【実施例】
【0042】
<種々のセリウム含有原料および種々の二価有機酸を用いた場合の比較>
[実施例1]
実施例1では、超・亜臨界水熱合成装置を用いて、非特許文献2に記載の方法を用いてアジピン酸修飾金属酸化物として、アジピン酸修飾酸化セリウム(以降では簡単のためAA修飾セリア1と称する)を合成し、これと遊離したアジピン酸との混合物を熱処理し、本発明の発泡体を製造した。
【0043】
金属塩として水酸化セリウム(Ce(OH)
4、Sigma−Aldrich製、0.25mM)と、アジピン酸(和光純薬工業株式会社製、0.25mM)と、蒸留水(2.5mL)とを耐圧容器(内容積5.0mL)に移し、水熱反応した(
図2のステップS210)。ここで、金属塩中の金属(セリウム)とアジピン酸とのモル比は、1:1であった。水熱反応は、38MPaの圧力下で、400℃の温度で10分間行った。耐圧容器を室温の水浴に浸し、反応を終了させた。生成物を水およびエタノールで洗浄し、大気中で乾燥させた。この生成物を、CuKα線(λ=1.5405Å)を用いた粉末X線回折(株式会社Rigaku製、RINT−2000)を用いて同定した。結果を
図4に示す。また、生成物を、KBr法を用いたフーリエ変換赤外分光(FT−IR)光度計(日本分光株式会社製、FT/IR−6200)を用いてFT−IRスペクトルを測定した。
【0044】
図4は、実施例1における水熱合成による生成物のXRDパターンを示す図である。
【0045】
図4の上段に示すXRDパターンは、実施例1における水熱合成による生成物のXRDパターンであり、下段に示すXRDパターンは、シミュレーションから求めたCeO
2のXRDパターンである。
図4によれば、実施例1における水熱合成による生成物のXRDパターンは、シミュレーションから求めたCeO
2のそれに良好に一致した。このことから、実施例1における水熱合成による生成物は酸化セリウムであることが確認された。
【0046】
図示しないが、生成物のFT−IRスペクトルは、−COO
−基の対称伸縮振動に相当する1456cm
−1、1433cm
−1および1403cm
−1に明瞭なピークを示した。
図4のXRDパターンおよびFT−IRスペクトルから、実施例1における水熱合成による生成物は、アジピン酸が修飾した酸化セリウム(AA修飾セリア1)からなる粉末であることが確認された。なお、AA修飾セリア1の粉末は、10nm〜100nmの粒径を有するナノ粒子であった。
【0047】
次に、生成物であるAA修飾セリア1(16mg)と、アジピン酸(14mg)とを混ぜた混合物を熱処理した(
図1のステップS110)。ここで、AA修飾セリア1におけるセリウムとアジピン酸とのモル比は、セリウム:アジピン酸=1:1を満たした。この混合物をアルミナ坩堝中で、大気中、550℃で2時間熱処理した。熱処理後の生成物の様子を観察した。観察結果を
図8に示す。さらに、熱処理後の生成物について走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジー製、TM3030)により観察し、細孔径分布を作成した。結果を
図11および表2に示す。
【0048】
また、熱処理後の生成物について窒素吸脱着等温線を測定し、BET比表面積を求めた。結果を表2に示す。さらに、熱処理後の生成物を、X線粉末回折により同定した。
【0049】
[実施例2]
実施例2では、流通式水熱合成装置を用いて、アジピン酸修飾金属酸化物として、アジピン酸修飾酸化セリウム(以降では簡単のためAA修飾セリア2と称する)を合成し、これと遊離したアジピン酸との混合物を熱処理し、本発明の発泡体を製造した。
【0050】
図5は、実施例2で用いた流通式水熱合成装置の外観を示す図である。
【0051】
