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特開2020-175546薬剤分包装置、分包袋、および包材に情報を書き込む方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-175546(P2020-175546A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】薬剤分包装置、分包袋、および包材に情報を書き込む方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20201002BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20201002BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20201002BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20201002BHJP
   B41J 2/505 20060101ALI20201002BHJP
   B41J 3/01 20060101ALI20201002BHJP
【FI】
   B41J5/30 B
   B65B57/00 H
   B65B1/30
   B41J3/407
   B41J2/505 101S
   B41J3/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-77867(P2019-77867)
(22)【出願日】2019年4月16日
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 将智
【テーマコード(参考)】
2C055
2C062
2C187
3E118
【Fターム(参考)】
2C055JJ00
2C055JJ04
2C055JJ07
2C055JJ12
2C062AA24
2C062AA34
2C187AC05
2C187AD20
2C187AG05
2C187AG11
2C187BG36
2C187BG37
2C187BG40
2C187CC03
2C187CD07
2C187CD08
2C187DB31
2C187DB33
3E118AB04
3E118AB07
3E118CA10
3E118EA10
(57)【要約】
【課題】情報を文字で表した文字情報を容易に目視確認でき、かつ、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報を確実に読み取れるようにする。
【解決手段】包装装置は、長尺シート状の包材から薬剤100が収容された分包袋21を形成する包装部と、包材に薬剤100に関連する情報110を書き込む情報書込部とを備えている。薬剤100に関連する情報110は、情報110を文字で表した文字情報111と、情報110を二次元コードで表したコード化情報120とを含んでいる。情報書込部は、左右反転した鏡文字で文字情報111を書き込み、コード化情報120を左右反転せずに書き込む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺シート状の包材から薬剤が収容された分包袋を形成する包装部と、
前記包材に前記薬剤に関連する情報を書き込む情報書込部とを備え、
前記薬剤に関連する情報は、情報を文字で表した文字情報と、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報とを含み、
前記情報書込部は、左右反転した鏡文字で前記文字情報を書き込み、前記コード化情報を左右反転せずに書き込む、薬剤分包装置。
【請求項2】
前記文字情報は、前記分包袋に収容される前記薬剤の名称および数量を含む、請求項1に記載の薬剤分包装置。
【請求項3】
前記コード化情報は、単色の背景に重なって配置されている、請求項1または2に記載の薬剤分包装置。
【請求項4】
薬剤を収容する分包袋であって、
前記分包袋には、前記薬剤に関連する情報が書き込まれており、
前記薬剤に関連する情報は、情報を文字で表した文字情報と、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報とを含み、
前記文字情報は、左右反転した鏡文字で書き込まれており、前記コード化情報は、左右反転せずに書き込まれている、分包袋。
【請求項5】
長尺シート状の包材に、前記包材から形成される分包袋に収容される薬剤に関連する情報を書き込む方法であって、
前記薬剤に関連する情報は、情報を文字で表した文字情報と、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報とを含み、
前記方法は、
左右反転していない前記文字情報と、左右反転された前記コード化情報とをレイアウトしたベースデータを作成するステップと、
前記ベースデータを左右反転した反転データを作成するステップと、
