【解決手段】アーチェリー用弓の調節可能なリムポケット110は、ポケットインサート124の長さに沿って延びる少なくとも1つのチャネルを有するポケットインサートを含む。少なくとも1つのチャネル130,132は、複数の取り付け位置を含むことができる。リム接触部材134,136はリムポケット内に保持される弓リム104を支持するために、複数の取り付け位置のうちの1つに連結され得る。1つ以上のリム接触部材は、アーチェリー用弓の弓弦張力を変化させるために、および/または弓弦が引かれ放たれるときに弓リムの遠位先端部の動きを操作するために、ポケットインサートの1つ以上のチャネル内で位置調整可能であり得る。
前記複数の位置は、前記リムポケットによって画定されるチャネル内の第1の取り付け位置を含む、複数の取り付け位置を備える、請求項1に記載のアーチェリー用弓組立体。
前記アーチェリー用弓組立体の前記弦張力が、前記リム接触部材が前記第1の取り付け位置で前記リムポケットに取り付けられたときに第1の値を有し、前記アーチェリー用弓組立体の前記弦張力が、前記リム接触部材が第2の取り付け位置で前記リムポケットに取り付けられたときに第2の値を有する、請求項2に記載のアーチェリー用弓組立体。
前記リムポケット内で位置調整可能であり、前記リムポケットに取り付け可能であり、前記リムの前記ライザーに面する表面上の第2の複数の位置のうちの1つで前記リムを支持する第2のリム接触部材をさらに備える、請求項1に記載のアーチェリー用弓組立体。
前記少なくとも1つのウェイトは、前記リムが前記リムポケット内に保持されるときに、前記リムの前記近位端部によって少なくとも部分的に隠される、請求項8に記載のアーチェリー用弓組立体。
前記ポケットインサートは、前記リムの前記ライザーに面する表面から延びる、あり継ぎボルトの対応する部分を受け入れるように構成される、あり継ぎトラックをさらに画定する、請求項16に記載のアーチェリー用弓組立体。
チャネルを画定するリムポケットを有するライザー、前記ライザーから離れるように延びる遠位端部および前記ライザーの前記リムポケットに保持される近位端部を有するとともにライザーに面する表面および外側に面する表面を有するリム、並びに前記チャネル内の第1の取り付け位置で連結されるとともに前記リムの前記ライザーに面する表面を支持するように構成されるリム接触部材、を備えるアーチェリー用弓組立体を提供する提供ステップと、
前記リム接触部材を前記チャネル内の前記第1の取り付け位置から切り離す切離ステップと、
前記リム接触部材を前記チャネル内の第2の取り付け位置に連結する連結ステップと、
を含む、アーチェリー用弓を調整する方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面および図は、多くの例示的な態様を図示し、本明細書の一部である。本説明と共に、これらの図面は本開示の様々な原理を実証し、説明する。本発明の性質および利点のさらなる理解は、以下の図面を参照することによって実現され得る。添付の図において、同様の構成要素または特徴は、同じ参照符号を有する可能性がある。
【0018】
本開示は一般に、アーチェリー用弓リムを調節するための装置、方法、および組立体に関する。アーチェリー用弓を引いている間、射手は弓弦をライザーから離れるように引っ張る(例えば、
図1Aの方向Z
1)。弓弦は、弓弦が引かれるときにライザーに対して偏向、またはその他の方法で曲がる一組のリムの間に延び、それによってエネルギーを蓄積することができる。次いで、このエネルギーは弓弦と取り外し可能に連結される発射体(例えば、矢またはボルト)内に移送されて、発射体を射程内に射ることができる。この発射プロセスの効率、精度、および再現性は、各リムがそれぞれのリムポケット組立体に対して偏向する方法に大きく依存し得る。調節可能なまたはその他の方法で位置調整可能なリム接触部材を有するアーチェリー用弓は、アーチェリー用弓を使用する射手の快適性、正確さ、精度を向上させることができる。
【0019】
リムは、リムポケット組立体を使用して、アーチェリー用弓のライザーに支持されるか、またはその他の方法で固定され得る。リムポケット組立体は、ライザーのリムポケット内に弓リムの近位端部を保持する複数の構成要素を含むことができる。リムポケット組立体は、リムの近位端部をライザーのリムポケットに固定するように構成されるリムボルトおよび/またはあり継ぎボルトを含むことができる。リムボルトは、リムの近位端部をポケットまたはライザーに位置させまたは保つために使用される、任意の締結具または連結機構であり得る。同様に、あり継ぎボルトはリムの中間部分(例えば、リムの近位端部と遠位端部との間に位置するリムの一部)をポケットまたはライザーに位置するために使用される任意の締結具であり得る。いくつかの態様では、リムがリムボルトのシャフトを受けるために、その近位端部にノッチまたはスロットがつけられ得る。リムボルトはドローウェイトの調節を可能にするために、ライザーのリムポケットとねじ込み可能に連結され得る。リムはまた、あり継ぎボルトを受けるために、リムの近位端部近傍に開口部を含むことができる。あり継ぎボルトは、リムポケットのライザーに面する表面内の対応するあり継ぎトラックと連動する突出部を含むことができる。
【0020】
トラディショナルアーチャーおよびリカーブアーチャーのような射手は、弓弦を保つために指を使用して弓弦を引き、放つ。言い換えれば、射手は弓弦の一部の周りに自分の指先を引っ掛けて弓弦を引き、放つ(
図1A参照)。その結果、弓弦内の張力F
Tは、射手がアーチェリー用弓を引いて引っ張られる位置を保つときに、アーチェリー用弓がどのような感触となるか、またはどのように応答するかに影響を及ぼす可能性がある。弦張力F
Tは、弓が引かれて放たれるときに射手の指に挟持力F
Pを引き起こすことがある。この挟持力F
Pは、射手の射撃機構若しくは射撃手順に影響を及ぼし、またはその他に影響する可能性がある。例えば、弓弦張力F
Tは、射手がリカーブボウに取り付けられるクリッカーを通して矢を引く方法に影響する可能性がある。同様に、弓弦張力F
Tは、射手が弓弦を自分の指から放つ方法に影響する可能性がある。
【0021】