図5の流通式水熱合成装置の槽340に蒸留水を、槽350に金属塩水溶液として硝酸セリウム(III)6水和物(Sigma−Aldrich製、10mM)を、槽360にアジピン酸(50mM)をセットした。ヒータ370により蒸留水は400℃に加熱され、硝酸セリウム(III)6水和物とアジピン酸とを、セリウム:アジピン酸(モル比)=1:5となるように耐圧反応容器310(1.3cmφ×23cm)に送液した。
【0052】
耐圧反応容器310において、圧力は約24MPaであった。耐圧反応容器310の底部の温度を約400℃、頂部の温度を約50℃に設定し、温度勾配を設けた。耐圧反応容器310における原料の滞在時間は2.5分であった。生成物を分級アレイ330で分級し、生成物と余剰のアジピン酸とを含む混合物を槽380で回収した。回収した混合物の様子を観察した。観察結果を
図6に示す。
【0053】
図6は、実施例2における水熱合成により回収した混合物の様子を示す図である。
【0054】
図6によれば、混合物は白色の懸濁したスラリ状であった。この混合物の一部について遠心分離とデカンテーションとを繰り返し、水およびエタノールで洗浄し、余剰のアジピン酸を除去し、大気中で乾燥させた。得られた生成物を、実施例1と同様に粉末X線回折を用いて同定し、FT−IRスペクトルを測定した。得られたXRDパターン(図示せず)は、CeO
2を示すピークと、原料である硝酸セリウム(III)6水和物を示すピークとが混在していた。また、FT−IRスペクトル(
図20を参照)によれば、−COO
−基の対称伸縮振動に相当する1456cm
−1、1433cm
−1および1403cm
−1に明瞭なピークを示した。このことから、実施例2における水熱合成による生成物は、アジピン酸が修飾した酸化セリウム(AA修飾セリア2)と未反応の硝酸セリウム(III)6水和物とからなり、混合物には、この生成物に加えて余剰のアジピン酸が存在することが示された。
【0055】
次に、AA修飾セリア2、未反応の硝酸セリウム(III)6水和物および遊離したアジピン酸を含有するスラリ状の混合物(1000mL)をビーカー中で80℃で約4日間流動性がなくなるまで加熱・乾燥した。加熱・乾燥後の混合物をアルミナ坩堝中で、大気中、550℃で2時間熱処理した。熱処理後の生成物の様子を観察した。観察結果を
図9に示す。さらに、熱処理後の生成物についてSEM観察し、細孔径分布を作成した。結果を
図12および表2に示す。また、熱処理後の生成物をX線粉末回折により同定し、FT−IRスペクトルを測定した。結果を
図19および
図20に示す。
【0056】
[実施例3]
実施例3は、硝酸セリウム(III)6水和物とアジピン酸とを、セリウム:アジピン酸(モル比)=1:1としたことを除き、実施例2と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
実施例2と同様に、水熱合成による生成物を粉末X線回折により同定し、FT−IRスペクトルを測定した。結果を
図7に示す。
【0058】
図7は、実施例3における水熱合成による生成物のXRDパターンを示す図である。
【0059】
図7によれば、実施例2と同様に、CeO
2を示すピークと、原料である硝酸セリウム(III)6水和物を示すピークとが混在していた。FT−IRスペクトル(図示せず)によれば、−COO
−基の対称伸縮振動に相当する1456cm
−1、1433cm
−1および1403cm
−1に明瞭なピークを示した。このことから、実施例3における水熱合成による生成物は、アジピン酸が修飾した酸化セリウム(AA修飾セリア3)と未反応の硝酸セリウム(III)6水和物とからなり、混合物には、この生成物に加えて余剰のアジピン酸が存在することが示された。
【0060】
実施例2と同様に、熱処理後の生成物の様子を観察した。さらに、熱処理後の生成物について、SEM観察し、細孔径分布を作成するとともに、BET比表面積を求めた。これらの結果を
図9、
図13および表2に示す。
【0061】
[実施例4]