前記反転データを前記包材に書き込むステップとを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤分包装置、分包袋、および包材に情報を書き込む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平9−286418号公報(特許文献1)には、処方箋に従って所要の薬剤を、包装シートに一連に形成した複数の包装袋のそれぞれに服用順に収容し、これら包装袋のそれぞれに、収容された薬剤についての服用データを印字する薬剤包装機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−286418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤を収容する分包袋には、収容される薬剤に関連する情報を表す文字とバーコードとが印刷されることがある。薬剤分包装置を使用する使用者、たとえば薬剤師は、分包袋に印刷されている文字と、分包袋に収容されている薬剤とを目視して、分包袋に正しく薬剤が収容されているかを確認することができる。薬剤を患者に供給する供給者、たとえば看護師は、分包袋に印刷されているバーコードを読み取ることにより、当該患者に与えられる薬剤が適切であることを確認することができる。
【0005】
したがって、分包袋に印刷されている文字を容易に確認でき、かつ、分包袋に印刷されているバーコードを確実に読み取れることが求められている。
【0006】
本開示では、情報を文字で表した文字情報を容易に目視確認でき、かつ、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報を確実に読み取れるように、薬剤に関連する情報を包材に書き込む薬剤分包装置、薬剤に関連する情報が書き込まれた分包袋、および、薬剤に関連する情報を包材に書き込む方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従うと、長尺シート状の包材から薬剤が収容された分包袋を形成する包装部と、包材に薬剤に関連する情報を書き込む情報書込部とを備える、薬剤分包装置が提供される。薬剤に関連する情報は、情報を文字で表した文字情報と、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報とを含んでいる。情報書込部は、左右反転した鏡文字で文字情報を書き込み、コード化情報を左右反転せずに書き込む。
【0008】
上記の薬剤分包装置において、文字情報は、分包袋に収容される薬剤の名称および数量を含んでいる。
【0009】
上記の薬剤分包装置において、コード化情報は、単色の背景に重なって配置されている。
【0010】
本開示に従うと、薬剤を収容する分包袋が提供される。分包袋には、薬剤に関連する情報が書き込まれている。薬剤に関連する情報は、情報を文字で表した文字情報と、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報とを含んでいる。文字情報は、左右反転した鏡文字で書き込まれており、コード化情報は、左右反転せずに書き込まれている。
【0011】
本開示に従うと、長尺シート状の包材に、包材から形成される分包袋に収容される薬剤に関連する情報を書き込む方法が提供される。薬剤に関連する情報は、情報を文字で表した文字情報と、情報を一次元コードまたは二次元コードで表したコード化情報とを含んでいる。上記方法は、左右反転していない文字情報と、左右反転されたコード化情報とをレイアウトしたベースデータを作成するステップと、ベースデータを左右反転した反転データを作成するステップと、反転データを包材に書き込むステップとを備えている。
【発明の効果】
【0012】
本開示に従った薬剤分包装置によれば、包材に書き込まれた文字情報を容易に目視確認でき、かつ、包材に書き込まれたコード化情報を確実に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る包装装置の概略構成図である。
図2図1に示す包装装置における、薬剤供給部および収容部形成部の概略斜視図である。
図3図1に示す包装装置における、印刷部の概略構成図である。
図4】実施形態に係る包装装置の電気的構成を示すブロック図である。
図5】情報が書き込まれた分包袋を表側から見た図である。
図6】情報が書き込まれた分包袋を裏側から見た図である。
図7】情報が書き込まれた他の例の分包袋を表側から見た図である。
図8】包材に情報を書き込む処理の流れを示すフローチャートである。
図9】ベースデータを模式的に示す図である。
図10】反転データを模式的に示す図である。
図11】反転データを包材に書き込む処理を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0015】
<包装装置1の構成>
図1は、実施形態に係る包装装置1の概略構成図である。
【0016】
包装装置1は、包装対象物を包装するために用いられる。包装対象物は、薬剤であり、具体的には固形の薬剤である。固形の薬剤としては、錠剤、丸剤およびカプセル剤などが挙げられる。包装対象物は、固形の薬剤に限られない。包装対象物は、粉粒状の薬剤であってもよい。粉粒状の薬剤としては、散剤および顆粒剤などが挙げられる。さらに包装対象物は、半固形の薬剤であってもよく、または、液状の薬剤であってもよい。
