【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1に係る弾性波デバイスの断面図である。基板10と20の積層方向をZ方向、弾性波素子12の弾性波の伝搬方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向とする。
【0022】
図1に示すように、基板10は支持基板10aと圧電基板10bとを有する。支持基板10aは、例えばサファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板またはシリコン基板である。圧電基板10bは、例えばタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である。圧電基板10bは支持基板10aの上面に接合されている。支持基板10aの線膨張係数α2は圧電基板10bの線膨張係数α1より小さい。支持基板10aおよび圧電基板10bの厚さはそれぞれT2およびT1である。圧電基板10bと支持基板10aとは直接的に接合されていてもよいし、酸化シリコンまたは窒化アルミニウム等の絶縁体層を介し間接的に接合されていてもよい。
【0023】
基板10の上面に弾性波素子12、配線14および環状金属層32が設けられている。環状金属層32は平面視において弾性波素子12および配線14を囲むように設けられている。基板10の下面に端子18が設けられている。端子18は、弾性波素子12および22を外部と接続するためのフットパッドである。基板10を貫通するビア配線16が設けられている。ビア配線16は端子18と配線14とを電気的に接続する。配線14、ビア配線16および端子18は、例えば銅層、アルミニウム層、白金層または金層等の金属層である。環状金属層32は例えばニッケル層である。
【0024】
基板10上に基板20が搭載されている。基板20は、基板20aと基板20bとを有する。基板20aは、例えばサファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板またはシリコン基板である。基板20bは、例えばタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である。基板20bは基板20aの上面に接合されている。基板20bの線膨張係数α4は基板20aの線膨張係数α3より大きい。基板20aおよび基板20bの厚さはそれぞれT3およびT4である。
【0025】
基板20の下面に弾性波素子22および配線24が設けられている。配線24は例えば銅層、アルミニウム層、白金層または金層等の金属層である。基板20はバンプ28を介し基板10にフリップチップ実装(フェースダウン実装)されている。バンプ28は、例えば金バンプ、半田バンプまたは銅バンプである。バンプ28は、配線14および24と接合する。
【0026】
基板10上に基板20を囲むように封止部30が設けられている。封止部30は、例えば半田(錫銀、錫または錫銀銅)等の金属層または樹脂等の絶縁層である。封止部30は、環状金属層32に接合されている。基板20の上面および封止部30の上面に平板状のリッド36が設けられている。リッド36は例えばコバール板等の金属板または絶縁板である。リッド36および封止部30を覆うように保護膜38が設けられている。保護膜38はニッケル膜等の金属膜または絶縁膜である。
【0027】
弾性波素子12は空隙26を介し基板20に対向している。弾性波素子22は空隙26を介し圧電基板10bに対向している。弾性波素子12および22は、封止部30、基板10、基板20およびリッド36により封止される。バンプ28は空隙26に囲まれている。端子18はビア配線16および配線14を介し弾性波素子12と電気的に接続され、さらに、バンプ28および配線24を介し弾性波素子22に電気的に接続されている。
【0028】
支持基板10aおよび基板20aの厚さT2およびT3は例えば50μmから300μmである。圧電基板10bおよび基板20bの厚さT1およびT4は例えば0.5μmから30μmであり、例えば弾性波の波長以下である。バンプ28の厚さは例えば10μmから20μmであり、径は例えば10μmから200μmである。バンプ28が接合する配線14および24の厚さは例えば0.1μmから5μmである。
【0029】
図2(a)は、実施例1における弾性波素子12の平面図、
図2(b)は弾性波素子22の断面図である。