実施例4は、硝酸セリウム(III)6水和物とアジピン酸とを、セリウム:アジピン酸(モル比)=1:0.2としたことを除き、実施例2と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
実施例2と同様に、水熱合成による生成物を粉末X線回折により同定し、FT−IRスペクトルを測定した。実施例2と同様に、得られたXRDパターン(図示せず)は、CeO
2を示すピークと、原料である硝酸セリウム(III)6水和物を示すピークとが混在していた。FT−IRスペクトル(図示せず)によれば、−COO
−基の対称伸縮振動に相当する1456cm
−1、1433cm
−1および1403cm
−1に明瞭なピークを示した。このことから、実施例4における水熱合成による生成物は、アジピン酸が修飾した酸化セリウム(AA修飾セリア4)と未反応の硝酸セリウム(III)6水和物とからなり、混合物には、この生成物に加えて余剰のアジピン酸が存在することが示された。
【0063】
実施例2と同様に、熱処理後の生成物の様子を観察した。さらに、熱処理後の生成物について、SEM観察し、細孔径分布を作成するとともに、BET比表面積を求めた。これらの結果を
図9、
図14および表2に示す。
【0064】
[比較例5]
比較例5は、実施例1で得られたAA修飾セリア1のみを熱処理した。熱処理条件は実施例1と同様であった。熱処理後の生成物の様子を観察した。結果を
図10および
図15に示す。
【0065】
[比較例6]
比較例6では、硝酸セリウム(III)6水和物のみを熱処理した。熱処理条件は実施例1と同様であった。熱処理後の生成物の様子を観察した。この結果を
図10および
図16に示す。
【0066】
[比較例7]
比較例7は、酸化セリウム(Sigma−Aldrich製、0.27g)とアジピン酸(0.23g)とを混ぜた混合物を熱処理した。ここで、酸化セリウムにおけるセリウムとアジピン酸とのモル比は、セリウム:アジピン酸=1:1を満たした。熱処理条件は実施例1と同様であった。熱処理後の生成物の様子を観察した。結果を
図10に示す。
【0067】
[比較例8]
比較例8は、硝酸セリウム(III)6水和物(0.87g)とアジピン酸(0.29g)とを混ぜた混合物を熱処理した。ここで、硝酸セリウム(III)6水和物におけるセリウムとアジピン酸とのモル比は、セリウム:アジピン酸=1:1を満たした。熱処理条件は実施例1と同様であった。熱処理後の生成物の様子を観察し、細孔径およびBET比表面積を求めた。これらの結果を
図10、
図17および表2に示す。
【0068】
[比較例9]
比較例9は、アジピン酸に代えてステアリン酸(和光純薬工業株式会社製、0.57g)を用いた以外は、比較例8と同様であった。ここで、硝酸セリウム(III)6水和物におけるセリウムとステアリン酸とのモル比は、セリウム:ステアリン酸=1:1を満たした。熱処理後の生成物の様子を観察し、BET比表面積を求めた。これらの結果を
図10、
図18および表2に示す。
【0069】
[比較例10]
比較例10は、アジピン酸に代えてドデカン二酸(和光純薬工業株式会社製、0.49g)を用いた以外は、比較例8と同様であった。ここで、硝酸セリウム(III)6水和物におけるセリウムとドデカン二酸とのモル比は、セリウム:ドデカン二酸=1:1を満たした。熱処理後の生成物の様子を観察した。結果を
図10に示す。
【0070】
簡単のため、表1に実施例/比較例1〜10の実験条件を示し、結果を説明する。
【0071】
【表1】
【0072】
図8は、実施例1における熱処理後の生成物の様子を示す図である。
図9は、実施例2、3および4における熱処理後の生成物の様子を示す図である。
図10は、比較例5〜10における熱処理後の生成物の様子を示す図である。
【0073】
図8および
図9によれば、実施例1〜4における熱処理後の生成物は、多孔性のスポンジ状の形態を示した。一方、
