【解決手段】定電圧回路30は、書込み回路10と、出力回路20とを備える。書込み回路は、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとを有し、電気的に書換えプログラム可能な不揮発性半導体メモリMQ
フローティングゲートとコントロールゲートとを有し、電気的に書換えプログラム可能な不揮発性半導体メモリと、前記不揮発性半導体メモリに直列接続され、前記不揮発性半導体メモリにデータを書込み可能な選択ゲートトランジスタとを備える書込み回路と、
ドレインが電源に接続され、ソースが出力に接続されたnチャネルデプレッションモードMOSFETと、ドレイン及びゲートが前記出力に接続され、ソースが接地電位に接続されたnチャネルエンハンスメントモードMOSFETとを備え、前記出力より定電圧を出力する出力回路と
を備え、前記nチャネルデプレッションモードMOSFETのゲートは、前記フローティングゲートに接続され、かつ前記nチャネルエンハンスメントモードMOSFETのゲートは、前記コントロールゲート及び前記出力に接続される、定電圧回路。
前記不揮発性半導体メモリは、前記選択ゲートトランジスタのドレインに印加される書込み電圧と、前記選択ゲートトランジスタのゲートに印加されるゲート電圧により、前記フローティングゲートへの電子の注入・引き抜き量を調整可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定電圧回路。
前記フローティングゲートへの電子の注入・引き抜き量を調整することで、前記nチャネルデプレッションモードMOSFETの閾値電圧を調整し、出力電圧を制御可能である、請求項1〜4いずれか1項に記載の定電圧回路。
前記nチャネルデプレッションモードMOSFETは、ウェハ作成時においては、前記nチャネルエンハンスメントモードMOSFETと等しい閾値電圧の調整用のイオン注入時のドーズ量を有するチャネル形成条件を備え、ウェハ作成後においては、前記フローティングゲートへの電子の注入・引き抜き量を調整することで、前記nチャネルデプレッションモードMOSFETの閾値電圧を調整し、前記nチャネルエンハンスメントモードMOSFETとのペア性を確保可能である、請求項1〜5ずれか1項に記載の定電圧回路。
前記nチャネルデプレッションモードMOSFETの閾値電圧を調整し、前記nチャネルデプレッションモードMOSFETと前記nチャネルエンハンスメントモードMOSFETのドレイン電流とゲート電圧間の伝達特性を調整可能である、請求項1〜6ずれか1項に記載の定電圧回路。
平面視において、前記フローティングゲートの電極パターンは、前記nチャネルデプレッションモードMOSFETのゲートまで延伸され、前記nチャネルデプレッションモードMOSFETのゲートの電極パターンと共通電極を備える、請求項9に記載の半導体装置。
前記不揮発性半導体メモリにおいて、前記フローティングゲートの電極パターン上に配置される前記コントロールゲートの電極パターンは、平面視において、前記フローティングゲートの電極パターン上を延伸し、更に前記nチャネルデプレッションモードMOSFETのゲートの電極パターン上に延在する、請求項10に記載の半導体装置。
前記nチャネルデプレッションモードMOSFETのゲートは、前記フローティングゲートと、前記フローティングゲート上に第1絶縁層を介して配置された前記コントロールゲートとの2層構造を備える、請求項9〜12のいずれか1項に記載の半導体装置。
前記nチャネルエンハンスメントモードMOSFETのゲートは、前記フローティングゲートと同時に形成可能な第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極上に第2絶縁層を介して配置され、前記コントロールゲートと同時に形成可能な第2ゲート電極との2層構造を備え、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は、第1コンタクトホールを介して電気的に接続される、請求項9〜14のいずれか1項に記載の半導体装置。
前記選択ゲートトランジスタのゲートは、前記フローティングゲートと同時に形成可能な第3ゲート電極と、前記第3ゲート電極上に第2絶縁層を介して配置され、前記コントロールゲートと同時に形成可能な第4ゲート電極との2層構造を備え、前記第3ゲート電極と前記第4ゲート電極は、第2コンタクトホールを介して電気的に接続される、請求項9〜15のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して、実施の形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものではない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
[実施の形態]
(定電圧回路の構成)
本技術を適用した一実施の形態に係る定電圧回路30は、
図1に示すように、書込み回路10と、出力回路20とを備える。書込み回路10は、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとを有し、電気的に書換えプログラム可能な不揮発性半導体メモリMQ
EPRを備える。書込み回路10は、また、不揮発性半導体メモリMQ
