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特開2020-178178圧電素子、振動デバイス及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-178178(P2020-178178A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】圧電素子、振動デバイス及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20201002BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20201002BHJP
   H01L 41/187 20060101ALI20201002BHJP
   B06B 1/06 20060101ALI20201002BHJP
【FI】
   H04R17/00
   H01L41/09
   H01L41/187
   B06B1/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-77600(P2019-77600)
(22)【出願日】2019年4月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】堀井 拓人
【テーマコード(参考)】
5D004
5D107
【Fターム(参考)】
5D004AA02
5D004AA09
5D004BB01
5D004CC03
5D004CC04
5D004CD07
5D004DD01
5D004FF05
5D004GG00
5D107BB08
5D107CC03
5D107CC10
5D107CD00
(57)【要約】
【課題】小型化を図りながら、音質の低下を抑制可能な圧電素子、振動デバイス及び電子機器を提供する。
【解決手段】圧電素子1は、互いに対向する主面2a,2bを有する圧電素体2を備える。圧電素体2は、圧電的に活性な活性領域R1,R2と、圧電的に不活性な不活性領域R3と、を有する。主面2a,2bの対向方向から見て、活性領域R1,R2は、不活性領域R3を介して互いに離間し、活性領域R1の再生周波数帯域は、活性領域R2の再生周波数帯域よりも低い。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第一主面及び第二主面を有する圧電素体を備え、
前記圧電素体は、圧電的に活性な第一活性領域及び第二活性領域と、圧電的に不活性な不活性領域と、を有し、
前記第一主面及び前記第二主面の対向方向から見て、前記第一活性領域及び前記第二活性領域は、前記不活性領域を介して互いに離間し、
前記第一活性領域の再生周波数帯域は、前記第二活性領域の再生周波数帯域よりも低い、圧電素子。
【請求項2】
前記対向方向から見て、前記第一活性領域の面積は、前記第二活性領域の面積よりも大きい、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項3】
前記第一活性領域及び前記第二活性領域は、互いに同期して、前記対向方向に沿って互いに同じ方向に屈曲振動する、請求項1又は2に記載の圧電素子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子と、
前記第一主面と接合された第三主面と、前記第三主面と対向する第四主面と、を有する振動部材と、を備え、
前記振動部材は、前記対向方向から見て、前記第一活性領域と重なる第一振動部と、前記第二活性領域と重なる第二振動部と、を有し、
前記振動部材には、前記第三主面及び前記第四主面の少なくともいずれか一方において、前記第一振動部と前記第二振動部とを互いに離間させる溝が設けられている、振動デバイス。
【請求項5】
前記溝は、前記第三主面と前記第四主面とを接続するように前記振動部材を貫通している、請求項4に記載の振動デバイス。
【請求項6】
前記第一主面と前記第三主面とを互いに接合する接合部材を更に備え、
前記接合部材は、前記対向方向から見て、前記第一活性領域と重なる第一接合部と、前記第二活性領域と重なる第二接合部と、を有し、
前記第一接合部及び前記第二接合部は互いに離間している、請求項4又は5に記載の振動デバイス。
【請求項7】
前記接合部材は、前記対向方向から見て、前記第一接合部と前記第二接合部との間に配置された第三接合部を更に有し、
前記第一接合部及び前記第二接合部は、前記第三接合部よりも硬い、請求項6に記載の振動デバイス。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子又は請求項4〜7のいずれか一項に記載の振動デバイスを備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電素子、振動デバイス及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧電素子及び振動部材を備えるスピーカが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−70100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなスピーカにより高音域用のスピーカ及び低音域用のスピーカを構成する場合、高音域用スピーカの振動部材及び低音域用スピーカの振動部材を1つにまとめることが考えられる。