前記エッジ部は、前記洗浄部の前記軸方向における前記柄側の基端部に設けられ、前記軸方向に交差する方向に延在する基端側のエッジ部であることを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明に係る洗浄具は、深底容器内に洗浄体を入れた状態で、洗浄部の基端側のエッジ部を容器の肩部の内面に接触させることができる。基端側のエッジ部を容器の肩部の内面に摺接させることにより、その内面に付着する落ちにくい汚れを基端側のエッジ部で除去することができる。
【0013】
本発明に係る洗浄具は、前記エッジ部は、前記洗浄部の前記軸方向における前記柄が延在する側とは反対側の先端部に設けられ、前記軸方向に交差する方向に延在する先端側のエッジ部であることを特徴とする。
【0014】
この構成により、本発明に係る洗浄具は、深底容器内に洗浄体を入れた状態で、洗浄部の先端側のエッジ部を容器内の底面に接触させることができる。先端側のエッジ部を容器内の底面に摺接させることにより、その底面に付着する落ちにくい汚れを先端側のエッジ部で除去することができる。
【0015】
本発明に係る洗浄具は、前記洗浄体はスポンジからなる芯部を有し、該芯部に前記洗浄部が積層されていることを特徴とする。
【0016】
この構成により、本発明に係る洗浄具は、水分および洗剤を含浸させた芯部を揉んで圧縮を繰り返すことにより洗剤を十分に泡立たせることができ、その結果、洗浄力が向上する。
【0017】
本発明に係る洗浄具は、前記洗浄体は、該洗浄体を分割した複数のブロックを合体させて構成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成により、本発明に係る洗浄具は、複数の洗浄部が周方向に配設された立体形状の洗浄体を容易に形成することを可能とする。
【0019】
本発明に係る洗浄具は、前記複数のブロックを合体させる合体手段が前記柄であることを特徴とする。
【0020】
この構成により、本発明に係る洗浄具は、ブロックを合体させるための部材を別途必要とせず、構成の簡素化が図られる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、洗浄力の高い不織布によって容器内面の全周を容易かつ効率的に洗浄することができ、使い勝手が向上する洗浄具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(実施形態)
まず、一実施形態の構成について説明する。
【0025】
図1は、一実施形態に係る洗浄具1を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る洗浄具1は、柄10と、柄10の先端に設けられた洗浄体20と、を備えている。
【0026】
本実施形態の柄10は、その断面形状が楕円形状であって、手で握りやすい太さ(例えば、幅が10〜20mm程度)を有する棒状の部材で構成されている。柄10の断面形状は楕円形状の他、例えば矩形状、多角形状、円形状等であってもよい。柄10は、例えば、樹脂、あるいはステンレス鋼等の金属等、耐食性を有する材料で形成されている。柄10は、柄10を握って洗浄を行う動作中において適度な撓みが生じるような弾性を有する材料で形成されていると好ましい。
【0027】
柄10の長さは任意であるが、本実施形態の場合の洗浄対象物である深底容器(水筒、各種ボトル、ポット等)の深さに応じた長さを有しており、例えば300mm前後、400mm前後といった長さに設定される。また、柄10は、伸縮可能な構成とすると、各種の深さの容器に対応できる点で好ましい。
【0028】
洗浄体20は、全体的な形状が柄10を軸とした略角柱状の形状を有している。以下、柄10の延在する方向を軸方向という。洗浄体20は、芯部30と、芯部30の外周に積層された複数(この場合、4つ)の洗浄部40と、を有している。洗浄体20は、深底容器内に入れることのできる適宜な大きさを有し、例えば、外径が20〜70mm程度の範囲、長さが30〜150mm程度の範囲で設定される。
【0029】
本実施形態の芯部30は、弾力性を有するスポンジからなる。芯部30にスポンジを用いることにより、洗浄体20は、洗剤および水分を十分に保持することができるとともに良好な泡立ちが可能となっている。芯部30を構成するスポンジは、例えば、ウレタン樹脂発泡体、再生セルロース発泡体、メラミン樹脂系発泡体、オレフィン樹脂系発泡体等のフォーム材料が用いられる。
【0030】
