特開2020-176164(P2020-176164A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-176164(P2020-176164A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】光輝性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20201002BHJP
   C08L 25/04 20060101ALI20201002BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20201002BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20201002BHJP
【FI】
   C08L101/00
   C08L25/04
   C08K3/34
   C08K3/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-77079(P2019-77079)
(22)【出願日】2019年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181272
【弁理士】
【氏名又は名称】神 紘一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 英毅
(72)【発明者】
【氏名】板田 光善
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA001
4J002BB021
4J002BB111
4J002BC021
4J002BC031
4J002BC041
4J002CF031
4J002CL001
4J002DA096
4J002DE097
4J002DE107
4J002DE116
4J002DE136
4J002DE137
4J002DJ056
4J002DL006
4J002FA016
4J002FD096
4J002FD097
4J002GG01
4J002GG02
4J002GT00
(57)【要約】
【課題】本発明は、優れた透明性と光沢性を有し、更には見る角度や光の角度で光沢性の変わる光沢角度依存性により立体感のある光輝性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該光輝性樹脂組成物からなるフィルムやシート等の成形体、熱ラミネート用光輝性スチレン系樹脂フィルム、積層シート、容器、及び包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】樹脂と、粒度分布0.5〜600μmの鱗片状顔料Aと平均粒径150nm以下の微粒子顔料Bとを含有し、前記鱗片状顔料Aの量が前記樹脂に対して0.1〜1.0質量%、前記微粒子顔料Bの量が前記樹脂に対して0.01〜0.1質量%の範囲であって、JIS−K7136法に準じたヘイズ値より厚み25μm換算した換算ヘイズ値が5%以下であることを特徴とする、光輝性樹脂組成物、及び、該組成物からなる成形体、熱ラミネート用樹脂フィルム、該熱ラミネート用樹脂フィルムを含む積層シート、容器、及び包装体に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と、粒度分布0.5〜600μmの鱗片状顔料Aと平均粒径150nm以下の微粒子顔料Bとを含有し、前記鱗片状顔料Aの量が前記樹脂に対して0.1〜1.0質量%、前記微粒子顔料Bの量が前記樹脂に対して0.01〜0.1質量%の範囲であって、JIS−K7136法に準じたヘイズ値より厚み25μm換算した換算ヘイズ値が5%以下であることを特徴とする、光輝性樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂がスチレン系樹脂を含み、前記鱗片状顔料Aが光輝顔料又はパール顔料を含み、前記微粒子顔料Bが微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化スズ、微粒子酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の光輝性樹脂組成物。
【請求項3】
前記鱗片状顔料Aの前記微粒子顔料Bに対する質量割合(A/B)が10/1〜100/1の範囲である、請求項1又は2に記載の光輝性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の光輝性樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする、成形体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の光輝性樹脂組成物よりなる層を少なくとも1層含むことを特徴とする、熱ラミネート用樹脂フィルム。
【請求項6】
請求項5に記載の熱ラミネート用樹脂フィルムと樹脂発泡体とが積層されていることを特徴とする、積層シート。
【請求項7】
