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特開2020-177328情報表示システムおよび情報表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-177328(P2020-177328A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】情報表示システムおよび情報表示方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20201002BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20201002BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20201002BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20201002BHJP
【FI】
   G05D1/02 Z
   G05D1/02 S
   G05D1/02 H
   G08G1/01 E
   G08G1/16 A
   G09G5/00 550C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-77616(P2019-77616)
(22)【出願日】2019年4月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆史
【テーマコード(参考)】
5C182
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA13
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA14
5C182BA29
5C182BA44
5C182BA54
5C182CA32
5H181AA01
5H181AA27
5H181CC04
5H181DD04
5H181EE02
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF21
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL08
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB20
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD01
5H301DD05
5H301DD07
5H301DD15
5H301LL01
5H301LL02
5H301LL03
5H301LL06
5H301LL07
5H301LL08
5H301QQ06
(57)【要約】
【課題】騒音環境への影響を抑えつつ、歩車の強調を促すことが可能な情報表示システムを提供する。
【解決手段】対象領域において回避対象物が存在する位置を検出した結果に基づいて分布状況を取得する状況判定部と、検出された分布状況に基づいて、車両が走行可能な予定経路を生成する経路生成部と、予定経路を前記対象領域の床面に表示する床面表示装置と、を有する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域において回避対象物が存在する位置を検出した結果に基づいて分布状況を取得する状況判定部と、
検出された分布状況に基づいて、車両が走行可能な予定経路を生成する経路生成部と、
予定経路を前記対象領域の床面に表示する床面表示装置と、
を有する情報表示システム。
【請求項2】
前記経路生成部は、
前記対象領域に車両が複数存在する場合に、各車両の予定経路に沿って車両が移動した場合に干渉するか否かを判定し、
干渉する場合には、干渉しない経路を生成する
請求項1記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記経路生成部は、
前記干渉する場合には、干渉が生じているいずれかの車両について待合時間を生成する
請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記経路生成部は、
混雑状況が変化の度合いが一定以上である場合には、その混雑している領域を回避するように予定経路を再生成する
請求項1または請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記経路生成部は、
生成した予定経路を車両に通知する
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記床面表示装置は、ディスプレイ装置である
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項7】
状況判定部が、対象領域において回避対象物が存在する位置を検出した結果に基づいて分布状況を取得し、
経路生成部が、検出された分布状況に基づいて、車両が走行可能な予定経路を生成し、
床面表示装置が、予定経路を前記対象領域の床面に表示する