図2(a)に示すように、弾性波素子12は弾性表面波共振器である。基板10の圧電基板10b上にIDT(Interdigital Transducer)40と反射器42が形成されている。IDT40は、互いに対向する1対の櫛型電極40aを有する。櫛型電極40aは、複数の電極指40bと複数の電極指40bを接続するバスバー40cとを有する。反射器42は、IDT40の両側に設けられている。
【0030】
IDT40が圧電基板10bに弾性表面波を励振する。弾性波の波長は一対の櫛型電極40aの一方の櫛型電極40aの電極指40bのピッチにほぼ等しい。すなわち、弾性波の波長は一対の櫛型電極40aの電極指40bのピッチの2倍にほぼ等しい。IDT40および反射器42は例えばアルミニウム膜、銅膜またはモリブデン膜により形成される。圧電基板10b上にIDT40および反射器42を覆うように保護膜または温度補償膜が設けられていてもよい。電極指40bの配列方向が弾性波の伝搬方向であるX方向となる。電極指40bの延伸方向がY方向となる。
【0031】
図2(b)に示すように、弾性波素子22は圧電薄膜共振器である。基板20上に圧電膜46が設けられている。圧電膜46を挟むように下部電極44および上部電極48が設けられている。下部電極44と基板20との間に空隙45が形成されている。圧電膜46の少なくとも一部を挟み下部電極44と上部電極48とが対向する領域が共振領域47である。共振領域47において、下部電極44および上部電極48は圧電膜46内に、厚み縦振動モードの弾性波を励振する。基板20は、例えばサファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、ガラス基板、水晶基板またはシリコン基板である。下部電極44および上部電極48は例えばルテニウム膜等の金属膜である。圧電膜46は例えば窒化アルミニウム膜である。空隙45の代わりに弾性波を反射する音響反射膜が設けられていてもよい。
【0032】
弾性波素子12および22は、弾性波を励振する電極を含む。このため、弾性波を制限しないように、弾性波素子12および22は空隙26に覆われている。
【0033】
[実施例1の製造方法]
図3(a)から
図5(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図3(a)に示すように、基板20b上に基板20aを例えば表面活性化法を用い常温接合する。基板20bがタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板の場合、結晶内の分極方向を揃える分極処理は行わなくてもよい。
【0034】
図3(b)に示すように、基板20a上に弾性波素子22および配線24を形成する。
図3(c)に示すように、配線24上にバンプ28を形成する。基板20bを例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い所望の厚さにする。
【0035】
図4(a)に示すように、支持基板10a上に圧電基板10bを例えば表面活性化法を用い常温接合する。圧電基板10bがタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板の場合、分極処理は行われている。圧電基板10bを例えばCMP法を用い所望の厚さにする。圧電基板10bおよび支持基板10aにビア配線16を形成する。ビア配線16は支持基板10aを貫通していなくてもよい。
【0036】
図4(b)に示すように、圧電基板10b上に弾性波素子12および配線14を形成する。
図4(c)に示すように、支持基板10aを例えばCMP法を用い所望の厚さにする。これにより、ビア配線16が支持基板10aの下面に露出する。支持基板10aの下面に端子18を形成する。
【0037】
図5(a)に示すように、基板10上にバンプ28を介し基板20をフリップチップ実装する。基板10および20を例えば50℃から250℃に加熱し、基板20に超音波を印加しつつ、基板10と20とを互いに近づく方向に押圧する。これにより、バンプ28と配線14とが接合する。弾性波素子12と22とは空隙26を挟み対向する。
【0038】
図5(b)に示すように、基板20を囲むように、封止部30を形成する。封止部30は環状金属層32と接合する。封止部30および基板20上にリッド36を設ける。リッド36は設けられてなくてもよい。封止部30の形成は、封止部30が半田または樹脂のとき、200℃から300℃に加熱する。その後、基板10を切断する。これにより、弾性波デバイスが個片化される。封止部30およびリッド36を囲む保護膜38を形成する。これにより、
