【解決手段】ストッパ装置10は、駆動機構14に接続されて第1方向に変位するとともに、第1方向に対して傾斜したカム溝38が形成された第1カム部材30と、カム溝38に係合してカム溝38に平行な方向に摺動するカム突起45を有し、第1カム部材30の変位に伴って第1方向と異なる第2方向に変位する第2カム部材40と、第2カム部材40の先端側に接続されて第2方向に進退するロッド16と、第1カム部材30の第2方向への変位を阻止する案内機構と、を備える。
請求項1記載のストッパ装置であって、前記第1カム部材及び前記第2カム部材を収容する筐体をさらに備え、前記案内機構の前記ガイド突起は、前記筐体から前記第1カム部材に向けて前記第1方向に延び出たガイドピンよりなり、前記ガイド溝は、前記第1カム部材に前記第1方向に延びて形成され、前記ガイドピンが挿入されるガイド孔よりなり、前記ガイドピンが前記ガイド孔に挿入されることで前記第1カム部材の前記第2方向への変位を阻止する、ストッパ装置。
請求項2記載のストッパ装置であって、前記駆動機構は前記第1カム部材の前記第1方向の基端側に設けられるとともに、前記ガイドピン及び前記ガイド孔は、前記第1カム部材を挟んで前記駆動機構と対向する先端側に設けられている、ストッパ装置。
請求項2記載のストッパ装置であって、前記第1カム部材の前記カム溝は、前記第2カム部材側に形成された開口部と、前記開口部の奥側に形成され前記開口部よりも幅広に形成された係合部と、を有し、
前記第2カム部材の前記カム突起は、前記開口部よりも狭く形成された狭小部と、前記狭小部の先端側に幅広に形成された幅広部と、を有し、
前記係合部に前記幅広部が係合して摺動する、
ストッパ装置。
請求項4記載のストッパ装置であって、前記幅広部及び前記係合部は、前記第1カム部材と前記第2カム部材との摺動面に垂直な厚さ方向の寸法において、前記幅広部の方が前記係合部よりも小さく形成されており、前記幅広部と前記係合部とに前記厚さ方向に間隙が形成されている、ストッパ装置。
請求項1〜5のいずれか1項に記載のストッパ装置であって、さらに、前記第1カム部材を挟んで前記第2カム部材と対向する部位に配置され、前記第1カム部材を支持するとともに、前記第1カム部材を前記第1方向に案内するエンドカバーを備える、ストッパ装置。
請求項1〜6のいずれか1項に記載のストッパ装置であって、前記駆動機構は前記第1カム部材に接続されたネジ軸部と、前記ネジ軸部を回動させるモータとを備えている、ストッパ装置。
請求項1〜7のいずれか1項に記載のストッパ装置であって、さらに、前記第2カム部材の周囲に設けられ前記第2カム部材を前記第2方向に案内する案内部材を備える、ストッパ装置。
請求項1〜7のいずれか1項に記載のストッパ装置であって、前記ロッドと前記第2カム部材との連結部に、前記第2方向と直交する方向に離間した間隙が設けられるとともに、前記間隙に弾性部材が配設されている、ストッパ装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
本実施形態に係るストッパ装置10は、
図1に示すようにコンベヤ102を備えたコンベヤーライン100に設置して用いられる。コンベヤーライン100は、コンベヤ102によってワーク104が搬送される。ストッパ装置10は、コンベヤーライン100の所定位置に設置される。ストッパ装置10は、本体部12を介して駆動機構14の駆動力をロッド16に伝えることで、ロッド16を所定方向に進退させることができる。
【0016】
ロッド16の先端には、例えばローラ98を備えたアーム99が装着されている。コンベヤーライン100を搬送されてきたワーク104を通過させる場合には、ストッパ装置10は、ロッド16を後退させて、アーム99をワーク104の移動経路から退避させる。また、ワーク104を停止させる場合には、ロッド16を前進させて、アーム99(ローラ98)をワーク104に当接させることで、搬送されてきたワーク104の移動を阻止する。
【0017】
