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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-181817(P2020-181817A)
(43)【公開日】2020年11月5日
(54)【発明の名称】マルチゾーンアジマスヒータ
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/74 20060101AFI20201009BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20201009BHJP
【FI】
   H05B3/74
   H05B3/00 310D
   H05B3/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-78159(P2020-78159)
(22)【出願日】2020年4月27日
(31)【優先権主張番号】62/838,535
(32)【優先日】2019年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラチョヴィック、ポール
【テーマコード(参考)】
3K058
3K092
【Fターム(参考)】
3K058AA86
3K058BA14
3K058CE23
3K058CE29
3K092PP20
3K092QA05
3K092QB26
3K092QB31
3K092RF09
3K092RF11
3K092RF27
3K092VV22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヒータアセンブリ及びヒータアセンブリを制御する方法を提供する。
【解決手段】ヒータアセンブリ10は、抵抗ヒータ120と基板100を含み、抵抗ヒータ120は、基板100の周囲に沿って配置された複数の加熱ゾーン124を具備する。複数の加熱ゾーン124の各々は、ヒータアセンブリ10の方位温度制御が提供されるように独立して制御可能である。複数の抵抗ヒータ素子122は、直列に接続され、共通の接地電気リード線を有していてもよい。代替的には、複数の抵抗ヒータ素子は、それぞれ接地電気リード線を有し、互いに絶縁されていてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の周囲に沿って配置された複数の加熱ゾーンを具備する少なくとも1つの抵抗ヒータと、を具備するヒータアセンブリであり、前記複数の加熱ゾーンは、前記ヒータアセンブリの方位温度制御を提供するために独立して制御可能であり、前記少なくとも1つの抵抗ヒータは、共通の接地を有する複数の抵抗ヒータ素子を具備する
ヒータアセンブリ。
【請求項2】
複数の抵抗ヒータが、n個の抵抗ヒータ素子とn+1個の電気リード線とを具備する請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの抵抗ヒータは、前記基板の周囲に沿って直列に延びる第1抵抗ヒータ素子及び第2抵抗ヒータ素子と、前記第1抵抗ヒータ素子の正の端部と通信する第1の正の電気リード線と、第2抵抗ヒータ素子の正の端部と通信する第2の正の電気リード線と、前記第1抵抗ヒータ素子の負の端部及び前記第2抵抗ヒータ素子の負の端部と通信する共通の電気リード線と、を具備する請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の抵抗ヒータ素子のそれぞれは、互いに絶縁されている請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの抵抗ヒータは、ケーブルヒータである請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの抵抗ヒータは、管状ヒータ、層状ヒータ、及び箔状ヒータからなるグループから選択される、請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの抵抗ヒータは、前記基板内に埋め込まれている請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項8】
前記基板は、1枚である請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項9】
前記基板は、少なくとも2枚である請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの抵抗ヒータは、前記基板の外面に取り付けられている請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項11】
前記基板は、金属材料である請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項12】
