【解決手段】通知エリア設定部104は、ユーザの操作に応じて、当該ユーザにより指定される実空間内の通知エリアを設定する。通知部116は、ユーザに関連付けられているトラッカーが、通知エリア外から通知エリア内に入ったこと、及び、通知エリア内から通知エリア外に出たことのうちの少なくとも一方を、ユーザに通知する。通知エリア設定部104は、ユーザの操作を介することなく、通知エリアの設定を解除する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本開示で提案する位置確認システム1の全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本開示で提案する位置確認システム1には、クラウドサーバ10、複数のユーザ端末12(12a、12b、12c、・・・)、複数のトラッカー14(14a、14b、14c、・・・)が含まれている。
【0018】
クラウドサーバ10、ユーザ端末12、トラッカー14は、インターネット等のコンピュータネットワーク16に接続されている。そのためクラウドサーバ10とユーザ端末12との間、クラウドサーバ10とトラッカー14との間は、コンピュータネットワーク16を介して通信可能となっている。
【0019】
クラウドサーバ10は、例えば、位置確認サービスを提供するサーバコンピュータである。
【0020】
図2Aに示すように、本実施形態に係るクラウドサーバ10には、例えば、プロセッサ20、記憶部22、通信部24が含まれている。
【0021】
プロセッサ20は、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部22に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部22は、例えばROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。記憶部22には、プロセッサ20によって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部24は、例えばコンピュータネットワーク16を介して、ユーザ端末12やトラッカー14などといったコンピュータとの間でデータを授受するための通信インタフェースである。
【0022】
本実施形態に係るユーザ端末12は、例えばスマートフォンやタブレット端末などのコンピュータであって、位置確認サービスを利用するユーザによって利用される。
【0023】
図2Bに示すように、本実施形態に係るユーザ端末12には、例えば、プロセッサ30、記憶部32、通信部34、タッチパネル36が含まれている。
【0024】
プロセッサ30は、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部32に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部32は、例えばメモリ等の記憶素子である。記憶部32には、プロセッサ30によって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部34は、例えばコンピュータネットワーク16を介して、クラウドサーバ10等のコンピュータとの間でデータを授受するための通信インタフェースである。タッチパネル36は、例えばプロセッサ30から入力される指示に従って情報を表示出力したり、ユーザが行った操作の内容をプロセッサ30に出力したりする。
【0025】
本実施形態では、位置確認サービスを利用するユーザは、予めアカウント登録処理を実行しており、当該ユーザのアカウントを示すアカウントデータがクラウドサーバ10に登録されていることとする。アカウントデータが登録されているユーザは、所定のログイン操作をユーザ端末12に対して行うことで、位置確認サービスを利用することができる。
【0026】
本実施形態に係るトラッカー14は、ユーザ端末12を利用するユーザが見守る対象である人物等(例えばユーザの子供等)によって携行される端末である。本実施形態に係るトラッカー14は、コンパクト(例えば、45ミリメートル×45ミリメートル×18.5ミリメートル)であるため、携行が容易である。また、トラッカー14には、リセットボタンは設けられているが、表示部も電源ボタンも設けられていない。
【0027】
図2Cに示すように、本実施形態に係るトラッカー14には、プロセッサ40、記憶部42、通信部44、測位部46、センサ部48が含まれている。
【0028】
