【解決手段】船舶用のトリムタブ制御システム31は、トリムタブ7と、コントローラ33とを備える。トリムタブは、船体3に揺動可能に配置される。コントローラ33は、船舶1の動作状態を示す動作状態データに基づいて、タブ本体47が着水時機でないと判断した場合にタブ本体47を第1揺動速度V1で揺動させ、タブ本体47が着水時機であると判断した場合に、タブ本体47を、第1揺動速度V1より小さい第2揺動速度V2で揺動させる。
前記コントローラは、前記トリムタブが着水した時点からの経過時間と、前記トリムタブに作用する水圧とが比例関係になるように、前記トリムタブの移動速度を前記第2揺動速度に制御する、
請求項1に記載の船舶用のトリムタブ制御システム。
前記コントローラは、前記船体の姿勢を示す姿勢データ、船速を示す船速データ、及び前記トリムタブの位置を示すタブ位置データの少なくともいずれか1つに基づいて、前記トリムタブの移動速度を前記第2揺動速度に制御する、
請求項2に記載の船舶用のトリムタブ制御システム。
前記コントローラは、前記船体の姿勢を調整するために前記トリムタブが水に向かって揺動する場合に、前記動作状態データに基づいて、前記トリムタブの着水前に前記着水時機を取得する、
請求項1に記載の船舶用のトリムタブ制御システム。
前記コントローラは、前記船体の姿勢を調整するために前記トリムタブが水に向かって揺動する場合に、前記動作状態データに基づいて、前記トリムタブの着水時を前記着水時機として認識する、
請求項1に記載の船舶用のトリムタブ制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
船舶1は、船体3と、少なくとも1つのトリムタブ7とを、備える。詳細には、船舶1は、船体3と、推進機5と、複数(例えば1対)のトリムタブ7とを、備える。船舶1は、トリムタブ制御システム31を備える。
【0010】
ここでは、推進機5が1機である場合の例を示すが、推進機5は複数であってもよい。また、トリムタブ7の数は、1個であっても、3個以上であってもよい。
【0011】
なお、以下の説明において、前後左右上下の各方向は、船体3の前後左右上下の各方向を意味する。例えば、
図1に示すように、船体3の前後方向に延びる中心線C1は、船体3の重心Gを通過する。前後方向は、中心線C1に沿う方向である。前方は、
図1の中心線C1に沿って上側に向かう方向である。後方は、
図1の中心線C1に沿って下側に向かう方向である。
【0012】
左右方向(幅方向)は、
図1の中心線C1に垂直な方向である。左方は、
図1の中心線C1に垂直に左側に向かう方向である。右方は、
図1の中心線C1に垂直に右側に向かう方向である。鉛直方向は、前後方向及び左右方向に垂直な方向である。
【0013】
(推進機の構成)
図2に示すように、推進機5は、船外機である。推進機5は、船体3を推進させる推進力を、発生する。推進機5は、船体3の船尾に取り付けられる。例えば、推進機5は、1対のトリムタブ7の間に配置される。
【0014】
推進機5は、エンジン9と、ドライブ軸10と、プロペラ軸11と、シフト機構13と、エンジンカバー15と、ハウジング17と、ブラケット29とを、含む。
【0015】
エンジン9は、船体3に推進力を作用させるためのものである。エンジン9は、船体3の推進力を生み出す動力源である。本実施形態では、動力源としてエンジン9が用いられる場合の例を示すが、動力源としてモータを用いてもよい。エンジン9は、エンジンカバー15内に配置される。エンジン9は、クランク軸21を含む。クランク軸21は、鉛直方向に延びる。
【0016】
ドライブ軸10は、クランク軸21に接続される。ドライブ軸10は、エンジン9から下方に延びる。プロペラ軸11は、ドライブ軸10と交差する方向に延びる。ここでは、プロペラ軸11は、前後方向に延びる。プロペラ軸11は、シフト機構13を介して、ドライブ軸10に接続される。プロペラ軸11には、プロペラ23が接続される。
【0017】
ハウジング17は、エンジンカバー15の下方に配置される。ドライブ軸10と、プロペラ軸11と、シフト機構13とは、ハウジング17内に配置される。シフト機構13は、シフト部材25を介して、シフトアクチュエータ27によって駆動される。シフト機構13は、ドライブ軸10からプロペラ軸11へ伝達される動力の回転方向を切り換える。これにより、プロペラ23の回転方向が前進方向又は後進方向に切り換えられる。
【0018】
ブラケット29は、推進機5を船体3に取り付けるためのものである。推進機5は、ブラケット29を介して、船舶1の船尾に着脱可能に固定される。ブラケット29は、ステアリング軸30を含む。推進機5は、ステアリング軸30を中心に回動可能にブラケット29に支持される。
【0019】
(トリムタブの構成)
図1に示すように、1対のトリムタブ7は、船体3の後部に取り付けられる。例えば、1対のトリムタブ7それぞれは、船体3の後部に揺動可能に取り付けられる。詳細には、1対のトリムタブ7は、推進機5の左右において、船体3の後部に揺動可能に取り付けられる。1対のトリムタブ7それぞれは、揺動軸心C2まわり揺動可能に船体3の後部に取り付けられる。
【0020】
図3に示すように、各トリムタブ7は、トリムアクチュエータ34と、タブ本体47とを、有する。
【0021】
各トリムアクチュエータ34は、各タブ本体47を船体3に対して揺動させるためのものである。各トリムアクチュエータ34は、各タブ本体47及び船体3の間において、各タブ本体47及び船体3それぞれに取り付けられる。
【0022】
各タブ本体47は、船体3の後部に揺動可能に取り付けられる。例えば、各タブ本体47の基端部は、船体3の後部に揺動軸心C2まわりに揺動可能に取り付けられる。各トリムアクチュエータ34の作動時に、各タブ本体47は揺動方向Rに揺動する。
【0023】
なお、
図3に示すように、揺動方向Rは上記の揺動軸心C2を基準として定義される。本実施形態では、揺動軸心C2は、中心線C1に直交する方向に延びている。例えば、揺動軸心C2は左右方向に延びている。揺動軸心C2は、ステアリング軸30に交差するように斜めに延びていてもよい。
【0024】
以下では、各タブ本体47が船体3から離れる方向に揺動する場合、例えば、船体3から水面に向けて揺動する場合において、各タブ本体47の揺動方向を第1揺動方向R1と記す。各タブ本体47が船体3に近づく方向に揺動する場合、例えば水面(水中)から船体3に向けて揺動する場合において、各タブ本体47の揺動方向を第2揺動方向R2と記す。"揺動方向R"は、第1揺動方向R1及び第2揺動方向R2を含む文言として用いられる。
