【解決手段】フィルムシート3の左右両側端部のうちの一方の側端部の外面のセンターシールSs側は、フィルムシート3における当該一方の側端部の外面の被包装物1側へ折り重ねられた重ね部43を備え、重ね部43は、前張出部45と後張出部46とを備え、前張出部45は、前接続部41を含みトップシールToの下端側よりも前方に張り出してトップシールToの前記下端側へ折り重ねられ、前張出部45は、包装体の前面2aへ、固着された前固着部47を備え、後張出部46は、後接続部42を含みテールシールTaの下端側よりも後方に張り出してテールシールTaの前記下端側へ折り重ねられ、後張出部46は、包装体の後面2bへ、固着された後固着部48を備えた包装体を提供する。
1枚のフィルムシートと、前記フィルムシートの上に載る被包装物とを備え、前記被包装物の載る面を前記フィルムシートの内面として前記フィルムシートは、前記被包装物から左右に食み出る左右両側端部の前記内面同士を前記被包装物の上方にて重ね合わせた状態にシールするセンターシールと、前記被包装物の前方にて前記フィルムシートの左右の前記内面を重ね合わせた状態にシールするトップシールと、前記被包装物の後方にて前記フィルムシートの左右の前記内面を重ね合わせた状態にシールするテールシールとを備え、前記センターシールは前記被包装物との間に空間を隔てて前後に伸び、前記トップシールは前記被包装物の前方にて上下に伸び、前記テールシールは前記被包装物の後方にて上下に伸び、前記トップシールの上端側は前記センターシールの前端側に繋がる前接続部を備え、前記テールシールの上端側は前記センターシールの後端側と繋がる後接続部を備え、前記被包装物を載せた前記フィルムシートの底部側は前記トップシールと前記被包装物との間及び前記テールシールと前記被包装物との間の夫々にガゼットを備えた包装体であって、
前記センターシールと前記被包装物との間において、前記フィルムシートの前記左右両側端部のうちの一方の側端部の外面の前記センターシール側は、前記フィルムシートにおける当該一方の側端部の外面の前記被包装物側へ折り重ねられた重ね部を備え、
前記重ね部は、前張出部と後張出部とを備え、
前記前張出部は、前記前接続部を含み前記トップシールの下端側よりも前方に張り出すと共にトップシールの前記下端側へ折り重ねられたものであり、前記前張出部は、トップシールの前記下端側の存する前記包装体の前面側へ、固着された前固着部を備え、
前記後張出部は、前記後接続部を含み前記テールシールの下端側よりも後方に張り出すと共にテールシールの前記下端側へ折り重ねられたものであり、前記後張出部は、テールシールの前記下端側の存する前記包装体の後面側へ、固着された後固着部を備えたことを特徴とする包装体。
前記トップシールと前記テールシール夫々の左右側面が前記センターシールの左右側面と面一となるよう、前記トップシールと前記テールシールの夫々が、前記前接続部にと前記後接続部の夫々において前記センターシールへ繋がったものである請求項1記載の包装体。
内面を上にした1枚のフィルムシートと、当該内面へ載せた被包装物とを備え、前記フィルムシートは、前記被包装物から左右に食み出る左右両側端部の前記内面同士を前記被包装物の上方にて重ね合わせた状態にシールするセンターシールと、前記被包装物の前方にて前記フィルムシートの左右の前記内面を重ね合わせた状態にシールするトップシールと、前記被包装物の後方にて前記フィルムシートの左右の前記内面を重ね合わせた状態にシールするテールシールとを備え、前記センターシールは前記被包装物との間に空間を隔てて前後に伸び、前記トップシールは前記被包装物の前方にて上下に伸び、前記テールシールは前記被包装物の後方にて上下に伸び、前記トップシールの上端側は前記センターシールの前端側に繋がる前接続部を備え、前記テールシールの上端側は前記センターの後端側と繋がる後接続部を備え、前記被包装物を載せた前記フィルムシートの底部側は前記トップシールと前記被包装物との間及び前記テールシールと前記被包装物との間の夫々にガゼットを備えた包装体に対し、
加工を施す包装装置であって、
センター受け動作部と、センター折曲動作部と、トップ折曲動作部と、テール折曲動作部と、前折曲動作部と、後折曲動作部と、前固着動作部と、後固着動作部とを備え、
前記センター受け動作部は、前記包装体の左右の何れか一方から前記包装体へ向けて迫り出し、前記センターシールと前記被包装物との間へ対面するものであり、
前記センター折曲動作部は、前記センター受け動作部による前記対面中、前記包装体の左右の他の一方から前記包装体へ向けて迫り出し、前記センター受け動作部の対面位置と前記センターシールとの間を押圧することにより、センター受け動作部の上面に沿うよう前記センターシール側を曲げ、前記フィルムシートの前記左右両側端部のうちの一方の側端部の外面の前記センターシール側に、前記フィルムシートにおける当該一方の側端部の外面の前記被包装物側へ折り重ねた重ね部を形成するものであり、
前記トップ折曲動作部は、前記センター折曲動作部による前記押圧中、前記包装体の左右の他の一方から前記包装体の前方へ向けて迫り出し、前記被包装物と前記トップシールとの間を押圧することにより、前記重ね部を残して前記トップシール側を折り曲げ、
前記テール折曲動作部は、前記センター折曲動作部による前記押圧中、前記包装体の左右の他の一方から前記包装体の後方へ向けて迫り出し、前記被包装物と前記テールシールとの間を押圧することにより、前記重ね部を残して前記テールシール側を折り曲げ、
前記重ね部について、前記トップ折曲動作部が折り残した部位は前記前接続部を含み前記トップシールの下端側よりも前方に張り出す前張出部とされ、前記テール折曲動作部が折り残した部位は前記後接続部を含み前記テールシールの下端側よりも前方に張り出す後張出部とされ、
前記前折曲動作部は、前記包装体の上方から前記包装体の前方へ向けて迫り出し前記前張出部を折り曲げ、
前記後折曲動作部は、前記包装体の上方から前記包装体の後方へ向けて迫り出し前記後張出部を折り曲げ、
前記前固着動作部は、加熱によるヒートシールの形成又はホットメルト接着剤の付着を固着動作として折り曲げられた前記前張出部について、前記トップシールの下端側の存する前記包装体の前面側へ固着される前固着部を形成するものであり、
前記後固着動作部は、加熱によるヒートシールの形成又はホットメルト接着剤の付着を固着動作として折り曲げられた前記後張出部について、前記テールシールの下端側の存する前記包装体の後面側へ固着される後固着部を形成するものである包装装置。
包装ラインの少なくとも一部を構成する上流側ステージと、前記上流側ステージの下流側に設定された下流側ステージと、複数の包装体を順次搬送するトランスファー装置とを備え、
前記各包装体は、前記上流側ステージ側から前記下流側ステージ側へ向け前記トランスファー装置にて順次搬送されるものであり、
前記上流側ステージにおいて、前記センター受け動作部と前記センター折曲動作部の動作による前記重ね部の形成がなされ、更に前記上流側ステージにおいて、前記トップ折曲動作部と前記テール折曲動作部による前記前張出部と前記後張出部の形成の少なくとも一部がなされ、
前記下流側ステージにおいて、少なくとも前記前折曲動作部と前記後折曲動作部とによる前記前張出部と前記後張出部の折り込みがなされるものであり、
前記トランスファー装置は、1回の搬送動作において少なくとも、先行する前記包装体の前記下流側ステージからの搬出と、後続の前記包装体の前記下流側ステージへの搬入と、更に後続の前記包装体の前記上流側ステージへの搬入とを同時に行うことができる請求項4又は5記載の包装装置。
上流から下流に向けて被包装物を搬送する搬送手段が設けられた、搬送装置と、前記搬送装置の搬送面と上下に並んで帯状のフィルムシートを供給するフィルムシート供給装置と、前記フィルムシート供給装置から前記帯状のフィルムシートを前記搬送面側へ供給するに際し被包装物及びフィルムシートの搬送方向を前後方向とし前記フィルムシートの左右両端を上方にして前記フィルムシートをU字状に屈曲させるフォーマーとを備え、前記フォーマーでU字状に屈曲させた前記フィルムシート上へ前記被包装物同士を相互に離間して順次載置するものであって、前記フィルムシートの前記離間する被包装物同士の間に対し先行する前記被包装物の後方へ上下に伸びるテールシールを形成するテールシール装置と、前記フィルムシートの前記離間する被包装物同士の間に対し後続の前記被包装物の前方へ上下に伸びるトップシールを形成するトップシール装置とを有し、前記テールシール装置が、先行する前記被包装物の後方にて前記フィルムシートの左右の内面を重ねてシールし先行する前記被包装物の包装体へ前記テールシールを順次形成すると共に、前記トップシール装置が、後続の前記被包装物の前方にて前記フィルムシートの左右の内面を重ねてシールし後続の前記被包装物の包装体へ前記トップシールを順次形成するものであり、皺取り装置を備え、前記皺取り装置は、前記トップシール及び前記テールシールの形成前、前記フィルムシートの前記トップシール及び前記テールシールを形成する部分を伸ばして、形成後の前記トップシール及び前記テールシールへ皺が残るのを抑制するものである包装装置にて形成された包装体を加工する請求項4乃至6の何れかに記載の包装装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(包装体)
本発明に係る包装体(完成品)を
図11(e)〜(g)へ示す。尚
図11(d)は加工途中の
図11(c)のY−Y断面図として示すが、完成品の同方向の断面も
図11(d)と同様である。
この包装体は、プラスチックを主材とする略矩形状の1枚のフィルムシート3と、当該フィルムシート3の上に載る被包装物1とを備える。被包装物1の載る上記面をフィルムシート3の内面としてフィルムシート3は、被包装物1から左右に食み出る左右両側端部上記内面同士を被包装物1の上方にて重ね合わせた状態にシールするセンターシールSsと、被包装物1の前方にてフィルムシート3の左右の上記内面を重ね合わせた状態にシールするトップシールToと、被包装物1の後方にてフィルムシートの左右の上記内面を重ね合わせた状態にシールするテールシールTaとを備える。
尚、後述する包装装置Bにおける包装体Aの搬送方向を前後方向とし、包装体の前後を定める。
【0012】
センターシールSsは被包装物1との間に空間(隙間空間Su)を隔てて前後に伸びる。トップシールToは被包装物1の前方にて上下に伸びる。テールシールTaは被包装物1の後方にて上下に伸びる。トップシールToの上端側はセンターシールSsの前端側に繋がる前接続部41を備える。一方テールシールTaの上端側はセンターシールSsの後端側と繋がる後接続部42を備える。被包装物1を載せたフィルムシート3の底部側はトップシールToと被包装物1との間及びテールシールTaと被包装物1との間の夫々にガゼットGを備える。
【0013】
センターシールSsと被包装物1との間において、フィルムシート3の前記左右両側端部のうちの一方の側端部の外面のセンターシールSs側は、フィルムシート3における当該一方の側端部の外面の被包装物1側へ折り重ねられた重ね部43を備える。重ね部43は、前張出部45と後張出部46とを備える。
尚、
図11に示すものと異なり、フィルムシート3の前記左右両側端部のうちの上記と反対側の即ち他の一方の側端部の外面も、上記重ね部43の形成と共に被包装物1側へ折り重ねられるのとしてもよい。言い換えれば上記包装体は、正面視において被包装物1より上方の部分が上記隙間空間Suを挟んでS字に折り畳まれたものであってもよいのである。