請求項6に記載の積層シートよりなることを特徴とする、容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器と前記容器に嵌合することが可能な蓋とを含むことを特徴とする、包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明な光輝性樹脂組成物及び成形体、詳しくは、光輝性顔料を含む透明感のある樹脂組成物、及び該組成物からなるフィルムやシート等の成形体、容器、及び、包装体に関する。特に、熱成形容器に用いられる熱ラミネート用光輝性スチレン系樹脂フィルム、該熱ラミネート用光輝性スチレン系樹脂フィルムを含む積層シート、容器、及び包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明性のある樹脂、特にポリスチレンに代表されるスチレン系樹脂は安価であり、その透明性に加えて、成形性、寸法安定性、剛性、更には発泡特性等にも優れることから、樹脂シートや樹脂フィルムへと加工され、広く用いられている。また、スチレン系樹脂シートとしては発泡体シートと非発泡体シートがあり、食品包装分野で食品用容器等へ熱成形する用途に多用されている。
【0003】
スチレン系樹脂フィルムは、フィルムの持つ高光沢、透明性と腰の強さの特徴から、食品包装分野や、封筒窓材用途で使用されている。食品包装分野では、樹脂シート基材、例えば、スチレン系樹脂シート基材としてのハイインパクトポリスチレン(HIPS)シートや発泡体状のポリスチレンペーパー(PSP)等との熱ラミネート用途として広く使用されており、裏刷り印刷された熱ラミネート用フィルムは意匠性に優れることに加え、スチレン系樹脂フィルムとシート基材とは同素材でリサイクルし易いことも使用される理由にある。これらスチレン系樹脂フィルムを熱ラミネートされた積層シートは、スチレン系樹脂シート基材と同様に真空成形や圧縮成形等により熱成形され、食品用容器、飲料用容器等の熱成形容器に広く利用されている。
【0004】
近年、スーパーやコンビニエンスストア等の店頭において刺身、寿司、弁当、惣菜を始めとする各種の食品を販売するに際しては、この裏刷り印刷された熱ラミネート用フィルムを樹脂シート基材に熱ラミネートにて積層した積層シートの熱成形容器であるトレーが、トレー内容物である食品に意匠性を与える効果があることから広く使われている。
【0005】
これに対し、特許文献1には、深絞り熱成形容器の熱成形性を改良するためにポリスチレンに配合される多量のゴム成分(HIPS等)が光学特性を損なうので、該フィルムを積層して成形した容器は、透明性及び光沢性が不十分で美しい印刷容器に仕上げるのは難しい傾向があることから、線状ポリスチレン及び多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂組成物に少量のゴム成分(HIPS等)を配合し、少なくとも1方向に延伸して得た、熱ラミネート用スチレン系樹脂フィルムが開示されており、その透明性や光沢性により印刷仕上がりが良いとされているが、その意匠性に差別的な高級感を与える目的から、更なる光沢性の改良として、見る角度や光の角度で光沢性の変わる立体感のある、裏刷り印刷にキラキラ感を与える熱ラミネート用の光輝性スチレン系樹脂フィルムが望まれている。
【0006】
一方、異物感やくすみがなく透明感があり、立体感のある優れた光輝性樹脂フィルムとして、特許文献2には、平均厚さ0.05〜7μm、平均粒径10〜300μmのフレーク状ガラスの表面を該フレーク状ガラスよりも高い屈折率を有する金属酸化物を厚さ0.02〜0.8μmで被覆してなる鱗片状粒子の光沢顔料(鱗片状顔料)を含む液状の合成樹脂を剥離性に優れた基材上に塗布した後に乾燥して光沢性合成樹脂塗膜を形成して得た光沢性合成樹脂フィルム(厚さ100μm以下)が開示されている。
また、特許文献3には、見る角度や光の角度により明るさや色相が異なって見えるフリップフロップ効果を示す光輝性樹脂組成物及び成形物として、樹脂とアルミ粉及び無機物でコートしたパール系顔料から選ばれるアスペクト比が3以上である鱗片状の無機顔料A(鱗片状顔料)を0.5質量%以上と一次粒子径の数平均値が150nm以下の微粒子状の無機顔料B(微粒子顔料)を0.2質量%以上とを含有する組成物、該組成物(無機顔料A/無機顔料Bの質量比10/1〜5/1の範囲)を押出機にて混練・ペレタイズした後に射出成形機にて得た射出成形板(90mm×50mm×2.5mm)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−4015号公報
【特許文献2】特開2001−226500号公報
【特許文献3】特開2011−122036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載されている従来の光輝性樹脂フィルムは、二酸化チタン等の金属酸化物被膜フレーク状ガラスの鱗片状の無機顔料(鱗片状顔料)を1質量%以上含む塩化ビニル系樹脂等の液状合成樹脂組成物の溶剤を乾燥して得た無延伸樹脂フィルムである。
また、特許文献3に記載されている従来の光輝性樹脂組成物及び成形物は、チタンコートマイカ等の無機物被覆された鱗片状のパール顔料(鱗片状顔料)を0.5〜10質量%と、超微粒子酸化チタン等の微粒子状の無機顔料(微粒子顔料)を0.2〜5質量%と含む、ポリプロピレン等の合成樹脂を射出成形した無延伸樹脂シートであって、裏刷り印刷された熱ラミネート用フィルムとして使用する場合、光輝性顔料と樹脂とが非相溶であるため、裏刷り印刷の視認性として透明性(ヘイズ値)に劣る問題があり、裏刷り印刷の図柄が曇って見える上に、光沢性が損なわれて問題となる場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、優れた透明性と光沢性を有し、更には見る角度や光の角度で光沢性の変わる光沢角度依存性により立体感のある光輝性樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、該光輝性樹脂組成物からなるフィルムやシート等の成形体、熱ラミネート用光輝性スチレン系樹脂フィルム、積層シート、容器、及び包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、見る角度によって明るさや色相が変化して見えるフリップフロップ効果を発現する光輝顔料(鱗片状顔料単体、及び鱗片状顔料と微粒子顔料との混合物)の従来の含有範囲より少ない量の樹脂組成物において、特定の鱗片状顔料と微粒子顔料とを組み合わせて特定量の範囲で含有する樹脂組成物とすることで、初めて、透明性を損なうことなく光が有効にフィルム透過することを可能とし、フィルム表面及びフィルム内部の光輝顔料の光反射効果による光沢性及び光沢角度依存性を向上させ、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、本発明は、以下の光輝性樹脂組成物、成形体、熱ラミネート用樹脂フィルム、積層シート、容器、及び包装体を提供するものである。