【0025】
(トリムタブ制御システムの構成)
船舶1は、トリムタブ制御システム31を搭載する。
図4に示すように、トリムタブ制御システム31は、トリムタブ7と、コントローラ33とを、備える。トリムタブ制御システム31は、船速センサ35と、回転検知センサ37と、姿勢センサ39とを、備える。
【0026】
各トリムタブ7は、上述したように、トリムアクチュエータ34と、タブ本体47とを、有する。各トリムアクチュエータ34は、コントローラ33によって制御される。各トリムアクチュエータ34の作動によって、各タブ本体47は揺動する。各トリムアクチュエータ34は、油圧式のアクチュエータであっても、電動式のアクチュエータであってもよい。
【0027】
トリムアクチュエータ34の作動中には、トリムアクチュエータ34の作動量に対応する作動量データが、後述するメモリ33bに記録される。例えば、トリムアクチュエータ34が油圧式のアクチュエータである場合、ピストンの作動量に対応する作動量データが、メモリ33bに記録される。トリムアクチュエータ34が電動式のアクチュエータである場合、ロッドの作動量及び/又はモータの回転量に対応する作動量データが、メモリ33bに記録される。
【0028】
コントローラ33は、プロセッサ33aとメモリ33bとを含む。プロセッサ33aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ33aは、メモリ33bに記録されたプログラムに従って、各装置及び各センサを制御するための処理を実行する。例えば、プロセッサ33aは、メモリ33bに記録されたプログラムに基づいて、各トリムアクチュエータ34を制御するための処理を、実行する。なお、以下では、“コントローラ33が実行する処理”に関する記載は、“プロセッサ33aが実行する処理”と解釈してもよい。
【0029】
メモリ33bは、RAM等の揮発性メモリを含む。メモリ33bは、ROM等の不揮発性メモリを含む。メモリ33bは、各装置及び各センサを制御するためのプログラム及びデータを、記憶する。例えば、メモリ33bは、各トリムアクチュエータ34を制御するためのプログラム及びデータを、記憶する。
【0030】
なお、コントローラ33は、ハードディスク及び/又はSSD等の補助記憶装置を、含んでもよい。また、図示しないハードディスク及び/又はSSD等の外部記憶装置(図示しない)を、コントローラ33に接続してもよい。
【0031】
例えば、メモリ33bは、船舶1の動作状態を示す動作状態データを、記憶する。具体的には、メモリ33bは、動作状態データを時系列データとして、記録する。動作状態データは、船体3の船速を示す船速データ、船体3の姿勢を示す姿勢データ、及びエンジン9の回転数を示す回転数データの少なくともいずれか1つを、含む。本実施形態では、動作状態データは、船速データ、姿勢データ、及び回転数データを含む場合の例が、示される。
【0032】
また、動作状態データは、船体3に対するタブ本体47の位置を示すタブ位置データを、さらに含む。タブ位置データは、タブ位置センサ40(
図4を参照)によって検出される。タブ位置センサ40は、船体3に装着される。詳細には、タブ位置センサ40は、タブ本体47に対向するように船体3に装着される。
【0033】
タブ位置データは、トリムアクチュエータ34の作動量データに基づいてコントローラ33によって算出されてもよい。タブ位置センサ40は、タブ本体47の位置を示すタブ位置データを、コントローラ33に出力する。
【0034】
なお、動作状態データは、タブ本体47の第1揺動速度V1(後述する)を、含んでいてもよい。
【0035】
メモリ33bは、タブ本体47の着水前に着水時機を設定するための着水判断データを、記録する。着水判断データは、第1条件データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データ)と着水時機との対応関係を、示す。着水判断データは、例えばテーブルデータ又はマップデータ等によって、構成される。
【0036】
例えば、着水判断データには、第1条件データに対応するフラグが、定義されている。フラグは、タブ本体47が着水時機でないことを示す第1フラグ(例えば0)と、タブ本体47が着水時機であることを示す第2フラグ(例えば1)とを、含む。
【0037】
コントローラ33が取得した動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データ)を、着水判断データにおける第1条件データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データ)と比較することによって、第1フラグ又は第2フラグが決定される。
【0038】
メモリ33bは、タブ本体47の第2揺動速度V2(後述する)を設定するための速度設定データを、記録する。速度設定データは、第2条件データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)とタブ本体47の第2揺動速度V2との対応関係を、示す。速度設定データは、例えばテーブルデータ又はマップデータ等によって、構成される。
【0039】
コントローラ33が取得した動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データ)を、速度設定データにおける第2条件データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)と比較することによって、タブ本体47の第2揺動速度V2が決定される。
【0040】
メモリ33bは、姿勢データ及び各タブ本体47の目標タブ位置の関係を示す第1テーブルデータを、記録する。第1テーブルデータは、船舶1の姿勢を調整するための目標タブ位置を設定するためのものである。
【0041】
メモリ33bは、着水判断データに基づいて設定される各タブ本体47の揺動速度を、記録する。揺動速度Vは、第1揺動速度V1と、第1揺動速度V1より小さい第2揺動速度V2とを、含む(
図5Cを参照)。第1揺動速度V1及び第2揺動速度V2は、動作状態データ(船速データ、姿勢データ、回転数データ、タブ位置データ)に基づいて設定されることが好ましい。
【0042】
具体的には、第1揺動速度V1及び第2揺動速度V2は、船体3の船速、船体3の姿勢、エンジン9の回転数、及びタブ本体47のタブ位置の少なくともいずれか1つに基づいて、変更されることが好ましい。なお、第1揺動速度V1及び第2揺動速度V2それぞれは、タブ本体47の平均揺動速度と解釈してもよい。