多くのリカーブアーチャーは、各弓リムの長さに依って所望の性能特性および属性を達成する(例えば、より長いリムは、より長いドローレングス(引き尺)を支持する傾向がある)。リムポケット内に位置調整可能なリム接触部材を組み込むことによって、射手は中程度の長さの一対のリムを購入し、位置調整可能なリム接触部材を使用して、リムの長さを効果的に変えて、より長いまたはより短い一対のリムとして機能させることができる。これにより、射手は単一の対のリムを利用することができ、余分な対のリムを不必要に購入し、設定することを避けることができる。さらに、アーチェリー用弓のリムを交換することは、アーチェリー用弓の射撃特性が変わる可能性があり、ひいては、射手に新しいリムに適応するよう射撃機構を修正することを要求し、これは射手のパフォーマンスに悪影響を与えるおそれがある。
【0022】
本開示の一態様では、調節可能なリムポケット組立体は一対のリム接触部材を含むことができる。一対のリム接触部材は、ドローウェイトまたはアーチェリー用弓の他の態様に著しく影響を与えることなくアーチェリー用弓の弓弦張力を変化させるために利用し得る。一態様では、アーチェリー用弓は少なくとも1つのリムと、弓弦と、少なくとも1つの調節可能なリムポケット組立体とを有するライザーを含むことができる。調節可能なリムポケット組立体は、ライザーのリムポケット内にリムを保持、固定、またはその他の方法で支持するように構成され得る。調節可能なリムポケット組立体は、ライザーのリムポケット内の凹部に着脱可能に連結するポケットインサートを含むことができる。ポケットインサートは、少なくとも1つのリム接触部材を保持するように構成される一対のチャネルを画定することができる。以下により詳細に説明されるように、リム接触部材がチャネル内に保持される位置は、弓弦張力の変化と相関することができる。例えば、(
図5Bに図示するように)リムポケットの遠位端部の近傍または近位に位置するリム接触部材は、特定の弓弦張力を引き起こす可能性があるが、しかしながら、その特定の弓弦張力は、チャネル内でリム接触部材を位置調整することによって変化し、または変えられ得る。実際、リム接触部材は、(
図5Cに図示されるように)リムポケットの遠位端部から離れてまたは離間して位置調整されて、弓弦が引かれ放たれるときに曲がることを可能にするリムの部分を効果的に増加させ、それによってアーチェリー用弓の弓弦張力を変化させることができる。1つ以上のリム接触部材を調節可能なリムポケット組立体内で位置調整することによって、射手は曲がることができるリムの有効長さを操作することができ、それによって、アーチェリー用弓のドローウェイトを実質的に変化させることなく、アーチェリー用弓の弓弦張力を変化させることができる。
【0023】
いくつかの態様では、アーチェリー用弓は上ポケット組立体および下ポケット組立体を含むことができる。この態様では、上ポケット組立体が一対のリム接触部材を含むことができ、下ポケット組立体も一対のリム接触部材を含むことができる。射手は、上下の一対のリム接触部材を位置調整して、アーチェリー用弓の弓弦張力を変化させることができる。例えば、上リム接触部材は上リムポケットの遠位端部の近くまたは近位に配置することができ、下リム接触部材は、下リムポケットの遠位端部の近くまたは近位に配置することができる。このようにして、射手は、弓が引かれて放たれる間に偏向する可能性がある各リムの部分を効果的に短くすることができる。偏向し得るリムの部分(すなわち、リムの有効長さ)を変化させまたは操作することにより、アーチェリー用弓のドローウェイトに著しく影響を与えることなく弓弦張力を変えることができる(
図6E参照)。代替的に、射手は上リムポケットの遠位端部から離れるように上リム接触部材を位置調整することができ、また、下リムポケットの遠位端部から離れるように下リム接触部材を位置調整することができる。このようにして、射手は、弓が引かれて放たれる間に偏向する可能性がある各リムの部分を効果的に長くすることができ、それによってアーチェリー用弓のドローウェイトに著しく影響を与えることなく弓弦の弓弦張力を調節することができる。
【0024】
本開示の別の態様では、一対のリム接触部材をリムポケット内に配置して、弓リムをライザーに対してねじったり、旋回させたり、またはその他の方法で回させたりすることができる。言い換えれば、リムは、リムの長手方向軸に平行に延びる軸の周りで、ねじれ、旋回し、または回され得る。ライザーに対して弓リムを旋回させるか、またはその他の方法で回すことで、射手が、弓弦が引かれ放たれている間に弓リムの遠位先端部の移動または動きを操作することを可能にする。一態様では、アーチェリー用弓は上リムと、下リムと、弓弦と、上及び下リムポケット組立体(例えば、調節可能なリムポケット組立体)とを有するライザーと、を含むことができる。上リムポケット組立体はライザーのリムポケット内に上リムを保持および支持するように構成され得る。上リムポケット組立体は、ライザーのリムポケット内の凹部に着脱可能に連結するポケットインサートを含むことができる。ポケットインサートは、少なくとも1つのリム接触部材を保持するように構成される一対のチャネルを画定することができる。以下により詳細に説明されるように、リム接触部材がチャネル内に保持される位置により、リム接触部材がリムのライザーに面する表面に接触および支持する位置を変えることができる。例えば、第1のリム接触部材はリムポケットの遠位端部の近傍または近位に配置され得る一方、第2のリム接触部材は(
図8に図示されるように)リムポケットの遠位端部から離れて配置され得る。第1および第2のリム接触部材はそれぞれリムのライザーに面する表面上の第1および第2の位置に、接触および支持することができる。第1の位置は第2の位置よりもリムの近位端部から遠いので、第1および第2のリム接触部材は(
図9に表示されるように)リムの長手方向軸の周りで、ライザーに対してある角度でリムを旋回または回させることができる。ライザーに対するこのリム角度は、弓リムの遠位先端部をライザーに対して旋回または回させ、それによって、射手が弓弦を引いて放つときに弓リムの遠位先端部がどのように移動または動くかを変えることができる。
【0025】
