【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8は、従来技術による電気コネクタの構成を示す斜視図であり、
図8(A)は、一方の電気コネクタと他方の電気コネクタを対向配置した状態図、
図8(B)は、
図8(A)の上下を反転した状態図である。
【0007】
図9は、従来技術による電気コネクタの構成を示す図であり、
図9(A)は、一方の電気コネクタに備わるロック金具の斜視図、
図9(B)は、他方の電気コネクタに備わるラッチ金具の斜視図である。
【0008】
図10は、従来技術による電気コネクタの構成を示す縦断面図であり、
図10(A)は、一方の電気コネクタと他方の電気コネクタがロックした状態図、
図10(B)は、一方の電気コネクタと他方の電気コネクタのロックを解除した状態図である。
【0009】
なお、本願の
図8(A)と
図8(B)は、特許文献1の
図1と
図2に相当している。又、本願の
図9(A)と
図9(B)は、特許文献1の
図3(A)と
図5(A)に相当している。更に、本願の
図10は、特許文献1の
図7に相当している。
【0010】
図8を参照すると、従来技術による電気コネクタは、一方の電気コネクタ(以下、リセプタクルという)8と他方の電気コネクタ(以下、プラグという)9を対向配置している。リセプタクル8は、図示しない一方のプリント基板に実装されている。プラグ9は、図示しない他方のプリント基板に実装されている。
【0011】
図8を参照して、リセプタクル8に向かって、プラグ9を嵌合することで、図示しない一方のプリント基板と図示しない他方のプリント基板を電気的に接続できる。
【0012】
図8を参照すると、リセプタクル8は、板状のハウジング81と複数のベローズ形のコンタクト82を備えている。ハウジング81は、長方形に形成している。又、ハウジング81は、矩形の台座部81dを中央部から突出している(
図8(A)参照)。
【0013】
図8を参照すると、複数のコンタクト82は、ハウジング81の内部に二列に配置されている。又、複数のコンタクト82は、台座部81dを間にして、対向配置している。コンタクト82の一部は、ハウジング81の底面から露出しており(
図8(B)参照)、図示しない一方のプリント基板にはんだ接合できる。つまり、リセプタクル8は、プリント基板の表面にはんだ接合できる表面実装形のコネクタである。
【0014】
又、
図8を参照すると、リセプタクル8は、ロック金具83とシールド部材からなるシェル84を備えている。ロック金具83は、図示しない金属製の展開板を山折り及び谷折りに折り曲げて成形している(
図9(A)参照)。
【0015】
又、
図9(A)を参照すると、ロック金具83は、操作部831を一端部側に形成している。又、ロック金具83は、操作部831から連続して他端部側に向かって帯状に延びるスライド部832を形成している。スライド部832は、図示しない金属製の展開板を山折り及び谷折りに密着曲げしている。
【0016】
図8(A)を参照すると、操作部831は、シェル84の一端部側に形成した、後述する一対のスネークばね84s・84sを介して、シェル84の一端部から突出している。
図8(B)を参照すると、スライド部832は、ハウジング81を縦断した状態で、ハウジング81の底面にスライド自在に保持されている。ロック金具83は、ハウジング81に対して、図中X1−X2の方向に移動できる。
【0017】
図8(A)を参照すると、シェル84は、矩形の本体部84bと一対のスネークばね84s・84sを有している。一対のスネークばね84s・84sは、本体部84bの一端部側に形成している。本体部84bは、ハウジング81の周壁を覆っている。又、本体部84bは、複数のコンタクト82と接触しないように中央部を開口している。
【0018】
図8を参照すると、一対のスネークばね84s・84sは、操作部831がシェル84の一端部から突出する方向に力を付勢している。一対のスネークばね84s・84sに抗して、操作部831を押すことで、ハウジング81に対して、ロック金具83を後退できる。操作部831を解放することで、ハウジング81に対して、ロック金具83を前進できる。
【0019】
