【解決手段】信号処理装置4は、複数の送信アンテナ23と複数の受信アンテナ31との組み合わせにより生成される複数の仮想アンテナごとの受信信号の位相情報を取得する取得部46と、前記送信アンテナから送信される送信波が物標に至る往路において前記送信アンテナ間に生じる第1位相差を前記位相情報に基づき算出する第1算出部と、前記物標で反射された反射波が前記受信アンテナに至る復路において前記受信アンテナ間に生じる第2位相差を前記位相情報に基づき算出する第2算出部と、前記第1位相差と前記第2位相差とに基づき前記往路と前記復路とが一致しているか否かを判定する判定部と、を備える。
前記第1算出部は、所定の前記受信アンテナに対して異なる前記送信アンテナを組み合わせて生成した複数の前記仮想アンテナ間の前記位相情報の比較により前記第1位相差を算出し、
前記第2算出部は、所定の前記送信アンテナに対して異なる前記受信アンテナを組み合わせて生成した複数の前記仮想アンテナ間の前記位相情報の比較により前記第2位相差を算出する、請求項1に記載の信号処理装置。
前記判定部は、同一のアンテナ間距離の位相差とした場合の前記第1位相差と前記第2位相差とに基づき、前記往路と前記復路とが一致しているか否かを判定する、請求項1又は2に記載の信号処理装置。
前記判定部は、複数の前記第1位相差の平均値と、複数の前記第2位相差の平均値とに基づき前記往路と前記復路とが一致しているか否かを判定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の信号処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
<1.レーダ装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置1の構成を示す図である。レーダ装置1は、例えば車両、ロボット、航空機、船舶などの移動体に搭載することができる。本実施形態では、レーダ装置1は、例えば自動車などの車両に搭載される。以下、レーダ装置1が搭載されている車両のことを自車両と表現する。
【0019】
レーダ装置1は、他の車両、標識、ガードレール、人などの、自車両の周囲に存在する物標を検知するために用いられる。物標の検知結果は、自車両の記憶装置や、自車両の挙動を制御する車両ECU(Electrical Control Unit)5などに対して出力される。物標の検知結果は、例えば、PCS(Pre-crash Safety System)やAEBS(Advanced Emergency Braking System)などの車両制御に用いられる。
【0020】
図1に示すように、レーダ装置1は、複数の送信部2と、受信部3と、信号処理装置4とを備える。なお、レーダ装置1は、いわゆるMIMO(Multi Input Multi Output)レーダ装置である。また、本実施形態では、好ましい形態として、レーダ装置1は、周波数が連続的に増加または減少するチャープ波を送信して検出範囲内に存在する各物標の距離および相対速度を検出するFCM(Fast Chirp Modulation)方式のレーダ装置である。
【0021】
送信部2は、信号生成部21と発振器22とを備える。信号生成部21は、ノコギリ波状に電圧が変化する変調信号を生成し、発振器22へ供給する。発振器22は、信号生成部21で生成された変調信号に基づいてチャープ信号である送信信号を生成して、送信アンテナ23へ出力する。
【0022】
レーダ装置1は、複数の送信アンテナ23を備える。本実施形態では、送信アンテナ23の数は3個である。送信アンテナ23の数に合わせて送信部2の数も3個である。ただし、送信アンテナ23の数は、複数であれば3個以外であってよい。送信アンテナ23の数に応じて送信部2の数も変更されてよい。また、送信アンテナ23の数と送信部2の数は、必ずしも一致しなくてよい。例えば、3つの送信アンテナ23に対して1つの送信部2が設けられ、各送信アンテナ23と送信部2との接続がスイッチで切り替えられてもよい。
【0023】
3個の送信アンテナ23は、それぞれ別々の送信部2から送信信号を受け取り、その送信信号を送信波TWに変換して出力する。3個の送信部2それぞれから出力される送信信号は、互いに直交した信号(直交信号)である。直交とは、例えば時間、位相、周波数、符号等の違いよって互いに干渉しないことである。
【0024】
受信部3は、複数の受信アンテナ31と、複数の個別受信部32とを備える。すなわち、レーダ装置1は、複数の受信アンテナ31を備える。各受信アンテナ31に対して、個別受信部32が1つずつ接続される。各受信アンテナ31は、物標からの反射波RWを受信して受信信号を取得し、各個別受信部32に出力する。本実施形態では、受信部3は、2個の受信アンテナ31と、2個の個別受信部32とを備える。ただし、受信アンテナ31の数は、複数であれば2個以外であってよい。また、個別受信部32の数は、スイッチを導入することにより、受信アンテナ31の数よりも少なくしてよい。
