【解決手段】信号処理装置は、方位算出部471、第1分解部472、及び第1選択部473を備える。前記方位算出部471は、複数のアンテナに含まれる3本以上のアンテナの受信信号に基づき、電波の到来方向を表す方位を前記方位ごとに分離して位相折り返しなく算出する。前記第1分解部472は、前記複数のアンテナに含まれる2本以上のアンテナの受信信号を前記方位ごとの複素信号に分解する。前記第1選択部473は、前記方位ごとに、前記方位算出部471の算出結果に基づき、前記第1分解部472によって分解された複数の前記複素信号の位相差及び前記位相差の位相折り返しの中から1つを選択する。前記第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は、前記方位算出部471での算出に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔よりも広い。
前記複数のアンテナは、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナとの組み合わせにより生成される複数の仮想アンテナである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
<1.レーダ装置の構成>
図1は本発明の実施形態に係るレーダ装置1の構成を示す図である。レーダ装置1は、例えば車両、ロボット、航空機、船舶などの移動体に搭載することができる。本実施形態では、レーダ装置1は、例えば自動車などの車両に搭載される。以下、レーダ装置1が搭載されている車両のことを自車両と表現する。
【0017】
レーダ装置1は、他の車両、標識、ガードレール、人などの、自車両の周囲に存在する物標を検知するために用いられる。物標の検知結果は、自車両の記憶装置や、自車両の挙動を制御する車両ECU(Electronic Control Unit)5などに対して出力される。物標の検知結果は、例えば、PCS(Pre-crash Safety System)やAEBS(Advanced Emergency Braking System)などの車両制御に用いられる。
【0018】
図1に示すように、レーダ装置1は、複数の送信部2と、複数の受信部3と、信号処理装置4とを備える。レーダ装置1は、複数の送信アンテナ23と、複数の受信アンテナ31とをさらに備える。
【0019】
なお、レーダ装置1は、いわゆるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)レーダ装置である。ただし、本実施形態とは異なり、レーダ装置1を、単一の送信アンテナと、複数の受信アンテナとを備える構成に変更してもよい。また、レーダ装置1は、FCM(Fast Chirp Modulation)方式のレーダ装置である。ただし、本実施形態とは異なり、レーダ装置1を、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式などのFCM方式以外のレーダ装置に変更してもよい。
【0020】
送信部2は、信号生成部21と発信器22とを備える。信号生成部21は、ノコギリ波状に電圧が変化する変調信号を生成し、発信器22へ供給する。発信器22は、信号生成部21で生成された変調信号に基づいてチャープ信号である送信信号を生成して、送信アンテナ23へ出力する。
【0021】
本実施形態では、送信アンテナ23の本数は3本である。送信アンテナ23の本数に合わせて送信部3の数も3個である。ただし、送信アンテナ23の本数は3本以外であってよい。送信アンテナ23の本数に応じて送信部3の数も変更されてよい。また、送信アンテナ23の本数と送信部2の数は、必ずしも一致しなくてよい。例えば、3本の送信アンテナ23に対して1個の送信部2が設けられ、各送信アンテナ23と送信部2との接続がスイッチで切り替えられてもよい。
【0022】
3本の送信アンテナ23は、それぞれ別々の送信部2から送信信号を受け取り、その送信信号を送信波TWに変換して出力する。3個の送信部2それぞれから出力される送信信号は、互いに直交した信号(直交信号)である。直交とは、例えば時間、位相、周波数、符号等の違いによって互いに干渉しないことである。
【0023】
受信部3は、複数の受信アンテナ31と、複数の個別受信部32とを備える。各受信アンテナ31に対して、個別受信部32が1つずつ接続される。各受信アンテナ31は、物標からの反射波RWを受信して受信信号を取得し、各個別受信部32に出力する。本実施形態では、受信部3は、2本の受信アンテナ31と、2個の個別受信部32とを備える。ただし、受信アンテナ31の本数は2本以外であってよい。また、個別受信部32の数は、スイッチを導入することにより、受信アンテナ31の本数よりも少なくしてよい。
【0024】
各個別受信部32は、対応する受信アンテナ31で得られた受信信号を処理する。個別受信部32は、ミキサ33とA/D変換器34とを備える。受信アンテナ31で得られた受信信号は、ローノイズアンプ(図示省略)で増幅された後にミキサ33に送られる。ミキサ33には、各送信部2の各発信器22からの送信信号が入力され、ミキサ33において各送信信号と受信信号とがミキシングされる。これにより、各送信信号の周波数と受信信号の周波数との差となるビート周波数を有するビート信号が生成される。ミキサ33で生成されたビート信号は、A/D変換器34でデジタルの信号に変換された後に、信号処理装置4に出力される。