プロセッサ40は、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部32に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部42は、例えばメモリ等の記憶素子である。記憶部42には、プロセッサ30によって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部44は、例えばコンピュータネットワーク16を介して、クラウドサーバ10などといったコンピュータとの間でデータを授受するための通信インタフェースである。
【0029】
測位部46は、例えば、トラッカー14の現在位置を示す情報(例えば緯度及び経度の情報)を取得可能なGPSモジュールなどの測位デバイスである。センサ部48は、例えば、振動センサなどのセンシングデバイスである。本実施形態ではトラッカー14のプロセッサ40が、センサ部48による測定結果に基づいて、トラッカー14が動いているかと止まっているかを判定する。
【0030】
また本実施形態に係る通信部34、及び、通信部44には、ブルートゥース(登録商標)モジュールが含まれている。そのため、ユーザ端末12とトラッカー14とは、当該ブルートゥースモジュールを介して互いに通信可能となっている。
【0031】
本実施形態に係るトラッカー14には、予め、固有の識別情報(例えば、IMEI(International Mobile Equipment Identifier))が割り当てられている。以下、トラッカー14に固有の当該識別情報を、トラッカーIDと呼ぶこととする。
【0032】
本実施形態では、ユーザが、当該ユーザが利用するユーザ端末12に対して所定のペアリング操作を実行することで、当該ユーザ端末12と当該ユーザ端末12の近くに存在するトラッカー14との間でブルートゥースにおけるペアリング処理が実行される。その結果、当該ユーザ端末12を利用するユーザのアカウントと当該トラッカー14とは関連付けられる。本実施形態では1つのアカウントを、複数のトラッカー14に関連付けることができるようになっている。
【0033】
以下、トラッカー14に関連付けられているアカウントのユーザが利用するユーザ端末12を、当該トラッカー14に関連付けられているユーザ端末12と呼ぶこととする。
【0034】
また、本実施形態において、上述のペアリング操作を行うことで、トラッカー14と関連付けられたアカウントのユーザを当該トラッカー14のオーナーと呼ぶこととする。
【0035】
そしてオーナーは、所定のゲスト登録操作を行うことで、他のユーザを当該オーナーが属するグループに所属させることができる。ゲスト登録操作によってグループに所属されたユーザをゲストと呼ぶこととする。
【0036】
上述のグループに所属するオーナーやゲストの表示名は、例えば、
図3に示すグループ管理画面50において確認することができる。また、本実施形態では、グループ管理画面50を介して、オーナーを変更することが可能である。
【0037】
また本実施形態では例えば、オーナーが所定のトラッカー関連付け操作を行うことで、オーナーのアカウントと関連付けられているトラッカー14とゲストのアカウントとが関連付けられる。このように本実施形態では、1つのトラッカー14を複数のアカウントに関連付けることができるようになっている。
【0038】
図4は、表示名が「お兄さん」であるゲストについてのトラッカー登録画面52の一例を示す図である。
図4に示すトラッカー登録画面52には、それぞれオーナーに関連付けられているトラッカー14に対応付けられる複数のチェックボックス54が配置されている。ここで、例えばユーザが複数のチェックボックス54を選択して、登録ボタン56をタップする操作という1回の操作を行うと、このことを示す信号が、オーナーのユーザ端末12からクラウドサーバ10に送信されてもよい。そして、クラウドサーバ10が、当該信号の受信に応じて、当該複数のトラッカー14と当該ゲストのアカウントとを一度に関連付けてもよい。
【0039】
なお登録ボタン56がタップされた際に、このことを示す信号がオーナーのユーザ端末12からクラウドサーバ10に送信されてもよい。そしてクラウドサーバ10が、この信号の受信に応じて、これら複数のトラッカー14及び当該ゲストの情報に対応するURLなどの情報を、当該ゲストのメールアドレスに宛てて送信してもよい。そして当該情報を受信したゲストが、URLをクリックする操作等の所定の1回の操作を、当該ゲストが利用するユーザ端末12に対して行うと、当該操作が行われたことを示す信号が当該ユーザ端末12からクラウドサーバ10に送信されるようにしてもよい。そして、クラウドサーバ10が、当該信号の受信に応じて、当該複数のトラッカー14と当該ゲストのアカウントとを一度に関連付けてもよい。