【0025】
各個別受信部32は、対応する受信アンテナ31で得られた受信信号を処理する。個別受信部32は、ミキサ33とA/D変換器34とを備える。受信アンテナ31で得られた受信信号は、ローノイズアンプ(図示省略)で増幅された後にミキサ33に送られる。ミキサ33には、各送信部2の各発振器22からの送信信号が入力され、ミキサ33において各送信信号と受信信号とがミキシングされる。これにより、各送信信号の周波数と受信信号の周波数との差となるビート周波数を有するビート信号が生成される。ミキサ33で生成されたビート信号は、A/D変換器34でデジタルの信号に変換された後に、信号処理装置4に出力される。
【0026】
信号処理装置4は、各A/D変換器34を介して取り込んだ各ビート信号に基づいて各種の処理を実行する。信号処理装置4は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ41などを含むマイクロコンピュータを備える。信号処理装置4は、演算の対象とする各種のデータを、記憶装置であるメモリ41に記憶する。メモリ41は、例えばRAM(Random Access Memory)などである。信号処理装置4は、マイクロコンピュータでソフトウェア的に実現される機能として、送信制御部42、変換部43、および、データ処理部44を備える。送信制御部42は、各送信部2の信号生成部21を制御する。
【0027】
変換部43は、受信アンテナ31において複数の物標からの反射波が重なり合った状態で受信されるために、受信信号に基づいて生成されたビート信号から、各物標の反射波に基づく周波数成分を分離する処理を行う。本実施形態では、変換部43は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transfer)処理により、周波数成分の分離を行う。FFT処理では、所定の周波数間隔で設定された周波数ポイント(周波数ビンという場合がある)ごとに受信レベルや位相情報が算出される。変換部43は、FFT処理の結果をデータ処理部44に出力する。
【0028】
変換部43は、詳細には、各A/D変換器34から出力されるビート信号に対してそれぞれ2次元FFT処理を行う。1回目のFFT処理を行うことで、物標との距離に対応する周波数ビン(以下、距離ビンと記載する場合がある)にピークが出現する周波数スペクトルが得られる。1回目のFFT処理により得られた周波数スペクトルを時系列に並べて2回目のFFT処理を行うことで、ドップラー周波数に対する周波数ビン(以下、「速度ビン」と記載することがある)にピークが出現する周波数スペクトルが得られる。変換部43は、2次元FFT処理により、距離ビンと速度ビンとを軸とする2次元パワースペクトルを得る。
【0029】
データ処理部44は、ピーク抽出部45、取得部46、経路判定部47、距離・相対速度演算部48、および、方位演算部49を備える。すなわち、信号処理装置4は取得部46を備える。
【0030】
ピーク抽出部45は、変換部43におけるFFT処理等の結果からピークを抽出する。本実施形態では、ピーク抽出部45は、2次元FFT処理によって得られた距離ビンと速度ビンとを軸とする2次元パワースペクトルに基づいて、所定以上のパワー値を示すピークを抽出する。
【0031】
取得部46は、複数の送信アンテナ23と複数の受信アンテナ31との組合せにより生成される複数の仮想アンテナごとの受信信号の位相情報を取得する。詳細には、取得部46は、ピーク抽出部45によるピーク抽出の結果を、仮想アンテナごとの結果に分類する。そして、取得部46は、仮想アンテナごとに、ピーク抽出部45で抽出された各ピークの位相情報を取得する。仮想アンテナについては後述する。
【0032】
経路判定部47は、仮想アンテナごとにピーク抽出部45で抽出された同一周波数ビンのピークに注目し、取得部46で取得された位相情報に基づき往路と復路とが一致しているか否かを判定する。経路判定部47は、周波数ビンが異なる複数のピークが存在する場合、ピークごとに往路と復路とが一致しているか否かを判定する。ここで、往路は、送信アンテナ23から送信される送信波TWが物標に至る経路である。復路は、物標で反射された反射波RWが受信アンテナ31に至る経路である。往路と復路とが一致するという状態には、往路と復路とが完全に一致している状態だけでなく、ばらつき等を考慮して往路と復路とが一致していると見なせる状態が含まれてよい。経路判定部47の詳細については後述する。
【0033】
距離・相対速度演算部48は、ピーク抽出部45によってピークが存在するとして特定された距離ビンおよび速度ビンの組み合わせに基づいて物標との距離および相対速度を導出する。
【0034】