【0025】
信号処理装置4は、各A/D変換器34を介して取り込んだ各ビート信号に基づいて各種の処理を実行する。信号処理装置4は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ41などを含むマイクロコンピュータを備える。信号処理装置4は、演算の対象とする各種のデータを、記憶装置であるメモリ41に記憶する。メモリ41は、例えばRAM(Random Access Memory)などである。信号処理装置4は、マイクロコンピュータでソフトウェア的に実現される機能として、送信制御部42、変換部43、および、データ処理部44を備える。送信制御部42は、各送信部2の信号生成部21を制御する。
【0026】
変換部43は、受信アンテナ31において複数の物標からの反射波が重なり合った状態で受信されるために、受信信号に基づいて生成されたビート信号から、各物標の反射波に基づく周波数成分を分離する処理を行う。本実施形態では、変換部43は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理により、周波数成分の分離を行う。FFT処理では、所定の周波数間隔で設定された周波数ポイント(周波数ビンという場合がある)ごとに受信レベルや位相情報が算出される。変換部43は、FFT処理の結果をデータ処理部44に出力する。
【0027】
変換部43は、詳細には、各A/D変換部34から出力されるビート信号に対してそれぞれ2次元FFT処理を行う。1回目のFFT処理を行うことで、物標との距離に対応する周波数ビン(以下、距離ビンと記載する場合がある)にピークが出現する周波数スペクトルが得られる。1回目のFFT処理により得られた周波数スペクトルを時系列に並べて2回目のFFT処理を行うことで、ドップラー周波数に対する周波数ビン(以下、速度ビンと記載することがある)にピークが出現する周波数スペクトルが得られる。変換部43は、2次元FFT処理により、距離ビンと速度ビンとを軸とする2次元パワースペクトルを得る。
【0028】
データ処理部44は、ピーク抽出部45、距離・相対速度演算部46、および、方位演算部47を備える。
【0029】
ピーク抽出部45は、変換部43におけるFFT処理等の結果からピークを検出する。本実施形態では、ピーク抽出部45は、2次元FFT処理によって得られた距離ビンと速度ビンとを軸とする2次元パワースペクトルに基づいて、所定以上のパワー値を示すピークを抽出する。また、本実施形態では、ピーク抽出部45は、ピーク抽出の結果を仮想アンテナごとの結果に分類する。仮想アンテナについては後述する。
【0030】
距離・相対速度演算部46は、ピーク抽出部45によってピークが存在するとして特定された距離ビンおよび速度ビンの組み合わせに基づいて物標との距離および相対速度を導出する。
【0031】
方位演算部47は、仮想アンテナごとにピーク抽出部45で抽出された同一周波数ビンのピークに注目し、それらのピークの位相情報に基づいて物標が存在する方位(電波の到来方向を表す方位)を推定する。方位演算部47は、周波数ビンが異なる複数のピークが存在する場合、ピークごとに方位推定を行う。方位推定には、MUSIC(Mutiple Signal Classification)やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)等の公知の手法が用いられる。方位演算部47の処理の詳細については後述する。
【0032】
なお、距離・相対速度演算部46および方位演算部47により求められた、物標までの距離、物標の相対速度、物標の存在する方位を含む物標データは、車両ECU5に出力される。
【0033】
<2.仮想アンテナ>
図2は、レーダ装置1が備えるアンテナについて説明するための図である。
【0034】
本実施形態では、
図2(a)に示すように、3本の送信アンテナ23は、水平方向に沿って同一のアンテナ間隔2dで配置される。すなわち、隣り合う送信アンテナTx1と送信アンテナTx2とのアンテナ間隔、および、隣り合う送信アンテナTx2と送信アンテナTx2とのアンテナ間隔は、いずれも2dである。なお、隣り合う送信アンテナ23のアンテナ間隔は、複数の組(3本の送信アンテナ23では二組)の間で厳密に同一でなくてもよく、設計上の誤差やばらつきなどを考慮した上で複数の組の間で同一とみなすことができればよい。
【0035】
本実施形態では、
図2(b)に示すように、32本の受信アンテナ31は、水平方向に沿ってアンテナ間隔dで配置される。なお、隣り合う受信アンテナRx1と受信アンテナRx2とのアンテナ間隔は、隣り合う2本の送信アンテナ23のアンテナ間隔の厳密に半分でなくてもよく、設計上の誤差やばらつきなどを考慮した上で隣り合う2本の送信アンテナ23のアンテナ間隔の半分とみなすことができればよい。
