(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-174929(P2020-174929A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】足用の健康器具
(51)【国際特許分類】
A63B 21/045 20060101AFI20201002BHJP
A63B 22/20 20060101ALI20201002BHJP
A63B 23/10 20060101ALI20201002BHJP
A63B 23/04 20060101ALI20201002BHJP
A61H 15/00 20060101ALI20201002BHJP
【FI】
A63B21/045
A63B22/20
A63B23/10
A63B23/04 Z
A61H15/00 310G
A61H15/00 380A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-79743(P2019-79743)
(22)【出願日】2019年4月19日
(71)【出願人】
【識別番号】519144071
【氏名又は名称】小野 賢二
(74)【代理人】
【識別番号】100084571
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 玄陽
(72)【発明者】
【氏名】小野 賢二
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AE05
4C100AE14
4C100AF06
4C100BB01
4C100CA02
4C100CA13
4C100DA11
4C100EA09
(57)【要約】
【課題】足裏やふくらはぎをマッサージして血行の促進、疲労の回復を図ることができるだけではなく、筋肉を鍛え、足の筋力を増進、増強できるようにする。
【解決手段】 足1をマッサージするローラ2を起立状の支持部3に横向きに設ける。ローラ2を、支持部3の両側に左右一対状設けると共に、支持部3の縦軸8を中心にして正逆方向に回動自在に形成する。この場合、支持部3の縦軸8を支持部3の前方に上向き傾斜状に形成するのが良い。また支持部3を前後方向に回動自在に形成すると共に、縦軸8の傾きを支持部3の前後方向に調節自在に形成するのが良い。また本発明は、ベッド10に着脱自在に形成するのでも良い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足をマッサージするローラが起立状の支持部に横向きに設けられている足用の健康器具であって、上記のローラが、上記の支持部の両側に左右一対状設けられ、且つ支持部の縦軸を中心にして正逆方向に回動自在に形成されていることを特徴とする足用の健康器具。
【請求項2】
請求項1記載の足用の健康器具であって、支持部の縦軸が支持部の前方に上向き傾斜状に形成されていることを特徴とする足用の健康器具。
【請求項3】
請求項2記載の足用の健康器具であって、支持部が前後方向に回動自在に形成されていると共に、縦軸の傾きが支持部の前後方向に調節自在に形成されていることを特徴とする足用の健康器具。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の足用の健康器具であって、ベッドに着脱自在に形成されていることを特徴とする足用の健康器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足用の健康器具に関し、更に詳しくは足裏やふくらはぎ等をローラでマッサージできるだけではなく、足の筋肉を鍛えることができるよう形成した足用の健康器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の健康器具としては、例えば特許文献1、同2記載されているものがある。
【0003】
特許文献1の従来品は、支持体の両側に側板が対向状に設けられ、この対向する側板に、ローラが架け渡されて設けられている。この従来品は、使用者が腰周り、腕周り、首周り等にローラを圧接させて、回転するローラでこりや疲れをとるものである。
【0004】
また特許文献2の従来品は、左右の支柱に横棒が架け渡され、横棒の下方に腰マットが設けられている。この従来品の場合は、使用者が仰向けに寝て、例えばふくらはぎを横棒に置き、回転する横棒でふくらはぎをマッサージするのに使用する。
【0005】
このように従来品は、ローラに足裏やふくらはぎ等を押し当て、足裏等をローラで刺激してマッサージできるのに止まるものであった。
換言すると、従来品は、足裏やふくらはぎ等の疲れを取ることができるのに止まり、足の筋肉を鍛えることに対しては使用できなかった。
【0006】
而して、加齢に伴い、人は足の筋肉が衰え易くなり、足の筋力の低下は、歩行を困難にし、転倒を招き、日常生活に支障を来たすことになる。
従って、足用の健康器具は、足の疲労を回復できるだけではなく、足の筋肉を鍛えることができ、足の筋力の維持、増進を図ることができるよう形成されているのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3071299号公報