トップシールToとテールシールTa夫々の左右側面がセンターシールSsの左右側面と面一となるよう、トップシールToとテールシールTaの夫々が、前接続部41にと後接続部42の夫々においてセンターシールSsへ繋がったものである。
【0014】
前張出部45は、前接続部41を含みトップシールToの下端側よりも前方に張り出すと共にトップシールToの前記下端側へ折り重ねられたものである。前張出部45は、トップシールの前記下端側の存する包装体Aの前面2aへ、固着された前固着部47を備える。
一方、後張出部46は、後接続部42を含みテールシールTaの下端側よりも後方に張り出すと共にテールシールTaの前記下端側へ折り重ねられたものである。後張出部46は、テールシールTaの前記下端側の存する包装体Aの後面2bへ、固着された後固着部48を備える。
【0015】
尚、
図11へ示す例では、センターシールSsには開封を容易にする切れ込み44が設けられている。センターシールSsについて切れ込み44の前後を摘まみ前後に引っ張ることで、
図11(f)へ二点鎖線で示すように、包装体Aを前後に引き裂いてゆき被包装物1を取り出すことができる。この例では、切れ込み44は、包装体Aの前後方向についてセンターシールSsのほぼ中央に設けられている。
簡易カット(切り口)として上記切れ込み44を形成しておくことにより、切れ込み44の前後を引くと、上記の通り
図11(f)へ示す二点鎖線にて包装体は半分に切れ、中身が取り出し易く、手が汚れにくい。また、当該包装体は、箱型であるため、中身が潰れにくいのである。
上記の被包装物1から左右に食み出るフィルムシート3の左右両側端部の端辺は、矩形の左右の辺である。包装体1はセンターシールSsとトップシールToとテールシールTaとにて密閉され、上記隙間空間Suを含む包装体Aの内部空間には被包装物1と共に空気等のガスを収容する。
この例では、前固着部47は、ホットメルト用の接着剤を備えたホットメルト部であり、同様に後固着部48も、ホットメルト用の接着剤を備えたホットメルト部である。
【0016】
図11(e)〜(g)へ示す本発明の目的とする包装体は、
図2〜
図10へ示す包装装置B(以下必要に応じて前包装装置Bと呼ぶ。)にて形成した包装体Aを本発明に係る包装装置100(以下必要に応じて本包装装置100と呼ぶ。)にて加工することにより形成することができる(
図11〜
図17)。
この例では、本包装装置100は、上記前包装装置のオプション品として、前包装装置に追加することができる。本包装装置100については後に詳しく述べる。
【0017】
より詳しくは、本発明に係る包装体は、被包装物1と、当該被包装物1を周囲(外方)から囲うフィルムシート3とを有する(
図1及び
図11)。
図1に示す包装体Aは、この例では、上記本包装装置100にて本発明に係る包装方法を施す前の仕掛け品と考えればよい。
被包装物1は、前記フィルムシート3の内面3iと接触することを嫌う又はフィルムシート3によって外方から押圧されることを嫌う物であり、この例では「シュークリーム」である。但し、被包装物1に関し、シュークリームなどの洋菓子や和菓子その他の菓子や、やきそばパンやサンドウィッチといった調理パンを含むパン類、果物その他の食品とすることは勿論、電子部品や時計、装飾品、その他の身の回り品とすることができる。
また、この実施の形態では、前記フィルムシート3として、透明なフィルムシートが使用されている。フィルムシート3としては、半透明なフィルムシート又は不透明的なフィルムシートであってもよいし、着色されたものであってもよい。
【0018】
この例では、上記仕掛け品としての包装体Aは、
図3(a)に図示するように、前記フィルムシート3の幅方向の中央部に被包装物1が載置された状態で、
図1(a),(b)、
図2(b)に示す如く、下方から当該被包装物1の底部1bと左右両側部1sが前記フィルムシート3で覆われている。
また、前記包装体Aは、
図1(a),(b)に図示するように、被包装物1の上方部位で、前記フィルムシート3の幅方向の両端部3e(側端部3e)が上方に持ち上げられた状態でシールされることにてセンターシールSsが形成されており、かかる被包装物1の上端と、センターシール後のフィルムシート3との間に、隙間空間Suが形成された状態で包装されている。
【0019】
そして、
図1(a),(b)に図示するように、前記包装体Aは、前記被包装物1の前方部位でシールされてトップシールToが形成されるととも当該被包装物1の後方部位でシールされてテールシールTaが形成され、全体がフィルムシート3で覆われた状態となっている。また、前記トップシールToが形成される部位の後方部位の底部にガゼットGが形成されるとともに、前記テールシールが形成される部位の前方部位の底部にガゼットGが形成されている。
【0020】
(前包装装置B)
被包装物1を包装した上記仕掛け品である包装体Aに関し、以下に述べる前包装装置Bによって、機械的にフィルムシート3で逆ピロー形式で包装した、当該包装体A(仕掛け品)を作成することができる。
つまり、
図2の包装装置Bによって、前述した
図1(a),(b)に示す包装体Aを形成することができる。以下、包装装置Bの構成とその動作および作用について説明する。
【0021】
包装装置B即ち前包装装置は、
図2(a)に図示する如く、搬送装置10と、シート状のフィルムを供給するフィルムシート供給装置11と、前記シート状のフィルムをU字状に屈曲形成するフォーマー12と、シート状のフィルムの両端をシールするセンターシール装置13と、トップシール装置14と、テールシール装置15と、第1のガゼット形成装置16と、第2のガゼット形成装置17とを具備している。
【0022】
前記搬送装置10は、フィルムシート供給装置11のフィルムシート3の供給速度と同じ速度で同期して、上流側から下流側へ、被包装物1を搬送するよう構成されている。
そして、この例では、前記搬送装置10は、第1の搬送手段である搬送コンベヤ10aと、その下流側に配置されている、第2の搬送手段である搬出コンベヤ10bとを具備している。
前記搬送コンベヤ10aと搬出コンベヤ10bの搬送面10f上には、前記フィルムシート供給装置11のフィルム供給ドラム11bから繰り出される帯状のフィルムシート3が供給されるよう構成されている。
この実施形態では、前記搬送コンベヤ10aと前記搬出コンベヤ10bとして、ベルトコンベヤが採用されている。
そ前記搬送コンベヤ10aは、下流端(ヘッドプーリ)が搬送方向(
図2(a)の矢印Xで示す方向参照)に伸縮可能に構成されている。この結果、後述するトップシールToとテールシールTaを形成するシール動作に際して、前記前記搬送コンベヤ10aの下流端が反搬送方向に後退して、
図4(b)に示す前記トップシール装置14とテールシール装置15の各シール手段14a,15a、およびこれらに対応して設けられた後述する皺取り装置18,18が動作ポジションに位置しようとする際に、当該搬送コンベヤ10aと物理的に干渉しないように構成されている。つまり、
図2(b)に図示するように、前記搬送コンベヤ10aの下流端が上流方へ収縮して前記搬出コンベヤ10bとの間に隙間Sfが形成され、前記干渉が防止されるよう構成されている。
【0023】
前記搬送コンベヤ10a の上流端には、
図2(a)に図示するように、前記フォーマー12が設けられており、かかるフォーマー12は前記供給されるフィルムシート3の供給方向(移動方向)を反転させるとともに、
図3(a)に図示するようにフィルムシート3をU字状に屈曲させて、かかるフィルムシート3の幅方向の中央部位が前記搬送コンベヤ10a の搬送面10f に略当接しその両側の部分が上方に立ち上がったU字状の状態を形成する。
そして、
図2(a),
図3(a)に図示するように、前記フィルムシート3の幅方向の中央部位に、作業者の手で又は供給装置(図示せず)によって、前記被包装物1が載置される。
【0024】
前記搬送コンベヤ10aの搬送方向中央部分の上方部位には、
図2(a)に図示されるように、前記フィルムシート3を下流方へ送る駆動ローラ対11cが配置されるとともに、その下流方には、せンターシールSsをおこなう前記センターシール装置13が配置されている。なお、前記駆動ローラ対11cと前記センターシール装置13は、前記供給速度と同じ速度でフィルムシート3を下流側へ送るように構成されている。
前記センターシール装置13は、加熱ヒータを内蔵した左右一対のローラ13cを備えており、フィルムシート3の両側端部を重ね合わせた状でシール(センターシールSs)するように構成されている。つまり、かかるセンターシール装置13は、
図3(a)に図示するようなU字状のフィルムシート3を、
図3(b)に図示するような筒状に形成する。 そして、前記筒状に形成されたフィルムシート3の内部には、前記被包装物1が包み込まれる(
図3(b)参照)。
なお、
図2(a),
図3(a)に図示するように、前記センターシール装置13の上流方(前記駆動ローラ対11cの上流方)には、前記センターシールSsの高さ方向の寸法を調節する調節器20が配置され、上端部の調整つまみ20aで前記寸法を調節することが可能に構成されている。
【0025】
図2に図示するように、前記搬送コンベヤ10aと搬出コンベヤ10bとの間には、前記トップシール装置14,前記テールシール装置15,前記第1のガゼット形成装置16と前記第2のガゼット形成装置17、前記皺取り装置18,18と、切断装置Cuが、後退・進入可能に設けられている。
前記トップシール装置14とテールシール装置15と皺取り装置18,18は、
図2に図示するように、側面視において、前記搬送コンベヤ10aの搬送面10fに対して略垂直(この実施形態の場合には、傾斜角が略5度程度上方で下流側に偏位するように傾斜するよう)に、それらのシール長手方向が一致するような状態で、共通のフレーム19に配置され、前記筒状に形成されたフィルムシート3を、内部に被包装物1が入った状態で、シール動作(トップシールToおよびテールシールTa形成のシール動作)可能に配置されている。前記傾斜角としては、被包装物1の長さやフィルムシート3の厚さ等によって、略0度から7度程度とすることも可能である。具体的には、おむすびのような搬送方向の長さが短い被包装物1の場合には、前記傾斜角は略0度で良好な包装ができる。一方、長さの長い被包装物1の場合には、前述のように、前記傾斜させることが好ましい。
そして、
図4(a),(b)に図示するように、前記トップシール装置14と前記テールシール装置15は、挟み動作(
図4(a)の矢印Y参照)可能に配置される、各左右一対設けられたシール手段14a,15aを有する。そして、前記シール手段14aと前記シール手段15aとは、下端部が、前記フレーム19に対して、フィルムシート3の中心方へ挟み動作(矢印Y参照)可能に構成され、それぞれの間に挟んだ前記筒状のフィルムシート3に対して、トップシールToおよびテールシールTaすることが可能に構成されている。
【0026】
また、前述の如くトップシールToとテールシールTaを形成する際に、当該トップシールToとテールシールTa部分の間を前記切断装置Cuによって切断して、被包装物1(包装体A)毎に包装が完了したものを切り離すよう構成されている。このような切断装置Cuの構成としては、例えば、