前記基板は、シャワーヘッドの形態である請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項13】
前記基板は、台座の形態である請求項1のヒータアセンブリ。
【請求項14】
前記複数の加熱ゾーンと通信する電気的リード線と、前記台座から延びる軸と、をさらに具備し、前記電気的リード線は、前記軸を通って延びる請求項13に記載のヒータアセンブリ。
【請求項15】
前記複数の加熱ゾーンを独立して制御するために操作可能な2線式コントローラをさらに具備し、前記抵抗ヒータは、ヒータ素子及び温度センサとして機能する材料を定義する請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項16】
前記複数の抵抗ヒータ素子は、前記基板の一次加熱を提供する請求項1に記載のヒータアセンブリ。
【請求項17】
前記基板の加熱は、前記複数の抵抗ヒータ素子によってのみ提供される請求項16に記載のヒータアセンブリ。
【請求項18】
コントローラと、
基板と、
共通の接地を有し、基板の周囲に沿って配置された複数の加熱ゾーンを定義する複数の抵抗ヒータと、を具備し、前記複数の加熱ゾーンは、前記基板の方位温度制御を提供するため、前記コントローラにより独立して制御される熱システム。
【請求項19】
前記コントローラは、2線式コントローラである請求項18の熱システム。
【請求項20】
前記複数の抵抗ヒータは、n個の抵抗ヒータ素子とn+1個の電気リード線と、を具備する請求項18に記載の熱システム。
【請求項21】
前記複数の抵抗ヒータ素子は、前記基板の前記周囲に沿って直列に延びる第1抵抗ヒータ素子と第2抵抗ヒータ素子と、前記第1抵抗ヒータ素子の正の端部と通信する第1の正の電気リード線と、前記第2抵抗ヒータ素子の正の端部と通信する第2の正の電気リード線と、前記第1抵抗ヒータ素子の負の端部と前記第2抵抗ヒータ素子の負の端部と通信する共通の電気リード線と、を具備する請求項18に記載の熱システム。
【請求項22】
基板の方位温度制御が提供されるように、前記基板の周囲に沿って延びる複数の加熱ゾーンを定義する複数の抵抗ヒータ素子を独立して制御することを具備し、前記複数の抵抗ヒータ素子は、共通の接地線を有する基板の加熱する方法。
【請求項23】
前記複数の抵抗ヒータ素子は、n個の抵抗ヒータ素子とn+1個の電気リード線と、を具備する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の抵抗ヒータ素子は、前記基板の一次加熱を提供する請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記基板の加熱は、前記複数の抵抗ヒータ素子によってのみ提供される請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、2019年4月25日に出願された米国仮出願第62/838,535号に対する優先権及びその利益を主張する。上記出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ヒータセンブリに係わり、より具体的には、加熱ターゲットに沿った方向熱制御及び分配を提供する抵抗ヒータを有するヒータセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
本項の記載は、本開示に関連する背景情報を単に提供するものであり、先行技術を構成するものではない。
【0004】
半導体プロセスにおいて、そこに配置されたウェハを支持し、加熱するためのペデスタルが知られている。ペデスタルは、一般に、ウェハを支持するための基板と、板状部材の下面に取り付けられた軸部材とを含む。ヒータは、ウェハに必要な加熱を提供するため、基板に埋め込まれていてもよいし、或いは基板に取り付けられていてもよい。シャワーヘッドのような他の装置もまた、半導体プロセスにおいて使用され、プロセスガス(例えば、反応物)をプロセス中にウェハ全体に散布する。
【0005】
プラズマ強化成膜、又はエッチングなどの様々なウェハ処理ステップの間、ウェハ内の処理変動を低減させるため、基板を均一に加熱又は冷却する必要がある。しかしながら、基板の周囲の均一な方位加熱(azimuthal heating)を維持することは、周囲に沿った不均一な熱損失のために困難な場合がある。
【0006】
本開示は、様々なアプリケーションにおいて、基板の加熱に関連する他の課題のうち、基板の均一な方位加熱に関連する課題に対処する。
【発明の概要】
【0007】
本明細書は、本開示の一般的な概要を提供するものであり、その完全な範囲又は特徴の全てを包括的に開示するものではない。
【0008】