【特許文献2】特開2002−52092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って、本発明の解決しようとする技術的課題は、足裏やふくらはぎをマッサージして血行の促進、疲労の回復を図ることができるだけではなく、筋肉を鍛え、足の筋力を増進、増強できるよう形成した足用の健康器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち、本発明は、
図1等に示されるように、足1をマッサージするローラ2が起立状の支持部3に横向きに設けられている足用の健康器具であって、上記のローラ2が、上記の支持部3の両側に左右一対状設けられ、且つ支持部3の縦軸8を中心にして正逆方向に回動自在に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
本発明の場合、支持部3は、例えば全体が棒状に形成されたり、或いは左右一対のローラ2が取り付けられる箇所だけ凸段差状に形成されているのでも良く、その形状は自由である。またここで、支持部3の縦軸8を中心にして正逆方向に回動自在とは、右側のローラ2を右足で、左側のローラ2を左足で、使用者が左右のローラ2を交互に踏むと、縦軸8を中心にローラ2を、正回転(右回り)、逆回転(左回り)できるよう形成されている、ということを意味する。
【0011】
また本発明の足用の健康器具は、
図4に示されるように、支持部3の縦軸8が支持部3の前方に上向き傾斜状に形成されているのが好ましい(請求項2)。
【0012】
なぜなら、これによると、使用者が仰向けに寝た姿勢で、ローラ2を支持部3の斜め上向き後方に無理なく楽に踏むことができるからである。
【0013】
またこの場合、本発明の健康器具は、支持部3が前後方向に回動自在に形成されていると共に、縦軸8の傾きが支持部3の前後方向に調節自在に形成されているのが好ましい(請求項3)。
【0014】
なぜなら、これによると、足1を前後方向に動かして運動でき、使い勝手が一層良くなるからである。またこれによれば、縦軸8の傾きを調節できるため、ローラ2を、使用者の身体の大きさ、足1の長さなどに応じて最適な位置、高さに配置して足1を鍛えることができるからである。
【0015】
また本発明は、ベッド10に着脱自在に形成されているのが好ましい(請求項4)。
【0016】
なぜなら、これによれば、ベッド10の上で、仰向けに寝た姿勢で足1をマッサージしたり、鍛えることができるからである。またこの場合は、不使用時に本発明品をベッド10から取り外して保管でき、使い勝手が良くなるからである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、このようにローラが、起立状の支持部を介して左右一対状に設けられていると共に、支持部の縦軸を中心にして正逆方向に回動自在に形成されているものである。
【0018】
従って、本発明は、足裏やふくらはぎをローラに押し当てたり、擦ったりしてマッサージでき、足裏やふくらはぎの血行の促進、疲労の回復を図ることができる。
【0019】
また本発明は、左右の足をローラに押し当てた状態で交互に踏む運動を行うことができる。従って、これによれば、足の筋肉を鍛えることができ、脚力を増強、増進できる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の足用の健康器具の好適な一実施形態を示し、Aは要部正面図、Bは要部平面図である。
【
図2】同上健康器具の使用状態時の要部斜視図である。
【
図3】同上健康器具の他の実施形態を示す斜視図である。
【
図4】同上健康器具の更に他の実施形態を示す要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面に従って説明する。
本発明は、
図1等に示されるように、足1のマッサージに使用するローラ2が起立状の支持部3の両側に横向きに、左右一対状設けられている。
【0022】
具体的には、支持部3の支柱状の上部3aの両側に、ローラ2が側方に水平状に突き出されて設けられている。ローラ2の表面は、この実施形態では足裏等を刺激できるよう凹凸状に形成されている。なお、ローラ2は、表面に滑り止め用のシリコンゴムシートなどが貼られて形成されているのでも良い。
【0023】
またローラ2は、横軸4を中心に回転すると共に、振動発生モータ5により振動するよう形成されている。振動発生モータ5は、回転軸5aに錘5bが偏心状に設けられている。この振動発生モータ5が、この実施形態では左右の各ローラ2に夫々内蔵され、例えば100V交流電源6から給電可能に接続されている。振動発生モータ5は、制御部7からの駆動信号を受けて、例えば低速回転と高速回転が可能になるよう形成されている。
【0024】
またローラ2は、支持部3の縦軸8を中心にして正逆方向に回動自在に形成されている。ローラ2は、使用者が左右のローラ2を足1で交互に踏んだとき、一定の角度で制止可能になるよう、この実施形態では
図1Bに示されるよう、支持部3の所定位置にストッパー9が設けられている。従って、これによれば、ローラ2の空回りを防止できるから、その分、使い勝手が良くなるものである。