【0017】
包装装置1は、処方箋に基づいて薬剤を包装するための薬剤分包装置である。処方箋は、医師が患者に交付するものである。処方箋には、患者情報および薬剤情報が記載されている。患者情報は、患者の氏名および年齢を含む。薬剤情報は、薬名、分量、用法および用量を含む。このような処方箋に基づいて薬剤を1回の服用分ずつ包装(分包)するために、包装装置1が用いられる。
【0018】
包装装置1は、包材搬送部8を備えている。包材搬送部8は、包材2に駆動力を作用し、包材2を搬送する。包材2は、長尺シート状である。包材2は、この包材2の長手方向に搬送される。包材2は、包材ロール3から送り出される。包材ロール3は、包材2がロール状に巻回されたものである。図1中の矢印は、包材2の搬送方向DRを示す。以下、包材2の搬送方向DRを単に「搬送方向DR」という。搬送方向DRの上流(包材ロール3に近い側)を単に「上流」という。搬送方向DRの下流(包材ロール3から離れる側)を単に「下流」という。
【0019】
包装装置1は、印刷部4と、薬剤供給部5と、収容部形成部6と、をさらに備えている。搬送方向DRの上流から下流に向けて、印刷部4、薬剤供給部5、収容部形成部6の順に並んでいる。印刷部4は、包材搬送部8によって搬送される包材2に、所定の情報を印刷して、当該情報を包材2に書き込む。所定の情報は、薬剤に関連する情報である。印刷部4は、実施形態における情報書込部に相当する。
【0020】
薬剤供給部5は、包材搬送部8によって搬送される包材2に、薬剤を供給する。薬剤は、処方箋に基づいて1回の服用分ずつ供給される。収容部形成部6は、包材搬送部8によって搬送される包材2を用いて、収容部を形成する。収容部には、薬剤が収容される。収容部形成部6は、薬剤供給部5から薬剤が供給された後に、包材2を熱融着して、包装対象物が内部に収容された包装物を形成する。実施形態における包装物は、薬剤が内部に収容された分包袋である。分包袋の内部に、収容部が形成されている。
【0021】
包装装置1は、ミシン目形成部7をさらに備えている。ミシン目形成部7は、収容部形成部6に設けられている。ミシン目形成部7は、包材搬送部8によって搬送される包材2に、搬送方向DRに直交する方向に延びるミシン目を形成する。ミシン目は、複数の細孔が包材2の短手方向に連続して並んだものである。
【0022】
このような包装装置1では、収容部形成部6とミシン目形成部7と包材搬送部8とによって、包装部9が構成されている。
【0023】
図2は、図1に示す包装装置1における、薬剤供給部5および収容部形成部6の概略斜視図である。
【0024】
薬剤供給部5が薬剤100を包材2に供給する薬剤供給位置では、包材2が、この包材2の短手方向の中心線に沿って二つ折りされている。包材2は、互いに向き合う第1シート片2Xと第2シート片2Yとを含み、第1シート片2Xと第2シート片2Yとは、包材2の短手方向中央部2bを介してつながっている。第1シート片2Xは、包材2の短手方向縁部2a1を含む。第2シート片2Yは、包材2の短手方向縁部2a2を含む。包材2の短手方向縁部2a1,2a2は、包材2の短手方向中央部2bよりも上方に位置し、しかも互いに離れている。これによって包材2には、上方に臨む開口2cが形成されている。
【0025】
包材2は、予め二つ折りされていてもよい。この場合、予め二つ折りされた包材2がロール状に巻回された包材ロール3から、二つ折りされた包材2が送り出される。
【0026】
または包材2は、搬送経路の途中で二つ折りされてもよい。この場合、包材2は、二つ折りされることなく、ロール状に巻回される。このようにして製造された包材ロール3から、包材2が送り出される。包材2を二つ折りするための機構が、薬剤供給位置よりも上流に設けられる。包材ロール3から送り出された包材2は、薬剤供給位置よりも上流で、二つ折りされる。
【0027】
薬剤供給部5は、図示しない供給部本体と、ホッパ51とを有している。供給部本体は、薬剤100を供給する。ホッパ51は、供給部本体から供給された薬剤100を包材2に導く。ホッパ51は、その先端に、薬剤100を包材2に投入する薬剤投入口52を有している。薬剤投入口52は、二つ折りされた包材2の内側に入り込み、第1シート片2Xと第2シート片2Yとの間に配置されている。供給部本体から供給された薬剤100は、ホッパ51によって導かれることで、包材2の開口2cを通過して、二つ折りされた包材2の内側に入る。
【0028】
収容部形成部6は、加熱部材61と、受け部材62と、加圧モータ65とを有している。加熱部材61には、ヒータ61a(後述する図4参照)が内蔵されている。受け部材62は、加熱部材61を受ける部材である。加熱部材61および受け部材62は、包材2を間に挟んで、対向して配置されている。加圧モータ65は、加熱部材61および受け部材62を駆動する。加圧モータ65により駆動された加熱部材61および受け部材62は、包材2を両側から加圧したり、包材2から離隔したりする。
【0029】