【0012】
(1)
樹脂と、粒度分布0.5〜600μmの鱗片状顔料Aと平均粒径150nm以下の微粒子顔料Bとを含有し、前記鱗片状顔料Aの量が前記樹脂に対して0.1〜1.0質量%、前記微粒子顔料Bの量が前記樹脂に対して0.01〜0.1質量%の範囲であって、JIS−K7136法に準じたヘイズ値より厚み25μm換算した換算ヘイズ値が5%以下であることを特徴とする、光輝性樹脂組成物。
(2)
前記樹脂がスチレン系樹脂を含み、前記鱗片状顔料Aが光輝顔料又はパール顔料を含み、前記微粒子顔料Bが微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化スズ、微粒子酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、(1)に記載の光輝性樹脂組成物。
(3)
前記鱗片状顔料Aの前記微粒子顔料Bに対する質量割合(A/B)が10/1〜100/1の範囲である、(1)又は(2)に記載の光輝性樹脂組成物。
(4)
(1)〜(3)のいずれかに記載の光輝性樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする、成形体。
(5)
(1)〜(3)のいずれかに記載の光輝性樹脂組成物よりなる層を少なくとも1層含むことを特徴とする、熱ラミネート用樹脂フィルム。
(6)
(5)に記載の熱ラミネート用樹脂フィルムと樹脂発泡体とが積層されていることを特徴とする、積層シート。
(7)
(6)に記載の積層シートよりなることを特徴とする、容器。
(8)
(7)に記載の容器と前記容器に嵌合することが可能な蓋とを含むことを特徴とする、包装体。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、優れた透明性と光沢性、更には見る角度や光の角度で光沢性の変わる光沢角度依存性により立体感のある光輝性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光輝性樹脂組成物からなるフィルムやシート等の成形体、熱ラミネート用樹脂フィルム、積層シート、容器、及び包装体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について、詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0015】
<光輝性樹脂組成物>
本実施形態の光輝性樹脂組成物は、樹脂、鱗片状顔料A、微粒子顔料Bを含み、各種添加剤を更に含んでいてよい。
【0016】
<樹脂>
本実施形態の樹脂とは、スチレン系樹脂、エチレン系樹脂やプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂等が挙げられる。このうち1種を単独で、又は2種以上の混合により使用することができる。又、本実施形態の熱ラミネート用樹脂フィルムは、接着剤を用いずに、熱圧着により、熱ラミネート用樹脂フィルムと樹脂シートとを積層して積層シートを成形することができ、また、得られた積層シートは、食品用容器、飲料用容器、カップ麺容器等の熱成形容器の材料として好適に使用することができる。
【0017】
本実施形態の樹脂の中でも、特にポリスチレンに代表されるスチレン系樹脂は安価であり、その透明性に加えて、成形性、寸法安定性、剛性、更には発泡特性等にも優れる観点から、スチレン系樹脂が好適に用いられる。
【0018】
−スチレン系樹脂−
本実施形態において好適に用いられるスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体の単独重合体又は共重合体よりなる線状ポリスチレン;スチレン系単量体、多分岐状マクロモノマー、及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルを共重合してなる多分岐状ポリスチレン;又は、これらの混合組成物;であり、フィルム状に製膜することができる透明性のあるスチレン系樹脂組成物であることが好ましい。
【0019】
スチレン系単量体としては、スチレン(スチレンの単独重合体として、例えば、汎用ポリスチレン(GPPS))又はその誘導体を用いることができる。スチレン誘導体としては、例えば、メチルスチレン、α−メチルスチレン等のアルキル置換スチレン、ブロモスチレン、α−ブロモスチレン等のハロゲン置換スチレン等が挙げられる。
【0020】
また、スチレン系単量体の共重合体としては、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酸無水物共重合体、及び、これら3種の共重合体のいずれか1種を構成する2種のモノマー成分に更なるモノマー成分であるエステル成分を含む三元共重合樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種、スチレン−ブタジエン共重合体(SB樹脂)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、及びスチレン−ブタジエン−スチレン系樹脂(SBS樹脂)からなる群より選ばれる少なくとも1種の耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体等の公知の共重合体樹脂が挙げられる。また、ポリスチレンとポリフェニレンエーテル樹脂とのポリマーアロイ(m−PPE)も挙げられる。
