【実施例1】
【0020】
(概略)
図1は本発明の実施例である角型の化粧箱A1の天板を開けた図である。なお、本例では、
図1に示す向きに、上下左右前後を指すものとする。
図1に示すように、本例は、それぞれ矩形の天板14と後面側板13と底板12と前面側板11と左右にそれぞれ配置される2つの可動側板16、16とを備える。加えて、矩形の押え板15を備える。
可動側板16は、前面側板11の支持手段18と後面側板13の支持手段18を結ぶ仮想回転軸Arに対して回動可能に接続されている。可動側板16の回動に応じて、箱状態と平面状態とを選択することができる。
本例の化粧箱A1は、後述のように、台紙をくるみ紙で包んで貼り合わせた複数の本体ブランクa110、a120、a120を、留め具を支持手段18として回動可能に組み付けたものである。
なお、箱として完成された立体状の化粧箱A1を
図6に示す。また、この化粧箱A1を折り畳んだ平面状の化粧箱(化粧箱キット)A1(a1)を
図4に示す。
【0021】
(くるみ紙によるブランク)
第2図に示すように、各板材となる台紙のセットを作成する。本例では、
図2(a)と同図(b)で示すように、2種類の台紙のセットを用意する。
図2(a)で示すセットは、本体ブランクa110を製造するものであり、同図(b)で示すセットはブランクa120を示すものである。
【0022】
(本体ブランクa110と側板ブランクa120)
本体ブランクa110は、それぞれの台紙11a、12a、13a、14a、15aを主要要素とする。また、側板ブランクa120は、同様に台紙16a、17aを主要要素とする。台紙11a、13a、17aは、可動側板部16aが前面側板部11aと後面側板部13aを差し渡すように、本体ブランクa110に対し各側板ブランクa120を回動自在に組み付けて支持する留め具(支持手段)18が貫通するための孔hがそれぞれ形成されている。
【0023】
(ブランクの作成;くるみ紙で包む)
これらの台紙をくるみ紙で包んで接着してブランクを作成することができる。たとえば、ひとまとまりの台紙をその寸法に合わせて裁断した1枚のくるみ紙に接着し、さらにもう1枚のくるみ紙で包んだ後に接着して、
図3に示すように一体化した本体ブランクa110及び側板ブランクa120を製造することができる。
【0024】
(接続部)
くるみ紙に接着するときに
図2(a)、(b)のように各台紙(各板部)の間の間隔を調整する。この間隔は、完成した箱に組み立てたときに、折り曲げ個所となる接続部mになるところであり、所望の箱の形状となるように適宜調整する。なお、後述のように台紙11a、13a、17aは、孔hが存するが、くるみ紙で包まれた場合もその孔の個所はくるみ紙を必要に応じて取り除いて貫通孔となるようにすればよい。
本体ブランクa110の各台紙11a、12a、13a、14a、15a及び側板ブランクa120の各台紙16a、17aは、それぞれこの調整した間隔の個所で他の台紙と接続する接続部mとなり、この接続部mで折り曲げが可能である。各台紙間の接続は、組み立てて化粧箱A1となる際にそれぞれの接続部mで少なくともほぼ直角に折り曲げることができる。
【0025】
(くるみ紙)
くるみ紙で包む手法は、特に本例のような美粧性の高い箱を製作する場合に用いられる。くるみ紙の絵柄や手触りなどの属性を任意に選択することができるため、くるみ紙によって美粧性の高い箱のバリエーションを豊かにすることができる。
【0026】
くるみ紙で包んでブランクを製造すると、中間製造品のブランクをあらかじめ製造することができる。ブランクであると、箱を組み立てる場所へ輸送する際に省スペースを実現でき、また、組み立ての前に在庫として保管する際も省スペースを実現することができる。
【0027】
(本体ブランク及び側板ブランクの各板部)
本体ブランクa110は、それぞれ矩形形状である前面側板部11aと底板部12aと後面側板部13aと天板部14aが接続部mを介して互いに回動可能に一連にくるみ紙に包まれて接続されている。側板ブランクa120は、矩形形状である可動側板部16aの両端にそれぞれ支持板部17aが接続部mを介して回動可能に一連にくるみ紙に包まれて接続されている。
【0028】
(前面側板)