これにより、高音域用スピーカ及び低音域用スピーカが一体化されるので、小型化を図ることができる。しかしながら、各圧電素子の振動が振動部材で混ざり合い、音質が低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、小型化を図りながら、音質の低下を抑制可能な圧電素子、振動デバイス及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つの態様に係る圧電素子は、互いに対向する第一主面及び第二主面を有する圧電素体を備え、圧電素体は、圧電的に活性な第一活性領域及び第二活性領域と、圧電的に不活性な不活性領域と、を有し、第一主面及び第二主面の対向方向から見て、第一活性領域及び第二活性領域は、不活性領域を介して互いに離間し、第一活性領域の再生周波数帯域は、第二活性領域の再生周波数帯域よりも低い。
【0007】
この圧電素子は、第一活性領域、第二活性領域、及び不活性領域を有している。第一活性領域の再生周波数帯域は、第二活性領域の再生周波数帯域よりも低い。したがって、第一活性領域によって低音域(低周波域)の音質(音圧)を向上させることができ、第二活性領域によって高音域(高周波域)の音質(音圧)を向上させることができる。このように、1つの圧電素子で高音域及び低音域の両方の音質を向上させることができる。よって、各音域で音質を向上させる圧電素子を2つ用いる場合に比べて、振動デバイスの小型化を図ることができる。しかも、第一活性領域及び第二活性領域は、不活性領域を介して互いに離間している。よって、第一活性領域及び第二活性領域の振動が圧電素体で混ざり合うことが抑制される。また、不活性領域は振動部材の振動を拘束する拘束体として機能する。よって、第一活性領域及び第二活性領域による振動が振動部材で混ざり合うことも抑制される。この結果、振動デバイスにおける音質の低下を抑制することができる。
【0008】
対向方向から見て、第一活性領域の面積は、第二活性領域の面積よりも大きくてもよい。この場合、第一活性領域の再生周波数帯域が第二活性領域の再生周波数帯域よりも低くなる構成を容易に実現できる。
【0009】
第一活性領域及び第二活性領域は、互いに同期して、対向方向に沿って互いに同じ方向に屈曲振動してもよい。この場合、第一活性領域及び第二活性領域が振動部材を振動させることにより発生する音が互いにずれ難い。
【0010】
本開示の一つの態様に係る振動デバイスは、上記圧電素子と、第一主面と接合された第三主面と、第三主面と対向する第四主面と、を有する振動部材と、を備え、振動部材は、対向方向から見て、第一活性領域と重なる第一振動部と、第二活性領域と重なる第二振動部と、を有し、振動部材には、第三主面及び第四主面の少なくともいずれか一方において、第一振動部と第二振動部とを互いに離間させる溝が設けられていてもよい。この場合、振動部材に溝が設けられているので、第一振動部及び第二振動部において、互いの振動が混ざり合うことが更に抑制される。よって、振動デバイスでは、音質の低下を更に抑制することができる。
【0011】
溝は、第三主面と第四主面とを接続するように振動部材を貫通していてもよい。この場合、第一振動部と第二振動部とが互いに確実に離間するので、第一振動部及び第二振動部において、互いの振動が混ざり合うことが抑制される。よって、音質の低下を更に抑制できる。
【0012】
上記振動デバイスは、第一主面と第三主面とを互いに接合する接合部材を更に備え、接合部材は、対向方向から見て、第一活性領域と重なる第一接合部と、第二活性領域と重なる第二接合部と、を有し、第一接合部及び第二接合部は互いに離間していてもよい。この場合、第一接合部及び第二接合部が互いに離間しているので、第一活性領域の振動が第二振動部に伝わることが抑制されると共に、第二活性領域の振動が第一振動部に伝わることが抑制される。これにより、振動部材では、第一活性領域及び第二活性領域による振動が混ざり合うことが更に抑制される。よって、音質の低下をより一層抑制することができる。
【0013】
接合部材は、対向方向から見て、第一接合部と第二接合部との間に配置された第三接合部を更に有し、第一接合部及び第二接合部は、第三接合部よりも硬くてもよい。この場合、第一活性領域及び第二活性領域の振動が、第一接合部及び第二接合部を介して第一振動部及び第二振動部に伝わり易い。
【0014】
本開示の一つの態様に係る電子機器は、上記圧電素子又は上記振動デバイスを備える。
【0015】
この電子機器は、上記圧電素子又は上記振動デバイスを備えているので、小型化を図りながら、音質の低下を抑制可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一つの態様によれば、小型化を図りながら、音質の低下を抑制可能な圧電素子、振動デバイス及び電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る振動デバイスを示す斜視図である。
図2図1の圧電素子を示す分解斜視図である。
図3図1のIII−III線に沿っての断面図である。
図4】第一変形例に係る振動デバイスを示す斜視図である。
図5図4の圧電素子を示す分解斜視図である。
図6】第二変形例に係る振動デバイスの一部を拡大して示す断面図である。