方位演算部49は、各仮想アンテナに対して取得されたピーク抽出の結果に基づいて物標が存在する方位を推定する。方位推定には、例えばMUSIC(Multiple Signal Classification)やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques) 等の公知の手法が用いられる。
【0035】
なお、距離・相対速度演算部48および方位演算部49により求められた、物標までの距離、物標の相対速度、物標の存在する方位を含む物標データは、車両ECU5に出力される。
【0036】
<2.仮想アンテナ>
図2は、本発明の実施形態に係るレーダ装置1が備えるアンテナについて説明するための図である。
【0037】
本実施形態では、
図2(a)に示すように、3個の送信アンテナ23は、水平方向に沿って同一のアンテナ間隔2dで配置される。また、
図2(b)に示すように、2個の受信アンテナ31は、水平方向に沿ってアンテナ間隔dで配置される。なお、隣り合う送信アンテナ23のアンテナ間隔は、複数の組(3個の送信アンテナ23では二組)の間で厳密に同一でなくてもよく、設計上の誤差やばらつきなどを考慮した上で複数の組の間で同一とみなすことができればよい。また、隣り合う2つの送信アンテナ23のアンテナ間隔は、厳密に隣り合う2つの受信アンテナ31のアンテナ間隔の2倍でなくてもよく、設計上の誤差やばらつきなどを考慮した上で隣り合う2つの受信アンテナ31のアンテナ間隔の2倍とみなすことができればよい。
【0038】
図2(a)に示す3個の送信アンテナ23と、
図2(b)に示す2個の受信アンテナ31との組み合わせにより、
図2(c)に示す仮想アレーアンテナが生成される。
図2(c)に示す仮想アレーアンテナは、6個の仮想アンテナVRx1〜VRx6によって構成される。6個の仮想アンテナVRx1〜VRx6は、水平方向に沿って同一のアンテナ間隔dで配置される。MIMO技術を適用することで、受信アンテナ数を超える仮想アンテナを得ることができる。
【0039】
図3は、各仮想アンテナVRx1〜VRx6を構成する送信アンテナ23と受信アンテナ31の組み合わせを示す図である。
図3に示すように、第1仮想アンテナVRx1は、第1送信アンテナTx1と第1受信アンテナRx1とを組み合わせて生成される。第2仮想アンテナVRx2は、第1送信アンテナTx1と第2受信アンテナRx2とを組み合わせて生成される。第3仮想アンテナVRx3は、第2送信アンテナTx2と第1受信アンテナRx1とを組み合わせて生成される。第4仮想アンテナVRx4は、第2送信アンテナTx2と第2受信アンテナRx2とを組み合わせて生成される。第5仮想アンテナVRx5は、第3送信アンテナTx3と第1受信アンテナRx1とを組み合わせて生成される。第6仮想アンテナVRx6は、第3送信アンテナTx3と第2受信アンテナRx2とを組み合わせて生成される。
【0040】
すなわち、第1受信アンテナRx1の受信信号は、互いに直交する第1仮想アンテナVRx1の受信信号、第3仮想アンテナVRx3の受信信号、および、第5仮想アンテナVRx5の受信信号を含む。第2受信アンテナRx2の受信信号は、互いに直交する第2仮想アンテナVRx2の受信信号、第4仮想アンテナVRx4の受信信号、および、第6仮想アンテナVRx6の受信信号を含む。
【0041】
<3.往路と復路の一致・不一致判定>
図4は、往路と復路の一致および不一致について説明するための図である。
図4において、前方の車両6は自車両であり、後方の車両7はレーダ装置1によって検知される物標である。
図4において、符号8はガードレールである。
【0042】
図4(a)においては、自車両6の送信アンテナ23から送信された送信波TWが他車両7に至る往路Raと、他車両7で反射された反射波RWが自車両6の受信アンテナ31に至る復路Rbとが一致している。レーダ装置1では、このように往路Raと復路Rbとが一致していることを前提として物標データを求める。
【0043】
図4(b)においては、自車両6の送信アンテナ23から送信された送信波TWは、ガードレール8で反射された後に他車両7に至る(実線で示す経路Ra)。一方、他車両7で反射された反射波RWは、ガードレール8を介することなく、自車両6の受信アンテナ31に至る(実線で示す経路Rb)。すなわち、反射波RWは、往路Raと異なる経路(復路)Rbで受信アンテナ31に至る。
【0044】
他車両7で反射される反射波RWの中には、
図4(b)に示すように往路Raと一致しない経路Rbを通って受信アンテナ31に受信されるものがある。このような往路Raと異なる経路Rbを通る反射波RWの受信信号は、信号処理の前提となる条件から外れたものであり、誤った物標データの算出原因となる不要な信号であり、除去する必要がある。信号処理装置4は、このような不要な信号の除去を可能とするために、往路Raと復路Rbとが一致しているか否かを判定する処理を行う構成になっている。
【0045】
なお、往路Raと復路Rbとが一致しない例としては、自車両6の送信アンテナ23から送信された送信波TWが