EPRに直列接続され、不揮発性半導体メモリMQ
EPRにデータを書込み可能な選択ゲートトランジスタQ
SGを備える。
【0015】
出力回路20は、ドレインD(D)が電源電圧V
CCに接続され、ソースS(D)が出力OUTに接続されたnDMOSFETQ
Dと、ドレインD(E)及びゲートが出力OUTに接続され、ソースS(E)が接地電位GNDに接続されたnEMOSFETQ
Eとを備え、出力OUTより定電圧の出力電圧V
outを出力する。
【0016】
nDMOSFETQ
Dのゲートは、フローティングゲートFGに接続され、かつnEMOSFETQ
Eのゲートは、コントロールゲートCG及び出力OUTに接続される。したがって、nDMOSFETQ
Dのゲート電位V
GDは、フローティングゲートFGと同電位を有し、かつnEMOSFETQ
Eのゲート電位V
GEは、コントロールゲートCGの電位及び出力OUTの電位と同電位を有する。
【0017】
また、
図1に示すように、選択ゲートトランジスタQ
SGは、nEMOSFETを備えていても良い。
【0018】
また、
図1に示すように、不揮発性半導体メモリMQ
EPRは、フロトックス(FLOTOX:Floating gate tunnel oxide)型EEPROMを備えていても良い。
【0019】
本実施の形態よれば、例えば、FLOTOX型EEPROMを用いて出力電圧V
outの調整が容易な定電圧回路30を提供可能である。
【0020】
本実施の形態よれば、定電圧回路30として、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dを直列に接続した回路において、選択ゲートトランジスタQ
SGに接続されたFLOTOX型EEPROMのフローティングゲートFGを延ばし、定電圧回路30を構成するnDMOSFETQ
Dのゲートとして使用する。
【0021】
本実施の形態に係る定電圧回路30によれば、出力回路20に使用している2つのトランジスタnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのうち、あえて片方のnDMOSFETQ
Dのゲート構造をフローティングゲートFGとコントロールゲートCGを備える2層構造で構成し、かつ書込み回路10と出力回路20とを独立させることで、余分なスイッチを追加する必要が無く、容易に出力電圧V
outの調節が可能である。
【0022】
更に、本実施の形態に係る定電圧回路30によれば、不揮発性半導体メモリMQ
EPRを構成するEEPROMのドレイン電圧(書込み電圧)V
D、もしくは書込み時間(T
D)を調節することで、nDMOSFETQ
Dの閾値電圧V
th(D)をある程度自由に設定可能である。その結果、出力電圧V
outが調整可能な定電圧回路30を提供することができる。
【0023】
また、本実施の形態に係る定電圧回路30によれば、出力回路20を構成するnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア性を維持したままnDMOSFETQ
Dの閾値電圧V
th(D)を変えることできるため、温度依存性を小さくすることができる。
【0024】
更に、本実施の形態に係る定電圧回路30によれば、書込み回路10として、選択ゲートトランジスタQ
SGに接続された不揮発性半導体メモリMQ
EPR(FLOTOX型EEPROM)を用いることで、ウェハ作成後でも出力電圧V
outの設定を変更可能である。
【0025】
(半導体装置の構成)
本実施の形態に係る定電圧回路30を構成する半導体装置の模式的平面パターン構成は、
図2に示すように表される。また、
図2のI−I線に沿う模式的断面構造は、
図3に示すように表され、
図2のII−II線に沿う模式的断面構造は、
図4に示すように表され、
図2のIII−III線に沿う模式的断面構造は、
図5に示すように表される。
【0026】
本実施の形態に係る半導体装置は、
図2〜
図5に示すように、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとを有し、電気的に書換えプログラム可能な不揮発性半導体メモリMQ
EPRと、不揮発性半導体メモリMQ
EPRに直列接続され、不揮発性半導体メモリMQ
EPRにデータを書込み可能な選択ゲートトランジスタQ
SGと、ドレインD(D)が電源電圧V
CCに接続され、ソースS(D)が出力OUTに接続されたnDMOSFETQ
Dと、ドレインD(E)及びゲートEGが出力OUTに接続され、ソースS(E)が接地電位GNDに接続されたnEMOSFETQ
Eとを備える。nDMOSFETQ
Dのゲート電位V
GDは、フローティングゲートFGと同電位を有し、かつnEMOSFETV
GEのゲート電位は、コントロールゲートCGの電位及び出力OUTの電位と同電位を有する。
【0027】
また、本実施の形態に係る半導体装置は、
図2〜
図5に示すように、平面視において、フローティングゲートFGの電極パターンは、nDMOSFETQ
Dのゲートまで延伸され、nDMOSFETQ
Dのゲートの電極パターンと共通電極を備える。
【0028】
また、
図2〜
図5に示すように、不揮発性半導体メモリMQ
EPRにおいて、フローティングゲートFGの電極パターン上に配置されるコントロールゲートCGの電極パターンは、平面視において、フローティングゲートFGの電極パターン上を延伸し、更にnDMOSFETQ