加熱部材61および受け部材62は、各々、略T字状である。加熱部材61および受け部材62は、各々、長手方向部分63と、短手方向部分64と、を有している。長手方向部分63は、T字の横棒部分を構成しており、包材2の長手方向に延びている。長手方向部分63は、搬送方向DRに延びている。短手方向部分64は、T字の縦棒部分を構成しており、包材2の短手方向に延びている。短手方向部分64は、搬送方向DRに直交する方向に延びている。加熱部材61の長手方向部分63と受け部材62の長手方向部分63とは、包材2を間に挟んで、対向して配置されている。加熱部材61の短手方向部分64と受け部材62の短手方向部分64とは、包材2を間に挟んで、対向して配置されている。
【0030】
このような収容部形成部6では、加熱部材61がヒータ61aによって加熱される。この状態で、加熱部材61および受け部材62が、包材2を両側から加圧する。これによって包材2には、長手方向融着部23および短手方向融着部24が形成される。長手方向融着部23は、加熱部材61の長手方向部分63と受け部材62の長手方向部分63とに挟まれた包材2の一部分が熱融着することで形成される。長手方向融着部23は、包材2の開口2cを塞ぐ。短手方向融着部24は、加熱部材61の短手方向部分64と受け部材62の短手方向部分64とに挟まれた包材2の一部分が熱融着することで形成される。短手方向融着部24は、包材2の内側を、下流側と上流側とに仕切る。
【0031】
これにより、二つ折りされた包材2の折り目と、長手方向融着部23と、搬送方向DRに並ぶ2つの短手方向融着部24とによって包材2が区画され、包装物21が形成される。短手方向融着部24は、包材2の長手方向に隣り合う包装物21の境界を形成している。包装物21の内部には、収容部22が形成されており、薬剤100は収容部22内に収容されている。収容部形成部6は、包装対象物である薬剤を、一包装分ずつ包装している。
【0032】
ミシン目形成部7は、受け部材62の短手方向部分64に設けられている。ミシン目形成部7は、受け部材62の短手方向部分64の幅方向中央部に位置している。ミシン目形成部7は、包材2の短手方向に延びている。
【0033】
ミシン目形成部7は、加熱部材61および受け部材62が包材2を両側から加圧するときに、包材2に押し付けられる。ミシン目形成部7の刃先が受け部材62から突出して包材2を厚み方向に貫通することによって、包材2にミシン目25が形成される。ミシン目形成部7は、加熱部材61および受け部材62と同じく加圧モータ65により駆動されて、受け部材62に対して相対移動する。ミシン目25は、短手方向融着部24の幅方向中央部に形成される。ミシン目25に沿って包材2を切り裂くことで、隣り合う包装物21が容易に分離される。
【0034】
ミシン目形成部7は、受け部材62に設けられなくてもよい。たとえば、収容部形成部6よりも下流に配置されたミシン目形成部7が、既に形成された短手方向融着部24の幅方向中央部にミシン目25を形成する構成としてもよい。
【0035】
包材搬送部8は、一対の搬送ローラ81と、包材搬送モータ82とを有している。一対の搬送ローラ81は、包材2を間に挟んで、対向して配置されている。包材搬送モータ82は、一対の搬送ローラ81を回転駆動する。包材搬送モータ82が一対の搬送ローラ81を回転駆動することで、包材2が搬送される。
【0036】
このような包装部9(図1)では、包材搬送部8が包材2を間欠的に搬送する。包材2の搬送を停止しているときに、加熱部材61および受け部材62が、包材2を両側から加圧する。このときに、ミシン目形成部7が包材2に押し付けられる。これによって包材2には、長手方向融着部23が、包材2の長手方向に連なるように形成され、また短手方向融着部24が、包材2の長手方向に一定の間隔で形成され、さらにミシン目25が、包材2の長手方向に一定の間隔で形成される。このようにして包材2の長手方向に、複数の包装物21が形成される。
【0037】
包装物21は、包材2の長手方向に隣り合う短手方向融着部24の間の部分であり、包材2の長手方向に隣り合うミシン目25の間の部分である。短手方向融着部24は、包材2の長手方向に隣り合う包装物21の境界となる。加熱部材61の短手方向部分64と受け部材62の短手方向部分64とは、搬送方向DRに並ぶ包装物21の境界を形成する境界形成部としての機能を有している。
【0038】
ここでは、搬送方向DRに隣り合う短手方向融着部24の各々の幅方向中央部間の長さを、搬送方向DRにおける包装物21の幅Wという。幅Wは、包材2の長手方向に隣り合うミシン目25の間の長さを示している。
【0039】
<印刷部4の構成>
図3は、図1に示す包装装置1における、印刷部4の概略構成図である。
【0040】
印刷部4は、印刷ヘッドであるサーマルヘッド41を用いて、インクリボン45のインクを包材2上に熱転写させる。
【0041】
印刷部4は、サーマルヘッド41と、プラテンローラ44と、を有している。サーマルヘッド41は、複数の発熱素子を有している。プラテンローラ44は、包材2を支える。サーマルヘッド41およびプラテンローラ44は、インクリボン45および包材2を間に挟んで、対向して配置されている。
【0042】