【0036】
アンテナ間隔dは、送信波TWおよび受信波RWの半波長と同一である。なお、アンテナ間隔dは、送信波TWおよび受信波RWの半波長と厳密に同一でなくてもよく、設計上の誤差やばらつきなどを考慮した上で送信波TWおよび受信波RWの半波長と同一とみなすことができればよい。
【0037】
また、
図2に示す複数の送信アンテナ23のアンテナ間隔、および、複数の受信アンテナ31のアンテナ間隔は、例示に過ぎず、アンテナ間隔は適宜変更されてよい。
【0038】
図2(a)に示す3本の送信アンテナ23と、
図2(b)に示す2本の受信アンテナ31との組み合わせにより、
図2(c)に示す仮想アレーアンテナが生成される。
図2(c)に示す仮想アレーアンテナは、仮想アンテナVRx1〜VRx6によって構成される。仮想アンテナVRx1〜VRx6は、水平方向に沿って同一のアンテナ間隔dで配置される。MIMO技術を適用することで、送信アンテナを2本増やすだけで受信アンテナの本数の3倍の仮想アンテナを得ることができる。
【0039】
図3は、各仮想アンテナVRx1〜VRx6を構成する送信アンテナ23と受信アンテナ31との組み合わせを示す図である。
図3に示すように、仮想アンテナVRx1は、送信アンテナTx1と受信アンテナRx1とを組み合わせて生成される。仮想アンテナVRx2は、送信アンテナTx1と受信アンテナRx2とを組み合わせて生成される。仮想アンテナVRx3は、送信アンテナTx2と受信アンテナRx1とを組み合わせて生成される。仮想アンテナVRx4は、送信アンテナTx2と受信アンテナRx2とを組み合わせて生成される。仮想アンテナVRx5は、送信アンテナTx3と受信アンテナRx1とを組み合わせて生成される。仮想アンテナVRx6は、送信アンテナTx3と受信アンテナRx2とを組み合わせて生成される。
【0040】
すなわち、受信アンテナRx1の受信信号は、互いに直交する仮想アンテナVRx1の受信信号、仮想アンテナVRx3の受信信号、および、仮想アンテナVRx5の受信信号を含む。受信アンテナRx2の受信信号は、互いに直交する仮想アンテナVRx2の受信信号、仮想アンテナVRx4の受信信号、および、仮想アンテナVRx6の受信信号を含む。信号処理装置4は、複数の送信アンテナ23と複数の受信アンテナ31との組み合わせにより生成される複数の仮想アンテナVRx1〜VRx6の受信信号を処理する。
【0041】
<3.方位演算部の第1例>
図4は、方位演算部47の第1例を示す機能ブロック図である。本例では、方位演算部47は、方位算出部471と、第1分解部472と、第1選択部473とを備える。すなわち、信号処理装置4は、方位算出部471と、第1分解部472と、第1選択部473とを備える。
【0042】
方位算出部471は、複数のアンテナに含まれる3本以上のアンテナの受信信号に基づき、電波の到来方向を表す方位を方位ごとに分離して位相折り返しなく算出する。本例では、方位算出部471は、3本の仮想アンテナVRx1〜VRx3の受信信号に基づき、電波の到来方向を表す方位を方位ごとに分離して位相折り返しなく算出する。方位算出部471の処理の詳細については後述する。
【0043】
第1分解部472は、複数のアンテナに含まれる2本以上のアンテナの受信信号を、方位算出部471によって算出された方位ごとの複素信号に分解する。本例では、第1分解部472は、仮想アンテナVRx1及びVRx6の受信信号を、方位算出部471によって算出された方位ごとの複素信号に分解する。複素信号は、位相情報と振幅情報とを含む。第1分解部472の処理の詳細については後述する。
【0044】
なお、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は、方位算出部471での算出に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔より広い。本例では、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔はdであるのに対して、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は5dである。
【0045】
本例では、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は、仮想アンテナVRx1〜VRx6の最長アンテナ間隔5dである。第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔として、仮想アンテナVRx1〜VRx6の最長アンテナ間隔5dを採用することで、電波の到来方向を表す方位の精度を最大限向上させることができる。ただし、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は、仮想アンテナVRx1〜VRx6の最長アンテナ間隔5d以外のアンテナ間隔、例えば4d等であってもよい。
【0046】