図4(b)に実線で示す反射波RWと反対向きに進み、他車両7で反射された反射波RWが
図4(b)に実線で示す送信波TWと反対向きに進む場合も挙げられる。
【0046】
図5は、往路と復路が一致している場合にアンテナAt間に生じる位相差について説明するための図である。
図6は、往路と復路が一致していない場合にアンテナAt間に生じる位相差について説明するための図である。
図5(a)および
図6(a)は往路において生じる位相差を説明するための図であり、
図5(b)および
図6(b)は復路において生じる位相差について説明するための図である。なお、
図5および
図6において、2つのアンテナAtは、水平方向に沿ってアンテナ間隔dで配置されている。アンテナAtは、往路の説明においては送信アンテナであり、復路の説明においては受信アンテナである。
【0047】
各アンテナAtから同一方向に送信される送信波TWの経路長は、2つのアンテナAt間において以下の式(1)で示される差(=ΔL1)を生じる。すなわち、往路においては、以下の式(1)で示される経路長差ΔL1を生じる。
ΔL1=d・sinθ1 (1)
なお、θ1は送信波TWの送信角である。
【0048】
各アンテナATに同一方向から入射する反射波RWの経路長は、2つのアンテナAt間において以下の式(2)で示される差(=ΔL2)を生じる。すなわち、復路においては、以下の式(2)で示される経路長差ΔL2を生じる。
ΔL2=d・sinθ2 (2)
なお、θ2は反射波RWの入射角である。
【0049】
往路と復路とが一致している場合には、θ1=θ2となり、ΔL1=ΔL2となる(
図5参照)。2つのアンテナAt間に生じる位相差は、経路長差に応じて決まる。このために、往路と復路とが一致している場合には、往路と復路とで2つのアンテナAt間に生じる位相差は等しくなる。
【0050】
一方、往路と復路とが一致していない場合には、θ1とθ2とが異なるために、ΔL1とΔL2も異なった値になる(
図6参照)。2つのアンテナAt間に生じる位相差は、経路長差に応じて決まるために、往路と復路とが一致していない場合には、往路と復路とで2つのアンテナAt間に生じる位相差は異なった値になる。
【0051】
すなわち、往路時に生じる位相差と、復路時に生じる位相差とを比較することができれば、往路と復路とが一致しているか否かを判定することができる。本実施形態の経路判定部47は、この考えを利用して往路と復路とが一致しているか否かを判定する。
【0052】
図7は、本発明の実施形態に係る経路判定部47の機能を示すブロック図である。
図7に示すように、経路判定部47は、第1算出部471と、第2算出部472と、判定部473とを備える。すなわち、信号処理装置4は、第1算出部471と、第2算出部472と、判定部473とを備える。
【0053】
第1算出部471は、第1位相差を位相情報に基づき算出する。第1位相差は、送信アンテナ23から送信される送信波TWが物標に至る往路において送信アンテナ23間に生じる位相差である。位相情報は、仮想アンテナVRx1〜VRx6の受信信号の位相情報である。位相情報は、変換部43により実行されるFFT処理によって得られる。第1算出部471は、仮想アンテナVRx1〜VRx6ごとにピーク抽出部45で抽出された同一周波数ビンのピークに注目し、取得部46で取得された位相情報に基づき第1位相差の算出処理を行う。第1算出部471は、周波数ビンが異なる複数のピークが存在する場合、ピークごとに第1位相差の算出処理を行う。
【0054】
詳細には、第1算出部471は、所定の受信アンテナ31に対して異なる送信アンテナ23を組み合わせて生成した複数の仮想アンテナ間の位相情報の比較により第1位相差を算出する。本実施形態では、所定の受信アンテナ31は、第1受信アンテナRx1と第2受信アンテナRx2のうちのいずれかである。第1受信アンテナRx1又は第2受信アンテナRx2と組み合わせられる送信アンテナ23は、第1送信アンテナTx1、第2送信アンテナTx2、および、第3送信アンテナTx3のうちのいずれかである。
【0055】
例えば、第1算出部471は、第1受信アンテナRx1と第1送信アンテナTx1とを組み合わせて生成される第1仮想アンテナVRx1(
図3参照)と、第1受信アンテナRx1と第2送信アンテナTx2とを組み合わせて生成される第3仮想アンテナVRx3(
図3参照)との間の位相情報の比較により第1位相差を算出する。
【0056】
本実施形態によれば、比較する2つの仮想アンテナ間において、仮想アンテナを構成する受信アンテナ31が同じとなる。このために、2つ仮想アンテナ間の位相情報の比較により、2つの送信アンテナ23間に生じる位相差(第1位相差)を得ることができる。すなわち、2つ仮想アンテナ間の位相情報の比較により、往路において生じる位相差を得ることができる。
【0057】