洗浄部40は、洗浄対象の表面に摺接されて汚れを落とす際に使用される部分である。本実施形態の洗浄部40は、弾力性を有する不織布からなるもので、一層の不織布、または複数枚の不織布を積層したものなどが用いられる。洗浄部40を構成する不織布は、芯部30を構成するスポンジよりも摩擦係数が高く、かつ、洗浄対象箇所を傷つけないような擦り洗いに適した素材である。洗浄部40を構成する不織布の繊維としては、例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等が用いられる。
【0031】
洗浄部40は、洗浄能力を高めるために、露出する表面全面に研磨粒子を分散塗布して付着させた構成としてもよい。研磨粒子は、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム等の鉱物粒子や、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂材料からなる粒子を用いることができる。
【0032】
洗浄体20は、芯部30を中心としてその外周に4つの洗浄部40が積層されて構成されている。芯部30に洗浄部40を積層するには、接着剤による接合や、熱溶着による接合等の手段が採用される。接着剤としては、芯部30および洗浄部40の材料等に応じて適宜選択され、例えば、ウレタン系接着剤等が用いられる。
【0033】
本実施形態に係る洗浄具1は、略角柱状の芯部30内に柄10が同軸状に配設され、芯部30の外周に、各洗浄部40が、柄10を軸とした周方向に等間隔をおいて全周にわたって並ぶようにして配設された構成となっている。
【0034】
本実施形態の洗浄部40は、不織布を直方体状(短冊状)に成形したものである。4つの洗浄部40は、芯部30の外周部に、その長手方向が軸方向と略平行となり、かつ、その厚さ方向が、軸方向に直交する径方向に沿うようにして積層されている。これにより各洗浄部40は、全体として芯部30を中心に放射状(十字状)に配設されている。
【0035】
図2に示すように、洗浄部40は、外周側に位置する外面41と、柄10が延在する側の基端側の端面42と、柄10が延在する側とは反対側の先端側の端面43と、周方向の両側の2つの側面44と、を有している。洗浄体20の全周にわたる外周面は、各洗浄部40の外面41および側面44によりほぼ構成されているが、各洗浄部40の4つの外面41は、その外周面のうち、柄10すなわち軸から径方向に最も離れた洗浄体20の外周面21をそれぞれ構成している。本実施形態では、洗浄部40の外面41は平坦な面に形成されているが、周方向に沿うような外周側に凸となる湾曲面に形成されていてもよい。
【0036】
図2に示すように、各洗浄部40は、洗浄対象箇所の汚れを掻き落とすエッジ部として、2つの周方向側のエッジ部51と、基端側のエッジ部52と、先端側のエッジ部53と、を有している。
【0037】
図2に示すように、周方向側のエッジ部51、51は、洗浄部40の外面41の幅方向一端および他端にそれぞれ形成されている。周方向側のエッジ部51、51は、外面41と各側面44とによって形成される断面略直角三角形状の角部の頂部でそれぞれ構成されており、周方向に交差する方向であって略軸方向に沿って延在している。
【0038】
図2(a)に示すように、基端側のエッジ部52は、洗浄部40の軸方向における柄10側の基端に形成されている。基端側のエッジ部52は、外面41と基端側の端面42とによって形成される断面略直角三角形状の角部の頂部で構成される外面側のエッジ部52aと、外面41と各側面44とによって形成される断面略直角三角形状の角部の頂部で構成される一対の側面側のエッジ部52bと、を有する。外面側のエッジ部52aは、軸方向に交差する方向であって洗浄部40の幅方向に沿った方向に延在している。側面側のエッジ部52bは、軸方向に交差する方向であって洗浄部40の厚さ方向に沿った方向に延在している。
【0039】
図2(b)に示すように、先端側のエッジ部53は、洗浄部40の軸方向における柄10が延在する側とは反対側の先端に形成されている。先端側のエッジ部53は、外面41と先端側の端面43とによって形成される略直角三角形状の角部の頂部で構成される外面側のエッジ部53aと、外面41と各側面44とによって形成される断面略直角三角形状の角部の頂部で構成される一対の側面側のエッジ部53bと、を有する。外面側のエッジ部53aは、軸方向に交差する方向であって洗浄部40の幅方向に沿った方向に延在している。側面側のエッジ部53bは、軸方向に交差する方向であって洗浄部40の厚さ方向に沿った方向に延在している。