情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システムおよび情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転車や自律走行ロボット等(以下、自律走行車とする)の技術が進展し、街区建物内の様々な場所にこれら自律走行車が導入されはじめており、普及の兆しを見せている。それら自律走行車は、建物内、地下通路、歩道上、歩車非分離の道路など、歩車が混在する状況で走行することが想定される。このような状況下においては、多数の人々で混雑する状況でもスムーズに走行するための技術やインタラクションが必要である。例えば、従来においては、自動車におけるクラクションや、自転車におけるベル、空港内カートにおけるアラート音などによって、運転者が歩行者に対して注意を促しながら走行していた。
また、自律走行車には、歩行者とコミュニケーションをとる人間の運転者が搭乗していないため、情報インターフェースによって車と歩行者の間でコミュニケーションを図る技術が研究されている。例えば、自律走行車の車体面にディスプレイを装着したり、自立走行車が備えるプロジェクタから路面に対して光を照射することで、文字や顔の表情の画像を表示する技術が提案されている。
また、例えば特許文献1、特許文献2には、床面に情報を表示可能するものについて記載されており、特にエレベータの乗り場にプロジェクタを設置し、壁や扉、床等に案内情報を表示するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−70377号公報
【特許文献2】国際公開第2018/078681号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、クラクション等の音を用いて注意を促す場合、自律走行車が普及した環境では、多数の自律走行車がアラート音を発生させながら走行することになってしまい、これは効果的でなく、また街の騒音環境としても好ましくない。
また、自律走行車のもつプロジェクタによって路面に情報を表示する手法では、自律走行車の状態を人に知らせることや、道路横断者と車の間でコミュニケーションとることが主であり、混雑する環境で歩車の間の協調を促すものにはなっていない。また、自律走行車のそれぞれが、路面に情報を表示することができる機能を備える必要がある。
また、特許文献1及び2については、エレベータの乗り場において利用されるものであり、歩車が存在する空間において利用するものではない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、騒音環境への影響を抑えつつ、歩車の協調を促すことが可能な情報表示システムおよび情報表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、対象領域において回避対象物が存在する位置を検出した結果に基づいて分布状況を取得する状況判定部と、検出された分布状況に基づいて、車両が走行可能な予定経路を生成する経路生成部と、予定経路を前記対象領域の床面に表示する床面表示装置と、を有する。
【0007】
また、本発明の一態様は、状況判定部が、対象領域において回避対象物が存在する位置を検出した結果に基づいて分布状況を取得し、経路生成部が、検出された分布状況に基づいて、車両が走行可能な予定経路を生成し、床面表示装置が、予定経路を前記対象領域の床面に表示する情報表示方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、騒音環境への影響を抑えつつ、自律走行車と人との間における協調を促すことが可能となる。また、プロジェクタによって路面に情報を表示する機能を搭載していない自律走行車であっても、路面に表示される情報を用いて自律走行車と人との間で協調を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】情報表示システム1が用いられる空間の状況を水平方向からみた概念図である。
図1B】情報表示システム1が用いられる空間を俯瞰した概念図である。
図2】情報表示システム1の動作を説明するフローチャートである。
図3】対象領域100の状況を示す概念図である。
図4】対象領域100の状況を示す概念図である。
図5】対象領域100の状況を示す概念図である。
図6】対象領域100の状況を示す概念図である。
図7】床面表示装置40の表示態様の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による情報表示システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による情報表示システムの構成を説明する図である。図1Aは、情報表示システム1が用いられる空間の状況を水平方向からみた概念図である。図1Bは、情報表示システム1が用いられる空間を俯瞰した概念図である。
【0011】
情報表示システム1は、複数のセンサ10と、混雑状況判定装置20と、経路生成装置30と、床面表示装置40と、自律走行車50と、ネットワーク60とを備える。
センサ10は、対象領域100内における壁、床、柱等の構造物のセンシングや、群(人)や自律走行車50等の動きのセンシングを行うことにより、対象領域100内における群や自律走行車50の位置を検出する。センサ10は、例えば、対象領域を上方から撮影するカメラや、3Dスキャナを用いることができ、対象領域100の天井や壁等に設置可能である。