いくつかの態様では、上および下リムポケット組立体はそれぞれポケットインサートおよびリム接触部材を含むことができる。そのような態様では、上および下リムポケット組立体はライザーに対してそれぞれの角度で、上および下リムを旋回しまたは回させるために利用され得る。このような調節可能性を利用して、熟練した射手がアーチェリー用弓の精度、再現性、および全体的なパフォーマンスを向上させるため、アーチェリー用弓を調整できる。例えば、リムの一方または両方は、弓弦が移動する平面がライザーの長手方向軸を通して延びる平面に平行であるように、旋回されまたは回され得る。
【0026】
本開示のさらに別の態様では、ポケット組立体はライザーのリムポケット内に着脱可能に連結されるように構成される1つ以上のウェイトを含むことができる。一態様では、上ポケット組立体および下ポケット組立体はそれぞれ、ライザーの上リムポケットおよび/または下リムポケット内に動作可能に連結されるように構成される複数のウェイトを含むことができる。複数のウェイトは、ライザーの上部、ライザーの下部、またはそれらの両方でバランシングウェイトを提供するように構成され得る。射手は複数のウェイトを利用して、射手がアーチェリー用弓から矢または他の発射体を放つときに、ライザーがどのように応答するかを調整することができる。リムはライザーのリムポケット内に取り付けられるか、またはその他の方法で保持されるが、リムポケットの各々に連結される1つ以上のウェイトはリムによって部分的にまたは完全に隠され得る。例えば、1つ以上のウェイトは、リムの近位端部によって全部または部分的に隠されるリムポケットのリムに面する表面の凹部内に配置され得る。
【0027】
本明細書は例を提供するものであり、特許請求の範囲に記載される範囲、適用性、または構成を限定するものではない。したがって、開示の精神および範囲から逸脱することなく、議論される要素の機能および配列に変更を加えることができ、様々な態様が、必要に応じて他の手順または構成要素を省略し、置換し、または追加することができることが理解されるであろう。例えば、説明される方法は、説明されるものとは異なる順序で実行されてもよく、様々なステップが追加され、省略され、または組み合わされてもよい。また、特定の態様に関して説明される特徴は、他の態様において組み合わされてもよい。場合によっては、本開示がコンパウンドボウ、リカーブボウ、およびトラディショナルボウに適用されてもよい。
【0028】
図1Bは、ライザー102と、ライザー102に取り付けられる上リム104と、下リム106とを含むことができる、例示的なアーチェリー用弓100を示す。ライザー102は、ハンドグリップ部分108と、上リムポケット110と、下リムポケット112とを含むことができる。弓弦113は、上リム104と下リム106との間に延びることができる。上104および下リム106は、それぞれ上および下リムポケット110、112に取り付けられ得る。ハンドグリップ部分108は、ライザー102の上および下リムポケット110、112の間のほぼ中央に位置し得る。
図1Cは、リムボルト118および/またはあり継ぎボルト120を使用して上リム104の近位端部114を保持するように構成される上リムポケット110を有する、
図1Bのアーチェリー用弓100を表示する。同様に、下リムポケット112は、下リムボルト118および/またはあり継ぎボルト120を使用して下リム106の近位端部116を保持するように構成され得る。
【0029】
また、
図1Bは、上リム104および下リム106のそれぞれに対する、上ティラー距離T
Uおよび下ティラー距離T
Lを示す。アーチェリー用弓のティラーは、上ティラー距離T
Uと下ティラー距離T
Lとの間の差異である。一実施形態では、以下でさらに詳細に説明するように、アーチェリー用弓のティラーは、複数の位置調整可能なリム接触部材を利用することによってリムボルトを回転させることなく調節され得る。
【0030】
図2は、アーチェリー用弓100の上部内に1つ以上の構成要素を含むことができる調節可能なリムポケット組立体123を有するアーチェリー用弓100を示す。例えば、調節可能なリムポケット組立体123は、リムポケット110と、リムボルト118と、1つ以上の止めねじ122と、ポケットインサート124と、1つ以上のリム接触部材134、136と、を含むことができる。一態様では、ポケットインサート124は上リムポケット110のリムに面する表面126上の凹部内に連結され、固定され、またはその他の方法で保持され得る。例えば、ポケットインサート124は、少なくとも1つの止めねじ122を使用して、リムポケット110の遠位端部128に連結され得る。ポケットインサート124は、ポケットインサート124の長さに沿って延び、上リムポケット110の遠位端部128に隣接する1つ以上のチャネル130、132を形成することができる。1つ以上のリム接触部材134、136は、チャネル130、132内に配置し得る。例えば、1つ以上の締結具138を使用して、チャネル130、132内でリム接触部材134、136を動作可能に連結することができる。他の態様では、ポケットインサート124はポケット組立体123から省略することができ、チャネル130、132はリムポケット110のリムに面する表面126内で形成されまたは画定され得る。
【0031】
ポケットインサート124はまた、上リム104を上リムポケット110内に保持するために、あり継ぎボルト120の下部120Bと連動し、連結し、またはその他の方法で受け入れるように構成される、あり継ぎトラック140を形成することができる。あり継ぎトラック140は、リムポケット110の遠位端部128の近位に、またはそれに隣接して配置され得る。あり継ぎトラック140はまた、チャネル130、132の間に配置することができ、リム104の中心線に沿って延びる長手方向軸Lと平行に延びることができる。
【0032】
リムボルト118は、リム104をリムポケット110に固定するために、リムポケット110の近位端部144上に配置されるリムボルト開口部142に連結されるか、またはリムボルト開口部142によって受け入れられ得る。例えば、リムボルト118は、リムポケット110のリムボルト開口部142内にねじ込み可能に受け入れられるねじ付き下部146を含むことができる。リム104は、リム104の近位端部114にスロットまたはノッチ148を含むことができる。スロットまたはノッチ148は、リム104をリムポケット110に保持するためにリムボルト118と係合するように構成され得る。いくつかの態様では、スロットまたはノッチ148は、リムボルト118をリムボルト開口部142から取り外すことなく、リムポケット110からリム104を取り外すことを可能にできる。いくつかの態様では、射手が、リムボルト開口部142に対してリムボルト118を回すことによって、弓弦を引くのに必要なウェイトを延伸状態(すなわち、ドローウェイト)に変化させることができる。
