【解決手段】 第1の1/4波長板32の遅相軸は第1の直線偏光板31の偏光方向に対して+45°または−45°の関係を有し、第2の1/4波長板33の第1部分331(第1の受光部11に対応する領域)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向に対する関係と同じ+45°または−45°であり、第2の1/4波長板33の第2部分332(第2の受光部12に対応する領域)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向に対する関係とは正負が逆の、−45°または+45°であり、第1の受光部11の出力と第2の受光部12の出力の差分をとる差分検出部60を有する。
上記第1光学領域および上記第2光学領域、上記カラーフィルタ層の上記第1フィルタ部および上記第2フィルタ部、ならびに上記第1の受光部および上記第2の受光部は、それぞれ、互いに直交する第1方向および第2方向において交互にマトリクス状に配置されており、
互いに隣接する上記第1フィルタ部および上記第2フィルタ部において、上記第1赤色フィルタ、上記第1緑色フィルタおよび上記第1青色フィルタと、上記第2赤色フィルタ、上記第2緑色フィルタおよび上記第2青色フィルタとは、それぞれ上記第1方向および上記第2方向の少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される、請求項5に記載の照度センサ。
複数ずつの上記第1フィルタ部および上記第2フィルタ部がマトリクス状に配置されたフィルタ配置領域において、すべての上記第1赤色フィルタおよび上記第2赤色フィルタ、すべての上記第1緑色フィルタおよび上記第2緑色フィルタ、ならびにすべての上記第1青色フィルタおよび上記第2青色フィルタは、それぞれ、上記フィルタ配置領域の中心点を対称の中心として点対称となるように配置されている、請求項6に記載の照度センサ。
上記第1光学領域および上記第2光学領域、ならびに上記第1の受光部および上記第2の受光部は、それぞれ、互いに直交する第1方向および第2方向において交互にマトリクス状に配置されており、
互いに隣接する上記第1の受光部および上記第2の受光部において、上記第1の受光部に属する上記可視光用受光素子および上記赤外光用受光素子と、上記第2の受光部に属する上記可視光用受光素子および上記赤外光用受光素子とは、それぞれ上記第1方向および上記第2方向の少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される、請求項8に記載の照度センサ。
すべての上記可視光用受光素子およびすべての上記赤外光用受光素子は、それぞれ、複数ずつの上記第1の受光部および上記第2の受光部がマトリクス状に配置された受光部配置領域の中心点を対称の中心として点対称となるように配置されている、請求項9に記載の照度センサ。
請求項1ないし10のいずれかに記載の照度センサと、上記第1の1/4波長板および上記第2の1/4波長板の間に配置され、表示面が上記第1の1/4波長板側を向くOLEDと、を含み、
上記第1の受光部および上記第2の受光部は、上記OLEDの裏面側に上記OLEDと平行な面内に配置されている、電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
<照度センサA1>
図1は、本開示に係る照度センサの第1実施形態である照度センサA1を示す。照度センサA1は、第1の受光部11と、第2の受光部12と、光学領域30と、差分検出部60と、を含む。
【0012】
第1の受光部11および第2の受光部12は、例えば同一のIC100に造り込まれたフォトダイオードであり、IC100の主面である同一の平面内に位置する。光学領域30は、第1の受光部11および第2の受光部12に対向して配置されている。光学領域30は、第1の受光部11に対応して配置された第1光学領域30Aと、第2の受光部12に対応して配置された第2光学領域30Bと、を有する。
【0013】
光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)は、第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34を含む。第1の受光部11および第2の受光部12から遠い順に、これら第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34が積層配置されている。これら第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34は、互いに密着して積層されていてもよいし、空気層や単純透明層が介在していてもよい。本実施形態では、第1の受光部11および第2の受光部12と第2の直線偏光板34との間に、例えば赤、緑または青のカラーフィルタ層20を介在させている。
【0014】
第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34は、各々、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって一様に配置される。本実施形態において、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とは同じであり、
図1においては、これを同一の方向に傾くハッチングで示す。また、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の少なくともいずれか一方は、非有効機能帯域が赤外光帯域の少なくとも一部帯域を含むものを使用する。ここで、非有効機能帯域とは、偏光機能を有効に発揮しない光の波長帯域を意味する。すなわち、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の少なくともいずれか一方は、例えば、可視光帯域の全部に対して偏光機能を有し、赤外光帯域の全部に対しては偏光せずに透過するという特性を有するものを使用する。このような特性を有する直線偏光板としては、例えば、株式会社美館イメージングが販売する偏光板「MCPR−4」を用いることができる。なお、非有効機能帯域が赤外光帯域の少なくとも一部帯域を含む直線偏光板における偏光機能の有効帯域と非有効機能帯域の境界は、可視光帯域と赤外光帯域との境界と一致している必要はなく、可視光帯域側または赤外光帯域側に偏っていてもよい。このことは、本明細書中の以下の説明において、同様である。
【0015】
第1の1/4波長板32は、第1の直線偏光板31のすぐ下層に位置する。この第1の1/4波長板32は、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって、その遅相軸が第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して+45°または−45°の関係を有する。本実施形態では、第1の1/4波長板32の遅相軸は上記第1偏光方向に対して+45°の関係を有し、
図1中に「+45°」と表記してこれを示す。
【0016】
第2の1/4波長板33は、第1の1/4波長板32のすぐ下層に位置する。第2の1/4波長板33は、第1光学領域30Aに属する第1部分331と、第2光学領域30Bに属する第2部分332と、を有する。第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ、+45°または−45°である。本実施形態では、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とは同じであるので、第1部分331の遅相軸は上記第1偏光方向に対しても+45°の関係を有し、
図1中に「+45°」と表記してこれを示す。一方、第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆である。本実施形態では、第2部分332の遅相軸は上記第2偏光方向に対して−45°の関係を有する。また、本実施形態では、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とは同じであるので、第2部分332の遅相軸は上記第1偏光方向に対しても−45°の関係を有し、
図1中に「−45°」と表記してこれを示す。
【0017】
差分検出部60は、第1の受光部11の出力と第2の受光部12の出力との差分をとるものである。差分検出部60としては、例えばオペアンプなどの差動増幅器を用いることができる。
【0018】
次に、
図1に示す照度センサA1の作用について、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合に分けて説明する。
【0019】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0020】
第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34は、ともに赤外光に対しては偏光機能を有さないので、第1の受光部11および第2の受光部12は、いずれも赤外光を受光することができる。
【0021】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331(+45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0022】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332(−45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0023】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA1は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0024】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0025】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。
【0026】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0027】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、同様に赤外光を受光する。
【0028】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331(+45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0029】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332(−45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0030】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA1は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0031】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0032】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、この偏光の方向は第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過する間に90°変化させられる。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、上記のように90°方向が変化させられた偏光はそのまま第1の受光部11に到達する。
【0033】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過した時点で偏光方向が変化せずに第2の直線偏光板34に到達する。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、第1の直線偏光板31による偏光はそのまま第2の受光部12に到達する。
【0034】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、方向が90°異なる偏光として、同様の光量で赤外光を受光する。
【0035】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331(+45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0036】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332(−45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0037】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA1は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0038】