【0040】
このように、オーナーによる1回の操作、又は、ゲストによる1回の操作に応じて、複数のトラッカー14とゲストのアカウントとが一度に関連付けられてもよい。このようにすることは、例えば、多くのトラッカー14とゲストのアカウントとを関連付ける必要がある場合において特に好適である。
【0041】
本実施形態ではトラッカー14は、所定の時間間隔(例えば、3分間隔)で、トラッカー14の現在位置などを示す現在位置データをクラウドサーバ10に送信する。現在位置データには、例えば、測位位置情報、正確さ情報、アクセスポイント情報、及び、タイムスタンプ情報が含まれる。測位位置情報は、例えば、測位部46により測位されるトラッカー14の現在位置を示す情報(例えば緯度及び経度を示す情報)である。正確さ情報は、例えば、当該測位の正確さを示す情報である。アクセスポイント情報は、例えば、通信部44によって収集される、トラッカー14の近くに存在するWi−Fi(登録商標)アクセスポイントのMACアドレスの情報である。タイムスタンプ情報は、例えば、測位が行われた時刻に対応するタイムスタンプを示す情報である。
【0042】
なお本実施形態では、センサ部48の測定結果に基づいて、トラッカー14が所定時間(例えば8分)以上動いていないと判定される場合は、測位、及び、現在位置データの送信は抑制される。ここでセンサ部48の測定結果に基づいて、トラッカー14が動いたと判定されると、測位、及び、現在位置データの送信が再開される。
【0043】
そして、クラウドサーバ10は、このようにして送信される現在位置データに基づいて、トラッカー14の現在位置の特定を行う。例えばトラッカー14が室内や地下にあるような場合には、測位部46による測位ができないことや測位の正確さが低いことがある。このような場合でも本実施形態ではクラウドサーバ10が、アクセスポイント情報に基づいて、トラッカー14の現在位置を特定する。そしてクラウドサーバ10は、特定される現在位置を示す現在位置情報、測位が行われた時刻を示す時刻情報、及び、当該トラッカー14のトラッカーIDを含む、位置履歴データを記憶する。
【0044】
本実施形態では、ユーザが、ユーザ端末12に対して、当該ユーザ端末12に関連付けられているトラッカー14についての所定の位置確認操作を行うことで、当該トラッカー14についての位置確認要求がユーザ端末12からクラウドサーバ10に送信される。そして、クラウドサーバ10は、クラウドサーバ10に記憶されている、当該トラッカー14についての位置履歴データに基づいて、
図5に例示する位置確認画面60を生成して、当該ユーザ端末12に送信する。そして、位置確認画面60が当該ユーザ端末12のタッチパネル36に表示される。
【0045】
位置確認画面60には、トラッカー14の現在位置を示す現在位置画像62と、トラッカー14の経路を示す経路画像64とが配置された地図が含まれている。また、ユーザはシークバー66を動かす操作を行うことで、指定されたタイミングにおけるトラッカー14の位置を表示させることができる。
【0046】
このようにして本実施形態によれば、ユーザは、ユーザ端末12を介して当該ユーザ端末12に関連付けられているトラッカー14の位置やトラッカー14の経路を確認することができる。
【0047】
また、
図5に示す位置確認画面60には、ユーザがユーザ端末12に対して所定の通知エリア設定操作を行うことで設定される通知エリアを示す通知エリア画像68も配置されている。
【0048】
本実施形態における通知エリア設定操作とは、例えば、
図6に示す、通知エリア設定画面70において、ユーザが、地図上の位置をタップし、フォーム72に通知エリアの表示名を入力し、登録ボタン74をタップする操作である。この場合、タップされた位置を中心とした所定の大きさの領域(例えば、実空間における半径100メートルの円に相当する領域)が通知エリアとして設定される。
図6には、設定される通知エリアを示す通知エリア画像76が示されている。以下、当該通知エリア設定操作によって設定される通知エリアを、後述する一時的通知エリアと区別するため、通常通知エリアと呼ぶこととする。
【0049】
図6に示す通知エリア設定画面70は、例えば、
図7に示す通知エリア編集画面78がユーザ端末12のタッチパネル36に表示される際に「新規追加」を選択する操作を行うことで、タッチパネル36に表示される。
【0050】
図7に示す通知エリア編集画面78が、トラッカー14毎に設けられていてもよい。この場合に、トラッカー14毎に独立した通知エリアの設定が行えるようになっていてもよい。
【0051】