【0021】
上記のスチレン系単量体の共重合体におけるスチレン系単量体に由来する構成成分の含有量は、共重合体100質量%に対して、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは85質量%以上である。
【0022】
上記多分岐状ポリスチレンは、分岐構造を有している。分岐の構造として、一般的には、ランダム分岐型構造、星形構造、又はポンポン型構造がある。
【0023】
スチレン系樹脂に分岐を導入する方法としては、有機過酸化物を用いる方法、多官能モノマーを用いる方法、イオン架橋による方法、又は多分岐状マクロモノマーを用いる方法がある。
これらの方法のうち、多分岐状マクロモノマーを用いることにより星形構造とポンポン型とが共存する分子構造を有するスチレン系樹脂を得る方法は、ゲル化抑制、フィルムの押出し性、製膜性、及び二次成形性(伸び及び厚みが均一)の観点から好ましい。
【0024】
多分岐状マクロモノマーとしては、複数の分岐を有し、かつ、スチレン系単量体と共重合可能な脂肪族不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。多分岐状マクロモノマーは、例えば、特開2011−202064号公報に示される方法により得ることができる。
【0025】
多分岐状マクロモノマーとして、例えば、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー、多分岐ポリエーテルポリオールに(メタ)アクリル基を導入したマクロモノマー、1分子中に活性メチレン基と、臭素、塩素、メチルスルホニルオキシ基又はトシルオキシ基等とを有するAB2型モノマーを求核置換反応させて得られる、多分岐状の自己縮合型重縮合体を前駆体として、該重縮合体中に残存する未反応の活性メチレン基又はメチン基を、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン等と求核置換反応させることによって重合性二重結合を導入して得られる、多分岐状マクロモノマー等を好適に用いることができる。
【0026】
多分岐状マクロモノマーの質量平均分子量は、特に限定されず、1000〜15000程度が好ましい。
【0027】
脂肪族不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル誘導体が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜12のアルキルアルコールとのエステル類、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとのエステル類、(メタ)アクリル酸と脂環式アルコールとのエステル類等が挙げられる。これらの内から少なくとも1種が選択されることが好ましい。
なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はこれに対応するメタクリルを意味する。この中でも、(メタ)アクリル酸ブチル又は(メタ)アクリル酸エチルが好ましく、熱ラミネート用樹脂フィルムの厚み斑、熱成形容器の深絞り成形性の観点から、アクリル酸ブチル又はアクリル酸エチルがより好ましい。
【0028】
多分岐状ポリスチレン中の脂肪族不飽和カルボン酸エステル単位の含有量は、全スチレン系樹脂100質量%に対して、0.5〜3.5質量%であることが好ましく、0.6〜3.3質量%であることがより好ましく、0.9〜2.5質量%であることが更に好ましい。0.5質量%より少ないと、深絞り性が不十分であり、3.5質量%より多いと、フィルムに製膜する工程でフィルムの厚み斑が大きくなったり、深絞り成形工程での型決まり性が悪くなったりする。
【0029】
本実施形態における樹脂は、熱ラミネート用途の観点より、線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンとを含有するスチレン系樹脂組成物(混合系のスチレン系樹脂)とすることが好ましい。
スチレン系樹脂組成物中の線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンとの質量比(線状ポリスチレン:多分岐状ポリスチレン)は、99.5:0.5〜70:30の範囲が好ましく、95:5〜75:25の範囲が更に好ましい。多分岐状ポリスチレンの質量比が0.5未満であると、深絞り成形する工程でフィルムが切れ易くなる。また、多分岐状ポリスチレンの質量比が30を超えると、フィルムに製膜する工程でフィルムの厚み斑が大きくなったり、深絞り成形工程での型決まり性や成形品の偏肉が悪くなったりする。
【0030】
また、上記スチレン系樹脂組成物は、フィルムに製膜する際の安定性、フィルムの深絞り性等の特性を改善する観点より、スチレン−ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレン、及びスチレン−ブタジエン−スチレン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の耐衝撃性ポリスチレンを含むことが好ましく、ハイインパクトポリスチレン及びスチレン−ブタジエン−スチレン系樹脂を含むことが特に好ましい。