【0043】
メモリ33bは、タブ本体47の着水時を判断するための閾値を、記録する。閾値は、動作状態データ(船速データ、姿勢データ、回転数データ)に基づいて設定されることが好ましい。具体的には、閾値は、船体3の船速、船体3の姿勢、及びエンジン9の回転数それぞれに対して、個別に所定の値に設定されることが好ましい。
【0044】
この場合、メモリ33bは、動作状態データ(船速データ、姿勢データ、回転数データ)及び閾値の関係を示す第2テーブルデータを、記録する。第2テーブルデータは、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データそれぞれに対応する閾値を、定義する。
【0045】
船速センサ35は、船体3の船速を示す船速データを、検出する。船速センサ35は、船体3に取り付けられる。船速センサ35は、例えばGPS受信ユニットである。船速センサ35は、船体位置の時系列データをGPS衛星から受信する。GPSは、Global Positioning Systemの略語である。GPS受信ユニットは、船体位置の時系列データを用いて船速データを算出し、船速データをコントローラ33に出力する。船速データは、メモリ33bに記録される。なお、GPS受信ユニットが船体位置の時系列データをコントローラ33に出力し、コントローラ33が船速データを算出してもよい。
【0046】
回転検知センサ37は、エンジン9の回転数を示す回転数データを、検出する。例えば、回転検知センサ37は、クランク軸21の回転数を示す回転数データを、検出する。回転検知センサ37は、クランク軸21に対向するように、エンジンに取り付けられる。回転検知センサ37は、回転数データをコントローラ33に出力する。回転数データは、時系列データとしてメモリ33bに記録される。回転検知センサ37は、電磁センサであっても、光学センサであってもよい。
【0047】
姿勢センサ39は、船体3の姿勢を示す姿勢データを、検出する。姿勢センサ39は、船体3に取り付けられる。例えば、姿勢センサ39はジャイロセンサである。姿勢データは、ロール軸まわりのロールデータ、ピッチ軸まわりのピッチデータ、及びヨー軸まわりのヨーデータを、含む。姿勢センサは、姿勢データをコントローラ33に出力する。姿勢データは、時系列データとしてメモリ33bに記録される。なお、姿勢センサ39は、加速度センサ等の他のセンサであってもよい。
【0048】
−コンローラの制御−
コントローラ33は、各トリムアクチュエータ34を制御することによって、各タブ本体47を動作させる。例えば、コントローラ33は、各トリムアクチュエータ34を制御することによって、各タブ本体47の揺動速度Vを設定する。揺動速度Vは、第1揺動速度V1及び第2揺動速度V2を含む。コントローラ33は、第1揺動速度V1を、メモリ33bに記録された所定の揺動速度に、設定する。
【0049】
コントローラ33は、タブ本体47が着水した時点からの経過時間と、タブ本体47に作用する水圧とが比例関係になるように、第2揺動速度V2を設定することが好ましい。
詳細には、コントローラ33は、タブ本体47が着水してから経過した時間と、タブ本体47に作用する鉛直方向力とが比例関係になるように、第2揺動速度V2を設定することが好ましい。なお、鉛直方向力は、略鉛直方向力もよい。
【0050】
この場合、コントローラ33は、動作状態データ(姿勢データ、船速データ、タブ位置データ)に基づいて、第2揺動速度V2を設定する。具体的には、コントローラ33は、速度設定データに基づいて、動作状態データ(姿勢データ、船速データ、タブ位置データ)に対応する第2揺動速度V2を、設定する。
【0051】
本実施形態では、コントローラ33は、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)に基づいて、第2揺動速度V2を設定する。この場合、コントローラ33は、速度設定データに基づいて、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)に対応する第2揺動速度V2を、設定する。
【0052】
なお、速度設定データでは、タブ本体47が着水した時点からの経過時間と、タブ本体47に作用する水圧とが比例関係になるように、第2揺動速度V2が定義されている。
【0053】
コントローラ33は、タブ位置データに基づいて、船体3に対する現状のタブ本体47の位置を認識する。コントローラ33は、タブ位置データに基づいて、船体3に対する現状のタブ本体47の位置を認識してもよい。この場合、コントローラ33は、タブ位置データに基づいて、現状のタブ本体47のタブ位置データを、算出する。コントローラ33は、タブ位置データによって、現状のタブ本体47の位置を認識する。
【0054】
コントローラ33は、姿勢センサ39から姿勢データを取得する。コントローラ33は、姿勢データに基づいて各トリムアクチュエータ34を作動させる。例えば、コントローラ33は、姿勢データに基づいて各タブ本体47の目標タブ位置を設定し、各トリムアクチュエータ34を目標タブ位置に向けて作動させる。
【0055】
本実施形態では、タブ本体47の先端部が最も上方に位置した場合のタブ位置が、基準タブ位置例えば0(度)に、設定されている。この基準タブ位置を基準として、目標タブ位置が設定される。なお、“タブ位置”及び“目標タブ位置”は、“タブ位置データ”及び“目標タブ角度”と解釈してもよい。
【0056】
コントローラ33は、船速センサ35から船速データを取得する。コントローラ33は、姿勢センサ39から姿勢データを取得する。コントローラ33は、回転検知センサ37から回転数データを取得する。コントローラ33は、タブ位置データを取得する。
【0057】
コントローラ33は、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データに基づいて各トリムアクチュエータ34を作動させる。例えば、コントローラ33は、着水判断データに基づいて、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データに対応するフラグ(第1フラグ又は第2フラグ)を、認識する。
【0058】
コントローラ33は、第1フラグを認識した場合、各タブ本体47を第1揺動速度V1で揺動させる。詳細には、コントローラ33は、各タブ本体47が第1揺動速度V1で揺動するように、各トリムアクチュエータ34を作動させる。
【0059】
