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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-187731(P2020-187731A)
(43)【公開日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】栄養処方管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20201023BHJP
【FI】
   G16H20/60
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-34490(P2020-34490)
(22)【出願日】2020年2月29日
(11)【特許番号】特許第6747702号(P6747702)
(45)【特許公報発行日】2020年8月26日
(31)【優先権主張番号】特願2019-89558(P2019-89558)
(32)【優先日】2019年5月10日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】502351659
【氏名又は名称】株式会社医療情報技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100196760
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】姫野 信吉
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な症状や所見を有する栄養障害の患者に対して処方された栄養素のリストと、その効果の有無、副作用などについての記録を集積し、有効/無効/副作用の発現頻度のデータに基づき、症状や所見ごとに有効性が期待される栄養素あるいは栄養素ペアを示唆して、有効性の高い栄養素の処方を支援する。
【解決手段】栄養処方管理システムにおいて、栄養処方対象者の症状や所見を表現するための語彙を管理する症状所見語彙管理手段と、処方される栄養素を語彙として管理する処方栄養素語彙管理手段と、栄養処方対象者ごとの症状や所見のリスト、処方された栄養素のリストを、それぞれ症状所見語彙管理手段ならびに処方栄養素語彙管理手段に管理されている語彙を用いて表現し、さらに栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々についての効果の有無を記録する栄養処方対象者管理手段を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)栄養処方対象者の症状や所見を表現するための語彙を管理する症状所見語彙管理手段と、
(ii)処方される栄養素を語彙として管理する処方栄養素語彙管理手段と、
(iii) 栄養処方対象者ごとの症状や所見のリスト、処方された栄養素のリストを、それぞれ前記症状所見語彙管理手段ならびに処方栄養素語彙管理手段に管理されている語彙を用いて表現し、さらに前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々についての効果の有無を記録する栄養処方対象者管理手段を備え、
(iv) 前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々に対して有効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと有効栄養素リスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、前記有効栄養素リスト管理手段に管理されている当該症状所見に対して有効であった栄養素のリストを有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素を示唆する症状所見ごと有効頻度による栄養素示唆手段を有することを特徴とする栄養処方管理システム。
【請求項2】
前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々に対して無効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと無効栄養素リスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、当該症状所見に対して有効であった栄養素のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素を示唆する症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素示唆手段を有することを特徴とする請求項1記載の栄養処方管理システム。
【請求項3】
前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々に対して有効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと有効栄養素ペアリスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、前記有効栄養素リスト管理手段に管理されている当該症状所見に対して有効であった栄養素ペアのリストを有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素ペアを示唆する症状所見ごと有効頻度による栄養素ペア示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜2いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項4】
前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々に対して無効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと無効栄養素ペアリスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、当該症状所見に対して有効であった栄養素ペアのリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素ペアを示唆する症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素ペア示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項5】
前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において、有効であった当該症状や所見に対して有効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素に関し、前記栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素が有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素処方の妥当性を示唆する栄養素ごと有効頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項6】