【0031】
上記スチレン系樹脂組成物が上記耐衝撃性ポリスチレンの少なくとも1種を含む場合の耐衝撃性ポリスチレンの合計含有量は、スチレン系樹脂組成物100質量%に対して、0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、3〜7質量%が更に好ましい。0.5質量%以上含む場合、フィルムの製膜安定性や滑り性が改善され、15質量%以下の場合はフィルムの透明性、光沢、フィルムの腰(スティフネス)が保たれる。
【0032】
本実施形態における樹脂の含有量としては、光輝性樹脂組成物を100質量%として、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上としてよく、また、100質量%未満、97質量%以下、95質量%以下としてよい。
【0033】
<鱗片状顔料A>
本実施形態における鱗片状顔料Aは、一般に光輝顔料やパール顔料として市販されているものを使用することができる。
鱗片状顔料Aとしては、二酸化チタンや酸化鉄等の金属酸化物や無機物により被覆された、平板状マイカ粒子、フレーク状ガラス、アルミ粉等が挙げられ、このうち1種を単独で、又は2種以上の混合により使用することができる。
これらのうち、二酸化チタンにより被覆された平板状マイカ粒子やフレーク状ガラスが好ましく、二酸化チタンにより被覆された平板状合成マイカ粒子がより好ましい。
かかる鱗片状顔料Aとしては、例えば、日本光研工業製の「ツインクルパール/TWINCLEPEARL」「パールグレイズ/PEARL−GLAZE」、「アルティミカ/ULTIMICA」、「プロミネンス/PROMINENCE」、「ジェネスター/GENESTAR」、メルク製「イリオジン/Iriodin」、BASF製「マグナパール/MagnaPearl」、トピー工業製「PDM」、日本板硝子製「メタシャイン/METASHAINE」等を挙げることができる。
これらの二酸化チタンにより被覆された平板状マイカ粒子を用いる場合、二酸化チタン表面にコーティングを施したものを用いてもよい。このコーティングは、例えば二酸化チタンによる光触媒作用を抑えるため、又は樹脂への分散性を高める目的で行うことができる。
【0034】
鱗片状顔料Aの粒度分布は、0.5〜600μmの範囲内としてよく、下限は、好適には、1μm以上、10μm以上としてよく、上限は、好適には、450μm以下、300μm以下、150μm以下としてよい。鱗片状顔料Aの粒度分布の下限が0.5μm未満であると、光拡散性は向上するが、光反射効果による光沢度が不足する可能性があり、また、粒度分布の上限が600μmを超えると、フィルム製膜時に破断が多発する等生産性に劣ったものとなる可能性がある。また、鱗片状顔料Aの粒度分布を0.5〜600μmの範囲とすれば、フリップフロップ効果が得られやすい。
なお、平均粒径とは、JIS Z8825に準拠したレーザー回折・散乱法により、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、体積分布で得たものをいう。
【0035】
鱗片状顔料Aの平均粒径は、1〜100μmの範囲内としてよく、下限は、好適には、10μm以上、20μm以上としてよく、上限は、好適には、85μm以下、70μm以下、55μm以下、40μm以下としてもよい。鱗片状顔料Aの平均粒径が1μm未満であると、光拡散性は向上するが、光反射効果による光沢度が不足する可能性があり、また、平均粒径が100μmを超えると、フィルム製膜時に破断が多発する等生産性に劣ったものとなる可能性がある。
なお、平均粒径とは、JIS Z8825に準拠したレーザー回折・散乱法により、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、体積分布で得たものをいい、個々の粒子を球状粒子に換算して求めたメディアン径(d50)をいう。
【0036】
かかる鱗片状顔料Aの厚みは、0.01〜10μmであることが好ましい。0.01μm未満であると、十分な光反射特性が得られ難く、また、製膜工程において鱗片状顔料Aが折損しやすくなる可能性がある。他方、10μmを超えると、板状の特徴が失われやすく、反射特性が低下する可能性がある。
【0037】
鱗片状顔料Aの含有量は、樹脂(100質量%)に対して0.1〜1質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.4質量%である。含有量が0.1質量%より多いと光反射による光彩効果が出やすく、1質量%を超えると樹脂組成物の透明性に劣る。
【0038】
<微粒子顔料B>
本実施形態の微粒子顔料Bは、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化スズ、微粒子酸化セリウムが挙げられ、このうち1種を単独で、又は2種以上の混合により使用することができる。これらのうち、微粒子酸化チタンが好ましい。
【0039】
そして、微粒子顔料Bの平均粒径が10〜150nmの範囲内としてよく、好ましくは、平均粒径が10〜60nmであり、より好ましくは30〜50nmである。ここでは、平均粒径が更に細かい方が、光彩効果が高く特に良い傾向がある。また、微粒子顔料Bの平均粒径を10〜150nmの範囲とすれば、フリップフロップ効果が得られやすい。
なお、平均粒径とは、一次粒子の平均粒径をいう。
また、平均粒径とは、JIS Z8828に準拠した動的光散乱法により求めた平均粒子径XDLSをいう。
【0040】
微粒子顔料Bとしては、市販各種のものが有効である。
【0041】