<照度センサA2>
図2は、照度センサA1の変形例である照度センサA2を示す。照度センサA2は、第1の1/4波長板32と第2の1/4波長板33の配置構成が
図1に示した照度センサA1と異なり、その余の構成は
図1に示した照度センサA1と同様である。すなわち、
図1に示した照度センサA1においては、第1の1/4波長板32は第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって「+45°」のものとし、第2の1/4波長板33については、第1光学領域30Aに属する第1部分331を「+45°」のものとし、第2光学領域30Bに属する第2部分332を「−45°」のものとした。一方、
図2に示す照度センサA2においては、第2の1/4波長板33を、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bにわたって「+45°」のものとし、第1の1/4波長板32について、第1光学領域30Aに属する第1部分321を「+45°」のものとし、第2光学領域30Bに属する第2部分322を「−45°」のものとしている。すなわち、第1の1/4波長板32の第1部分321の遅相軸は第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して+45°の関係を有し、第1の1/4波長板32の第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係は、第1部分321とは正負が逆の−45°である。第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1部分321の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ+45°である。一方、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係(−45°)とは正負が逆の+45°となる。
【0039】
次に、
図2に示す照度センサA2の作用について、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合に分けて説明する。
【0040】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0041】
第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34は、ともに赤外光に対しては偏光機能を有さないので、第1の受光部11および第2の受光部12は、いずれも赤外光を受光することができる。
【0042】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第1部分321(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1部分321の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第1部分321とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0043】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第2部分322(−45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係(−45°)とは正負が逆の+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第2部分322とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0044】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA2は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0045】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0046】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。
【0047】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0048】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、同様に赤外光を受光する。
【0049】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第1部分321(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1部分321の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第1部分321とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0050】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第2部分322(−45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係(−45°)とは正負が逆の+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第2部分322とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0051】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA2は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0052】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0053】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、この偏光の方向は第1の1/4波長板32(第1部分321)および第2の1/4波長板33を通過する間に90°変化させられる。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、上記のように90°方向が変化させられた偏光はそのまま第1の受光部11に到達する。
【0054】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、第1の1/4波長板32(第2部分322)および第2の1/4波長板33を通過した時点で偏光方向が変化せずに第2の直線偏光板34に到達する。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、第1の直線偏光板31による偏光はそのまま第2の受光部12に到達する。
【0055】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、方向が90°異なる偏光として、同様の光量で赤外光を受光する。
【0056】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第1部分321(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1部分321の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第1部分321とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0057】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第2部分322(−45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係(−45°)とは正負が逆の+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第2部分322とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0058】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA2は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0059】
<照度センサA3>
図3は、本開示に係る照度センサの第2実施形態である照度センサA3を示す。照度センサA3は、
図1に示した照度センサA1との比較において、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の偏光方向の関係、および、第1の1/4波長板32と第2の1/4波長板33の配置構成が異なり、その余の構成は
図1に示した照度センサA1と同様である。すなわち、
図3に示した照度センサA3においては、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)は、90°異なる。
図3において、これを傾斜方向の異なるハッチングで示す。第1の1/4波長板32は第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって「+45°」のものとし、第2の1/4波長板33については、第1光学領域30Aに属する第1部分331を「−45°」のものとし、第2光学領域30Bに属する第2部分332を「+45°」のものとしている。すなわち、第1の1/4波長板32の遅相軸は第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して+45°の関係を有する。第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸は、上記第1偏光方向に対して−45°の関係を有する。本実施形態では、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)は90°異なるので、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸は、第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対して+45°の関係を有する。したがって、第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。一方、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸は、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して+45°の関係を有する。第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)は90°異なるので、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸は、第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対して−45°の関係を有する。したがって、第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。
【0060】
次に、
図3に示す照度センサA3の作用について、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合に分けて説明する。
【0061】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0062】
第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34は、ともに赤外光に対しては偏光機能を有さないので、第1の受光部11および第2の受光部12は、いずれも赤外光を受光することができる。
【0063】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0064】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0065】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA3は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0066】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0067】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。