このようにして、ストッパ装置10は、所望の位置でワーク104を停止させるために使用される。なお、ストッパ装置10のロッド16の先端には、図示のような腕部が動くレバー型のアーム99以外にも様々なアームを取り付けることができる。例えば、ローラ98のみを備えた固定式のアームや、ローラ98を有しない棒状のアームのみのものも使用可能となっている。
【0018】
ところで、ストッパ装置10において、ロッド16には、ワーク104から横方向の荷重が作用する。このような荷重は、本体部12のカム機構50に負荷を与え、ロッド16の動作が不安定となることがある。そこで、本実施形態のストッパ装置10では、ロッド16に対して横方向の荷重が作用した場合であっても、ロッド16が安定した動作を行うことが可能となっている。以下、ストッパ装置10の詳細について説明する。
【0019】
図2に示すように、本実施形態のストッパ装置10は、第1方向に沿った変位を発生させる駆動機構14と、駆動機構14の第1方向の変位を第2方向の変位に変換するカム機構50(
図3参照)を内蔵した本体部12と、本体部12から第2方向に突出し、第2方向に進退移動可能に構成されたロッド16とを備えている。なお、本実施形態においては、第1方向と第2方向とは直交しているものとする。
【0020】
本体部12は、第1方向に延びた外観が略直方体状の第1筐体22と、第2方向に延びた外観が略直方体状の第2筐体20とを備えており、L字型の外観形状に形成されている。第1筐体22は、第1方向の基端及び先端が開口した角筒状に形成されている。第1筐体22の第1方向の基端には、駆動機構14が接続されており、第1筐体22の第1方向の先端には第2筐体20が接続されている。
【0021】
第2筐体20は、第2方向(第2筐体20の長手方向)の両端が開口した角筒状に形成されている。また、第2筐体20の第1方向の側部には第1筐体22の内部空間と連通する開口部20c(
図4参照)及び案内部材66を装着するための開口とが設けられている。第2筐体20の第2方向の一方の端部(基端部)にはエンドカバー60が装着されており、第2筐体20の基端側の開口を封じている。また、第2筐体20の第2方向の他方の端部(先端部)には、円筒状のロッドカバー18が装着されており、このロッドカバー18により第2筐体20の先端側の開口が封じられている。ロッド16は、ロッドカバー18の挿通孔18aを貫通して第2方向の先端側に突出している。
【0022】
第1筐体22及び第2筐体20は、例えば、各種鋼材、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金、銅合金等の金属材料、又は各種樹脂材料によって構成されている。第1筐体22と第2筐体20とは、ネジ止めにより接合されている。また、第2筐体20の四隅には、コンベヤーライン100等への設置のための装着孔20aが形成されている。
【0023】
図3に示すように、第1筐体22及び第2筐体20の内部には、カム機構50が設けられている。カム機構50は、ネジ軸部28の先端に接続された第1カム部材30と、ロッド16の基端に接続された第2カム部材40とを備えている。このうち、第1カム部材30は、ネジ軸部28によって第1方向に変位する部材であり、第1方向に略円柱状に延びて形成される。第1カム部材30の両側部(短手方向の側部)には、ネジ軸部28との供回りを防ぐべく、第1方向に平行な切欠面30aが形成されている。この切欠面30aは、第2筐体20の開口部20cと当接することで、第1カム部材30の第1軸82回りの回転を阻止する。
【0024】
第1カム部材30の第1方向の先端部には、第1カム部材30の第2方向寄りの一部を斜めに切り欠いてなる第1カム面34が形成されている。この第1カム面34は、第1方向及び第2方向に対して傾斜した傾斜面よりなる。第1カム面34には、第2カム部材40と当接して摺動するカム溝38が形成されている。特に限定されるものではないが、第1カム面34は、第1方向及び第2方向に対して45°傾いている。
【0025】