微粒子酸化チタンとして、石原産業製TTO−51、55シリーズ、テイカ製MTシリーズが、また、微粒子酸化亜鉛として、ハクスイテック製ジンクオックススーパーFシリーズが、成分・形状とも安定して供給される例として挙げられる。
【0042】
微粒子顔料Bの含有量は、樹脂(100質量%)に対して0.01〜0.1質量%、好ましくは0.01〜0.07質量%であり、より好ましくは0.01〜0.05質量%である。含有量が0.01質量%より多いと光散乱による光彩効果が出やすく、0.1質量%を超えると樹脂組成物の透明性に劣る。
【0043】
前記鱗片状顔料Aの前記微粒子顔料Bに対する(鱗片状顔料A/微粒子顔料B)割合(質量)は、10/1〜100/1の範囲であれば、光輝性樹脂組成物の透明性が良好で光反射による光沢性が改善された優れた光彩効果が得られ易く、好ましい。この質量割合は、より好ましくは20/1〜100/1であり、特に好ましくは20/1〜50/1である。
鱗片状顔料A/微粒子顔料Bの割合(質量)が10/1より小さいと透明性と光沢性に劣り、100/1より大きいと光沢性に劣る場合がある。
【0044】
本実施形態の光輝性樹脂組成物は、前記の樹脂と鱗片状顔料Aと微粒子顔料Bとを混合し、任意の混練機、例えば、押出機等で混練し、ペレット状、フレーク状、粉状の組成物として得られる。マスターバッチ等、顔料成分の濃度の高い物を中間に作成し、通常の通り、それを更に薄めて使ってもよい。
【0045】
<各種添加剤>
なお、必要に応じて本実施形態の光輝性樹脂組成物には、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、スリップ剤、無機フィラー等、透明性と光沢性を阻害しない範囲で各種添加剤の添加が可能である。
本実施形態における各種添加剤の含有量としては、樹脂(100質量%)に対して10質量%以下としてよく、好ましくは1質量%以下である。
【0046】
<成形体>
本実施形態の成形体は、本実施形態の光輝性樹脂組成物を含むものとしてよく、本実施形態の光輝性樹脂組成物を成形して得られるものとしてよい。
成形体としては、フィルム、シート等が挙げられる。
【0047】
本実施形態の成形体は、射出成形、パイプ成形、ブロー成形、インフレーション成形、Tダイ成形等任意の成形法により得られる。
このような成形体よりなるフィルム、シート等としては、本実施形態の光輝性樹脂組成物を溶融・混練してT−ダイからシート状に押出した後、同時二軸延伸あるいは逐次二軸延伸する方法、溶融・混練して円筒状ダイから筒状に押出した後、バブル延伸(インフレーション)する方法等、少なくとも1方向に延伸して得られる公知の製造方法を採用して得ることができる。
【0048】
このような成形方法で成形した成形体のフィルム、シート等は、例えば、熱ラミネート用樹脂フィルムを用いた容器の場合における柄印刷の視認性の観点から、透明性の指標となるヘイズ値(曇度)が25μm厚フィルム状態で5%以上にならないように、原料組成物の混合割合を設定することが望まれる。
このヘイズ値は、光輝性樹脂組成物からなる成形体のフィルム、シート等の厚みが変化した場合、更に、シートが積層されている場合の評価が困難であるが、ヘイズ値測定サンプルが均質な試験片であれば、その厚みとヘイズ値との間に比例関係を有することより、本実施形態の成形体で規定するヘイズ値は、この厚みに対するヘイズ値(%)、即ち厚み換算された換算ヘイズ値(%)により特定される。
【0049】
本実施形態の成形体は、その透明性の観点から、25μm厚みに換算された換算ヘイズ値(H25)が5%未満であることが好ましく、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下である。H25の下限は、特に限定されないが、0%以上であることが好ましく、より好ましくは0.01%以上である。
ここで、換算ヘイズ値(H25)とは、あらかじめ厚みを測定したシート状成形体の試験片サンプルのヘイズ値(H)を厚み25μmの樹脂フィルムとした場合の換算値のことであり、下記式により求めることができる。
H25(%)=H(%)×25(μm)/d(μm)
ここで、
H25:厚み25μm換算した換算ヘイズ値(%)
H:ヘイズの実測値(%)
d:ヘイズ測定部のシート状成形体の厚み(μm)
である。
なお、本実施形態の成形体で測定されるヘイズ値は、JIS−K−7136法に準拠して測定される値である。
【0050】
本実施形態の光輝性樹脂組成物の成形体は、例えば、熱ラミネート用樹脂フィルムを用いた容器の場合に、見る角度や光の角度で光沢性の変わる立体感やキラキラ感のある光反射による光沢性の観点から、光沢性の指標となるグロス値(光沢度)が光測定角度45度で140%以上、且つ、光測定角度45度でのグロス値(G45)と光測定角度20度でのグロス値(G20)との差(G45−G20)が30%以上となるように原料組成物の混合割合を設定することが望まれる。
本実施形態の樹脂組成物の成形体は、光測定角度45度グロス値(G45)が140%以上であることによってより高い光沢を得ることができ、光測定角度45度でのグロス値(G45)と光測定角度20度でのグロス値(G20)との差で表される光沢角度依存性(G45−G20)が30%以上であることによって、みる角度や光の角度で光沢性が変わり、立体感やキラキラ感のある光反射による光沢性の観点から好ましい。
本実施形態では、G45が140%以上、且つ、G45−G20が40%以上であることがより好ましい。
なお、本実施形態の樹脂組成物の成形体で測定されるグロス値は、JIS−Z8741法に準拠して測定される値である。
【0051】