【0068】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0069】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、同様に赤外光を受光する。
【0070】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0071】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0072】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA3は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0073】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0074】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過した時点で偏光方向が変化せずに第2の直線偏光板34に到達する。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、第1の直線偏光板31による偏光はそのまま第1の受光部11に到達する。
【0075】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、この偏光の方向は第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過する間に90°変化させられる。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、上記のように90°方向が変化させられた偏光はそのまま第2の受光部12に到達する。
【0076】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、方向が90°異なる偏光として、同様の光量で赤外光を受光する。
【0077】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0078】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0079】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA3は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0080】
<照度センサA4>
図4は、照度センサA3の変形例である照度センサA4を示す。照度センサA4は、第1の1/4波長板32と第2の1/4波長板33の配置構成が
図3に示した照度センサA3と異なり、その余の構成は
図3に示した照度センサA3と同様である。すなわち、
図3に示した照度センサA3においては、第1の1/4波長板32は第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって「+45°」のものとし、第2の1/4波長板33については、第1光学領域30Aに属する第1部分331を「−45°」のものとし、第2光学領域30Bに属する第2部分332を「+45°」のものとした。一方、
図4に示す照度センサA4においては、第2の1/4波長板33を、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bにわたって「+45°」のものとし、第1の1/4波長板32について、第1光学領域30Aに属する第1部分321を「−45°」のものとし、第2光学領域30Bに属する第2部分322を「+45°」のものとしている。すなわち、第1の1/4波長板32の第1部分321の遅相軸は第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して−45°の関係を有し、第1の1/4波長板32の第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係は、第1部分321とは正負が逆の+45°である。第2の1/4波長板33の遅相軸は、上記第1偏光方向に対して+45°の関係を有する。本実施形態では、
図3に示した照度センサA3と同様に、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)は90°異なるので、第2の1/4波長板33の遅相軸は、第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対して−45°の関係を有する。したがって、第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の第1部分321の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ−45°である。一方、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第1の1/4波長板32の第2部分322の遅相軸の第1の上記第1偏光方向に対する関係(+45°)とは正負が逆の−45°になる。
【0081】
次に、
図4に示す照度センサA4の作用について、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合に分けて説明する。
【0082】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0083】
第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34は、ともに赤外光に対しては偏光機能を有さないので、第1の受光部11および第2の受光部12は、いずれも赤外光を受光することができる。
【0084】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第1部分321(−45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1部分321の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第1部分321とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0085】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第2部分322(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係(+45°)とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第2部分322とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0086】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA4は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0087】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0088】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。
【0089】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0090】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、同様に赤外光を受光する。
【0091】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第1部分321(−45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1部分321の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第1部分321とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0092】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第2部分322(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係(+45°)とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第2部分322とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0093】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA4は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0094】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0095】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、第1の1/4波長板32(第1部分321)および第2の1/4波長板33を通過した時点で偏光方向が変化せずに第2の直線偏光板34に到達する。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、第1の直線偏光板31による偏光はそのまま第1の受光部11に到達する。
【0096】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、この偏光の方向は第1の1/4波長板32(第2部分322)および第2の1/4波長板33を通過する間に90°変化させられる。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、上記のように90°方向が変化させられた偏光はそのまま第2の受光部12に到達する。
【0097】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、方向が90°異なる偏光として、同様の光量で赤外光を受光する。
【0098】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第1部分321(−45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1部分321の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第1部分321とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、赤外光のみを受光することになる。
【0099】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32の第2部分322(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、第2部分322の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係(+45°)とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32の第2部分322とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0100】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この照度センサA4は、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0101】
<照度センサA5>
図5は、本開示に係る照度センサの第3実施形態を示す。同図に示した照度センサA5は、主に第1の受光部11および第2の受光部12の構成とカラーフィルタ層20の構成が上記した照度センサA1〜A4と異なる。なお、
図5においては、光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)のうち第2の直線偏光板34のみを表し、第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を省略している。
【0102】
本実施形態の照度センサA5において、第1の受光部11および第2の受光部12は、それぞれ複数の受光素子を有する。具体的には、第1の受光部11は、第1の受光素子111、第2の受光素子112および第3の受光素子113を含む。第2の受光部12は、第1の受光素子121、第2の受光素子122および第3の受光素子123を含む。