第1選択部473は、方位算出部471によって算出された方位ごとに、方位算出部471の算出結果に基づき、第1分解部472によって分解された複数の複素信号の位相差及びその位相差の位相折り返しの中から1つを選択する。第1選択部473の処理の詳細については後述する。方位演算部47は、第1選択部473の選択結果を変換して得られる方位を、物標が存在する方位(電波の到来方向を表す方位)であると推定する。
【0047】
方位演算部47は、第1選択部473の選択基準を「方位算出部471の算出結果」としている。これにより、方位演算部47は、位相折り返しの問題を解消することができる。
【0048】
また、方位演算部47は、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔が方位算出部471での算出に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔より広いという条件の下、第1選択部473の選択対象を「第1分解部472によって分解された複数の複素信号の位相差及びその位相差の位相折り返し」としている。これにより、方位演算部47は、方位算出部471の算出結果をそのまま電波の到来方向を表す方位として用いる場合よりも、電波の到来方向を表す方位の精度を向上させることができる。
【0049】
すなわち、信号処理装置4は、位相折り返しの問題解消と電波の到来方向を表す方位の精度向上を両立させることができる。
【0050】
図5は、レーダ装置1の概略動作を示すフローチャートである。
図5は、方位演算部47による処理を中心に示したものである。すなわち、
図5においては、物標までの距離や相対速度を求める処理については省略されている。レーダ装置1は、
図5に示す処理を一定時間ごとに周期的に繰り返す。
【0051】
まず、送信アンテナ23が送信波TWを出力する(ステップS1)。次に、受信アンテナ31が物標で反射された反射波RWを受信して受信信号を取得する(ステップS2)。次に、信号処理装置4が所定数のビート信号を取得する(ステップS3)。次に、変換部43が取得したビート信号を対象にFFT処理を行う(ステップS4)。
【0052】
次に、ピーク抽出部45が、FFT処理の結果に基づきピーク抽出を行う(ステップS5)。ピーク抽出部45は、ピーク抽出の結果を仮想アンテナVRx1〜VRx6ごとの結果に分類する。
【0053】
次に、方位算出部471が、仮想アンテナVRx1〜VRx3の受信信号に基づき、電波の到来方向を表す方位を方位ごとに分離して位相折り返しなく算出する(ステップS6)。方位算出部471は、以下の式(1)で示す相関行列Rxxを算出する。
Rxx=E[X(t)X
H(t)] ・・・(1)
ここで、
X(t)=[x
1(t),x
2(t),x
3(t)]
T ・・・(2)
である。
【0054】
なお、X(t)は時刻tにおける仮想アンテナVRx1〜VRx3の受信信号ベクトルである。E[・]は期待値を、Hは複素共役転置を、Tは転置行列をそれぞれ示している。x
1(t)は仮想アンテナVRx1の受信信号、x
2(t)は仮想アンテナVRx2の受信信号、x
3(t)は仮想アンテナVRx3の受信信号である。
【0055】
方位算出部471は、相関行列Rxxを用いて、公知のMUSICやESPRIT等により方位を算出する。3本の仮想アンテナVRx1〜VRx3の受信信号から相関行列Rxxを生成しているので、方位算出部471は、最大2個の方位を得る。なお、3本の仮想アンテナVRx1〜VRx3のアンテナ間隔dが送信波TWおよび受信波RWの半波長と同一であるため、方位算出部471による方位算出では位相折り返しが生じていない。
【0056】
以下、方位算出部471が方位D1と方位D2とを算出した場合について説明する。
図6は方位算出部471での方位算出におけるアンテナ間隔d分の受信信号の位相差と方位との関係を示す図である。
【0057】
図5に戻って、方位算出部471によって方位が算出されると、第1分解部472は、仮想アンテナVRx1及びVRx6の受信信号を、以下の式(3)に基づき、方位D1、D2ごとの複素信号に分解する(ステップS7)。
X(t)=AS(t) ・・・(3)
ここで、
A=[a(θ
1),a(θ
2)] ・・・(4)
S(t)=[s
1(t),s
2(t)]
T ・・・(5)
である。
【0058】
なお、a(θ
1)は、方位D1のモードベクトルである。a(θ
2)は、方位D2のモードベクトルである。θ
1は方位D1を表す角度である。θ
2は方位D2を表す角度である。方位を表す角度は、物標がレーダ装置1の真正面に位置する場合に0[deg]になり、物標がレーダ装置1から見て真正面から右側にずれにつれて0[deg]より大きくなり、物標がレーダ装置1から見て真正面から左側にずれにつれて0[deg]より小さくなる。S(t)は、電波の位相振幅ベクトルである。s
1(t)は方位D1の複素信号(位相振幅信号)である。s
2(t)は方位D2の複素信号(位相振幅信号)である。
【0059】
方位算出部471によって方位D1と方位D2とが算出されたため、式(3)における行列Aは既知である。また、式(3)における受信信号ベクトルX(t)も既知である。したがって、第1分解部472は、式(3)に基づき、位相振幅ベクトルS(t)を求めることができる。
【0060】
