特開2020-186502(P2020-186502A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-186502(P2020-186502A)
(43)【公開日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】夜光織物、その製造方法及び応用
(51)【国際特許分類】
   D06M 11/45 20060101AFI20201023BHJP
   D03D 15/00 20060101ALI20201023BHJP
   D06M 11/44 20060101ALI20201023BHJP
   D06M 23/08 20060101ALI20201023BHJP
   D06M 15/643 20060101ALI20201023BHJP
   D01F 6/92 20060101ALI20201023BHJP
   A41D 31/00 20190101ALI20201023BHJP
   A41D 31/04 20190101ALI20201023BHJP
   A47G 27/02 20060101ALI20201023BHJP
   A47G 9/02 20060101ALI20201023BHJP
【FI】
   D06M11/45
   D03D15/00 E
   D03D15/00 102Z
   D06M11/44
   D06M23/08
   D06M15/643
   D01F6/92 301M
   A41D31/00 502B
   A41D31/04 Z
   A41D31/00 502Z
   A41D31/00 503Z
   A47G27/02 108
   A47G9/02 K
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-128222(P2019-128222)
(22)【出願日】2019年7月10日
(31)【優先権主張番号】201910406538.5
(32)【優先日】2019年5月16日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516120434
【氏名又は名称】青▲島▼永利良品国▲際▼▲貿▼易有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】戴 海涌
【テーマコード(参考)】
3B102
3B120
4L031
4L033
4L035
4L048
【Fターム(参考)】
3B102BA04
3B102BA12
3B120AA05
3B120AA19
3B120AC10
3B120BC03
3B120EB30
4L031AA02
4L031AA18
4L031AB32
4L031BA09
4L031DA00
4L033AA02
4L033AA07
4L033AB05
4L033AC15
4L033CA59
4L033CA69
4L033CA70
4L035AA05
4L035DD20
4L035GG03
4L035JJ30
4L035KK06
4L048AA08
4L048AA20
4L048AA56
4L048AB05
4L048AC01
4L048CA00
4L048DA01
4L048DA16
4L048EB00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】夜光材料を効果的に保護でき、夜光材料と織物間の結合の堅牢度を確保することができる夜光織物、及び、その製造方法の提供。
【解決手段】希土類長期間夜光粉末と織物繊維を複合させる方法であって、具体的に、希土類長期間夜光粉末、バインダ、増粘剤及び純水を混合することによって蓄光捺染スラリーを得るステップと、蓄光捺染スラリーを織物繊維の表面に塗布した後に高温蒸発を行って、織物半製品aを得るステップと、織物半製品aに対し定型処理を行って夜光織物を得るステップを含み、または、織物繊維基材を溶融し希土類長期間夜光粉末と混合させ紡糸を行い、夜光糸を得て、夜光糸を製織した後に乾燥蒸発を行い、織物半製品bを得、織物半製品bに対し定型処理を行い、夜光織物を得るステップを含む、夜光織物の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類長期間夜光粉末と織物繊維を複合させ、具体的に、