図5に示す位置確認画面60には、このようにして設定された表示名が「家」である通知エリアを示す通知エリア画像68が示されている。
【0052】
そして本実施形態では、クラウドサーバ10は、トラッカー14が、通知エリア外から通知エリア内に入った、又は、通知エリア内から通知エリア外に出たというイベントの発生を監視する。そして、当該イベントが発生したとクラウドサーバ10によって判定された際に、クラウドサーバ10はそのことを、当該通知エリアを設定したユーザが利用するユーザ端末12に通知する。当該通知は、例えば、プッシュ通知により行われる。
【0053】
本実施形態では、ユーザ端末12は、上述のプッシュ通知を受信した際に、サウンドの出力や、バナー表示などといった、当該ユーザ端末12の設定に応じた処理を実行する。
【0054】
また、ユーザが所定の通知一覧表示操作を行うことでユーザ端末12のタッチパネル36には、
図8に示す通知一覧画面80が表示される。ユーザは通知一覧画面80を介して上述のイベントが発生した履歴を知ることができる。
【0055】
通知一覧画面80には、発生した上述のイベントに対応付けられるイベント画像82が配置されている。イベント画像82には、対応付けられるイベントの内容を表す文字列と当該イベントがどれだけ前に発生したかが示されている。例えば1番下のイベント画像82のイベントの内容を表す文字列(Tさんが家に着きました。)は、トラッカー14が、表示名が「家」である通知エリア外から通知エリア内に入ったというイベントに対応付けられる。
【0056】
本実施形態では、ユーザが所定の通知エリア解除操作をユーザ端末12に対して行うことで、通常通知エリアの設定を解除できるようになっている。
【0057】
また本実施形態では、ユーザがユーザ端末12に対して所定の一時的通知エリア設定操作を行うことで、一時的通知エリアが設定される。
【0058】
本実施形態における一時的通知エリア設定操作とは、例えば、
図6に示す通知エリア設定画面70において、ユーザが、地図上の位置を長押しし、その際に表示される「一時的通知エリア作成」と表記されたメニューを選択する操作である。なお、通常通知エリアと同様、一時的通知エリア設定操作が、
図6に示す通知エリア設定画面70において、ユーザが、地図上の位置を長押しし、フォーム72に通知エリアの表示名を入力し、登録ボタン74をタップする操作であってもよい。この場合、タップされた位置を中心とした所定の大きさの領域(例えば、実空間における半径100メートルの円に相当する領域)が一時的通知エリアとして設定される。
【0059】
一時的通知エリアについては、例えば当該一時的通知エリアが設定されてから所定の時間が経過した際に、ユーザの操作を介することなく解除される。
【0060】
ここで、ユーザが制限時間を設定可能であり、例えば一時的通知エリアが設定されてから設定された制限時間が経過した際に、当該一時的通知エリアがユーザの操作を介することなく解除されてもよい。
【0061】
なお一時的通知エリアについても、通常通知エリアと同様に、ユーザが所定の通知エリア解除操作をユーザ端末12に対して行うことで、当該一時的通知エリアの設定を解除できてもよい。
【0062】
このように本実施形態によれば、一時的な通知エリアの設定が可能になる。この機能は、例えば、普段は訪れない外出先などにおいて、ユーザが一時的な通知エリアを設定したい場合などにおいて好適である。
【0063】
なお、本実施形態において、例えば、ユーザが指定する住所に対応する位置を中心とした通常通知エリアや一時的通知エリアが設定可能であってもよい。
【0064】
また、本実施形態において、ユーザが指定した大きさ(例えば半径)の通知エリアや一時的通知エリアが設定されるようにしてもよい。
【0065】
また本実施形態では、クラウドサーバ10が、トラッカー14が所定の速度よりも早い速度で移動していることを検出した場合に、このことを当該トラッカー14に関連付けられているユーザ端末12に通知する。この場合、例えば、ユーザ端末12のタッチパネル36に「Tさんが乗り物に乗って移動しています」と表示される。
【0066】
また本実施形態では、トラッカー14のバッテリーの残量が少なくなった際に(例えば20%以下になった際に)、そのことが、当該トラッカー14に関連付けられているユーザ端末12に通知される。
【0067】
以下、本実施形態に係るクラウドサーバ10の機能、及び、クラウドサーバ10で実行される処理についてさらに説明する。
【0068】
図9は、本実施形態に係るクラウドサーバ10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るクラウドサーバ10で、
