【解決手段】遊技情報表示装置3は、確変状態または時短状態の特別状態における大当たり当選確率を算出する際に、通常状態へ復帰する直前の特別状態信号出力期間における大当たり抽選回数(図柄変動回数)を除外する。これにより、特別状態信号が確変状態と時短状態とに共通しているとしても、可能な限り時短状態での大当たり抽選回数を除外して確変状態での抽選による大当たり当選確率の精度を高めることができる。
大当たり当選確率及び出玉率の両方が相対的に低い通常状態、大当たり当選確率が相対的に低く出玉率が相対的に高い第1特別状態、大当たり当選確率及び出玉率の両方が相対的に高い第2特別状態、及び前記通常状態、前記第1特別状態、若しくは前記第2特別状態で実行される大当たり抽選での当選を発生条件とする大当たり状態を択一的に発生可能な遊技状態制御手段と、
前記第1特別状態及び前記第2特別状態に共通して対応する特別状態信号、前記大当たり状態に対応する大当たり信号、及び大当たり抽選の実行に対応する抽選信号を出力する信号出力手段と、
前記通常状態、前記第1特別状態、及び前記第2特別状態における大当たり当選確率を、遊技場側が複数段階で任意に設定することが可能な設定手段と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、大当たり状態の終了後に所定の割合で前記第1特別状態又は前記第2特別状態を発生可能であり、前記第1特別状態を発生したときには予め定められた回数の大当たり抽選を実行したときに当該第1特別状態を終了して前記通常状態へ移行する一方、前記第2特別状態を発生したときには前記大当たり抽選に当選するまで当該第2特別状態を維持するように構成された遊技機に関する遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置を含む遊技情報表示システムであって、
前記遊技情報表示装置は、
前記信号出力手段により出力される特別状態信号、大当たり信号、及び抽選信号に基づいて、前記特別状態において実行された大当たり抽選回数に対する大当たり回数の割合を特別大当たり発生確率として算出する算出手段と、
前記特別大当たり発生確率を表示する表示手段と、を備え、
前記算出手段は、前記特別状態信号に基づいて前記第1特別状態が終了した後に前記通常状態へ移行したと判定した場合には、当該第1特別状態において実行された大当たり抽選回数を除外して前記特別大当たり発生確率を算出することを特徴とする遊技情報表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用表示システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機(パチンコ遊技機、スロットマシン)1が設置されており、各遊技機1に1対1で対応する周辺機器として、貸出装置2及び遊技情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、貸出装置2及び遊技情報表示装置3は、中継装置4を介して管理装置5と接続されている。この場合、2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び2台の遊技情報表示装置3は、1台の中継装置4で中継されている。
【0009】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード6、モニタ7、図示しないプリンタ等を備えて構成されている。管理装置5は、遊技機1、貸出装置2、遊技情報表示装置3等の遊技機側との間で各種信号を送受信する。管理装置5は、遊技機側からの信号に基づいて遊技機1を含む遊技場内に設置される全ての機器(遊技機1、貸出装置2、遊技情報表示装置3など)の稼動状況を管理する。尚、遊技場内には、
図1に示すパチンコ機に加えて図示しないスロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機が設置されており、それぞれ管理装置5の管理対象の対象となっている。
【0010】
遊技機1は、
図2に示すように、発射ハンドル8、スピーカ9、装飾ランプ部10を有すると共に、遊技盤面11に、液晶表示部12、スルー式の普図(普通図柄)始動口13、特図(特別図柄)1始動口14、可変式の特
図2始動口15(電動役物)、特
図1表示部16、特
図2表示部17、普図表示部18、大入賞口19、アウト口20、上部受皿21、下部受皿22を有する。尚、遊技盤面11には多数の釘が植設されているが、
図2では省略している。
【0011】