ここでは、センサ10a、センサ10b、センサ10cのように、複数のセンサ10によって、対象領域100が全体的に検知できるように配置されてもよい。以下、センサ10a、センサ10b、センサ10cを特に識別しない場合には、単にセンサ10と称する。
【0012】
対象領域100は、床面表示装置40によって各種信号を表示するにあたり監視する対象の領域であり、例えば、地下歩行空間、建物内、歩道、歩車非分離の道路等である。
対象領域100には、複数の柱110(ここでは、柱100a、柱100b)がある。このような柱110は、床面と天井面との間に設けられている。
また、対象領域100には、人や自律走行車50が通行可能である。この図においては、一例として、通行する人の群である群120a、群120b、群120cが通行している場合について図示されている。
【0013】
混雑状況判定装置20は、対象領域100に存在する回避対象物の位置を検出した結果に基づいて分布状況を取得する。混雑状況判定装置20は、センサ10から得られた情報とフロアマップとを対応付けることによって、空間全体における人・モノ・車の混雑の分布をリアルタイムに把握する。ここでいう回避対象物は、自律走行車50が走行する際に干渉しないようにする対象の物体であり、例えば、人、障害物(例えば壁、柱、扉、一時的または恒常的に置かれた什器・荷物等)、自律走行車(他の自律走行車)等である。フロアマップは、対象領域100であるフロアの構造を示す情報であり、壁や柱の位置、対象領域100に出入り可能な出入り口や店舗の出入り口の位置を示す地図情報である。混雑状況判定装置20は、このフロアマップに対して、センサ10によって検出された群や自律走行車50の位置をマッピングすることで、群や自律走行車50が対象領域100のどの位置に存在するかを特定する。
【0014】
経路生成装置30は、検出された分布状況に基づいて、車両が走行可能な予定経路を生成する。
経路生成装置30は、対象領域に車両が複数存在する場合に、各車両の予定経路に沿って車両が移動した場合に干渉するか否かを判定し、干渉する場合には、干渉しない経路を生成する機能、また、干渉する場合には、干渉が生じているいずれかの車両について待合時間を生成する機能、混雑状況が変化の度合いが一定以上である場合には、その混雑している領域を回避するように予定経路を再生成する機能、予定経路に人が進入してきたことを混雑状況判定装置20によって検出された場合には床面表示装置40によって警告を表示させる機能、予定経路に人が進入してきた際に当該人が予定経路から立ち退かないことを混雑状況判定装置20によって検出された場合には予定経路を再生成する機能、生成した予定経路を車両に通知する機能等を有する。
【0015】
経路生成装置30は、混雑状況判定装置20による分布状況をもとに、人や物の群の間に自律走行車が通れる隙間を判別し、その隙間を基に、自律走行車50が通ることができる予定経路を決定し、床面に信号表示をする。
図3において、対象領域100は、壁101aと壁101bとの間に、人や自律走行車50が通行可能な領域102がある。壁101aの領域102とは反対側には人が出入りすることが可能な店舗103aがあり、壁101bの領域102とは反対側には、領域102に対して出入りすることが可能な出入り口104bがある。領域102には柱110c、110d、110e、110f、110g、110hがある。また、この図において、一人または複数の人である群が複数示されており(例えば群120d)、また、複数の自律走行車50a、50b、50cが示されている。なお、それぞれの人、自律走行車の近傍の矢印は、進行方向を示しており、また、矢印の長さは移動速度を示しており、長さが長いほど移動速度が速い。
ここでは、自律走行車50aに対して予定経路130a、自律走行車50bに対して予定経路130b、自律走行車50cに対して予定経路130cが表示されている。
【0016】
このように、特定の広がりをもち、混雑が予想される空間(例えば、地下歩行空間など)において、歩車混在する場合であっても、情報表示機能を空間自体(床)に持たせ、情報表示機能と自律走行車とを連携させることによって、自律走行車と複数の歩行者との間で、円滑な移動を促すための、信号表示のシステムを提供することができる。
また、床面表示機能を利用することで、混雑状況に応じた歩車分離を実現することが可能となり、また、歩行者に対して注意喚起を行うことができる。
【0017】
図2に戻り、経路生成装置30は、人や物の移動方向や速度に基づいて、t秒後の混雑分布の変化を推定し、推定結果に応じた予定経路を生成することもできる。
また、経路生成装置30は、予定経路を自律走行車にフィードバックする。センサ10によって対象領域100の混雑状況を検出し、その混雑状況を基に走行予定ルートを経路生成装置30から自律走行車50に送信することで、混雑状況判定装置20と経路生成装置30と自律走行車50は常に相互に情報を共有することができ、対象領域100内の状況変化が起きた際にはその変化に基づき自律走行車50は運行を制御し、経路生成装置30は床面表示装置40の表示を変化させる。自律走行車50は、大きな状況変化が起きない限り、経路生成装置30が設定した予定経路上を優先して移動する。