図5へ図示するように、前記シール手段14aと前記シール手段15aと、それらの間に設けられた切断用ヒータ部分とを、1つのブロック28の平面(表面)に配置することによって、実現できる。前記切断装置Cuの切断手段としては、前記切断用ヒータに代えて、他の手段、例えば、カッター(刃物)を用いることもできる。
また、前記トップシールToとテールシールTaを形成する際(前)には、
図2(b)に図示するように、前記フレーム19の搬送方向の前後両側に配置された前記第1のガゼット形成装置16と前記第2のガゼット形成装置17の各ガゼット爪16a,17aが、搬送面10fより上方位置まで、矢印R(
図4(a)参照)に示す寸法だけ(この例では搬送面10fより下方から被包装物1の約半分程度の高さまで)上昇して、前記フィルムシート3の底面を押し上げることによって、
図1(a),(b)に図示するように、この包装体Aの前端部と後端部の底部に前記ガゼットGを形成するよう構成されている。
また、前記トップシールToと前記テールシールTaの各シール形成前には、
図4に図示する、左右一対のレバー18aを備えた皺取り装置18が、作動して、当該レバー18aに回転可能に配置された皺取りベルト18cの回転によって、前記シールしようとする部位のフィルムシート3に発生しようとする皺を取り除くよう構成されている。
この例の場合、前記レバー18aは、上端部の支持軸18bを中心に矢印Qに図示するように下端部が揺動してフィルムシート3を両側から挟む「挟み動作」可能に構成されている。そして、前述のように挟んだ状態で、前記左右のレバー18aの周囲を周回する皺取りベルト18cの回転動作によって、間に挟み込まれたフィルムシート3の皺を可及的にとるよう構成されている。
前記トップシール装置14とテールシール装置15および前記切断装置Cuは、前記1つのブロック28が、前述のように「挟み動作(
図4(a)参照)」するよう構成されているが、これに代えて、当該ブロック28が水平方向にスライド動作することによって、両側から当接して、前記シールおよび切断するように構成してもよい。ただ、前記皺をとる性能において、
図4(a),(b) に図示する構成の「挟み動作」の方が良好におこなえる点で好ましい。
【0027】
上記各ブロック28は、アーム29を介して上記フレーム19(
図2(a)(b)及び
図4(a))へ取り付けられている(
図7(b))。
被包装物1の搬送方向を前後方向として、アーム29は、フレーム19に対し左右に1対備えられている。アーム29先端(下端)側は夫々被包装物1を内側にしてU字状に湾曲し且つ上端側にトップシールSsを形成されたフィルムシート3の左右に位置する。
対となるアーム29の基端(上端)側の夫々は、フレーム19(
図2及び
図4)へ軸止されている。アーム29の夫々は、上記基端側を中心に回転する。
アーム29の上記回転により、左右のブロック28は、フィルムシート3の左右からフィルムシート3を挟むことでフィルムシート3に対し、先行する被包装物1の後方にテールシールTaを形成し後続の被包装物1の前方へトップシールToを形成すると共に当該テールシールTaとトップシールToとの間にてフィルムシート3を切断する(
図4及び
図5)。
この例では、上記ブロック28は両アーム29の対向する部位の夫々へ支持部材30を介して設けられている(
図7(b)及び
図10)。
図示は省略するが、アーム29はモータや動力シリンダー、その他のアクチュエータといった周知の動力源から駆動力を受けて上記の通り開閉動作を行う。
【0028】
ここで上記皺取り装置18について更に詳しく述べる。
この例では、上記一対の皺取り装置18の夫々は、上記のレバー18aと、レバー駆動部18fと、少なくとも2つのローラ18d、18eと、上記の皺取りベルト18cと、図示しないローラ駆動部とを備える(
図7(b)及び
図8)。以下皺取りベルト18cを単にベルト18cと呼ぶ。
長尺状のレバー18の上端は支持軸18bにてフレーム19へ軸止されている。レバー18aは支持軸18bを中心としてフレーム19に対して回動することができる。対なす上記レバー18a同士は、支持軸18bを中心とする上記回動によって、レバー18aの先端(下端)間を開閉する。レバー18aの上端側に上記ローラ18d,18eの一方が軸止され、レバー18bの下端側に上記ローラ18d,18eの他の一方が軸止されている。両ローラ18d,18e間へ上記ベルト18cが掛けられている。
レバー18aはレバー駆動部18fから駆動力を受けて支持軸18aを中心に上記回転を行う。
レバー駆動部18fは、モータや動力シリンダーその他のアクチュエータといった周知の動力源と、ギア或い動力伝達ベルトとプーリといった動力伝達機構を備える。この例ではレバー駆動部18fは、電動シリンダか或いは流体圧シリンダを備えるものとした。
尚、レバー駆動部18f(の動力源)を上記アームの動力源と独立したものとするか、或いは同一の動力源から別々の動力伝達手段にて動力の供給を受けるものとして、レバー18aはアーム29の開閉と独立して開閉の動作を行えるものとすればよい。
【0029】
ローラ18d,18eの一方は駆動用ローラであり、当該駆動用ローラの回転によって、上記ベルト18cが循環する。この例では、レバー18aの上端側のローラ18dが上記駆動用ローラであり、レバー18aの下端側のローラ18eがベルト18cの循環移動に追従して回転する従動ローラである。
駆動用ローラであるローラ18dは、上記ローラ駆動部から駆動力を受けて回転する。
上記ローラ駆動部とローラ18dとが、特許請求の範囲の「駆動部」と対応する。
ローラ駆動部は、駆動源となるモータを備え、必要に応じ当該モータからの駆動力を伝達するギア、或いは駆動ベルトやプーリなどの動力伝達部を備える。
尚、
図4へ示す例では、支持軸18bを共有して両レバー18aはフレーム19へ軸止されているのに対して、
図7、
図8及び
図10へ示す例では両レバー18aは夫々別々の独立した支持軸18bにてフレーム19へ軸止されている。即ち
図7、
図8及び
図10へ示す例では、1対のレバー18aは、トップシールSsの上方左右に配置された支持軸18bの夫々にてフレーム19へ軸止されている。また、1対のレバー18aは、同軸上に配置された別々の支持軸18bの夫々にてフレーム19へ軸止されるものであってもよい。
尚、
図4、
図7、
図8及び
図10において、上記支持軸18bはローラ18dに隠れている。
【0030】
両ベルト18cは、上記開閉により対なすレバー18a間が閉じることでU字状のフィルムシート3の外側面へ当接する。環状のベルト3においてレバー18aからフィルムシート3を臨む区間が、上記レバー18aの開閉によってフィルムシート3と当接する部分となる。当該区間において、ベルト18cは上方から下方(
図8の矢印m方向)へ向けて移動する。
ベルト18cの当該移動によって、ベルト18cの上記区間は、センターシールSs側から下方に向け、U字状にされたフィルムシート3の外側面を連続して倣い、皺を伸ばす。
この例において、レバー18aの長さは、センターシールSsが設けられたフィルムシート3の上下の幅よりも大きく、レバー18aの上端は搬送されるフィルムシート3の(センターシールSs)上端よりも上方に位置し、レバー18bの下端は被包装物1を内側にして湾曲するフィルムシート3底部よりも下方に位置する(
図7(b))。
この例では、皺取り装置18は、上記ブロック28の前後(被包装物1の搬送方向についてブロック28の上流側と下流側)へ1対づつ設けられている(
図2(a))。以下必要に応じて、被包装物1の搬送の上流側に配置された左右1対の皺取り装置18の夫々を上流側皺取り装置18と、被包装物1の搬送の下流側に配置された左右1対の皺取り装置18の夫々を下流側皺取り装置18と呼ぶ。
【0031】
前記トップシールToおよび前記テールシールTaの各シール動作する際、およびガゼットGを形成する際には、また前記皺取り動作をおこなう際には、これらの動作と干渉しないように、前述のように、前記搬送コンベヤ10aの下流端(ヘッドプーリ部分)が上流方へ収縮(移動)して、前記搬送コンベヤ10aの下流端と前記搬出コンベヤ10bの上流端との間に隙間Sfが形成される。なお、このように隙間Sfが形成されている際には、前記搬送コンベヤ10aは搬送動作を停止するよう構成されている。
【0032】
ところで、
図2に図示するように、前記搬出コンベヤ10bは、前記トップシールToおよびテールシールTaのシール動作の際に、上流端の揺動軸10dを中心に、矢印Rrに示すように、チルトシリンダ10c(
図6参照)の伸縮によって所定角度Rr(この実施形態では例えば最大約15度程度)だけ揺動(チルト)するよう構成されている。前記フィルムシート3の厚さが厚い場合には約15度程度揺動し、また、前記包装体Aの長さが長いもの(例えばやきそばパン)の場合にも約15度程度揺動する。 かかる揺動動作は、前記包装体Aの底部に寸法的なゆとりを付与し、前述したガゼットGの形成がスムーズにおこなえるようにするために、おこなわれる。前記所定角度Rrとしては、被包装物1の長さやフィルムシート3の厚さ等によって、略0度から20度程度とすることも可能に構成されている。具体的には、おむすびのような被包装物1の場合には、前記所定角度Rrは略0度で良好な包装ができる。
また、この例のように、前記トップシール装置14とテールシール装置15の前記傾斜角が、前記搬出コンベヤ10bの揺動する所定角度の約1/2程度〜1/3程度に設定されていると、包装体Aの上部の長さを底部の長さより長く形成することができる点で、つまり、前記包装体Aの上部の寸法を長く構成できる点で、好ましい構成となる。すなわち、包装体Aの上部に空間的なゆとりを形成する。
なお、前記揺動動作する際には、前記搬出コンベヤ10bは搬出動作を停止するよう構成されている。
【0033】
また、
図2(a),(b)あるいは
図4(a),(b)に図示するように、前記搬出コンベヤ10bが、前記揺動軸10dを中心に矢印Rrに示す如く揺動(チルト)する際に、前記包装体Aの位置決めがおこなわれるよう、前記フレーム19の上流方と下流方に各隣接して、前記センターシールSs部分を把持する把持装置21,22が、設けられている。かかる把持装置21,22は、いずれも、
図4(a),(b)に図示するように、上方の枢支軸21a(22a)を中心に揺動する一対の把持腕21b,22bで、両側からフィルムシート3の前記センターシールSs部分を挟持するよう、構成されている。
図4(a)(b)へ示す例では、上流方の把持装置21の1対の把持腕21bの夫々は、1つの枢支軸21aを共有し、下流方の把持装置22の1対の把持腕22bの夫々も、枢支軸22aを共有している。尚、上流方の把持装置21の1対の把持腕21bの夫々は、同軸上に配置された別々の枢支軸21aにて軸支され、下流方の把持装置22の1対の把持腕22bの夫々は、同軸上に配置された別々の枢支軸22aにて軸支されるものとしてもよい。
【0034】
把持装置21,22は、把持腕21b,22bを駆動する駆動装置27を備える(
図7(b)、
図9及び
図10)。駆動装置27は、モータや動力シリンダーその他のアクチュエータといった周知の動力源を備え、当該動力源から駆動力を把持腕21b,22bへ伝達する。この例では、駆動装置27は、電動シリンダか或いは流体圧シリンダを備える。把持装置21,22の駆動装置により、アーム29や皺取り装置18の開閉動作と独立して対をなす把持腕21b,22bの開閉を行うことができる。