図9に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、
図9に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0069】
図9に示すように、本実施形態に係るクラウドサーバ10には、機能的には例えば、アカウント管理データ記憶部90、トラッカー管理データ記憶部92、グループ管理データ記憶部94、通知エリア管理データ記憶部96、位置履歴データ記憶部98、トラッカー登録部100、トラッカー関連付け部102、通知エリア設定部104、現在位置データ受信部106、位置特定部108、画面生成部110、画面送信部112、通知判定部114、通知部116、が含まれる。
【0070】
アカウント管理データ記憶部90、トラッカー管理データ記憶部92、グループ管理データ記憶部94、通知エリア管理データ記憶部96、位置履歴データ記憶部98は、記憶部22を主として実装される。トラッカー登録部100、トラッカー関連付け部102、通知エリア設定部104は、プロセッサ20及び通信部24を主として実装される。現在位置データ受信部106、画面送信部112、通知部116は、通信部24を主として実装される。位置特定部108、画面生成部110、通知判定部114は、プロセッサ20を主として実装される。
【0071】
以上の機能は、コンピュータであるクラウドサーバ10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ20で実行することにより実装される。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してクラウドサーバ10に供給される。
【0072】
アカウント管理データ記憶部90は、本実施形態では例えば、
図10に例示するアカウント管理データを記憶する。アカウント管理データには、それぞれユーザのアカウントに対応付けられる複数のアカウントデータが含まれる。アカウントデータには、例えば、アカウントID、表示名データ、メールアドレスデータ、トラッカーID、などが含まれる。
【0073】
アカウントIDは、ユーザのアカウントの識別情報である。表示名データは、各種画面における当該ユーザの表示名を示すデータである。例えば、
図3に示すグループ管理画面50、
図4に示すトラッカー登録画面52に、当該表示名データが示す表示名が配置されている。メールアドレスデータは、当該ユーザのメールアドレスを示すデータである。そしてアカウントデータに含まれるトラッカーIDには、当該ユーザのアカウントに関連付けられているトラッカー14のトラッカーIDが設定される。ここでアカウントデータには、複数のトラッカーIDが含まれてもよい。
【0074】
トラッカー管理データ記憶部92は、本実施形態では例えば、
図11に示すトラッカー管理データを記憶する。トラッカー管理データには、それぞれトラッカー14に対応付けられる複数のトラッカーデータが含まれる。トラッカーデータには、例えば、トラッカーID、表示名データ、アイコン画像などが含まれる。
【0075】
トラッカーIDは、IMEIなどといった、トラッカー14に固有の識別情報である。表示名データは、各種画面における当該トラッカー14の表示名を示すデータである。例えば、
図4に示すトラッカー登録画面52、
図8に示す通知一覧画面80に、当該表示名データが示す表示名が配置されている。また、トラッカーデータには、各種画面に配置される、当該トラッカー14に対応するアイコン画像が含まれている。例えば
図5に示す位置確認画面60に、当該アイコン画像が配置されている。
【0076】
グループ管理データ記憶部94は、本実施形態では例えば、
図12に示すグループ管理データを記憶する。グループ管理データには、それぞれグループに対応付けられる複数のグループデータが含まれている。グループデータには、例えば、オーナーID、ゲストID、トラッカーIDが含まれている。
【0077】
グループデータに含まれるオーナーIDには、例えば、当該グループデータに対応付けられるグループに所属するオーナーのアカウントIDが設定される。グループデータに含まれるゲストIDには、例えば、当該グループデータに対応付けられるグループに所属するゲストのアカウントIDが設定される。グループデータに含まれるトラッカーIDには、例えば、当該オーナーのアカウントに関連付けられているトラッカー14のトラッカーIDが設定される。ここでグループデータには、複数のトラッカーIDが含まれてもよい。
【0078】
通知エリア管理データ記憶部96は、本実施形態では例えば、