なお、第1算出部471は、第1仮想アンテナVRx1と第3仮想アンテナVRx3との組み合わせ以外の組み合わせで第1位相差を算出してもよい。例えば、第1算出部471は、第3仮想アンテナVRx3と第5仮想アンテナVRx5との組み合わせ、第2仮想アンテナVRx2と第4仮想アンテナVRx4との組み合わせ、或いは、第4仮想アンテナVRx4と第6仮想アンテナVRx6との組み合わせ等により第1位相差を算出してもよい。また、第1算出部471は、ピークごとに1つの第1位相差のみを算出する構成でもよいが、ピークごとに複数の第1位相差を算出する構成であってもよい。
【0058】
また、第1算出部471は、第1位相差を算出するための仮想アンテナの組み合わせを決める際に、例えば位相の折り返しの回数を減らすことを考慮して、仮想アンテナを構成する送信アンテナ23が隣接する送信アンテナとなる組み合わせを選択することが好ましい。仮想アンテナを構成する送信アンテナ23が隣接する送信アンテナとなる組み合わせとして、第1仮想アンテナVRx1と第3仮想アンテナVRx3との組み合わせ、第3仮想アンテナVRx3と第5仮想アンテナVRx5との組み合わせ、第2仮想アンテナVRx2と第4仮想アンテナVRx4との組み合わせ、第4仮想アンテナVRx4と第6仮想アンテナVRx6との組み合わせが挙げられる。
【0059】
第2算出部472は、第2位相差を位相情報に基づき算出する。第2位相差は、物標で反射された反射波RWが受信アンテナ31に至る復路において受信アンテナ31間に生じる位相差である。位相情報は、仮想アンテナVRx1〜VRx6の受信信号の位相情報である。位相情報は、変換部43により実行されるFFT処理によって得られる。第2算出部472は、第1算出部472と同様に、仮想アンテナVRx1〜VRx6ごとにピーク抽出部45で抽出された同一周波数ビンのピークに注目し、取得部46で取得された位相情報に基づき第2位相差の算出処理を行う。第2算出部472は、第1算出部472で第1位相差を算出した各ピークに対して第2位相差の算出処理を行う。
【0060】
詳細には、第2算出部472は、所定の送信アンテナ23に対して異なる受信アンテナ31を組み合わせて生成した複数の仮想アンテナ間の位相情報の比較により第2位相差を算出する。本実施形態では、所定の送信アンテナ23は、第1送信アンテナTx1、第2送信アンテナTx2、および、第3送信アンテナTx3のうちのいずれかである。第1送信アンテナTx1、第2送信アンテナTx2、および、第3送信アンテナTx3のうちのいずれかと組み合わせられる受信アンテナ31は、第1受信アンテナRx1と第2受信アンテナRx2のうちのいずれかである。
【0061】
例えば、第2算出部472は、第1送信アンテナTx1と第1受信アンテナRx1とを組み合わせて生成される第1仮想アンテナVRx1(
図3参照)と、第1送信アンテナTx1と第2受信アンテナRx2とを組み合わせて生成される第2仮想アンテナVRx2(
図3参照)との間の位相情報の比較により第2位相差を算出する。
【0062】
本実施形態によれば、比較する2つの仮想アンテナ間において、仮想アンテナを構成する送信アンテナ23が同じとなる。このために、2つ仮想アンテナ間の位相情報の比較により、2つの受信アンテナ31間に生じる位相差(第2位相差)を得ることができる。すなわち、2つ仮想アンテナ間の位相情報の比較により、復路において生じる位相差を得ることができる。
【0063】
なお、第2算出部472は、第1仮想アンテナVRx1と第2仮想アンテナVRx2との組み合わせ以外の組み合わせで第2位相差を算出してもよい。例えば、第2算出部472は、第3仮想アンテナVRx3と第4仮想アンテナVRx4との組み合わせ、或いは、第5仮想アンテナVRx5と第6仮想アンテナVRx6との組み合わせ等により第2位相差を算出してもよい。
【0064】
また、第2算出部472は、ピークごとに1つの第2位相差のみを算出する構成でもよいが、ピークごとに複数の第2位相差を算出する構成であってもよい。また、第2算出部472は、第2位相差を算出するための仮想アンテナの組み合わせを決める際に、例えば位相の折り返しの回数を減らすことを考慮して、仮想アンテナを構成する受信アンテナ31が隣接する受信アンテナとなる組み合わせを選択することが好ましい。
【0065】
判定部473は、第1位相差と第2位相差とに基づき往路と復路とが一致しているか否かを判定する。詳細には、判定部473は、第1位相差と第2位相差とを算出したピークごとに、第1位相差と第2位相差とに基づき往路と復路とが一致しているか否かを判定する。
【0066】
各ピークにおいて、第1算出部471で得られた第1位相差と、第2算出部472で得られた第2位相差とが1つずつである場合には、第1算出部471は、1つの第1位相差と、1つの第2位相差とに基づき往路と復路とが一致しているか否かを判定する。各ピークにおいて、第1算出部471で得られた第1位相差が複数である場合には、判定部473は、複数の第1位相差の平均値を用いる。各ピークにおいて、第2算出部472で得られた第2位相差が複数である場合には、判定部473は、複数の第2位相差の平均値を用いる。