前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において、無効であった当該症状や所見に対して無効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ごと症状所見ごと無効症状や所見リスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素に関し、当該栄養素が有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素処方の妥当性を示唆する栄養素ごと有効無効頻度比による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項7】
前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において、有効であった当該症状や所見に対して有効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ペアごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素ペアに関し、前記栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素ペアが有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素ペア処方の妥当性を示唆する栄養素ペア有効頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項8】
前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において、無効であった当該症状や所見に対して無効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ペアごと症状所見ごと無効症状や所見リスト管理手段を有し、
新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素ペアに関し、当該栄養素ペアが有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素ペア処方の妥当性を示唆する栄養素ペア有効無効頻度比による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項9】
前記栄養処方対象者管理手段において、処方された栄養素で副作用が発生した場合、当該副作用の症状や所見を記録する副作用症状や所見管理手段を備え、
副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において頻度をカウントアップする、栄養素ごと副作用症状や所見リスト管理手段を有し、
副作用の生じた栄養処方対象者において、前記栄養素ごと副作用症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素で過去に観測された症状や所見のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素を示唆する栄養素ごと副作用頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項10】
前記栄養処方対象者管理手段において、処方された栄養素で副作用が発生した場合、当該副作用の症状や所見を記録する副作用症状や所見管理手段を備え、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において頻度をカウントアップする、栄養素ペアごと副作用症状や所見リスト管理手段を有し、
副作用の生じた栄養処方対象者において、前記栄養素ペアごと副作用症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素ペアで過去に観測された症状や所見のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素ペアを示唆する栄養素ペア副作用頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項11】
前記副作用症状や所見管理手段において、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々について、副作用としての頻度をカウントアップする、副作用症状や所見ごと栄養素リスト管理手段を有し、
副作用の生じた栄養処方対象者において、前記副作用症状や所見ごと栄養素リスト管理手段に管理されている当該副作用症状や所見で処方されていた栄養素のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素を示唆する副作用症状や所見頻度による栄養素示唆手段を有することを特徴とする請求項9〜10いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項12】
前記副作用症状や所見管理手段において、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々について、副作用としての頻度をカウントアップする、副作用症状や所見ごと栄養素ペアリスト管理手段を有し、
副作用の生じた栄養処方対象者において、前記副作用症状や所見ごと栄養素ペアリスト管理手段に管理されている当該副作用症状や所見で処方されていた栄養素ペアのリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素ペアを示唆する副作用症状や所見頻度による栄養素ペア示唆手段を有することを特徴とする請求項9〜11いずれか記載の栄養処方管理システム。
【請求項13】
前記栄養処方対象者管理手段において、前記請求項で示した各種頻度分布へのカウントアップが終了したのちに、前記栄養処方対象者管理手段で管理していた当該栄養処方対象者のデータを削除する栄養処方対象者データ削除手段を備えたことを特徴とする請求項1〜12いずれか記載の栄養処方管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養障害に起因する様々な症状を訴える患者に対して、どのような食事や薬剤、サプリメントが有効であるか等を考えるうえで必要な情報を医師や栄養士などに提供し、適切な栄養処方を支援する栄養処方管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
栄養の不足は体調に様々な不調をもたらすことが知られている。ビタミン類は、それなしには生存が困難なほど不可欠な栄養素として重要視されている。蛋白質や脂質、糖質、ミネラル類なども生命の維持には不可欠である。それらの摂取量や、核種栄養素の摂取量のバランスも、同じように重要であることが知られてきている。
最近では、スポーツ選手などの運動機能、持続機能を向上させるための研究も進んできている。また、従来知られていた摂取量の100倍以上の量のビタミンB類やビタミンCを投与することで、統合失調症や癌の進行を予防できる可能性があることも話題となっている。
通常の栄養状態の改善はもちろんのこと、栄養障害の克服、積極的な健康増進、疾患の予防、改善のための栄養摂取の積極的活用が求められるようになって来ている。このためには、栄養学、代謝科学などの深い知識が必要とされる。