Dのゲートの電極パターン上に延在する。
【0029】
また、
図2及び
図5に示すように、コントロールゲートCGの電極パターンは、平面視において、フローティングゲートFGの電極パターンを包含する。
【0030】
また、
図2及び
図4〜
図5に示すように、nDMOSFETQ
Dのゲートは、フローティングゲートFGと、フローティングゲートFG上に絶縁層58を介して配置されたコントロールゲートCGとの2層構造を備える。絶縁層58は、ONO膜を備えていても良い。
【0031】
(CG−FGの容量カップリング)
nDMOSFETQ
Dのゲートが、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGの2層構造を備える理由は、不揮発性半導体メモリMQ
EPRの動作時に、CG−FGの容量カップリングが働くので、同様の動作を出力回路20のnDMOSFETQ
Dのゲートでもさせる必要があるためである。すなわち、CG−FG間容量C
CG-FGと、ゲート酸化膜56を介するnDMOSFETQ
Dのゲート酸化膜容量C
OXとのカップリングレシオをかせぐ目的がある。カップリングレシオは簡単には、(CG−FG間容量C
CG-FG)/((CG−FG間容量C
CG-FG)+(ゲート酸化膜容量C
OX))で表され、nDMOSFETQ
Dのゲート酸化膜容量C
OXも追加される。このゲート酸化膜容量C
OXを相殺するためにコントロールゲートCGをnDMOSFETQ
Dまで延ばしてCG−FG間容量C
CG-FGを稼いでいる。
【0032】
また、フローティングゲートFGをコントロールゲートCGで覆うことで、後工程プロセスの影響を抑制し、電荷保持特性の低下を抑制することができる。コントロールゲートCG−フローティングゲートFG間の絶縁層58は、ONO膜と呼ばれる酸化膜−窒化膜−酸化膜の積層膜を備えており、この良質な積層膜によりフローティングゲートFGを覆うことで絶縁性を高めることができる。
【0033】
図2、
図4及び
図5に示すように、コントロールゲート(CG)68でフローティングゲート(FG)66を覆うことで、その後のn
+ソース/ドレイン領域82S(D)、n
+ドレイン領域84D(D)の形成、シリサイド形成、及び配線層形成時の工程ダメージなどが直接絶縁層(ONO膜)58やフローティングゲート(FG)66に加わることを防止することができる。また、コントロールゲート(CG)68を除去するときのエッチングダメージが絶縁層(ONO膜)58に加わって絶縁性が低下する可能性があるため、フローティングゲート(FG)66を残している。
【0034】
また、
図2に示すように、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dを互いに隣接して形成することでnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア性を向上可能である。
【0035】
本実施の形態に係る半導体装置によれば、出力回路20に使用している2つのトランジスタnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのうち、あえて片方のnDMOSFETQ
Dのゲート構造をフローティングゲートFGとコントロールゲートCGを備える2層構造で構成し、更に書込み回路10として、選択ゲートトランジスタQ
SGに接続された不揮発性半導体メモリMQ
EPR(FLOTOX型EEPROM)を用いることで、書込み回路10と出力回路20を独立させることが可能となる。これにより、書込みのために多くのスイッチを追加することなく最小限度の素子数で回路を構成することが可能となり、データ書込みを容易にすることができる。
【0036】
(半導体装置の詳細構造)
本実施の形態に係る半導体装置は、
図3に示すように、p型基板40に対してpウェル領域44を形成し、このpウェル領域44に対して選択ゲートトランジスタQ
SGのn
+ドレイン領域46、n
+ソース領域48を形成している。同様に、pウェル領域44に対して不揮発性半導体メモリMQ
EPRのn
+ドレイン領域48、n
+ソース領域52を形成している。尚、p型基板40に対してpウェル領域44を形成せずにp型基板40に対して選択ゲートトランジスタQ
SGのn
+ドレイン領域46、n
+ソース領域48や不揮発性半導体メモリMQ
EPRのn
+ドレイン領域48、n
+ソース領域52を形成しても良い。以下、同様である。選択ゲートトランジスタQ
SGと不揮発性半導体メモリMQ
EPRは、共通領域のn
+ソース/ドレイン領域48を介して直列接続される。更に、不揮発性半導体メモリMQ
EPRのチャネル領域には、n
+ソース/ドレイン領域48に隣接し、高濃度にドープされたn
++トンネルウィンドウ領域(TW)50が形成されている。トンネルウィンドウ領域(TW)50は、トンネル酸化膜60を介して不揮発性半導体メモリMQ
EPRのフローティングゲート(FG)66との間で、ファウラー−ノルドハイム(FN:Fowler-Nordheim)トンネル伝導により、電子を導通可能である。
【0037】
選択ゲートトランジスタQ
SGのn
+ドレイン領域46とn