【0033】
あり継ぎボルト120は、上部120Aと、下部120Bとを含むことができる。上部120Aは、下部120Bに連結されるか、または他の方法で取り付けられ得る。例えば、上部120Aは、下部120Bにねじ込み可能に取り付けられ得る。さらに、あり継ぎボルト120の上部120Aおよび下部120Bは、リム104の近位端部114内のあり継ぎ開口部150を通して延びることができる。上部120Aを下部120Bに連結することにより、リム104に対して締付力を発生させることができ、これにより、あり継ぎボルト120をリム104のあり継ぎ開口部150内に保持することができる。
【0034】
図3Aおよび
図3Bはポケットインサート124を示し、ポケットインサート124は、ポケットインサート124のリムに面する表面152内に形成され、機械加工され、またはその他の方法で画定される1つ以上のチャネル130、132を含むことができる。1つ以上のチャネル130、132は、それぞれポケットインサート124の長さにわたる第1のチャネル130および第2のチャネル132を含むことができる。第1のチャネル130は、第2のチャネル132に実質的に平行に延びることができる。いくつかの態様において、第1のチャネル130は、第2のチャネル132から横方向に離間することができる。第1のチャネル130および第2のチャネル132はそれぞれ、第1および第2のリム接触部材134、136を受け入れるように構成され得る。
図3Aおよび
図3Bに表示される例示的な態様は2つのチャネル(例えば、第1チャネル130および第2のチャネル132)を有するが、ポケットインサート124の他の態様は単一のチャネルまたは3つ以上のチャネルを含むことができる。さらに、または代替的に、単一のリム接触部材は、複数のチャネルに同時に接触するように構成され得る。例えば、単一のリム接触部材の端部は、第1および第2のチャネル130、132内に受け入れられ得るとともに、単一のリム接触部材の中間部は第1および第2のチャネル130、132の間にわたることができる。
【0035】
第1および第2のチャネル130、132は、チャネル130、132内に複数の取り付け位置154A−C、156A−Cを含むことができる。いくつかの態様では、取り付け位置154A−Cの各々は、第1のチャネル130に対して特定の配置で第1のリム接触部材134を保持するように構成され得る。一態様では、取り付け位置154A−Cは第1のチャネル130の長さに沿って均等に配置される複数の別個の取り付け位置を含む。別の態様では、取り付け位置154A−Cが第1のチャネル130の長さにわたる無限数の取り付け位置を提供するように構成される取付けトラックを画定することができる。同様に、取り付け位置156A−Cの各々は、第2のチャネル132に対して特定の位置で第2のリム接触部材136を保持するように構成され得る。一態様では、取り付け位置156A−Cは第2のチャネル132の長さに沿って均等に配置される複数の別個の取り付け位置を含む。別の態様では、取り付け位置156A−Cが第2のチャネル132の長さにわたる無限数の取り付け位置を提供するように構成される取付けトラックを画定することができる。取り付け位置154A−C、156A−Cは、ねじ切りされる開口部であってもよく、各開口部は締結具(例えば、締結具138)を受け入れるように構成される。
【0036】
ポケットインサート124はまた、ポケットインサート124のリムに面する表面152上に形成され、機械加工され、または他の方法で画定されるあり継ぎトラック140を含むことができる。あり継ぎトラック140は、リム104をリムポケット110に固定するために、あり継ぎボルト120を受け入れおよびあり継ぎボルト120と連動するように構成され得る。あり継ぎトラック140は、あり継ぎボルト120があり継ぎトラック140に挿入されるときに、あり継ぎボルト120から延びる偏った突出部を受け入れおよび押し下げるように構成される突出部ガイド158を含むことができる。あり継ぎトラック140はまた、あり継ぎボルト120から延びる偏った突出部を受け入れて、あり継ぎボルト120をあり継ぎトラック140内に固定し、または他の方法で保持するように構成される凹部160を含むことができる。
【0037】
ポケットインサート124はまた、1つ以上のポケットインサート貫通孔164を有するポケットインサート突出部162を含むことができる。ポケットインサート突出部162は、ポケットインサート124のリムに面する表面152にほぼ垂直な方向に延びることができる。ポケットインサート突出部162は、リムポケット110のリムに面する表面126上のインサート凹部166内に形成される突出凹部168内に受け入れられ得る(
図4Aおよび4Bを参照のこと)。ポケットインサート貫通孔164はポケットインサート124をリムポケット110内に保持するために、止めねじ122の一部を受け入れることができる。
【0038】
図3Cは、本発明の一態様による、ポケットインサート124、リム接触部材134、136、およびシム169を示す。1つ以上の締結具138を使用して、ポケットインサート124のそれぞれのチャネル130、132内に複数のリム接触部材134、136を動作可能に連結することができる。いくつかの態様では、締結具138は1つ以上のシム169をポケットインサート124に動作可能に連結するために使用することもできる。例えば、1つ以上のシム169が、第1のリム接触部材134と、ポケットインサート124の第1のチャネル130との間に配置され得る。同様に、1つ以上のシム169が、第2のリム接触部材136とポケットインサート124の第2のチャネル132との間に配置され得る。シム169は、各シム169の開口部またはスロットを通して延びる締結具138の1つにより加えられる圧力によって、ポケットインサート124のチャネル130、132のうちの1つ内の適所に保持される薄板とすることができる。他の態様では、ポケットインサート124が省略される場合、チャネルはリムポケット内に直接形成することができ、1つ以上のシム169は、リム接触部材とリムポケットとの間に配置され得る(例えば、リムポケットの表面上に形成されるチャネル)。