図3は、遊技機1の電気的構成を示す機能ブロック図である。遊技機1は、主制御部23、特
図1表示部16、特
図2表示部17、普図表示部18、演出制御部24、AMP25、表示制御部26、液晶表示部12、払出制御部27、払出機構部28、設定値操作部29、電源回路部30、特
図1入賞センサ31、特
図2入賞センサ32、普図入賞センサ33、大入賞センサ34、特
図2始動口SLD(ソレノイド)35、大入賞口SLD36等を有する。尚、
図3では貸出装置2や管理装置5との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部の図示を省略している。
【0012】
主制御部23(遊技状態制御手段、設定手段)は、CPU23a、ROM23b、RAM23c、I/O23dを有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM23bに記憶している制御プログラム(乱数発生部37、乱数抽出部38等)を実行することにより、玉の打ち込みや入賞等に応じて遊技機1の動作を制御する。
【0013】
特
図1入賞センサ31、特
図2入賞センサ32、普図入賞センサ33及び大入賞センサ34は、特
図1始動口14、特
図2始動口15、普図始動口13及び大入賞口19への入賞をそれぞれ検知すると、対応した入賞検知信号を主制御部23に出力する。
【0014】
特
図2始動口SLD35は、主制御部23から開放指令信号を入力すると、特
図2始動口15を開放する。特
図2始動口15の電動役物の開放時間は、時短状態(第1特別状態)、確変時短状態(以下、確変状態。第2特別状態)で3秒、通常状態で0.2秒である。特
図2始動口15は電動役物が開放したときに限り入賞可能な構造となっている。大入賞口SLD36は、主制御部23から開放指令信号を入力すると、大入賞口19を開放する。
【0015】
特
図1表示部16は、主制御部23から表示指令信号を入力すると、特
図1の図柄変動を行う。特
図2表示部17は、主制御部23から表示指令信号を入力すると、特
図2の図柄変動を行う。普図表示部18は、主制御部23から表示指令信号を入力すると、普図の図柄変動を行う。
【0016】
演出制御部24は、主制御部23から演出指令信号を入力すると、AMP25を介してスピーカ9から演出音を出力させたり、装飾ランプ部10を演出表示させたり、表示制御部26を介して液晶表示部12を演出表示させたりする。液晶表示部12は、主制御部23から表示指令信号を入力すると、例えば大当たり回数や特図抽選回数等の各種遊技データを表示する。払出制御部27は、主制御部23から払出指令信号を入力すると、払出機構部28による払い出しを行う。
【0017】
設定値操作部29は、特図の抽選確率を設定するための複数段階の設定値を選択するもので、本実施形態では設定値1〜3を選択して有効化する。電源回路部30は、主制御部23を含めた遊技機1全体に動作電源を供給する。
【0018】
ここで、ゲームの流れについて説明する。
初期状態は通常状態であり、通常状態において大当たりに当選したときは、大当たり図柄の表示後に大当たり状態へ移行する。確変大当たりのときは大当たり状態終了後に確変状態へ移行する。非確変大当たりのときは大当たり状態終了後に時短状態へ移行する。
【0019】
確変状態は次の大当たりが当選するまで継続し、時短状態は図柄変動を最長100回実行するまで継続し、その後は通常状態へ移行する。通常状態、確変状態、時短状態で普図始動口13へ入賞すると、予め決定された時間にわたって普図を変動表示した後、普図抽選に当選すると、特
図2始動口15の電動役物を開放して特
図2始動口15への入賞を可能にする。抽選により決定された時間にわたって図柄変動を実行した後、当選時は「○」、非当選時は「×」を普図表示部18に表示する。
【0020】
普図の変動時間は通常状態で60秒、確変状態及び時短状態で2秒に設定されている。確変状態または時短状態で大当たりに当選したときは、大当たり図柄を表示した後に大当たり状態へ移行する。確変状態及び時短状態では特
図2始動口15への入賞率が高まるため、通常状態よりも出玉率が高くなる。図柄変動時間は最短2秒〜最長60秒である。確変状態及び時短状態では短い図柄変動時間の選択率が高まる。特
図1表示部16及び特
図2表示部17の図柄変動と同期して、演出用の図柄変動表示を実行する。
【0021】
液晶表示部12では、特
図1表示部16及び特
図2表示部17の図柄変動と同期して演出用画面を表示する。
図4は通常状態での演出用画面を示している。演出用画面には演出用の図柄が変動表示されている。演出用の図柄は特