より具体的には、被包装物1の搬送方向についてブロック28へ隣接し、上流側皺取り装置18の上流側へ一方の把持装置21が配置され、下流側皺取り装置18の下流側へ一方の把持装置22が配置されている。即ち、被包装物1の搬送方向についてブロック28へ隣接し、上流側皺取り装置18の上流側へ左右1対の把持腕21bが配置され、下流側皺取り装置18の下流側の下流側へ左右1対の把持腕22bが配置されているのである。
尚、
図4では、図面の煩雑を避けるため次に説明する皺取りガイド26を省略している。
また、
図7、
図9及び
図10へ示す例では、上流方の把持装置21の1対の把持腕21bの夫々は、センターシールSsの左右上方に配置された別々の枢支軸21aにて軸支され、下流方の把持装置22の1対の把持腕22bの夫々も、センターシールSsの左右上方に配置された別々の枢支軸22aにて軸支されている。
【0035】
把持装置21,22夫々の上記把持腕21b,22bには、上記皺取りガイド26が設けられている。即ち上記上流側の把持装置21の左右の保持腕21bの夫々に皺取りガイド26が設けられ、上記下流側の把持装置22の左右の保持腕22bの夫々にも皺取りガイド26が設けられている(
図7(b)、
図9及び
図10)。
左右の保持腕21b,22bの夫々に設けられて上記の左右対なす皺取りガイド26の夫々は、各把持腕21b,22bから下方へ伸び、把持腕21b,22bの上記開閉と一体に作動して、フィルムシート3のセンターシールSsより下方の部分を押さえる。
上記の通り左右対なす皺取りガイド26の夫々は、保持腕21b,22bの開閉にて開閉する。即ち保持腕21b,22bの開閉にて左右対なす皺取りガイド26同士が接近しフィルムシート3の左右から屈曲するフィルムシート3の左右外側面を押さえる。この皺取りガイド26によるフィルムシート3の左右外側面の押さえにて、上記2対の皺取り装置18の皺取りの動作に先立ち、先行する被包装物1と後続の被包装物1の間においてフィルムシート3の左右の幅を狭めておくのである。
また対なす皺取りガイド26の夫々は、下端に向け互いの間隔を漸次広げるようにカーブする湾曲部分26aを備える。当該湾曲部分26aの形成により、対なす皺取りガイド26同士を接近させたとき、上方から下方に向けて順次フィルムシート3を押さえて行き、皺取り装置18のベルト18cによる上方から下方へ向けて皺を伸ばす動作をより円滑に行うことができる。
皺取りガイド26はこの例では、3mm径の棒又は厚さ2mm上下の幅(高さ)50mmの板を採用する。但し、皺取りガイド26の当該形態や寸法や例示であり、フィルムシート3の寸法の変更に応じて変更して実施すればよい。
【0036】
前記包装装置Bの駆動用のモータ(例えば、インバータ式モータ等)や空圧シリンダ等の各アクチュエータ等、および、各位置に設けられた複数の検知装置31,32,33は、
図6のブロック図に示す如く、包装装置Bの制御装置25に信号線で接続されており、検知装置からの検知信号を受け所定の制御信号を発して、所定の包装をおこなうよう構成されている。
【0037】
前述のように構成された包装装置Bは、前記包装体Aを形成するに際し、以下のように動作する。つまり、包装装置Bは、前記フィルムシート3上に載置される被包装物1を、前記した逆ピロー形態の包装体Aに包装することができる。
以下、前記包装装置Bの制御装置25による制御内容と共に、包装装置Bの包装動作(包装方法)について、説明する。
尚、包装方法を示すステップ1〜9の各番号は、図示する部材の符号ではなく、明細書において上記各ステップを識別するためにのみ用いる(図示した符号とは無関係である)。
【0038】
包装装置Bの始動スイッチをONすると、前記搬送コンベヤ10a、前記搬出コンベヤ10b、前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11cおよびセンターシール装置13、トップシール装置14、テールシール装置15、皺取り装置18等の各装置が、作動状態(待機状態)となる(ステップ1)。
かかる状態で、前記フォーマー12上のフィルムシート3に被包装物1が載置されると、当該載置の位置近傍に設けられた前記検知装置31(
図6)が被包装物1の載置を検知する(ステップ2)。
かかる検知により、前記搬送コンベヤ10a、前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11cおよび前記センターシール装置13が動作して、フィルムシート3とともにその上の被包装物1が下流側に送られ、その間に、前記センターシール装置13で前記センターシールSsがおこなわれる(ステップ3)。
【0039】
そして、前記被包装物1が前記搬送コンベヤ10aの下流端近傍の所定位置に搬送されてくると、当該所定位置近傍に設けられた前記検知装置32が当該所定位置への被包装物1の到来を検出して、前記搬送コンベヤ10aと前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11c、前記センターシール装置13を停止させる(ステップ4)。
次に、前記制御装置25は、前記搬送コンベヤ10aの下流端部を収縮させて、前記搬出コンベヤ10bとの間に隙間Sf(
図2(b)参照)を形成する(ステップ5)。
前記隙間Sfが形成されたことを隙間Sf近傍に配置された前記検知装置33が検出すると、続いて、前記把持装置21,22が、前記所定位置にある被包装物1のセンターシールSs部分を把持し、次に前記搬出コンベヤ10bが、
図2(b)に図示するように、上流端部の揺動軸10dを中心に矢印Rrに示すように揺動(チルト)する(ステップ6)。
【0040】
上記ステップ6の状態で、被包装物1の前方部位および後方部位において下方から前記第1のガゼット形成装置16と前記第2のガゼット形成装置17の各ガゼット爪16a,17aが、搬送面10fより上方位置まで矢印R(
図4(a)参照)に示す距離上昇して、フィルムシート3を持ち上げ、前記被包装物1の前後に近接した部位でフィルムシート3にガゼットGを形成する(ステップ7)。
また、上記ステップ7の状態で、前記皺取り装置18が作動して、トップシールToおよびテールシールTaしようとする部位近傍のフィルムシート3に発生しようとする皺を取り除く(ステップ8)。
【0041】
上記のステップ8について、更に詳しく説明する。
ステップ1からステップ7に至るまで、トップシール装置14のシール手段14a及びテールシール装置15のシール手段15a即ちブロック28と、皺取り装置18と、把持装置21,22の各装置は、作動状態(待機状態)にある。即ちステップ1からステップ7に至るまで、1対のアーム29と、皺取り装置18の1対のレバー18aと、把持装置21,22の対なす把持腕21b,22bの夫々は開いている。
ステップ7の遂行後、或いは遂行中、ステップ8により、先ず皺取り装置18の作動に先立ち、両把持装置21,22が作動して対なす上流方の把持腕21bと、対なす下流方の把持腕22bの夫々を閉じ、上流方の把持腕21b間及び下流方の把持腕22b間の夫々にてセンターシールSsを挟む。把持腕21b,22bの動作に伴って2対の皺取りカイド26において、対なす皺取りカイド26同士が接近してフィルムシート3を左右から押さえる。次いで、上流方及び下流方の各皺取り装置18において対なすレバー18a間が閉じ先行する被包装物1と後続の被包装物1の間にてフィルムシート3を左右から挟みベルト18cの上記循環にてフィルムシート3の皺取りを行う。尚、ステップ8は、次のステップ9と共に、ステップ7遂行前のステップ6の状態で実行されるものとしてもよい。
【0042】
上記ステップ8遂行後、前記トップシール装置14と前記テールシール装置15とが作動する。つまり、
図4(b)に図示するように、上記両装置14,15のシール手段14aとシール手段15a(
図5参照)のそれぞれが、フィルムシート3をフィルムシート3の左右両側から挟んで(矢印Y参照)トップシールToとテールシールTaを形成する(ステップ9)。
また、前記トップシールToとテールシールTaの形成とともに、前記切断装置Cuのヒータが作動して、前記搬出コンベヤ10b上の先頭の被包装物1を包むフィルムシート3が、その後続の被包装物1を包むフィルムシート3から切り離され、その結果、
図1に図示する包装体Aができあがる。
【0043】
即ち、ステップ8の皺取り装置18の上記作動後、ステップ9にて対なすアーム29同士が閉じ、ブロック28にてフィルムシート3の先行する被包装物1と後続の被包装物1の間を左右両側からを挟み、先行する被包装物1の後方へテールシールTaを形成し後続の被包装物1の前方へトップシールToを形成すると共に両シール間を切断し、先行する被包装物1を包装する包装体Aを完成させる。
ステップ8からステップ9において、上述の通り皺取りガイド26、レバー28a(ベルト18c)、トップシール装置14とテールシール装置15の両装置(ブロック28)の順に閉じて行くのである。
なお、包装開始当初前記搬出コンベヤ10b上には、被包装物1が存在しないので、先頭の被包装物1前方のトップシールToのみ実行されることになる。
【0044】
次に、前記搬出コンベヤ10bが揺動(チルト)した状態から水平状態に戻り、前記皺取り装置18のレバー18a、前記第1のガゼット形成装置16と第2のガゼット形成装置17、前記搬送コンベヤ10aの下流端が、元の位置(待機ポジション)に戻り、且つ、前記把持装置21,22の把持が開放される(ステップ10)。
このステップ10において、ブロック28(トップシール装置14及びテールシール装置15)の対が開いた直後に、レバー18a(ベルト18c)の対と皺取りガイド26(把持装置21,22の把持腕21b,22b)の対が開く。
【0045】
そして、前記搬出コンベヤ10b、前記搬送コンベヤ10a、前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11cおよび前記センターシール装置13が、再び動作して、前記搬出コンベヤ10b上の前記包装体Aは下流側に搬出される。なお、包装開始当初前記搬出コンベヤ10b上には、被包装物1が存在しないので、当該搬出はない。
また、前記搬出動作とともに、次の被包装物1が前記搬送コンベヤ10aから前記搬出コンベヤ10b上に移動して、前記ステップ4からステップ10に記載した一連の動作を繰り返し、前記フィルムシート3上に載置された被包装物1は、逆ピロー形態で順次包装されることになる。
【0046】
(本包装装置100)
前述の如く、一連のステップ1〜8を前包装装置Bによって実行することによって、前述した仕掛け品である包装体Aが得られる(
図1)。
次に本包装装置100について説明する(
図12)。また本発明の本包装装置100の説明に併せて本発明の包装方法について説明する。
本発明の包装方法は、搬入ステップs1、重ね部形成ステップs2、トップ・テール折曲ステップs3、固着部準備ステップs4、固着部形成ステップs5の各ステップを順次遂行するものである。尚s1〜s5の各符号は、上記各ステップを識別するために本明細書でのみ用い図示に用いるものではない。
【0047】
本包装装置100は、包装体Aの位置を検出する複数のセンサ(図示しない。)と、送り部と、トランスファー装置52と、センター折曲装置60と、トップ・テール折曲装置70と、前後折曲装置80と、前後固着装置90と、前記各装置の作動を制御する制御部(図示しない。)とを備える(
図12)。
また、上記本包装装置100は、包装体Aを加工するライン(包装ライン)として順に、第1のステージt1と、第2のステージt2と、第3のステージt3と、第4のステージt4とを備える(