本開示の一形態において、基板と少なくとも1つの抵抗ヒータとを具備するヒータセンブリが提供される。少なくとも1つの抵抗ヒータは、基板の周囲に沿って配置された複数の加熱ゾーンを具備し、複数の加熱ゾーンは、ヒータセンブリの方位温度制御を提供するため独立して制御可能である。本開示の幾つかの変形例において、少なくとも1つの抵抗ヒータは、共通の接地を有する複数の抵抗ヒータ素子を具備する。このような変形例において、少なくとも1つの抵抗ヒータは、n個の抵抗ヒータ素子と、n+1個の電気リード線とを具備する。例えば、少なくとも1つの抵抗ヒータは、基板の外周に沿って直列に延びる第1抵抗ヒータ素子と第2抵抗ヒータ素子とを含む。第1の正の電気リード線は、第1抵抗ヒータ素子の正の端部と通信し、第2の正の電気リード線は、第2抵抗ヒータ素子の正の端部と通信し、共通の電気リード線は、第1抵抗ヒータ素子の負の端部及び第2抵抗ヒータ素子の負の端部と通信する。本開示の他の変形において、少なくとも1つの抵抗ヒータは、それぞれが接地電気リード線を有する複数の抵抗ヒータ素子を具備する。このような変形において、複数の別個の抵抗ヒータ素子は、互いに絶縁されている。
【0009】
本開示の幾つかの変形において、少なくとも1つの抵抗ヒータは、ケーブルヒータである。本開示の他の変形において、少なくとも1つの抵抗ヒータは、管状ヒータ、層状ヒータ、又は箔状ヒータである。
【0010】
本開示の幾つかの変形において、基板は1枚である。本開示の他の変形において、基板は、少なくとも2枚である。また、本開示の幾つかの変形において、少なくとも1つの抵抗ヒータは、基板内に埋め込まれている。代替的に、又はそれに加えて、少なくとも1つの抵抗ヒータは、基板の外面に取り付けられる。基板は、金属材料、セラミック材料などから形成されてもよく、シャワーヘッド又は台座であってもよい。基板が台座の形態である本開示の変形において、電気リード線は、台座の軸を通って延びる。
【0011】
本開示の幾つかの変形において、ヒータセンブリは、複数の加熱ゾーンを独立して制御することが可能な2線式コントローラを含む。このようなバリエーションにおいて、少なくとも1つの抵抗ヒータは、ヒータ素子として機能する材料及び温度センサとして機能する材料を定義する。
【0012】
本開示の少なくとも1つの変形において、複数の抵抗ヒータ素子は、基板の一次加熱を提供するように構成された複数の一次抵抗ヒータ素子である。このような変形において、複数の一次抵抗ヒータ素子は、基板の加熱のみを提供することができる。
【0013】
本開示の別の形態において、コントローラ、基板、及び少なくとも1つの抵抗ヒータを具備する熱システムが提供される。少なくとも1つの抵抗ヒータは、基板の周囲に沿って配置された複数の加熱ゾーンを含み、複数の加熱ゾーンは、基板の方位温度制御を提供するため、コントローラにより独立して制御される。本開示の幾つかの変形において、コントローラは2線式コントローラであり、少なくとも1つの抵抗ヒータは、共通の接地線を有する複数の抵抗ヒータ素子、それぞれが接地線を有する複数の抵抗ヒータ素子、又はそれらの組み合わせである。
【0014】
本開示のさらに別の形態において、基板を方位加熱する方法は、基板の方位温度制御が提供されるように、基板の周囲に沿って延びる複数の加熱ゾーンを独立して制御することを含む。本開示の幾つかの変形において、複数の加熱ゾーンは、共通の接地線を有する複数の抵抗ヒータ素子、複数の抵抗ヒータ素子のそれぞれが接地線を有する複数の抵抗ヒータ素子、及びそれらの組み合わせから選択された抵抗ヒータ素子を含む。
【0015】
適用可能なさらなる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。本明細書及び特定の実施例は、例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示が十分に理解されるように、ここでは、例によって与えられた様々な形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本開示の教示に従ったヒータアセンブリの斜視図である。
【0018】
図2Aは、本開示の教示に従ったヒータアセンブリの断面図である。
【0019】
図2Bは、図2Aのセクション2B―2Bの断面図である。
【0020】
図3Aは、本開示の教示に従ったヒータアセンブリの斜視図である。
【0021】
図3Bは、図3Aのセクション3B-3Bの断面図である。
【0022】
ここに記載された図面は、例示のためだけのものであり、本開示の範囲を何ら制限することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明は、単に例示的なものであり、本開示、適用、又は用途を限定することを意図するものではない。図面全体を通して、対応する参照数字は、類似又は対応する部分及び特徴を示すことが理解されるべきである。例示及び変形は、当業者に本開示の範囲を十分に伝えるために提供される。本開示の変形例の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、装置、及び方法の種類など、多数の具体的な詳細が記載されている。特定の詳細を採用する必要はなく、本明細書で提供される例示及びバリエーションは、代替的な形態を含むことができ、本開示の範囲を限定することを意図していないことは、当業者には明らかであろう。幾つかの例において、周知のプロセス、周知のデバイス構造、及び周知の技術は、詳細には記載されていない。