図8を参照すると、プラグ9は、板状のハウジング91と複数のベローズ形のコンタクト92を備えている。ハウジング91は、矩形に形成している。又、ハウジング91は、台座部81dを導入できる凹部91cを中央部に開口している(
図8(B)参照)。
【0020】
図8を参照すると、複数のコンタクト92は、ハウジング91の外部に二列に配置されている。又、複数のコンタクト92は、凹部91cを間にして、対向配置されている。コンタクト92の一部は、ハウジング91の底面から露出しており(
図8(A)参照)、図示しない他方のプリント基板にはんだ接合できる。つまり、プラグ9は、プリント基板の表面にはんだ接合できる表面実装形のコネクタである。
【0021】
なお、コンタクト92の両端部は、シェル84に設けたグラウンドコンタクトに接触できる。
【0022】
又、
図8を参照すると、プラグ9は、一対のラッチ金具93・93をハウジング91の両端部に固定している。
図9(B)を参照すると、ラッチ金具93は、スリット状の切り欠き部93sを上部から切り欠いている。切り欠き部93sには、スライド部832を板厚方向から導入できる。又、切り欠き部93sの両側には、一対の爪部93n・93nを形成している。
【0023】
図9(A)を参照すると、ロック金具83は、一組の第1鉤部h1・h1をスライド部832の前後に配置している。又、スライド部832は、一組の第1鉤部h1・h1の間に、一組の第2鉤部h2・h2を配置している。
【0024】
図10を参照すると、第1鉤部h1は、ラッチ金具93の爪部93nと係合できる。
図8又は
図10を参照すると、台座部81dは、一対の鉤状の爪片81n・81nを底部に設けている。第2鉤部h2は、台座部81dの爪片81nと係合できる。
【0025】
図10を参照して、リセプタクル8に向かって、プラグ9を移動すると、爪部93nの角部が第1鉤部h1の角部に当接すると共に、爪片81nの角部が第2鉤部h2の角部に当接することで、スネークばね84sの付勢力に抗して、ハウジング81に対してロック金具83を図中X1の方向に移動できる(
図10(B)参照)。
【0026】
図10を参照して、リセプタクル8に向かって、プラグ9を更に移動し、爪部93n及び爪片81nの先端面がロック金具83に切り欠いた切り欠き部の底面に近接すると、ハウジング81に対してロック金具83を図中X2の方向に復帰できる(
図10(A)参照)。これにより、第1鉤部h1を爪部93nに係合できると共に、第2鉤部h2を爪片81nと係合できる。
【0027】
図10(A)に示した状態から、操作部831を図中X1の方向に押すと、
図10(B)に示した状態にロック金具83を移動でき、リセプタクル8とプラグ9のロック状態を解除できる。
【0028】
特許文献1による電気コネクタは、リセプタクルとプラグの嵌合状態を維持できると共に、リセプタクルとプラグの嵌合方向での低背化を実現できる、としている。
【0029】
しかしながら、
図8を参照すると、特許文献1による電気コネクタは、ロック金具83の操作部831がコネクタ本体の外部に突出しているので、指などが不用意に操作部831に触れて、ロックが解除する心配がある。
【0030】
又、
図10を参照すると、一対の爪片81n・81nが、一組の第2鉤部h2・h2に係合することで、プラグ9の中央部の湾曲(浮き上がり)を抑制できるが、金属性の第2鉤部h2に対して、爪片81nを合成樹脂で成形しているので、爪片81nが破損する心配がある。
【0031】
一方のプリント基板に実装した電気コネクタと他方のプリント基板に実装した電気コネクタの嵌合状態を維持するためのロック機能を備えた電気コネクタであって、不用意にロック状態が解除されることを抑制できると共に、一方の電気コネクタと他方の電気コネクタの嵌合状態を確実に維持できる電気コネクタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0032】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、不用意にロック状態が解除されることを抑制できると共に、嵌合状態を確実に維持できる電気コネクタを提供することを目的とする。