印刷部4は、ヘッド接離モータ42と、ヘッド移動モータ43とを、さらに有している。ヘッド接離モータ42は、サーマルヘッド41を、包材2の厚み方向(図3中の上下方向)に往復移動させ、圧接位置と離隔位置とに移動させる。圧接位置は、サーマルヘッド41がインクリボン45および包材2を介してプラテンローラ44に圧接する位置である。離隔位置は、サーマルヘッド41がプラテンローラ44から離隔する位置である。ヘッド移動部であるヘッド移動モータ43は、サーマルヘッド41およびプラテンローラ44を、包材2の搬送方向DR(図3中の左右方向)に往復移動させる。
【0043】
印刷部4は、リボン供給軸46と、リボン巻取軸47と、ガイドローラ48,49と、リボン搬送モータ47aと、をさらに有している。リボン供給軸46は、インクリボン45を供給する。リボン巻取軸47は、インクリボン45を巻き取る。ガイドローラ48,49は、リボン供給軸46とリボン巻取軸47との間に設けられ、インクリボン45を案内する。リボン搬送モータ47aは、リボン巻取軸47を回転駆動する。
【0044】
リボン搬送モータ47aがリボン巻取軸47を回転駆動することで、インクリボン45がリボン供給軸46からリボン巻取軸47に向かって、その長手方向に搬送される。インクリボン45の搬送方向と包材2の搬送方向DRとは、互いに平行であり、いずれも図3中の左右方向である。
【0045】
このような印刷部4では、サーマルヘッド41を圧接位置に移動させる。この状態で、サーマルヘッドを包材2の搬送経路に沿って移動させる。このとき、サーマルヘッドの複数の発熱素子を、選択的に発熱させる。これによって、包装対象物である薬剤100に関連する所定の情報が、インクリボン45を用いて包材2に一包装分ずつ印刷される。
【0046】
<包装装置1の電気的構成>
図4は、実施形態に係る包装装置1の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、包装装置1は、操作部91と、全体制御部90と、を備えている。
【0047】
操作部91は、包装装置1を操作する操作者によって操作される。操作者によって操作部91が操作されることで、包装装置1の包装動作に必要な情報が、全体制御部90に入力される。包装装置1の包装動作に必要な情報としては、処方箋に基づく処方データおよび種々の設定情報が挙げられる。設定情報としては、包装物21の幅Wの寸法および印刷内容などが挙げられる。包装装置1の包装動作に必要な情報は、外部のコンピュータから全体制御部90に入力されてもよい。
【0048】
操作部91は、入力された処方データに基づいて、印刷部4において包材2に印刷される印刷データを生成する。操作部91は、生成した印刷データを、全体制御部90に入力する。全体制御部90が印刷データを生成してもよく、または外部で生成された印刷データが操作部91に入力されてもよい。
【0049】
全体制御部90は、包装装置1の包装動作に必要な情報に基づいて、包装装置1全体の動作を制御する。全体制御部90は、薬剤供給部5、包装部9および印刷部4を制御する。
【0050】
全体制御部90は、薬剤供給部5に制御信号を送信し、薬剤供給部5が供給すべき薬剤100の種類および数量を指令する。全体制御部90は、包装物21の搬送方向DRにおける幅Wが所定の値となるように、包装部9に制御信号を送信する。幅Wは、たとえば操作部91を介して入力された値であってもよく、または、薬剤100の種類および数量に基づいて全体制御部90が設定した値であってもよい。
【0051】
包装部9は、包装制御部96を有している。包装制御部96は、全体制御部90からの制御信号に基づいて、ヒータ61a、加圧モータ65および包材搬送モータ82を制御する。これらヒータ61a、加圧モータ65および包材搬送モータ82が適宜駆動および停止することにより、包材2の包装が行なわれる。
【0052】
全体制御部90は、操作部91で生成された印刷データに基づいて包材2への印刷が実行されるように、印刷部4に制御信号を送信する。印刷部4は、印刷制御部94を有している。印刷制御部94は、全体制御部90からの制御信号に基づいて、サーマルヘッド41、ヘッド接離モータ42、ヘッド移動モータ43およびリボン搬送モータ47aを制御する。サーマルヘッド41が有する発熱素子、ヘッド接離モータ42、ヘッド移動モータ43、およびリボン搬送モータ47aが適宜駆動および停止することにより、包材2に薬剤100に関連する情報が印刷される。
【0053】
<分包袋>
図5は、情報が書き込まれた分包袋を表側から見た図である。図6は、情報が書き込まれた分包袋を裏側から見た図である。図5,6に示される包装物21は、所定の種類および数量の薬剤が内部に収容された分包袋である。
【0054】
包装物21は、第1袋片21X(図5)と第2袋片21Y(図6)とを有している。包装物21は、図2に示される包材2が隣り合うミシン目25に沿って切り裂かれて分離されたものである。第1袋片21Xは、図2に示される第1シート片2Xの一部分である。第2袋片21Yは、図2に示される第2シート片2Yの一部分である。
【0055】
包材2の一部分が二つ折りされた一方が第1袋片21Xを構成し、二つ折りされた他方が第2袋片21Yを構成している。重なって配置された第1袋片21Xと第2袋片21Yとの縁部分が熱溶着されており、これにより、第1袋片21Xと第2袋片21Yとの間に収容部22(図2)が形成されている。この収容部22内に、薬剤100が収容されている。