【0040】
本実施形態に係る洗浄体20は、例えば、
図3(a)に示す直方体状の2つのブロック25を合体させて構成することができる。ブロック25、25は、洗浄体20を2つに分割した構成を有するもので、上述の芯部30を構成する直方体状に形成されたスポンジ35の両面に、洗浄部40を構成する積層された所定厚さの不織布45をそれぞれ積層して構成されている。本実施形態では、ブロック25、25を合体させる手段として、柄10を用いている。
【0041】
図3(b)に示すように、柄10は、その先端に二股挟持部11を有している。二股挟持部11は、柄10と一体に形成された一対の挟持片12を有している。二股挟持部11を有することにより、柄10の先端部は略Y字状に形成されている。
【0042】
二股挟持部11の各挟持片12の間にスポンジ35、35を圧縮して挟持することにより、柄10の先端に洗浄体20が形成され、かつ、その洗浄体20が柄10によって保持されるようになっている。各挟持片12は、互いに接近する方向および離間する方向に弾性変形可能となっている。各挟持片12のスポンジ35、35が接触する内面には、スポンジ35、35に係止されて洗浄体20が柄10から抜けることを抑える複数の凸部12aが形成されている。凸部12aは、この場合、柄10の抜け止めが確実になされるように、先端側とは反対側に向かって突出する鉤状に形成されている。
【0043】
図3(b)に示すように、2つのブロック25、25を、スポンジ35、35の側面どうしが当接するように揃えて並べ、スポンジ35、35が二股挟持部11の各挟持片12の間に押し込まれるように、柄10とブロック25、25とを相対的に近づく方向に動かし、二股挟持部11でスポンジ35、35を挟み込む。
【0044】
ブロック25、25は、スポンジ35、35が二股挟持部11で圧縮されることにより、
図4に示すように4つの洗浄部40が放射状に配置されるように形状が変化し、1つの洗浄体20に形成される。各スポンジ35が元の形状に弾性復帰しようとする弾発力により、2つのスポンジ35どうしが圧着する状態となるとともに各スポンジ35が各挟持片12内にめりこみ、洗浄体20が柄10に保持される。
【0045】
なお、
図4では2つのスポンジ35で構成される芯部30および4つの不織布45で構成される各洗浄部40は、断面矩形状で画一的に図示されているが、スポンジ35は二股挟持部11により圧縮されて変形し、不織布45も圧縮するスポンジ35に追従して変形する。このため、洗浄体20は実際には画一的な形状とはなりにくく、例えば、芯部30は円柱状になったり、各洗浄部40の外面41は周方向に沿うような湾曲面に変形したりする場合がある。
【0046】
本実施形態では、上記のようにして2つのブロック25を柄10によって合体させることにより、結果的に4つの洗浄部40が放射状に配設された立体形状の洗浄体20になっているが、洗浄体20の構造はこれに限定されない。例えば、予めスポンジにより直方体状の芯部30を成形し、その芯部30の4面の外周部に、短冊状の4つの洗浄部40をそれぞれ接合して立体形状の洗浄体20を構成し、その洗浄体20の芯部30に柄10の先端部を突き刺して接合した構造としてもよい。
【0047】
次に、本実施形態に係る洗浄具1の使用方法およびそれに伴う作用を説明する。
【0048】
図5〜
図8は、本実施形態に係る洗浄具1によって透明な円筒状のボトル(深底容器)100の内面を洗浄する状態を示している。
【0049】
図5および
図7に示すように、ボトル100は、主体を構成する胴部110を有し、さらに、肩部120と、底部130と、口部140と、を有している。
【0050】
洗浄具1は、洗浄体20に水分および洗剤が適量含浸され、柄10を持って洗浄体20を口部140からボトル100内に入れ、柄10を介して洗浄体20の洗浄部40をボトル100の内面に押し付けて接触させ、適度な圧力を加えながら往復摺接させることにより、ボトル100の内面を洗浄することができる。
【0051】
本実施形態に係る洗浄具1によれば、ボトル100の内面に、洗浄部40の外面41を摺接させることにより、その内面を効率よく洗浄することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る洗浄具1は、
図6に示すように、ボトル100の胴部110の内周面110aに対し、洗浄部40の周方向側のエッジ部51を立てた状態に接触させ、摺接させることにより、その内周面110aを洗浄することができる。