図13に示す通知エリア管理データを記憶する。通知エリア管理データには、それぞれ通知エリアに対応付けられる複数の通知エリアデータが含まれている。通知エリアデータには、例えば、通知エリアID、アカウントID、トラッカーID、中心位置データ、表示名データ、有効期限データが含まれている。
【0079】
通知エリアデータに含まれる通知エリアIDは、当該通知エリアデータに対応付けられる通知エリアの識別情報である。通知エリアデータに含まれるアカウントIDには、当該通知エリアデータに対応付けられる通知エリアを設定したユーザのアカウントIDが設定される。通知エリアデータに含まれるトラッカーIDには、当該通知エリアデータに対応付けられる通知エリアが設定されたトラッカー14のトラッカーIDが設定される。通知エリアデータに含まれる中心位置データは、当該通知エリアデータに対応付けられる通知エリアの中心位置を示すデータである。ここで中心位置データが、通知エリアの中心位置の緯度及び経度を示すデータであってもよい。
【0080】
表示名データは、例えば、各種画面における当該通知エリアの表示名を示すデータである。例えば、
図5に示す位置確認画面60、
図7に示す通知エリア編集画面78、
図8に示す通知一覧画面80に、当該表示名データが示す表示名が配置されている。本実施形態では例えば、一時的通知エリアについては、表示名データの値は設定されない。
【0081】
有効期限データは、例えば、当該通知エリアの有効期限を示すデータである。本実施形態では例えば、一時的通知エリアについては、有効期限データの値が設定されるが、通常通知エリアについては、有効期限データの値は設定されない。
【0082】
位置履歴データ記憶部98は、本実施形態では例えば、上述した、トラッカー14の現在位置を示す現在位置情報、測位が行われた時刻を示す時刻情報、及び、当該トラッカー14のトラッカーIDを含む位置履歴データを複数記憶する。
【0083】
トラッカー登録部100は、本実施形態では例えば、上述のペアリング操作によってユーザのアカウントに関連付けられたトラッカー14の情報を登録する。
【0084】
本実施形態では例えば、上述のペアリング操作が行われると、当該ペアリング操作の対象となったトラッカー14のトラッカーIDがオーナーのユーザ端末12からクラウドサーバ10に送信される。
【0085】
そして、トラッカー登録部100は、当該トラッカーIDの受信に応じて、当該トラッカーIDを、オーナーのアカウントIDを含むアカウントデータに追加する。さらに、トラッカー登録部100は、当該トラッカーIDを、オーナーのアカウントIDをオーナーIDとして含むグループデータに追加する。また、トラッカー登録部100は、当該トラッカーIDを含むトラッカーデータを生成して、トラッカー管理データに追加する。そして本実施形態では、その後、トラッカー登録部100は、オーナーの操作に応じて、当該トラッカーデータに、表示名データやアイコン画像を追加する。
【0086】
トラッカー関連付け部102は、本実施形態では例えば、オーナー又はゲストによるトラッカー関連付け操作に応じて、当該ゲストのアカウントとトラッカー14とを関連付ける。トラッカー関連付け部102は、例えば、ゲストのアカウントIDを含むアカウントデータに、当該ゲストのアカウントと関連付けられるトラッカー14のトラッカーIDを追加する。
【0087】
ここで、トラッカー関連付け部102は、上述したように、オーナーによる1回の操作に応じて、ゲストと複数のトラッカー14とを一度に関連付けてもよい。また、トラッカー関連付け部102は、上述したように、ゲストによる1回の操作に応じて、当該ゲストと複数のトラッカー14とを一度に関連付けてもよい。このようにして複数のトラッカー14と関連付けられたユーザは、当該複数のトラッカー14についての通知エリアの設定が可能となる。
【0088】
通知エリア設定部104は、本実施形態では例えば、ユーザにより指定される実空間内の通知エリアを設定する。ここで通知エリア設定部104は、ユーザに関連付けられている複数のトラッカー14のそれぞれについて、当該トラッカー14についての通知エリアを設定してもよい。
【0089】
本実施形態では例えば、ユーザ端末12において通知エリア設定操作が行われると、ユーザ端末12は、通知エリア設定操作を示す信号をクラウドサーバ10に送信する。当該信号には、当該ユーザ端末12を利用するユーザのアカウントID、通知エリアの設定対象となるトラッカー14のトラッカーID、通知エリアの中心位置の緯度及び経度、及び、表示名、を示す情報が含まれている。通知エリア設定部104は、この信号の受信に応じて、通知エリアデータを生成する。当該通知エリアデータには、受信したアカウントID、受信したトラッカーID、受信した緯度及び経度が設定された中心位置データ、受信した表示名を示す表示名データが含まれる。当該通知エリアデータには、有効期限データの値は設定されない。そして通知エリア設定部104は、生成された通知エリアデータを通知エリア管理データに追加する。このようにして、通常通知エリアがクラウドサーバ10に登録される。