【0025】
また支持部3は、この実施形態では
図2に示されるよう、ベッド10の短手方向の側板10aに、螺子11等で着脱自在に形成されている。支持部3は、その下部3bにベッド10の側板10aにネジ止めするための長孔12が上下方向に延びて形成されている。
【0026】
上記の長孔12は、この実施形態ではベッド10の上下の各側板10aに、左右に間隔をあけてネジ止めできるよう、支持部3の下部3bに、上下に2箇所づつ形成されている。これにより、強い力がローラ2に加わっても、支持部3がずれ落ちすることを防止でき、しっかりと固定できるものである。
【0027】
また支持部3は、ローラ2の回動トルクを調節できるよう、この実施形態では
図1Aに示されるように、トルクの設定部13を備えて形成されている。トルクの設定部13は、ローラ2の回動力を規制するコイルバネ13aが支持部3の下部3bに、左右のローラ2ごと内蔵されることで実現されている。
【0028】
コイルバネ13aは、筒状部13bに収納され、筒状部13bの一端には、バネ端を係止する蓋状の摘み13cが設けられている。この摘み13cが締め込まれるとコイルバネ13aが圧縮されて弾発力が強くなり、ローラ2の回動に大きな強い力が必要になるものである。また摘み13cが緩められるとコイルバネ13aの弾発力が弱くなり、ローラ2を楽に回動できるものである。ローラ2の回動力は、支持部3の縦軸8に連結されているスラスター13dを介してコイルバネ13aの端部に伝達するよう形成されている。
【0029】
またこの実施形態の本発明品は、ローラ2の高さが調節自在に形成されている。具体的には、
図2、
図3に示されるよう、左右のローラ2を縦軸8と一緒に引き上げ、押し下げ可能になるよう支持部3の側面にスリット14が縦方向に延びて形成されている。このスリット14は、ローラ2を正逆方向に回動可能になるよう横幅が遊びを有している。
【0030】
また支持部3は、ローラ2の高さを変更後、ローラ2を変更後の高さで支持できるよう形成されている。この実施形態では、横軸4を支持する部材15(
図1A参照)を備え、この部材15が支持部3の背面から支持部3の上部3a内に挿し込み可能に形成されている。
【0031】
次にこの実施形態に係る本発明の作用を説明する。
使用者は、例えばベッド10の上で仰向けに寝て、ローラ2に、足裏を押し当てたり、ふくらはぎを載せ、足1を前後に動かして使用する。
【0032】
ローラ2は、足1の作用で回転し、また振動発生モータ5の作用で振動するため、このローラ2によって足裏やふくらはぎが刺激され、マッサージされる。これにより、使用者は足1の血行が良くなり、疲れが取れる。
【0033】
また使用者が、ローラ2を左右の足1で交互に踏むと、
図1Bに矢示されるように、ローラ2が縦軸8を中心に回動する。この場合、この実施形態の本発明は、摘み13cを操作して回動トルクを設定できるため、設定トルクで回動する。
【0034】
具体的には、摘み13cを回してコイルバネ13aを縮めると、回動トルクが大きくなる。従って、使用者は強い力でローラ2を踏むことになり、足1の筋肉を鍛え易くなる。また摘み13cを緩めると、バネ力が弱まり、回動トルクが小さくなり、ローラ2を楽に回すことができる。
【0035】
それ故、この実施形態の本発明によれば、使用者の脚力の状態、或いはリハビリの段階に応じて、足1を鍛えることができる、という利点がある。
【0036】
以上の処において、上例では支持部3がベッド10の側板10aに取り付け可能に形成されているが、本発明の器具はこれに限定されるものではない。即ち、支持部3は、
図3に示されるように、ベース部16を備え、床等に据え置き可能に形成されているのでも良い。
【0037】
また本発明は、
図4に示されるように、支持部3の縦軸8が支持部3の前方に上向き傾斜状に形成されているのでも良い。この本発明の場合は、使用者は仰向けに寝た姿勢で足1を無理なく斜め上向き後方に動かして運動できる。
【0038】
またこの実施形態の本発明品は、支持部3が前後方向に回動自在に形成されていると共に、縦軸8の傾きが支持部3の前後方向に調節自在に形成されている。
【0039】
支持部3は、この実施形態では縦軸8の通された上腕部31と、ベッド10やベース部16に固定される下腕部32とで形成されている。上腕部31と下腕部32とは、横向きの連結軸33で回動可能に連結されている。
【0040】
また上腕部31は、締め具34で任意の角度で固定可能に連結されている。支持部3は、縦軸8の傾きを変えることで、換言すると上腕部31を傾けることでローラ2の高さを調節可能に形成されている。
【0041】
またこの実施形態の本発明品は、連結軸33にコイル形バネ35が巻装されている。使用者が、コイル形バネ35の復元力に抗して支持部3を足1で押すと、連結軸33を中心に上腕部31が後方に回動するよう形成されている。この場合、コイル形バネ35のバネ力を変更可能に形成されているのでも良い。この実施形態の本発明によると、脚力をより鍛えることができ、使い勝手が良くなるものである。
【符号の説明】
【0042】
1 足
2 ローラ
3 支持部
8 縦軸
10 ベッド