【0067】
判定部473は、同一のアンテナ間隔の位相差とした場合の第1位相差と第2位相差とに基づき、往路と復路とが一致しているか否かを判定する。例えば、第1位相差が第1仮想アンテナVRx1と第3仮想アンテナVRx3との組み合わせにより求められ、第2位相差が第1仮想アンテナVRx1と第2仮想アンテナVRx2との組み合わせにより求められたとする。この場合、第1位相差は、アンテナ間隔が2dである第1送信アンテナTx1と第2送信アンテナTx2との間の位相差となる。第2位相差は、アンテナ間隔がdである第1受信アンテナRx1と第2受信アンテナRx2との間の位相差となる。すなわち、第1位相差と第2位相差とは、異なるアンテナ間隔の位相差であるために、このままでは直接比較できない。この点、本実施形態によれば、第1位相差と第2位相差とが同一のアンテナ間隔の位相差に合わせた状態とされているために、両者を比較して往路と復路とが一致しているか否かを正しく判定することができる。
【0068】
本実施形態では、複数の仮想アンテナを利用することにより、往路時に生じる位相差(第1位相差)と復路時に生じる位相差(第2位相差)とを簡単に求め、往路と復路とが一致しているか否かを判定することができる。このために、処理負荷の増大を抑制しつつ往路と復路とが一致しているか否かを判断することができる。
【0069】
図8は、本発明の実施形態に係るレーダ装置1の概略動作を示すフローチャートである。
図8は、往路と復路とが一致しているか否かを判定する処理を中心に示している。レーダ装置1は、
図8に示す処理を一定時間ごとに周期的に繰り返す。
【0070】
まず、送信アンテナ23が送信波TWを出力する(ステップS1)。次に、受信アンテナ31が物標で反射された反射波RWを受信して受信信号を取得する(ステップS2)。次に、信号処理装置4が所定数のビート信号を取得する(ステップS3)。次に、変換部43が取得したビート信号を対象にFFT処理を行う(ステップS4)。
【0071】
次に、ピーク抽出部45が、FFT処理の結果に基づきピーク抽出を行う(ステップS5)。ピーク抽出部45は、抽出したピークごとにFFT処理によって得られた位相情報を記憶する処理を行う。そして、取得部46が、ピーク抽出部45によるピーク抽出の結果を、仮想アンテナVRx1〜VRx6ごとの結果に分類する(ステップS6)。
【0072】
次に、第1算出部471は、異なる周波数ビンのピークごとに第1位相差の算出処理を行う(ステップS7)。
図9は、本実施形態における第1位相差の算出処理を説明するための図である。
図9において、Cb1−1、Cb1−2、Cb1−3、および、Cb1−4は、第1位相差を求めるための仮想アンテナの組み合わせを示す。すなわち、本実施形態では、第1算出部471は、ピークごとに、4つの仮想アンテナの組み合わせCb1−1〜Cb1−4を用いて4つの第1位相差を算出する。
【0073】
詳細には、第1算出部471は、ピークごとに、第1仮想アンテナVRx1の位相情報と、第3仮想アンテナVRx3の位相情報とを比較して第1位相差を算出する。また、第1算出部471は、ピークごとに、第3仮想アンテナVRx3の位相情報と、第5仮想アンテナVRx5の位相情報とを比較して第1位相差を算出する。また、第1算出部471は、ピークごとに、第2仮想アンテナVRx2の位相情報と、第4仮想アンテナVRx4の位相情報とを比較して第1位相差を算出する。また、第1算出部471は、ピークごとに、第4仮想アンテナVRx4の位相情報と、第6仮想アンテナVRx6の位相情報とを比較して第1位相差を算出する。すなわち、ピークごとに4つの第1位相差が求められる。
【0074】
次に、第2算出部472は、第1位相差を算出したピークごとに第2位相差の算出処理を行う(ステップS8)。
図10は、本実施形態における第2位相差の算出処理を説明するための図である。
図10において、Cb2−1、Cb2−2、および、Cb2−3は、第2位相差を求めるための仮想アンテナの組み合わせを示す。すなわち、本実施形態では、第2算出部472は、ピークごとに、3つの仮想アンテナの組み合わせCb1−1〜Cb1−4を用いて3つの第2位相差を算出する。
【0075】
詳細には、第2算出部472は、ピークごとに、第1仮想アンテナVRx1の位相情報と、第2仮想アンテナVRx2の位相情報とを比較して第2位相差を算出する。また、第2算出部472は、ピークごとに、第3仮想アンテナVRx3の位相情報と、第4仮想アンテナVRx4の位相情報とを比較して第2位相差を算出する。また、第2算出部472は、ピークごとに、第5仮想アンテナVRx5の位相情報と、第6仮想アンテナVRx6の位相情報とを比較して第2位相差を算出する。すなわち、ピークごとに3つの第2位相差が求められる。
【0076】
