(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-18768(P2020-18768A)
(43)【公開日】2020年2月6日
(54)【発明の名称】食品用成型器
(51)【国際特許分類】
A47J 43/20 20060101AFI20200110BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20200110BHJP
【FI】
A47J43/20
A23L7/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-146744(P2018-146744)
(22)【出願日】2018年8月3日
(71)【出願人】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】藤浪 貴音
【テーマコード(参考)】
4B023
4B053
【Fターム(参考)】
4B023LE14
4B023LT28
4B023LT29
4B053AA03
4B053CA30
(57)【要約】
【課題】手を触れることなく食材を成型し、食材に雑菌が繁殖し難く衛生的な食品用成型器を得る。
【解決手段】
型枠1を平板の上に載置し、型枠1内に米飯を充填する。次に、第1の押形材2を型枠1の内壁に沿って、米飯の上から適宜の力で米飯を所定の厚みに押し込み押し固める。続いて、第2の押形材3の柱体3aを、第1の押形材2の孔部2a内に押し込むと、第2の押形材3は所定深さまでフランジ部3bにより米飯内に押し込まれ、型枠1内の米飯の上部に凹部が形成されたおにぎりができあがる。第1の押形材2から第2の押形材3を取り外し、凹部内に具材を挿入する。そして、第1の押形材2を型枠1から抜き取り、更に型枠1から米飯を抜き出すことで外周が花びら状となって押し固められた押し寿司状のおにぎりが得られる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体から成る型枠と、中央に孔部を有し前記型枠の内壁に沿って前記型枠内を上下に摺動可能な第1の押形材と、該第1の押形材の前記孔部に挿入可能な第2の押形材とから構成されたことを特徴とする食品用成型器。
【請求項2】
前記第1の押形材は中央に円形の前記孔部が穿孔された平板状の本体部と、前記孔部の両側に前記本体部から上方に向けて突設された摘み部とから成ることを特徴とする請求項1に記載の食品用成型器。
【請求項3】
前記型枠は透明体としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の食品用成型器。
【請求項4】
前記型枠の周囲に目盛線を形成したことを特徴とする請求項3に記載の食品用成型器。
【請求項5】
前記型枠の周囲形状を花びら状としたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の食品用成型器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯等の食材を筒状体を用いて成型する食品用成型器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ホームパーティ等で、様々な食品をトッピングして、見栄え良く食べ易い寿司状のおにぎりを提供することが多くなっている。そこで、見栄えの良い均一形状のおにぎりを型により製造する方法として、例えば特許文献1に示すようなおにぎり成型器が知られている。
【0003】
特許文献1のおにぎり成型器はおにぎりを握るための補助具であり、略三角形の短筒状体内に充填した米飯を、両側から両手で押さえ込みながら、おにぎりに成型するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−136528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のおにぎり成型器によれば、所定の大きさ、所定の形状をした均一のおにぎりが容易に得られるが、手を使用するため、手に付着していた雑菌が米飯に移動して、繁殖し易いという問題点がある。また、おにぎり成型器内の米飯の内部に具材を入れるのにも手間を要する。
【0006】
本発明の目的は、上記の問題点を解消し、衛生的であって、かつ見栄えの良い成型食品を成型することができる成型食品用成型器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するための本発明に係る食品用成型器は、筒状体から成る型枠と、中央に孔部を有し前記型枠の内壁に沿って前記型枠内を上下に摺動可能な第1の押形材と、該第1の押形材の前記孔部に挿入可能な第2の押形材とから構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明による食品用成型器によれば、容易に均一形状の成型食品を成型できると共に、食材に手を触れることがないので、食材に雑菌が繁殖し難く衛生的である。また、専用の押形材を利用することで、簡便に具材を成型食品内に挿入することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】第1の押形材により型枠内の米飯を押し込んだ状態の斜視図である。
【
図4】第2の押形材を第1の押形材中に押し込んだ状態の斜視図である。
【