図1及び特
図2対応図柄であり、3桁のアラビア数字である。確変大当たり図柄は111、333、555、777、999であり、非確変大当たり図柄は000、222、444、666、888である。演出画面の右下隅部には保留玉数が表示されており、2桁の左側の数字が特
図1に対応し、右側の数字が特
図2に対応している。
一方、
図5は確変状態での演出画面を示している。演出画面には確変状態であることを示す「確変中!」が表示される。
【0022】
遊技機1は次のように動作する。
特
図1始動口14へ入賞(抽選開始条件が成立)すると、乱数発生部37により発生した乱数の一つを乱数抽出部38で抽選する特
図1抽選を実行すると共に、特
図1の図柄変動を開始する。普図始動口13へ入賞すると、乱数発生部37により発生した乱数の一つを乱数抽出部38で抽選する普図抽選を実行すると共に、普図表示部18により普図の図柄変動を開始する。
【0023】
普図抽選に当選すると、普図表示部18に当選図柄を表示すると共に特
図2始動口15の電動役物を開放して特
図2始動口15への入賞確率を高める。特
図2始動口15へ入賞すると、乱数発生部37により発生した乱数の一つを乱数抽出部38で抽選する特
図2抽選を実行すると共に、特
図2の図柄変動を開始する。特
図1及び特
図2両方の抽選結果が記憶されているときは特
図2から優先的に消化する。特
図1抽選では6R大当たり、特
図2抽選では10R大当たり及び1R大当たりを抽選する。
【0024】
遊技機1の遊技状態として、通常状態、大当たり状態(確変/非確変)、確変状態、時短状態があり、上述した特
図1抽選または特
図2抽選に当選するとラウンド数だけ大当たり状態を発生する。大当たり状態では、特
図1表示部16又は特
図2表示部17に当選図柄を表示すると共に、大入賞口19をラウンド数分開放し、ラウンド数分の開放が終了(終了条件が成立)すると大当たり状態を終了する。1回の大入賞口19の開放時間は最大30秒で10個入賞すると閉鎖する。
【0025】
遊技機1は現在の遊技状態をRAM23cに記憶しており、CPU23aがROM23bに記憶されたプログラムを実行する場合にRAM23cに現在の遊技状態を記憶することで遊技状態を遷移するようになっている。
【0026】
遊技機1の信号出力部39(信号出力手段)からは稼動状況に応じて以下の遊技信号(遊技情報)が中継装置4に送信される。
遊技媒体消費信号:遊技で消費された遊技媒体の数を示す信号
遊技媒体付与信号:入賞により付与された遊技媒体の数を示す信号
図柄変動信号(抽選信号):実行された図柄変動の数を示す信号
大当たり信号:大当たり状態であることを示す信号
特別状態信号:確変状態又は時短状態であることを示す信号
これらの遊技信号は、機種によって異なるのが一般的である。
【0027】
貸出装置2は、
図2に示すように、現在の運用状態(正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部40、紙幣が投入される紙幣投入口41、遊技者からの操作入力を受け付けると共に入金残高や持玉数などのデータを表示するタッチパネル式の液晶表示部42、1単位分(500円相当)の玉を払い出すための払出釦43、払出された玉が通過する払出ノズル44、従業員が携帯して操作する図示しない従業員リモコンからの信号を受信(受光)するリモコン受光部45、図示しない一般カード又は会員カードが挿入されるカード挿入口46、遊技機1の下部受皿22の下方に位置する計数受皿47等を有する。
【0028】
遊技機1の上部受皿21には貸出釦48及び返却釦49が設けられており、貸出装置2は、貸出釦48に対する操作に応じて貸出処理を実行し、返却釦49に対する操作に応じてカード発行処理を実行する。具体的には、貸出装置2は、入金残高の範囲内で玉(遊技媒体)の貸出処理を行うと共に、遊技機1の下部受皿22から払い出される玉(遊技価値)を受け入れて持玉として計数する計数処理を行い、入金残高及び持玉数(計数玉数)を一般カード又は会員カードに記録(会員カードの場合は入金残高のみ記録し、持玉数は管理装置5に記憶)して発行する。
【0029】
一般カードを受け付けたときは、入金残高及び持玉数を表示すると共にそれらの範囲内で貸出返却処理を行う。会員カードを受け付けたときは、入金残高を表示すると共に暗証番号の認証を条件として管理装置5に記憶されている持玉数貯玉数を表示し、それらの範囲内で貸出返却処理を行う。
【0030】
貸出装置2は、管理装置5とのオンライン状態では以下のように動作する。