第1カム面34(摺動面)には、その短手方向の中央部に沿ってカム溝38が形成されている。カム溝38は、第1方向及び第2方向の間の方向に延びており、第1カム面34の法線方向に一定の深さで形成されている。カム溝38は、第1カム面34の表面近くの開口部38bの幅(短手方向の幅)が奥側の係合部38aの幅(短手方向の幅)よりも相対的に狭く形成されている。すなわち、カム溝38をその延在方向から見ると、断面が逆T字状となっている。このカム溝38には、第2カム部材40のカム突起45が挿入され、カム突起45がカム溝38に沿って摺動して移動するように構成されている。
【0026】
図4に示すように、第1カム部材30には、第1軸82に沿ってネジ孔35が形成されている。ネジ孔35は第1カム部材30の基端部において開口するとともに、先端側がカム溝38にまで延びて形成されている。そのネジ孔35には、基端側からネジ軸部28が挿入されている。ネジ孔35の内周部にはネジ溝35aが形成されており、ネジ軸部28のネジ山28aと螺合している。駆動機構14がネジ軸部28を第1軸82回りに回動させることで、第1軸82に沿って第1カム部材30が先端側に向けて前進し、又は基端側に向けて後退する。すなわち、第1カム部材30は、駆動機構14によって第1方向に進退する。
【0027】
図3に示すように、第1カム部材30の第1方向の先端側には、2つのガイド孔36が設けられている。2つのガイド孔36は、第1カム部材30の短辺方向に離間して、カム溝38を挟んで一対設けられている。
図5に示すように、ガイド孔36は、第1軸82方向に延びて形成されている。ガイド孔36には、先端側からガイドピン56が挿入されている。
【0028】
ガイドピン56は、ガイド孔36の内径よりもわずかに小さな直径に形成されており、ガイド孔36とガイドピン56は第1軸82方向に摺動可能に構成されている。ガイドピン56は、案内部材66を介して、第2筐体20に固定されている。案内部材66は、第2筐体20の側部に、第1軸82の先端側から、ネジ68によって接合されている。案内部材66には、ネジ72によってガイドピン56が固定されている。
【0029】
ガイドピン56は、第2筐体20に設けられた挿通孔20dを通じて第2筐体20内に突出するように設けられている。ガイドピン56は、第1カム部材30の第1方向のストローク範囲の全範囲において、ガイド孔36に挿入されている。ガイドピン56は、第1カム部材30の第2方向先端側への浮き上がりを阻止するように、ガイド孔36との間に間隙を開けることなく配置されることが好ましい。なお、ガイドピン56は、ストロークエンド(第1方向先端側)においてのみ、ガイド孔36に挿入されるような長さに形成されていてもよい。
【0030】
図3に示すように、第1カム部材30は、第2方向基端側の設けられたエンドカバー60によって支持される。エンドカバー60は、
図2及び
図4に示すように、第2筐体20の第2貫通孔20bの第2方向基端側を閉塞する部材である。
図3及び
図6に示すように、エンドカバー60は、その内面60aが第1カム部材30の外周部に対応した曲率を有する円弧状の曲面で構成されており、第1カム部材30の第1方向への移動に際して、面接触しつつ、スムーズに当接するように構成されている。エンドカバー60は、第2カム部材40からの荷重をエンドカバー60の内面60aの全域で分散して受けることができ、第1カム部材30を安定して支持することができる。なお、エンドカバー60は、
図3に示すように、ネジ64によって、第2筐体20に接合される。
【0031】
第2カム部材40は、第2方向に延びる本体40aと、本体40aの第2方向の基端側から延び出るカム突起45とを備える。本体40aは、短辺方向の寸法が第1方向の寸法よりも狭く形成された板状に形成されており、その第2方向先端側には、ロッド16が接合されている。カム突起45は、カム溝38に係合する部分であり、本体40aの基端側から第2方向に対して傾斜して形成されている。
【0032】