図7】第三変形例に係る振動デバイスの一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、実施形態に係る振動デバイスを示す斜視図である。図1に示されるように、実施形態に係る振動デバイス100は、圧電素子1と、振動部材50と、を備えている。振動デバイス100は、交流電圧を印加することによって圧電素子1を駆動し、圧電素子1で振動部材50を振動させることによって、音を発生させる。振動デバイス100は、例えば、スピーカ又はブザーとして用いられる。振動デバイス100は、例えば、テレビ、スマートフォン等の電子機器に設けられる。
【0020】
圧電素子1は、圧電素体2と、外部電極11,12,13とを有している。圧電素子1は、本実施形態ではバイモルフ型の圧電素子であるが、ユニモルフ型の圧電素子であってもよい。圧電素子1は、いわゆる積層型圧電素子である。
【0021】
圧電素体2は、直方体形状を呈している。直方体形状には、例えば、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。圧電素体2は、互いに対向している主面2a,2bと、互いに対向している側面2c,2dと、互いに対向している側面2e,2fと、を有している。主面2aは、振動部材50と対向し、振動部材50と接合されている。
【0022】
以下では、主面2a,2bの対向方向を方向D1、側面2c,2dの対向方向を方向D2、側面2e,2fの対向方向を方向D3とする。方向D1は、主面2a,2bに交差(ここでは直交)する方向である。方向D2は、側面2c,2dに交差(ここでは直交)する方向である。方向D3は、側面2e,2fに交差(ここでは直交)する方向である。方向D1、方向D2及び方向D3は互いに交差(ここでは直交)している。
【0023】
主面2a,2bは、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈している。すなわち、圧電素子1(圧電素体2)は、平面視で、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈している。長方形状には、例えば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状が含まれる。主面2a,2bの長辺方向は、方向D2と一致している。主面2a,2bの短辺方向は、方向D3と一致している。圧電素体2の長さ(圧電素体2の方向D2での長さ)は、例えば、60mmである。圧電素体2の幅(圧電素体2の方向D3での長さ)は、例えば、30mmである。圧電素体2の厚さ(圧電素体2の方向D3での長さ)は、例えば、0.5mmである。なお、主面2a,2bの長辺方向が方向D3と一致し、主面2a,2bの短辺方向が方向D2と一致していてもよい。
【0024】
図2は、図1の圧電素子を示す分解斜視図である。図3は、図1のIII−III線に沿っての断面図である。図2及び図3に示されるように、圧電素体2は、積層された複数(ここでは10)の圧電体層20を含んでいる。複数の圧電体層20の積層方向は、方向D1と一致している。各圧電体層20は、例えば、互いに同等の形状を有している。同等には、製造誤差の範囲が含まれている。各圧電体層20の厚さは、例えば、30μmである。
【0025】
各圧電体層20は、互いに対向している主面20a,20bを有している。各主面20aは、積層方向の一方を向いている。積層方向の一方の端に配置された圧電体層20の主面20aは、主面2aである。各主面20bは積層方向の他方を向いている。積層方向の他方の端に配置された圧電体層20の主面20bは、主面2bである。
【0026】
各圧電体層20は、圧電材料からなる。本実施形態では、各圧電体層20は、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料には、例えば、PZT[Pb(Zr、Ti)O]、PT(PbTiO)、PLZT[(Pb,La)(Zr、Ti)O]、又はチタン酸バリウム(BaTiO)が用いられる。各圧電体層20は、例えば、上述した圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の圧電素体2では、各圧電体層20は、各圧電体層20の間の境界が認識できない程度に一体化されている。
【0027】
図1に示されるように、各外部電極11,12,13は、主面2b上に配置されている。外部電極11,12,13は、主面2bの長辺方向の中央よりも側面2d寄りに設けられ、主面2bの短辺方向に沿って並んでいる。外部電極11,12,13は、側面2e側から側面2f側に向かって、この順で並んでいる。外部電極11,12,13は、主面2bの短辺方向において互いに離間している。外部電極11,12,13は、方向D1から見て、主面2bの全ての縁(四辺)から離間している。
【0028】
各外部電極11,12,13は、方向D1から見て、例えば、長方形状を呈している。各外部電極11,12,13は、方向D1から見て、正方形状又は円形状等を呈していてもよい。長方形状及び正方形状には、例えば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状が含まれる。各外部電極11,12,13は、導電性材料からなる。導電性材料には、例えば、Ag、Pd、Pt、又はAg−Pd合金が用いられる。各外部電極11,12,13は、例えば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。
【0029】