【0090】
一方で、ユーザ端末12において一時的通知エリア設定操作が行われると、ユーザ端末12は、一時的通知エリア設定操作を示す信号をクラウドサーバ10に送信する。当該信号には、当該ユーザ端末12を利用するユーザのアカウントID、通知エリアの設定対象となるトラッカー14のトラッカーID、通知エリアの中心位置の緯度及び経度、表示名、及び、設定された時刻を示す情報が含まれている。通知エリア設定部104は、この信号の受信に応じて、通知エリアデータを生成する。当該通知エリアデータには、受信したアカウントID、受信したトラッカーID、受信した緯度及び経度が設定された中心位置データ、受信した表示名を示す表示名データが含まれる。さらに、当該通知エリアデータには、受信した情報が示す時刻の所定の時間後(例えば24時間後)の時刻を示す有効期限データが含まれる。そして、通知エリア設定部104は、生成された通知エリアデータを通知エリア管理データに追加する。このようにして、一時的通知エリアがクラウドサーバ10に登録される。
【0091】
そして本実施形態では、通知エリア設定部104は、一時的通知エリアについては、ユーザの操作を介することなく、当該一時的通知エリアが設定されてから所定の時間が経過した際に当該一時的通知エリアの設定を解除する。ここでは例えば、通知エリア設定部104は、有効期限データが示す時刻を過ぎた際(有効期限データが示す時刻よりも現在時刻の方が後になった際)に、当該有効期限データを含む通知エリアデータを削除する。
【0092】
なお上述したように、ユーザによって制限時間が指定可能であってもよい。この場合、ユーザ端末12は、制限時間の情報を含む、一時的通知エリア設定操作を示す信号をクラウドサーバ10に送信してもよい。そして通知エリア設定部104は、受信した情報が示す時刻から、受信した情報が示す制限時間だけ後の時刻を、生成される通知エリアデータに含まれる有効期限データの値に設定してもよい。なお、ユーザによって有効期限が設定可能であってもよい。
【0093】
この場合は、通知エリア設定部104は、一時的通知エリアについては、ユーザの操作を介することなく、当該一時的通知エリアが設定されてからユーザにより指定された時間が経過した際に当該一時的通知エリアの設定を解除する。
【0094】
また、通知エリア設定部104は、ユーザ端末12において通知エリア解除操作が行われると、ユーザ端末12は、通知エリア解除操作を示す信号をクラウドサーバ10に送信する。当該信号には、解除対象の通知エリアの通知エリアIDが含まれている。そして、通知エリア設定部104は、この信号の受信に応じて、当該信号に含まれる通知エリアIDを含む通知エリアデータを削除する。
【0095】
現在位置データ受信部106は、本実施形態では例えば、トラッカー14から送信される、上述の現在位置データを受信する。
【0096】
位置特定部108は、本実施形態では例えば、上述したように、現在位置データの受信に応じて、当該現在位置データに基づいて、トラッカー14の現在位置を特定する。そして、位置特定部108は、特定された現在位置を示す現在位置情報、測位が行われた時刻を示す時刻情報、及び、当該トラッカー14のトラッカーID、を含む位置履歴データを、位置履歴データ記憶部98に記憶させる。
【0097】
画面生成部110は、本実施形態では例えば、
図3に示すグループ管理画面50、
図4に示すトラッカー登録画面52、
図5に示す位置確認画面60、
図6に示す通知エリア設定画面70、
図7に示す通知エリア編集画面78などといった各種の画面を生成する。
【0098】
画面送信部112は、本実施形態では例えば、画面生成部110が生成する各種の画面をユーザ端末12に送信する。画面送信部112が送信する画面は、送信先のユーザ端末12のタッチパネル36に表示される。
【0099】
通知判定部114は、本実施形態では例えば、ユーザに関連付けられているトラッカー14が、通知エリア外から通知エリア内に入ったこと、及び、通知エリア内から通知エリア外に出たことのうちの少なくとも一方が発生したか否かを判定する。
【0100】
通知部116は、本実施形態では例えば、ユーザに関連付けられているトラッカー14が、通知エリア外から通知エリア内に入ったこと、及び、通知エリア内から通知エリア外に出たことのうちの少なくとも一方を、当該ユーザに通知する。