+ソース領域48との間のチャネル領域上には、ゲート酸化膜56を介してゲート電極(SG)64が配置される。また、n
+ドレイン領域46には、絶縁層54に開口されたコンタクトホールを介して、ドレイン電極62がパターン形成される。ゲート電極(SG)64の側壁部および上部には、絶縁層54が配置される。
【0038】
不揮発性半導体メモリMQ
EPRのn
+ドレイン領域48とn
+ソース領域52との間のチャネル領域上には、ゲート酸化膜56及びトンネル酸化膜60を介してフローティングゲート電極(FG)66が配置される。更に、フローティング(FG)ゲート電極66上には、CG−FG間絶縁層(ONO膜)58を介してコントロールゲート(CG)電極68が配置される。また、n
+ソース領域52には、絶縁層54に開口されたコンタクトホールを介して、ソース電極70がパターン形成される。コントロールゲート(CG)電極68の側壁部および上部には、絶縁層54が配置される。フローティング(FG)ゲート電極66の側壁部にも、絶縁層54が配置される。
【0039】
本実施の形態に係る半導体装置は、
図4に示すように、p型基板40に対してpウェル領域44を形成し、このpウェル領域44に対してnEMOSFETQ
Eのn
+ソース領域80S(E)、n
+ドレイン領域82S(D)を形成している。同様に、pウェル領域44に対してnDMOSFETQ
Dのn
+ソース領域82S(D)、n
+ドレイン領域84D(D)を形成している。nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dは、共通領域のn
+ソース/ドレイン領域82S(D)を介して直列接続される。
【0040】
nEMOSFETQ
Eのn
+ソース領域80S(E)とn
+ドレイン領域82S(D)との間のチャネル領域上には、ゲート酸化膜56を介してゲート電極(EG)72が配置される。また、n
+ソース領域80S(E)には、絶縁層54に開口されたコンタクトホールを介して、ソース電極(GND)74がパターン形成される。ゲート電極(EG)72の側壁部および上部には、絶縁層54が配置される。また、
図2及び
図4に示すように、nEMOSFETQ
Eのゲート(EG)電極72は、コンタクトホール72Cを介してコントロールゲート(CG)電極68及び出力電極76と電気的に共通になされている。
【0041】
nDMOSFETQ
Dのn
+ソース領域82S(D)とn
+ドレイン領域84D(D)との間のチャネル領域上には、ゲート酸化膜56を介してフローティングゲート電極(FG)66が配置される。更に、フローティング(FG)ゲート電極66上には、CG−FG間絶縁層(ONO膜)58を介してコントロールゲート(CG)電極68が配置される。また、n
+ドレイン領域84D(D)には、絶縁層54に開口されたコンタクトホールを介して、ドレイン電極78がパターン形成される。n
+ソース/ドレイン領域82S(D)には、絶縁層54に開口されたコンタクトホールを介して、出力電極76がパターン形成される。更に、出力電極76は、
図2に示すように、配線層を介してコントロールゲート(CG)電極68に接続される。コントロールゲート(CG)電極68の側壁部および上部には、絶縁層54が配置される。フローティング(FG)ゲート電極66の側壁部にも、絶縁層54が配置される。
【0042】
本実施の形態に係る半導体装置は、
図5に示すように、p型基板40に対してpウェル領域44を形成し、このpウェル領域44に対して、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域86を形成して、不揮発性半導体メモリMQ
EPRのチャネル領域及びnDMOSFETQ
Dのチャネル領域を形成する。不揮発性半導体メモリMQ
EPRのチャネル領域の幅はW
EPRで示されており、nDMOSFETQ
Dのチャネル領域の幅はW
Dで示されている。
図5において、紙面に垂直な方向が電流の導通方向である。
【0043】
また、
図5に示すように、不揮発性半導体メモリMQ
EPRのフローティングゲート(FG)電極66は、nDMOSFETQ
Dまで延伸され、nDMOSFETQ
Dのゲート電極と共通電極を備える。
【0044】
また、
図5に示すように、フローティングゲート(FG)電極66上にCG−FG間絶縁層(ONO膜)58を介して配置されるコントロールゲート(CG)電極68は、フローティングゲート(FG)電極66上を延伸し、更にnDMOSFETQ
DのフローティングゲートFG電極66上に延在する。また、
図5に示すように、コントロールゲート(CG)電極68は、フローティングゲート(FG)電極66の周囲の絶縁層を介してフローティングゲート(FG)電極66を包み込むように配置される。また、コントロールゲート(CG)電極68には、絶縁層54に開口されたコンタクトホールを介して、配線層が接続される。
【0045】
(出力電圧の温度特性)
本実施の形態に係る定電圧回路30の出力電圧V
outの温度特性は、
図6の曲線Aに示すように模式的に表される。一方、比較例の温度特性は、
図6の曲線Bに示すように模式的に表される。出力電圧V
outの温度依存性を小さくすることが定電圧回路30には求められる。本実施の形態に係る定電圧回路30においては、出力回路20を構成するnDMOSFETQ
DとnDMOSFETQ
Eのペア性が良好のため、