仮想アンテナVRx1における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx1(t)と、仮想アンテナVRx1における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx1(t)とを求める場合には、第1分解部472は、モードベクトルa(θ
1)、a(θ
2)の基準アンテナを仮想アンテナVRx1にする。具体的には、第1分解部472は、受信信号ベクトルX(t)およびモードベクトルa(θ
k)に以下の値を代入する。
X(t)=[x
VRx1(t),x
VRx6(t)]
T ・・・(6)
a(θ
1)=[1,exp{-jΛ5dsin(θ
1)}]
T ・・・(7)
a(θ
2)=[1,exp{-jΛ5dsin(θ
2)}]
T ・・・(8)
Λ=2π/λ ・・・(9)
【0061】
なお、x
VRx1(t)は仮想アンテナVRx1の時刻tにおける受信信号である。x
VRx6(t)は仮想アンテナVRx6の時刻tにおける受信信号である。λは送信波TW及び受信波RWの波長である。
【0062】
上記代入により、仮想アンテナVRx1における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx1(t)と、仮想アンテナVRx1における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx1(t)とが求まる。
【0063】
また、仮想アンテナVRx6における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx6(t)と、仮想アンテナVRx6における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx6(t)とを求める場合には、第1分解部472は、モードベクトルa(θ
1)、a(θ
2)の基準アンテナを仮想アンテナVRx6にする。具体的には、第1分解部472は、受信信号ベクトルX(t)に上記の式(6)の値を代入し、モードベクトルa(θ
k)に以下の値を代入する。
a(θ
1)=[exp{jΛ5dsin(θ
1)},1]
T ・・・(10)
a(θ
2)=[exp{jΛ5dsin(θ
2)},1]
T ・・・(11)
【0064】
上記代入により、仮想アンテナVRx6における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx6(t)と、仮想アンテナVRx6における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx6(t)とが求まる。
【0065】
図7は第1分解部472によって求まる複素信号の位相差と方位との関係を示す図である。
図7において、仮想アンテナVRx1における方位D1の複素信号s
1VRx1(t)と仮想アンテナVRx6における方位D1の複素信号s
1VRx6(t)との位相差及びその位相差の位相折り返しを黒丸で示す。また、
図7において、仮想アンテナVRx1における方位D2の複素信号s
2VRx1(t)と仮想アンテナVRx6における方位D2の複素信号s
2VRx6(t)との位相差及びその位相差の位相折り返しを黒四角で示す。仮想アンテナVRx1と仮想アンテナVRx6とのアンテナ間隔が5dであるため、
図7における位相差はアンテナ間隔5d分の位相差である。
【0066】
図5に戻って、第1分解部472によって方位D1、D2ごとの複素信号が求められると、第1選択部473は、方位D1、D2ごとに、方位算出部471の算出結果に基づき、第1分解部472によって分解された複数の複素信号の位相差及びその位相差の位相折り返しの中から1つを選択する(ステップS8)。
【0067】
第1選択部473は、方位算出部471の算出結果との比較を可能にするために、第1分解部472によって求まる複素信号の位相差をアンテナ間隔d分の位相差に変換する。
図8は、第1分解部472によって求まる複素信号の位相差をアンテナ間隔d分の位相差に変換したものと方位との関係を示す図である。
【0068】
第1選択部473は、
図6における位相差と
図8に示す位相差とを比較し、
図8に示す黒丸の中から、位相差が
図6に示す黒丸の位相差に最も近いものを選択し、選択した黒丸の方位D1’を出力する。方位D1’は、方位D1の対応する方位であり、方位D1よりも誤差が小さい。
【0069】
また、第1選択部473は、
図6における位相差と
図8に示す位相差とを比較し、
図8に示す黒四角の中から、位相差が
図6に示す黒四角の位相差に最も近いものを選択し、選択した黒四角の方位D2’を出力する。方位D2’は、方位D2の対応する方位であり、方位D2よりも誤差が小さい。
【0070】
図5に戻って、第1選択部473による選択が終了すると、方位演算部47は、第1選択部473から出力される方位D1’、D2’を、物標が存在する方位(電波の到来方向を表す方位)であると推定し、その推定結果を出力し(ステップS9)、フローを終了する。
【0071】
図6及び