【0039】
いくつかの態様では、それぞれのリム接触部材134、136の下に配置するシム169の量または厚さを利用して、弓弦が引かれ放たれるときの、リムの遠位先端部の移動を調節することができる。例えば、多数のシムまたはより厚いシム169を第1のリム接触部材134の下に配置し、より少ないシムまたはより薄いシム169を第2のリム接触部材136の下に配置し、それによってリムのライザーに面する表面およびリムポケットの遠位端部に対して角度を作り出すことができる(
図9参照)。第2のリム接触部材136よりも多くの数のシムまたはより厚いシム169を第1のリム接触部材134の下に配置することによって、リムはリムの長手方向軸(例えば、
図2に示される長手方向軸L)に対して、強制的にねじられるか、旋回するか、またはその他の方法で回され得る。したがって、リムの遠位先端部または端部は、射手によって所望されるように移動しまたは動くように、調整されまたは調節され得る(例えば、弓弦が引かれて放たれている間、直線で移動するように調整されまたは調節され得る)。他の態様では、多数のシムまたはより厚いシム169を第2のリム接触部材136の下に配置し、より少ないシムまたはより薄いシム169を第1のリム接触部材134の下に配置することができる。さらに他の態様では、同数のシム169を、第1および第2のリム接触部材134、136のそれぞれの下に配置することができる。
【0040】
図4Aおよび4Bは、ライザー102のリムポケット110がリムポケット110の遠位端部128の近傍に配置されるインサート凹部166を含むことができる、本開示の別の例示的な態様を表示する。インサート凹部166は、リムポケット110内にポケットインサート124を受け入れるように構成され得る。インサート凹部166は、突出凹部168および外壁170を画定することができる。いくつかの態様では、インサート凹部166は、ポケットインサート124のリムに面する表面152がリムポケット110のリムに面する表面126と同一平面を保つかまたは整列したままであるようにポケットインサート124を保持することができる。突出凹部168は、リムポケット110のリムに面する表面126に垂直に延びることができる。突出凹部168は、ポケットインサート124のポケットインサート突出部162の少なくとも一部を受け入れるように構成され得る。少なくとも1つの止めねじ122を使用して、ポケットインサート124をインサート凹部166内に固定することができる。例えば、1つ以上の止めねじ122は、リムポケット110の1つ以上の側面174を通して延びるライザー貫通孔172内にねじ込み可能に受け入れられ得る。ライザー貫通孔172は、ポケットインサート124がリムポケット110のインサート凹部166内に配置されている間、ポケットインサート貫通孔164と位置合わせすることができる。
【0041】
図5A−Cは、本開示による、位置変更可能なリム接触部材134、136を有するリムポケット110を表示する。リムポケット110は、第1のリム接触部材134および第2のリム接触部材136に連結されるポケットインサート124を含むことができる。第1のリム接触部材134は、第1のチャネル130内に配置され得る。より具体的には、第1のリム接触部材134は第1のチャネル130内の複数の取り付け位置154のうちの1つに保持され得る。各取り付け位置154は、第1のリム接触部材134をチャネル130に対して特定の位置で保持することができる。本開示の一態様では、取り付け位置154はチャネル130の長さに沿って均等に配置される複数の別個の取り付け位置を含む。同様に、第2のリム接触部材136は、第2のチャネル132内に配置され得る。より具体的には、第2のリム接触部材136は第2のチャネル132内の複数の取り付け位置156のうちの1つに保持され得る。各取り付け位置156は、第2のリム接触部材136をチャネル132に対して特定の位置で保持することができる。
【0042】
図5Aおよび5Bに表示されるように、第1および第2のリム接触部材134、136は、リムポケット110の遠位端部128の近位または近傍に配置され得る。言い換れば、第1および第2のチャネル130、132は、リムポケット110の遠位端部128に隣接する位置にリム接触部材134、136の各々を保持する取り付け位置154、156を含むことができる。代替的に、
図5Cに示されるように、第1および第2のリム部接触部材134、136はリムポケット110の遠位端部128から離間した各それぞれのチャネル130、132内で配置されまたは位置調整され得る。弓弦がアーチェリー用弓(例えば、
図1のアーチェリー用弓100)に連結されるときに、リム104は、第1および第2のリム接触部材134、136の周りで曲がるか、または撓むように強制され得る。延伸状態では、弓弦は第1および第2のチャネル130、132内の第1および第2のリム接触部材134、136のそれぞれの取り付け位置(例えば、
図3Aの154A−Cおよび156A−C)に対して、特定の弓弦張力を発揮することができる。言い換えれば、
図5Aおよび5Bに表示される第1および第2のリム接触部材134、136のそれぞれの取り付け位置によって引き起こされる弓弦張力は、
図5Cに表示される第1および第2のリム接触部材134、136のそれぞれの取り付け位置によって引き起こされる弓弦張力と同じではない。しかしながら、リムポケット110に対する第1および第2のリム接触部材134、136の取り付け位置を調節しても、アーチェリー用弓のドローウェイトを実質的に変えないだろう。
【0043】
図6Aは、本開示によるアーチェリー用弓の上部600を表示する。上部600は、ライザー602と、リムポケット610と、リム614とを含むことができる。リム614は、リム614の中心線と一致する長手方向軸Lを画定することができる。長手方向軸Lは、リム614に着脱可能に連結されるあり継ぎボルト609と交わることができる。本発明のいくつかの態様では、リム704の長手方向軸Lはリムポケット610の中心面Cpと整列させることができる。
【0044】
図6B−Dは、それぞれ、
図6Aの線6−6を通るアーチェリー用弓の断面図を表示する。