外部電極11,12,13は、振動デバイス100を制御する制御回路(不図示)に接続されている。制御回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備えている。この場合、制御回路は、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することによって各種の処理を行う。
【0030】
制御回路は、圧電素子1を駆動するための駆動信号を外部電極12,13に入力する。外部電極12,13は、後述の活性領域R1,R2を駆動するための駆動信号を制御回路から入力する。外部電極11は、グラウンド端子である。外部電極11,12,13は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)又はフレキシブルフラットケーブル(FFC)等の配線部材(不図示)によって、制御回路に接続されている。
【0031】
振動部材50は、例えば長方形状の板部材である。振動部材50は、屈曲性を有する。振動部材50は、例えば樹脂、ガラス、又は金属からなる。振動部材50は、互いに対向している主面50a,50bを有している。主面50a,50bは、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈している。主面50aは、主面2aと対向し、圧電素子1と接合されている。圧電素子1は、例えば、主面50aの中央に配置されている。振動部材50は、例えば、主面50aの長辺方向が主面2aの長辺方向と一致するように配置されている。主面50a,50bの長辺の長さは、例えば、200mmである。主面50a,50bの短辺の長さは、例えば、150mmである。振動部材50の厚さは、例えば、1mmである。
【0032】
図2及び図3に示されるように、圧電素子1は、内部電極31,32,33,34,35,41,42,43と、スルーホール導体T1,T2,T3と、を有している。
【0033】
各内部電極は、積層方向の他方の端以外に配置された各圧電体層20の主面20bに配置されている。これらの主面20bにおいて、内部電極31,32,33は、積層方向から見て、外部電極11,12,13と重なるように配置されている。これらの主面20bにおける内部電極31,32,33の配置及び形状は、例えば、主面2bにおける外部電極11,12,13の配置及び形状と一致している。内部電極31,32,33は、これらの主面20bの長辺方向の中央よりも側面2d寄りに設けられ、主面2bの短辺方向に沿って並んでいる。
【0034】
これらの主面20bにおいて、内部電極31,32,33の側面2c側には、内部電極34が配置され、内部電極31,32,33の側面2d側には、内部電極35が配置されている。内部電極34,35は、積層方向から見て、例えば、矩形状を呈している。内部電極34,35は、積層方向から見て、例えば、互いに同等の形状を有し、互いに重なっている。内部電極34,35の全ての縁(四辺)は、積層方向から見て、例えば、互い重なっている。内部電極34,35は、積層方向から見て、例えば、主面20bの全ての縁(四辺)から離間している。
【0035】
内部電極34,35は、一対の内部電極41,42,43によって、内部電極31,32,33のうち一つの内部電極と接続され、他の内部電極とは離間している。内部電極34,35と接続される内部電極は、積層位置によって異なっている。
【0036】
積層方向の一方の端に配置された圧電体層20を一層目の圧電体層20とすると、一対の内部電極41は、一層目、三層目、五層目、七層目、及び九層目の圧電体層20の各主面20bに設けられている。一方の内部電極41は、内部電極34と内部電極31との間に配置され、内部電極34及び内部電極31を互いに接続している。他方の内部電極41は、内部電極35と内部電極31との間に配置され、内部電極35及び内部電極31を互いに接続している。したがって、一層目、三層目、五層目、七層目、及び九層目の圧電体層20の各主面20bにおいて、内部電極34,35は、一対の内部電極41と、内部電極31とによって互いに接続されている。
【0037】
一対の内部電極42は、二層目及び四層目の圧電体層20の各主面20bに設けられている。一方の内部電極42は、内部電極34と内部電極32との間に配置され、内部電極34及び内部電極32を互いに接続している。他方の内部電極42は、内部電極35と内部電極32との間に配置され、内部電極35及び内部電極32を互いに接続している。したがって、二層目及び四層目の圧電体層20の各主面20bにおいて、内部電極34,35は、一対の内部電極42と、内部電極32とによって互いに接続されている。
【0038】
一対の内部電極43は、六層目及び八層目の圧電体層20の各主面20bに設けられている。一方の内部電極43は、内部電極34と内部電極33との間に配置され、内部電極34及び内部電極33を互いに接続している。他方の内部電極43は、内部電極35と内部電極33との間に配置され、内部電極35及び内部電極33を互いに接続している。したがって、六層目及び八層目の圧電体層20の各主面20bにおいて、内部電極34,35は、一対の内部電極43と、内部電極33とによって互いに接続されている。
【0039】
各内部電極は、導電性材料からなる。導電性材料には、例えば、Ag、Pd、Pt、又はAg−Pd合金が用いられる。各内部電極は、例えば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。
【0040】