図6の曲線Aに示すように、室温RTを中心にして、プラス方向の温度変化+ΔT、マイナス方向の温度変化−ΔTの相対的に広い温度範囲にわたって定電圧の出力電圧V
out1を出力可能である。一方、比較例は、出力回路20を構成するnDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eのペア性が崩れている場合に対応している。閾値電圧V
thの調整用のイオン注入時のドーズ量の違いにより、ペア性が崩れる。この結果、
図6の曲線Bに示すように、定電圧の出力電圧V
out1の得られる温度範囲は、相対的に狭い。
【0046】
本実施の形態に係る定電圧回路30においては、nDMOSFETQ
Dのゲート電位を不揮発性半導体メモリMQ
EPRのフローティングゲートFGと同電位に設定できるため、nDMOSFETQ
Dのチャネルドープの不純物濃度に依存せずにnDMOSFETQ
Dの閾値電圧V
th(D)を調整し、適宜変更を加えることができる。このため、出力回路20を構成するnDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eのペア性が良好となるように調整可能である。
【0047】
本実施の形態に係る定電圧回路30においては、出力回路20を構成するnDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eのペア性が良好であるため、出力電圧V
outの温度依存性を小さくすることができる。
【0048】
(初期状態)
本実施の形態に係る定電圧回路30において、書込み無しの初期状態におけるnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
DのI
D−V
G特性例は、それぞれ
図7(a)の曲線Eと曲線Dに示すように表される。初期状態においては、nDMOSFETQ
Dもpウェル領域44に対するチャネルドーピングレベルを調整して、エンハンスメントモードで動作可能に設定している。この結果、
図7(a)に示すように、nDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eの閾値電圧は、共にV
th(0)に等しく設定されている。
【0049】
また、初期状態における出力電圧V
outと電源電圧V
CC特性例は、
図7(b)に示すように模式的に表される。初期状態においては、不揮発性半導体メモリMQ
EPRに対する書込み無しの状態に対応するため、フローティングゲートFGの電圧は、ゼロボルトに等しい。このため、出力電圧V
outは、電源電圧V
CCの変化に対して、
図7(b)に示すように、出力なしの状態の0Vに等しくなる。
【0050】
(書込み状態)
本実施の形態に係る定電圧回路において、書込み状態におけるnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
DのI
D−V
G伝達特性例は、
図8に示すように表される。書込み状態におけるnEMOSFETQ
EのI
D−V
G伝達特性は、
図8に示す曲線Eに示すように表され、初期状態におけるnEMOSFETQ
EのI
D−V
G特性と同様である。一方、書込み状態におけるnDMOSFETQ
DのI
D−V
G伝達特性は、
図8に示す曲線Dに示すように表される。書込み状態におけるnDMOSFETQ
Dのゲート電圧は、フローティングゲートFGの電圧に等しいため、不揮発性半導体メモリMQ
EPRに対する書込み状態(−V
FG1,−V
FG2)に依存して閾値電圧がマイナス方向にシフトし、nDMOSFETQ
Dは、初期状態のエンハンスメントモードからデプレッションモードに移行する。不揮発性半導体メモリMQ
EPRのフローティングゲートFGから電子が引き抜かれた状態が書込み状態に対応するため、フローティングゲートFGの電位は、プラス方向にシフトし、nDMOSFETQ
Dのチャネル領域には電子が存在する反転領域が形成されて、デプレッションモードに移行し、nDMOSFETQ
Dの閾値電圧は、例えば
図8に示すように、−V
FG1,−V
FG2で表される値となる。nDMOSFETQ
DのI
D−V
G伝達特性は、
図8に示すように、曲線Eから曲線Dのマイナス方向にシフトする。
【0051】
結果として、V
G=0Vに対応する電流値I
D1、I
D2に等しいドレイン電流I
Dが、出力回路20に導通することから、電流値I
D1、I
D2に対応して出力電圧V
out1、V
out2が得られる。
【0052】
本実施の形態に係る定電圧回路30において、書込み状態における出力電圧V
outと電源電圧V
CC特性例は、
図9に示すように表される。本実施の形態に係る定電圧回路30においては、
図8の出力電圧V
out1、V
out2に対応して、
図9に示すように、定電圧の出力電圧V
out1、V
out2が得られる。
【0053】
(回路動作の初期状態)
本実施の形態に係る定電圧回路30において、初期状態における回路動作は、
図10に示すように表される。すなわち、nDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eのチャネルドープのためのドーズ量の均一化等を図る。また、ウェハ作成時にnDMOSFETとnEMOSFETのpウェル作成条件を等しくする。この結果、未書込み状態時において、nDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eの閾値電圧をゼロボルト以上の所定の電圧V