コントローラ33は、第2フラグを認識した場合、各タブ本体47を第2揺動速度V2で揺動させる。例えば、コントローラ33は、各タブ本体47の着水時を含む所定の時間範囲において、各タブ本体47を第2揺動速度で揺動させる。詳細には、コントローラ33は、第2フラグを認識した場合、上記の所定の時間範囲において各タブ本体47が第2揺動速度V2で揺動するように、各トリムアクチュエータ34を作動させる。
【0060】
コントローラ33は、船体3の姿勢を調整するために1対のタブ本体47の少なくともいずれか一方が水に向かって揺動する場合に、動作状態データに基づいて、タブ本体47の着水前に着水時機を設定する。
【0061】
例えば、コントローラ33は、タブ本体47を水に向かって揺動させる場合に、船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データの少なくともいずれか1つに基づいて、タブ本体47の着水時機を推定する。
【0062】
ここでは、コントローラ33は、船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データに基づいて、タブ本体47の着水時機を推定する。例えば、コントローラ33は、メモリ33bに記録された着水判断データ(テーブルデータ又はマップデータ)に基づいて、タブ本体47の着水時機を設定定する。
【0063】
コントローラ33は、着水判断データを参照し、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データに対応するフラグが、第1フラグである場合、タブ本体47が着水時機であると認識する。一方で、コントローラ33は、着水判断データを参照し、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データに対応するフラグが、第2フラグである場合、タブ本体47が着水時機でないと認識する。
【0064】
コントローラ33は、船体3の姿勢を調整するために1対のタブ本体47の少なくともいずれか一方が水に向かって揺動する場合に、動作状態データに基づいて着水時を認識する。例えば、コントローラ33は、タブ本体47を水に向かって揺動させる場合に、船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データの少なくともいずれか1つに基づいて、タブ本体47の着水時を認識する。
【0065】
具体的には、
図5A及び
図5Bに示すように、タブ本体47の着水前後において、船速データ、回転数データ、及び姿勢データそれぞれが変化する。なお、
図5A及び
図5Bは、説明を容易にするために、船速が一定である状態でタブ本体が着水する場合の例を示している。
図5A及び
図5Bでは、タブ本体47の着水時刻を“to”と記している。
【0066】
例えば、
図5Aに示すように、タブ本体47が着水するまでの間(T<to)では、船速データは第1データ値D1で安定している。タブ本体47が着水した後(T≧to)、例えばタブ本体47の着水直後では、船速データが、第1データ値D1から低下している。すなわち、第1データ値D1を基準として、船速データは大きく変化する。
【0067】
同様に、タブ本体47が着水するまでの間(T<to)では、回転数データは第2データ値D2で安定している。タブ本体47が着水した後(T≧to)、例えばタブ本体47の着水直後では、回転数データが、第2データ値D2から低下している。すなわち、第2データ値D2を基準として、回転数データは大きく変化する。
【0068】
同様に、
図5Bに示すように、タブ本体47が着水するまでの間(T<to)では、姿勢データは第3データ値D3で安定している。タブ本体47が着水した後(T≧to)、例えばタブ本体47の着水直後では、姿勢データが、第3データ値D3から低下している。すなわち、第3データ値D3を基準として、姿勢データは大きく変化する。
【0069】
このように、タブ本体47の着水前後において、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ)の変化量は異なる。このため、動作状態データの変化量を、コントローラ33に監視させることによって、タブ本体47の着水時をコントローラ33に認識させることができる。また、タブ本体47のタブ位置(現状のタブ位置)が所定のタブ位置である場合に、タブ本体47が着水すると想定すると、現状のタブ位置によってタブ本体47の着水時をコントローラ33に認識させることができる。
【0070】
コントローラ33は、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ)の時系列データに基づいて、動作状態データの変化量を算出する。例えば、
図5A及び
図5Bに示す動作状態データの時系列データにおいて、動作状態データの傾きK1,K2,K3の絶対値|K1|,|K2|,|K3|が、動作状態データの変化量として用いられる。
【0071】
なお、
図5A及び
図5Bに示すように、動作状態データの傾きK1,K2,K3は、負の傾きを有しているので、動作状態データの変化量を絶対値によって評価している。
【0072】
ここで、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|は、所定の時間範囲における動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|の平均値を用いることが好ましい。例えば、水面状態の変化によって、タブ本体47が瞬間的に着水するおそれがある。この場合、タブ本体47が着水時であると、コントローラ33が判断するおそれがある。しかし、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|の平均値を、動作状態データの変化量として用いることによって、着水時を好適に推定することができる。
【0073】
コントローラ33は、動作状態データに基づいて、閾値を設定する。例えば、コントローラ33は、第2テーブルデータに基づいて、動作状態データ(船速データ、姿勢データ、回転数データ、タブ位置データ)それぞれに対応する閾値を、設定する。
【0074】
コントローラ33は、第2テーブルデータに基づいて、船舶1の船速及びエンジン9の回転数に応じて閾値を変更することが好ましい。例えば、
図5Aに示す、船速データの第1データ値D1及び/又は回転数データの第2データ値D2に応じて、コントローラ33は閾値を変更することが好ましい。
図5Bに示す姿勢データの第3データ値D3に応じて、コントローラ33が閾値を変更してもよい。