(1)カードの未挿入状態で紙幣投入口41に入金があったときは、カードストック部に収納している一般カードをカードリーダライタ(何れも図示せず)へ繰り出して入金金額(1000円単位)を記憶すると共に、入金金額(入金残高)を液晶表示部42に表示した後、1度数(500円)に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から自動的に払い出す。
【0031】
このとき、遊技機1から貸出装置2に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部42に表示されている入金残高から1度数に相当する金額(500円)を減額すると共に売上信号を送信する。この売上信号は1度数の玉の払い出し毎に1パルスが送信されるので、管理装置5は、1パルスを500円分の売上額として特定する。
【0032】
(2)遊技機1に設けられた貸出釦48の操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出すと共に入金残高を更新する。
(3)遊技機1の下部受皿22から落下した玉を計数受皿47で受け、図示しない計数部にて玉数を計数することにより持玉数を更新して液晶表示部42に表示する。
(4)払出釦43の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員の場合)の範囲内で1度数ずつ払い出す。
【0033】
(5)遊技機1に設けられた返却釦49に対する操作(返却操作)に応じて入金残高及び持玉数をカード挿入口46に挿入されている一般カードに記録して発行する。会員カードが挿入されている場合は、入金残高を会員カードに記録すると共に持玉数を管理装置5に送信してから会員カードを発行する。カードを発行する場合は、発行情報を管理装置5に送信し、管理装置5側にも記憶する。
【0034】
尚、カード挿入口46に一般カードも会員カードも挿入されていない場合は、カードストック部にストックしている一般カードをカードリーダライタに繰出(セット)して入金残高及び持玉数を記録して発行する。また、一般カードの挿入状態で入金残高及び持玉数とも零となった場合は、カードリーダライタにセットされた一般カードをカードストック部に回収する。一方、会員カードは、入金残高及び持玉数貯玉数が零となってもそのまま保持する。
【0035】
(6)一般カードがカード挿入口46に挿入された場合は、一般カードに記録されている入金残高及び持玉数をカードリーダライタにより読み出して液晶表示部42に表示する。会員カードが挿入された場合は、会員カードに記録されている入金残高を読み出して液晶表示部42に表示すると共に暗証番号の認証を条件として管理装置5の会員口座に記憶されている貯玉数(当日貯玉数前日貯玉数)を表示する。
【0036】
当日貯玉数とは当日貯玉された貯玉数であり、前日貯玉数とは前日までの貯玉数である。営業終了後は、当日貯玉数は前日貯玉数に合算して記憶される。遊技者による払出釦43に対する操作(払戻操作)に応じて持玉数又は貯玉数の範囲内で1度数分の玉を払出ノズル44から払い出すと共に、持玉数又は貯玉数を更新する。
【0037】
(7)従業員リモコンからの指令をリモコン受光部45で受信(受光)し、指令内容に応じた各種処理(エラー解除等)を実行する。
(8)従業員による操作に応じて当日中におけるカードの発行履歴を読み出して液晶表示部42に表示可能である。
【0038】
遊技情報表示装置3は、遊技機1からの稼動情報を中継装置4経由で受信して各種の遊技情報を作成して表示したり、管理装置5から受信した各種の情報を表示したりする。
遊技情報表示装置3は、
図6に示すように、ランプ部50、液晶表示部51、従業員を呼び出すための呼出釦52、液晶表示部51に表示される遊技情報の種類等を切り替えるための操作釦群53、従業員リモコンからの信号を受信(受光)するリモコン受光部54等を有している。液晶表示部51は、操作釦群53の操作に応じて各種の遊技情報を表示可能である。
【0039】
図6では、液晶表示部51による基本遊技情報画面の一例を示しており、以下の遊技情報を表示している。
大当たり回数(当日、前日、前々日)
初当たり回数(当日、前日、前々日)=通常状態での大当たり回数
大当たり内訳(超=10R、小=6R、1R)
スタート回数(直近大当たり終了時からの図柄変動回数、当日の累計図柄変動回数を切替表示)
過去最高玉数(当該機種における1営業日の過去最大差玉数)
大当たり間スタート回数の棒グラフ(直近7回分)
【0040】