図6B−Dはまた、本開示による位置調整可能なリム接触部材を有するアーチェリー用弓の例示的な態様を図示する。
図6Eは、
図6B−Dに表示される各例示的な態様に関連する、結果として生じる正規化弓弦張力および正規化ドローウェイトを表示するグラフ図を示す。
【0045】
図6Bは、アーチェリー用弓の上部600の開示の一態様の断面図を表示する。リム接触部材602は、ポケットインサート606のチャネル604内に配置され得る。より具体的には、リム接触部材602は、リム接触部材602をリムポケット610の遠位端部608の近位または近傍に配置する取り付け位置に連結される。
図6Cは、アーチェリー用弓の上部600を示す、本開示の別の態様の断面図を表示する。本開示のこの態様では、リム接触部材602がポケットインサート606のチャネル604内で位置調整される。より具体的には、リム接触部材602は、チャネル604の中間点にリム接触部材602を配置するとともに、リム接触部材602をリムポケット610の遠位端部608から離間させる取り付け位置に連結される。
図6Dは、アーチェリー用弓の上部600の本開示のさらに別の態様の断面図を表示する。この態様では、リム接触部材602がさらに再び、ポケットインサート606のチャネル604内で位置調整される。より具体的には、リム接触部材602は、チャネル604の端部618にリム接触部材602を配置するとともに、リムポケット610の遠位端部608から最も遠く離間させる取り付け位置に連結される。
【0046】
図6Bを参照すると、リム接触部材602は、リム614の近位端部616から距離D
1でリム614のライザーに面する表面612に接触するように配置され得る。言い換えれば、リム接触部材602は、リム接触部材602を、リム614の近位端部616から距離D
1で、リム614のライザーに面する表面612に接触させる取り付け位置(例えば、
図3Aの取り付け位置156C)に連結することができる。
図6B−Dに図示するように、距離D
1は、チャネル604内の他の取り付け位置に関連する距離とは長さが異なる。本開示のいくつかの態様では、リム614の近位端部616と、リム接触部材602がリム614のライザーに面する表面612に接触する位置との間の距離を変えることは、リム614の長さを変え、これは弓弦が射手によって引かれ放たれるときに、撓みまたは曲がることを可能にする。したがって、リム接触部材602の取り付け位置を変えまたは位置調整することにより、弓弦が射手によって引かれて放たれている間に応答し、撓み、または他の方法で曲がることができるリム614の長さを効果的に変えることができる。さらに、上述したように、リムの有効長さを変えることにより、アーチェリー用弓のドローウェイトに著しく影響を与えることなく弓弦の張力を変化させることができる(例えば、ドローウェイトの変化は1−2%未満)。
【0047】
図6A−Dには1つのリムポケット610(例えば、上リムポケット)のみが表示されているが、第2のリムポケット(例えば、下リムポケット)はまた、第2のリムポケット内の複数の取り付け位置に対して位置調整可能であるように構成される1つ以上のリム接触部材を含むことができることを理解されたい。
図6Eに関して、一対のリム接触部材を上リムポケット内に配置し、別の一対のリム接触部材をアーチェリー用弓の下リムポケット内に配置した。一例として、リム接触部材は
図6B−Dで説明されるように、各リムポケット(すなわち、上および下リムポケット)内に配置し、その後に力測定値を記録し、正規化した。測定値を正規化するために、力の測定値を46ポンド(20.8652キログラム)で割り、およびドローレングスの測定値を30インチ(76.2センチメートル)で割った。したがって、Dは30インチの100%を表し、Fは46ポンドの100%を表す。各取り付け位置における記録される力測定値の前記の説明は、例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載されているものの範囲、適用可能性、または構成を限定するものと考えるべきではない。
【0048】
図6Eは、
図6B−Dに表示される各例示的態様に関連する、結果として生じる弓弦張力およびドローウェイトのグラフ図を図示する。言い換えれば、
図6Eは、
図6B−Dに表示される取り付け位置の各々に関連する、結果として生じる正規化弓弦張力および正規化ドローウェイトを表示する。弦張力の測定値は、アーチェリー用弓を引っぱるドローレングスに対してポンドで記録した。同様に、ドローウェイト測定値は、アーチェリー用弓を引っぱるドローレングスに対してポンドで記録した。
図6Eに表示されるプロット線は、1つ以上のリム接触部材をリムポケットの近位端部に対して調節または位置調整することによって、アーチェリー用弓のドローウェイトが著しく変わることなくアーチェリー用弓の弓弦張力が変わり得ることを実証する。
【0049】
図6Bに表示される取り付け位置に関しては、リム接触部材はリム614の近位端部616から距離D
1で配置され、弓弦張力はドローレングスがDインチで1.07Fの力と測定される(
図6Eの参照文字Aを参照)。
図6Cに表示される取り付け位置に関しては、リム接触部材はリム614の近位端部616から距離D
2で配置され、弓弦張力はドローレングスがDインチで1.12Fの力と測定される(
図6Eの参照文字Bを参照)。
図6Dに表示される取り付け位置に関しては、リム接触部材はリム614の近位端部616から距離D
3で配置され、弓弦張力はドローレングスがDインチで1.00Fの力と測定される(
図6Eの参照文字Cを参照)。
図6Eに図示するように、アーチェリー用弓の弓弦張力は1.12Fから1.00Fまで変化させるように調節可能であり、差は12%であった。したがって、射手は、1つ以上のリム接触部材をリムポケットに対して調節または位置調整することによって、射手のアーチェリー用弓の弓弦張力を変化させることができる。
【0050】
図6Bに表示される取り付け位置に関しては、リム接触部材はリム614の近位端部616から距離D
1で配置され、ドローウェイトはDインチのドローレングスで1.02F ポンドの力と測定される(
図6Eの参照文字A'参照)。
図6Cに表示される取り付け位置に関しては、リム接触部材はリム614の近位端部616から距離D
2で配置され、ドローウェイトはDインチのドローレングスで1.01Fポンドの力と測定される(