【0056】
第1袋片21Xには、情報110が印刷されている。情報110は、包装物21に収容されている薬剤100に関連する情報である。情報110は、情報を文字で表した文字情報111と、情報を二次元コードで表したコード化情報120とを含んでいる。文字情報111は、薬剤100が投与される患者名112、包装物21に収容されている薬剤名113、および包装物21に収容されている薬剤100の数量114を含んでいる。
【0057】
包装物21に複数種類の薬剤100が収容されている場合、文字情報111は、複数の薬剤名113および複数の数量114を含んでもよい。文字情報111は、入院患者の病室およびベッドの識別情報、薬剤100を服用すべき日時などの、他の情報を含んでもよい。
【0058】
コード化情報120は、薬剤100が投与される患者に関する情報を含んでいる。図5に示されるコード化情報120は、情報を白色および黒色のセルで縦横モザイク状に表示したマトリクス型二次元コードであるが、この例に限られるものではない。コード化情報120は、一次元コードを縦に積み重ねた構造を持つスタック型二次元コードであってもよい。コード化情報120は、色情報が一定パターンに配列されたカラーコードであってもよい。コード化情報120は、二次元コードに限られず、バーコードなどの一次元コードであってもよい。
【0059】
図5に示されるように、文字情報111は、左右反転した鏡文字で印刷されている。一方、コード化情報120は、左右反転せずに印刷されている。
【0060】
第1袋片21Xには、単色の背景27が、たとえばグラビア印刷法を用いて、印刷されている。背景27は、典型的には白色である。文字情報111およびコード化情報120は、背景27に重なって配置されている。背景27は、予め包材2に印刷されていてもよい。この場合、包材ロール3(図1)は、予め背景27が印刷された包材2が巻回されて形成される。したがって、印刷部4(図3)において、背景27が予め印刷されている領域に、文字情報111およびコード化情報120が印刷される。
【0061】
第2袋片21Yには、情報110は印刷されていない。第2袋片21Yには、背景27は印刷されていない。情報110および背景27は、包装物21を構成する第1袋片21Xと第2袋片21Yとのうち、第1袋片21Xにのみ印刷されており、第2袋片21Yには印刷されていない。
【0062】
第2袋片21Yは、包装物21の内部の収容部22および第1袋片21Xを視認可能に構成されている。典型的には、第2袋片21Yは、セロファンなどの透明材料で形成されている。収容部22に収容されている薬剤100と、第1袋片21Xに印刷されている文字情報111およびコード化情報120とは、第2袋片21Yを透かして視認可能である。したがって図6には、第2袋片21Yを透かして見える薬剤100および情報110が図示されている。
【0063】
第1袋片21Xに鏡文字で印刷された文字情報111は、第2袋片21Y側から見ると、左右反転していない正常な文字として読み取りが可能である。第2袋片21Y側から包装物21を見て、薬剤100と、薬剤名113および数量114とを容易に視認可能である。一方、コード化情報120は、第1袋片21X側から包装物21を見たときに左右反転していない正常な配置として示されるので、第1袋片21X側からコードリーダーを用いて適切に読み取られる。
【0064】
図7は、情報が書き込まれた他の例の分包袋を表側から見た図である。図7に示す包装物21においては、図5と比較して文字情報111が天地逆に配置されている。したがって、図7に示される文字情報111は、正常な文字が左右反転しさらに天地逆転した態様で、印刷されている。これに対し、図7に示されるコード化情報120は、図5に示される情報110を全体的に天地逆にした場合にコード化情報が配置される位置と同じ位置に配置されているが、コード化情報120自体は天地逆にはされていない。したがって、図5図7とには、配置のみが変更された同じコード化情報120が図示されている。
【0065】
さらに他の例としては、図5と比較して、情報110が全体的に天地逆に配置されてもよい。すなわち、図5と比較して、情報110が全体的に180°回転されてもよい。また、図5と比較して、情報110が全体的に、右に90°回転されてもよく、あるいは、左に90°回転されてもよい。
【0066】
<情報110の印刷方法>
図5,6に示される情報110を包材2に印刷する方法について、以下に説明する。図8は、包材2に情報を書き込む処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
図8に示されるように、まずステップS1において、ベースデータ200Bを作成する。図9は、ベースデータ200Bを模式的に示す図である。ベースデータ200Bは、操作部91(図4)に入力される処方データに基づいて、操作部91によって作成される。
【0068】
ベースデータ200Bは、包材2に印刷される文字情報111に対応する文字情報211と、包材2に印刷されるコード化情報120に対応するコード化情報220とを含んでいる。文字情報211とコード化情報220とは、印刷データ210を構成している。