図5】第1の押形材から第2の押形材を取り外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例における食品用成型器の分解斜視図を示している。この食品用成型器は型枠1と、第1の押形材2と、第2の押形材3とから構成されており、これらは合成樹脂材から成り、抗菌性樹脂を使用することが好適である。
【0011】
型枠1は周囲形状が複数の放射方向に膨らんだ花びら状で、頂部、底部が開放された透明体から成る筒状体であり、外周には例えば2本の水平方向の目盛線1aが突条により形成されている。
【0012】
第1の押形材2は型枠1の内壁1bと同形の外縁を有し、型枠1の内壁1bに沿って上下に摺動可能な平板体とされている。第1の押形材2は中央に円形の孔部2aが穿孔された平板状の本体部2bと、孔部2aの両側に本体部2bから上方に向けて突設された摘み部2cとから構成されている。
【0013】
第2の押形材3は、第1の押形材2の孔部2a内に挿入するために略円柱状であり有底の柱体3aと、この柱体3aの上縁部に設けた円環状のフランジ部3bと、このフランジ部3bの直径個所から上方に向けて突設した摘み部3cとから構成されている。また、第1の押形材2の孔部2aの形状及び第2の押形材3の柱体3aの形状は、断面が円形とは限らず、三角形や他の形状としてもよい。
【0014】
食品用成型器の使用に際しては、先ず型枠1を例えば平面状の盛り付け皿の上に載置し、
図2に示すように、型枠1内に米飯Rをしゃもじ等により充填する。この際に、型枠1の周囲に設けられた目盛線1aを見ながら米飯Rの量を調整することができる。また、目盛線1aを利用して1層目はケチャップで着色した米飯、2層目は白米等、異なる色の米飯を積層することもできる。
【0015】
次に、
図3に示すように、第1の押形材2を摘み部2cを指で摘んで、型枠1の内壁1bに沿って米飯Rの上に載せ、適宜の力で米飯Rを所定の厚みに押し込むことにより、米飯Rを押し固める。上述の多層状にする場合は、層毎に米飯Rを押し固めてもよい。
【0016】
続いて、
図4に示すように、第2の押形材3の柱体3aを摘み部3cを指で摘んで、第1の押形材2の孔部2a内に押し込むと、第2の押形材3は所定深さまでフランジ部3bにより米飯R内に押し込まれ、型枠1内には米飯Rの上部に凹部Raが形成された押し寿司形状のおにぎりができ上がる。
【0017】
次に、
図5に示すように、第1の押形材2から第2の押形材3を取り外し、凹部Ra内に振り掛けや鮭フレーク等の具材Gを挿入する。その際に具材Gが第1の押形材2の本体部2b上に散らばってしまうことがあるが、本体部2bを取り除くことで、凹部Raのみに綺麗に具材Gが挿入された状態になるので、見栄えが良い。また、凹部Ra内に挿入した具材Gの上から、再び第2の押形材3を押し当てて米飯Rの頂面と、具材Gの頂面とを揃えるようにすると、より一層見栄えが良くなる。
【0018】
続いて、摘み部2cを指で摘んで第1の押形材2を型枠1から抜き取り、更に型枠1から米飯Rを抜き出すと、
図6に示すように外周が花びら状となって押し固められた押し寿司状のおにぎりが得られる。米飯Rの凹部Raには、具材Gが綺麗に挿入されている。
【0019】
また、
図5で具材Gを挿入後に、型枠1を持ち上げて、第1の押形材2を型枠1内に押し込んで、米飯Rを型枠1の下方に押し出すことにより、成型されたおにぎりを取り出すようにしてもよい。
【0020】
このおにぎりの製作過程において、型枠1に米飯Rを充填するにはしゃもじやスプーンを使い、凹部Raに具材を入れる場合もスプーン等を使うことにより、人の手が米飯Rに直接触れることはないので衛生的である。
【0021】
また、型枠1と同じ程度の大きさの乾海苔を米飯Rの上に乗せ、その後に第1の押形材2で米飯Rを押し込めば、乾海苔付きのおにぎりが得られる。
【0022】
更に、例えば乾海苔をおにぎりの中に積層したい場合などには、型枠1の下の目盛線1aまで米飯Rを詰めてから第1の押形材2で押し固めて、第1の押形材2を外し、米飯Rの上に乾海苔を載置する。次に、上の目盛線1aまで米飯Rを詰めて、再び第1の押形材2により押し固め、乾海苔を載置する。更に、この上に米飯Rを詰めて第1の押形材2で押し固め、続いて第2の押形材3で米飯R上に凹部Raを形成する。これにより、内部に2層に乾海苔を積層したおにぎりが得られる。
【0023】
実施例における型枠1は、花びらの形状から成る筒状体としたが、花びら以外の形状、例えば三角形、星形、ハート形等の任意の形状とすることもできる。更に、型枠1を透明な合成樹脂材とすることにより、前述したように充填した米飯Rの量を容易に確認でき、例えば型枠1内に異なる食材を積層する場合等に、それぞれの食材の厚み等を視認することができる。この場合に、目盛線1aを用いると正確な量を積層できる。
【0024】
また、実施例においては、食材として米飯を対象としたが、例えばポテトサラダ等に使用し、第1の押形材2で固めることで成型食品を成型することができる。更に、食品用成型器についても用途に応じて適宜の大きさとすることができる。
【0025】
このように、食品用成型器を用いることで、容易に均一形状の成型食品を成型できると共に、食材に手を触れることがないので、食材に雑菌が繁殖し難く衛生的である。また、専用の押形材を利用することで、簡単に具材を成型食品内に挿入することが可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 型枠
1a 目盛線
2 第1の押形材
2a 孔部
2b 本体部
2c、3c 摘み部
3 第2の押形材
R 米飯
Ra 凹部