【0103】
本実施形態において、IC100上に保護膜19が形成されており、保護膜19上にカラーフィルタ層20が形成される。カラーフィルタ層20は、第1の受光部11に対応して配置された第1フィルタ部20Aと、第2の受光部12に対応して配置された第2フィルタ部20Bと、を有する。第1フィルタ部20Aは、第1赤色フィルタ21r、第1緑色フィルタ21gおよび第1青色フィルタ21bを含み、第2フィルタ部20Bは、第2赤色フィルタ22r、第2緑色フィルタ22gおよび第2青色フィルタ22bを含む。
【0104】
第1赤色フィルタ21rおよび第2赤色フィルタ22rは、可視光帯域の青色光および緑色光の波長域の光を選択的に減衰させ、赤色光および赤外光の波長域の光を選択的に透過させる。第1赤色フィルタ21rは、第1ないし第3の受光素子111〜113や第1ないし第3の受光素子121〜123の受光面と直交する方向(以下、方向zという)において、第1の受光素子111を覆っている。第2赤色フィルタ22rは、方向zにおいて第1の受光素子121を覆っている。図面中、第1赤色フィルタ21rおよび第2赤色フィルタ22rに「R」の文字を付している。
【0105】
第1緑色フィルタ21gおよび第2緑色フィルタ22gは、赤色光および青色光の波長域の光を選択的に減衰させ、緑色光および赤外光の波長域の光を選択的に透過させる。第1緑色フィルタ21gは、方向zにおいて第2の受光素子112を覆っている。第2緑色フィルタ22gは、方向zにおいて第2の受光素子122を覆っている。図面中、第1緑色フィルタ21gおよび第2緑色フィルタ22gに「G」の文字を付している。
【0106】
第1青色フィルタ21bおよび第2青色フィルタ22bは、赤色光および緑色光の波長域の光を選択的に減衰させ、青色光および赤外光の波長域の光を選択的に透過させる。第1青色フィルタ21bは、方向zおいて第3の受光素子113を覆っている。第2青色フィルタ22bは、方向zにおいて第3の受光素子123を覆っている。図面中、第1青色フィルタ21bおよび第2青色フィルタ22bに「B」の文字を付している。
【0107】
上記の各色フィルタ21r,21g,21b,22r,22g,22bは、例えば、顔料をベースとしたカラーレジストやゼラチン膜等により構成することができる。なお、
図5において、各色フィルタ21r,21g,21b,22r,22g,22bの厚さをほぼ均一に表したが、各色フィルタの色素によって透過率が異なるため当該各色フィルタの特性に応じてフィルタ21r,21g,21b,22r,22g,22bの厚さを適宜異ならせてもよい。
【0108】
本実施形態において、カラーフィルタ層20は保護膜23を含む。保護膜23は、第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bにわたって配置されており、第1赤色フィルタ21r、第1緑色フィルタ21gおよび第1青色フィルタ21b、ならびに第2フィルタ部20Bは、第2赤色フィルタ22r、第2緑色フィルタ22gおよび第2青色フィルタ22bの全体を覆っている。保護膜23は、例えば酸化チタン(TiO
2)等の透明樹脂により構成される。
【0109】
本実施形態の照度センサA5は、3つの差分検出部60を具備する。1つの差分検出部60は、第1の受光素子111と第1の受光素子121の出力の差分をとる。他の1つの差分検出部60は、第2の受光素子112と第2の受光素子122の出力の差分をとる。さらに他の1つの差分検出部60は、第3の受光素子113と第3の受光素子123の出力の差分をとる。
【0110】
なお、
図5において、光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)について第2の直線偏光板34以外の記載を省略したが、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34)の構成については、上記の照度センサA1〜A4のいずれの構成を採用してもよい。第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bが照度センサA1〜A4のいずれの構成であっても、第1の受光部11(第1の受光素子111、第2の受光素子112および第3の受光素子113)は赤外光のみを受光し、第2の受光部12(第1の受光素子121、第2の受光素子122および第3の受光素子123)は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0111】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。また、本実施形態では、第1の受光部11の第1の受光素子111、第2の受光素子112および第3の受光素子113は、それぞれ第1赤色フィルタ21r、第1緑色フィルタ21gおよび第1青色フィルタ21bに覆われている。また、第2の受光部12の第1の受光素子121、第2の受光素子122および第3の受光素子123は、それぞれ第2赤色フィルタ22r、第2緑色フィルタ22g、第2青色フィルタ22bに覆われている。これにより、第1の受光部11および第2の受光部12は、可視光帯域について、赤、緑および青の各色の波長域に分光して受光することが可能である。したがって、本実施形態の照度センサA5によれば、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ、赤、緑および青の各色の照度の検出をすることができる。
【0112】
<照度センサA6>
図6および
図7は、本開示に係る照度センサの第4実施形態を示す。これらの図に示した照度センサA6は、複数ずつの第1の受光部11および第2の受光部12と、複数ずつの第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bと、複数ずつの第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bと、差分検出部60(図示略)と、を備える。
【0113】
詳細な説明は省略するが、本実施形態における各第1の受光部11、各第2の受光部12、各第1フィルタ部20A、各第2フィルタ部20B、各第1光学領域30Aおよび各第2光学領域30Bは、それぞれ、上記の照度センサA5における第1の受光部11、第2の受光部12、第1フィルタ部20A、第2フィルタ部20B、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bと同様の構成を有する。すなわち、本実施形態の各第1の受光部11は、第1の受光素子111、第2の受光素子112および第3の受光素子113を含み、各第2の受光部12は、第1の受光素子121、第2の受光素子122および第3の受光素子123を含む。また、各第1フィルタ部20Aは、第1の受光素子111を覆う第1赤色フィルタ21r、第2の受光素子112を覆う第1緑色フィルタ21g、および第3の受光素子113を覆う第1青色フィルタ21bを含む。各第2フィルタ部20Bは、第1の受光素子121を覆う第2赤色フィルタ22r、第2の受光素子122を覆う第2緑色フィルタ22g、および第3の受光素子123を覆う第2青色フィルタ22bを含む。
【0114】
本実施形態において、
図6、
図7から理解されるように、第1の受光部11および第2の受光部12、カラーフィルタ層20の第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20B、ならびに第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bは、それぞれ、互いに直行する方向x(第1方向)および方向y(第2方向)において交互にマトリクス状に配置されている。図示した例では、8個の第1の受光部11および8個の第2の受光部12の合計16個の第1の受光部11および第2の受光部12が、方向xおよび方向yにおいて4行、4列のマトリクス状に配置されている。方向xおよび方向yのいずれにおいても、第1の受光部11と第2の受光部12とが交互に配列されている。また、8個の第1フィルタ部20Aと8個の第2フィルタ部20Bの合計16個の第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bが、方向xおよび方向yにおいて4行、4列のマトリクス状に配置されている。方向xおよび方向yのいずれにおいても、第1フィルタ部20Aと第2フィルタ部20Bとが交互に配列されている。同様に、8個の第1光学領域30Aと8個の第2光学領域30Bの合計16個の第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bが、方向xおよび方向yにおいて4行、4列のマトリクス状に配置されている。方向xおよび方向yのいずれにおいても、第1光学領域30Aと第2光学領域30Bとが交互に配列されている。また、
図6に示すように、方向xおよび方向yがなす面内にマトリクス状に配置された16個の第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bよってフィルタ配置領域2が形成される。
【0115】
図6に示すように、本実施形態では、各第1フィルタ部20Aおよび各第2フィルタ部20Bは、方向xおよび方向yに2個ずつ合計4個の部位に区画されている。第1フィルタ部20Aにおいて、第1赤色フィルタ21r、第1緑色フィルタ21g、第1青色フィルタ21bは、上記4個の区画された部位のいずれかに配置される。同様に、第2フィルタ部20Bにおいて、第2赤色フィルタ22r、第2緑色フィルタ22g、第2青色フィルタ22bは、上記4個の区画された部位のいずれかに配置される。
【0116】
図6において、第1赤色フィルタ21rおよび第2赤色フィルタ22rの区画に「R」の文字を、第1緑色フィルタ21gおよび第2緑色フィルタ22gの区画に「G」の文字を、第1青色フィルタ21bおよび第2青色フィルタ22bの区画に「B」の文字を、それぞれ付している。また、図面中、無印の区画および「C」の文字が付された区画には、各色フィルタが配置されていない。
図7に示すように、本実施形態では第1の受光部11および第2の受光部12はクリア用受光素子118,128を含み、第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bにおいて「C」の文字が付された区画は、クリア用受光素子118,128に対応する位置にある。
【0117】
図6に示すように、互いに隣接する第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bにおいて、第1赤色フィルタ21rおよび第2赤色フィルタ22rに着目すると、第1赤色フィルタ21rと第2赤色フィルタ22rとは、方向xおよび方向yの少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される。同様に、互いに隣接する第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bにおいて、第1緑色フィルタ21gおよび第2緑色フィルタ22gに着目すると、第1緑色フィルタ21gと第2緑色フィルタ22gとは、方向xおよび方向yの少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される。同様にまた、互いに隣接する第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bにおいて、第1青色フィルタ21bおよび第2青色フィルタ22bに着目すると、第1青色フィルタ21bと第2青色フィルタ22bとは、方向xおよび方向yの少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される。
【0118】
図6に示すように、本実施形態では、複数ずつの第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bがマトリクス状に配置されたフィルタ配置領域2において、すべての第1赤色フィルタ21rおよび第2赤色フィルタ22rは、フィルタ配置領域2の中心点C2を対称の中心として点対称となるように配置されている。これと同様に、すべての第1緑色フィルタ21gおよび第2緑色フィルタ22g、ならびにすべての第1青色フィルタ21bおよび第2青色フィルタ22bは、それぞれ、フィルタ配置領域2の中心点C2を対称の中心として点対称となるように配置されている。
【0119】