なお、本実施形態では、第1算出部471により第1位相差を求めた後に、第2算出部472により第2位相差を求める構成となっているが、これは一例である。第2算出部472により第2位相差を求めた後に、第1算出部471により第1位相差を求める構成としてもよい。また、第1位相差を求める処理と第2位相差を求める処理とは並行して行われてもよい。
【0077】
第1位相差と第2位相差が求められると、判定部473は、ピークごとに、往路と復路とが一致しているか否かを判定する(ステップS9)。判定部473は、複数の第1位相差の平均値と、複数の第2位相差の平均値とに基づき往路と復路とが一致しているか否かを判定する。これによれば、多数のデータに基づいて往路と復路とが一致しているか否かを判定できるために、判定結果の精度を向上することができる。詳細には、判定部473は、ピークごとに、4つの第1位相差の平均値と、3つの第2位相差の平均値とに基づき往路と復路とが一致しているか否かを判定する。第1位相差の平均値は、第1算出部471で算出されても、判定部473で算出されてもよい。また、第2位相差の平均値は、第2算出部472で算出されても、判定部473で算出されてもよい。
【0078】
また、判定部473は、同一のアンテナ間隔の位相差に換算された第1位相差と第2位相差とを比較する。本実施形態では、互いに隣接する送信アンテナ23のアンテナ間隔が2dであり、互いに隣接する受信アンテナ31のアンテナ間隔がdである。このために、第1位相差の換算値は、ステップS7で仮想アンテナ間の位相情報を比較して求めた第1位相差を2で除した値である。第2位相差の換算値は、ステップS8で仮想アンテナ間の位相情報を比較して求めた第2位相差と同じである。なお、第1位相差の換算値は、第1算出部471と判定部473とのいずれで求めてもよい。第2位相差の換算値は、第2算出部472と判定部473とのいずれで求めてもよい。
【0079】
判定部473は、第1位相差の換算値と第2位相差の換算値との差がほぼセロである場合に、往路と復路とが一致していると判定する。一方、判定部473は、第1位相差の換算値と第2位相差の換算値との差がほぼセロと認められない場合に、往路と復路とが一致していないと判定する。なお、ここでは、差がほぼゼロとは、差がゼロを含む所定範囲内である場合を指している。所定範囲は、実験やシミュレーション等によって適宜決められる。
【0080】
本実施形態によれば、往路と復路とが一致しないピークを検出することができ、本来存在しない物標(ゴースト)を誤って検出することを低減することができる。なお、各ピークがゴーストに由来するものであるか否かの判定は、物標データの瞬時値を導出する前に行ってよい。すなわち、ゴーストと判定されるピークについては、物標データの瞬時値を導出しない構成としてよい。また、ゴーストであるか否かは、往路と復路とが一致するか否かを判定した複数回の結果に基づいて判定されてもよい。
【0081】
<4.位相折り返しの考慮>
アンテナ間隔dが電波の半波長より大きくなると、位相差が±180°(±π)を超えるいわゆる位相折り返しが生じる。位相折り返しが生じると、位相差Δφ=φ
0(|φ
0|<π)と、位相差Δφ=φ
0±2nπ(n=1,2,…)とが区別できなくなる。以上においては、当該位相折り返しが生じないことを前提として、往路と復路とが一致しているか否かを判定する場合について説明した。
【0082】
ここで、アンテナ間隔dが送信波(電波)の半波長である場合を考える。本実施形態では、隣接する送信アンテナ23の間隔は2dであるために、隣接する送信アンテナ23の間隔は電波の1波長に等しくなる。また、隣接する受信アンテナ31の間隔はdであるために、隣接する受信アンテナ31の間隔は電波の半波長に等しくなる。この場合、隣接する受信アンテナ31間の位相差は±180°を超えず、位相折り返しは生じない。一方、隣接する送信アンテナ23間の位相差は±180°を超える場合があり、位相折り返しが生じる。なお、隣接する送信アンテナ23間の位相差は360°は超えない。
【0083】
本例では、第1位相差の換算値(本実施形態では、第1位相差を2で除した値)と、第2位相差の換算値(本実施形態では、第2位相差に同じ)との差に基づく判定だけでは、位相折り返しが発生している場合に、不適切な判定結果を導く可能性がある。この点を考慮して、第1算出部471は、位相折り返しがある場合の位相差の候補値を、第1位相に基づき第1位相折り返し候補値として更に算出する。また、判定部473は、第1位相差と、第2位相差と、第1位相折り返し候補値とに基づき、往路と復路とが一致しているか否かを判定する。
【0084】
本例では、第1算出部471は、第1位相差に360°を加算した第1候補値と、第1位相差から360°を減算した第2候補値とを第1位相折り返し候補値として算出する。判定部473は、第1位相差の換算値(第1位相差を2で除した値)と、第2位相差の換算値(第2位相差に同じ)との差を第1の差分値として算出する。また、判定部473は、第1候補値の換算値(第1候補値を2で除した値)と、第2位相差の換算値との差を第2の差分値として算出する。また、判定部473は、第2候補値の換算値(第2候補値を2で除した値)と、第2位相差の換算値との差を第3の差分値として算出する。