本体ブランクa110の前面側板11は、前面側板部11aが他の板12a、13a、14a、15aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された箱A1では、前面側の側板となる。くるみ紙は本体ブランクa110の全体を包んでおり、前面側板11は、接続部mを介して後述の底板12に連なっている。なお、前面側板11は底板12と接続部mで折り曲げ可能である。
【0029】
(底板)
本体ブランクa110の底板12は、底板部12aが他の板部11a、13a、14a、15aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された箱A1では、箱底となる。くるみ紙は本体ブランクa110の全体を包んでおり、底板12は接続部mを介して後述の後面側板13と連なっている。なお、底板12は後面側板13と接続部mで折り曲げ可能である。
【0030】
(後面側板)
本体ブランクa110の後面側板13は、後面側板部13aが他の板部11a、12a、14a、15aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された箱A1では、後面側の側板となる。くるみ紙は本体ブランクa110の全体を包んでおり、後面側板13は、接続部mを介して後述の天板14に連なっている。なお、後面側板13は天板14と接続部mで折り曲げ可能である。
後面側板部13aは、前面側板部11aと同じ大きさで、化粧箱A11が組み立てられたときの後面側板13は前面側板11と相対する位置になる。
【0031】
(天板)
本体ブランクa110の天板14は、天板部14aが他の板部11a、12a、13a、15aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された箱A1では、箱の開口部を覆う蓋となる。くるみ紙は本体ブランクa110の全体を包んでおり、天板14は接続部mを介して後述の押え板15に連なっている。なお、天板14は押え板15と接続部mで折り曲げ可能である。
天板部14aは、底板部12aと同じ大きさで、化粧箱A1が組み立てられたときの天板14は底板12と相対する位置になる。
【0032】
(押え板)
本体ブランクa110の押え板15は、押え板部15aが他の板部11a、12a、13a、14aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された箱A1では、前面側板11の前面で重なって蓋を押える押え板となる。くるみ紙は本体ブランクa110の全体を包んでいる。
押え板15は、化粧箱A1が組み立てられたときにその内部に物品が収納できるよう天板14を閉めて閉空間を作る。
【0033】
(可動側板)
次に、側板ブランクa120の可動側板16は、可動側板部16aが他の板部17a、17aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された箱A1では、右側側面と左側側面の側板となる。くるみ紙は側板ブランクa120の全体を包んでおり、可動側板16は、その前後に接続部mを介して後述の支持板17と連なっている。なお、可動側板16は支持板17と接続部mで折り曲げ可能であり、接続部mを軸として回動させることができる。
【0034】
(支持板)
側板ブランクa120の2つの支持板17、17は、2つの支持板部17aが他の板部16aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された箱A1では、前面側板11または後面側板13が回動可能に接続される支持板17となる。くるみ紙は側板ブランクa120の全体を包んでおり、各支持板17は、その前後に接続部mを介して可動側板16に連なっている。なお、支持板17は可動側板16と接続部mで折り曲げ可能である。このため、可動側板16は、完成された箱A1として側面板を構成する場合(
図4)と平たく折られて平面状になる場合(
図6)が可能である。
【0035】
(貫通孔)
貫通孔hは、前面側板部11a、後面側板部13aと支持板部17aに設けられるもので、本体ブランクa110と側板ブランクa120から箱A1が組立てられる際に、留め具が支持手段18として貫通する孔である(