詳細な図示説明は省略するが、本実施形態において、ある差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12の第1の受光素子111と第1の受光素子121との出力の差分をとる。他の差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12の第2の受光素子112と第2の受光素子122との出力の差分をとる。これと同様に、他の差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12の第3の受光素子113と第3の受光素子123との出力の差分をとる。他の差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12のクリア用受光素子118とクリア用受光素子128との出力の差分をとる。このように、差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12において対応する受光素子の対の出力の差分をとるように設けられる。
【0120】
なお、
図7において、光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)について第2の直線偏光板34以外の記載を省略したが、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34)の構成については、上記の照度センサA1〜A4のいずれの構成を採用してもよい。第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bが照度センサA1〜A4のいずれの構成であっても、第1の受光部11(第1の受光素子111、第2の受光素子112、第3の受光素子113およびクリア用受光素子118)は赤外光のみを受光し、第2の受光部12(第1の受光素子121、第2の受光素子122、第3の受光素子123、およびクリア用受光素子128)は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0121】
差分検出部60は、複数の第1の受光部11と複数の第2の受光部12の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分をキャンセルし、可視光による受光量を信号として出力する。また、本実施形態では、各第1の受光部11の第1の受光素子111、第2の受光素子112および第3の受光素子113は、それぞれ第1赤色フィルタ21r、第1緑色フィルタ21gおよび第1青色フィルタ21bに覆われている。また、各第2の受光部12の第1の受光素子121、第2の受光素子122および第3の受光素子123は、それぞれ第2赤色フィルタ22r、第2緑色フィルタ22g、第2青色フィルタ22bに覆われている。これにより、複数の第1の受光部11および複数の第2の受光部12は、可視光帯域について、赤、緑および青の各色の波長域に分光して受光することが可能である。したがって、本実施形態の照度センサA6によれば、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ、赤、緑および青の各色の照度の検出をすることができる。
【0122】
さらに、本実施形態では、互いに隣接する第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bにおいて、第1赤色フィルタ21rと第2赤色フィルタ22r、第1緑色フィルタ21gと第2緑色フィルタ22g、および第1青色フィルタ21bと第2青色フィルタ22bは、それぞれ、方向xおよび方向yの少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される。このような構成によれば、赤、緑および青の各色成分の照度検出のために出力の差分をとる受光素子の対が隣接するので、各色の照度の検出精度を高めることができる。
【0123】
また、複数ずつの第1フィルタ部20Aおよび第2フィルタ部20Bがマトリクス状に配置されたフィルタ配置領域2において、すべての第1赤色フィルタ21rおよび第2赤色フィルタ22r、すべての第1緑色フィルタ21gおよび第2緑色フィルタ22g、ならびにすべての第1青色フィルタ21bおよび第2青色フィルタ22bは、それぞれ、フィルタ配置領域2の中心点C2を対称の中心として点対称に配置される。このような構成によれば、照度センサA6の照度検出範囲であるフィルタ配置領域2の各所の光量のばらつきの影響を抑制し、赤、緑および青の各色の照度の検出精度を高めることができる。
【0124】
<照度センサA7>
図8は、本開示に係る照度センサの第5実施形態を示す。同図に示した照度センサA7は、主に第1の受光部11および第2の受光部12の構成と光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)の構成が上記した照度センサA1〜A4と異なる。なお、
図8においては、光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)のうち第2の直線偏光板34のみを表し、第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を省略している。
【0125】
上記実施形態の照度センサA1〜A4において、第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34の少なくともいずれか一方が可視光帯域の全部に対して偏光機能を有し、赤外光帯域の全部に対しては偏光せずに透過するという特性を有する場合について説明した。これに対し、本実施形態では、第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34の少なくともいずれか一方が可視光帯域の全部に対して偏光機能を有するとともに、赤外光帯域の一部帯域に対しては偏光機能を有し、かつ赤外光帯域の残りの帯域には偏光せずに透過する特性を有する。この場合、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとるだけでは赤外光成分の一部がノイズとして含まれてしまう。
【0126】
本実施形態の照度センサA7において、第1の受光部11および第2の受光部12は、それぞれ複数の受光素子を有する。第1の受光部11は、可視光帯域に感度ピークを有する可視光用受光素子116と、赤外光帯域に感度ピークを有する赤外光用受光素子117とを含む。第2の受光部12は、可視光帯域に感度ピークを有する可視光用受光素子126と、赤外光帯域に感度ピークを有する赤外光用受光素子127とを含む。なお、本実施形態においては、上記実施形態と異なり、カラーフィルタ層20を具備しない。
【0127】
本実施形態の照度センサA7は、2つの差分検出部60を具備する。1つの差分検出部60は、可視光用受光素子116と可視光用受光素子126の出力の差分をとる。他の差分検出部60は、赤外光用受光素子117と赤外光用受光素子127の出力の差分をとる。
【0128】
なお、
図8において、光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)について第2の直線偏光板34以外の記載を省略したが、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34)の構成については、上記の照度センサA1〜A4のいずれの構成を採用してもよい。第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bが照度センサA1〜A4のいずれの構成であっても、第1の受光部11(可視光用受光素子116および赤外光用受光素子117)は赤外光の一部(非有効機能帯域)のみを受光し、第2の受光部12(可視光用受光素子126および赤外光用受光素子127)は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0129】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12(可視光用受光素子116と可視光用受光素子126、および赤外光用受光素子117と赤外光用受光素子127)の差分をとることにより、可視光帯域の受光量と赤外光成分の一部帯域の受光量を信号として出力する。したがって、本実施形態の照度センサA7によれば、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0130】
<照度センサA8>
図9および
図10は、本開示に係る照度センサの第6実施形態を示す。これらの図に示した照度センサA8は、複数ずつの第1の受光部11および第2の受光部12と、複数ずつの第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bと、差分検出部60(図示略)と、を備える。
【0131】
詳細な説明は省略するが、本実施形態における各第1の受光部11、各第2の受光部12、各第1光学領域30Aおよび各第2光学領域30Bは、それぞれ、上記の照度センサA7における第1の受光部11、第2の受光部12、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bと同様の構成を有する。すなわち、本実施形態の各第1の受光部11は、可視光用受光素子116および赤外光用受光素子117を含み、各第2の受光部12は、可視光用受光素子126および赤外光用受光素子127を含む。
【0132】
本実施形態において、
図9、
図10から理解されるように、第1の受光部11および第2の受光部12、ならびに第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bは、それぞれ、互いに直行する方向x(第1方向)および方向y(第2方向)において交互にマトリクス状に配置されている。図示した例では、8個の第1の受光部11および8個の第2の受光部12の合計16個の第1の受光部11および第2の受光部12が、方向xおよび方向yにおいて4行、4列のマトリクス状に配置されている。方向xおよび方向yのいずれにおいても、第1の受光部11と第2の受光部12とが交互に配列されている。同様に、8個の第1光学領域30Aと8個の第2光学領域30Bの合計16個の第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bが、方向xおよび方向yにおいて4行、4列のマトリクス状に配置されている。方向xおよび方向yのいずれにおいても、第1光学領域30Aと第2光学領域30Bとが交互に配列されている。また、
図9に示すように、方向xおよび方向yがなす面内にマトリクス状に配置された16個の第1の受光部11および第2の受光部12よって受光部配置領域1が形成される。
【0133】
図9および
図10において、可視光用受光素子116および可視光用受光素子126に「V」の文字を、赤外光用受光素子117および赤外光用受光素子127に「I」の文字を、それぞれ付している。
図9に示すように、互いに隣接する第1の受光部11および第2の受光部12において、可視光用受光素子116および可視光用受光素子126に着目すると、可視光用受光素子116と可視光用受光素子126とは、方向xおよび方向yの少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される。同様に、互いに隣接する第1の受光部11および第2の受光部12において、赤外光用受光素子117および赤外光用受光素子127に着目すると、赤外光用受光素子117と赤外光用受光素子127とは、方向xおよび方向yの少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される。
【0134】
図9に示すように、本実施形態では、複数ずつの第1の受光部11および第2の受光部12がマトリクス状に配置された受光部配置領域1において、すべての可視光用受光素子116および可視光用受光素子126は、受光部配置領域1の中心点C1を対称の中心として点対称となるように配置されている。これと同様に、すべての赤外光用受光素子117および赤外光用受光素子127は、受光部配置領域1の中心点C1を対称の中心として点対称となるように配置されている。
【0135】
詳細な図示説明は省略するが、本実施形態において、ある差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12の可視光用受光素子116と可視光用受光素子126との出力の差分をとる。他の差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12の赤外光用受光素子117と赤外光用受光素子127との出力の差分をとる。このように、差分検出部60は、隣り合う第1の受光部11および第2の受光部12において対応する受光素子の対の出力の差分をとるように設けられる。
【0136】
なお、
図10において、光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)について第2の直線偏光板34以外の記載を省略したが、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34)の構成については、上記の照度センサA1〜A4のいずれの構成を採用してもよい。第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bが照度センサA1〜A4のいずれの構成であっても、第1の受光部11(可視光用受光素子116および赤外光用受光素子117)は赤外光の一部(非有効機能帯域)のみを受光し、第2の受光部12(可視光用受光素子126および赤外光用受光素子127)は、赤外光と可視光の双方を受光する。