カム突起45は、本体40aから第2方向の基端側に延び出た狭小部42と、狭小部42から第2方向の基端側に延び出た幅広部46とを備えている。狭小部42は、短辺方向の両側から本体40aを斜めに溝状に切り欠いて形成された部分であり、短辺方向の寸法が、カム溝38の開口部38bの幅よりも狭く形成されている。幅広部46は、短辺方向の寸法が、開口部38bの幅よりも広く形成れ、且つ、係合部38aの幅よりも僅かに狭く形成されている。すなわち、カム突起45は、その延在方向から見ると断面が逆T字状に形成されている。カム突起45は、幅広部46がカム溝38の係合部38aに係合しつつ、カム溝38の延在方向に沿って、第1カム部材30と摺動可能となっている。
【0033】
第1カム部材30を第1方向先端側に送り出す方向に変位させると、幅広部46の基端部に形成された端面46a(第2カム面)がカム溝38の底面38a1と摺動して、第2カム部材40を第2方向先端側に突出するように変位させる。また、第1カム部材30を第1方向基端側に引き込む場合には、幅広部46の上端の当接面44がカム溝38の係合部38aの上面38a2と摺動して、第2カム部材40を第2方向基端側に後退するように変位させる。
【0034】
なお、カム突起45は、カム溝38とスムーズに摺動できるように、幅広部46の厚さ(第1カム面34の法線方向の寸法)が、カム溝38の係合部38aの深さ(第1カム面34の法線方向の寸法)よりもわずかに小さくなるように形成されている。すなわち、カム突起45の幅広部46とカム溝38の係合部38aとの間には、第1カム面34の法線方向において、所定の間隙を生ずるように構成されている。
【0035】
図4に示すように、第2カム部材40の本体40aの第2方向先端側には、肩部40bが形成されており、その肩部40bの中央付近から連結突起40cが第2方向先端側に突出して設けられている。連結突起40c及び肩部40bには、ロッド16が接続される。
【0036】
ロッド16の基端部16b側には、連結凹部16cが形成されている。連結凹部16cは、ロッド16の第2軸84を中心とする円柱状に形成されており、第2軸84の延在方向に延びて形成されている。連結凹部16cは、第2カム部材40の連結突起40cを収容可能な内径及び長さに形成されている。ロッド16は、連結凹部16c内に第2カム部材40を収容し、且つ、基端部16bが第2カム部材40の肩部40bに当接した状態で接合される。ロッド16と第2カム部材40とは、例えば、ロッド16の外周から連結凹部16cに貫通して形成されたネジ穴に止めネジを螺合して接合することができる。
【0037】
ロッド16及び第2カム部材40は、ロッドカバー18によって支持されている。ロッドカバー18は、
図2に示すように、中央に挿通孔18aが形成された円筒状の部材である。挿通孔18aには、
図4に示すように、ロッド16及び第2カム部材40が挿通孔18a内に収容されている。ロッド16及び第2カム部材40は、摺動性に優れた樹脂等よりなる筒状の摺動部材51に覆われた状態でで、挿通孔18a内に配置される。
【0038】
また、ロッドカバー18の第2方向の先端部には、ロッド16の回転を規制する回止部材58が装着されている。ロッド16の先端側には、外周部分の一部を切り欠いた切欠部16eが形成されている。回止部材58は、ロッド16の切欠部16eに係合することで、ロッド16の第2軸84回りの回転を規制するように構成されている。
【0039】
ロッドカバー18の第2方向の基端付近には、ブッシュ取付溝18bが形成されている。このブッシュ取付溝18bには、摺動性に優れた樹脂等よりなる、ブッシュ54(案内機構)が装着されている。ブッシュ54は、第2カム部材40の外周と同形状の孔を有しており、第2カム部材40の外周部に当接することで、第2カム部材40の軸方向から外れる方向への変位を規制する。
【0040】
図4に示すように、駆動機構14は、モータ14aを備えており、そのモータ14aの軸の先端に送りネジ構造を構成するネジ軸部28(
図3参照)が接続されている。モータ14aは第1軸82回りにネジ軸部28を回転させる。ネジ軸部28は、ネジ山28a及びネジ溝35aを通じて、第1カム部材30を第1方向に前進又は後退させる。
図2に示すように、駆動機構14には、モータ14aの駆動電力を供給する配線部材24aが接続されている。配線部材24aの端部にはコントローラと接続するためのコネクタ24が設けられている。
【0041】