【0085】
そして、判定部473は、3つの差分値の大きさ(絶対値)を比べて、最も大きさが小さい差分値がほぼセロである場合に、往路と復路とが一致していると判定する。判定部473は、最も大きさが小さい差分値がほぼセロと認められない場合に、往路と復路とが一致していないと判定する。
【0086】
なお、以上においては、ピークごとに第1位相差と第2位相差が1つずつ算出される場合を想定している。ただし、本例でも、ピークごとに複数の第1位相差と複数の第2位相差とが算出されてもよい。この場合には、第1位相折り返し候補値は、複数の第1位相差の平均値に対して求められてよい。また、各第1位相差に対して第1位相折り返し候補値を求め、求めた第1位相折り返し候補値の平均値が判定に利用されてもよい。同様に、第2位相折り返し候補値は、複数の第2位相差の平均値に対して求められてよい。また、各第2位相差に対して第2位相折り返し候補値を求め、求めた第2位相折り返し候補値の平均値が判定に利用されてもよい。
【0087】
本例のように構成することで、第1位相差に位相折り返しが生じる場合でも、往路と復路との一致・不一致を適切に判断することができる。本構成によれば、アンテナ構成の設計の自由度を向上することができる。
【0088】
なお、本例では、第1位相折り返し候補値の数が2つであるが、これは例示にすぎない。本例よりもアンテナ間隔dの値が大きくなった場合に、第1位相折り返し候補値の数は2つより多くなる場合がある。
【0089】
また、本例よりもアンテナ間隔dの値が大きくなった場合に、隣接する受信アンテナ31間の位相差が±180°を超えて位相折り返しが生じる場合がある。このような場合には、第2位相差についても、第1位相差と同様の扱いを行えばよい。すなわち、第2算出部472は、位相折り返しがある場合の位相差の候補値を、第2位相差に基づき第2位相折り返し候補値として更に算出する構成とすればよい。また、判定部473は、第1位相差と、第2位相差と、第1位相折り返し候補値と、第2位相折り返し候補値とに基づき、往路と復路とが一致しているか否かを判定する構成とすればよい。
【0090】
<4.留意事項>
本明細書における実施形態や変形例の構成は、本発明の例示にすぎない。実施形態や変形例の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、複数の実施形態及び変形例は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0091】
以上においては、受信アンテナ31に比べて送信アンテナ23の方が、アンテナ間隔dが長い構成とした。ただし、これは例示であり、送信アンテナ23に比べて受信アンテナ31の方が、アンテナ間隔dが長い構成としてもよい。例えば、以上に示した実施形態の送信アンテナ23の構成を受信アンテナの構成とし、受信アンテナ31の構成を送信アンテナの構成としてよい。すなわち、水平方向に沿ってアンテナ間隔dで配置される2つの送信アンテナと、水平方向に沿って同一のアンテナ間隔2dで配置される3つの受信アンテナとで仮想アレーアンテナを構成してもよい。
【0092】
上記構成では、第1位相差においては位相折り返しが発生せず、第2位相差において位相折り返しが発生する構成となる場合がある。このような場合には、第2算出部472は、位相折り返しがある場合の位相差の候補値を、第2位相差に基づき第2位相折り返し候補値として算出する構成とすればよい。そして、判定部473は、第1位相差と、第2位相差と、第2位相折り返し候補値とに基づき、往路と復路とが一致しているか否かを判定する構成とすればよい。このように構成することで、第2位相差に位相折り返しが生じる場合でも、往路と復路との一致・不一致を適切に判断することができる。本構成によれば、アンテナ構成の設計の自由度を向上することができる。
【0093】
以上においては、車載レーダ装置について説明したが、本発明は、道路などに設置されるインフラレーダ装置、船舶監視レーダ装置、航空機監視レーダ装置等にも適用されてよい。
【0094】
以上においてプログラムの実行によってソフトウェア的に実現されると説明した機能の全部又は一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また、ハードウェア回路によって実現されると説明した機能の全部又は一部はソフトウェア的に実現されてもよい。また、1つのブロックとして説明した機能が、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。また、各機能ブロックは概念的な構成要素である。各機能ブロックが実行する機能を複数の機能ブロックに分散させたり、複数の機能ブロックが有する機能を1つの機能ブロックに統合したりしてよい。