【0137】
差分検出部60は、複数の第1の受光部11と複数の第2の受光部12の差分をとることにより、可視光帯域の受光量と赤外光成分の一部帯域の受光量を信号として出力する。したがって、本実施形態の照度センサA8によれば、赤外光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0138】
さらに、本実施形態において、互いに隣接する第1の受光部11および第2の受光部12において、第1の受光部11に属する可視光用受光素子116と第2の第2の受光部12に属する可視光用受光素子126、および第1の第1の受光部11に属する赤外光用受光素子117と第2の受光部12に属する赤外光用受光素子127は、それぞれ、方向xおよび方向yの少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される。このような構成によれば、照度検出のために出力の差分をとる受光素子の対が隣接するので、照度の検出精度を高めることができる。
【0139】
また、複数ずつの第1の受光部11および第2の受光部12がマトリクス状に配置された受光部配置領域1において、すべての可視光用受光素子116および可視光用受光素子126、ならびにすべての赤外光用受光素子117および赤外光用受光素子127は、それぞれ、受光部配置領域1の中心点C1を対称の中心として点対称に配置される。このような構成によれば、照度センサA8の照度検出範囲である受光部配置領域1の各所の受光量のばらつきの影響を抑制し、照度の検出精度を高めることができる。
【0140】
<二次元画像センサ70>
図11は、照度センサA1の構成を利用した二次元画像センサ70を示す。なお、二次元画像センサ70に利用される照度センサの構成は、照度センサA1〜A4,A5,A7のいずれの構成でもよい。
【0141】
この二次元画像センサ70は、透明な光学窓50の内部に、
図1に示した構成を1単位として、当該単位を複数行複数列に多数配置したものである。この二次元画像センサ70は、接触型としてよいし、非接触型としてもよい。非接触型とする場合、図示しない光学レンズにより、二次元画像を光学窓50に投影する。
【0142】
各画素単位を構成する照度センサA1の作用は、
図1を参照して上述したとおりであり、検出される画素情報には、赤外光によるノイズが除去または軽減されたものとなる。
【0143】
<電子機器B1>
図12は、本開示に係る電子機器の第1実施形態である電子機器B1を示す。電子機器B1は、OLED40と、第1の受光部11と、第2の受光部12と、光学領域30と、差分検出部60と、を含む。
【0144】
第1の受光部11および第2の受光部12は、OLED40の裏面側に配置され、例えば同一のIC100に造り込まれたフォトダイオードであり、IC100の主面である同一の平面内に位置する。光学領域30は、第1の受光部11および第2の受光部12に対向して配置されている。光学領域30は、第1の受光部11に対応して配置された第1光学領域30Aと、第2の受光部12に対応して配置された第2光学領域30Bと、を有する。
【0145】
光学領域30(第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B)は、第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32、第2の1/4波長板33、および第2の直線偏光板34を含む。本実施形態では、OLED40の表面側に第1の1/4波長板32および第1の直線偏光板31がこの順に配置されており、OLED40の裏面側に第2の1/4波長板33および第2の直線偏光板34がこの順に配置されている。
【0146】
本実施形態では、電子機器B1の光学窓50として、透明窓材の裏面側に第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とを積層して構成している。第1の直線偏光板31は、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって一様に配置される。第1の1/4波長板32は、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって、その遅相軸が第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して+45°または−45°の関係を有する。本実施形態では、第1の1/4波長板32の遅相軸は上記第1偏光方向に対して+45°の関係を有し、
図12中に「+45°」と表記してこれを示す。
【0147】
第1の受光部11および第2の受光部12は、OLED40と平行な同一の平面内に位置する。本実施形態ではまた、第2の1/4波長板33および第2の直線偏光板34を、上記のように第1の受光部11と第2の受光部12とが作り込まれたIC100の構成物として当該IC100の主面上に一体積層形成している。なお、本実施形態では、第1の受光部11および第2の受光部12と第2の直線偏光板34との間に、例えば赤、緑または青のカラーフィルタ層20を介在させている。
【0148】
第2の直線偏光板34は、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって一様に配置される。本実施形態において、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とは同じであり、
図12においては、これを同一の方向に傾くハッチングで示す。また、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の少なくともいずれか一方は、非有効機能帯域が赤外光帯域の少なくとも一部を含むものを使用する。ここで、非有効機能帯域とは、偏光機能を有効に発揮しない光の波長帯域を意味する。すなわち、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の少なくともいずれか一方は、例えば、可視光帯域の一部または全部に対して偏光機能を有し、赤外光帯域の全部に対しては偏光せずに透過するという特性を有するものを使用する。このような特性を有する直線偏光板としては、例えば、株式会社美館イメージングが販売する偏光板「MCPR−4」を用いることができる。
【0149】
第2の1/4波長板33は、第1光学領域30Aに属する第1部分331と、第2光学領域30Bに属する第2部分332と、を有する。第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ、+45°または−45°である。本実施形態では、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とは同じであるので、第1部分331の遅相軸は上記第1偏光方向に対しても+45°の関係を有し、
図12中に「+45°」と表記してこれを示す。一方、第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆である。本実施形態では、第2部分332の遅相軸は上記第2偏光方向に対して−45°の関係を有する。また、本実施形態では、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とは同じであるので、第2部分332の遅相軸は上記第1偏光方向に対しても−45°の関係を有し、
図12中に「−45°」と表記してこれを示す。
【0150】
差分検出部60は、第1の受光部11の出力と第2の受光部12の出力との差分をとるものである。差分検出部60としては、例えばオペアンプなどの差動増幅器を用いることができる。
【0151】
なお、上記のような光学窓50の内部にOLED40を配置して表示部を構成する電子機器としては、スマートフォンなどの携帯型情報端末、テレビジョンおよびPC用モニタなどが挙げられる。
【0152】
次に、
図12に示す電子機器B1の作用について、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合に分けて説明する。
【0153】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0154】
光学窓50から入射する外光(可視光)のうち、OLED40の電極(図示略)での反射光は、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とにより形成される円偏光がOLED40の電極(図示略)での反射によって逆旋回の円偏光となって再び第1の1/4波長板32に裏面から入射する。この逆旋回円偏光が当該第1の1/4波長板32を裏面側から通過する際、第1の直線偏光板31の偏光方向に対して90°異なる偏光となる。そのため、当該偏光は第1の直線偏光板31を通過できず、光学窓50から出射することができない。すなわち、光学窓50から入射する外光(可視光)のうち、OLED40の電極で反射する光の光学窓50の外部への出射は阻止または抑制される。
【0155】
OLED40において発せられた光の一部は、当該OLED40の裏面側から第2の1/4波長板33へ向かう。このOLED40の裏面側からの出射光は、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)において、第2の1/4波長板33の第1部分331を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、OLED40の裏面側からの出射光は、第2の1/4波長板33の第2部分332を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0156】
第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34は、ともに赤外光に対しては偏光機能を有さないので、第1の受光部11および第2の第2の受光部12は、いずれも赤外光を受光することができる。
【0157】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331(+45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、外部からの可視光を受光せず、赤外光とOLED40からの光とを受光することになる。
【0158】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332(−45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と外部からの可視光とOLED40からの光とを受光する。
【0159】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分およびOLED40からの光の成分をキャンセルし、外部からの可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この電子機器B1は、赤外光やOLED40からの光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0160】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0161】
光学窓50から入射する外光(可視光)のうち、OLED40の電極で反射する光の光学窓50の外部への出射は阻止または抑制される点は、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の有効機能帯域が可視光帯域に含まれる場合について上述したのと同様である。
【0162】
また、OLED40の裏面側からの出射光については、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)において、第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、OLED40の裏面側からの出射光は、第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0163】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。
【0164】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0165】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、同様に赤外光を受光する。