スルーホール導体T1,T2,T3は、積層方向の一方の端以外に配置された各圧電体層20において、外部電極11,12,13及び各内部電極31,32,33に対応する位置を貫通するスルーホール(不図示)内に配置されている。スルーホール導体T1,T2,T3により、外部電極11,12,13及び各内部電極31,32,33が互いに電気的に接続されている。
【0041】
スルーホール導体T1,T2,T3は、導電性材料を含んでいる。導電性材料は、例えば、Pd、Ag、Cu、W、Mo、Sn及びNiからなる群より選ばれる1種類以上の金属、または上記金属を1種類以上含む合金からなる。スルーホール導体T1,T2,T3の直径は、例えば20μm以上100μm以下である。
【0042】
図3に示されるように、振動デバイス100は、接合部材51を備えている。接合部材51は、圧電素子1と振動部材50とを接合している。接合部材51は、例えば、不織布からなる基材と、基材の両面に配置された粘着層と、を含んでいる。接合部材51が不織布を含んでいると、接合部材51が、圧電素子1及び接合部材51の接合面のうねりや小さな凹凸に追従し易くなり、表面状態の影響を低減できるので、圧電素子1の振動を振動部材50に効率的に伝えることができる。積層方向から見て、接合部材51の外縁は、主面20aの外縁よりもわずかに内側に配置されている。これにより、接合部材51の粘着層に異物が付着することが抑制される。接合部材51は、例えば、エポキシ樹脂又はアクリル系樹脂からなる樹脂層であってもよい。この場合、接合部材51は、粘着層を有さないので、方向D1から見て、接合部材51の外縁は、主面2a,2bの外縁の外側に位置していてもよい。
【0043】
続いて、圧電素体2が有する各領域について説明する。図3に示されるように、圧電素体2は、圧電的に活性な活性領域R1,R2と、圧電的に不活性な不活性領域R3と、を有している。活性領域R1は、一層目の圧電体層20の主面20b(図2参照)に配置された内部電極34(複数の内部電極34のうち、最も主面2a側に配置された内部電極34)と、九層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極34(複数の内部電極34のうち、最も主面2b側に配置された内部電極34)との間の領域である。活性領域R2は、一層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極35(複数の内部電極35のうち、最も主面2a側に配置された内部電極35)と、九層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極35(複数の内部電極35のうち、最も主面2b側に配置された内部電極35)との間の領域である。
【0044】
不活性領域R3は、圧電素体2のうち、活性領域R1,R2以外の領域である。不活性領域R3は、具体的には、活性領域R1,R2と主面2a,2bとの間に位置する領域と、方向D1から見て、活性領域R1と活性領域R2との間、活性領域R1,R2と側面2e,2fとの間、活性領域R1と側面2cとの間、及び、活性領域R2と側面2dとの間に位置する領域を含んでいる。
【0045】
活性領域R1,R2及び不活性領域R3は、一体的に形成されている。活性領域R1,R2は、方向D1から見て、不活性領域R3を介して互いに離間している。活性領域R1の再生周波数帯域は、活性領域R2の再生周波数帯域よりも低い。ピエゾ方式の発音体における再生周波数帯域は、活性領域R1,R2の形状、材料、密度、構造、及び応力等によって変化する。密度は、材料だけでなく、製造方法によっても変化する。
【0046】
方向D1から見て、活性領域R1の面積は、活性領域R2の面積よりも大きい。上述のように、再生周波数帯域を変化させるパラメータは複数存在するが、面積により再生周波数帯域を変化させる場合、面積を異ならせる以外は活性領域R1,R2を同じ材料及び同じ製造方法で製造できるため、製造方法が複雑化することが抑制される。ここでは、活性領域R1,R2の厚さが同等であるため、活性領域R1の体積は、活性領域R2の体積よりも大きい。方向D1から見て、活性領域R1の最大長さは、活性領域R2の最大長さよりも長い。本実施形態では、方向D1から見て、活性領域R1,R2は矩形状であるため、活性領域R1,R2の最大長さは、活性領域R1,R2の対角線の長さである。
【0047】
活性領域R1は、方向D1に積層された活性領域R11及び活性領域R12からなる。活性領域R11及び活性領域R12は、方向D1に並んで配置されている。活性領域R11は、主面2a側に配置されている。活性領域R12は、主面2b側に配置されている。活性領域R11は、具体的には、一層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極34と、五層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極34との間の領域である。活性領域R12は、具体的には、五層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極34と、九層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極34との間の領域である。
【0048】