(1)希土類長期間夜光粉末、バインダ、増粘剤及び純水を混合することによって蓄光捺染スラリーを得るステップと、
(2)蓄光捺染スラリーを織物繊維の表面に塗布した後に高温蒸発を行い、織物半製品aを得るステップと、
(3)織物半製品aに対し定型処理を行い、夜光織物を得るを含み、
または、
(i)織物繊維基材を溶融し希土類長期間夜光粉末と混合させ紡糸を行い、夜光糸を得て、
(ii)夜光糸を製織した後に乾燥蒸発を行い、織物半製品bを得、
(iii)織物半製品bに対し定型処理を行い、夜光織物を得るステップを含むことを特徴とする夜光織物の製造方法。
【請求項2】
前記織物繊維はポリエステル繊維またはポリエステル繊維と綿繊維の混紡繊維であり、ポリエステル繊維と綿繊維の混紡重量%が65〜70:35〜30であることを特徴とする請求項1に記載の夜光織物の製造方法。
【請求項3】
ステップ(1)では、前記希土類長期間夜光粉末、バインダ、増粘剤及び純水の重量%が1〜1.5:15〜20:5〜7:72〜79であり、前記純水の導電率が0.1μs/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の夜光織物の製造方法。
【請求項4】
ステップ(2)では、前記蓄光捺染スラリーの織物繊維表面の塗布厚さが100〜130μmであり、前記高温蒸発の温度が175〜185℃であり、時間が1〜3minであることを特徴とする請求項1に記載の夜光織物の製造方法。
【請求項5】
ステップ(3)では、織物半製品aを0.5〜0.7g/Lのリンゴ酸、5〜6g/Lのシリコーンオイルでパッドし、かつ150〜160℃/30m/minの条件下で定型処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の夜光織物の製造方法。
【請求項6】
ステップ(i)では、前記希土類長期間夜光粉末と織物繊維基材の重量%が6〜8:94〜92であることを特徴とする請求項1に記載の夜光織物の製造方法。
【請求項7】
ステップ(ii)では、前記乾燥蒸発における乾燥の温度が150〜160℃であり、製織した糸を2%以下の含水率で乾燥し、前記乾燥蒸発における蒸発の温度が130〜140℃であり、蒸発の圧力が3〜3.5kg/cmであることを特徴とする請求項1に記載の夜光織物の製造方法。
【請求項8】
ステップ(iii)では、織物半製品bを0.4〜0.5g/Lのリンゴ酸、4〜5g/Lのシリコーンオイルでパッドし、かつ140〜145℃/30m/minの条件下で定型処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の夜光織物の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法によって得られる夜光織物。
【請求項10】
請求項9に記載の夜光織物の服装、布団カバー、フェルト、クッション和カーペット中での応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績分野に属し、具体的には夜光織物、その製造方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活では普通の織物が光照射の条件下でその表面の図案が見えるが、光照射のない夜では、織物上の美しい図案が見えない。夜光設計製品は光の変更に従い図案パターンも変え、即ち光照射の無い場合でも光っている図案も見えるので、このような製品に特別な視覚効果を与える。同時に製品の価値も服装製品や家庭用品の品質も向上し、人々の生活を豊かにする。
従来の発光織物では、より広い普及を制限する欠点がある。
1、発光材料の安定性が低く、発光継続時間が短い。
2、発光材料と織物の結合の堅牢度が低く、使用過程中に発光材料が剥がれて少なくなり、発光効果に悪影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
従来技術に存在している欠点を解決するために、本発明では夜光織物、その製造方法及び応用を提供する。前記製造方法によれば、夜光材料を効果的に保護できるだけでなく、夜光材料と織物間の結合の堅牢度を確保することができ、暗い条件下でも夜光織物が効果的に発光し織物表面から剥がれにくい。