図8から明らかな通り、方位が広角になるほど(方位の絶対値が大きくなるほど)、方位の変化率に対する位相差の変化率が小さくなるため、位相差の誤差が方位の誤差に与える影響が大きくなる。したがって、信号処理装置4は、方位の広角域における方位の精度を大幅に向上させることができる。
【0072】
なお、方位算出部471において、アンテナ間隔dが送信波TWおよび受信波RWの半波長より広いアンテナの組を用いた場合、位相折り返しが発生する。例えばVRx1,VRx3,VRx5の組合せにより方位を算出した場合などである。このとき、方位D1は方位演算部47で算出された方位ではなく、位相折り返しによる別の方位である可能性も残っている。方位D2についても同様である。この場合は、式(7)および式(8)においてモードベクトルを算出する前に、位相折り返しを解消して方位を確定させる必要がある。位相折り返しの解消は種々公知の位相折り返し判定法を用いるとよい。位相折り返しを解消して方位D1およびD2を確定したのち、θ1およびθ2を式(7)および式(8)に代入してモードベクトルを算出するとよい。
【0073】
<4.方位演算部の第2例>
図9は、方位演算部47の第2例を示す機能ブロック図である。本例でも第1例と同様に、方位演算部47は、方位算出部471と、第1分解部472と、第1選択部473とを備える。すなわち、信号処理装置4は、方位算出部471と、第1分解部472と、第1選択部473とを備える。
【0074】
本例における方位算出部471は、分離部471aと、第2分解部471bと、第2選択部471cとを備える点で、第1例における方位算出部471と異なる。
【0075】
分離部471aは、前記複数のアンテナに含まれる3本以上のアンテナの受信信号に基づき、電波の到来方向を表す方位及びその方位の位相折り返しを方位ごとに分離する。本例では、分離部471aは、3本の仮想アンテナVRx1、VRx3、VRx5の受信信号に基づき、電波の到来方向を表す方位及びその方位の位相折り返しを方位ごとに分離する。分離部471aの処理の詳細については後述する。
【0076】
第2分解部471bは、複数のアンテナに含まれる2本以上のアンテナの受信信号を、分離部471aによって分離された方位ごとの複素信号に分解する。本例では、第2分解部471bは、仮想アンテナVRx1及びVRx2の受信信号を、分離部471aによって分離された方位ごとの複素信号に分解する。第2分解部471bの処理の詳細については後述する。
【0077】
本例では、分離部471aでの分離に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は、第2分解部471bでの分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔よりも広く、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔よりも狭い。本例では、分離部471aでの分離に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は2dであるのに対して、第2分解部471bでの分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔はdである。また、本例では、分離部471aでの分離に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は2dであるのに対して、第1分解部472での分解に用いられるアンテナにおけるアンテナ間隔は5dである。
【0078】
第2選択部471cは、分離部471aによって分離された方位ごとに、第2分解部471bの分解結果に基づき、分離部471aによって分離された方位及びその方位の位相折り返しの中から1つを選択する。第2選択部471cの処理の詳細については後述する。
【0079】
本例における方位演算部47を用いた場合も、第1例における方位演算部47を用いた場合と同様に、レーダ装置1の概略動作を示すフローチャートは
図5となる。ただし、本例における方位演算部47を用いた場合、方位算出(
図5のステップS6)の処理内容が第1例における方位演算部47を用いた場合とは異なる。
【0080】
図10は、本例における方位演算部47が実行する方位算出の処理内容を示すフローチャートである。
【0081】
まず分離部471aが、仮想アンテナVRx1、VRx3、VRx5の受信信号に基づき、電波の到来方向を表す方位及びその方位の位相折り返しを方位ごとに分離する(ステップS61)。分離部471aは、以下の式(12)で示す相関行列Rxx’を算出する。
Rxx’=E[X(t)X
H(t)] ・・・(12)
ここで、
X(t)=[x
1(t),x
3(t),x
5(t)]
T ・・・(13)
である。
【0082】
x
1(t)は仮想アンテナVRx1の受信信号、x
3(t)は仮想アンテナVRx3の受信信号、x
5(t)は仮想アンテナVRx5の受信信号である。
【0083】