【0075】
また、コントローラ33は、第2テーブルデータに基づいて、タブ本体47のタブ位置に応じて閾値を変更することが好ましい。
図5A及び
図5Bに示すように、タブ位置によってタブ本体47の着水時機を推定することができるので、第2テーブルデータには、タブ位置に対応する着水時機、例えば減速開始時刻ts及び着水時刻toが、定義されている。
【0076】
コントローラ33は、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|に基づいてタブ本体47の着水時を判断する。例えば、コントローラ33は、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が閾値未満である場合に、タブ本体47が未着水であると判断する。一方で、コントローラ33が、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が閾値以上である場合、タブ本体47が着水したと判断する。
【0077】
ここで用いられる動作状態データの変化量は、船速データの変化量|K1|、回転数データの変化量|K2|、及び姿勢データの変化量|K3|の少なくともいずれか1つであればよい。
【0078】
(トリムタブ制御システムの処理形態)
図6A〜
図6Cは、トリムタブ制御システム31の処理を示すフローチャートである。コントローラ33は、船舶1の動作状態を常に監視している(S1)。例えば、コントローラ33は、動作状態データ、例えば船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データの少なくとも1つを、取得する。本実施形態では、コントローラ33は、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データを、取得する。
【0079】
これにより、コントローラ33は、船舶1の船速、船舶1の姿勢、エンジン9の回転数、及びタブ本体47の角度を、認識する。動作状態データ、例えば船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データは、時系列データとしてメモリ33bに記録される。
【0080】
コントローラ33は、動作状態データに基づいて、閾値を設定する(S2)。例えば、コントローラ33は、第2テーブルデータに基づいて、動作状態データ(船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データ)に対応する閾値を、設定する。
【0081】
コントローラ33は、姿勢データに基づいて、船体3の姿勢を調整する必要があるか否かを、判断する(S3)。例えば、コントローラ33は、姿勢データに基づいて、タブ本体47を作動させる必要があるか否かを判断する。具体的には、コントローラ33は、ロールデータ、ピッチデータ、及びヨーデータのいずれか1つの変化量が、メモリ33bに記憶された所定値を越えた場合に、タブ本体47を作動させる必要があると判断する。
【0082】
ここで、コントローラ33が船体3の姿勢を調整する必要があると判断した場合(S3でYes)、コントローラ33は、姿勢データに基づいて、作動対象のトリムアクチュエータ34を決定する。また、コントローラ33は、姿勢データに基づいて、タブ本体47の目標タブ位置を設定する(S4)。さらに、コントローラ33は、タブ本体47の揺動速度Vを第1揺動速度V1に設定する(S5)。
【0083】
コントローラ33は、タブ本体47が第1揺動速度V1で目標タブ位置の位置に向けて作動するように、トリムアクチュエータ34に対して作動開始信号を出力する。これにより、タブ本体47は第1揺動方向R1に向けて第1揺動速度V1で作動し始める(S6)。一方で、コントローラ33が船体3の姿勢を調整する必要がないと判断した場合(S3でNo)、コントローラ33は、ステップ3(S3)の処理を続行する。
【0084】
トリムアクチュエータ34が第1揺動速度V1で作動している状態において、コントローラ33は、動作状態データに基づいてタブ本体47が着水時機であるか否かを判断する(S7)。
【0085】
例えば、コントローラ33は、動作状態データが所定の条件を満足したか否かを、判断する。例えば、コントローラ33は、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データが所定の条件を満足したか否かを、判断する。
【0086】
詳細には、コントローラ33は、船速データ、姿勢データ、及び回転数データそれぞれの時系列データを用いて、船速データ、姿勢データ、及び回転数データそれぞれの平均値を、所定の時間間隔で算出する。コントローラ33は、船速データ、姿勢データ、及び回転数データそれぞれの平均値と、現状のタブ位置データとが、所定の条件を満足したか否かを、判断する。
【0087】
動作状態データが所定の条件を満足したか否かの判断、例えば上記のデータが所定の条件を満足したか否かの判断は、上述した着水判断データに基づいて、行われる。
【0088】
例えば、上記の着水判断データは、メモリ33bに記録されたテーブルデータを、含んでいる。テーブルデータは、第1条件データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データ)と、タブ本体47が着水時機であるか否かを示すフラグとの対応関係を、示す。
【0089】
コントローラ33は、テーブルデータを参照し、現状の船速データ、現状の姿勢データ、現状の回転数データ、及び現状のタブ位置データと、第1条件データとを比較する。この比較によって、コントローラ33は、タブ本体47が着水時機であるか否かを判断する。
【0090】
なお、ここでは、第1条件データが、船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データを含む場合の例を示すが、第1条件データは、船速データ、回転数データ、姿勢データ、及びタブ位置データの少なくともいずれか1つを含んでいればよい。
【0091】
動作状態データが所定の条件を満足していないと判断された場合(S7でNo)、コントローラ33はタブ本体47が着水時機ではないと判断する。この場合、コントローラ33は、各タブ本体47が第1揺動速度V1で作動するように、トリムアクチュエータ34に対して作動信号を出力する。すなわち、コントローラ33は、タブ本体47の揺動速度Vが第1揺動速度V1で維持されるように、トリムアクチュエータ34を作動させる。これにより、タブ本体47は第1揺動速度V1で揺動する(S8)。この場合、コントローラ33は、ステップ7(S7)の処理を続行する。