図6Eの参照文字B'を参照)。6Dに表示される取り付け位置に関しては、リム接触部材はリム614の近位端部616から距離D
3で配置され、ドローウェイトはDインチのドローレングスで1.00Fの力が測定される(
図6Eの参照文字C'を参照)。
図6Eに図示するように、アーチェリー用弓のドローウェイトは1.01Fから1.00Fまで変化し、差は1%であった。したがって、アーチェリー用弓のドローウェイトは、リムポケットに対する1つ以上のリム接触部材の取り付け位置を調節しても、著しくは変わらないだろう(例えば、1%未満)。
【0051】
図6Eに図示され、上述されるように、本開示の一態様では、射手が、ポケットに対して1つ以上のリム接触部材を調節または位置調整することによって、射手のアーチェリー用弓の弓弦張力を12%の範囲内で変化させることができる。さらに、アーチェリー用弓に関連するドローウェイトは、弓弦張力を調節しても、結果として実質的に影響を受けない(例えば、ドローウェイトは1%の範囲内でのみ変化する)だろう。
【0052】
本開示の別の態様では、アーチェリー用弓のティラーは上および下リムポケット内にリム接触部材を位置調整することによって調節することができる。リム接触部材をそれぞれのリムポケット内で位置調整することによって、リムが軸方向に支持される位置を変化させることができ、それによってリムの有効長さを調整することができる。例えば、
図6Bに表示されるようなリムポケット610内に支持されるリムはより硬いリムとして機能し、一方、
図6Cに表示されるようなリムポケット610内に支持されるリムは、より柔軟なリムとして機能するであろう。リムの有効長さまたは相対的剛性は、荷重下でリムがどのように偏向するかを変化させることによって、アーチェリー用弓の上および下のティラー距離(
図1B参照)に直接影響させることができる。
【0053】
また、リムボルトのドローウェイト調節範囲を犠牲にすることなく、ティラーを調節することができる。前述したように、ティラーはアーチェリー用弓のリムボルト(すなわち、ティラーボルト)を回転させることによって調節することができる。例えば、射手は、上リムボルトを時計回りに1回転させ、下リムボルトを反時計回りに1回転させることによって、アーチェリー弓のティラーを調整することができる。しかしながら、このティラーを調節する方法は、リムボルトの有限の回転範囲の一部を利用し、その後、アーチェリー用弓のドローウェイトを調整できる範囲を制限する。
【0054】
本開示の一態様によれば、例えば、射手は
図6Bに示すように上リムポケットのリム接触部材を配置し、一方、
図6Dに示すように下リムポケットのリム接触部材を配置することによって、所望のティラーを達成することができる。この例では、各リムボルトに関連する回転の全範囲が維持され、射手がより広い範囲でドローウェイトの調節可能性を有することを可能にする。
【0055】
本開示の別の態様では、リム接触部材は、リムがライザーに対して強制的にねじられ、旋回し、または他の方法で回転するようにリムポケット内に配置され得る。本開示の一態様では、ライザーに対して弓リムを旋回させまたは他の方法で回させることによって、弓リムの遠位先端部を、弓弦が引かれて放たれている間に直線で移動するように調整することができる。他の態様では、ライザーに対して弓リムを旋回させ、または他の方法で回すことにより、射手は矢の飛行に影響する外力(例えば、ライザートルク)を補正するために、リムの遠位先端部の移動を調節することができる。
図7Aから
図9は、ライザーに対して長手方向軸の周りでリムを回し、ねじり、または他の方法で回転させる態様を図示する。
【0056】
図7Aは、本開示によるアーチェリー用弓の上部700を表示する。上部700は、ライザー702と、リム704と、リムポケット710とを含むことができる。リム704は、リム704の中心線に沿って延びる長手方向軸Lを画定することができる。長手方向軸Lは、リム704に着脱可能に連結されるあり継ぎボルト712と交わることができる。本発明のいくつかの態様では、リム704の長手方向軸Lは、リムポケット710の中心平面Cpと整列させることができる
【0057】
図7Bは、
図7Aの線7-7を通るアーチェリー用弓の上部700を示す。第1のリム接触部材706および第2のリム接触部材708はそれぞれ、長手方向軸Lの対向する側面上に配置することができる。第1および第2のリム接触部材706、708はまた、リム704のライザーに面する表面714とリムポケット710のリムに面する表面716との間に配置され得る。本開示の一態様では、第1および第2のリム接触部材706、708は各々、それぞれのチャネル(例えば、
図2に表示するチャネル130、132)内に配置され得る。第1および第2のリム接触部材706、708は、第1および第2のリム接触部材706、708がリムポケット710の遠位端部718から等しく離間するように(例えば、
図2に示されるように)、チャネル内で垂直に整列され得る。本開示のこの態様では、リム704のライザーに面する表面714とリムポケット710のリムに面する表面716との間の距離または隙間がリム704の幅にわたって一定のままである(すなわち
図7Aに示すように、隙間G
1は隙間G
2に等しい)。したがって、リムは、リムの長手方向軸に垂直な支点Fの周りで曲がるように強制され得る。
【0058】
代替的に、第1および第2のリム接触部材706、708は、第1および第2のリム接触部材706、708がリムポケット710の遠位端部718から等しくない間隔で配置されるように(例えば、
図8に表示されるように)、垂直整列から外れて配置され得る。本開示のこの態様では、リム704のライザーに面する表面714は、(
図9に表示するように)リムポケット710のリムに面する表面716に対してある角度で長手方向軸Lの周りに回され得る。したがって、リム704の遠位先端部または遠位端部は調整されまたは調節され得る。例えば、リム704の遠位先端部または端部は、弓弦が引かれて放たれている間、直線で移動するように調整されまたは調節され得る。
【0059】
図8は、リムポケット810がポケットインサート802を含む、本開示の態様を表示する。ポケットインサート802は、複数の取り付け位置を有する、第1のチャネル804と、第2のチャネル806とを含むことができる。チャネル804、806の各々は、1つ以上のリム接触部材808、812を保持するように構成され得る。