この出願に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-5928号公報
【特許文献2】特開2009-178549号公報
【特許文献3】特開2001-222635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
栄養障害を起こしている患者の症状は多彩であり、血液検査所見でも、栄養成分を直接測定するわけではないので、不足している栄養の特定は困難であることが多い。個人差も大きく、また、複数の栄養素が同時に不足していることも多いので、栄養状態の把握は、ますます困難となりやすい。
栄養状態の把握には、どのような代謝経路が不調となっているか、その際にどのような症状が、どのような理由で発現するかといった栄養学、代謝化学についての深い理解が必要とされる。しかし、既に知られている代謝経路だけでも膨大な量に上り、症状や血液検査データなどから代謝経路の不調、改善するための栄養処方を立案するためには、長期間にわたる研修と臨床経験が必要であった。このため、適切、最善とは言えない栄養処方が行われることが少なくなかった。
不足栄養素と症状や所見の間の複雑な関係をリストアップして症状や所見から不足している栄養素を示唆する試みもあるが(特許文献3)、全ての代謝経路を網羅することは困難であり、また副作用の問題や、複数の栄養素による相乗効果などの影響も考慮すると、症状と栄養素が1:1に単純に対応するものでないため、決して容易ではない。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、様々な症状や所見を有する栄養障害の患者に対して処方された栄養素のリストと、その効果の有無、副作用などについての記録を集積し、有効/無効/副作用の発現頻度のデータに基づき、症状や所見ごとに有効性が期待される栄養素あるいは栄養素ペアを示唆して、有効性の高い栄養素の処方を支援する栄養処方支援システムを提供することである。また、栄養素あるいは栄養素ペアごとに有効性のある症状や所見を示唆し、栄養処方の際の参考とすること、万一思わぬ副作用が生じるリスクを事前に把握し、副作用発生の際は、可能性のある栄養素を早急に特定し、対応策を速やかにとれるような栄養処方を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載の栄養処方管理システムでは、(i)栄養処方対象者の症状や所見を表現するための語彙を管理する症状所見語彙管理手段と、(ii)処方される栄養素を語彙として管理する処方栄養素語彙管理手段と、(iii) 栄養処方対象者ごとの症状や所見のリスト、処方された栄養素のリストを、それぞれ前記症状所見語彙管理手段ならびに処方栄養素語彙管理手段に管理されている語彙を用いて表現し、さらに前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々についての効果の有無を記録する栄養処方対象者管理手段を備え、(iv) 前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々に対して有効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと有効栄養素リスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、前記有効栄養素リスト管理手段に管理されている当該症状所見に対して有効であった栄養素のリストを有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素を示唆する症状所見ごと有効頻度による栄養素示唆手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の栄養処方管理システムでは、請求項1記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々に対して無効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと無効栄養素リスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、当該症状所見に対して有効であった栄養素のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素を示唆する症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素示唆手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜2いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々に対して有効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと有効栄養素ペアリスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、前記有効栄養素リスト管理手段に管理されている当該症状所見に対して有効であった栄養素ペアのリストを有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素ペアを示唆する症状所見ごと有効頻度による栄養素ペア示唆手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜3いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々に対して無効対象者頻度をカウントアップする、症状所見ごと無効栄養素ペアリスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、当該症状所見に対して有効であった栄養素ペアのリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素ペアを示唆する症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素ペア示唆手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜4いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において、有効であった当該症状や所見に対して有効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素に関し、前記栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素が有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素処方の妥当性を示唆する栄養素ごと有効頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜5いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において、無効であった当該症状や所見に対して無効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