図12及び
図13(b))。
【0048】
この例では、第1のステージt1は第2〜第4のステージt2〜t4の夫々に対し上流側ステージとなる。即ち第2〜第4のステージt2〜t4の夫々は、第1のステージt1に対し下流側ステージとなる。同様に、第2のステージt2は第3及び第4のステージt3,t4に対し上流側ステージとなる。即ち、第3及び第4のステージt3,t4は第2のステージt2に対し下流側ステージとなる。また、第3のステージt3は第4のステージt4に対し上流側ステージとなる。即ち、第4及のステージt4は第3のステージt3に対し下流側ステージとなる。
【0049】
上記センサには、一対の投光部と受光部とを備えた光センサを採用する。上記センサは、前記投光部にて赤外線などの光を上記受光部へ向けて投光し包装体Aが当該光を遮る即ち上記受光部にて受光が途絶えると上記制御部へ通知する。上記制御部は当該通知にて包装体Aの所定位置への到来を感知する。また上記センサは、光に代えて超音波などの音の送受信や、或いは電波や磁気の変化を感知して包装体Aの所定位置への到来を制御部へ感知させるものとしてもよい。更にまた、上記センサには感圧センサを採用することができる。即ち、上記センサを包装体Aの通過点に敷設する感圧センサとし、移動してきた包装体Aが当該センサの上に乗ると包装体Aの重みにセンサが反応し、制御部へ感圧を通知するものとしてもよい。
図示はしないが、複数の上記各センサは、制御部へ上記各装置の作動のタイミングを感知させるに適した、搬送ラインにおける包装体Aの通過点の夫々に配置される。
【0050】
(搬入ステップs1)
搬入ステップs1において、上記送り部は、前包装装置Bにて形成された包装体Aを前包装装置から上記第1のステージt1へ受け渡す(
図12及び
図13(a))。具体的には上記送り部は、上記包装体A(仕掛け品)を前包装装置Bの上記第1のステージt1へ移送する入口コンベヤ50である。第1のステージt1は入口コンベヤ50の下流端側に設定されている。
この例では、入口コンベヤ50は、前包装装置Bの搬出コンベヤ10bの下流側に配置されている。尚
図12において10gとして示すものが上記前包装装置Bの搬出コンベヤ10bである(
図2)。但し、
図12に示す搬出コンベヤ10gを、前包装装置Bの搬出コンベヤ10bとは別のコンベアである、第2搬出コンベヤ10gとして上記搬出コンベヤ10bの下流側に設けてもよい。
この例では入口コンベヤ50は、搬出コンベヤ10gと第1のステージt1との間を結ぶ、搬送ラインの一部を構成している(
図12及び
図13(a))。
【0051】
上記の通り搬出コンベヤ10gは、この例ではベルトコンベヤである。10hは、上記搬出コンベヤ10g上の包装体Aを案内し搬出コンベヤ10gの左右から包装体Aが脱落するのを防止するガイド板を示す(
図2では省略)。ガイド板10hは、搬送コンベヤ10g上の包装体Aの左右に配置され搬出コンベヤ10gの搬送方向に沿って伸びる板状体である。上記搬送方向について1対のガイド板10hの上流側は下流側へ向け互いの間隔を漸次狭める入口区間10kを備える(
図12)。当該入口区間10kより下流側において1対のガイド板10h同士は略平行に配されている。
【0052】
包装体AのトップシールSs付近は、後述する重ね部形成ステップs2にて折り込まれるのであり、トップシールSsを構成するフィルムシート3左右の両側端部3e,3eの上下の幅(縦幅)同士を同じとしてもよいが(
図1及び
図11(b))、重ね部43を円滑に形成する上で、折られる側にある側端部の縦幅(この例では右側端部Ss2の縦幅w2)を反対側の側端部の縦幅(この例では左側端部Ss1の縦幅w1)より大きなものとするのが好ましい(
図15(a)〜(c))。
【0053】
入口コンベヤ50は、この例では、枠体(図示しない。)へ、搬送方向について複数のスリップローラ51を配列することで構成されたものである。各スリップローラ51は、前記枠体に軸支され電動機などの動力源から駆動力を得て自転する芯棒と、当該芯棒に嵌められたパイプとを備える。前記芯棒から回転力を受けて前記パイプは回転するのであるが、前記芯棒に対し前記パイプは滑って回ることができる。このように前記芯棒に対し前記パイプが幾分空回りすることで、型崩れし易いデリケートなものをソフトに移送することができる。
入口コンベヤ50にベルトコンベヤを採用するのを制限するものではないが、入口コンベヤ50に上記スリップローラ51を備えたものを採用することによって、型崩れし易い包装体Aをソフトタッチで第1のステージt1へ運ぶことができるのである。例えばスリップローラ51の採用により、後述するストッパ50cへ包装体Aが勢いよくぶつかるのを回避でき、ストッパ50cとの接触により型崩れさせてしまうということを防ぐことができる。
尚、入口コンベヤは、上記スリップローラ51に代えて、複数のローラで構成され一部の前記ローラ又は全ての前記ローラを自転しないコロとしても実施できる。入口コンベヤ50cについて、前記ローラの全てを自転しないコロとする場合、搬出コンベヤ10gの排出の勢いを利用して、第1のステージt1へ包装体Aを運ぶものとすればよい。
【0054】
図12及び
図13(a)の50aは、入口コンベヤ50上の包装体Aを案内し包装体Aが入口コンベヤ50の左右から脱落するのを防止するガイド体を示す。
ガイド体50aは、入口コンベヤ50上の包装体Aの左右に配置され入口コンベヤ50の搬送方向に沿って伸びる板状体である。上記搬送方向について1対のガイド体50aの上流側は下流側へ向け互いの間隔を漸次狭める副入口区間50bを備える(
図12)。当該副入口区間50bより下流側において1対のガイド体50同士は略平行に配されている。
入口コンベヤ50の下流端側には、当該下流端から包装体Aが脱落しないように包装体Aの移動を阻止するストッパ50cが設けられている(
図16(b))。ストッパ50cは、スリップローラ51より上方に配置された板状の部材である。入口コンベヤ50の下流端側まで移動してきた包装体Aは、ストッパ50に当接して第1のステージt1に留められる。
尚例示した送り部即ち入り口コンベヤ50の搬送方向は、
図2へ示す前包装装置Bの搬送方向と変わらないが、
図12及び
図14では搬送方向を便宜上
図2(a)(b)と逆向きとなるように描いている。
【0055】
トランスファー装置52は、この例では第1のステージt1を起点として、第1のステージt1から第4のステージt4に至る各ステージへ順に包装体Aを搬送して行く。
またこの例では、包装体Aについての上記送り部の搬送(送り)方向に対し、第1のステージt1から第4のステージt4へ向け包装体Aを搬送するトランスファー装置52の搬送方向は、略直角をなしている(
図12及び
図14)。図示した包装体Aは、上記送り部上の移動からトランスファー装置52による移動に移行する際、進行方向を左折するものであるが、右折するように本包装装置100を構成してもよい。
【0056】
具体的には、トランスファー装置52は、板面を上下に向けて配された長尺の載置板53と、送り動作部54と、ガイド部材58とを備える。
載置板53は、平面視において上記送り部の搬送方向と略直角をなして伸びる。
トランスファー装置52が移送の起点とする第1のステージt1は、送り部の入り口コンベヤ50の下流端側にて構成されている。一方トランスファー装置52の備える上記載置板53の上面が、載置板53の長手方向に沿って順に上記第2のステージt2と、第3のステージt3と、第4のステージt4とを構成する。
送り動作部54は、第1のステージt1を起点として、長載置板53の長手方向について1ステージ分変位しつつ前後上下に循環運動する。載置板53とガイド部材58は、他(本包装装置100の図示しない構造部分など不動部分)へ固定されて位置を変えない。
【0057】
トランスファー装置52について、より具体的に述べる。
載置板53は、自身の長手方向に沿って伸びる1つ又は複数(この例では2筋)のスリット55を備える。ガイド部材58は、搬送中の包装体Aを載置板53から脱落させないよう、載置板53の長手方向と直交する方向について載置板53上の包装体Aの両側に配置され且つ載置板53の長手方向に沿って伸びる板状の部材である。また一対のガイド部材58同士の間の間隔は、後述するトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72とにて折られる前の包装体Aの前後の幅よりも小さい。具体的には、一対のガイド部材58同士の間の間隔は、トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の間の間隔とほぼ同じか若干大きいものであり、両受け部材75間の間隔とほぼ同じものとする。この例では、ガイド部材58は第4のステージt4の上流端から出口コンベヤ59に掛けて伸びる。また両ガイド部材58は互いの間隔を上流端側から下流端側へ向けて漸次狭める導入区間58aを備える。導入区間58aにより両ガイド部材58間へ完成した包装体の移動が円滑に行える。両ガイド部材58同士は、導入区間58aより下流側において互いに平行に伸びる。
【0058】
送り動作部54は、上記載置板53の下方において板面を上下に向け載置板53の長手方向に沿って伸びる略長方形の基体56を備える。基体56の上面には、上方へ突出する棒状の複数の当接体57が基体56の長手方向に沿い互いの間に間隔を設けて配列されている。この例では当接体57同士は、上記長手方向に沿って互いの間に前後の間隔を開けた2列に配列され、一方の列の当接体57の夫々は上記2筋のスリット55の一方から、また他方の列の当接体57の夫々は上記2筋のスリット55の他方から、載置板53上面の上方へ突出する。
尚、上記一方の列の当接体57と他方の列の当接体57とは、同一の基体56に備えられたものとしてもよいが、上記一方の列の当接体57を備える基体56と他方の列の当接体57を備える基体56とは別々に形成され、同期して作動するものとしてもよい。
図13及び
図14に示す例では、基体56を上記当接体57の列ごとに独立したものとしている。
【0059】
送り動作部は54の基体56は、各上記ステージ間での包装体Aの搬送時、送り駆動部(図示はせず。)にて、板面を略水平に保ち、搬送方向を前進方向としその逆の方向を後退方向として、前後上下に作動することで循環動作を行う。
送り動作部54の上記循環動作によって、当接体57の夫々は、包装体Aの搬送方向へ前進することにより、包装体Aを上流側ステージから下流側の次のステージへ押して搬送し、次のステージへ包装体Aを送ると上記スリット55内又はスリット55より下方に没する。当接体57が没した後、送り動作部54は後退し上昇して上記の前進前の元の位置に当接体57を戻す。
上記各ステージにおける工程の完了に伴って、送り動作部54は、上記の循環動作を繰り返し上流側ステージから下流側ステージへ向けて順次包装体Aを送る(
図13(b)〜(d))。
【0060】
例えば、トランスファー装置52の搬送方向について基体56の最も上流に配置された当接体57は、当初第1のステージt1の上流側端に位置している。各ステージの工程が完了すると、各当接体57は下流側へ前進する。このとき、複数の当接体Aのうち基体56の最も上流側に配置された当接体57は、入口コンベヤ50の下流端側に設定された上記第1のステージt1のトランスファー装置52の搬送方向における下流側端まで前進して第1のステージt1にあった包装体Aを第2のステージt2まで押し運んだ後スリップローラ51の上面から没し、上記循環動作により元の第1のステージt1の上流端まで戻り再びスリップローラ51の上面から上方へ突出する。同時に、基体56において上記当接体57の1ステージ分下流側に配置された当接体57は、第2のステージt2の下流側端まで前進して第2のステージt2にあった包装体Aを第3のステージt3まで送り込んだ後載置板53の上面から没し、上記循環動作により元の第1のステージt1の上流端まで戻り再び載置板53の上面から上方へ突出する。