図8に表示されるように、第1のリム接触部材812は、リムポケット810の遠位端部814の近位または近傍の第1のチャネル806内に配置され得る。しかしながら、第2のリム接触部材808は、第2のチャネル804内に配置され、リムポケット810の遠位端部814から離間され得る。言い換えれば、第1および第2のリム接触部材808、812は、チャネル804、806内で垂直に整列されておらず、したがって、リムポケット810の遠位端部814から不均等に離間されている。
【0060】
図9は、
図7Aの線7-7を通る、チャネル内に配列されるリム接触部材の図を示す。第1および第2のリム接触部材706、708は、ポケットインサート702に連結され得る。第1のリム接触部材706は、(
図8に表示するように)リムポケット710の遠位端部の近位または近傍でポケットインサート702に取り付けられ得る。第2のリム接触部材708は、(
図8に表示するように)リムポケット710の遠位端部から離間してポケットインサート702に取り付けられ得る。リム704がリム接触部材706、708によって作り出される支点F(
図8参照)の周りで曲がる、撓む、または回転するように強制されると、リム704は、リムポケット710に対するリム接触部材706、708の配置のために、長手方向軸(例えば、
図7Aの長手方向軸L)の周りで回り、または旋回し得る。言い換えれば、第1および第2のリム接触部材706、708は、リム704の近位端部から等距離ではないリム704のライザーに面する表面714上の位置に接触する。第2のリム接触部材708は、第1のリム接触部材706よりもリムポケット710の近位端部の近くに配置されているので、リム704はリム704の長手方向軸Lに対して斜めである(すなわち、垂直ではない)支点F(
図8を参照)の周りで曲げられる。したがって、リム704のライザーに面する表面714およびリムポケット710の遠位端部に対して角度を作り出す(すなわち、
図9に示されるように、隙間G
1は、隙間G
2よりも大きいか、または他の点で隙間G
2と等しくない)。
【0061】
本開示のさらに別の態様では、アーチェリー用弓のリムポケットは1つ以上のウェイトを保持するように構成され得る。
図10は、アーチェリー用弓の上部1000の分解図を表示する。上部1000は、リムポケット1010を有するライザー1002を含むことができる。リムポケット1010は、1つ以上のウェイト1008を受け入れるように構成されるウェイト凹部1006を有するリムに面する表面1004を含むことができる。いくつかの態様では、ウェイト凹部1006は、リムに面する表面1004内に形成されるか、またはそれによって画定され得る。1つ以上のウェイト1008は、リムポケット1010のウェイト凹部1006内で連結され得る。例えば、1つ以上のウェイト1008は、締結具1014を受け入れるように構成される貫通孔1012を含むことができる。締結具1014は、貫通孔1012を通して延び、ウェイト凹部1006内の開口部1016とねじ係合して、ウェイト凹部1006内に1つ以上のウェイト1008を保持することができる。いくつかの態様では、1つ以上のウェイト1008がリムポケット1010のウェイト凹部1006内に積み重ねられるように構成され得る。いくつかの態様では、1つ以上のウェイト1008がウェイト凹部1006内に取り付けられるかまたは連結されると、ウェイト1008を視界から完全にまたは部分的に隠すことができ、リム(図示せず)はリムポケット1010内に保持される。
【0062】
本開示の一態様では、ウェイト凹部1006は、リムポケット1010のリムに面する表面1004上に形成され、インサート凹部1018とリムボルト開口部1020との間に配置され得る。1つ以上のウェイト1008は、周辺形状を画定することができる。さらに、ウェイト凹部1006の外周は、1つ以上のウェイト1008を受け入れるように対応して成形され得る。例えば、ウェイト凹部1006の外周または形状は長方形、正方形、円形、楕円形、または任意の他の形状を形成することができ、1つ以上のウェイト1008は、ウェイト凹部1006内に受け入れられるように構成される対応断面形状を画定することができる。1つ以上のウェイト1008の対応する形状は、1つ以上のウェイト1008がウェイト凹部1006内で回転または他の方法で動くことを妨げることができる。
【0063】
図10は1つ以上のウェイト1008を受け入れて保持するように構成される単一のリムポケット1010のみを表示しているが、アーチェリー用弓の複数のリムポケットが1つ以上のウェイトを受け入れて保持するように構成され得る。例えば、上リムポケットおよび下リムポケットは、それぞれ、1つ以上のウェイトを受け入れ保持するように構成され得る。1つ以上のウェイト1008を利用して、アーチェリー用弓のバランスを取り、またはウェイトを追加して、弓弦が引かれて放たれる弓がどのように反応するかを修正することができる。
【0064】
当業者は、本明細書に記載される本開示の態様のすべてが、アーチェリー用弓の複合的なリムポケット上で組み合わされるか、または他の方法で利用され得ることを理解するであろう。さらに、本明細書で説明される本開示の態様のすべては、少なくともリカーブアーチェリーボウ、コンパウンドアーチェリーボウ、またはクロスボウに組み込むことができる。例えば、コンパウンドボウのカムまたは車輪間に延びるケーブルの弦張力は、本開示の態様を使用して変化し得る。
【0065】
本明細書では、特定の態様および実施例を参照して、様々な発明を説明してきた。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載される発明は本発明の趣旨から逸脱することなく開示される本発明の全ての変形及び修正を包含することが意図されているという点で、本明細書に開示される本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく多くの変形が可能であることは当業者に認識されるであろう。明細書及び特許請求の範囲において使用される「含む」および「有する」という用語は、「備える」という用語と同一の意味を有するものとする。