ごと症状所見ごと無効症状や所見リスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素に関し、当該栄養素が有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素処方の妥当性を示唆する栄養素ごと有効無効頻度比による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜6いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において、有効であった当該症状や所見に対して有効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ペアごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素ペアに関し、前記栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素ペアが有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素ペア処方の妥当性を示唆する栄養素ペア有効頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜7いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において、無効であった当該症状や所見に対して無効症状や所見の頻度をカウントアップする、栄養素ペアごと症状所見ごと無効症状や所見リスト管理手段を有し、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素ペアに関し、当該栄養素ペアが有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素ペア処方の妥当性を示唆する栄養素ペア有効無効頻度比による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜8いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者管理手段において、処方された栄養素で副作用が発生した場合、当該副作用の症状や所見を記録する副作用症状や所見管理手段を備え、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において頻度をカウントアップする、栄養素ごと副作用症状や所見リスト管理手段を有し、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記栄養素ごと副作用症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素で過去に観測された症状や所見のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素を示唆する栄養素ごと副作用頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜9いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記栄養処方対象者管理手段において、処方された栄養素で副作用が発生した場合、当該副作用の症状や所見を記録する副作用症状や所見管理手段を備え、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において頻度をカウントアップする、栄養素ペアごと副作用症状や所見リスト管理手段を有し、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記栄養素ペアごと副作用症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素ペアで過去に観測された症状や所見のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素ペアを示唆する栄養素ペア副作用頻度による症状や所見示唆手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の栄養処方管理システムでは、請求項9〜10いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記副作用症状や所見管理手段において、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々について、副作用としての頻度をカウントアップする、副作用症状や所見ごと栄養素リスト管理手段を有し、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記副作用症状や所見ごと栄養素リスト管理手段に管理されている当該副作用症状や所見で処方されていた栄養素のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素を示唆する副作用症状や所見頻度による栄養素示唆手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の栄養処方管理システムでは、請求項9〜11いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記副作用症状や所見管理手段において、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々について、副作用としての頻度をカウントアップする、副作用症状や所見ごと栄養素ペアリスト管理手段を有し、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記副作用症状や所見ごと栄養素ペアリスト管理手段に管理されている当該副作用症状や所見で処方されていた栄養素ペアのリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素ペアを示唆する副作用症状や所見頻度による栄養素ペア示唆手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の栄養処方管理システムでは、請求項1〜12いずれか記載の栄養処方管理システムにおいて、前記請求項で示した各種頻度分布へのカウントアップが終了したのちに、前記栄養処方対象者管理手段で管理していた当該栄養処方対象者のデータを削除する栄養処方対象者データ削除手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の栄養処方管理システムでは、症状所見語彙管理手段を備えるので、栄養処方対象者の症状や所見を表現するための語彙を管理する。
処方栄養素語彙管理手段を備えるので、処方される栄養素を語彙として管理する。
栄養処方対象者管理手段を備えるので、栄養処方対象者ごとの症状や所見のリスト、処方された栄養素のリストを、それぞれ前記症状所見語彙管理手段ならびに処方栄養素語彙管理手段に管理されている語彙を用いて表現し、さらに前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々についての効果の有無を記録する。