図3参照)。また、本体ブランクa110の前面側板11、後面側板13及び側板ブランクa120の各支持板17にも、それぞれ前面側板部11a、後面側板部13a、支持板部17aに設けられた孔hに対応する位置に孔が設けられる。すなわち、前面側板11、後面側板13、及び支持板17は各板部11a、13a、17aの孔hの対応する個所に貫通孔を有する。前面側板11と前面側板部11a、後面側板13と後面側板部13a、及び支持板17と支持板部17aの違いは、くるみ紙に包まっているかいないかであるから、この明細書では、特に区別しない限り各板11、13、17の孔に関して共通する符号hをもって表すことにする。
【0036】
(孔の位置)
本例の可動側板11、13に設けられた貫通孔hは、完成した箱A1に関してその上下方向の位置がちょうど中間になるように左右方向の2カ所に設ければよい。また、左右方向の位置は、側板ブランクa120が回動した場合の回転半径と箱の側面を構成する側板の底板12上の位置を勘案して適宜決定すればよい。
そして支持板17の貫通孔hは、完成した箱A1に関してその上下方向の位置がちょうど中間になるようにそれぞれ設ければよい。また、左右方向の位置は、側板ブランクa120が回動した場合の回転半径と箱A1の側面を構成する側板の位置を勘案して適宜決定すればよい。
【0037】
このようにすると、箱状にした場合に余計な出っ張りもなく天板14が箱A1の開口部を塞ぐことができる。また、意匠性も整った感じを与える。孔の位置は、回動に支障がない限り、必ずしも対称の位置とすることは必須ではない。
貫通孔hの孔の径は、留め具18が貫通できて回動自在に本体ブランクa110と側板ブランク120が固定できればよく、留め具18が貫通するシャフト部(不図示)、留め具の頭部の大きさなどに合わせて、適宜決定することができる。
【0038】
(支持手段)
本例の支持手段18は、留め具18としている。必ずしもこの形状に限定されないが、この留め具18は、頭部とそこから延びるシャフトを有するオス部材と、頭部とオス部材のシャフトを受けて、両頭部の距離を一定にして嵌合することができるメス部材の組合せである。この両頭部間の距離に、本体ブランクa110及び側板ブランクa120が挟まれて、回動するが一定の抵抗があって回動させた位置で支持できるものを適宜選択することが望ましい。材質は、問わないが、たとえば、合成樹脂製のものが好適である。
【0039】
(箱の組み立て方法)
本例の化粧箱A1の組み立て方は、以下のとおりである。
本体ブランクa110及び側板ブランクa120は、前述のように各板11、12、13、14、15及び16、17、17は、接続部mで折り曲げて組み立てることができる。箱の完成時には立体となり、ほぼ直方体形状となる。立方体形状でも差し支えない。このような本体ブランクa110とa120から留め具18を用いて箱のキットa1及び完成した箱A1とするのは、以下のような手順で行う。
【0040】
まず、
図3に示す本体ブランクa110を底板12が下方になるようにして前面側板11を手前から接続部mで折り曲げ、同様に、後面側板13を折れ線部で折り曲げる。
次に、側板ブランクa120を可動側板16の両側に接続されている支持板17を同じ方向に、箱の外側になる面と反対側に折り曲げる。
そして、折り曲げられた状態の本体ブランクa110と側板ブランクa120の孔hを合せた後、留め具18を用いてオス部材(不図示)を孔hに通す。その後に、メス部材とオス部材を嵌合して回動可能になるように留める。本例では留める箇所は4カ所あるが、すべての孔hの個所でこれを行う。このようにして、
図5で示すような中間の状態とする。
【0041】
次に、箱を平面状態にするには、
図5の状態から静かに前面側板11と後面側板13を後方に折り曲げると、接続部mで折り曲げることができ、
図4に示す平面状態になる。このような平面状態は、直ちに組み立てることができるが、立体形状を有する箱とはいえないので、箱A1を組立てるための化粧箱キットa1ということができる。
【0042】
また、完成した箱A1の状態にするには、後面側板13と天板14を接続する接続部mを前側に折り曲げて、さらに、天板14と押え板15を接続する接続部mを下方に折り曲げると、