図7は、遊技情報表示装置3の電気的構成を示す機能ブロック図である。遊技情報表示装置3は、CPU55a、ROM55b、RAM55c及びI/O55dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部55(算出手段、記憶手段)、当該制御部55と接続された周辺部を有する。周辺部としては、ランプ部50、液晶表示部51(表示手段)、呼出釦52、操作釦群53、リモコン受光部54、中継装置4との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部56が設けられている。制御部55は、ROM55b等に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて遊技情報表示装置3の動作全体を制御する。
遊技者は、
図6に示す基本遊技情報画面を確認することで従来と同様に基本的な遊技情報を確認することができる。
【0041】
ところで、遊技者は、遊技機1に設定された設定値を推測しながら遊技を楽しんでいるものの、初級遊技者にとっては容易なことではなく、誰しもが設定値の推測行為を楽しめるわけではないという事情があることから、遊技情報表示装置3は設定値推測機能を有している。この設定値推測機能を実現させるために、管理装置5は、各遊技情報表示装置3に対して例えば営業開始時に遊技機1のスペック情報を含む各種の動作設定情報を送信し、遊技情報表示装置3は受信した動作設定情報を記憶する。
【0042】
図8は、動作設定情報としてのパチンコ遊技機の大当たり抽選確率・出玉率の理論値を示している。例えば特
図2始動口15が閉鎖して特
図1始動口14のみへの入賞が有効な通常状態(大当たり確率(低))の場合は、設定値が大きくなるほど大当たり確率は高くなる。特
図2始動口15が始動して特
図1始動口14への入賞に加えて特
図2始動口15への入賞が有効となる確変状態(大当たり確率(高))の場合は、同様に設定値が大きくなるほど大当たり確率は高くなる。
図9は大当たりの内訳を示すもので、特
図1と特
図2に対応した理論的な遊技情報を示している。
【0043】
さて、遊技者は、遊技機1の設定値を推測したい場合は、遊技情報表示装置3の操作釦群53に設けられている「設定推測」ボタンを押下げる。
遊技情報表示装置3は、「設定推測」ボタンに対する操作に応じて、基本遊技情報画面から総合評価チャートに切り替える。総合評価チャートでは、設定推測情報として、設定値に応じて理論上差が生じる複数種類の遊技情報を算出して表示する。
【0044】
図10は総合評価チャート57を示している。総合評価チャート57にはレーダーチャート58がメイン表示される。このレーダーチャート58は、設定値に応じて理論上差異が生じる遊技情報を、その遊技情報の設定値毎の理論値と比較できるようにチャート形式で表示する。
【0045】
チャート形式で表示する遊技情報は次の通りである。
(1)初当たり確率:通常状態(低確率)での大当たり発生確率
(2)平均継続数:通常状態で大当たりが発生してから再度通常状態へ復帰するまでに発生した大当たりの回数
(3)平均獲得玉数:通常状態で大当たりが発生してから再度通常状態へ復帰するまでに獲得した玉数
(4)チャンス中大当たり確率(推定確変状態中の大当たり確率、特別大当たり発生確率):確変状態(高確率)及び時短状態(低確率)における大当たり発生確率
【0046】
レーダーチャート58は5段階で表示され、対応する遊技情報の軸上において最大値となる5を設定3の理論値とし、中間値となる2.5を設定2の理論値とし、最低値となる0を設定1の理論値とした上で、軸上に実績値をプロットすることで四角形59を表示する。実績値が設定3の理論値を上回る場合には、四角形59の該当する頂点がレーダーチャート58の外縁からはみ出る。
【0047】
レーダーチャート58の表示例としては、
図8に示す大当たり確率(低)(初当たり確率)の場合は、理論上は設定1が1/319.7、設定2が1/284.9、設定3が1/232.4である。この場合、設定1〜3に対応した数値の間隔は不均一であるが、レーダーチャート58では、軸上の設定1〜3が等間隔となるように修正して表し、その軸上に実績値をプロットするようにしている。
【0048】
例えば
図11に示すように、初当たり確率の実績値が設定1に対応する理論値と設定2に対応する理論値との中間であった場合は、設定1に対応した理論値と設定2に対応した理論値との間を均等に分割し、対応する値となる位置に実績値を示すようにしている。これは、設定値を推測しようとする遊技者にとっては、理論値と実績値の詳細な値を把握する必要はなく、両者の大小関係が把握できればよいからである。