症状所見ごと有効栄養素リスト管理手段を備えるので、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々に対して有効対象者頻度をカウントアップする。
症状所見ごと有効頻度による栄養素示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、前記有効栄養素リスト管理手段に管理されている当該症状所見に対して有効であった栄養素のリストを有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素を示唆する。
【0020】
請求項2記載の栄養処方管理システムでは、症状所見ごと無効栄養素リスト管理手段を備えるので、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々に対して無効対象者頻度をカウントアップする。
症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、当該症状所見に対して有効であった栄養素のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素を示唆する。
【0021】
請求項3記載の栄養処方管理システムでは、症状所見ごと有効栄養素ペアリスト管理手段を備えるので、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々に対して有効対象者頻度をカウントアップする。
症状所見ごと有効頻度による栄養素ペア示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、前記有効栄養素リスト管理手段に管理されている当該症状所見に対して有効であった栄養素ペアのリストを有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素ペアを示唆する。
【0022】
請求項4記載の栄養処方管理システムでは、症状所見ごと無効栄養素ペアリスト管理手段を備えるので、栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々に対して無効対象者頻度をカウントアップする。
症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素ペア示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、栄養処方対象者の有する症状所見ごとに、当該症状所見に対して有効であった栄養素ペアのリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の当該症状所見に対して有効と思われる栄養素ペアを示唆する。
【0023】
請求項5記載の栄養処方管理システムでは、栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段を備えるので、前記栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において、有効であった当該症状や所見に対して有効症状や所見の頻度をカウントアップする。
栄養素ごと有効頻度による症状や所見示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素に関し、前記栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素が有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素処方の妥当性を示唆する。
【0024】
請求項6記載の栄養処方管理システムでは、栄養素ごと症状所見ごと無効症状や所見リスト管理手段を備えるので、栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において、無効であった当該症状や所見に対して無効症状や所見の頻度をカウントアップする。
栄養素ごと有効無効頻度比による症状や所見示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素に関し、当該栄養素が有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素処方の妥当性を示唆する。
【0025】
請求項7記載の栄養処方管理システムでは、栄養素ペアごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段を備えるので、栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の有った栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において、有効であった当該症状や所見に対して有効症状や所見の頻度をカウントアップ。
栄養素ペア有効頻度による症状や所見示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素ペアに関し、前記栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素ペアが有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素ペア処方の妥当性を示唆する。
【0026】
請求項8記載の栄養処方管理システムでは、栄養素ペアごと症状所見ごと無効症状や所見リスト管理手段を備えるので、栄養処方対象者ごとの症状や所見の各々について、効果の無かった栄養処方対象者については、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において、無効であった当該症状や所見に対して無効症状や所見の頻度をカウントアップする。
栄養素ペア有効無効頻度比による症状や所見示唆手段を備えるので、新規の栄養処方対象者において、処方を考えている栄養素ペアに関し、当該栄養素ペアが有効であった症状や所見のリストを、有効対象者頻度と無効対象者頻度の比率とともに表示し、前記新規の栄養処方対象者の有する症状所見に対する当該栄養素ペア処方の妥当性を示唆する。
【0027】
請求項9記載の栄養処方管理システムでは、副作用症状や所見管理手段を備えるので、栄養処方対象者管理手段において、処方された栄養素で副作用が発生した場合、当該副作用の症状や所見を記録する。
栄養素ごと副作用症状や所見リスト管理手段を備えるので、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々において頻度をカウントアップする。
栄養素ごと副作用頻度による症状や所見示唆手段を備えるので、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記栄養素ごと副作用症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素で過去に観測された症状や所見のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素を示唆する。
【0028】
請求項10記載の栄養処方管理システムでは、栄養素ペアごと副作用症状や所見リスト管理手段を備えるので、栄養処方対象者管理手段において、処方された栄養素で副作用が発生した場合、当該副作用の症状や所見を記録する副作用症状や所見管理手段を備え、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々において頻度をカウントアップする。