【0092】
一方で、動作状態データが所定の条件を満足したと判断された場合(S7でYes)、コントローラ33はタブ本体47が着水時機であると判断する。また、コントローラ33は、タブ本体47が着水時機であると判断した時刻を、減速開始時刻tsとしてメモリ33bに記録する。
【0093】
この場合、コントローラ33は、各タブ本体47が第2揺動速度V2で作動するように、トリムアクチュエータ34に対して作動信号を出力する。すなわち、コントローラ33は、タブ本体47の揺動速度Vが第1揺動速度V1より遅くなるように、トリムアクチュエータ34を作動させる。これにより、タブ本体47は第2揺動速度V2で揺動する(S9)。このように、本実施形態では、タブ本体47が着水する前に、タブ本体47の揺動速度Vが第2揺動速度V2に変更される。
【0094】
ここで、第2揺動速度V2は、上記の「コンローラの制御」に記したように設定される。例えば、コントローラ33は、速度設定データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)を参照し、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)に対応する第2揺動速度V2を、設定する。
【0095】
コントローラ33は、動作状態データに基づいてタブ本体47が実際に着水したか否かを、判断する(S10)。タブ本体47が実際に着水したか否かは、例えば、船舶1の姿勢変化及び船速変化の少なくともいずれか一方に対応する変化量に基づいて、判断される。
【0096】
タブ本体47が実際に着水したか否かは、例えば、船舶1の姿勢変化、船速変化、及びエンジン9の回転数変化の少なくともいずれか1つに対応する変化量に基づいて、判断されることが好ましい。本実施形態では、タブ本体47が実際に着水したか否かは、例えば、船舶1の姿勢変化、船速変化、及びエンジン9の回転数変化それぞれに対応する変化量に基づいて、判断される。
【0097】
例えば、所定時間内の船の傾きの変化量が第1閾値以上であった場合は、タブ本体47が着水したと判断される。この理由は、タブ本体47の着水時には、タブ本体47に作用する水圧によって船舶1の姿勢が急に変化するためである。
【0098】
また、所定時間内の船舶1の減速量が第2閾値以上であった場合は、タブ本体47が着水したと判断される。この理由は、タブ本体47の着水時には、タブ本体47に作用する水圧によって船舶1が急に減速するためである。
【0099】
さらに、所定時間内のエンジン9の回転数の低下量が第3閾値以上であった場合は、タブ本体47が着水したと判断される。この理由は、タブ本体47の着水時には、タブ本体47に作用する水圧によってエンジン9の回転数が急に低下するためである。
【0100】
具体的には、コントローラ33は、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|それぞれが上記の閾値未満であるか否かを、判断する。なお、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|の少なくとも1つが上記の閾値未満であるか否かを判断してもよい。
【0101】
ここで、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が上記の閾値以上であると判断された場合(S10でYes)、コントローラ33は、タブ本体47が着水したと判断する。動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が上記の閾値以上であると判断した時点は、着水時刻toに対応する。この場合、コントローラ33は、ステップ11(S11)の処理を実行する。
【0102】
一方で、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が上記の閾値未満であると判断された場合(S10でNo)、コントローラ33は、タブ本体47が未着水であると判断する。この場合、コントローラ33は、タブ本体47が着水するまでステップ10(S10)の処理を実行する。
【0103】
コントローラ33は、着水時刻toから所定の時間td1が経過したか否かを判断する(S11)。所定の時間td1は、メモリ33bに記録される。
【0104】
コントローラ33は、所定の時間td1が経過したと判断した場合(S11でYes)、各タブ本体47が第1揺動速度V1で作動するように、トリムアクチュエータ34に対して作動信号を出力する。すなわち、コントローラ33は、タブ本体47の揺動速度Vが第1揺動速度V1に復帰するように、トリムアクチュエータ34を作動させる。これにより、タブ本体47は、
図5Cの減速終了時刻te(=to+td1)から、第1揺動速度V1で再び揺動する(S12)。
【0105】
一方で、コントローラ33は、所定の時間td1が経過していないと判断した場合(S11でNo)、コントローラ33はステップ11(S11)の処理を続行する。
【0106】
コントローラ33は、タブ本体47のタブ位置が目標タブ位置に到達したか否かを判断する(S13)。例えば、コントローラ33は、トリムアクチュエータ34の作動量データに基づいて、タブ本体47のタブ位置が目標タブ位置に到達したか否かを判断する。コントローラ33は、タブ位置データに基づいて、タブ本体47のタブ位置が目標タブ位置に到達したか否かを判断してもよい。
【0107】
ここで、コントローラ33は、タブ本体47のタブ位置が目標タブ位置に到達したと判断した場合(S13でYes)、トリムアクチュエータ34の作動を停止する。すなわち、タブ本体47の作動が停止する(S14)。一方で、コントローラ33は、タブ本体47のタブ位置が目標タブ位置に未到達であると判断した場合(S13でNo)、トリムアクチュエータ34の作動を続行し、ステップ13(S13)の処理を実行する。
【0108】
上述したように、トリムタブ制御システム31では、動作状態データに基づいてタブ本体47の着水時機が推定される。タブ本体47の着水時機である場合、タブ本体47の揺動速度Vが、第1揺動速度V1から第2揺動速度V2(<第1揺動速度V1)へと変更される。これにより、タブ本体47が着水した際のリフト力の増加を、低減することができる。すなわち、タブ本体47の作動中に、船体3の姿勢を安定的に変更することができる。
【0109】
<変形例>
上記のトリムタブ制御システム31は、以下のように構成してもよい。