【0061】
また同時に、次の1ステージ(最も上流側の当接体57に対し2ステージ分)下流側へ位置していた当接体57は第3のステージt2の上流側端から第3のステージt3の下流側端の間において、また更に1ステージ(最も上流側の当接体57に対し3ステージ分)下流側へ位置していた当接体57は第4のステージt4の上流側端から第4のステージt4の下流側端の間において、上記最も上流側の当接体57と同様の動作を行う。第4のステージt4にあった包装体Aは、1サイクルの上記循環動作によって、第4のステージt4から下流側の出口コンベヤ59へ押し出され、出口コンベヤ59にて搬送ラインより搬出される。出口コンベヤ59はこの例ではベルトコンベヤであるが、ローラコンベヤなど周知の他の形態の搬送手段を採用するものとしてもよい。例えば入口コンベヤ50と同様出口コンベヤ59をスリップローラにて構成するものとしてもよい。
【0062】
(重ね部形成ステップs2)
重ね部形成ステップs2において、センター折曲装置60により包装体Aへ上記重ね部43が形成される(
図11(d))。
上記のセンター折曲装置60は、センター受け動作部61と、センター折曲動作部62と、センター受け動作部61を作動させるセンター受け駆動部63と、センター折曲動作部62を作動させるセンター折曲駆動部64とを備える(
図12、
図14、
図15(b)(c)、
図16(a)(b))。
一部の上記センサが第1ステージt1への包装体Aの到達を検出すると、上記制御部は、センター折曲装置60において、包装体Aに対しセンター受け動作部61とセンター折曲動作部62とを作動させる(
図15(c))。
【0063】
センター受け動作部61は、略矩形の板状体である。センター受け駆動部63は、センター受け動作部61を動作させる。即ちセンター受け駆動部63によりセンター受け動作部61は、板面を略水平にして横方向へスライドし包装体Aの左右の何れか一方から包装体Aへ向けて迫り出し、包装体AのセンターシールSsと被包装物との間へ上記矩形の一辺(先端辺)を対面させる。
センター受け動作部61は、包装体Aへ当接するものとしてもよく、また包装体Aを積極的に押圧するものとしてもよいが、後述するセンター折曲動作部62による包装体Aの押圧中、センター折曲動作部62との間にて、包装体AのセンターシールSs側を挟むことができれば、包装体Aと直接接触しないものであってもよい。
【0064】
この例では、センター受け駆動部63は、板状体であるセンター受け動作部61の一辺(後端辺)に設けられ且つ貫通部(図示せず。)を備える第1被ガイド体63aと、第1被ガイド体63aの上記貫通部を突き通すように上記貫通部へ嵌められて第1被ガイド体63aの移動をガイドする第1ガイドバー63bと、第1被ガイド体63aに設けられた第1ロッド63cと、流体圧にて第1ロッド63cの先端側を出没させる第1シリンダ63dとを備える(
図12、
図15(b)(c)及び
図16(a))。
第1ロッド63cの先端側は、他(本包装装置100の図示しない構造部分など不動部分)へ固定されて位置を変えず、第1シリンダ63dによる第1ロッド63cの出没により第1シリンダ63d自身が変位する。第1シリンダ63dの当該変位によって第1被ガイド体63aも横方向へ(略水平に)伸びる上記第1ガイドバー63bに沿って移動し、センター受け動作部61を上記の通りスライドさせる。
【0065】
センター折曲動作部62は、略矩形の板状体である。センター折曲駆動部64は、センター折曲動作部62を動作させる。即ちセンター折曲駆動部64によりセンター折曲動作部62は、板面を略水平にして横方向へスライドし包装体Aの左右の他の一方から包装体Aへ向けて迫り出し、包装体AのセンターシールSsと被包装物との間を押圧する。
センター折曲動作部62は、センター受け動作部61による上記対面中、センター受け動作部61の上面に沿って、包装体Aへ向けて上記の通り迫り出し、包装体Aにおけるセンター受け動作部61の押圧位置とセンターシールSsとの間を押圧する。当該押圧にてセンター折曲動作部62は、センター受け動作部61の上面に沿うようセンターシールSs側を曲げ、フィルムシート3の左右両側端部のうちの一方の側端部の外面のセンターシールSs側に、フィルムシート3における当該一方の側端部の外面の被包装物1側へ折り重ねた上記重ね部43を形成する。
【0066】
重ね部43の形成について更に詳しく述べると、センター受け動作部61は第1のステージt1上の包装体Aに対し、トランスファー装置52の搬送方向の上流側へ配置されており、センター受け駆動部63によりセンター受け動作部61は上記搬送方向の下流側へ迫り出し、包装体Aに対し被包装物1より上方の部分に接近する。一方、センター折曲動作部62は、第1のステージt1上の包装体Aに対し、トランスファー装置52の搬送方向の下流側へ配置されており、センター折曲駆動部64により上記搬送方向の上流側へ迫り出し、上記の通り包装体Aの被包装物1より上方の部分を押圧する。尚、この例と異なり、センター折曲動作部62を作動させず本包装装置100の定位置に固定されたものとし、トランスファー装置52の搬送による包装体Aの移動によって包装体Aの上記上方の部分を押圧するものとしても実施できる。この場合作動しないセンター折曲動作部62はセンター折曲補助部であると考えればよい。
重ね部43の形成において、上記のセンター受け動作部61とセンター折曲動作部62によって、包装体AのセンターシールSs付近は上記搬送方向の下流側から上流側へ向けて折られるため、後の押さえ部65への受け渡しや押さえ部65との接触によって搬送自体が重ね部43を(捲る方向ではなく)押さえる方向に作用し、包装体Aの円滑な搬送が行える。
【0067】
この例では、センター折曲駆動部64は、板状体であるセンター折曲動作部62の一辺(後端辺)に設けられ且つ貫通部(図示せず。)を備える第2被ガイド体64aと、第2被ガイド体64aの上記貫通部を突き通すように上記貫通部へ嵌められて第2被ガイド体64aの移動をガイドする第2ガイドバー64bと、第2被ガイド体64aに設けられた第2ロッド(図示せず。)と、流体圧にて当該第2ロッドの先端側を出没させる第2シリンダ(図示せず。)とを備える(
図12、
図15(b)(c)及び
図16(a))。
【0068】
上記第2ロッドの先端側は、他(本包装装置100の図示しない構造部など不動部分)へ固定されて位置を変えず、上記第2シリンダによる上記第2ロッドの出没により上記第2シリンダ自身が変位する。上記第2シリンダの当該変位により、第2被ガイド体64aも、横方向へ(略水平に)伸びる上記第2ガイドバー64bに沿って移動しセンター折曲動作部62を上記の通りスライドさせる。
また、
図13(b)〜(d)へ示す通りトランスファー装置52の搬送方向について、センター折曲動作部62は、上流端側から下流側に向けて漸次高さを低くする傾斜部62aを備える。センター折曲動作部62において傾斜部62aより上記搬送方向の下流側の部位は高さをほぼ一定とする略水平な部分である。
【0069】
傾斜部62aはセンターシールSsを挟んでセンター受け動作部61の上面を円滑にセンター折曲動作部62がスライドするために設けられたものである。
図15(b)(c)及び
図16(a)では、傾斜部65aは省略されており、このように傾斜部65aを設けずに実施してもよい。しかし
図13(b)〜(d)へ示すように傾斜部65aを設けておくことによってセンター折曲動作部62がセンター受け動作部61へ円滑に案内されて上記のスライドをスムーズに行うことができる。
【0070】
(トップ・テール折曲ステップs3)
トップ・テール折曲ステップs3において、トップ・テール折曲装置70により、重ね部43を除いて包装体Aの前後が右又は左に折り曲げられる。この包装体Aの前後の折り曲げによって、折り曲げから除かれた重ね部43の前後が前張出部45と後張出部46として相対的に包装体Aの前後に張り出すことになる。
上記のトップ・テール折曲装置70は、トップ折曲動作部71と、テール折曲動作部72と、横作動装置73と、一対の受け部材75とを備える。
トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の夫々は、略矩形の板状体である。トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の夫々は、縦に配置され、互いに間隔を隔てて平行に並ぶ。
トップ折曲動作部71及びテール折曲動作部72は共に、センター受け動作部61とセンター折曲動作部62とが包装体Aの重ね部43を挟んで掴んでいる間、包装体Aの前後へ向けて迫り出す(
図16(a))。
【0071】
詳しくは、トップ折曲動作部71は、センター折曲動作部62による上記押圧中即ちセンター受け動作部61とセンター折曲動作部62とが包装体Aの重ね部43を挟んで掴んでいる間、上記スライドにて包装体Aの左右の他の一方から包装体Aの前方へ向けて迫り出し、包装体Aの被包装物1(正確には前方のガゼットG)とトップシールToとの間を押圧することにより、上記重ね部43を残して包装体AのトップシールSs側を折り曲げる。
【0072】
テール折曲動作部72も、センター折曲動作部62による上記押圧中即ちセンター受け動作部61とセンター折曲動作部62とが包装体Aの重ね部43を挟んで掴んでいる間、上記スライドにて包装体Aの左右の他の一方から包装体Aの後方へ向けて迫り出し、包装体Aの被包装物1(正確には後方のガゼットG)とテールシールTaとの間を押圧することにより、上記重ね部43を残して包装体AのテールシールTa側を折り曲げる。
【0073】
上記の通り、横作動装置73は、トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72とを一体に駆動し同時に上記折り曲げ動作を行わせるものである。即ち、包装体Aがトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72に挟まれることにて包装体Aの前後の夫々が折り曲げられる。
上記の一対の受け部材75同士は、トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72にて前後を折りこまれる前の包装体Aの前後の間隔よりも小さく且つトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72との間隔よりも若干大きな間隔を開けて、トランスファー装置52の搬送方向に沿って互いに平行に伸びる板状体である(
図12及び
図14)。
【0074】
図16(a)は、第1のステージt1にてトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72が横作動装置73に駆動されて包装体Aへ当接した瞬間を描いている。図示は省略するが、
図16(a)に示す上記当接後、第2のステージt2への包装体Aの移行に伴い、トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72とが更に包装体Aの前後を押圧して折り込んで行く。