【0018】
床面表示装置40は、床面がディスプレイとして機能する情報表示機能を有しており、自律走行車50の予定経路を対象領域100の当該自律走行車50の現在位置に応じた床面に表示することによって、リアルタイムにダイナミックな歩車分離を行うことができる。床面表示装置40は、予定経路に人が入ってきたことを混雑状況判定装置20によって検出された場合には、表示されたルールが破られたことを経路生成装置30によって検出されると、予定経路に入ってきた人の現在位置に対応する床面の位置(例えば足下部分)に警告を表示する。
床面表示装置40は、例えば、床面上に車両が載ったり走行したりすることが可能な床用ディスプレイ装置を適用することができる。ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどであってもよい。
床面に予定経路が表示されることで、周囲の歩行者は、その表示を信号として認識することが可能である。
【0019】
自律走行車50は、自身の周囲を障害物の方向や障害物までの距離を測定するセンサを有し、自身の把握した周囲の状況を把握しつつ走行する。また、自律走行車50は、自身の制御情報を、ネットワーク60を介してリアルタイムに混雑状況判定装置20に送信する。自律走行車50は、自車のセンサによって得られた情報のみによって走行予定ルートを随時更新・変更していくのではなく、混雑状況判定装置20が自律走行車50と連携することによって、経路生成装置30が空間(対象領域100)全体として最も効率が良いと考えられるルートを決定する。自律走行車50は、経路生成装置30から得られる予定経路に基づいて走行する。
自律走行車50は、この図において1台のみ示されているが、対象領域100において、複数台存在することもできる。
【0020】
ネットワーク60は、センサ10、混雑状況判定装置20、経路生成装置30、自律走行車50等の間で通信可能に接続される情報網である。
【0021】
次に、上述の情報表示システム1の動作について、図2から図6を用いて説明する。図2は、情報表示システム1の動作を説明するフローチャート、図3から図6は、対象領域100の状況を示す概念図である。
センサ10は、対象領域100の人、物、自律走行車50等を認識する(ステップS100)。
混雑状況判定装置20は、センサ10から得られた認識結果をフロアマップに対応付けした分布状況を示すデータを生成し、対象領域100全体における混雑分布を表す混雑状況を検出する(ステップS101)。
【0022】
経路生成装置30は、生成された分布状況に基づいて、自律走行車50に対して予定経路を生成する(ステップS102)。ここでは、自律走行車50が対象領域100に複数台存在する場合には、それぞれに対して予定経路を生成する。
【0023】
次に、経路生成装置30は、一つまたは複数の自律走行車50のうち一つの自律走行車nに対して割り当てられた予定経路を対象として、現在位置から一定距離分の予定経路について他との干渉について判定する(ステップS103)。
経路生成装置30は、自律走行車nの予定経路に基づいて、複数の予定経路が重なる(他の予定経路と干渉する)、もしくは他の予定経路が一定の距離内にある場合、それぞれの自律走行車50の、その区間への到達時間を求める(ステップS104)。
そして、経路生成装置30は、求められた到達時間がぶつかるか否かを判定する(ステップS105)。
【0024】
経路生成装置30は、求められた到達時間がぶつからなければ、別の予定経路として記憶することで情報を保持する(ステップS106)。
一方、経路生成装置30は、求められた到達時間がぶつかる場合には、到達時間がぶつかる予定経路が同じ方向を向いているか否かを判定する(ステップS107)。同じ方向を向いている場合、経路生成装置30は、2つの予定経路を重ねる(ステップS108)。例えば、一方の自律走行車50の進行方向の一定の範囲に、もう一方の自律走行車50の進行方向が含まれる場合には、当該一方の自律走行車50の後にもう一方の自律走行車50が追従するような予定経路を生成する。これにより、自律走行車50がぶつかることなく走行することができる。経路生成装置30は、その後、一方の自律走行車50ともう一方の自律走行車50とについて、目的地に応じて異なる予定経路を生成する。
一方、経路生成装置30は、同じ方向を向いていない場合には、一方の予定経路に待合期間(一時停止または減速する期間)を設ける(ステップS109)。これにより、自律走行車50がぶつかることを回避することができる。
【0025】
経路生成装置30は、生成された予定経路に基づいて、対象領域100の床面表示装置40に予定経路を示すデータを送信する。ここでは、センサ10によって各自律走行車50の現在位置を検出できているため、現在位置を基準とした予定経路を床面表示装置40に表示させる画像データを送信するようにしてもよい。また、経路生成装置30は、生成された予定経路を、生成した対象の自律走行車50に対してネットワーク60を介して送信する(ステップS110)。床面表示装置40は、経路生成装置30から受信した予定経路を示すデータに従って床面に予定経路を表示させる。ここでは、自律走行車50の現在位置から進行方向に対して一定距離範囲における予定経路を、自律走行車50の現在位置に合わせて表示する。