【0004】
本発明は以下のような夜光織物の製造方法を提供する。主に、希土類長期間夜光粉末と織物繊維を複合させる。それは2つの方法を含み、第1の方法としては、具体的に、
(1)希土類長期間夜光粉末、バインダ、増粘剤及び純水を混合することによって蓄光捺染スラリーを得るステップと、
(2)蓄光捺染スラリーを織物繊維の表面に塗布した後に高温蒸発を行い、織物半製品aを得るステップと、
(3)織物半製品aに対し定型処理を行い、夜光織物を得る。
第2の方法としては、具体的に、
(i)織物繊維基材を溶融し希土類長期間夜光粉末と混合させ紡糸を行い、夜光糸を得て、
(ii)夜光糸を製織した後に乾燥蒸発を行い、織物半製品bを得て、
(iii)織物半製品bに対し定型処理を行い、夜光織物を得る。
【0005】
本発明で使用される希土類長期間夜光粉末はアルカリ土類アルミン酸塩型長残光発光材料であり、太陽光または照射光の光エネルギーを吸収して格子中に蓄積し、暗い場所に光エネルギーに変換し放出可能であるので、暗場所継続発光の作用を有する。希土類長期間夜光粉末と織物繊維を複合させた後、染色仕上加工処理を経って、暗い条件下でも発光可能な夜光織物を得る。
【0006】
第1の方法では、発明者は織物繊維の地色の発光にする影響が大きいことを始めに発見した。その内に、白い地色、淡色地色及び濃色地色の輝度がその順に低くなり、それは、白い織物繊維の光線反射作用が浅色織物繊維及び淡色織物繊維よりも大きく、浅い地色織物繊維が発光材料から放出した光の一部を吸収し、深地色織物繊維の吸収作用がより大きいので発光輝度が低くなるからである。従って、織物繊維の地色が白いではない場合に、蓄光捺染スラリーを塗布する前に1層の白い捺染スラリーを下地として塗布して色分け組網する必要がある。即ち、淡色織物上に捺染する場合に、まず白い下地を塗布してから蓄光捺染スラリーを塗布することによって、コントラスト及び発光輝度が向上し、発光効果を確保できる。
【0007】
次に、蓄光捺染スラリーを他の色と共に重ねて塗布すると、重なる箇所に遮光及び吸光作用が発生し、暗い場合の夜光織物の発光効果に悪影響を与える。蓄光捺染スラリーを他の染料や塗料と共に捺染しようとすると、蓄光発光効果を確保するために、まず蓄光捺染スラリーの捺染型や捺染ローラの色番号の配列順序を調整し、一般的に染料や塗料色番号を先行して、蓄光捺染スラリーを塗布し、蓄光捺染スラリーを他の塗料や捺染スラリー上に重ねて塗布すると、さらなる他の塗料色モノレタノレで覆われると、発光効果に悪影響を与える。多色刷り印刷での色番号については、最後に蓄光捺染スラリーを塗布することになる。
【0008】
また、希土類長期間夜光粉末の安定性によって蓄光捺染スラリーの品質に支配的に作用することも発見したが、希土類長期間夜光粉末それ自身の構造が外部光エネルギーあるいは他の条件の変更に従い変更するので、一般的に希土類長期間夜光粉末の強電解質、鉛、カドミウム、コバルト等の重金属イオンに対する耐性が高くなく、水で長い期間置くと無機塩部分の溶解も発生し、結晶構造が破壊され、発光能力が無くなる。そこで、織物の好適な発光効果を確保するために、蓄光捺染スラリー中に他の物質を混入せずに、良い印刷適性を確保し、スラリー調製過程中に強電解質及び重金属イオンの混入を避けて、スラリー品質を確保し、捺染スラリーの良い印刷適性を確保するために、一般的に蓄光捺染スラリーを現場で調製するが、調製した蓄光捺染スラリーを6〜8時間内に用い切り、長い期間放置しないように注意すべきである。使用する純水は水中の不純物の悪影響を避けるために導電率が0.1μs/cm以下である。最後に、試験による検討が重なった結果、80〜100メッシュのナイロンスクリーンで塗布捺染すると、良いスラリー供給量及び印刷適性を得る。
【0009】
前記織物繊維がポリエステル繊維またはポリエステル繊維と綿繊維の混紡繊維であり、ポリエステル繊維と綿繊維の混紡重量%が65〜70:35〜30であることが好ましい。ステップ(1)では、前記希土類長期間夜光粉末、バインダ、増粘剤及び純水の重量%が1〜1.5:15〜20:5〜7:72〜79であることが好ましい。
【0010】
ステップ(2)では、前記蓄光捺染スラリーの織物繊維表面の塗布厚さが100〜130μmであり、前記高温蒸発の温度が175〜185℃であり、時間が1〜3minであることが好ましい。