【0024】
ここで図1を参照すると、本開示の教示に従ったヒータアセンブリ10が概略的に描かれている。ヒータアセンブリ10は、基板100と、複数のヒータ素子122及び対応する加熱ゾーン124を具備する少なくとも1つの抵抗ヒータ120とを含む。基板100は、上面102(+y方向)と、下面104(-y方向)と、側壁106と、側壁106に隣接及び/又は近接した周囲108とを有する。基板100は、厚さ(y方向)を有し、側壁106は、上面102と下面104との間に延びている。本明細書で使用されるように、「周囲」という用語は、基板の外側の側壁に隣接又は近接して延びる領域又は領域を指す。例えば、図1に概略的に描かれた複数のヒータ素子122は、基板100の周囲108に沿って配置されている。また、複数のヒータ素子122は、基板100の上面102に取り付けられている。図1に概略的に描かれているように、基板100は、円形の形状(すなわち、X-Z平面内の円形断面)を有する。しかしながら、異なる形状(例えば、長方形、三角形、楕円形など)を有する基板が、本開示の教示の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0025】
本開示の幾つかの変形において、複数のヒータ素子122、それによる複数の加熱ゾーン124は独立して制御可能である。このような変形において、ヒータアセンブリ10の方位温度制御が提供される。本明細書で使用されるように、「方位温度制御」という語句は、基板の半径方向に沿った温度制御とは対照的に、基板の円周方向に沿った(例えば、基板の周囲に沿った)基板の温度制御を指す。本明細書で使用されるように、「半径方向」という語句は、図1の矢印2によって概略的に描かれているように、基板の中心(例えば、基板100の中心「C」)から基板の周囲(例えば、周囲108)への方向を指す。
【0026】
引き続き図1を参照すると、本開示の幾つかの変形において、コントローラ150は、例えば2線式コントローラが含まれ、複数のヒータ素子122の独立した制御、これにより複数の加熱ゾーン124の独立した制御が提供されるように、ヒータアセンブリ10と通信している。このような変形において、複数のヒータ素子122の各々は、ヒータ素子として、及び温度センサとして機能する材料を定義する。二線式コントローラ及びその材料の非限定的な例は、本願と共通して譲渡され、その全体が参照により組み込まれる米国特許第7,196,295号に開示されている。例えば、本開示の幾つかの変形において、電源155が提供され、複数のヒータ素子122に電力を供給するように構成され、2線式コントローラの形態のコントローラ150は、複数のヒータ素子122の計算された抵抗に基づき複数のヒータ素子122の温度(複数可)を決定する。また、コントローラ150は、複数のヒータ素子122の温度(複数可)を制御するために、電源155に信号を送信する。本開示の少なくとも1つの変形において、コントローラ150は、複数のヒータ素子122の各々への電力及び温度を独立して制御する。
【0027】
動作において、電流は、複数のヒータ素子122の各々を独立して流れ、コントローラ150は、複数の加熱ゾーン124の各々の温度又は平均温度を監視し、所与の加熱ゾーン124の温度(又は平均温度)に基づいて、所与の加熱ゾーン124の温度がそれぞれ増加又は減少するように、対応するヒータ素子122を通る電流を増加又は減少させる。
【0028】
本明細書に開示される抵抗ヒータ120及び他の抵抗ヒータの非限定的な例は、層状ヒータ、ケーブルヒータ、管状ヒータ、及び箔状ヒータを含む。層状ヒータは、基板に供給された材料の層を具備し、各層は、本明細書で「ヒータ素子」とも呼ばれ、レーザーエッチング、熱溶射、又は射出成形を介して形成されてもよい。
【0029】
本開示の幾つかの変形において、複数のヒータ素子122は、複数の主ヒータ素子、すなわち、複数のヒータ素子122は、基板100の主加熱又は一次加熱を提供する。少なくとも1つの変形において、複数のヒータ素子122は、基板100の加熱に使用される唯一のヒータ素子である。少なくとも1つの他の変形において、複数のヒータ素子122は、基板100の主加熱又は一次加熱を提供し、二次ヒータ素子(図示せず)は、複数のヒータ素子122から内向きに間隔を空けて(すなわち、周囲108から軸126に向かう方向に)基板100の一部に二次加熱を提供する。
【0030】