【0166】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331(+45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、外部からの可視光を受光せず、赤外光とOLED40からの光とを受光することになる。
【0167】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332(−45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と外部からの可視光とOLED40からの光とを受光する。
【0168】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分およびOLED40からの光の成分をキャンセルし、外部からの可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この電子機器B1は、赤外光やOLED40からの光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0169】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0170】
光学窓50から入射する外光(可視光)のうち、OLED40の電極で反射する光の光学窓50の外部への出射は阻止または抑制される点は、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の有効機能帯域が可視光帯域に含まれる場合について上述したのと同様である。
【0171】
また、OLED40の裏面側からの出射光については、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)において、第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、OLED40の裏面側からの出射光は、第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0172】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、この偏光の方向は第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過する間に90°変化させられる。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、上記のように90°方向が変化させられた偏光はそのまま第1の受光部11に到達する。
【0173】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過した時点で偏光方向が変化せずに第2の直線偏光板34に到達する。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、第1の直線偏光板31による偏光はそのまま第2の受光部12に到達する。
【0174】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、方向が90°異なる偏光として、同様の光量で赤外光を受光する。
【0175】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331(+45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、外部からの可視光を受光せず、赤外光とOLED40からの光とを受光することになる。
【0176】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332(−45°)の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と外部からの可視光とOLED40からの光とを受光する。
【0177】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分およびOLED40からの光の成分をキャンセルし、外部からの可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この電子機器B1は、赤外光やOLED40からの光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0178】
<電子機器B2>
図13は、本開示に係る電子機器の第2実施形態である電子機器B2を示す。電子機器B2は、
図12に示した電子機器B1との比較において、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の偏光方向の関係、および、第1の1/4波長板32と第2の1/4波長板33の配置構成が異なり、その余の構成は
図12に示した電子機器B1と同様である。すなわち、
図13に示した電子機器B2においては、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)は、90°異なる。
図13において、これを傾斜方向の異なる方向のハッチングで示す。第1の1/4波長板32は第1光学領域30Aおよび第2光学領域30B(第1の受光部11に対応する領域と第2の受光部12に対応する領域)にわたって「+45°」のものとし、第2の1/4波長板33については、第1光学領域30Aに属する第1部分331を「−45°」のものとし、第2光学領域30Bに属する第2部分332を「+45°」のものとしている。すなわち、第1の1/4波長板32の遅相軸は第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して+45°の関係を有する。第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸は、上記第1偏光方向に対して−45°の関係を有する。本実施形態では、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)は90°異なるので、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸は、第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対して+45°の関係を有する。したがって、第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。一方、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸は、第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対して+45°の関係を有する。第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)は90°異なるので、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸は、第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対して−45°の関係を有する。したがって、第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。
【0179】
次に、
図13に示す電子機器B2の作用について、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合、第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合に分けて説明する。
【0180】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34の双方の非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0181】
光学窓50から入射する外光(可視光)のうち、OLED40の電極で反射する光の光学窓50の外部への出射は阻止または抑制される点は、
図12に示す電子機器B1について上述したのと同様である。
【0182】
また、OLED40の裏面側からの出射光については、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)において、第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、OLED40の裏面側からの出射光は、第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0183】
第1の直線偏光板31および第2の直線偏光板34は、ともに赤外光に対しては偏光機能を有さないので、第1の受光部11および第2の第2の受光部12は、いずれも赤外光を受光することができる。
【0184】
一方、可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、外部からの可視光を受光せず、赤外光とOLED40からの光とを受光することになる。
【0185】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と外部からの可視光とOLED40からの光とを受光する。
【0186】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分およびOLED40からの光の成分をキャンセルし、外部からの可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この電子機器B2は、赤外光やOLED40からの光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0187】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第1の直線偏光板31のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0188】
光学窓50から入射する外光(可視光)のうち、OLED40の電極で反射する光の光学窓50の外部への出射は阻止または抑制される点は、
図12に示す電子機器B1について上述したのと同様である。
【0189】
また、OLED40の裏面側からの出射光については、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)において、第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、OLED40の裏面側からの出射光は、第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0190】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。
【0191】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、第1の直線偏光板31は偏光機能を有さないから、当該赤外光は、そのまま第1の直線偏光板31、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33を通過する。第2の直線偏光板34に達した赤外光は、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0192】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、同様に赤外光を受光する。
【0193】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、外部からの可視光を受光せず、赤外光とOLED40からの光とを受光することになる。
【0194】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と外部からの可視光とOLED40からの光とを受光する。
【0195】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分およびOLED40からの光の成分をキャンセルし、外部からの可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この電子機器B2は、赤外光やOLED40からの光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0196】
〔第1の直線偏光板31と第2の直線偏光板34のうち、第2の直線偏光板34のみの非有効機能帯域が赤外光帯域を含む場合〕
【0197】
光学窓50から入射する外光(可視光)のうち、OLED40の電極で反射する光の光学窓50の外部への出射は阻止または抑制される点は、
図12に示す電子機器B1について上述したのと同様である。
【0198】