【0069】
印刷データ210は、包装対象物である薬剤100に関連する情報を含んでいる。文字情報211は、薬剤100が投与される患者名を示す患者名データ212、包装物21に収容される薬剤100の名称を示す薬剤名データ213、および、包装物21に収容される薬剤100の数量を示す数量データ214とを含んでいる。コード化情報220は、薬剤100が投与される患者に関する情報を含んでいる。
【0070】
図9に示される文字情報211は、左右反転していない正常な文字である。一方、コード化情報220は、左右反転されている。ベースデータ200Bは、左右反転していない文字情報211と、左右反転されたコード化情報220とが適切な位置にレイアウトされて、作成されている。
【0071】
図8に戻って、次にステップS2において、反転データ200Rを作成する。図10は、反転データ200Rを模式的に示す図である。反転データ200Rは、図9に示されるベースデータ200Bを全体として左右反転することにより、作成される。したがって反転データ200Rにおいては、文字情報211は左右反転した鏡文字となる。一方、コード化情報220は、反転データ200Rにおいては、左右反転していない正常な配置となる。
【0072】
次にステップS3において、反転データ200Rを包材2に印刷する。図11は、反転データ200Rを包材2に書き込む処理を模式的に示す斜視図である。印刷部4(図3)は、包材搬送部8による包材2の搬送が停止されている間に、反転データ200Rを包材2に印刷する。包材2には、第1シート片2X(図2)に予め背景27が印刷されており、反転データ200Rは背景27に重なって印刷される。これにより、図11に示される、背景27に重なって文字情報111およびコード化情報120が印刷された包材2が作成される。
【0073】
そして、処理を終了する(図8の「終了」)。
<作用および効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0074】
本実施形態の包装装置1は、図1に示されるように、包装部9と、印刷部4とを備えている。包装部9は、図2に示されるように、包材2から、薬剤100が収容された包装物21を形成する。印刷部4は、包材2に、薬剤に関連する情報を印刷する。図5に示されるように、薬剤100に関連する情報は、情報を文字で表した文字情報111と、情報を二次元コードで表したコード化情報120とを含んでいる。文字情報111は、左右反転した鏡文字で印刷されている。コード化情報120は、左右反転せずに印刷されている。
【0075】
薬剤師は、包装物21に正しく薬剤100が収容されているか否かを確認する際に、包装物21に印刷されている文字情報111を目視するとともに、包装物21に収容されている薬剤100を目視する。包装物21は第1袋片21Xと第2袋片21Yとを有し、第1袋片21Xに文字情報111が印刷されている。
【0076】
薬剤100を目視するには、文字情報111の印刷されていない第2袋片21Y側から目視する方が、文字情報111が薬剤100に重なって目視の妨げとなることがないため、好ましい。第2袋片21Y側から薬剤100を目視する場合、文字情報111を第1袋片21X側から目視しなければならないのであれば、薬剤師は、包装物21を反転させる動作を何度も繰り返すことになる。そのため、包装物21に正しく薬剤100が収容されているか否かを確認する作業が煩わしくなる。
【0077】
第1袋片21Xに印刷されている文字情報111を左右反転した鏡文字にすることで、文字情報111を第2袋片21Y側から目視したとき、左右反転していない正規の文字として文字情報111を見ることができる。第2袋片21Y側から見たときに文字情報111を容易に読める構成とすることで、第2袋片21Y側から包装物21を見て、実際に収容されている薬剤100と文字情報111とを容易に照合することが可能になる。包装物21を反転させる動作が不要になるため、正しく薬剤100が収容されているかの確認作業を容易に行なうことができる。
【0078】
第1袋片21Xにはまた、コード化情報120が印刷されている。第1袋片21Xに印刷されているコード化情報120を第2袋片21Y側から読み取ろうとすると、包装物21に収容されている薬剤100がコード化情報120に重なって読み取りの妨げとなったり、第2袋片21Yにおいて反射が生じるために、コード化情報120をうまく読み取れないことがある。コード化情報120を読み取るには、第1袋片21X側から読み取るほうが好ましい。
【0079】
コード化情報120が第1袋片21Xに左右反転せずに印刷されているので、第1袋片21X側からコード化情報120を容易かつ確実に読み取ることができる。薬剤100を患者に供給する看護師は、包装物21に印刷されたコード化情報120と、患者に装着されているリストバンドに付されたバーコードとを照合することで、誤った薬剤を患者に与えてしまうことを防止することができる。
【0080】