分離部471aは、相関行列Rxx’を用いて、公知のMUSICやESPRIT等により方位を分離する。3本の仮想アンテナVRx1、VRx3、VRx5の受信信号から相関行列Rxx’を生成しているので、分離部471aは、最大2個の方位を得る。なお、3本の仮想アンテナVRx1、VRx3、VRx5のアンテナ間隔2dが送信波TWおよび受信波RWの半波長より長いため、分離部471aによって分離された方位には位相折り返しが生じる。
【0084】
以下、分離部471aが電波の到来方位を方位D1と方位D2とに分離した場合について説明する。上記のように第2例では位相折り返しが生じているため、第1例のときとは異なり、方位D1は1つの方位として確定していない。方位D2も同様である。
図11は分離部471aでの方位分離におけるアンテナ間隔2d分の受信信号の位相差と方位との関係を示す図である。図のように同一の位相差に対応する方位が複数存在し、分離部471aでは位相差に対応する複数の方位のうちいずれか一つの方位が算出される。
【0085】
図10に戻って、分離部471aによって方位が分離されると、第2分解部471bは、仮想アンテナVRx1及びVRx2の受信信号を、以下の式(14)に基づき、方位D1、D2ごとの複素信号に分解する(ステップS62)。なお、以下の式(14)〜(16)は、上述した式(3)〜(5)と同一である。
X(t)=AS(t) ・・・(14)
ここで、
A=[a(θ
1),a(θ
2)] ・・・(15)
S(t)=[s
1(t),s
2(t)]
T ・・・(16)
である。
【0086】
なお、a(θ
1)は、方位D1のモードベクトルである。a(θ
2)は、方位D2のモードベクトルである。θ
1は方位D1を表す角度である。θ
2は方位D2を表す角度である。方位を表す角度は、物標がレーダ装置1の真正面に位置する場合に0[deg]になり、物標がレーダ装置1から見て真正面から右側にずれにつれて0[deg]より大きくなり、物標がレーダ装置1から見て真正面から左側にずれにつれて0[deg]より小さくなる。S(t)は、電波の位相振幅ベクトルである。s
1(t)は方位D1の複素信号(位相振幅信号)である。s
2(t)は方位D2の複素信号(位相振幅信号)である。
【0087】
分離部471aによって方位D1と方位D2とが得られているため、式(14)における行列Aは既知である。また、式(14)における受信信号ベクトルX(t)も既知である。したがって、第2分解部471bは、式(14)に基づき、位相振幅ベクトルS(t)を求めることができる。
【0088】
仮想アンテナVRx1における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx1(t)と、仮想アンテナVRx1における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx1(t)とを求める場合には、第1分解部472は、モードベクトルa(θ
1)、a(θ
2)の基準アンテナを仮想アンテナVRx1にする。具体的には、第2分解部471bは、受信信号ベクトルX(t)およびモードベクトルa(θ
k)に以下の値を代入する。
X(t)=[x
VRx1(t),x
VRx3(t)]
T ・・・(17)
a(θ
1)=[1,exp{-2jΛdsin(θ
1)}]
T ・・・(18)
a(θ
2)=[1,exp{-2jΛdsin(θ
2)}]
T ・・・(19)
Λ=2π/λ ・・・(20)
【0089】
なお、x
VRx1(t)は仮想アンテナVRx1の時刻tにおける受信信号である。x
VRx3(t)は仮想アンテナVRx3の時刻tにおける受信信号である。λは送信波TW及び受信波RWの波長である。前述の第1例ではモードベクトルを算出する前に位相折り返しを解消して方位を1つに確定させたが、第2例ではその必要は無い。そのため、信号ベクトルX(t)およびモードベクトルa(θk)を生成するときは、分離部471aで用いたアンテナ間隔に合わせて仮想アンテナを選択する。例えば上記の場合、分離部471aで用いたアンテナ間隔2dに合わせ、複素信号を求めたい仮想アンテナVRx1に対して仮想アンテナVRx3を選択する。
【0090】
このとき、受信信号ベクトルX(t)は、選択した仮想アンテナの受信信号を要素として生成する。またモードベクトルa(θ)は、基準とするアンテナ(上記では仮想アンテナVRx1)に対応する要素を1とし、他要素は、対応する別の仮想アンテナの位置における理想的な位相差を代入して生成する。
【0091】
上記代入により、仮想アンテナVRx1における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx1(t)と、仮想アンテナVRx1における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx1(t)とが求まる。
【0092】
また、仮想アンテナVRx2における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx2(t)と、仮想アンテナVRx2における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx2(t)とを求める場合には、第2分解部471bは、モードベクトルa(θ