図10によれば、比較例5における熱処理後の生成物は粉末状のままであった。比較例8における熱処理後の生成物は、一見すると多孔性の様態であったが、一瞬にして粉末となった。比較例6、7、9および10における熱処理後の生成物は、いずれも、坩堝の底面に固着しており、多孔性でなかった。
【0074】
図11は、実施例1における熱処理後の生成物のSEM像(A)(B)および細孔径分布(C)を示す図である。
図12は、実施例2における熱処理後の生成物のSEM像(A)(B)および細孔径分布(C)を示す図である。
図13は、実施例3における熱処理後の生成物のSEM像(A)(B)および細孔径分布(C)を示す図である。
図14は、実施例4における熱処理後の生成物のSEM像(A)(B)および細孔径分布(C)である。
図15は、比較例5における熱処理後の生成物のSEM像を示す図である。
図16は、比較例6における熱処理後の生成物のSEM像を示す図である。
図17は、比較例8における熱処理後の生成物のSEM像を示す図である。
図18は、比較例9における熱処理後の生成物のSEM像を示す図である。
【0075】
図11(A)(B)〜
図14(A)(B)に示されるように、実施例1〜4における熱処理後の生成物は、連通する細孔からなる空隙を多く有した多孔性の発泡体であることを確認した。この結果は、
図8および
図9の観察結果に良好に整合した。また、SEM像から直接観察して得られた細孔径分布を示す
図11(C)〜
図14(C)によれば、実施例1〜4における熱処理後の生成物は、0.02μm以上0.3μm以下の範囲に細孔径分布のピークを有することが分かった。特に、実施例3における熱処理後の生成物は、0.05μm以上0.15μm以下の範囲に細孔径分布のピークを有しており、細孔径のそろった発泡体であることが分かった。
【0076】
一方、
図15〜18に示されるように、比較例5、6、8および9における熱処理後の生成物は、一見すると気泡のような穴を有していても、その細部は、連通する細孔からなる空隙でなく、発泡体ではなかった。図示しないが、比較例7における熱処理後の生成物も同様の様態であった。
【0077】
【表2】
【0078】
表2は、実施例/比較例1〜4、8および9のBET比表面積および細孔径分布から求めた細孔径の一覧を示す。表2によれば、実施例1〜4における熱処理後の生成物は、55m
2/g以上200m
2/g以下の範囲のBET比表面積を有することが分かった。特に、実施例3における熱処理後の生成物は、120m
2/g以上150m
2/g以下の範囲のBET比表面積を有しており、高い触媒活性が期待できる。
【0079】
比較例8および9における熱処理後の生成物のBET比表面積は55m
2/gより小さく、0.02μm以上0.3μm以下の範囲に細孔径分布のピークを有しなかった。この結果は、
図17あるいは
図18において気泡のようなものが確認できたが、細部において連通する空隙が見えなかったことに整合する。
【0080】
図19は、実施例2〜4における熱処理後の生成物のXRDパターンを示す図である。
【0081】
実施例2〜4における熱処理後の生成物のXRDパターンは、シミュレーションから求めたCeO
2のそれに良好に一致した。このことから、実施例2〜4における熱処理後の生成物は酸化セリウムであり、多孔性のスポンジ状の発泡体であることが確認された。図示しないが、実施例1における熱処理後の生成物のXRDパターンもCeO
2のそれに良好に一致した。
【0082】
図20は、実施例2による熱処理前後の生成物のFT−IRスペクトルを示す図である。
【0083】
図20は、実施例2による熱処理前(すなわち、ステップS210後、かつ、ステップS110前)の生成物である、AA修飾セリア2のFT−IRスペクトルと、熱処理後の生成物のFT−IRスペクトルとを示す。AA修飾セリア2のFT−IRスペクトルは、−COO
−基の対称伸縮振動に相当する1456cm
−1、1433cm
−1および1403cm