【0026】
次に、経路生成装置30は、x秒間のウエイト時間を経過した後(ステップS111)、センサ10の認識結果に基づく分布状況を取得し、すべての自律走行車50が対象領域100から退出したか否かを判定する(ステップS112)。退出したと判定された場合には、経路生成装置30は、処理を終了する。
一方、退出していないと判定された場合には、経路生成装置30は、予定経路に人が立ち入っているか否かを判定する(ステップS113)。経路生成装置30は、センサ10から得られた認識結果に応じた状況分布に基づいて、予定経路に人が立ち入っている場合には、床面表示装置40によって警告を表示させる(ステップS114)。例えば、立ち入っていることが検出された人の周囲に「もうすぐ車両が通過します。ご注意ください。」等のメッセージが床面表示装置40によって、床面に表示される。予定経路に立ち入っていた人は、このメッセージを見ることで、自律走行車50が通行する予定がある領域であることを認識することで、表示された予定経路の外に移動することができる。
【0027】
経路生成装置30は、予定経路に立ち入っていた人が立ち退いたか否かを判定する(ステップS115)。立ち退かない場合には、その人を迂回する経路を予定経路として再生成し(ステップS118)、その後、ステップS103に移行する。
一方、経路生成装置30は、予定経路に立ち入っていた人が立ち退いた場合には、予定経路上の分布状況の急激な変化があったか否かを判定する(ステップS116)。例えば、対象領域100に多数の人が急に入ってきたり、対象領域100にいる人の移動速度が急に速くなった場合(駆け出すような場合)、対象領域100にいる人の進行方向が大きく変更された場合等がある。分布状況に急激な変化があったか否かの判定は、例えば、判定時点における分布状況と一定時間t1秒前の分布状況とを比較し、混雑の度合い、人の移動速度、移動方向等について一定以上の変化があったか否かに基づいて判定してもよい。
【0028】
経路生成装置30は、分布状況に急激な変化があった場合には、予定経路の再生成を行う(ステップS118)。ここでは、変化が生じた後の分布状況に応じて自律走行車50が通行することができる隙間を基に、自律走行車50が通ることができる予定経路を生成する。
一方、分布状況に急激な変化がない場合には、経路生成装置30は、走行距離に応じて予定経路を延長する(ステップS117)。例えば、経路生成装置30は、予定経路を延長する対象の車両について、センサ10によって前回測定された位置と今回測定された位置との差から走行距離を求め、その走行距離と同じ程度の距離を、現在の予定経路を延長する。その後、処理をステップS105に進める。
【0029】
以上説明した図2のフローチャートのステップS110において予定経路が表示される場合、経路生成装置30は、図3に示すように、混雑状況判定装置20による分布状況をもとに、人や物の群の間に自律走行車50が通れる隙間を判別し、その隙間を基に、自律走行車50が通ることができる予定経路を決定し、床面表示装置40に予定経路を示すデータを送信する。床面表示装置40は、経路生成装置30から受信した予定経路を示すデータに基づいて床面に信号表示(予定経路130a、予定経路130b、予定経路130c)をする。
隙間の判別は、例えば、動く物体どうしが、自律走行車50が余裕をもって走行することができ幅方向の距離を基準距離とし、この基準距離(1人分または数人分程度の隙間)によって離れている場合に、その隙間に基づいて群れの輪郭と認識し、これらは別の群であると判定する。また、自律走行車50が余裕をもって走行することができる幅方向の距離よりも接近している場合は、それらの物体は群れに内包される(1つの群として判定する)。ここで、群の境界とみなされるよりは狭い間隔で、物体と物体に隙間がある場合(基準距離よりも狭いが、基準距離との差が一定以内の隙間)には、そこは基準距離程度まで隙間が開く可能性がある場所として、予定経路の候補とすることができる。そして、対象領域100内の状況に応じて、この候補となっていた予定経路を適用し、自律走行車50の予定経路として設定するようにしてもよい。
また、経路生成装置30は、ステップS108において2つの予定経路を重ねるように予定経路を生成した場合には、図4に示すように、同一方向に向かう複数の自律走行車がいる場合、効率的な空間利用と、経路再変更や衝突の可能性を少なくするために、複数台の自律走行車に隊列を組ませて、その予定経路を一本化しても良い。
ここでは、自律走行車50aの予定経路140aに追従するように、自律走行車50bの予定経路140bが生成され表示される。一方、自律走行車50cと自律走行車50aの進行方向は異なるため、自律走行車50cの予定経路140cは、自律走行車50a及び50bの予定経路140a及び予定経路140bには追従せず、独立した予定経路140cが生成され表示される。
【0030】