栄養素ペア副作用頻度による症状や所見示唆手段を備えるので、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記栄養素ペアごと副作用症状や所見リスト管理手段に管理されている当該栄養素ペアで過去に観測された症状や所見のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素ペアを示唆する。
【0029】
請求項11記載の栄養処方管理システムでは、副作用症状や所見ごと栄養素リスト管理手段を備えるので、副作用症状や所見管理手段において、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストの各々について、副作用としての頻度をカウントアップする。
副作用症状や所見頻度による栄養素示唆手段を備えるので、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記副作用症状や所見ごと栄養素リスト管理手段に管理されている当該副作用症状や所見で処方されていた栄養素のリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素を示唆する。
【0030】
請求項12記載の栄養処方管理システムでは、副作用症状や所見ごと栄養素ペアリスト管理手段を備えるので、副作用症状や所見管理手段において、副作用としての症状や所見の各々について、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素ペアのリストの各々について、副作用としての頻度をカウントアップする。
副作用症状や所見頻度による栄養素ペア示唆手段を備えるので、副作用の生じた栄養処方対象者において、前記副作用症状や所見ごと栄養素ペアリスト管理手段に管理されている当該副作用症状や所見で処方されていた栄養素ペアのリストを、当該副作用の発生した栄養処方対象者頻度とともに表示し、前記栄養処方対象者の副作用の生じた原因となった可能性の有る栄養素ペアを示唆する。
【0031】
請求項13記載の栄養処方管理システムでは、栄養処方対象者データ削除手段を備えるので、前記請求項で示した各種頻度分布へのカウントアップが終了したのちに、前記栄養処方対象者管理手段で管理していた当該栄養処方対象者のデータを削除する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本願の栄養処方管理システムの基本となる症状所見語彙管理手段、処方栄養素語彙管理手段、栄養処方対象者管理手段の説明図である。
図2】症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ごとの有効対象者頻度を求め、症状所見ごと有効頻度による栄養素示唆手段としたことを説明した図である。
図3】症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が無効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ごとの無効対象者頻度を求め、症状所見ごと無効栄養素リスト管理手段としたことを説明した図である。
図4】症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ごとの有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求め、症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素示唆手段としたことを説明した図である。
図5】症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ペアごとの有効対象者頻度を求め、症状所見ごと有効頻度による栄養素ペア示唆手段としたことを説明した図である。
図6】症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ペアごとの有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求め、症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素ペア示唆手段としたことを説明した図である。
図7】処方栄養素語彙管理手段において、特定の栄養素(本図では「ビタミンB群」)が処方された栄養処方対象者について、当該栄養処方対象者が有していた症状所見ごとに、当該栄養処方が有効であった有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求めていることを説明した図である。
図8】処方栄養素語彙管理手段において、特定の栄養素ペア(本図では「ビタミンB群」と「鉄」)が処方された栄養処方対象者について、当該栄養処方対象者が有していた症状所見ごとに、当該栄養素ペア処方が有効であった有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求めていることを説明した図である。
図9】症状所見語彙管理手段において、特定の副作用である症状所見(本図では「吐き気」)について、当該副作用が生じた栄養処方対象者に対して、処方されていた栄養素ごとの対象者頻度を求め、副作用症状や所見頻度による栄養素示唆手段としたことを説明した図である。
図10】症状所見語彙管理手段において、特定の副作用である症状所見(本図では「吐き気」)について、当該副作用が生じた栄養処方対象者に対して、処方されていた栄養素ペアごとの対象者頻度を求め、副作用症状や所見頻度による栄養素ペア示唆手段としたことを説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本願の栄養処方管理システムの基本となる症状所見語彙管理手段、処方営為要素語彙管理手段、栄養処方対象者管理手段の説明図である。
症状所見語彙管理手段では、「だるい」、「食欲がない」などの(自覚)症状と、「体重減少」、「貧血」などの(客観的な)所見のリストを管理している。処方栄養素語彙管理手段では、「ビタミンA」などの栄養処方で用いられる栄養素のリストが管理されている。
栄養処方対象者管理手段では、栄養処方がなされた栄養処方対象者のリストが栄養処方対象者ID、当該栄養処方対象者の症状所見リスト、処方された処方栄養素リスト、前記当該栄養処方対象者の症状所見リストの各々について栄養処方リストの効果の有無、発生した副作用としての症状所見とともに管理されている。
なお、図では〇が有効、×が無効を表している。
前記症状所見は、前記症状所見語彙管理手段で管理されている語彙を、処方栄養素は処方栄養素語彙管理手段で管理されている語彙を用いている。
当該語彙をそのまま使用してもよいし、URLのようにリンクを張ってもよい。また、語彙のマスターファイルを作成し、語彙ごとのID#を管理し、そのID#を用いて記述してもよい。
各管理手段の 実装は、XMLやJSON形式で記載したオブジェクトRDBなど任意である。
図では省略しているが、各栄養処方対象者に関して、既往歴の病名や内服中の薬剤名などの付加的情報を併せて管理することも有用である。また、電子カルテなどの記録にリンクを張ることも有用であろう。