活性領域R2は、方向D1に積層された活性領域R21及び活性領域R22からなる。活性領域R21及び活性領域R22は、方向D1に並んで配置されている。活性領域R21は、主面2a側に配置されている。活性領域R22は、主面2b側に配置されている。活性領域R21は、具体的には、一層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極35と、五層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極35との間の領域である。活性領域R22は、具体的には、五層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極35と、九層目の圧電体層20の主面20bに配置された内部電極35との間の領域である。
【0049】
活性領域R1,R2は、例えば、外部電極11をグラウンドに接続した状態で、外部電極12,13に互いに異なる極性の電圧を印加することにより分極されている。圧電素子1の駆動時には、外部電極11をグラウンドに接続した状態で、外部電極12,13に互いに同じ極性の電圧が印加される。これにより、活性領域R11,R21の組及び活性領域R12,R22の組のうち一方の組には、分極方向と同じ向き(順方向)の電圧が印加されて伸長し、他方の組には分極方向と逆向き(逆方向)の電圧が印加されて収縮する。この結果、活性領域R1,R2は、互いに同期して、積層方向に沿って互いに同じ方向に屈曲振動する。
【0050】
具体的には、例えば、活性領域R11,R21に順方向の電圧が印加され、活性領域R12,R22に逆方向の電圧が印加された場合、活性領域R11,R21が伸長し、活性領域R12,R22が収縮する。この結果、活性領域R1,R2は、主面2aを凸状、かつ、主面2bを凹状とするように屈曲する。このとき、主面2aは、活性領域R1,R2側の両方において凸状となり、主面2bは、活性領域R1,R2側の両方において凹状となる。
【0051】
また、例えば、活性領域R11,R21に逆方向の電圧が印加され、活性領域R12,R22に順方向の電圧が印加された場合、活性領域R11,R21が収縮し、活性領域R12,R22が伸長する。この結果、活性領域R1,R2は、主面2aを凹状、かつ、主面2bを凸状とするように屈曲する。このとき、主面2aは、活性領域R1,R2側の両方において凹状となり、主面2bは、活性領域R1,R2側の両方において凸状となる。
【0052】
振動部材50は、このように活性領域R1,R2の屈曲振動に伴って、屈曲振動し、音を発生させる。振動部材50は、活性領域R1の屈曲振動による音、及び、活性領域R2の屈曲振動による音をそれぞれ発生される。上述のように、活性領域R1の再生周波数帯域は、活性領域R2の再生周波数帯域よりも低い。したがって、振動部材50は、活性領域R1の振動により低音域の音質が向上された音を発生させると共に、活性領域R2の振動により高音域の音質が向上された音を発生させる。
【0053】
以上説明したように、圧電素子1は、活性領域R1,R2及び不活性領域R3を有している。活性領域R1の再生周波数帯域は、活性領域R2の再生周波数帯域よりも低い。したがって、活性領域R1によって低音域の音質を向上させることができ、活性領域R2によって高音域の音質を向上させることができる。このように、この圧電素子1によれば、高音域及び低音域の両方で音質を向上させることができる。よって、高音域又は低音域で音質を向上させる圧電素子を2つ用いる場合に比べて、振動デバイス100の小型化を図ることができる。
【0054】
圧電素子1では、活性領域R1,R2は、不活性領域R3を介して互いに離間している。よって、活性領域R1,R2の振動が圧電素体2で混ざり合うことが抑制される。また、不活性領域R3は振動部材50を拘束する拘束体として機能する。よって、活性領域R1,R2による振動が振動部材50で混ざり合うことも抑制される。この結果、振動デバイス100における音質の低下を抑制することができる。不活性領域R3には、スルーホール導体T1,T2,T3が設けられているので、スルーホール導体T1,T2,T3が圧電素体2の他の領域に設けられている場合に比べて、圧電素体2のスペースの有効活用を図ることができる。
【0055】
圧電素子1では、方向D1から見て、活性領域R1の面積は、活性領域R2の面積よりも大きい。活性領域R1の再生周波数帯域が活性領域R2の再生周波数帯域よりも低くなる構成を容易に実現できる。
【0056】
特開2015−27154号公報に開示された圧電素子は、積層方向から見て、2つの活性領域を有している。この2つの活性領域は、互いに同期して、積層方向に沿って互いに逆方向に屈曲振動する。したがって、この圧電素子では、2つの活性領域が振動部材を振動させることにより発生する音が互いにずれ易い。これに対し、圧電素子1では、活性領域R1,R2は、互いに同期して、積層方向に沿って互いに同じ方向に屈曲振動する。このため、活性領域R1,R2が振動部材50を振動させることにより発生する音が互いにずれ難い。
【0057】
圧電素子1では、外部電極11,12,13が主面2bの中央にまとめて配置されているので、1つの配線部材で外部電極11,12,13と制御回路とを容易に接続することができる。よって、配線部材を圧電素子1に容易に取り付けることができる。
【0058】
(第一変形例)
図4は、第一変形例に係る振動デバイスを示す斜視図である。図5は、図4の圧電素子を示す分解斜視図である。図4及び図5に示されるように、第一変形例に係る振動デバイス100Aは、圧電素子1(図1参照)の代わりに圧電素子1Aを備える点で、振動デバイス100(図1参照)と相違している。以下では、圧電素子1Aについて、圧電素子1との相違点を中心に説明する。