図1の弾性波デバイスが製造される。
【0039】
[比較例1]
図6は、比較例1に係る弾性波デバイスの断面図である。
図6に示すように、比較例1の弾性波デバイスでは、基板20に基板20bは設けられていない。その他の構成は実施例1と同じである。
【0040】
支持基板10aおよび圧電基板10bとしてサファイア基板およびタンタル酸リチウム基板を用い、基板20としてシリコン基板を用いる。このとき、サファイア基板の線膨張係数は7ppm/℃であり、タンタル酸リチウム基板のX軸方位の線膨張係数は16ppm/℃である。シリコン基板の線膨張係数は2ppm/℃である。
【0041】
図5(a)のバンプ28の接合工程および
図5(b)の封止部30の形成工程において高温となると、基板10は破線60のように中央が周辺に比べ基板20の方に反る。一方、基板20は破線62のようにほとんど反らない。このとき、バンプ28には垂直方向(Z方向)に熱応力が加わる。その後常温に戻ると基板10の反りは小さくなり、バンプ28には垂直方向に高温のときと逆方向の熱応力が加わる。これにより、バンプ28の剥がれ等が生じる可能性がある。
【0042】
実施例1によれば、支持基板10a(第2基板)は、圧電基板10b(第1基板)の下面(第1面の反対の面)に直接的または間接的に接合されている。基板20a(第3基板)は、圧電基板10bの上面(第1面)上に設けられ、圧電基板10bの上面と空隙26を挟み対向する下面(第2面)を有する。基板20b(第4基板)は、基板20aの上面(第2面と反対の面)に直接的または間接的に接合されている。弾性波素子12および22は、圧電基板10bの上面と基板20aの下面との少なくとも一方に設けられている。バンプ28(接続層)は圧電基板10bの上面と基板20aの下面とを接続する。
【0043】
このとき、圧電基板10bの線膨張係数α1と支持基板10aの線膨張係数α2とは異なり、基板20aの線膨張係数α3は圧電基板10bの線膨張係数α1より支持基板10aの線膨張係数α2に近く、基板20bの線膨張係数α4は基板20aの線膨張係数α3より圧電基板10bの線膨張係数α1に近い。すなわち、|α3−α1|>|α3−α2|かつ|α4−α2|>|α4−α1|である。
【0044】
これにより、
図1の破線60および62のように、基板10の反りと基板20の反りの差は、比較例1の基板10の反りと基板20の反りの差より小さくなる。よって、バンプ28に加わる応力が小さくなり、バンプ28が剥がれ等の劣化を抑制できる。|α3−α1|/2>|α3−α2|が好ましく、|α3−α1|/5>|α3−α2|がより好ましく、α3とα1は略等しいことがさらに好ましい。|α4−α2|/2>|α4−α1|が好ましく、|α4−α2|/5>|α4−α1|がより好ましく、α4とα2は略等しいことがさらに好ましい
【0045】
第1基板が圧電基板10bであり、弾性波素子12が弾性表面波素子であるとき、支持基板10aのX方向における線膨張係数α2はX方向における圧電基板10bの線膨張係数より小さくする。これにより、弾性波素子12の周波数温度係数が小さくなる。しかし、比較例1のように、バンプ28に応力が加わる。そこで、基板20aのX方向における線膨張係数をX方向における基板20bの線膨張係数より小さくする。これにより、基板10の反りと基板20の反りとの差が小さくなり、バンプ28に加わる応力を抑制できる。
【0046】
圧電基板10bは支持基板10aより薄く、基板20bは基板20aより薄い。これにより、基板10の反りと基板20の反りとの差が小さくなり、バンプ28に加わる応力を抑制できる。圧電基板10bの厚さT1は支持基板10aの厚さT2の1/2以下が好ましく、1/5以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。T1が小さすぎると基板10が反るという課題がない。よって、T1はT2の1/100以上が好ましく、1/20以上がより好ましい。T4はT3の1/2以下が好ましく,1/5以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。T4はT3の1/100以上が好ましく、1/20以上がより好ましい。
【0047】
T1/T2=R1、T4/T3=R2とすると、|R1−R2|/|R1+R|は1以下が好ましく、0.5以下がより好ましく0.1以下がさらに好ましい。
【0048】