本実施形態のストッパ装置10は以上のように構成され、以下その作用について説明する。
【0042】
図4に示すように、駆動機構14によりネジ軸部28を第1回転方向に回転させると、第1カム部材30が第1方向先端側に前進する。その結果、第2カム部材40の端面46aが、カム溝38の底面38a1と摺動して、第2方向先端側に押し出されるようにして変位する。その結果、ロッド16が第2方向先端側に前進する。
【0043】
また、駆動機構14を、第1回転方向と逆向きの第2回転方向に回転させると、第1カム部材30が第1方向基端側に後退する。この場合には、第2カム部材40の当接面44が、カム溝38の係合部38aの上面38a2と摺動する。これにより、第2カム部材40が第2方向基端側に引き込まれるようにして変位する。その結果、ロッド16が第2方向基端側に後退する。
【0044】
ところで、
図1に示すように、ワーク104からの横方向の荷重がアーム99を介してロッド16に作用している場合において、ストッパ装置10のロッド16を後退させる動作が行われる場合がある。このような場合には、ワーク104の横方向の荷重がロッド16を介して第2カム部材40に伝わり、第2カム部材40のカム突起45が、第1カム部材30を第2方向先端側に持ち上げる方向に付勢した状態となる。
【0045】
ガイドピン56及びガイド孔36を設けないストッパ装置では、ワーク104からの横方向の荷重が作用すると、第1カム部材30が第2方向の先端側に浮き上がるように変位してしまい、第1カム部材30の第1カム面34及びカム溝38の角度と、第2カム部材40のカム突起45の角度とが異なってしまう。この状態で、ロッド16の引込動作を行うと、カム溝38とカム突起45との摺動抵抗が大きくなり、動作速度が不安定になったり、動作が停止することがある。
【0046】
これに対し、本実施形態のストッパ装置10では、
図5及び
図6に示すように、第1カム部材30のガイド孔36に、ガイドピン56が挿入される。これにより、ワーク104からの横方向の荷重がロッド16に入力された場合であっても、第1カム部材30が第2方向先端側に浮き上がることはなく、第1カム部材30のカム溝38と、第2カム部材40のカム突起45の角度を一定に保つことができる。これにより、第1カム部材30と第2カム部材40とがスムーズに摺動する。
【0047】
本実施形態のストッパ装置10は、以下の効果を奏する。
【0048】
本実施形態のストッパ装置10は、コンベヤ102で搬送されるワーク104を所定位置で停止させるストッパ装置10に関する。このストッパ装置10は、駆動機構14に接続されて第1方向に変位するとともに、第1方向に対して傾斜したカム溝38を備えた第1カム部材30と、カム溝38に係合してカム溝38に平行な方向に摺動するカム突起45を有し、第1カム部材30の変位に伴って第1方向と異なる第2方向に変位する第2カム部材40と、第2カム部材40に取り付けられて第2方向に進退するロッド16と、ロッド16の先端に装着されてワーク104と当接するアーム99と、第1カム部材30の第2方向への変位を阻止する案内機構とを有している。
【0049】
上記のストッパ装置10によれば、ワーク104の横方向の荷重が、アーム99、ロッド16を介して第2カム部材40に入力されると、カム突起45及びカム溝38を介して第1カム部材30を第2方向の先端側へ浮き上がらせる方向の力が作用する。このような場合であっても、案内機構が第1カム部材30の第2方向の先端側への変位を抑制するため、第1カム部材30が第2カム部材40に対して傾くことがない。その結果、ストッパ装置10によれば、第1カム部材30と第2カム部材40との摺動状態が安定し、動作速度を安定化させることができる。
【0050】
上記のストッパ装置10において、第1カム部材30及び第2カム部材40を収容する筐体(第2筐体20)をさらに備え、案内機構は、第2筐体20から第1カム部材30に向けて第1方向に延び出たガイドピン56と、第1カム部材30に第1方向に延びて形成され、ガイドピン56が挿入されるガイド孔36と、を有し、ガイドピン56がガイド孔36に挿入されることで第1カム部材30の第2方向への変位を阻止するように構成してもよい。このように構成することにより、第1カム部材30が第2カム部材40に対して傾くのを防止でき、ストッパ装置10の動作速度を安定化させることができる。