【0059】
圧電素子1Aでは、各外部電極11,12,13は、主面2b及び側面2eに連続して設けられている。すなわち、各外部電極11,12,13は、主面2bに設けられた主面電極部と、側面2eに設けられた側面電極部と、を有している。各外部電極11,12,13の主面電極部と側面電極部とは、互いに一体的に形成されている。
【0060】
外部電極11,12,13は、主面2b及び側面2eにおいて、主面2bの長辺方向の中央よりも側面2d寄りに配置されている。外部電極11,12,13は、主面2bの長辺方向において互いに離間している。外部電極11,12,13は、主面2bの長辺方向に沿って並んでいる。外部電極11,12,13は、側面2c側から側面2d側に向かって、この順で並んでいる。外部電極11,12,13の側面電極部は、側面2eの主面2a側の縁から主面2b側の縁まで延在し、外部電極11,12,13の主面電極部に接続している。外部電極11,12,13の主面電極部は、主面2bの側面2e側の縁部に配置されている。
【0061】
圧電素子1Aは、図2に示される内部電極31,32,33と、スルーホール導体T1,T2,T3とを有していない。圧電素子1Aは、内部電極34,35に加えて、内部電極36を有している。内部電極36は、例えば、内部電極34,35と同じ導電性材料からなる。
【0062】
内部電極36は、積層方向の他方の端以外に配置された各圧電体層20(つまり、一層目から九層目までの各圧電体層20)の主面20bにおいて、内部電極34と内部電極35との間に設けられ、内部電極34と内部電極35とを接続している。内部電極36は、主面20bの側面2e側に設けられている。内部電極36は、積層方向から見て、側面2eから離間している。
【0063】
内部電極41,42,43は、方向D3から見て、外部電極11,12,13と重なるように配置されている。本実施形態では、内部電極41,42,43は、側面2eに露出している。内部電極41は、一層目、三層目、五層目、七層目、及び九層目の圧電体層20の各主面20bに一つずつ設けられている。これらの各主面20bにおいて、内部電極41は、内部電極34と外部電極11の側面電極部との間に配置され、内部電極34及び外部電極11の側面電極部を互いに接続している。これらの各主面20bにおいて、内部電極34,35,36は、互いに電気的に接続されているので、内部電極34,35,36はいずれも外部電極11と電気的に接続されている。
【0064】
内部電極42は、二層目及び四層目の圧電体層20の各主面20bに一つずつ設けられている。これらの各主面20bにおいて、内部電極42は、内部電極36と外部電極12の側面電極部との間に配置され、内部電極36及び外部電極12の側面電極部を互いに接続している。これらの各主面20bにおいて、内部電極34,35,36は、互いに電気的に接続されているので、内部電極34,35,36はいずれも外部電極12と電気的に接続されている。
【0065】
内部電極43は、六層目及び八層目の圧電体層20の各主面20bに一つずつ設けられている。これらの各主面20bにおいて、内部電極43は、内部電極35と外部電極13の側面電極部との間に配置され、内部電極35及び外部電極13の側面電極部を互いに接続している。これらの各主面20bにおいて、内部電極34,35,36は、互いに電気的に接続されているので、内部電極34,35,36はいずれも外部電極13と電気的に接続されている。
【0066】
圧電素子1Aにおいても、活性領域R1の再生周波数帯域は、活性領域R2の再生周波数帯域よりも低い。したがって、圧電素子1Aによっても、高音域及び低音域の両方で音質を向上させることができる。よって、振動デバイス100Aの小型化を図ることができる。しかも、活性領域R1,R2は、不活性領域R3を介して互いに離間している。よって、この圧電素子1Aによっても、振動デバイス100Aにおける音質の低下を抑制することができる。
【0067】
(第二変形例)
図6は、第二変形例に係る振動デバイスの一部を拡大して示す断面図である。図6に示されるように、第二変形例に係る振動デバイス100Bは、振動部材50(図3参照)の代わりに振動部材50Bを備えると共に、接合部材51(図3参照)の代わりに接合部材51Bを備える点で、振動デバイス100(図3参照)と相違している。以下では、振動部材50B及び接合部材51Bについて、振動部材50及び接合部材51との相違点を中心に説明する。
【0068】
振動部材50Bは、振動部V1,V2を有している。振動部V1は、方向D1から見て、活性領域R1と重なっている。振動部V2は、方向D1から見て、活性領域R2と重なっている。振動部材50Bには、主面50a,50bの少なくともいずれか一方において、振動部V1,V2を互いに離間させる溝50cが設けられている。本実施形態では、主面50aに2つの溝50cが設けられている。各溝50cは、主面2bの短辺方向に沿って延在し、主面2bの短辺方向において主面50aの一端から他端まで連続して設けられている。方向D1から見て、2つの溝50cは、活性領域R1と活性領域R2との間に配置され、主面2bの長辺方向において互いに離間している。
【0069】