図6に示すような完成した箱A1となる。なお、押え板15は、必須ではなく、用途により、なくても差し支えない。
なお、
図4に示す平面状態の化粧箱キットa1から
図6に示す完成した箱A1にするには、
図4の状態から前面側板11と後面側板13を折り曲げた状態から上方に立つように展開すると、
図5で示す中間状態になり、後は、先述したように天板14及び押え板15を順次前側に折り曲げればよい。
【実施例2】
【0043】
次に実施例2について説明する。実施例2と実施例1の違いは、回動する機構の相違である。実施例1では、本体ブランクa110の可動側板16は、側板ブランクa120の各支持板17と接続され、各支持板17は留め具18で貫通されて回動するため、可動側板16も留め具18を結ぶ仮想回転軸Arを中心に回動する。これに対し、実施例2では、本体ブランクa210の可動側板26は、側板ブランクa220の支持板27に接続され、支持板27は取付板28に接続されて本体ブランク210に固定され回動しないが、可動側板26はこれに接続する支持板27の接続部mxを軸として回動する。
【0044】
(概略)
図7は本発明の実施例である角型の化粧箱A2の天板を開けた図である。なお、本例では、
図7に示す向きに、上下左右前後を指すものとする。
図7に示すように、本例は、それぞれ矩形の天板24と後面側板23と底板22と前面側板21と左右にそれぞれ配置される2つの可動側板26、26とを備える。加えて、矩形の押え板25を備える。
可動側板26は、前面側板21と後面側板23を結ぶ線上、さらに詳しくは、可動側板26と支持板27の間の接続部mxを仮想回転軸Arに対して回動可能に接続されている。可動側板26の回動に応じて、箱状態と平面状態とを選択することができる。
本例の化粧箱A2は、後述のように、台紙をくるみ紙で包んで貼り合わせた複数の本体ラウンジa210、a220、a220を、可動側板部26と支持板27とを接続する接続部mxで回動可能に組み付けたものである。
なお、箱として完成された立体状の化粧箱A2を
図12に示す。また、この化粧箱A2を折り畳んだ平面状の化粧箱(化粧箱キット)A2(a2)を
図10に示す。
【0045】
(くるみ紙によるブランク)
図2に示すように、各板材となる台紙のセットを作成する。本例では、
図8(a)と同図(b)で示すように、2種類の台紙のセットを用意する。
図8(a)で示すセットは、本体ブランクa210を製造するものであり、同図(b)で示すセットは側板ブランクa220を示すものである。
【0046】
(本体ブランクa210と側板ブランクa220)
本体ブランクa210は、それぞれの台紙21a、22a、23a、24a、25aを主要要素とする。また、側板ブランクa220は、同様に台紙26a、27a、28a、28aを主要要素とする。
【0047】
(ブランクの作成;くるみ紙で包む)
これらの台紙をくるみ紙で包んで接着してブランクを作成することができる。たとえば、ひとまとまりの台紙をその寸法に合わせて裁断した1枚のくるみ紙に接着し、さらにもう1枚のくるみ紙で包んだ後に接着して、
図9に示すように一体化した本体ブランクa210、側板ブランクa220を製造することができる。
【0048】
(接続部)
前述の実施例1と同様に、くるみ紙に接着するときに
図8(a)、(b)のように各台紙(各板部)の間の間隔を調整する。この間隔は、完成した箱に組み立てたときに、折り曲げ個所となる接続部mになるところであり、所望の箱の形状となるように適宜調整する。
本体ブランクa210の各台紙21a、22a、23a、24a、25a及び側板ブランクa220の各台紙26a、27a、28a、28aは、それぞれこの調整した間隔の個所で他の台紙と接続する接続部mとなり、この接続部mで折り曲げが可能である。各台紙間の接続は、組み立てて化粧箱A2となる際にそれぞれの接続部mで少なくともほぼ直角に折り曲げることができる。
【0049】
(くるみ紙)
くるみ紙で包む手法は、前述の実施例1と同様に、本例のような美粧性の高い箱を製作する場合に用いられる。くるみ紙の絵柄や手触りなどの属性を任意に選択することができるため、くるみ紙によって美粧性の高い箱のバリエーションを豊かにすることができる。
【0050】