文字情報111とコード化情報120との両方を第1袋片21Xに印刷し、第2袋片21Yには印刷しない構成とすることで、図3に示されるように包材2の片側のみにサーマルヘッド41を配置する構成で、必要な情報110を不足無く包材2に印刷することができる。したがって、印刷部4の装置の構造を簡略化することができる。
【0081】
図7に示されるように、文字情報111は、左右反転した鏡文字をさらに天地逆にした文字として、包材2に印刷されてもよい。分包を完了した後の包装物21を包装装置1から取り出すときに文字情報111をより見やすいように、文字情報111の配置および向きを適宜調整することが可能である。一方、図7においても、コード化情報120は左右反転しておらず、天地逆にもされていない。これにより、包装物21の第1袋片21X側からコード化情報120を容易に読み取れる構成が、確保されている。
【0082】
図5に示されるように、文字情報111は、包装物21に収容される薬剤名113および数量114を含んでいる。薬剤師は、包装物21に実際に収容されている薬剤100と、薬剤名113および数量114とを照合することにより、正しく薬剤100が収容されているか否かを容易に確認することができる。
【0083】
図5に示されるように、第1袋片21Xにはまた、背景27が印刷されている。コード化情報120は、単色の背景27に重なって配置されている。第1袋片21X側から包装物21を見たとき、背景27によって、包装物21の中の薬剤100、および第2袋片21Yが見えなくなる。薬剤100または第2袋片21Yの向こう側に存在する事物によってコード化情報120の読み取りが妨げられることがなく、コード化情報120を確実に読み取ることができる。第1袋片21Xと第2袋片21Yとのうち、第1袋片21Xのみに背景27を印刷し、第2袋片21Yを透明のままとすることで、包装物21に収容された薬剤100を第2袋片21Y側から確実に視認可能とすることができる。
【0084】
本実施形態の、薬剤100に関連する情報を包材2に印刷する方法は、図8に示されるように、ベースデータ200Bを作成するステップS1と、反転データ200Rを作成するステップS2と、反転データ200Rを包材2に印刷するステップとを備えている。図9に示されるように、ベースデータ200Bは、左右反転していない文字情報211と、左右反転されたコード化情報220とをレイアウトしたものである。図10に示されるように、反転データ200Rは、ベースデータ200Bを左右反転したものである。
【0085】
このように印刷することで、文字情報111が左右反転した鏡文字で印刷され、コード化情報120が左右反転せずに印刷された、図5に示される包装物21を確実に実現することができる。文字情報111のみを左右反転させて反転データ200Rを作成しようとすると、左右反転した文字情報111とコード化情報120とが重なることがあり、作業が煩雑となる。ベースデータ200Bを全体として左右反転させて反転データ200Rを作成することにより、文字情報111とコード化情報120との重なりが発生することがなく、意図したレイアウトに文字情報111とコード化情報120とを確実に配置することができる。
【0086】
これまでの実施形態の説明においては、図5に示されるように、文字情報111とコード化情報120との両方が、背景27に重なって印刷されている例について説明した。コード化情報120は、容易に読み取り可能とするために単色の背景27に重なって配置されるのが望ましい。一方、文字情報111は、必ずしも背景27に重なって配置されなくてもよい。したがって、文字情報111の一部または全部が、背景27に重ならない位置に印刷されてもよい。
【0087】
実施形態の説明においては、図4を参照して、サーマルヘッド41を用いてインクを包材2上に熱転写させて、薬剤100に関連する情報110を包材2に印刷する例について説明した。情報110は、熱転写による印刷に限られず、他の任意の印刷方法で包材2に印刷されてもよい。または情報110は、印刷以外の態様で包材2に書き込みされてもよい。
【0088】
以上のように本発明の実施形態について説明を行なったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 包装装置、2 包材、2X 第1シート片、2Y 第2シート片、2a1,2a2 短手方向縁部、2b 短手方向中央部、2c 開口、3 包材ロール、4 印刷部、5 供給部、6 収容部形成部、7 ミシン目形成部、8 包材搬送部、9 包装部、21 包装物、21X 第1袋片、21Y 第2袋片、22 収容部、23 長手方向融着部、24 短手方向融着部、25 ミシン目、27 背景、41 サーマルヘッド、51 ホッパ、52 投入口、81 搬送ローラ、82 包材搬送モータ、90 全体制御部、91 操作部、94 印刷制御部、96 包装制御部、100 薬剤、110 情報、111,211 文字情報、112 患者名、113 薬剤名、114 数量、120,220 コード化情報、200B ベースデータ、200R 反転データ、210 印刷データ、212 患者名データ、213 薬剤名データ、214 数量データ、DR 搬送方向。
図1
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