本実施形態の光輝性樹脂組成物からなる成形体のフィルム、シート等の厚みは、10〜200μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜50μmがさらに好ましい。フィルムの厚みが、10〜80μmであると、ループステフネス(東洋精機製作所製ループステフネステスタ測定値)の値が、熱ラミネート用フィルムとして取扱う上で好適な腰の強さ(曲げ弾性)に相当する1〜50gfを示す。
【0052】
また、本実施形態の熱ラミネート用樹脂フィルムは、容器表面と反対側の面となるフィルム側に裏刷り印刷してもよい。裏刷り印刷の方法としては、一般的な方法を使用することができ、グラビアロール印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等が挙げられる。
【0053】
<熱ラミネート用樹脂フィルム>
本実施形態の熱ラミネート用樹脂フィルムは、上述の光輝性樹脂組成物よりなる層を少なくとも1層含むものとしてよい。
例えば、上記実施形態においては、単層の光輝性樹脂組成物からなる熱ラミネート用樹脂フィルムを例示したが、本実施形態の光輝性樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む熱ラミネート用樹脂フィルムとして、本発明の特性を損なわない範囲で、外表面保護層等を有するような多層フィルムであってもよい。
【0054】
<積層シート>
本実施形態における積層シートは、上述の熱ラミネート用樹脂フィルムと樹脂発泡体とが積層されているシートである。
本実施形態において好適に用いられるスチレン系樹脂を用いた光輝性樹脂組成物の熱ラミネート用樹脂フィルムと積層される樹脂発泡体としてスチレン系樹脂発泡体が好ましい。スチレン系樹脂発泡体は、スチレン系樹脂をベースとした発泡体であり、形状及び大きさは任意である。
積層シートの厚みは、1〜4mmが好ましく、2〜3mmがより好ましい。積層シートの厚みが1〜4mmであると、加熱することで容易に加工することができる。
本実施形態における積層シートは、上述の熱ラミネート用樹脂フィルムの片面を樹脂発泡体に熱圧着することにより得られる。熱圧着法としては、一般的な方法を使用することができ、例えば、温度150〜250℃の熱圧着ローラーを装備した熱ラミネート機でラミネートする方法等が挙げられる。
【0055】
<容器>
本実施形態における容器は、上述の積層シートを金型を用いて熱成形することにより得られる。
本実施形態の容器は、優れたフィルム透明性及びフィルム表面の滑り性を有する本実施形態の熱ラミネート用樹脂フィルムを含む積層シートから成形することにより、優れた印刷視認性、蓋嵌合及び開封の包装適性を兼ね備える。そのため、本実施形態の容器は、食品用容器、飲料用容器、カップ麺容器等の用途に好適に使用することができる。
本実施形態の容器の製造方法としては、真空成形、圧縮成形、真空圧空成形等の一般的な熱成形方法を用いることができる。中でも、真空成形が好ましく、温度条件としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂を用いた容器の場合、250〜300℃が好ましい。
【0056】
<包装体>
本実施形態における包装体は、上述の本実施形態の容器と当該容器に嵌合することが可能な蓋とを含む。
本実施形態の包装体は、優れたフィルム透明性及び光沢性を有する本実施形態の熱ラミネート用樹脂フィルムを含む容器で構成されることにより、優れた印刷視認性と見る角度や光の角度で光沢性の変わる立体感を有し、蓋の嵌合及び開封を容易に行うことができる。そのため、本実施形態の包装体は、食品用容器、飲料用容器、カップ麺容器等の用途に好適に使用することができる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0058】
<材料>
実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。
【0059】
[スチレン系樹脂]
ポリスチレン1(PS1):PSジャパン社製、グレード名 685、MFR=1.5g/10分(GPPS、線状PS)
ポリスチレン2(PS2):DIC社製、グレード名 HP−100、MFR=3.3g/10分(線状PS84質量%と多分岐PS16質量%との混合物、アクリル酸ブチル単量体の含有量2%)
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS):PSジャパン社製、グレード名 H8672、MFR=4.0g/10分
【0060】
[鱗片状顔料A]
パール顔料1:日本光研工業製、製品名 ツインクルパールSXE(厚み1μm、粒度分布20〜80μm、平均粒径約37μm)
パール顔料2:日本光研工業製、製品名 ツインクルパールSX(厚み1μm、粒度分布40〜200μm、平均粒径約90μm)
光輝顔料1:日本板硝子製、製品名 メタシャインGT1080RS(厚み1μm、粒度分布10〜500μm、平均粒径約80μm)
【0061】
[微粒子顔料B]
微粒子酸化チタン1:石原産業製、製品名 TTO−55(C)(平均粒径30〜50nm)
微粒子酸化チタン2:石原産業製、製品名 TTO−51(C)(平均粒径10〜30nm)
【0062】
《測定及び評価方法》
実施例及び比較例において使用した測定及び評価方法は、以下のとおりである。
【0063】
(1)光輝性樹脂組成物の厚み
JIS−B−7503に準拠したダイヤルゲージにより、光輝性樹脂組成物のシート状成形体の厚みを測定した(単位:μm)。
【0064】
(2)光輝性樹脂組成物の透明性(ヘイズ値:H)及び換算ヘイズ値(H25)
JIS−K−7136に準拠し、ヘイズメーター(日本電色工業製、NDH5000)を用いて光輝性樹脂組成物のシート状成形体のヘイズ値(H)を測定し、整数値に四捨五入して求めた(単位:%)。