【0110】
(A1)前記実施形態では、タブ本体47の着水時機を判断するために、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データが、動作状態データとして用いられた。これに代えて、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データの全てを用いることなく、船速データ、姿勢データ、回転数データ、及びタブ位置データの少なくとも1つを用いて、タブ本体47の着水時機を判断してもよい。このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0111】
(A2)前記実施形態では、コントローラ33が現状のタブ位置データをトリムアクチュエータ34の作動量データに基づいて認識する場合の例が、示された。これに代えて、現状のタブ位置データは、船速データ及び姿勢データに基づいて推定されてもよい。
【0112】
この場合、メモリ33bは、船速データ及び姿勢データと、タブ位置データとの関係を示す第3テーブルデータを、記憶する。第3テーブルデータは、タブ位置データを、船速データ及び姿勢データに基づいて推定するためのものである。
【0113】
コントローラ33は、現状の船速データ及び現状の姿勢データに基づいて、現状のタブ位置データを、推定する。例えば、コントローラ33は、第3テーブルデータを参照することによって、現状の船速データ及び現状の姿勢データに対応する現状のタブ位置データを、認識する。
【0114】
このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0115】
(A3)前記実施形態では、着水時刻toを基準として、ステップ12(S12)においてタブ本体47の揺動速度Vを第1揺動速度V1に復帰させる場合の例が、示された。
【0116】
これに代えて、
図7に示すように、減速開始時刻ts(着水時機を設定した時点)を基準として所定の時間td2が経過した後に、ステップ12(S12)においてタブ本体47の揺動速度Vを第1揺動速度V1に復帰させてもよい。
【0117】
この場合、ステップ10(S10)の処理が省略され、ステップ11(S11)の処理が行われる。ステップ11(S11)では、コントローラ33は、減速開始時刻tsを基準として所定の時間td2が経過したか否かを、判断する。この後の処理は、前記実施形態と同じである。
【0118】
このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0119】
(A4)前記実施形態では、
図5Cに示すように第2揺動速度V2が一定である場合の例が示されたが、第2揺動速度V2が第1揺動速度V1より小さければ、第2揺動速度V2は変化させてもよい。
【0120】
例えば、
図8Aに示すようにタブ本体47の先端部が湾曲しているような場合、
図8Bに示すように第2揺動速度V2を変化させることが好ましい。この場合、第2揺動速度V2は、減速開始時刻tsから着水時刻toに向けて徐々に低下する。その後、第2揺動速度V2は、第2揺動速度V2は、着水時刻toから時間が経過するにつれて、徐々に第1揺動速度V1に向けて増加する。
【0121】
第2揺動速度V2の制御は、コントローラ33によって実行される。この場合、上記のステップ10,11,12(S10,S11,S12)の処理は省略される。コントローラ33は、上記のステップ9(S9)において、減速開始時刻tsを基準として、
図8Bに示すようにタブ本体47の第2揺動速度V2を制御する。
【0122】
ここでは、上記の「コンローラの制御」に記したように、タブ本体47が着水してから経過した時間と、タブ本体47に作用する水圧とが比例関係になるように、コントローラ33は第2揺動速度V2を設定する。
【0123】
例えば、コントローラ33は、上記の比例関係を満足する速度設定データに基づいて、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)に対応する第2揺動速度V2を、設定する。
【0124】
また、コントローラ33は、メモリ33bに記録された速度制御関数に基づいて、タブ本体47の第2揺動速度V2を制御してもよい。この場合、速度制御関数は、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ、タブ位置データ)を変数として有し、この変数に対応する第2揺動速度V2を、導出する。
【0125】
このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
<他の実施形態>
上記のトリムタブ制御システム31は、以下のように構成してもよい。
【0126】
(B1)前記実施形態では、タブ本体47の着水前にタブ本体47の揺動速度Vが第2揺動速度V2に変更される場合の例が、示された。これに代えて、船体3の姿勢を調整するためにタブ本体47が水に向かって揺動する場合に、タブ本体47が着水した時に、タブ本体47の揺動速度Vが第2揺動速度V2に変更されてもよい。
【0127】
この場合、まず、コントローラ33は、前記実施形態のステップ1(S1)〜ステップ6(S6)の処理を、前記実施形態と同様に実行する(
図6Aを参照)。次に、
図9に示すように、コントローラ33は、動作状態データに基づいてタブ本体47が着水したか否かを、判断する(S7a)。動作状態データは、例えば、船速データ及び姿勢データを含む。本実施形態では、動作状態データは、回転数データをさらに含む。
【0128】
具体的には、前記実施形態と同様に、コントローラ33は、動作状態データ(船速データ、回転数データ、姿勢データ)の時系列データに基づいて、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|を算出する。コントローラ33は、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が閾値未満であるか否かを、判断する。このステップ7a(S7a)の処理は、前記実施形態のステップ10(S10)と同様に行われる。
【0129】
ここで、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が閾値未満である場合(S7aでNo)、コントローラ33は、タブ本体47が未着水である判断する。この場合、コントローラ33は、タブ本体47を第1揺動速度V1で揺動させる(S8a)。
【0130】