圧電基板10bと基板20bとは同じ材料を主成分とし、支持基板10aと基板20aとは同じ材料を主成分とすることが好ましい。これにより、α1とα4を略等しくし、α2とα3を略等しくできる。なお、基板の主成分とは、基板に主成分以外に意図的または意図せず含まれる不純物が含まれることを許容し、例えば主成分に含まれる1または複数の元素の濃度の合計が50原子%以上である。
【0049】
弾性波素子22が圧電薄膜共振器のとき、基板20aは絶縁基板または半導体基板から適宜選択できる。このため基板20aの線膨張係数を基板20bの線膨張係数より支持基板10aの線膨張係数に近づくように基板20aの材料を適宜選択できる。
【0050】
[実施例1の変形例1]
図7は実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの断面図である。
図7に示すように、基板20上に基板10が搭載されている。基板20は基板20b上に基板20aが接合されている。基板20a上に弾性波素子22、配線24および環状金属層32が設けられている。基板20を貫通するビア配線16が設けられている。基板20の下面に端子18が設けられている。圧電基板10b上に支持基板10aが接合されている。圧電基板10bの下面に弾性波素子12および配線14が設けられている。バンプ28は配線14および24に接合する。基板10を囲むように封止部30が設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0051】
実施例1の変形例1のように、基板20上に基板10が搭載されていてもよい。破線60および62のように、基板10の反りと基板20の反りの差は、比較例1の基板10の反りと基板20の反りの差より小さくなる。よって、バンプ28に加わる応力を抑制できる。
【0052】
[実施例1の変形例2]
図8(a)は,実施例1の変形例2に係る弾性波デバイスの断面図、
図8(b)は、平面図である。
図8(b)では、封止部30aを図示している。
図8(a)および
図8(b)に示すように、基板10と20の平面形状はほぼ同じである。基板10と20の周縁の基板10と20との間に封止部30aが設けられている。封止部30aは、例えば銅層等の金属層であり、弾性波素子12および22を空隙26に封止する。バンプ28と封止部30aが接続層として機能する。その他の構成は実施例1と同じであり、説明を省略する。実施例1の変形例2のように、バンプ28に加えまたは代わりに封止部30aが接続層として機能してもよい。実施例1の変形例2では、熱応力による封止部30aの剥がれ等の劣化を抑制できる。
【実施例2】
【0053】
図9は、実施例2に係る弾性波デバイスの断面図である。
図9に示すように、基板10では、圧電基板10c上に支持基板10aが接合され、支持基板10a上に圧電基板10bが接合されている。圧電基板10bの上面に弾性波素子12および配線14が設けられている。圧電基板10cの下面には端子18が設けられている。基板10を貫通するビア配線16は配線14と端子18とを電気的に接続する。
【0054】
基板20は、圧電基板20b上に支持基板20aが接合され、支持基板20a上に圧電基板20cが接合されている。圧電基板20bの下面に弾性波素子22および配線24が設けられている。配線14と24とはバンプ28により電気的に接続されている。基板20を囲むように封止部30bが設けられている。封止部30bが弾性波素子12および22を空隙26に封止する。封止部30bは例えばエポキシ樹脂等の樹脂である。封止部30bは金属でもよい。その他の構成は実施例1およびその変形例と同じであり説明を省略する。
【0055】
実施例2によれば、弾性波素子12(第1弾性波素子)は、圧電基板10b(第1圧電基板)の上面(第1面)に設けられ、複数の電極指40b(第1電極指)を有する一対の櫛型電極40aを備える。支持基板10a(第1基板)は圧電基板10bの下面(第1面とは反対の面)に直接的または間接的に接合され、電極指40bが配列される方向(第1方向)における線膨張係数が第1方向における圧電基板10bの線膨張係数より小さい。圧電基板10c(第2基板)は、支持基板10aの圧電基板10b側とは反対の面に直接的または間接的に接合され、第1方向における線膨張係数が第1方向における支持基板10aの線膨張係数より大きい。
【0056】