th(0)に等しくする。このときnDMOSFETQ
Dのpウェル作成条件をnEMOSFETのpウェル作成条件と等しくすることで、初期状態ではnDMOSFETQ
Dは比較的高めの閾値電圧V
th(0)となる。
【0054】
(回路動作の書込み状態)
本実施の形態に係る定電圧回路30において、書込み状態における回路動作は、
図11に示すように表される。すなわち、ウェハ作成後、不揮発性半導体メモリMQ
EPRのドレイン電圧(書込み電圧)V
Dに、例えば約15V〜18V程度の比較的高電圧V
D1〜V
D2を印加し、選択ゲートトランジスタQ
SGのゲート電圧V
SGにも、例えば約15V〜18V程度の比較的高電圧V
SG1〜V
SG2を印加し、コントロールゲート電圧V
CGに等しい出力電圧V
outをGNDに設定することで、不揮発性半導体メモリMQ
EPRのフローティングゲートFGから電子が引き抜かれ、フローティングゲートFGの電位V
FGはプラスになり、チャネルの閾値電圧V
thEPは、−V
FG1〜−V
FG2となり、低くなる。同時に、フローティングゲートFGの電位V
FGと同電位のゲートを持つnDMOSFETQ
Dの閾値電圧V
th(D)も−V
FG1〜−V
FG2となり、低くなり、nDMOSFETQ
Dはデプレッションモードで動作可能となる。
【0055】
(定電圧出力の回路動作)
本実施の形態に係る定電圧回路30において、定電圧出力状態における回路動作は、
図12に示すように表される。すなわち、その後、電源電圧V
CC、出力電圧V
out、及びGNDレベルのみで定電圧回路を動作させることが可能となる。このとき、不揮発性半導体メモリMQ
EPRを形成するドレイン電圧(書込み電圧)V
D、ゲート電圧V
SG、及びソース電圧V
S(GND)への電圧設定は特に必要なく、定電圧回路30の動作に影響しない。
【0056】
(書込み動作波形例)
本実施の形態に係る定電圧回路30において、書込み動作における動作波形であって、ドレイン電圧(書込み電圧)V
Dのパルス波形例は、
図13(a)に示すように表され、選択ゲート電圧V
SGのパルス波形例は、
図13(b)に示すように表され、出力電圧V
outの例は、
図13(c)に示すように表される。
【0057】
本実施の形態に係る定電圧回路30の書込み動作では、ドレイン電圧(書込み電圧)V
Dのパルス波形例は、
図13(a)に示すように、時刻t1と時刻t2間の書込み時間T
Dを有し、書込み電圧V
D1〜V
D2を有する。選択ゲート電圧V
SGのパルス波形例は、
図13(b)に示すように、選択ゲート時間T
SGを有し、選択ゲート電圧V
SG1〜V
SG2を有する。書込み時間T
Dと選択ゲート時間T
SGは等しく設定しても良い。一方、不揮発性半導体メモリMQ
EPRの書込み動作を容易にするため、出力電圧V
outに等しいコントロールゲートCGの電位V
CGは、ゼロボルトを保持している。
【0058】
選択ゲート電圧V
SG1〜V
SG2、、書込み電圧V
D1〜V
D2、選択ゲート時間T
SG、及び書込み時間T
Dの値を調整することで、フローティングゲートFGへの電子の注入・引き抜き量を調整することができる。
【0059】
本実施の形態に係る定電圧回路30において、定電圧出力動作における動作波形であって、電源電圧V
CC波形例は、
図14(a)に示すように表され、出力電圧V
out波形例は、
図14(b)に示すように表される。すなわち、電源電圧V
CC、出力電圧V
out、及びGNDレベルのみで定電圧回路を動作させることが可能となる。数値例としては、電源電圧V
CCは、例えば、約3V〜5V、出力電圧V
outは、例えば、約0V〜2Vである。
【0060】
また適切な高電圧を印加してフローティングゲートFGへの電子の注入・引き抜き量を調整することで、nDMOSFETQ
Dの閾値電圧を制御可能となるため、出力電圧V
outを調整可能となる。
【0061】
(動作フローチャート)
本実施の形態に係る定電圧回路30の動作方法を表すフローチャートは、
図15に示すように表される。
【0062】
本実施の形態に係る定電圧回路30の動作方法は、
図15に示すように、ウェハ作成時にnDMOSFETとnEMOSFETのpウェル作成条件を揃えるステップS1と、未書込み状態において、nEMOSFETとnEMOSFETの閾値電圧V
thをゼロボルト以上の所定の電圧V
th(0)に等しく設定するステップS2と、ウェハ作成後、書込み回路10の書込み電圧V
Dをゼロボルト以上の所定の電圧V
D1〜V
D2に設定し、選択ゲートトランジスタQ
SGのゲート電圧V
SGをゼロボルト以上の所定の電圧V
SG1〜V
SG2に設定し、出力電圧V
outに等しいコントロールゲートCGの電位V
CGを接地電位に設定するステップS3と、不揮発性半導体メモリMQ
EPRのフローティングゲートFGから電子を引き抜き、不揮発性半導体メモリMQ
EPRの閾値電圧V
thEPを負電圧−V
FG1〜−V
FG2に設定するステップS4と、同時に、nDMOSFETQ
Dの閾値電圧V
th(D)を負電圧−V
FG1〜−V