【0051】
上記のストッパ装置10において、駆動機構14は第1カム部材30の第1方向の基端側に設けられるとともに、ガイドピン56及びガイド孔36は、第1カム部材30の第1方向の先端側に設けられていてもよい。駆動機構14に接続されていない第1カム部材30の第1方向の先端側をガイドピン56及びガイド孔36で規制することにより、第1カム部材30の第2方向への変位をより効果的に阻止することができる。
【0052】
上記のストッパ装置10において、第1カム部材30のカム溝38は、第2カム部材40側に形成された開口部38bと、開口部38bの奥側に形成され開口部38bよりも幅広に形成された係合部38aと、を有し、第2カム部材40のカム突起45は、開口部38bよりも狭く形成された狭小部42と、狭小部42の先端側に幅広に形成された幅広部46と、を有し、係合部38aに幅広部46が係合して摺動するように構成されている。このように構成することにより、幅広部46が係合部38aと係合するため、第2カム部材40を第2方向の基端側に引き込む動作を行うことができる。
【0053】
上記のストッパ装置10において、幅広部46の厚さ方向の寸法は係合部38aの厚さ方向の寸法よりも小さく形成されており、幅広部46と係合部38aとの間に厚さ方向の間隙が形成されている。このように構成することにより、幅広部46と係合部38aとの摺動をスムーズにすることができる。
【0054】
上記のストッパ装置10において、第1カム部材30を挟んで第2カム部材40と対向する部位に配置され、第1カム部材30を支持するとともに、第1カム部材30を第1方向に案内するエンドカバー60を備えてもよい。このようなエンドカバー60を設けることにより、第2カム部材40から第1カム部材30に向かって入力される荷重をエンドカバー60で受けることができ、第1カム部材30の第2方向基端側への変位を防ぐことができる。
【0055】
上記のストッパ装置10において、駆動機構14は第1カム部材30に接続されたネジ軸部28と、ネジ軸部28を回動させるモータ14aとを備えていてもよい。
【0056】
上記のストッパ装置10において、さらに、第2カム部材40の周囲に設けられ第2カム部材40を第2方向に案内するブッシュ54を備えていてもよい。これにより、第2カム部材40の第2方向以外への変位を防ぐことができ、第2カム部材40の傾きを防ぐことができる。
【0057】
(第2実施形態)
図7に示すように、本実施形態のストッパ装置10Aは、第1カム部材30の第1方向の先端側には、1つのガイド孔36が設けられており、そのガイド孔36に対応する部分に、1つのガイドピン56が設けられている。本実施形態のストッパ装置10Aでは、ガイド孔36は、第1カム部材30の短辺方向の中央部であって、カム溝38の基端側に一つ設けられている。ガイド孔36は、図の紙面に垂直な方向(第1軸82方向)に延びて形成されている。そのガイド孔36には、先端側からガイドピン56が挿入されている。
【0058】
ガイドピン56は、ガイド孔36の内径よりもわずかに小さな直径に形成されており、ガイド孔36とガイドピン56は第1軸82方向に摺動可能に構成されている。ガイドピン56は、
図5と同様の案内部材66を介して、第2筐体20に固定されている。ガイドピン56は、第1カム部材30の第1方向のストローク範囲の全範囲において、ガイド孔36に挿入されており、第1カム部材30の第2方向先端側への浮き上がりを阻止するように、ガイド孔36との間に間隙を開けることなく配置されている。なお、本実施形態のガイドピン56は、ストロークエンド(第1方向先端側)においてのみ、ガイド孔36に挿入されるような長さに形成されていてもよい。
【0059】
以上のように構成された本実施形態のストッパ装置10Aによっても、
図2〜
図6を参照しつつ説明したストッパ装置10と同様の効果が得られる。
【0060】