【0011】
具体的には、蓄光捺染スラリーの捺染過程中の捺染温度が150〜160℃である。特に、ロータリスクリーン捺染プロセスの場合に、厚さ16〜18μm、速度40〜50m/minのパラメータで捺染を行う。
【0012】
ステップ(3)では、織物半製品aを0.5〜0.7g/Lのリンゴ酸、5〜6g/Lのシリコーンオイルでパッドし、かつ150〜160℃/30m/minの条件下で定型処理を行うことが好ましい。
【0013】
第2の方法では、希土類長期間夜光粉末と織物繊維基材を溶融し糸を紡糸し、且つ編みまたは織りの染織やジャカードプロセスによって生地を製織する。尚、夜光捺染箇所を表現するために点状に間隔を置いて製織すると、点ごとに発光する効果が得られる。ステップ(i)では、前記希土類長期間夜光粉末と織物繊維基材の重量%が6〜8:94〜92であることが好ましい。
【0014】
ステップ(ii)では、前記乾燥蒸発における乾燥の温度が150〜160℃であり、製織した糸を2%以下の含水率で乾燥し、前記乾燥蒸発における蒸発の温度が130〜140℃であり、蒸発の圧力が3〜3.5kg/cmであることが好ましい。
【0015】
ステップ(iii)では、織物半製品bを0.4〜0.5g/Lのリンゴ酸、4〜5g/Lのシリコーンオイルでパッドし、かつ140〜145℃/30m/minの条件下で定型処理を行うことが好ましい。
【0016】
同様の技術思想に基づき、本発明は上記の方法で製造される夜光織物を更に提供し、該夜光織物を服装、布団カバー、フェルト、クッション及びカーペット中に応用することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
本発明の夜光織物の製造方法によれば、夜光材料である希土類長期間夜光粉末と織物繊維を複合させ、夜光材料を効果的に保護できるだけでなく、夜光材料と織物間の結合の堅牢度を確保でき、暗い条件下でも夜光織物が効果的に発光し織物表面から剥がれにくい。そして、相関の検出を行った結果、得られた夜光織物の堅牢度指標、耐候性、服用性能及び暗い条件下の発光能力がそれぞれ高い標準に達した。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、本発明の実施例や従来技術中の技術手段をより明らかに説明するために、実施例や従来技術の説明に必要とする図面を簡単に説明するが、もちろん、以下説明する図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をせずにこれらの図面に基づき他の図面を得ることができるのは言うまでもない。
図1】夜光織物の昼(左)及び夜(右)条件下の発光効果を示す模式図である。
図2】夜光織物の昼(左)和微灯(右)条件下の発光効果を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術手段及び利点をより明らかにするために、以下本発明の技術手段を詳しく説明する。当然のことであるが、説明する実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明中の実施例に基づき、当業者であれば、創造的な労働をせずに得られた他の実施形態も全て本発明の保護範囲に含まれる。
実施例1
【0020】
本実施例では、
(1)希土類長期間夜光粉末、バインダ、増粘剤及び純水を1:15:5:72の重量%で混合し、ただし純水の導電率が0.1μs/cmであり、蓄光捺染スラリーを得るステップと、
【0021】
(2)蓄光捺染スラリーを80メッシュのナイロンスクリーンでテリレンと綿混紡織物繊維の表面に塗布し捺染を行い、ただしテリレンと綿繊維の混紡重量%が70:30であり、スクリーン厚さが16μmで、捺染温度が150℃で、捺染速度が40m/minで、且つ捺染厚さが100μmであり、捺染完了すると175℃で3min蒸発し、織物半製品aを得るステップと、
【0022】
(3)織物半製品aを0.5g/Lのリンゴ酸、5g/Lのシリコーンオイルでパッドし、且つ150℃/30m/minの条件下で定型処理を行い、夜光織物を得るステップと、を含む夜光織物の製造方法を提供する。
実施例2
【0023】
本実施例では、