一方で、動作状態データの変化量|K1|,|K2|,|K3|が閾値以上である場合(S7aでNo)、コントローラ33は、タブ本体47が着水時であると判断する。この場合、コントローラ33は、コントローラ33は、タブ本体47を第2揺動速度V2で揺動させる(S9a)。
【0131】
続いて、コントローラ33は、着水時刻toから所定の時間td1が経過したか否かを判断する(S10a)。ここで、コントローラ33は、所定の時間td1が経過したと判断した場合(S10aでYes)、タブ本体47の揺動速度Vを第1揺動速度V1に復帰させる(S11a)。一方で、コントローラ33は、所定の時間td1が経過していないと判断した場合(S10aでNo)、ステップ10a(S10a)の処理を続行する。
【0132】
なお、ステップ10a(S10a)及びステップ11a(S11a)の処理は、前記実施形態のステップ11(11)及びステップ12(S12)の処理と同様に行われる。
【0133】
ステップ11aの処理が実行された後は、コントローラ33は、前記実施形態のステップ13(S13)〜ステップ14(S14)の処理を、前記実施形態と同様に実行する(
図6Cを参照)。
【0134】
このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0135】
(B2)前記実施形態の動作状態データは、歪みセンサ50によって検出された歪みデータを、含んでいてもよい。また、前記実施形態の動作状態データは、荷重センサ51によって検出された荷重データを、含んでいてもよい。
【0136】
動作状態データが歪みデータを含む場合、
図10Aに示すように、トリムタブ制御システム31は、タブ本体47の歪みを検出するための歪みセンサ50を、含む。歪みセンサ50は、タブ本体47に設けられる。歪みセンサ50は、例えば歪みゲージである。歪みセンサ50は、タブ本体47の歪みを示す歪みデータをコントローラ33に出力する。
【0137】
また、動作状態データが荷重データを含む場合、
図10Aに示すように、トリムタブ制御システム31は、トリムタブ7から船体3に伝達される荷重を検出するための荷重センサ51を、含む。荷重センサ51は、船体3及びトリムタブ7の間に配置される。詳細には、荷重センサ51は、船体3及びトリムアクチュエータ34の間に配置される。荷重センサ51は、トリムアクチュエータ34から船体3に伝達される荷重を検出する。荷重センサ51は、検出荷重を示す荷重データをコントローラ33に出力する。
【0138】
動作状態データが歪みデータを含む場合、及び/又は動作状態データが荷重データを含む場合、コントローラ33は、上記のステップ7a(S7a)において、歪みデータ及び/又は荷重データに基づいて、タブ本体47が着水時であるか否かを判断する。
【0139】
タブ本体47の着水前後では、歪みデータ及び荷重データの時系列データは、
図5A及び
図5Bの場合と同様に、変化する。このため、コントローラ33は、歪みデータ及び/又は荷重データの時系列データに基づいて、タブ本体47が着水したか否かを判断することができる。
【0140】
ここでは、例えば、コントローラ33は、歪みデータの変化量及び/又は荷重データの変化量が、閾値未満であるか否かを判断する。各変化量は、前記実施形態と同様に算出される。この場合、歪みデータの変化量及び/又は荷重データの変化量が閾値未満である場合、コントローラ33は、タブ本体47が未着水であると判断する。一方で、歪みデータの変化量及び/又は荷重データの変化量が閾値以上である場合、コントローラ33は、タブ本体47が着水時であると判断する。
【0141】
このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0142】
(B3)前記実施形態のトリムアクチュエータ34が油圧式のアクチュエータ又は電動式のアクチュエータである場合、以下のように着水時機の判断を行ってもよい。
【0143】
トリムアクチュエータ34が油圧式のアクチュエータである場合、
図10Bに示すように、トリムアクチュエータ34は、作動油の圧力を検出する油圧センサ60を、有する。動作状態データは、油圧センサ60によって検出された圧力データを、含む。油圧センサ60は、圧力データをコントローラ33に出力する。
【0144】
また、トリムアクチュエータ34が電動式のアクチュエータである場合、
図10Bに示すように、トリムアクチュエータ34は、アクチュエータ用のモータに作用する負荷を検出する負荷センサ61を、有する。動作状態データは、負荷センサ61によって検出された負荷データを、含む。負荷センサ61は、負荷データをコントローラ33に出力する。
【0145】
動作状態データが圧力データ含む場合、及び/又は動作状態データが負荷データを含む場合、コントローラ33は、上記のステップ7a(S7a)において、圧力データ及び/又は負荷データに基づいて、タブ本体47が着水時機であるか否かを判断する。
【0146】
タブ本体47の着水前後では、圧力データ及び負荷データの時系列データは、
図5A及び
図5Bの場合と同様に、変化する。このため、コントローラ33は、圧力データ及び/又は負荷データの時系列データに基づいてタブ本体47が着水したか否かを、判断することができる。
ここでは、例えば、コントローラ33は、圧力データの変化量及び/又は負荷データの変化量が、閾値未満であるか否かを判断する。各変化量は、前記実施形態と同様に算出される。この場合、圧力データの変化量及び/又は負荷データの変化量が閾値未満である場合、コントローラ33は、タブ本体47が未着水であると判断する。一方で、圧力データの変化量及び/又は負荷データの変化量が閾値以上である場合、コントローラ33は、タブ本体47が着水時であると判断する。
【0147】
このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0148】
(B4)前記実施形態のステップ10(S10)では、船速データの変化量、回転数データの変化量、及び姿勢データの変化量に基づいて、タブ本体47の着水時が判断される場合の例が、示された。これに代えて、(B2)の歪みデータの変化量及び/又は及び荷重データの変化量を用いて、ステップ10(S10)のタブ本体47の着水時の判断を、行ってもよい。また、(B3)の圧力データの変化量及び/又は負荷データの変化量を用いて、ステップ10(S10)のタブ本体47の着水時の判断を、行ってもよい。
【0149】
このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。