圧電基板20b(第2圧電基板)は、圧電基板10bの上面に搭載され、圧電基板20bの下面(第2面)は圧電基板10bの上面と空隙26を挟み対向する。弾性波素子22(第2弾性波素子)は、圧電基板20bの下面に設けられ、複数の電極指40b(第2電極指)を有する一対の櫛型電極40aを備える。支持基板20aは圧電基板20bの下面とは反対の面に直接的または間接的に接合され、電極指40bが配列される第2方向における線膨張係数が第2方向における圧電基板20bの線膨張係数より小さい。圧電基板20cは、支持基板20aの圧電基板20b側とは反対の面に直接的または間接的に接合され、第2方向における線膨張係数が第2方向における支持基板20aの線膨張係数より大きい。
【0057】
これにより、支持基板10aと圧電基板10bとの線膨張係数の差に起因した基板10の反りを圧電基板10cが補償する。支持基板20aと圧電基板20bとの線膨張係数の差に起因した基板20の反りを圧電基板20cが補償する。よって、バンプ28(接続層)に加わる応力を抑制できる。
【0058】
圧電基板10bと10cとの線膨張係数の差は、支持基板10aと圧電基板10bとの線膨張係数の差より小さいことが好ましい。圧電基板12bと12cとの線膨張係数の差は、支持基板12aと圧電基板12bとの線膨張係数の差より小さいことが好ましい。これにより、バンプ28に加わる応力を抑制できる。
【0059】
支持基板20aと圧電基板10bとの線膨張係数の差、および支持基板20aと圧電基板10cとの線膨張係数の差はいずれも、支持基板20aと10aとの線膨張係数の差より小さいことが好ましい。圧電基板20bと10bとの線膨張係数の差、圧電基板20bと10cとの線膨張係数の差、圧電基板20cと10bとの線膨張係数の差、および圧電基板20cと10cとの線膨張係数の差は、いずれも、圧電基板20bと支持基板10aとの線膨張係数の差、および圧電基板20cと支持基板10aとの線膨張係数の差のいずれよりも小さいことが好ましい。これにより、バンプ28に加わる応力を抑制できる。
【0060】
圧電基板10bと10cは互いに同じ材料を主成分とすることが好ましく、圧電基板20bと20cは互いに同じ材料を主成分とすることが好ましい。圧電基板10bの厚さと圧電基板10cの厚さとは略等しいことが好ましい。圧電基板20bの厚さと圧電基板20cの厚さとは略等しいことが好ましい。圧電基板10bおよび10cの厚さと圧電基板20bおよび20cの厚さとは略等しいことが好ましい。支持基板10aと20aとは互いに同じ材料を主成分とすることが好ましい。支持基板10aの厚さと支持基板20aの厚さとは互いに略等しいことが好ましい。これらにより、バンプ28に加わる応力を抑制できる。
【0061】
圧電基板10bの厚さおよび圧電基板10cの厚さは各々支持基板10aより薄いことが好ましい。圧電基板20bの厚さおよび圧電基板20cの厚さは各々支持基板20aより薄いことが好ましい。これにより、基板10の反りと基板20の反りとの差が小さくなり、バンプ28に加わる応力を抑制できる。圧電基板10bおよび10cの厚さは各々支持基板10aの厚さの1/2以下が好ましく、1/5以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。圧電基板10bが薄すぎると基板10は反らない。よって、圧電基板10bおよび10cの厚さは各々支持基板10aの厚さの1/100以上が好ましく、1/20以上がより好ましい。同様に、圧電基板20bおよび20cの厚さは各々支持基板20aの厚さの1/2以下が好ましく、1/5以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。圧電基板20bおよび20cの厚さは各々支持基板20aの厚さの1/100以上が好ましく、1/20以上がより好ましい。
【0062】
弾性波素子12の電極指40bの配列方向と弾性波素子22の電極指40bの配列方向は略平行であることが好ましい。これにより、基板10の反りと基板20との反りとの差を小さくできる。よって、バンプ28に加わる応力を小さくできる。弾性波素子12の電極指40bの配列方向と弾性波素子22の電極指40bの配列方向とのなす角度は45°以下が好ましく、30°以下がより好ましい。
【0063】
実施例1の変形例2のように基板10と20とは封止部30aにより接続されていてもよい。
【0064】
実施例1、2およびその変形例では、弾性波素子22として圧電薄膜共振器の例を説明したが、弾性波素子22は弾性表面波共振器でもよい。基板20の下面に設けられる機能素子として弾性波素子22の例を説明したが、機能素子は、インダクタまたはキャパシタ等の受動素子、トランジスタを含む能動素子、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子でもよい。