FG2に設定するステップS5と、nDMOSFETをデプレッションモード化するステップS6と、出力回路20の電源電圧V
CCと接地電位GNDにより、nDMOSFETを導通する電流値I
D1〜I
D2を設定し、定電圧回路動作モードを得て、定電圧の出力電圧V
out1〜V
out2を出力するステップS7とを有する。以下に詳述する。
【0063】
(A)まず、ステップS1において、ウェハ作成時にnDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eのpウェル作成条件を揃える。nDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eのチャネル領域へのイオン注入条件を揃える。具体的には、pウェル領域44に対するイオン注入時のドーズ量の均一化を図る。
【0064】
(B)次に、ステップS2において、未書込み状態時において、nDMOSFETQ
DとnEMOSFETQ
Eの閾値電圧V
thをゼロボルト以上の所定の電圧V
th(0)に等しく設定する。すなわち、初期状態では、nDMOSFETQ
Dの閾値電圧もnEMOSFETQ
Eの閾値電圧V
th(0)と同等に設定し、エンハンスメントモードとして動作するように設定する。
【0065】
(C)次に、ステップS3において、ウェハ作成後、書込み回路10のドレイン電圧(書込み電圧)V
Dをゼロボルト以上の所定の電圧V
D1に設定し、選択ゲートトランジスタQ
SGのゲート電圧V
SGをゼロボルト以上の所定の電圧V
SG1に設定し、出力電圧V
outに等しいコントロールゲート電圧V
CGを接地電位に設定する。ドレイン電圧(書込み電圧)V
Dの値は、電圧V
D1〜V
D2のように幅を持たせても良い。同様に、ゲート電圧V
SGの値は、電圧V
SG1〜V
SG2のように幅を持たせても良い。
【0066】
(D)次に、ステップS4において、不揮発性半導体メモリMQ
EPRのフローティングゲートFGから電子を引き抜き、不揮発性半導体メモリMQ
EPRの閾値電圧V
thEPを負電圧−V
FG1〜−V
FG2に設定する。ドレイン電圧(書込み電圧)V
Dの値を、電圧V
D1〜V
D2のように幅を持たせ、ゲート電圧V
SGの値を、電圧V
SG1〜V
SG2のように幅を持たせて、フローティングゲートFGからの電子の引き抜き量を制御して、不揮発性半導体メモリMQ
EPRの閾値電圧V
thEPを負電圧−V
FG1〜−V
FG2のように幅を持たせることができる。
【0067】
(E)次に、ステップS5において、同時に、ゲート電位がフローティングゲート電位V
FGに等しいnDMOSFETQ
Dの閾値電圧V
th(D)が低下し、閾値電圧V
th(D)を負電圧−V
FG1〜−V
FG2に設定することができる。
【0068】
(F)次に、ステップS6において、nDMOSFETQ
Dをデプレッションモード化することができる。
【0069】
(G)次に、ステップS7において、出力回路20の電源電圧V
CCと接地電位GNDにより、nDMOSFETQ
Dを導通する電流値I
D1〜I
D2を設定し、定電圧回路動作モードを得て、定電圧の出力電圧V
out1〜V
out2を出力する。すなわち、nDMOSFETQ
Dを導通する電流値I
D1〜I
D2が決定されることで、定電圧回路30は、電源電圧V
CC、接地電位GND及び出力電圧V
outで動作可能となり、定電圧出力を得ることができる。
【0070】
(ペア特性)
本実施の形態に係る定電圧回路30において、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア特性が良好な場合の温度変化に対するnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
DのI
D−V
G特性例は、模式的に
図16に示すように表される。nEMOSFETQ
EのI
D−V
G特性において、周囲温度が温度T
1から温度T
2に上昇した場合、
図16に示すように、I
D−V
G特性はマイナス方向にΔV
G(E)だけシフトする。同様に、nDMOSFETQ
DのI
D−V
G特性において、周囲温度が温度T
1から温度T
2に上昇した場合、
図16に示すように、I
D−V
G特性はマイナス方向にΔV
G(D)だけシフトする。
【0071】
本実施の形態に係る定電圧回路30において、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア特性が良好なため、ΔV
G(E)=ΔV
G(D)となる。
【0072】
周囲温度T
1の場合、nDMOSFETQ
Dを導通する電流は、
図16に示すように、I
D1で表され、この結果、定電圧の出力電圧V
outが得られる。一方、周囲温度T
2の場合、nDMOSFETQ
Dを導通する電流は、
図16に示すように、I
D2で表され、この場合も、定電圧の出力電圧V
outが得られる。すなわち、本実施の形態に係る定電圧回路30においては、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア特性が良好なため、ΔV
G(E)=ΔV
G(D)となるため、周囲温度がT
1からT
2まで上昇しても、出力電圧V
outの変動は抑制可能である。
【0073】