くるみ紙で包んでブランクを製造すると、中間製造品のブランクをあらかじめ製造することができる。ブランクであると、箱を組み立てる場所へ輸送する際に省スペースを実現でき、また、組み立ての前に在庫として保管する際も省スペースを実現することができる。
【0051】
(本体ブランクと側板ブランクの各板)
本体ブランクa210は、それぞれ矩形形状である前面側板部21aと底板部22aと後面側板部23aと天板部24aが接続部mを介して互いに回動可能に一連にくるみ紙に包まれて接続されている。側板側板ブランクa220は、矩形形状である可動側板部26aの両端にそれぞれ支持板部27aが接続部mを介して回動可能に一連にくるみ紙に包まれて接続されている。
【0052】
(前面側板)
本体ブランクa210の前面側板21は、前面側板部21aが他の板部22a、23a、24a、25aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、前面側の側板となる。くるみ紙は本体ブランクa210の全体を包んでおり、前面側板21は、接続部mを介して後述の底板22に連なっている。なお、前面側板21は底板22と接続部mで折り曲げ可能である。
【0053】
(底板)
本体ブランクa210の底板22は、底板部22aが他の板部21a、23a、24a、25aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、箱底となる。くるみ紙は本体ブランクa210の全体を包んでおり、底板22は接続部mを介して後述の後面側板23と連なっている。なお、底板22は後面側板23と接続部mで折り曲げ可能である。
【0054】
(後面側板)
本体ブランクa210の後面側板23は、後面側板部23aが他の板部21a、22a、24a、25aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、後面側の側板となる。くるみ紙は本体ブランクa210の全体を包んでおり、後面側板23は、接続部mを介して後述の天板24と連なっている。なお、後面側板23は天板24と接続部mで折り曲げ可能である。
後面側板部23aは、前面側板部21aと同じ大きさで、化粧箱A2が組み立てられたときの後面側板24は前面側板22と相対する位置になる。
【0055】
(天板)
本体ブランクa210の天板24は、天板部24aが他の板部21a、22a、23a、25aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、箱の開口部を覆う蓋となる。くるみ紙は本体ブランクa210の全体を包んでおり、天板22は接続部mを介して後述の押え板25と連なっている。なお、天板24は押え板25と接続部mで折り曲げ可能である。
天板部24aは、底板部22aと同じ大きさで、化粧箱A2が組み立てられたときの天板24は底板22と相対する位置になる。
【0056】
(押え板)
本体ブランクa210の押え板25は、押え板部25aが他の板部21a、22a、23a、24aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、前面側板21と化粧箱A2の前面で重なって蓋を押える押え板となる。くるみ紙は本体ブランクa210の全体を包んでいる。
押え板25は、化粧箱A2が組み立てられたときにその内部に物品が収納できるよう天板24を閉めて閉空間を作る。
【0057】
(可動側板)
次に、側板ブランクa220の可動側板26は、可動側板部aが他の板部27a、28a、28aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、右側側面又は左側側面の側板となる。くるみ紙は側板ブランクa220の全体を包んでおり、可動側板26は、その一端部側に接続部mxを介して後述の支持板27と連なっている。なお、可動側板26は支持板27と接続部mxで折り曲げ可能であり、接続部mxを軸として回動させることができる。このため、可動側板26は、完成された化粧箱A2として側面板を構成する場合(
図12)と平たく折られて平面状になる場合(
図10)が可能である。
【0058】
(支持板)