【0053】
また、洗浄具1をボトル100の軸線に対し傾け、基端側のエッジ部52の外面側のエッジ部52aや側面側のエッジ部52b、あるいは先端側のエッジ部53の外面側のエッジ部53aや側面側のエッジ部53bを、内周面110aに立てた状態に接触させ、柄10を軸方向に動かして摺接させることによっても、内周面110aを洗浄することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る洗浄具1では、
図7に示すように、洗浄具1をボトル100に対し相対的に傾けて、ボトル100の肩部120の内面120aに対し洗浄部40の基端側のエッジ部52を立てた状態で接触させ、摺接させることにより、その内面120aを洗浄することができる。また、胴部110の内周面110aと肩部120の内面120aとの間に形成される内隅部120bに基端側のエッジ部52を摺接させることにより、その内隅部120bを洗浄することができる。この場合、基端側のエッジ部52を構成する外面側のエッジ部52aおよび側面側のエッジ部52bのいずれか一方、または双方を用いて、内面120aや内隅部120bを洗浄することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る洗浄具1では、
図8に示すように、洗浄具1をボトル100に対し相対的に傾けて、ボトル100の底部130の内面である内側底面130aに対し洗浄部40の先端側のエッジ部53を立てた状態で接触させ、摺接させることにより、その内側底面130aを洗浄することができる。また、胴部110の内周面110aと底部130の内側底面130aとの間に形成される内隅部130bに先端側のエッジ部53を摺接させることにより、その内隅部130bを洗浄することができる。この場合、先端側のエッジ部53を構成する外面側のエッジ部53aおよび側面側のエッジ部53bのいずれか一方、または双方を用いて、内側底面130aや内隅部130bを洗浄することができる。
【0056】
本実施形態に係る洗浄具1は、4つの洗浄部10の各外面41が、洗浄体20全体における軸から最も離れた外周面21をそれぞれ構成している。すなわち洗浄体20全体の最も外周側に形成されている外周面21は、その全面が洗浄部40の外面41のみで構成され、スポンジで構成された芯部30は外周面21を構成していない。このため、上記のようにボトル100の内周面110aを洗浄する場合において、4つの洗浄部40のうちのいずれかの洗浄部40を、柄10やボトル100を回さずに内周面110aのどの箇所にも接触させることができる。したがって本実施形態に係る洗浄具1は、洗浄力の高い不織布からなる洗浄部40によってボトル100の内周面110aを容易かつ効率的に洗浄することができ、使い勝手が向上する。
【0057】
また、洗浄部40の各エッジ部51、52、53で汚れを掻き落とすようにして洗浄することができる。このため、上述したようにしてこれらエッジ部51、52、53を摺接させた箇所の落ちにくい汚れ(例えば、茶渋、水垢等の固着している汚れ)を効果的に除去することができる。特に、肩部120の内面120aや各内隅部120b、130bといった洗浄部40の外面41を接触させにくい箇所も、基端側のエッジ部52や先端側のエッジ部53を用いて掻き落とすことにより汚れを除去することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る洗浄具1は、洗浄体20がスポンジからなる芯部30を有するため、水分と洗剤を含浸させた芯部30を揉んで圧縮を繰り返すことにより洗剤を十分に泡立たせることができ、その結果、洗浄力を向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態に係る洗浄具1は、洗浄体20を分割した2つのブロック25を柄10により合体させて、洗浄体20を構成している。このように2つのブロック25を合体させて洗浄体20を構成することにより、立体形状の洗浄体20を容易に形成することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る洗浄具1は、2つのブロック25を合体させる合体手段が柄10であるため、各ブロック25を合体させるための部材を必要とせず、構成の簡素化が図られる。
【0061】
(変形例)
次に、上述した一実施形態の変形例のいくつかを説明する。なお、各変形例において上記実施形態と共通する構成要素には同一の符号を付し説明を省略するものとする。