【0049】
図10に示すようにレーダーチャート58は1日前、2日前、3日前に対応して設けられており、実績値で囲む四角形59の面積に応じて四角形59の着色を3段階(青(
図10中に右斜線で示す)→緑(左斜線で示す)→虹(網目で示す))で変更する。従って、
図10に示すように1日前の四角形59が虹色に表示されている場合は当日の設定も設定3である可能性が高いことから、大当たりの期待度が高まる。
【0050】
ところで、チャンス中大当たり確率を算出する際に大当たり抽選回数(図柄変動回数)は確変状態の大当たり抽選回数のみであることが望ましいものの、上述したように特別状態信号は確変状態又は時短状態で共通に出力される信号であり、確変状態を確定することはできない。このため、チャンス中大当たり確率を算出する際の大当たり抽選回数には時短状態での大当たり抽選回数が含まれていることから、チャンス中大当たり確率が本来の確率よりも低くなりデータの信頼性が低下する虞がある。
【0051】
しかしながら、通常状態へ復帰する直前の特別状態信号出力期間は時短状態を確定できることから、遊技情報表示装置3は、通常状態へ復帰する直前の特別状態信号出力期間の大当たり抽選回数を除外してチャンス中大当たり確率を算出した上で、
図10に示す四角形59を表示するようになっている。
【0052】
例えば、
図12に示すように通常状態で大当たり1が発生し、その後、特別状態1、大当たり2、特別状態2、大当たり3、特別状態3となる連チャン状態が発生してから通常状態に復帰した場合を想定すると、チャンス中大当たり確率は、大当たり2回/特別状態での図柄変動数となる。この場合、特別状態信号出力期間である特別状態1及び特別状態2は確変状態か時短状態かを特定することはできないものの、通常状態へ復帰する直前の特別状態信号出力期間である特別状態3は時短状態であることを確定できることから、特別状態3の大当たり抽選回数を除外することでチャンス中大当たり確率の精度を高めることができる。
【0053】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技情報表示装置3は、確変状態または時短状態の特別状態における大当たり当選確率を算出する際に、通常状態へ復帰する直前の特別状態信号出力期間における大当たり抽選回数(図柄変動回数)を除外するようにしたので、特別状態信号が確変状態と時短状態とに共通しているとしても、可能な限り時短状態での大当たり抽選回数を除外して確変状態での抽選による大当たり当選確率の精度を高めることができる。
【0054】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
本実施形態のパチンコ遊技機の遊技性及びスペックは一例であって、様々な遊技性及びスペックの遊技機に本発明を適用することができる。
【0055】
設定値を1〜3の3段階としたが、これに限定されるものではなく、規則で定められた範囲内で設定値の段階数を設計することができる。
遊技機としては、パチンコ遊技機、スロットマシンの他にアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機などが例示できる。
遊技情報表示装置3において表示する遊技情報の種類は本実施形態に限定されず、様々な種類の遊技情報を表示することが可能である。
表示する遊技情報の数は本実施形態に限定されず、幾つでもよい。
【0056】
設定値推測情報も同様に、設定値に応じて差の生じる遊技情報であればどのような遊技情報を採用してもよい。
予め作成された複数の遊技情報の中から遊技者が任意に選択した遊技情報を表示してもよい。
遊技者自身が任意に作成した計算式により算出される遊技情報を表示可能としてもよい。
設定値推測情報をレーダーチャート形式で表示するようにしたが、表示形式は本実施形態に限定されず、棒グラフ形式や折れ線グラフ形式など他の形式で表示することも可能である。
【0057】
設定値推測情報を複数の営業日にわたって記憶しておき、遊技者の操作に応じて前日以前の設定値推測情報を読み出して表示できるようにしてもよい。
遊技情報表示装置3で表示する遊技情報は、遊技情報表示装置3の制御部が算出してもよいし、中継装置4あるいは管理装置5が算出したものを遊技情報表示装置3が受信するようにしてもよい。
遊技情報の種類に応じて算出する主体が異なるようにしてもよい。
遊技情報表示装置3をパチンコ遊技機の上方に設置したが、側方に設置してもよい。