(1)希土類長期間夜光粉末、バインダ、増粘剤及び純水を1.5:20:7:79の重量%で混合し、ただし純水の導電率が0.08μs/cmであり、蓄光捺染スラリーを得るステップと、
【0024】
(2)蓄光捺染スラリーを100メッシュのナイロンスクリーンでテリレンと綿混紡織物繊維の表面に塗布し捺染を行い、ただしテリレンと綿繊維の混紡重量%が65:35で、スクリーン厚さが18μmで、捺染温度が160℃で、捺染速度が50m/minで、捺染厚さが130μmであり、捺染完了すると185℃で1min蒸発し、織物半製品aを得るステップと、
【0025】
(3)織物半製品aを0.7g/Lのリンゴ酸、6g/Lのシリコーンオイルでパッドし、かつ160℃/30m/minの条件下で定型処理を行い、夜光織物を得るステップと、を含む夜光織物の製造方法を提供する。
実施例3
【0026】
本実施例では、
(i)テリレンの組成原料基材であるポリエステル繊維(PET)を溶融して希土類長期間夜光粉末と94:6の重量%で混合し紡糸を行い、夜光糸を得て、
(ii)夜光糸を編み製織し、完了すると150℃条件下で2%の含水率で乾燥し、そして温度130℃、圧力3.5kg/cmで蒸発し、織物半製品bを得て、
【0027】
(iii)織物半製品bを0.4g/Lのリンゴ酸、4g/Lのシリコーンオイルでパッドし、且つ140℃/30m/minの条件下で定型処理を行い、夜光織物を得るステップを含む夜光織物の製造方法を提供する。
実施例4
【0028】
本実施例では、
(i)テリレンの組成原料基材であるポリエステル繊維(PET)を溶融して希土類長期間夜光粉末と92:8の重量%で混合し紡糸を行い、夜光糸を得て、
(ii)夜光糸を織り製織し、完了すると160℃条件下で1.5%の含水率で乾燥し、そして温度140℃、圧力3kg/cmで蒸発し、織物半製品bを得て、
【0029】
(iii)織物半製品bを0.5g/Lのリンゴ酸、5g/Lのシリコーンオイルでパッドし、且つ145℃/30m/minの条件下で定型処理を行い、夜光織物を得るステップを含む夜光織物の製造方法を提供する。
次に実施例1〜4で得られた夜光織物の堅牢度を測定し、結果を表1に示す。
【0030】
次に、以上のデータに基づき、実施例1〜4で得られた夜光織物により厳しい洗濯測定を行い、常温の水で10時間浸漬した後、日本の家庭洗濯JIS L 1930C4M法で10次洗濯吊り乾燥して測定を行い、4組の夜光織物の測定結果が全て良好である。
【0031】
さらに、実施例1〜4で得られた夜光織物の耐候性及び日焼け耐性堅牢度を測定し、それぞれ良好な結果を得て、湿潤環境や強い光照射場合でも、発光効果が顕著に変更しなかったこと、室外で継続的に1ヶ月風雨や直射日光にさらされた後に測定を行い、夜光発光輝度に顕著な悪影響が与えられなかったことを発見した。
【0032】
実施例1〜4で得られた夜光織物を使用し1000枚の半袖服装を製造し試験着用して、三ヶ月後に検出した結果、暗い条件下で輝度の良好な服装の割合が47.82%であり、輝度がやや低減した服装の割合が43.74%であり、輝度が顕著に低減した服装の割合が8.44%であった。さらに検討した結果、汗の侵食が輝度変更に影響を与える要因になるので、発汗の多い使用者であれば良く洗濯する必要がある。
【0033】
最後に、日本「一般財団法人紡検品質評価機構」にて実施例1〜4で得られた夜光織物の「発光時間」性能を測定した結果、D65光源で5分照射した後、実施例1〜4で得られた夜光織物がそれぞれ継続的に約30分発光し、直感的に前記夜光織物の暗闇及び微灯の条件下の発光効果を表現し、本発明の夜光織物をそれぞれ光線十分の昼、光線不足の微灯および光線の無い夜の条件下で置き比較した効果がそれぞれ図1図2に示される。
結び:実施例1〜4で得られた夜光織物の堅牢度指標、耐候性、服用性能及暗い条件下の発光能力がそれぞれ高い標準に達した。
【0034】
以上のように、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明の保護範囲がこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の技術範囲内に容易に想到した変更や置換もすべて本発明の保護範囲に含まれる。そこで、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲によって示される。
図1
図2