【0075】
詳しくは、上記制御部の制御により、トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の包装体Aの上記押圧に伴って、トランスファー装置52は第1のステージt1から第2のステージt2へ向けて包装体Aを移送する。当該移送と上記トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の押圧動作に伴いトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72は互いに対向する上記一対の受け部材75間へ、両受け部材75の対向面に沿って侵入する。包装体Aが受け部材75に当接してトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の押圧にて一対の受け部材75間へ包装体Aが押し込まれ、包装体Aの前後は当該押し込まれる方向と反対側即ちトランスファー装置52の搬送方向と反対側へ円滑に折り込まれる。重ね部43と同様トップシールTo側及びテールシールTa側も上記搬送方向と逆方向へ折られることによって、トップシールTo側及びテールシールTa側が捲れずに折り込まれた状態を維持し受け部材75に押さえられつつスムーズな包装体Aの移動を可能とするのである。
【0076】
この例では、両受け部材75は、第3のステージt3まで伸びている。またこの例ではトランスファー装置52の搬送方向について両受け部材75の上流端側から下流側に向け両受け部材75間の幅が漸次狭くなった案内区間75aを備えており、上記トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の受け部材75間への侵入を円滑に行えるものとしている。
図12へ示す通り両受け部材75同士は、案内区間75aの下流側において略平行に配されている。
【0077】
上記重ね部43に関し、トップ折曲動作部71が折り残した部位は前接続部41を含みトップシールToの下端側よりも前方に張り出す上記前張出部45とされる(
図11(c))。また重ね部43に関し、テール折曲動作部72が折り残した部位は後接続部42を含みテールシールTaの下端側よりも前方に張り出す上記後張出部46とされる。
【0078】
この例では、トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72の後端辺間には連結部74が介され、連結部74にてトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72とは一体になっている。即ち、連結部74とトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72とは平面視において略コの字を呈する。
【0079】
横作動装置73は、この例では、上記連結部74に設けられ且つ貫通部(図示せず。)を備える第3被ガイド体73aと、第3被ガイド体73aの上記貫通部を突き通すように上記貫通部へ嵌められて第3被ガイド体73aの移動をガイドする第3ガイドバー73bと、第3被ガイド体73aに設けられた第3ロッド73cと、流体圧にて第3ロッド73cの先端側を出没させる第3シリンダ73dとを備える(
図12、
図15(b)(c)及び
図16(a))。
【0080】
第3ロッド73cの先端側は、他(本包装装置100の図示しない構造部など不動部分)へ固定されて位置を変えず、第3シリンダ73dによる第3ロッド73cの出没により第3シリンダ73d自身が変位する。第3シリンダ73dの当該変位によって第3被ガイド体73aも横方向へ(略水平に)伸びる上記第3ガイドバー73bに沿って移動し、連結部74と共にトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72とを上記の通り包装体Aに向けて迫り出させる(
図16(a))。
【0081】
上記制御部は、センター折曲装置60及びトップ・テール折曲装置70の上記動作中、トランスファー装置52を停止させるものとしてもよいが、この例では、重ね部形成ステップs2は、第1のステージt1において遂行され、トップ・テール折曲ステップs3の各工程は、上記第1のステージt1から第2のステージt2への移行を伴って遂行される。
上記押さえ部65は、センター折曲動作部62と別体に形成され少なくとも第2のステージt2において(この例では第2のステージt2から第4のステージt4にかけて)包装体Aの移動方向に沿って伸びる板状体であり、略水平に配置されている(
図13(b)〜(d))。
この例において、1枚の押さえ部65は、幅の広い上流側部65aと幅の狭い下流側部65bとにて構成されている(
図14)。詳しくは、トランスファー装置52の搬送方向を長手方向とし当該長手方向と直交する方向を幅方向として、上流側部65aは当該幅方向の大きさが
図1(a)及び
図11(a)へ示す前張出部45と後張出部46とを前後に真っすぐ張り出した包装体Aの前後の幅とほぼ等しく(
図12)、一方下流側部65bの当該幅方向の大きさが前張出部45と後張出部46とを除いた包装体の前後の幅とほぼ同じか若干小さい。上流側部65aは第1のステージt1に配置され、下流側部65bは第2のステージt2から第4のステージt4にかけて配置されている。
尚
図14は、押さえ部65及び載置板53を透視してトランスファー装置52の送り動作部54を描いている。
【0082】
トップ折曲動作部71とテール折曲動作部72は、包装体Aに対しセンター折曲装置60の形成した上記重ね部43を避けて包装体AのトップシールSs側とテールシールTa側とを折り曲げた後、第1シリンダ63dと第2シリンダ64dの夫々が、第1及び第2ロッド63c,64cを縮めセンター受け動作部61とセンター折曲動作部62とを元の位置に戻すのであるが、第2シリンダ64dが第2ロッド64cへ戻す前、センター折曲動作部62による上記押圧中即ちセンター受け動作部61とセンター折曲動作部62とが包装体Aの重ね部43を挟んで掴みトップ折曲動作部71とテール折曲動作部72とが包装体Aの前後の夫々を折り曲げて押さえた状態を維持しつつ、他方においてトランスファー装置52が、包装体Aを押さえ部65のある上記第2のステージt2へ移動させる(
図13(b))。当該移動により押さえ部65は、包装体Aの重ね部43とセンター折曲動作部62との間に介入する。但しこの例では押さえ部65自身は他(本包装装置100の図示しない構造部など不動部分)へ固定されて位置を変えない。
【0083】
押さえ部65の下流側部65bについて略長方形の長辺間の幅即ち上記幅方向の大きさは、上記の通り前張出部45と後張出部46とを除いた包装体の前後の幅とほぼ同じか若干小さく、後述する前後折曲装置80の前折曲動作部81と後折曲動作部82との間の幅よりも小さいものとなっている。
押さえ部65の上記介入後、センター折曲動作部62は、重ね部43を形成した上記包装体Aを離れ元の位置に戻る。
センター折曲動作部62が元の位置に戻って重ね部43から離れても、包装体Aの上部を押さえていることにて、押さえ部65はセンターシールSsについて元の状態に戻ることを阻止され、包装体Aにおいて重ね部43を維持させる。
トップ・テール形成装置70によるトップシールTo側とテールシールTa側の上記折り込みが完了し上記前張出部45と後張出部46とが形成された包装体Aについて、上記制御部の制御によって第2のステージt2から第3のステージt3へ搬送される。
当該搬送は同時に後続の包装体Aへのトップ・テール折曲装置70による上記折込り時の第1のステージt1から第2のステージt2の搬送も伴うものでありまた同時に、先行する包装体Aの第3のステージt3から第4のステージt4への搬送も伴い、更に先行する第4のステージt4から出口コンベヤ59への搬出も伴うものである。
換言すると上記制御部の制御によりトランスファー装置52は、第1のステージs1乃至第4のステージs4の全ステージでの包装工程の完了を待って各ステージ間の上記の搬送を行う。
【0084】
(固着部準備ステップs4)
固着部準備ステップs4において、前後固着装置90により、前張出部45及び後張出部46夫々の下面へホットメルト用の接着剤が塗布される。この例では、固着部準備ステップs4は、第3のステージt3上の包装体Aに対して遂行される。但し、前張出部45と後張出部46とが形成された包装体Aに対し、センター受け動作部61とセンター折曲動作部62が元の位置に離脱した後であれば第2のステージt2にて固着部準備ステップs4を遂行するものとしても良い。
上記の前後固着装置90は、前固着動作部91と、後固着動作部92と、前固着駆動部(図示せず。)と、後固着駆動部(図示せず。)とを備える(
図16(c))。
包装体の前張出部45及び後張出部46に設ける前述の前後の固着部47,48は、この例ではホットメルト用の接着剤にて形成されたホットメルト部である。従ってここでは当該ホットメルト部の包装体Aへの形成について説明する。
【0085】
前固着動作部91は、上記ホットメルト用の接着剤を包装体Aの上記前張出部45の下面へ向けて吐出するノズル(ホットメルトノズル)を吐出部として備える。図示は省略するが、前固着動作部91は、発熱部を備え固形の接着剤を溶かして噴射する。また上記前固着駆動部は、ロッド部(前ロッド部)と当該前ロッド部を流体圧にて出没させるシリンダ部(前シリンダ部)とを備え、当該前ロッド部の伸縮により、前固着動作部91を上記前張出部45の下面に対し接近・離反させることができる。但し、前固着動作部91の上記接近・離反の動作が可能であれば、上記前固着駆動部は上記ロッド部とシリンダ部以外の周知の構成を採るものであってもよい。
【0086】
上記制御部の制御により、横作動装置73が、テール折曲動作部72と共にトップ折曲動作部71を作動前の位置に戻すと、上記前固着駆動部は、後述する前後折曲装置80による前張出部45の折り曲げ前に、前固着動作部91を上記前張出部45の下面へ接近させ、前固着動作部91による上記接着剤の上記前張出部45の下面への付着後前固着動作部91を前後折曲装置80による折り曲げ動作の邪魔にならない元の位置へ後退させる。
【0087】
後固着動作部92は、上記ホットメルト用の接着剤を包装体Aの上記後張出部46の下面へ向けて吐出するノズル(ホットメルトノズル)を吐出部として備える。図示は省略するが、後固着動作部92も、発熱部を備え固形の接着剤を溶かして吐出する。また上記後固着駆動部も、ロッド部(後ロッド部)と当該後ロッド部を流体圧にて出没させるシリンダ部(後シリンダ部)とを備え、当該後ロッド部の伸縮により、後固着動作部92を上記後張出部46の下面に対し接近・離反させることができる。但し、後固着動作部92の上記接近・離反の動作が可能であれば、上記前固着駆動部は上記ロッド部とシリンダ部以外の周知の構成を採るものであってもよい。
【0088】
上記制御部の制御により、横作動装置73が、トップ折曲動作部71と共にテール折曲動作部72とを作動前の位置に戻すと、上記後固着駆動部は、後述する前後折曲装置80による後張出部46の折り曲げ前に、後固着動作部92を上記前張出部46の下面へ接近させ、後固着動作部92による上記接着剤の上記後張出部46の下面への付着後後固着動作部92を前後折曲装置80による折り曲げ動作の邪魔にならない元の位置へ後退させる。