【0062】
上述した実施形態においては、2つのブロック25で洗浄体20を構成しているが、ブロック25の数は任意である。例えば
図9に示すように、3つのブロック25を、上述したように柄10の二股挟持部11で挟持することにより、
図10に示すように6つの洗浄部40が放射状に配置された洗浄体20としてもよい。
【0063】
一方、複数の洗浄部40を有する洗浄体20は、
図11(a)に示す1つのブロック26によっても得ることができる。ブロック26は、上述の芯部30を構成する直方体状に形成されたスポンジ36の両面に、洗浄部40を構成する所定厚さの不織布46がそれぞれ積層されている。そして各不織布46は、幅方向中央にスポンジ36の途中まで入れられた切り込み26aによって2つに分離されている。
【0064】
この変形例は、切り込み26aによってスポンジ36の両面に2つの不織布45をそれぞれ有する構成となり、上述した柄10の二股挟持部11でスポンジ36を両側面から挟んで挟持することにより、
図11(b)に示すように4つの洗浄部40が放射状に配置された洗浄体20が構成される。
【0065】
上述した一実施形態に係る洗浄部40は、軸方向に延在する短冊状に形成されたものであったが、洗浄部40の形態は限定されず、例えば
図12〜
図14に示す形態であってもよい。
【0066】
図12(a)に示す洗浄体20は、芯部30に、略矩形状の複数の洗浄部40が軸方向および周方向に分離して配設されている。この場合、軸方向には2つの洗浄部40が配設されており、それら軸方向に配設された各洗浄部40の対向部分には、周方向に延在する中間エッジ部54が形成されている。それら中間エッジ部54は軸方向の中央部に位置している。各洗浄部40の外面41により、洗浄体20全体の全周にわたる外周面21が構成されている。
【0067】
図12(a)に示す洗浄体20は、例えば
図12(b)に示す2つのブロック27を合体させて構成することができる。各ブロック27は、スポンジ35の両面の両端部に洗浄部40を構成する不織布45がそれぞれ積層されており、双方のスポンジ35の側面を柄10の二股挟持部11で挟んで挟持することにより、
図12(a)に示す4つの洗浄部40が上下に分離した洗浄体20を構成することができる。
【0068】
図12(a)に示す洗浄体20によれば、洗浄部40の外面41をボトル100の内周面110aに接触させ、柄10を軸方向に動かすことにより、各中間エッジ部54により内周面110aの汚れを掻き落とすことができ、洗浄効果が向上する。
【0069】
図13(a)に示す洗浄体20は、芯部30に、細長い平行四辺形状にカットされた不織布47からなる3つの洗浄部40が軸方向に対し斜めに傾斜するよう巻かれて配設されている。各洗浄部40は、周方向に交差する周方向側のエッジ部55をそれぞれ有している。
【0070】
この変形例の芯部30は、
図13(b)に示すように予め円柱状に成形されている。各不織布47は、その芯部30の外周面に、接着等の接合手段で周方向に等間隔をおいて積層される。また、この場合の柄10は、先端部が二股とはなっておらず先細りに形成されており、その側面に抜け止め用の複数の鉤状の凸部10aが形成されている。複数の凸部10aが形成された柄10の先端部は、芯部30の一端面からスリット30aに差し込まれて芯部30の中心に配設され、芯部30に接着されるように構成されている。なお、図示例では不織布47からなる洗浄部40の数は3つであるが、その数は任意であり、また、軸方向に対する傾斜角度も任意であって適宜に設定される。
【0071】
また、
図14(a)に示す洗浄体20は、
図13に示した円柱状の芯部30の外周部に、湾曲形状にカットされた不織布48からなる3つの洗浄部40をらせん状に巻いて接合したものである。各洗浄部40は、周方向に交差する周方向側のエッジ部56をそれぞれ有している。
図14(b)に示すように、芯部30および柄10は
図13に示したものと同様の構成となっており、柄10は芯部30に差し込まれて接着される。なお、図示例では不織布48からなる洗浄部40の数は3つであるが、その数は任意であり、また、不織布48の湾曲の度合も任意であって適宜に設定される。
【0072】
図13および
図14に示す洗浄体20では、各洗浄部40の外面41により、洗浄体20全体の全周にわたる外周面21が構成されている。そして、周方向側の各エッジ部55、56により、それぞれボトル100の内周面110aの汚れを掻き落とすことができ、洗浄効果が向上する。