側板ブランクa220の支持板27は、支持板部aが他の板部26a、28a、28aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、取付板28に接続されて前面側板21と後面側板23の間を梁のように差し渡されて固定される支持板27となる。くるみ紙は側板ブランクa220の全体を包んでおり、支持板27は、接続部mを介して取付板28と連なっている。なお、支持板27は取付板28と接続部mで折り曲げ可能である。
【0059】
(取付板)
側板ブランクa220の2つの取付板28、28は、取付板部28、28が他の板部26a、27aとともにくるみ紙で包まれるもので矩形形状である。完成された化粧箱A2では、取付板28は、それぞれ前面側板21と後面側板23に固定されて支持板27を支えている。くるみ紙は側板ブランクa220の全体を包んでおり、取付板28、28は、接続部mを介して支持板27とそれぞれ連なっている。
【0060】
(箱の組み立て方法)
本例の化粧箱A2の組み立て方は、以下のとおりである。
本体ブランクa210と側板ブランクa220は、前述のように各板21、22、23、24、25及び各板26、27、28、28がそれぞれ接続部mで接続されており、接続部mを折り曲げるとともに取付板28を前面側板21及び後面側板23に接着などの手段で固定することにより組み立てることができる。前述の実施例1と同様に、化粧箱A2の完成時には立体となり、ほぼ直方体形状となる。立方体形状でも差し支えない。このような本体ブランクa210と側板ブランクa220から箱のキットa2及び完成した箱A2とするのは、以下のような手順で行う。
【0061】
まず、
図9に示す本体ブランクa210を底板22が下方になるようにして前面側板21を手前から接続部mで折り曲げ、同様に、後面側板23を接続部mで折り曲げる。
次に、側板ブランクa220について、可動側板26に接続されている支持板27に接続されている可動側板26及び取付板28を同じ方向に折り曲げる。このとき、可動側板は箱の外側になる面と反対側に折り曲げる。
そして、折り曲げられた状態の本体ブランクa210と側板ブランクa220を接着する。接着は、折り曲げられた取付板28の外側の面に接着剤を塗り、前面側板21及び後面側板23の上側の角に、天板24が閉まるように支持板27の面が化粧箱A2の開口と面一になるように接着する。本例では4カ所あるが、すべての取付板28についてこれを行う。このようにして、
図11で示すような中間の状態とする。
【0062】
次に、箱を平面状態にするには、
図11の状態から静かに前面側板21と後面側板23を後方に折り曲げると、接続部mで折り曲げられ、
図10に示す平面状態になる。このような状態は、直ちに組み立てることができるが、立体形状を有する箱A2とはいえないので、箱A2を組立てるための化粧箱キットa2ということができる。
【0063】
また、完成した箱A2の状態にするには、後面側板23と天板24を接続する接続部mを前側に折り曲げて、さらに、天板24と押え板25を接続する接続部mをした下方に折り曲げると、
図12に示すような完成した化粧箱A2となる。この場合、押え板25は、必須ではなく、用途により、なくても差し支えない。
なお、
図10に示す平面状態の化粧箱キットa2から
図12に示す完成した箱A2にするには、
図10の状態から前面側板21と後面側板23を折り曲げた状態から上方に立つように展開させ、かつ、可動側板26を箱の内側から外側に回動させると、
図11に示す中間状態になり、さらに回動させると、可動側板26に取付板28の側面が当接して停止する。そこまで展開させると、完成した箱の形状となる。
【0064】
(中敷き)
中敷き(不図示)は、完成した化粧箱A2に加えることができる。可動側板26は、上述のように、箱を展開していくと、取付板28の側面が当接して停止するが、内側への回動は可能である。
そこで、底板22の上に、底板上に収まるほぼ底板と同じ大きさの中敷きを敷くことができる。このような中敷きを用いると、各可動側板26にそれぞれ同時に当接するように配置することができる。そうすると、各可動側板26は、完成した化粧箱A2の外側から取付板28に当接するとともに内側から中敷きに当接するため、これらの間に挟まれて、回動することができなくなり、回動不能に固定することができる。