比較例として、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア特性が良好でない場合の温度変化に対するnEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
DのI
D−V
G特性例は、模式的に
図17に示すように表される。nEMOSFETQ
EのI
D−V
G特性において、周囲温度が温度T
1から温度T
2に上昇した場合、
図17に示すように、I
D−V
G特性はマイナス方向にΔV
G(E)だけシフトする。同様に、nDMOSFETQ
DのI
D−V
G特性において、周囲温度が温度T
1から温度T
2に上昇した場合、
図17に示すように、I
D−V
G特性はマイナス方向にΔV
G(D)だけシフトする。
【0074】
比較例に係る定電圧回路において、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア特性が良好でないため、
図17に示す例では、ΔV
G(E)<ΔV
G(D)となる。
【0075】
周囲温度T
1の場合、nDMOSFETQ
Dを導通する電流は、
図17に示すように、I
D1で表され、この結果、定電圧の出力電圧V
outが得られる。一方、周囲温度T
2の場合、nDMOSFETQ
Dを導通する電流は、
図17に示すように、I
D2で表され、この場合、定電圧の出力電圧V
ou2が得られる。すなわち、比較例に係る定電圧回路においては、nEMOSFETQ
EとnDMOSFETQ
Dのペア特性が不良で、ΔV
G(E)<ΔV
G(D))となるため、周囲温度がT
1からT
2まで上昇すると、出力電圧は、V
out1からV
out2まで上昇してしまう。
【0076】
本実施の形態に係る定電圧回路においては、nEMOSFET、nDMOSFETのペア性が良好のため、相対的に広い温度範囲にわたり、温度依存性が抑制され、簡易な回路構成で出力電圧の調整が可能な定電圧回路を提供可能である。
【0077】
(別の半導体装置の詳細構造)
図2〜
図5に示される半導体装置においては、パターン上、書込み回路10の選択ゲートトランジスタQ
SGのゲートや、出力回路20のnEMOSFETQ
Eのゲートは一層構造となっているが不揮発性半導体メモリMQ
EPRのCG−FG構造のプロセスを利用して、2層構造としても良い。但し、この場合、FG−CG間は、周辺部に配置されるコンタクトを介して、電気的に短絡する。
【0078】
図2〜
図5に示される半導体装置においては、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGのエッチングを別々の工程で行うフローを想定しているが、より素子面積を小さくするために、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGを一括でエッチングするフローを使用しても良い。その場合、書込み回路10の選択ゲートトランジスタQ
SGや出力回路20のnEMOSFETQ
Eのゲートも2層構造とすることができる。但し、CG−FG間のONO膜を除去する工程や、あるいはフローティングゲートFGに直接コンタクトを形成するためのFG除去工程を追加する。
【0079】
本実施の形態に係る定電圧回路を実現する別の半導体装置の模式的平面パターン構成は、
図18に示すように表され、
図18のIV−IV線に沿う模式的断面構造は、
図19に示すように表され、
図18のV−V線に沿う模式的断面構造は、
図20に示すように表される。
【0080】
図18及び
図19に示すように、選択ゲートトランジスタQ
SGのゲートは、フローティングゲートFGと同時に形成可能な第3ゲート電極64G1と、第3ゲート電極64G1上に絶縁層58を介して配置され、コントロールゲートCGと同時に形成可能な第4ゲート電極64G2との2層構造を備え、第3ゲート電極64G1と第4ゲート電極64G2は、コンタクトホール64Cを介して電気的に共通になされていても良い。第3ゲート電極64G1と第4ゲート電極64G2は、nEMOSFETQ
Eの共通のゲート電極として動作可能である。
【0081】
また、
図18及び
図20に示すように、nEMOSFETQ
Eのゲートは、フローティングゲートFGと同時に形成可能な第1ゲート電極72G1と、第1ゲート電極72G1上に絶縁層58を介して配置され、コントロールゲートCGと同時に形成可能な第2ゲート電極72G2との2層構造を備え、第1ゲート電極72G1と第2ゲート電極72G2は、コンタクトホール72Cを介して電気的に共通になされていても良い。第1ゲート電極72G1と第2ゲート電極72G2は、nEMOSFETQ
Eの共通のゲート電極として動作可能である。CG−FG間絶縁層である絶縁層58は、ONO膜を備えていても良い。その他の構造は、
図2〜
図5に示される半導体装置と同様である。
【0082】
[その他の実施の形態]
上記のように、いくつかの実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述及び図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0083】
このように、本実施の形態は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含む。