ここで、図2A及び2Bを参照すると、本開示の教示に従ったヒータアセンブリ12の断面が概略的に描かれている。図1のヒータアセンブリ10と同様に、ヒータアセンブリ12は、基板100と、少なくとも1つの抵抗ヒータ120とを含む。図2A及び2Bに概略的に描かれた少なくとも1つの抵抗ヒータ120は、複数のヒータ素子122A−122C(本明細書では「第1ヒータ素子122A」、「第2ヒータ素子122B」、及び「第3ヒータ素子122C」とも呼ばれる)と、対応する加熱ゾーン124A−124Cとを含む。さらに、基板100は、電気リード線128A−128C、130(本明細書では「第1電気リード線128A」、「第2電気リード線128B」、「第3の電気リード線128C」、及び「接地電気リード線130」とも称される)を包囲する基板100の下面104から延びる軸126を有する台座の形態である。
【0031】
特に図2Bを参照すると、複数のヒータ素子122A−122Cは、第1ヒータ素子122Aの第1端部(-x方向)と通信する第1電気リード線128Aと、第2ヒータ素子122Bの第1端部(-x方向)と通信する第2電気リード線128Bと、第3ヒータ素子122Cの第1端部(-x方向)と通信する第3の電気リード線128Cと、第1、第2、第3ヒータ素子122A、122B、122Cの第2端部(+x方向)と通信する共通接地電気リード線130と直列に配置される。従って、電流は、電気リード線128A、130を介して第1のヒータ素子122Aに印加されるか又は流れ、電流は、電気リード線128B、130を介して第2ヒータ素子122Bに印加され、電流は、電気リード線128c、130を介して第3ヒータ素子122Cに印加される。このようにヒータ素子122A−122Cに電流を印加することは、ヒータ素子及び対応する加熱ゾーン124A−124Cの独立した制御を提供することと理解すべきである。また、この方法でヒータ素子122A−122Cに電流を印加することは、基板100の方位温度制御を提供することと理解されるべきである。
【0032】
本開示の幾つかの変形において、コントローラ150は、図2Aに概略的に描かれているように含まれる。コントローラ150は、ヒータアセンブリ12と通信しており、複数のヒータ素子122A−122Cを独立して制御し、これにより複数の加熱ゾーン124A−124Cを独立して制御するように構成されている。特に、コントローラ150は、上述したように、電気リード線128A−128Cを介してヒータ素子122A−122Cを通る電流を増加又は減少させることにより、抵抗ヒータ120の制御された加熱を提供するように構成されている。本開示の幾つかの変形において、コントローラ150は、基板100の周囲108の均一な加熱を提供し、すなわち、加熱ゾーン124A−124Cの温度又は平均温度は、一般的に互いに等しい(例えば、±2℃以内)。本開示の他の変形において、コントローラ150は、基板100の周囲108の選択的加熱を提供し、すなわち、加熱ゾーン124A−124Cの温度又は平均温度は、意図的に、互いに一般的に等しくない。
【0033】
ここで、図3A及び3Bを参照すると、本開示の教示に従った別のヒータアセンブリ14が概略的に描かれている。図2A−2Bのヒータアセンブリ12と同様に、ヒータアセンブリ14は、軸126を有する基板100と、基板100内に配置された少なくとも1つの抵抗ヒータ140とを含む。しかしながら、ヒータアセンブリ12とは対照的に、少なくとも1つの抵抗ヒータ140は、それぞれが接地電気リード線を有する複数のヒータ素子142を具備する。特に、図3Aに概略的に描かれた少なくとも1つの抵抗ヒータ140は、対応する加熱ゾーン144A−144Dを有する複数のヒータ素子142A−142Dを含む。また、図3Bに最もよく示されているように、ヒータ素子142A−142D(図3Bに示されているヒータ素子142A及び142Bのみ)の各々は、それぞれ、ヒータ素子142A−142Dの第1端部(+y方向)に接続された正の電気リード線141A−141Dと、それぞれ、ヒータ素子142A−142Dの第2端部(-y方向)に接続された負の電気リード線143A−143Dとを有している。従って、電気リード線141Aと143Aを介してヒータ素子142Aに電流が印加され、電気リード線141Bと143Bを介してヒータ素子142Bに電流が印加され、電気リード線141Cと143Cを介してヒータ素子142Cに電流が印加され、電気リード線141Dと143Dを介してヒータ素子142Dに電流が印加される。電気リード線141A−141D及び143A−143Dを介してヒータ素子142A−142Dに電流を印加することは、ヒータ素子142A−142D及び対応する加熱ゾーン144A−144Dの独立した制御を提供することと理解すべきである。このようにヒータ素子142A−142Dに電流を印加することは、基板100の方位温度制御を提供することとも理解されるべきである。
【0034】