【0101】
ここで上述したように、通知エリアは、トラッカー14毎に設定可能である。通知部116は、ユーザに関連付けられているトラッカー14が、当該トラッカー14について設定されている通知エリア外から当該通知エリア内に入ったこと及び当該通知エリア内から当該通知エリア外に出たことの少なくとも一方を当該ユーザに通知してもよい。
【0102】
以下、通知部116による通知に関する、本実施形態に係るクラウドサーバ10において行われる処理の流れの一例を、
図14に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0103】
まず、現在位置データ受信部106が、トラッカー14から送信される現在位置データの受信を監視する(S101)。
【0104】
現在位置データの受信が確認されると、このことに応じて、位置特定部108は、受信した現在位置データに基づいて、当該現在位置データを送信したトラッカー14の現在位置を特定する(S102)。
【0105】
そして、位置特定部108が、S102に示す処理で特定された現在位置を示す現在位置情報、測位が行われた時刻を示す時刻情報、及び、当該トラッカー14のトラッカーIDを含む位置履歴データを生成する(S103)。
【0106】
そして、位置特定部108が、S103に示す処理で生成された位置履歴データを位置履歴データ記憶部98に記憶させる(S104)。
【0107】
そして、通知判定部114が、S103に示す処理で生成された位置履歴データと、当該トラッカー14についての直前の位置を示す位置履歴データと、に基づいて、通知エリアに関する所定のイベントが発生したか否かを判定する(S105)。S105に示す処理では、例えば、当該トラッカー14が、当該トラッカー14について設定された通知エリア外から通知エリア内に入った、又は、通知エリア内から通知エリア外に出たというイベントが発生したか否かが判定される。
【0108】
S105に示す処理でイベントが発生したと判定された場合は(S105:Y)、通知部116が、当該イベントに対応するイベントデータを生成する(S106)。ここでイベントデータは、例えば、イベント画像82に配置される文字列などを示すデータである。当該文字列は、例えば、通知エリアを設定する際に、ユーザによって設定可能であってもよい。あるいは、当該文字列は、イベントが発生したトラッカー14の表示名と、当該トラッカー14に対応付けられるアカウントの表示名と、に基づいて生成されるものであってもよい。
【0109】
そして、通知部116が、S106に示す処理で生成されたイベントデータを、当該通知エリアを設定したユーザのユーザ端末12に送信する(S107)。送信先のユーザ端末12は、例えば、通知エリアデータに基づいて特定可能である。
【0110】
S105に示す処理でイベントが発生したと判定されなかった場合(S105:N)、又は、S107に示す処理が終了した場合は、S101に示す処理に戻る。
【0111】
次に、一時的通知エリアの設定解除に関する、本実施形態に係るクラウドサーバ10において行われる処理の流れの一例を、
図15に示すフロー図を参照しながら説明する。本処理例に示す処理では、例えば、所定の時間間隔でS201〜S202に示す処理が実行される。
【0112】
まず、通知エリア設定部104が、有効期限が過ぎた一時的通知エリアがあるか否かを確認する(S201)。ここでは例えば、通知エリア管理データに含まれる通知エリアデータのなかに、有効期限データが示す時刻が現在時刻よりも前であるものがあるか否かが確認される。
【0113】
S201に示す処理で有効期限が過ぎた一時的通知エリアがあることが確認された場合は(S201:Y)、通知エリア設定部104は、当該一時的通知エリアの設定を解除する(S202)。ここでは例えば、現在時刻よりも前の時刻を示す有効期限データを含む通知エリアデータが削除される。
【0114】
S201に示す処理で有効期限が過ぎた一時的通知エリアがないことが確認された場合(S201:N)、又は、S202に示す処理が終了した場合は、S201に示す処理に戻る。
【0115】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0116】
例えばクラウドサーバ10、ユーザ端末12、トラッカー14の役割分担は上述のものに限定されない。
【0117】
また、上記の具体的な文字列や数値及び図面中の具体的な文字列や数値は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。