(第3実施形態)
図8に示すように、本実施形態のストッパ装置10Bは、ロッド16と第2カム部材40との連結部の構造において、
図1〜
図6を参照しつつ説明したストッパ装置10と異なる。なお、ストッパ装置10Bにおいて、
図1〜
図6を参照しつつ説明したストッパ装置10と同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0061】
図8に示すように、本実施形態のストッパ装置10Bでは、第2カム部材40の肩部40bから第2方向先端側に突出した連結突起48Aを備えている。連結突起48Aは、最大外径部88が直径φ1の略円柱状に形成されている。この最大外径部88の直径φ1は、ロッド16の連結凹部16cの内径φ2よりも小さく形成されている。すなわち、連結突起48Aと、連結凹部16cとの間には、第2方向と直交する方向に直径φ1と内径φ2との差分に相当する長さだけ離間した隙間ΔGが形成されている。
【0062】
また、連結突起48Aの外側部には、パッキン装着溝86と、ネジ止め溝87とが第2方向に離間して設けられている。パッキン装着溝86及びネジ止め溝87は、連結突起48Aの周方向に沿って環状に形成されている。そのパッキン装着溝86には、リング状のパッキン90(弾性部材)が装着されている。パッキン90は、ゴムやエラストマ等の弾性材料よりなる。パッキン90は、連結突起48Aの最大外径部88よりも外方に突出し、隙間ΔGを埋めるようにして、ロッド16の連結凹部16cと当接している。すなわち、ロッド16と、第2カム部材40とは、第2方向に直交する方向については、パッキン90を介して連結されている。なお、弾性材料は、パッキン90に限られるものではなく、連結突起48A及び連結凹部16cの少なくとも一方の表面にライニング加工して形成された膜状の弾性部材であってもよい。
【0063】
ネジ止め溝87には、ロッド16の外周部から延びるネジ孔を通じて止めネジ49が螺合される。この止めネジ49及びネジ止め溝87によって、第2カム部材40とロッド16とが第2方向(第2軸方向)に連結される。
【0064】
以上のように、本実施形態のストッパ装置10Bは、コンベヤ102で搬送されるワーク104を所定位置で停止させるストッパ装置10Bに関する。ストッパ装置10Bは、駆動機構14と、駆動機構14に接続されて第1方向に変位するとともに、第1方向に対して傾斜した第1カム面34が形成された第1カム部材30と、第1カム面34に摺動して、第1方向と異なる第2方向に変位する第2カム部材40と、第2カム部材40の先端側に接続されて第2方向に進退するロッド16と、ロッド16の先端に装着されてワーク104と当接するアーム99と、を備え、ロッド16と第2カム部材40との連結部に、第2方向と直交する方向に離間した隙間ΔGが設けられるとともに、隙間ΔGを埋める弾性部材を備えている。
【0065】
このように構成することにより、アーム99(
図1参照)がワーク104と当接する際に発生する横方向の衝撃力を、ロッド16と第2カム部材40との連結部分の間隙に設けられたパッキン90で吸収することができる。これにより、ワーク104の衝撃が第1カム部材30を通じて駆動機構14のモータ14aに入力されるのを防ぐことができる。これにより、モータ14aのベアリングの破損を防ぐことができる。
【0066】
なお、上記のストッパ装置10Bにおいて、弾性部材はリング状に形成されたパッキン90であってもよい。また、弾性部材は、第2カム部材40から突出した連結突起48A及びロッド16の連結凹部16cの少なくとも一方の表面にライニング加工して形成された膜状の弾性部材であってもよい。
【0067】
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。例えば、案内機構は、ガイドピン56及びガイド孔36に限定されるものではなく、第1カム部材30又は第2筐体20のいずれかに設けられた第1方向に延びるガイド突起と、そのガイド突起に係合するガイド溝とで構成してもよい。このように構成しても、第1カム部材30の第2方向への変位を防ぐことができる。