また、経路生成装置30は、混雑具合が過密な場合や、人・物・車の移動のタイミングが重なる場合には、ステップS109において片方の予定経路に一時停止を設けることによって、図5に示すように、いずれかの車が一旦停止をすることで、進路を譲るような予定経路を生成する。例えば、予定経路150cにおける一時停止をする位置は、自律走行車50aと50bの予定経路150aに自律走行車50cが到達する前のいずれかの位置である。この予定経路に基づいて、床面表示装置40は、場合には、車が一旦停止する予想地点に事前に警告表示(符号155c)を行う。これにより、一時停止する領域に人が立ち入らないように促すことができ、また、自律走行車50cが自律走行車50a及び自律走行車50bに対して道を譲ることができる。
【0031】
また、車が走行予定の経路と、人が移動したい方向にコンフリクトが生じた場合には、人が走行経路に立ち入ったり横切ったりすることが発生しうる。このような場合、経路生成装置30は、ステップS114において、図6に示すように、予定経路160aのコンフリクトが生じる位置に警告表示(符号161a)をする。これにより、人に対して即座に立ち退くよう促すことができる。また、その地点への到達までに十分な時間がとれ、代替ルートが生成できる場合には、経路生成装置30は代替ルート(符号162a)に表示を切り替えることもできる。十分な時間が取れない場合には、自動運転車の状況判断により、停止・回避等の制御を行い、その情報をもとに床面表示を行う。
【0032】
なお、上述した実施形態において、床面表示装置40は、予定経路における起点から通過点に到達するまでの予定時間に応じて異なる表示態様で予定経路を表示するようにしてもよい。例えば、図7に示すように、床面表示装置40は、自律走行車50dの予定経路上の各通過点(符号170、符号171、符号172、符号173、符号174)までの到達時間の長短に応じて、色や線の種別などを異なる表示態様にして表示しても良い(符号170a、符号171b、符号172c、符号173d、符号174e)。例えば、自律走行車50dの現在位置から符号173に示す通過点までの距離は、「速度v2(自律走行車50dの速度)×時間t(現在位置から符号173に示す通過点に到達する予想時間)」にて求めることができる。また、速度v1で移動する人179の時間tが経過するまでの間に移動する距離はv1×tにて求めることができ、この距離と人179の進行方向とから、人179が干渉しないように、自律走行車50dの予定経路を求めるようにしてもよい。
また、予定経路上において、自律走行車50dの現在位置から遠くなるにつれ、状況変化による経路変更の可能性は上がるため、線の種別を点線等の表示態様に変更したり、あるいは、線の透明度を変えることで、経路の確定度合を表現してもよい(符号175a)。
【0033】
上述の実施形態によれば、空間全体の混雑状況を考慮し、最適な経路を自律走行車と歩行者に対して行うことができる。また、自律走行車が歩行者の背後からくる場合においても、床面表示機能を用い、歩行者の進行方向の領域に対して車の存在を伝えるための警告を表示することができる。これにより、歩行者の視界に入っていない場合において注意すべき自律走行車50があったとしても、床面表示機能を利用することで、歩行者の視野の範囲内において警告を表示することができる。
【0034】
なお、上述した実施形態において、初期ステップ(例えば、ステップS102)において、経路を生成する場合に、自律走行車50の進行方向において人が過密状態(例えば壁101aから壁101bまで群れがいっぱいに並んでいる状態)であり、隙間が見いだせない場合には、経路生成装置30は、隙間が開く可能性がある箇所を想定して経路を生成するようにしてもよい。例えば、自律走行車50と群の進行方向が同一方向である場合には、群の後ろを自律走行車50が追従しつつ、自律走行車50の進行方向前方側にいる群の足下に対して、後方から自律走行車50が接近していることを警告表示するようにしてもよい。これにより、警告表示を視認した群の一部の人が隙間を空けることで、自律走行車50は、その隙間を予定経路に設定し、群の前方側に進むことができる。また、自律走行車50と群の進行方向が逆方向または群が滞留している場合には、上述したように、一時停止や警告表示を行うことで、進路を空けるように促す。これにより、警告表示を視認した群の一部の人が隙間を空けることで、自律走行車50は、その隙間を予定経路に設定し、群を避けて進むことができる。
【0035】
なお、上述した実施形態において、床面表示装置は、ディスプレイを用いる場合について説明したが、床面よりも上側に設置されたプロジェクタ等を用い、床面に予定経路や警告情報等の各種情報を投写するようにしてもよい。
【0036】
上述した実施形態における混雑状況判定装置20あるいは経路生成装置30をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0037】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1…情報表示システム、10…センサ、10a…センサ、10b…センサ、10c…センサ、20…混雑状況判定装置、30…経路生成装置、40…床面表示装置、50…自律走行車、50n1…自律走行車、60…ネットワーク、100…対象領域、100a…柱、100b…柱、110…柱、120a…群、120b…群、120c…群
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7