1)、a(θ
2)の基準アンテナを仮想アンテナVRx2にする。具体的には、第2分解部471bは、受信信号ベクトルX(t)、モードベクトルa(θ
k)に以下の値を代入する。なお、前述のように、仮想アンテナVRx2に対しては、アンテナ間隔が2dとなる仮想アンテナVRx4を選択する。
X(t)=[x
VRx2(t),x
VRx4(t)]
T ・・・(21)
a(θ
1)=[1,exp{-2jΛdsin(θ
1)}]
T ・・・(22)
a(θ
2)=[1,exp{-2jΛdsin(θ
2)}]
T ・・・(23)
【0093】
上記代入により、仮想アンテナVRx2における方位D1の複素信号(位相振幅信号)s
1VRx2(t)と、仮想アンテナVRx2における方位D2の複素信号(位相振幅信号)s
2VRx2(t)とが求まる。
【0094】
図12は第2分解部471bによって求まる複素信号の位相差と方位との関係を示す図である。
図12において、仮想アンテナVRx1における方位D1の複素信号s
1VRx1(t)と仮想アンテナVRx2における方位D1の複素信号s
1VRx2(t)との位相差及びその位相差の位相折り返しを黒丸で示す。また、
図12において、仮想アンテナVRx1における方位D2の複素信号s
2VRx1(t)と仮想アンテナVRx2における方位D2の複素信号s
2VRx2(t)との位相差及びその位相差の位相折り返しを黒四角で示す。仮想アンテナVRx1と仮想アンテナVRx2とのアンテナ間隔がdであるため、
図12における位相差はアンテナ間隔d分の位相差である。
【0095】
図10に戻って、第2分解部471bによって方位D1、D2ごとの複素信号が求められると、第2選択部471cは、方位D1、D2ごとに、第2分解部471bの分解結果に基づき、分離部471aによって分離された方位及びその方位の位相折り返しの中から1つを選択する(ステップS63)。
【0096】
第2選択部471cは、第2分解部471bの分解結果との比較を可能にするために、分離部471aによって求まる受信信号の位相差をアンテナ間隔d分の位相差に変換する。
図13は、分離部471aによって求まる受信信号の位相差をアンテナ間隔d分の位相差に変換したものと方位との関係を示す図である。
【0097】
第2選択部471cは、
図11における位相差と
図13に示す位相差とを比較し、
図13に示す黒丸の中から、位相差が
図12に示す黒丸の位相差に最も近いものを選択し、選択した黒丸の方位D1を出力する。
【0098】
また、第2選択部471cは、
図11における位相差と
図13に示す位相差とを比較し、
図13に示す黒四角の中から、位相差が
図12に示す黒四角の位相差に最も近いものを選択し、選択した黒四角の方位D2を出力する。
【0099】
図10に戻って、第2選択部471cによる選択が終了すると、方位算出部471は、第2選択部471cから出力される方位D1、D2を、方位の算出結果として出力し(ステップS64)、フローを終了する。
【0100】
本例における方位演算部47を用いた場合、第1例における方位演算部47を用いた場合よりも、
図5中のステップS6において算出される方位の精度が高いので、
図5中のステップS8における選択に誤りが生じる可能性を低くすることができる。
【0101】
なお、式(17)〜式(19)では、仮想アンテナ2つで複素信号を算出したが、3つの仮想アンテナを用いて以下の値を代入して算出してもよい。
【数1】
上記の式を用いることで、算出精度を向上することができる。
【0102】
また、同様に式(21)〜式(23)も以下のように値を代入して算出してもよい。
【数2】
上記の式を用いることで、算出精度を向上することができる。また、上記では3つとしたが、仮想アンテナの構成に応じ、3つ以上の仮想アンテナを用いて複素信号を算出してもよい。
【0103】
<5.留意事項>
本明細書における実施形態や実施例の構成は、本発明の例示にすぎない。実施形態や変形例の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、複数の実施形態及び変形例は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0104】
以上においては、車載レーダ装置について説明したが、本発明は、道路などに設置されるインフラレーダ装置、船舶監視レーダ装置、航空機監視レーダ装置等にも適用されてよい。
【0105】
以上においてプログラムの実行によってソフトウェア的に実現されると説明した機能の全部又は一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また、ハードウェア回路によって実現されると説明した機能の全部又は一部はソフトウェア的に実現されてもよい。また、1つのブロックとして説明した機能が、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。また、各機能ブロックは概念的な構成要素である。各機能ブロックが実行する機能を複数の機能ブロックに分散させたり、複数の機能ブロックが有する機能を1つの機能ブロックに結合したりしてよい。