また、OLED40の裏面側からの出射光については、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)において、第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第1の受光部11に到達する。第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においても、OLED40の裏面側からの出射光は、第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過し、第2の直線偏光板34による偏光を受けて第2の受光部12に到達する。
【0199】
赤外光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第1部分331)を通過した時点で偏光方向が変化せずに第2の直線偏光板34に到達する。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、第1の直線偏光板31による偏光はそのまま第1の受光部11に到達する。
【0200】
赤外光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、当該赤外光は第1の直線偏光板31において偏光され、この偏光の方向は第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33(第2部分332)を通過する間に90°変化させられる。第2の直線偏光板34は赤外光に対しては偏光機能を有さないから、上記のように90°方向が変化させられた偏光はそのまま第2の受光部12に到達する。
【0201】
すなわち、赤外光に関しては、第1の受光部11および第2の受光部12は、方向が90°異なる偏光として、同様の光量で赤外光を受光する。
【0202】
可視光に関して、第1光学領域30A(第1の受光部11に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第1部分331の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係と同じ+45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過することができない。すなわち、第1の受光部11は、外部からの可視光を受光せず、赤外光とOLED40からの光とを受光することになる。
【0203】
可視光に関して、第2光学領域30B(第2の受光部12に対応する領域)においては、第1の直線偏光板31を通過した直線偏光が第1の1/4波長板32(+45°)により円偏光となる。上記のように、第2の1/4波長板33の第2部分332の遅相軸の第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)に対する関係は、第1の1/4波長板32の遅相軸の第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)に対する関係とは正負が逆の−45°である。このため、第1の直線偏光板31と第1の1/4波長板32とによって形成された円偏光は第2の直線偏光板34を通過して第2の受光部12に到達することができる。すなわち、第2の受光部12は、赤外光と外部からの可視光とOLED40からの光とを受光する。
【0204】
差分検出部60は、第1の受光部11と第2の受光部12の出力の差分をとることにより、両受光部11,12の受光量における赤外光成分およびOLED40からの光の成分をキャンセルし、外部からの可視光による受光量を信号として出力する。したがって、この電子機器B2は、赤外光やOLED40からの光によるノイズ等の悪影響を除去もしくは軽減しつつ照度の検出をすることができる。
【0205】
なお、上記の電子機器B1,B2において、第1の受光部11、第2の受光部12、カラーフィルタ層20、第1光学領域30Aおよび第2光学領域30Bの構成については、
図5〜
図10を参照して説明した上記の照度センサA5〜A8のいずれかと同様の構成を採用してもよい。この場合、照度センサA5〜A8に関して上述したのと同様の効果を奏する。
【0206】
もちろん、本開示の範囲は上記した実施形態に限定されることはなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本開示の範囲に含まれる。
【0207】
例えば、第1の1/4波長板32および第2の1/4波長板33に関し、各図中、「+45°」として示した機能を有するものを「−45°」として示した機能を有するものに変更し、「−45°」として示した機能を有するものを「+45°」として示した機能を有するものに変更できることは、もちろんである。
【0208】
また、
図1、
図2および
図12においては第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とが同じである場合を例示し、
図3、
図4および
図13においては第1の直線偏光板31の偏光方向(第1偏光方向)と第2の直線偏光板34の偏光方向(第2偏光方向)とが90°異なる場合を例示したが、第1の直線偏光板31の上記第1偏光方向と第2の直線偏光板34の上記第2偏光方向との関係はこれらに限定されない。すなわち、第1の1/4波長板32の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係および第2の1/4波長板33の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係が、上述の所定の関係にあればよく、第1の直線偏光板31の上記第1偏光方向と第2の直線偏光板34の上記第2偏光方向の位相差がどのような場合でも適用することができる。
【0209】
本開示は、以下の付記に関する構成を含む。
【0210】
[付記1]
第1の受光部および第2の受光部と、
上記第1の受光部および上記第2の受光部にそれぞれ対応して配置された第1光学領域および第2光学領域と、
上記第1の受光部と上記第2の受光部の出力の差分をとる差分検出部と、を備え、
上記第1光学領域および上記第2光学領域は、上記第1の受光部および上記第2の受光部の双方に対応し、これら上記第1の受光部および上記第2の受光部から遠い順に配置された第1の直線偏光板、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板、および第2の直線偏光板を含み、
上記第1および第2の直線偏光板のいずれか一方または双方の非有効機能帯域は赤外光帯域の少なくとも一部帯域を含んでおり、
上記第1の1/4波長板の遅相軸は、上記第1の直線偏光板の偏光方向である第1偏光方向に対して+45°または−45°の関係を有しており、
上記第2の1/4波長板は、上記第1光学領域に属する第1部分と、上記第2光学領域に属する第2部分と、を有し、
上記第1部分の遅相軸は、上記第2の直線偏光板の偏光方向である第2偏光方向に対して、上記第1の1/4波長板の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ+45°または−45°の関係を有しており、
上記第2部分の遅相軸の上記第2偏光方向に対する関係は、上記第1の1/4波長板の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係とは正負が逆の、−45°または+45°である、照度センサ。
[付記2]
第1の受光部および第2の受光部と、
上記第1の受光部および上記第2の受光部にそれぞれ対応して配置された第1光学領域および第2光学領域と、
上記第1の受光部と上記第2の受光部の出力の差分をとる差分検出部と、を備え、
上記第1光学領域および上記第2光学領域は、上記第1の受光部および上記第2の受光部の双方に対応し、これら上記第1の受光部および上記第2の受光部から遠い順に配置された第1の直線偏光板、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板、および第2の直線偏光板を含み、
上記第1および第2の直線偏光板のいずれか一方または双方の非有効機能帯域は赤外光帯域の少なくとも一部帯域を含んでおり、
上記第1の1/4波長板は、上記第1光学領域に属する第1部分と、上記第2光学領域に属する第2部分と、を有し、
上記第1部分の遅相軸は上記第1の直線偏光板の偏光方向である第1偏光方向に対して+45°または−45°の関係を有しており、
上記第2部分の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係は、上記第1部分の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係とは正負が逆の、−45°または+45°であり、
上記第2の1/4波長板の遅相軸は、上記第2の直線偏光板の偏光方向である第2偏光方向に対して、上記第1部分の遅相軸の上記第1偏光方向に対する関係と同じ+45°または−45°の関係を有する、照度センサ。
[付記3]
上記第1の受光部および上記第2の受光部は、同一のICに作り込まれている、付記1または2に記載の照度センサ。
[付記4]
上記第1の受光部および上記第2の受光部と上記第2の直線偏光板との間に介在するカラーフィルタ層を備える、付記1ないし3のいずれかに記載の照度センサ。
[付記5]
上記カラーフィルタ層は、上記第1の受光部に対応する第1フィルタ部、および上記第2の受光部に対応する第2フィルタ部を含み、
上記第1の受光部および上記第2の受光部は、それぞれ複数の受光素子を有し、
上記複数の受光素子は、第1の受光素子、第2の受光素子、および第3の受光素子を含み、
上記第1フィルタ部および上記第2フィルタ部は、上記第1の受光素子を覆い、青色光および緑色光を選択的に減衰させる第1赤色フィルタおよび第2赤色フィルタと、上記第2の受光素子を覆い、赤色光および青色光を選択的に減衰させる第1緑色フィルタおよび第2緑色フィルタと、上記第3の受光素子を覆い、赤色光および緑色光を選択的に減衰させる第1青色フィルタおよび第2青色フィルタと、を含む、付記4に記載の照度センサ。
[付記6]
上記第1光学領域および上記第2光学領域、上記カラーフィルタ層の上記第1フィルタ部および上記第2フィルタ部、ならびに上記第1の受光部および上記第2の受光部は、それぞれ、互いに直交する第1方向および第2方向において交互にマトリクス状に配置されており、
互いに隣接する上記第1フィルタ部および上記第2フィルタ部において、上記第1赤色フィルタ、上記第1緑色フィルタおよび上記第1青色フィルタと、上記第2赤色フィルタ、上記第2緑色フィルタおよび上記第2青色フィルタとは、それぞれ上記第1方向および上記第2方向の少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される、付記5に記載の照度センサ。
[付記7]
複数ずつの上記第1フィルタ部および上記第2フィルタ部がマトリクス状に配置されたフィルタ配置領域において、すべての上記第1赤色フィルタおよび上記第2赤色フィルタ、すべての上記第1緑色フィルタおよび上記第2緑色フィルタ、ならびにすべての上記第1青色フィルタおよび上記第2青色フィルタは、それぞれ、上記フィルタ配置領域の中心点を対称の中心として点対称となるように配置されている、付記6に記載の照度センサ。
[付記8]
上記第1の受光部および上記第2の受光部は、それぞれ複数の受光素子を有し、
上記複数の受光素子は、可視光帯域に感度ピークを有する可視光用受光素子と、赤外光帯域に感度ピークを有する赤外光用受光素子と、を含む、付記1ないし3のいずれかに記載の照度センサ。
[付記9]
上記第1光学領域および上記第2光学領域、ならびに上記第1の受光部および上記第2の受光部は、それぞれ、互いに直交する第1方向および第2方向において交互にマトリクス状に配置されており、
互いに隣接する上記第1の受光部および上記第2の受光部において、上記第1の受光部に属する上記可視光用受光素子および上記赤外光用受光素子と、上記第2の受光部に属する上記可視光用受光素子および上記赤外光用受光素子とは、それぞれ上記第1方向および上記第2方向の少なくともいずれか一方において隣り合うように配置される、付記8に記載の照度センサ。
[付記10]
すべての上記可視光用受光素子およびすべての上記赤外光用受光素子は、それぞれ、複数ずつの上記第1の受光部および上記第2の受光部がマトリクス状に配置された受光部配置領域の中心点を対称の中心として点対称となるように配置されている、付記9に記載の照度センサ。
[付記11]
付記1ないし10のいずれかに記載の照度センサを有する電子機器。
[付記12]
付記1ないし5、8のいずれかに記載の照度センサを同一面内に複数配置した、二次元画像センサ。
[付記13]
上記照度センサが複数行複数列に配置されている、付記12に記載の二次元画像センサ。
[付記14]
付記1ないし10のいずれかに記載の照度センサと、上記第1の1/4波長板および上記第2の1/4波長板の間に配置され、表示面が上記第1の1/4波長板側を向くOLEDと、を含み、
上記第1の受光部および上記第2の受光部は、上記OLEDの裏面側に上記OLEDと平行な面内に配置されている、電子機器。