本開示の幾つかの変形において、図3Aに概略的に描かれているように、コントローラ160及び電源165が含まれる。コントローラ160は、ヒータアセンブリ14と通信可能であり、複数のヒータ素子142A−142Dを独立して制御し、これにより複数の加熱ゾーン144A−144Dを独立して制御するように構成されている。特に、コントローラ160は、上述したように、電気リード線141A−141D及び143A−143Dをそれぞれ介してヒータ素子142A−142Dを通る電流を増加又は減少させることにより、(電源165を介して)抵抗ヒータ140の制御された加熱を提供するように構成されている。本開示の幾つかの変形において、コントローラ160は、基板100の周囲108の均一な加熱を提供し、すなわち、加熱ゾーン144A−144Dの温度又は平均温度は、一般的に互いに等しい(例えば、±2℃以内)。本開示の他の変形において、コントローラ160は、基板100の周囲108の選択的加熱を提供し、すなわち、加熱ゾーン144A−144Dの温度又は平均温度は、意図的に互いに一般的に等しくない。
【0035】
コントローラ160は、上記のように、2線式コントローラであり、複数の加熱ゾーン144A−144Dの独立した制御、及びこれにより複数のヒータ素子142A−142Dの独立した制御をするようにヒータアセンブリ12と通信することが提供されると理解されるべきである。このような変形において、複数のヒータ素子142A−142Dの各々は、ヒータ素子として及び温度センサとして機能する材料を定義する。
【0036】
ヒータ素子142A−142Dは、互いに絶縁されていることも理解されるべきである。本開示の幾つかの変形において、ヒータ素子142A−142Dは、基板100の絶縁領域110によってそれぞれから絶縁されている。すなわち、絶縁領域110は、ヒータ素子142A−142Dの各々の間に配置される。4つのヒータ素子142が図3Aに示されているが、4つ未満のヒータ素子142又は4つ以上のヒータ素子142が本開示の範囲内にあることが理解されるべきである。
【0037】
本開示の幾つかの変形において、複数のヒータ素子142A−142Dは、複数の主ヒータ素子、すなわち、複数のヒータ素子142A−142Dは、基板100の主加熱又は一次加熱を提供する。少なくとも1つの変形において、複数のヒータ素子142A−142Dは、基板100の加熱に使用される唯一のヒータ素子である。少なくとも1つの他の変形において、複数のヒータ素子142A−142Dは、基板100の主加熱又は一次加熱を提供し、二次ヒータ素子(図示せず)は、複数のヒータ素子142A−142Dから内側に間隔を空けて(すなわち、周囲108から軸126に向かう方向に)基板100の一部分に二次加熱を提供する。このような二次ヒータ素子は、例示的に、本願と共通に所有され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国公開第2019/0159291号に図示及び記載されているものを含むことができる。
【0038】
基板の方位加熱のためのヒータアセンブリが提供されることは、本開示の教示から理解されるべきである。ヒータアセンブリは、基板の周囲に沿って配置された複数のヒータ素子からなる少なくとも1つの抵抗ヒータを具備する。また、複数のヒータ素子は、基板の外面に取り付けられているか、基板内に配置されているか、又はそれらの組み合わせである。複数のヒータ素子のそれぞれに電流を流すことで、ヒータ素子の複数のゾーンチューニングが可能となり、基板の方位方向に沿った熱伝達が可能となる。方位方向に沿った熱伝達は、少なくとも1つの抵抗ヒータの中心から少なくとも1つの抵抗ヒータの周辺端に向かうか、又は周辺端又は少なくとも1つの抵抗ヒータから少なくとも1つの抵抗ヒータの中心に向かうかのいずれかであってもよい。基板の周囲から間隔をあけて配置された基板の中心部は、周囲の温度よりも高い温度を有していてもよいし、低い温度を有していてもよい。
【0039】
抵抗ヒータは、各種の抵抗ヒータであってもよく、層状ヒータ素子、ケーブル状ヒータ素子、管状ヒータ素子、箔状ヒータ素子などの抵抗ヒータに限定されるものではない。また、基板は、セラミック材料や金属材料を含んでいてもよく、これに限定されるものではなく、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
【0040】
複数のヒータ素子は、全てのヒータ素子が共通の接地電気リード線を有し、n個のヒータ素子がn個のヒータ素子とn+1個の電気リード線を流れる電流で独立して制御されるように、直列に電気的に接続されていてもよい。代替的には、複数のヒータ素子は、正の電気リード線及び負の電気リード線を有してもよく、n個のヒータ素子は、n個のヒータ素子及び2n個の電気リード線を流れる電流で独立して制御される。
【0041】