接合部材51Bは、互いに離間している接合部51a,51b,51cを有している。接合部51aは、方向D1から見て、活性領域R1と重なっている。接合部51bは、方向D1から見て、活性領域R2と重なっている。接合部51a,51bは、方向D1から見て、溝50cと重なっていない。接合部51cは、方向D1から見て、接合部51aと接合部51bとの間に配置されている。接合部51cは、方向D1から見て、不活性領域R3のうち、活性領域R1と活性領域R2との間の領域と重なっている。接合部51cは、方向D1から見て、2つの溝50cの間に配置され、2つの溝50cと重なっていない。
【0070】
接合部51a,51bは、接合部51cよりも硬い。
【0071】
振動デバイス100Bは、圧電素子1を備えている。このため、振動デバイス100Bにおいても、小型化を図ることができる。また、音質の低下を抑制することができる。
【0072】
振動部材50Bは、活性領域R1と重なる振動部V1と、活性領域R2と重なる振動部V2と、を有している。振動部材50Bには、主面50aにおいて、振動部V1,V2を互いに離間させる溝50cが設けられている。このように溝50cが存在することにより、振動部V1,V2において、互いの振動が混ざり合うことが抑制される。よって、振動デバイス100Bでは、音質の低下を更に抑制することができる。しかも、振動部材50Bには2つの溝50cが設けられているので、1つの溝50cが設けられている場合に比べて、音質の低下を一層抑制することができる。
【0073】
接合部材51Bは、活性領域R1と重なる接合部51aと、活性領域R2と重なる接合部51bと、を有している。接合部51a,51bは互いに離間しているので、活性領域R1の振動が振動部V2に伝わることが抑制されると共に、活性領域R2の振動が振動部V1に伝わることが抑制される。これにより、振動部材50Bでは、活性領域R1,R2による振動が混ざり合うことが更に抑制される。よって、振動デバイス100Bでは、音質の低下をより一層抑制することができる。
【0074】
接合部51a,51bは、接合部51cよりも硬い。硬度が高い方が、振動が伝わり易い。よって、活性領域R1,R2の振動が、接合部51a,51bを介して振動部V1,V2に伝わり易い。
【0075】
(第三変形例)
図7は、第三変形例に係る振動デバイスの一部を拡大して示す断面図である。図7に示されるように、第三変形例に係る振動デバイス100Cは、振動部材50(図3参照)の代わりに振動部材50Cを備えると共に、接合部材51(図3参照)の代わりに接合部材51Cを備える点で、振動デバイス100(図3参照)と相違している。接合部材51Cは、接合部材51B(図6参照)と同等の構成を有しているため、説明を省略する。振動部材50Cは、溝50cが主面50aと主面50bとを接続するように振動部材50Cを貫通している点で振動部材50Bと相違し、その他の点で振動部材50Bと同等の構成を有している。振動デバイス100Cでは、溝50cにより振動部V1,V2が互いに確実に離間するので、振動部V1,V2で互いの振動が混ざり合うことが更に抑制される。よって、音質の低下を更に抑制できる。振動デバイス100Cは、圧電素子1を備えているので、小型化を図りながら、音質の低下を抑制可能となる。
【0076】
本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0077】
振動デバイス100B,100Cでは、2つの溝50cが設けられているが、1つの溝50cが設けられていてもよいし、3つ以上の溝50cが設けられていてもよい。振動デバイス100Bでは、溝50cは、主面50aのみに設けられているが、主面50bに設けられていてもよい。溝50cは、主面50a,50bにそれぞれ設けられていてもよい。この場合、溝50cが主面50aのみ又は主面50bのみに設けられている場合に比べて、振動部V1と振動部V2とで互いの振動が混ざり合うことが更に抑制される。よって、音質の低下を更に抑制できる。
【0078】
振動デバイス100B,100Cでは、溝50cは、主面2bの短辺方向において主面50aの一端から他端まで連続して設けられているが、主面2bの短辺方向において主面50aの一部に設けられていてもよい。溝50cは、主面2bの短辺方向に沿って断続的に設けられていてもよい。
【0079】
振動デバイス100B,100Cでは、接合部51a,51bの硬度は、接合部51cの硬度と同等であってもよい。この場合、接合部51a,51b,51cを同じ材料で容易に形成することができる。振動デバイス100B,100Cでは、接合部51a,51b,51cは、互いに離間していなくてもよい。
【0080】
振動デバイス100,100Aにおいて、振動部材50の代わりに振動部材50B,50Cを備えてもよい。振動デバイス100,100Aにおいて、接合部材51の代わりに接合部材51Bを備えてもよい。振動デバイス100B,100Cにおいて、圧電素子1の代わりに圧電素子1Aを備えてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,1A…圧電素子、2…圧電素体、2a…主面(第一主面)、2b…主面(第二主面)、50,50B,50C…振動部材、50a…主面(第三主面)、50b…主面(第四主面)、50c…溝、51,51B,51C…接合部材、51a…接合部(第一接合部)、51b…接合部(第二接合部)、51c…接合部(第三接合部)、100,100A,100B,100C…振動デバイス、R1…活性領域(第一活性領域)、R2…活性領域(第二活性領域)、R3…不活性領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7