−1に明瞭なピークを示した。一方、実施例2における熱処理後の生成物のFT−IRスペクトルは、これらのピーク強度が低減していた。このことは、酸化セリウムに修飾していたアジピン酸は、熱処理により、わずかながら残留するも、実質的に消失することが分かった。熱処理条件によっては、修飾しているアジピン酸は完全に消失される。
【0084】
実施例1と、比較例5〜10との比較から、少なくともアジピン酸が修飾した金属酸化物からなる粒子と遊離したアジピン酸との混合物を、340℃以上800℃未満の温度範囲で熱処理する(
図1のステップS110)ことにより、55m
2/g以上200m
2/g以下の範囲のBET比表面積を有し、0.02μm以上0.3μm以下の範囲に細孔径分布のピークを有する、金属酸化物からなる発泡体が得られることが示された。
【0085】
実施例2〜4の結果から、熱処理(
図1のステップS110)に先立って、金属塩とアジピン酸とを水熱反応させる(
図2のステップS210)ことにより、原料の混合時に金属塩とアジピン酸との量を、金属とアジピン酸とが、モル比で、金属:アジピン酸=1:0.1〜1:10、好ましくは1:0.2〜1:5を満たすように調製するだけで、上述の本発明の発泡体が得られることが示された。
【0086】
<熱処理温度の依存性>
[比較例11]
比較例11は、熱処理温度を300℃としたことを除き、実施例2と同様であるため、説明を省略する。実施例2と同様に、熱処理後の生成物の様子を観察し、粉末X線回折を行った。これらの結果を
図21および
図22に示す。
【0087】
[実施例12]
実施例12は、熱処理温度を350℃としたことを除き、実施例2と同様であるため、説明を省略する。実施例2と同様に、熱処理後の生成物の様子を観察し、粉末X線回折を行った。これらの結果を
図21および
図22に示す。
【0088】
[実施例13]
実施例13は、熱処理温度を400℃としたことを除き、実施例2と同様であるため、説明を省略する。実施例2と同様に、熱処理後の生成物の様子を観察し、粉末X線回折を行った。結果を
図21に示す。
【0089】
[実施例14]
実施例14は、熱処理温度を450℃としたことを除き、実施例2と同様であるため、説明を省略する。実施例2と同様に、熱処理後の生成物の様子を観察し、粉末X線回折を行った。結果を
図21に示す。
【0090】
[比較例15]
比較例15は、熱処理温度を800℃としたことを除き、実施例2と同様であるため、説明を省略する。実施例2と同様に、熱処理後の生成物の様子を観察し、粉末X線回折を行った。結果を
図22に示す。
【0091】
簡単のため、表3に実施例/比較例11〜15の実験条件を示し、結果を説明する。
【0092】
【表3】
【0093】
図21は、実施例/比較例11〜14における熱処理後の生成物の様子を示す図である。
【0094】
実施例12〜14における熱処理後の生成物は、多孔性のスポンジ状の形態を示した。一方、比較例11における熱処理後の生成物は、坩堝の底面に黒く固着しており、多孔性の様態でなかった。図示しないが、比較例15における熱処理後の生成物は、粉末状であった。
【0095】
図22は、実施例/比較例11、12および15の熱処理後の生成物のXRDパターンを示す図である。
【0096】
いずれのXRDパターンも、シミュレーションから求めたCeO
2のそれに良好に一致したが、比較例11における熱処理後の生成物のXRDパターンのピークは、ブロードであり、反応が十分でなかった。図示しないが、実施例13および実施例14における熱処理後の生成物のXRDパターンも実施例12のそれと同様であった。
【0097】
実施例1〜4および12〜14と、比較例11および15との比較から、少なくともアジピン酸が修飾した金属酸化物からなる粒子と遊離したアジピン酸との混合物の熱処理における熱処理温度は、340℃以上800℃未満の温度範囲がよく、好ましくは、340℃以上600℃以下の温度範囲であることが示された。