引き続き、あらかじめ測定したシート状成形体の厚み測定値(d)を用いて、下記式に従い、厚み25μmの樹脂フィルムとした場合の換算ヘイズ値(H25)を求めた。
H25(%)=H(%)×25(μm)/d(μm)
H25:厚み25μm換算した換算ヘイズ値(%)
H:ヘイズの実測値(%)
d:ヘイズ測定部のシート状成形体の厚み(μm)
【0065】
(3)光輝性樹脂組成物の光沢性(グロス値)
まず、光輝性樹脂組成物のシート状成形体の片面(光沢測定面とは反対側の面)にバーコーターNo.18(第一理化製)を用いて水性黒色インキ(DICグラフィックス製、マリーングロスPE 805墨)をベタ印刷後に熱風乾燥機で乾燥(90℃、3分間)して、測定サンプルを作成した。
測定サンプルについて、JIS−Z8741法に準拠し、光沢計(日本電色工業製、VG7000)を用いて以下のとおり測定した(単位:%)。
光沢計の測定角度を25度とし、標準板を試料台にのせて標準校正を行った。次に、測定サンプルを黒インキで印刷された面の反対側の面が光沢測定面となるようにフィルムを試料台にのせて、25度でのフィルムの光沢度(G25)を測定した。その後、同一のサンプルフィルムについて同様に45度での光沢度(G45)を測定した。
また、光沢性の角度依存性の指標として、G45からG25を差し引いた値を求めた。
【0066】
(4)成形体(容器)想定の印刷視認性レベル
光輝性樹脂組成物を含む熱ラミネート用フィルムを積層した積層シートから熱成形した容器の場合における、柄印刷表面の外観や、印刷柄の視認性の観点から、換算ヘイズ値H25を以下の評価基準で判定した。
◎(優良):印刷柄が非常に鮮明で、優れた印刷視認性を示すレベル、3%以下の換算ヘイズ値に相当。
○(良好):印刷柄が鮮明で、良好な印刷視認性を示すレベル、3%超4%以下の換算ヘイズ値に相当。
△(実用可):印刷柄がクリアで、実用的な印刷視認性を示すレベル、4%超5%以下の換算ヘイズ値に相当。
×(不良):印刷柄が白濁して表面光沢も無く、印刷視認性に劣るレベル、5%超の換算ヘイズ値に相当。
【0067】
(5)成形体(容器)想定の光輝性レベル
光輝性樹脂組成物を含む熱ラミネート用フィルムを積層した積層シートから熱成形した容器場合における、容器を見る角度や光の角度で光沢性の変わる立体感やキラキラ感のある光反射による光輝性の観点から、光沢性の指標となる光測定角度45度グロス値(G45)と光測定角度20度グロス値(G20)との差(G45−G20)を以下の評価基準で判定した。
◎(優良):光沢性G45≧140%、且つ、光沢角度依存性(G45−G20)≧40%で、優れた立体感やキラキラ感を示す。
○(良好):光沢性G45≧140%、且つ、光沢角度依存性40%>(G45−G20)≧30%で、良好な立体感やキラキラ感を示す。
×(不良):光沢性G45<140%、又は、光沢角度依存性30%>(G45−G20)で、光沢性及び立体感やキラキラ感に劣る。
【0068】
(6)総合評価
以下の評価基準で総合評価を行った。
◎(優良):印刷視認性、光沢性が、どちらも◎である。
○(良好):印刷視認性、光沢性が、どちらも○、又は、一方が◎で他方が○である。
△(実用可):印刷視認性が△、光沢性が○若しくは◎である。
×(不良):印刷視認性、光沢性の少なくとも一方が×である。
【0069】
[実施例1]
スチレン系樹脂の原料であるPS1又はPS2のペレット(95質量%)とHIPSのペレット(5質量%)に対して鱗片状顔料Aのパール顔料1(0.2質量%)と微粒子顔料Bの微粒子酸化チタン1(0.01質量%)とをドライブレンドした混合物50gを混練機ラボプラストミル(東洋精機製)にて回転速度50rpm、温度200℃、混合時間10分で溶融混錬した。このようにして得られた光輝性樹脂組成物から加熱プレスにより200μm厚の試験片としてシート状成形物を作製した。実施例1の原料組成、シート状成形物の各物性、評価結果を表1に示す。
【0070】
[実施例2〜10]
実施例2〜10は、表1に示すように原料組成を変更したこと以外は実施例1と同様にして行い、シート状成形物を得た。
【0071】
[比較例1〜4]
比較例1〜4は、表1に示すように原料組成を変更したこと以外は実施例1と同様にして行い、シート状成形物を得た。
【0072】
実施例1〜10及び比較例1〜4の原料組成、シート状成形物の各物性、評価結果をまとめて表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
樹脂として耐衝撃性ポリスチレンを含むポリスチレンのスチレン系樹脂に、鱗片状顔料Aとしてパール顔料及び光輝顔料を0.1〜1.0質量%、微粒子顔料Bとして微粒子酸化チタン0.01〜0.1質量%を配合した組合せの実施例1〜10は、良好な又は実用上問題の無い印刷視認性レベルと光輝性レベルを示した。微粒子顔料Bが0.1質量%より多い比較例1、2は、印刷視認性の劣るレベルの透明性であり、0.01質量%より少ない比較例3、4は、見る角度や光の角度で光沢性の変わる立体感の無い光輝性の劣るレベルであった。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の光輝性樹脂組成物からなる層を含む熱ラミネート用樹脂フィルムを裏印刷し、スチレン系樹脂発泡体に熱ラミレートしてなる積層シートを成形して得られる容器は、ラミネート用フィルムの優れた透明性と光沢性、更には見る角度や光の角度で光沢性の変わる光沢角度依存性により、裏刷り印刷にキラキラ感と立体感のある光輝性が良好なものとなる。従って、本発明の容器及びそれを用いた包装体は、その透明性や光沢性により印刷仕上がりの意匠性に差別的な高級感がある、食品用容器、飲料用容器、カップ麺容器等の食品用容器及び包装体として好適に使用することができる。