コントローラを含んでもよく、複数の加熱ゾーンを独立して制御するために操作されてもよい。コントローラは、電源、電圧及び電流測定コンポーネント、電力調整コンポーネント、及び少なくとも1つの抵抗ヒータと通信するプロセッサを具備してもよい。プロセッサは、通信コンポーネントとも通信しており、ここで、ヒータアセンブリからの特定の出力(例えば、温度測定値)が送達され、また、入力(例えば、更新されたTCR値、較正データ、温度設定点、抵抗設定点)がヒータシステムに提供されてもよい。コントローラの一例は、抵抗ヒータが、ヒータ素子として及び温度センサとして機能する材料を定義する二線式コントローラであってもよい。
【0042】
図面には示されていないが、半導体処理に使用されるペデスタル、シャワーヘッド等に含まれる他の構成要素が、本明細書に開示されるヒータアセンブリの一部として含まれ得ることが理解されるべきである。このような構成要素の非限定的な例としては、ルーティング層、冷却チャネル、導電性ビアなどが挙げられる。
【0043】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを、別の要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションと区別するためにのみ使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「第1」、「第2」、及び他の数値用語のような用語は、文脈によって明確に示されない限り、順番又は順序を暗示するものではない。したがって、第1要素、構成要素、領域、層又はセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2要素、構成要素、領域、層又はセクションと呼ばれ得る。さらに、要素、構成要素、領域、層又はセクションは、「第2」要素、構成要素、領域、層又はセクションと称される要素、構成要素、領域、層又はセクションを必要とせずに、「第1」要素、構成要素、領域、層又はセクションと称してもよい。
【0044】
「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「より下」、「上」、「上方」などのような空間的に相対的な用語は、図示されているように、1つの要素又は特徴と他の要素又は特徴との関係を説明するために、説明を容易にするために、本明細書で使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用中又は操作中の装置の異なる向きを包含することを意図してもよい。例えば、図中の装置がひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」と記載された要素は、その時、他の要素又は特徴の「上」を向いているであろう。したがって、例示的な用語「下」は、「上」又は「下」の配向の両方を包含することができる。本明細書で使用される空間的相対記述子は、装置が他の方向に配向されていてもよく(90度回転されていてもよく、又は他の方向に配向されていてもよく)、本明細書で使用される空間的相対記述子は、それに応じて解釈される。
【0045】
本明細書で使用されるように、「A、B、及びCのうち少なくとも1つ」という語句は、非排他的論理和を用いた論理(A又はB又はC)を意味するものと解釈されるべきであり、「Aのうち少なくとも1つ、Bのうち少なくとも1つ、及びCのうち少なくとも1つ」を意味するものと解釈されるべきではない。
【0046】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な形態のみを記述する目的のためのものであり、限定的であることを意図していない。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。用語「含む」及び「有する」は包括的であり、したがって、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。本明細書に記載された方法のステップ、プロセス、及び操作は、特に特定されない限り、議論された又は図示された特定の順序でのそれらの性能を必ずしも必要とするものと解釈されるべきではない。また、追加のステップ又は代替のステップが採用され得ることも理解されるべきである。
【0047】
本開示の記載は、本質的に例示的なものに過ぎず、したがって、本開示の本質から逸脱しない例示及び変形は、本開示の範囲内であることが意図されている。このような例示及び変形は、開示の精神及び範囲からの逸脱とみなされるべきではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は、特定の例及び変形例を含むが、他の修正は、図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を検討すると明らかになるので、本開示の真の範囲は、それほど限定されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【外国語明細書】
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