但し、前張出部45と後張出部46への上記接着剤の塗布のみ第3のステージt3で行い、第4のステージt4へ包装体Aを搬送した後に次の固着部形成ステップs5を実施することもできる。このように第4のステージt4で固着部形成ステップs5を実施するのであれば、前固着動作部91と後固着動作部92とを上記のように後退させる必要はなく、この場合上記前固着動作部と後固着動作部とを設けずに実施してもよい。
【0089】
(固着部形成ステップs5)
固着部形成ステップs5において、前後折曲装置80は、固着準備ステップs4にて接着剤を塗布した前張出部45と後張出部46とを、下方へ折り曲げ包装体Aの前面2aと後面2bの夫々へ接着剤を介して固着することで上記前固着部47と後固着部48とを形成し包装体を完成させる(
図11(e)(f)(g))。
この例では、固着部準備ステップs4完了後の上記第3のステージt3上にて固着部形成ステップs5が実行される。
上記の前後折曲装置80は、前折曲動作部81と、後折曲動作部82と、上下作動装置83とを備える(
図17(a))。
前折曲動作部81と後折曲動作部82の夫々は、略矩形の板状体である。前折曲動作部81と後折曲動作部82の夫々は、縦に配置され、互いの間に間隔を隔てて平行に並ぶ。
【0090】
詳しくは、上記制御部の制御により、上記前固着駆動部と後固着駆動部が、前固着動作部91及び後固着動作部92を上記前張出部45及び後張出部46の下面に接近した状態から元の位置に退避させると、前折曲動作部81は包装体Aの上方から包装体Aの前方へ向けて降下して迫り出し包装体Aの上記前張出部45を折り曲げ、後折曲動作部82も、前折曲動作部81と共に包装体Aの上方から包装体Aの後方へ向けて降下して迫り出し包装体Aの上記後張出部46を折り曲げる。
即ち、上下作動装置83は、前折曲動作部81と後折曲動作部82とを一体に駆動し同時に上記折り曲げ動作を行わせる。
重ね部43を押さえている押さえ部65については、第3のステージt3に対し上記幅方向の大きさを上流側部65aより前述の通り小さなものとする下流側部65bが配置されており、前固着動作部91及び後固着動作部92の上記降下を邪魔しない。
【0091】
上記制御部の制御により、前折曲動作部81と後折曲動作部82は共に、センター受け動作部61とセンター折曲動作部62とが包装体Aの重ね部43とが元の位置に戻った後、押さえ部65に包装体Aの重ね部が押さえられている間、包装体Aの上方から降下し包装体Aの前後へ向けて迫り出すことを上記折り曲げ動作として行う。
【0092】
この例では、前折曲動作部81と後折曲動作部82の後端(上端)辺間には副連結部84が介され、副連結部84にて前折曲動作部81と後折曲動作部82とは一体になっている。即ち、副連結部84と前折曲動作部81と後折曲動作部82とは側面視において略コの字を呈する。
上下作動装置83は、第4被ガイド体83aと、第4被ガイド体83aの貫通部を突き通すように当該貫通部へ嵌められて上下に伸び第4被ガイド体83aの移動をガイドする第4ガイドバー83bと、第4被ガイド体83aに設けられた第4ロッド(図示せず。)と、流体圧にて当該第4ロッドの先端(上端)側を出没させる第4シリンダ(図示せず。)とを備える(
図17(a))。
【0093】
上記第4ロッドの先端側は、他(本包装装置100の図示しない構造部など不動部分)へ固定されて位置を変えず、上記第4シリンダによる上記第4ロッドの出没により上記第4シリンダ自身が上下に変位する。上記第4シリンダの当該変位によって第4被ガイド体83aも上下方向へ(縦方向に)伸びる上記第4ガイドバー83bに沿って移動し、副連結部84と一体に前折曲動作部81と後折曲動作部82の夫々を上記の通り降下させる。
【0094】
前折曲動作部81と後折曲動作部82の上記降下により、包装体Aの前後の張出部45,46は上記の通り折り曲げられて、包装体Aの前面2a及び後面2bの夫々へホットメルト用の上記接着剤を介して圧着され、上記前固着部47と後固着部48が包装体Aへ形成される。
固着部形成ステップs5が完了した包装体は、上記トランスファー装置52の搬送動作にて第3のステージt3から第4のステージt4へ移動する(
図13(b))。上記制御部の制御によりトランスファー装置52は、第4のステージt4へ搬送された包装体を、後続の各包装体Aに対し第1のステージt1乃至第3の各ステージt3における各上記ステップの終了に伴い、出口コンベヤ59へ移動させるのである(
図13(c))。そして送り部の入口コンベヤ50にて第1のステージt1へ新たに包装体Aが送り込まれる(
図13(d))。
この例では、本発明の目的とする包装体は、第3のステージt3にて完成するものであり、第4のステージt4では特に包装に関する工程が遂行されるものではない(
図17(b))。従って第4のステージt4を設けず第3のステージt3から直ちに出口コンベヤ59へ移行するものとしてもよいが、第4のステージt4を設定することによって、包装の上記各工程を遂行する各装置に取り囲まれて確認し難い包装体を当該各装置から露出させ、完成した当該包装体を最終的に出口コンベヤ59にて他へ送り出す前に、作業者の目視し易い状態とすることができる。
【0095】
(小括)
重ね部43の形成によっても被包装物1と包装体上部のフィルムシートとの間に空間を確保するものとし、被包装物1と包装体上部のフィルムシートとは接触しないものとしておく。上記空間が狭いものであっても、センターシールを含む重ね部や二重にされたトップシールとテールシールとによって、被包装物の上部は確実に保護されるのである。
尚、被包装物1として、「シュークリーム」を例に挙げて説明したが、被包装物としては、少なくとも上部がフィルムと可及的に接触せず又はフィルムによって内方に押圧されたくない物、例えば、農産物である「しめじ」であってもよく、或いはやきそばパンなどの「調理パン」、「おむすび」やその他の物品であってもよい。また、上部がフィルムと可及的に接触せず又はフィルムによって内方に押圧されたくない物以外の物であっても、前記同様の形態に包装することができる。
【0096】
(変更例)
上記において、ホットメルトされてホットメルト部とした包装体の上記前後の固着部47,48は、ホットメルトに代えヒートシールによるヒートシール部とすることができる。固着部47,48を上記ヒートシール部とする場合、前固着動作部91と、後固着動作部92とは、夫々フィルムシート3をヒートシールするに必要な熱を発熱するスポットシールヒータなどの周知の発熱体を、上記ノズルに代えて備えるものとする(
図17(c))。
当該発熱体としては、通電にて発熱する電熱線その他の周知の手段を採用すればよい。
【0097】
板状の前折曲動作部81と後折曲動作部82の夫々は表裏の板面間を連絡する、貫通孔又は切欠部といった連絡部85を備える。前折曲動作部81と後折曲動作部82の上記折り曲げ動作に伴い、前固着動作部91と後固着動作部92とが前固着駆動部93と後固着駆動部94(
図17(c))作動により、当該連絡部の夫々を通じて、折り曲げられた前張出部45と後張出部46の夫々へ当接し前張出部45と後張出部46とを加熱することで、前張出部45と後張出部46とを包装体Aの前面2aと後面2bの夫々へヒートシールする。
包装体の固着部47,48を上記のヒートシール部とする場合、固着部準備ステップs4は不要であり、トップ・テール折曲ステップs3遂行後直ちに固着部形成ステップs5へ移行するものとすればよい。
この他、前折曲動作部81と後折曲動作部82の夫々に、直接発熱体を設け、前折曲動作部81と後折曲動作部82による包装体Aの前張出部45と後張出部46の折り曲げと共に当該発熱体の発熱により前固着部47と後固着部48を包装体Aへ形成するものとしてもよいのである。
【0098】
また、本包装装置100において、先端を固定されている第1〜第4ロッド63c,73cを伸縮させることによって、第1〜第4シリンダ63d,73d自身が変位するものとしたが、逆に第1〜第4シリンダ63d,73dの先端側に第1〜第4ガイド体63a,64a,73a,83aを設け、第1〜第4シリンダ63d,73dを他(本包装装置100の図示しない構造部分など不動部分)へ固定するものとしても実施できる。また、このような固定部位の変更も第1〜第4シリンダ63d,73dについて上記の通り一律に行う他、必要に応じ第1〜第4シリンダ63d,73dの夫々について個々別々に変更するものとしてもよい。
【0099】
本包装装置100の、トランスファー装置52とセンター折曲装置60とトップ・テール折曲装置70と前後折曲装置80と前後固着装置90の上記各駆動部は上記シリンダと(ピストン)ロッドを用いた機構に限定するものではなく、周知の他の機構を駆動手段として採用することも可能である。
図示した例では、第1のステージt1において重ね部形成ステップs1を実行し、第1のステージt2及び第2のステージt2においてトップ・テール折曲ステップs2を実行し、第3のステージt3において、固着部準備ステップs4及び固着部形成ステップs5を実行するものとしたが、上記各ステージにおいて遂行するステップの夫々は変更して実施してもよい。
【0100】
また、特許請求の範囲の請求項6における「先行する下流側ステージから搬出」される包装体Aと、「後続の下流側ステージへ搬入」される包装体Aとは同一のものであってもよいし異なるものであってもよく、異なるものとする場合、「先行する包装体の下流側ステージからの搬出」されて直ちに移行する直後のステージは、「後続の包装体の下流側ステージへの搬入」されるステージとは別のステージであり、このような別のステージを通過した後、包装体Aは「後続の包装体の下流側ステージへの搬入」されるものとすることができる。
【0101】
また前包装装置Bにおいて、皺取りガイド26は、把持装置21,22へ備えられるものとしたが、この他、皺取りガイド26の夫々は、把持装置21,22とは別に設けられ、把持装置21,22と独立して開閉できるものとしてもよい。
また、上記の皺取りが円滑に行えるものであれば、ブロック28の上記上流側にのみ設けるものとしてもよい。
【0102】
尚、上述した前包装装置Bにおいて、テールシール装置15(シール手段15a)とトップシール装置14(シール手段15a)と切断装置Cuの夫々は、1対のブロック28の夫々に設けられ一体に作動するものとしたが、各装置は夫々独立したブロックに設けるものとしても実施できる。
図1の例では、センターシールSsと被包装物1との間に隙間空間Suを備える包装体Aを示したが、トップシールTo及びテールシールTaの左右側面と面一となる起立したセンターシールSsを形成するものであればよく、
図1の例において隙間空間Suを備えない包装体Aを形成するのを排除するものではない。
【0103】
(その他)
本発明に係る包装体の特に好ましい例を
図18〜
図27へ示す。この例は、全体を透明なフィルムシートにて構成された視認性の高いものであり、シュークリームなど購買意欲を喚起する上で特に外観を重要視する、菓子の包装に適するものである。
一方この例の包装体については、センターシールSsを折り畳まれた状態に固定されて全体が略直方体を呈しており、纏まり感があり、
図1へ示す包装体Aの鶏冠のように立ち上がって菓子から離れたセンターシールSsへ目を奪われることなく、視線を被包装物である菓子に集めることができる(
図26及び
図27)。畳まれ菓子の近傍において包装体の前後に伸びる1本の上記センターシールSsがアクセントとなり上記の通り菓子に視線を集めることができる装飾性の高いものである。