【0034】
図2は、症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ごとの有効対象者頻度を求め、症状所見ごと有効頻度による栄養素示唆手段としたことを説明した図である。
前記栄養処方対象者管理手段で管理されているなかで、特定の「朝起きられない」との症状を有する栄養処方対象者で、栄養処方の結果有効であった栄養処方対象者をリストアップし、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストについて、それぞれの栄養素をカウントアップし、有効栄養処方対象者の頻度を求めている。
処方されていた栄養素のうち、本当に効果のあった栄養素に関しては有効栄養処方対象者の頻度が高くなるのに対し、効果はないが偶々処方されていた栄養素は、低い頻度に留まる。この有効栄養処方対象者の栄養素別頻度により、特定の症状所見(この図では「朝起きられない」)に対して処方すべき栄養素を示唆することができる(症状所見ごと有効頻度による栄養素示唆手段)。
【0035】
図3は、症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が無効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ごとの無効対象者頻度を求め、症状所見ごと無効栄養素リスト管理手段としたことを説明した図である。
【0036】
図4は、症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ごとの有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求め、症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素示唆手段としたことを説明した図である。
処方されていた栄養素のうち、本当に効果のあった栄養素に関しては有効栄養処方対象者の頻度が高くなるのに対し、効果はないが偶々処方されていた栄養素は、低い頻度に留まる。しかし、これだけでは、本当は効果がないにもかかわらず、偶々処方数の多い栄養素の頻度が高くなって、誤った示唆を与えてしまう危険がある。
この危険は、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ごとの有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求めることで回避することができる。(症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素示唆手段)。
【0037】
図5は、症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ペアごとの有効対象者頻度を求め、症状所見ごと有効頻度による栄養素ペア示唆手段としたことを説明した図である。
栄養素間には、複数の栄養素が同時に投与されることで効果が増強される場合(相乗効果)と、逆に効果を打ち消しあって減弱する場合(相殺効果)がある。栄養素のペアごとに有効対象者の頻度を測ることにより、栄養素の有効な処方の組み合わせに関しての示唆を得ることができる(症状所見ごと有効頻度による栄養素ペア示唆手段)。
栄養素単独よりも栄養素ペアのほうが有効栄養処方対象者が大きければ相乗効果を示し、逆に小さくなっていれば相殺効果を示唆することになる。
【0038】
図6では、症状所見語彙管理手段において、特定の症状所見(本図では「朝起きられない」)について、栄養処方が無効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ペアごとの無効対象者頻度を求めておき、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ペアごとの有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求め、症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素ペア示唆手段としたことを説明した図である。
処方されていた栄養素ペアのうち、本当に効果のあった栄養素に関しては有効栄養処方対象者の頻度が高くなるのに対し、効果はないが偶々処方されていた栄養素ペアは、低い頻度に留まる。
しかし、これだけでは、本当は効果がないにもかかわらず、偶々処方数の多い栄養素ペアの頻度が高くなって、誤った示唆を与えてしまう危険がある。
この危険は、栄養処方が有効であった栄養処方対象者に対して処方されていた栄養素ペアごとの有効対象者頻度と、無効対象者頻度の比(有効/無効比)を求めることで回避することができる。(症状所見ごと有効無効頻度比による栄養素ペア示唆手段)。
【0039】
図7では処方栄養素語彙管理手段において、特定の栄養素(本図では「ビタミンB群」)が処方された栄養処方対象者について、当該栄養処方対象者が有していた症状所見ごとに、当該栄養処方が有効であった有効栄養対象者に関し(栄養素ごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段)、頻度を求めている(栄養素ごと有効頻度による症状や所見示唆手段)。
さらに無効栄養処方対象者頻度も求めている。特定の栄養素が処方された栄養処方対象者の有していた症状や所見の各々について、有効であった栄養処方対象者の頻度、さらに無効であった栄養処方対象者の頻度との比を求めている(栄養素ごと有効無効頻度比による症状や所見示唆手段)。
【0040】
図8では、処方栄養素語彙管理手段において、特定の栄養素ペア(本図では「ビタミンB群」と「鉄」)が処方された栄養処方対象者について、当該栄養処方対象者が有していた症状所見ごとに、当該栄養処方が有効であった有効栄養対象者に関し(栄養素ペアごと症状所見ごと有効症状や所見リスト管理手段)、頻度を求めている(栄養素ペア有効頻度による症状や所見示唆手段)。
さらに無効栄養処方対象者頻度も求めている。特定の栄養素ペアが処方された栄養処方対象者の有していた症状や所見の各々について、有効であった栄養処方対象者の頻度、さらに無効であった栄養処方対象者の頻度との比を求めている(栄養素ペア有効無効頻度比による症状や所見示唆手段)。
【0041】
図9は、症状所見語彙管理手段において、特定の副作用である症状所見(本図では「吐き気」)について、当該副作用が生じた栄養処方対象者に対して、処方されていた栄養素ごとの対象者頻度を求め、副作用頻度栄養素示唆手段としたことを説明した図である。
特定の「吐き気」との副作用を有する栄養処方対象者で、栄養処方の結果当該副作用を生じた栄養処方対象者をリストアップし、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストについて、それぞれの栄養素をカウントアップし、処方栄養素ごとの栄養処方対象者の頻度を求めている。
同じ「吐き気」でも、栄養処方で改善すべき対象である症状所見としての「吐き気」と、栄養処方の結果生じた予期せぬ症状所見である「吐き気」は、まったく意味が異なるので、症状所見語彙管理手段においても、処方されていた栄養素リストは、別々に管理することとなる。
処方されていた栄養素のうち、本当に副作用のあった栄養素に関しては副作用の生じた栄養処方対象者の頻度が高くなるのに対し、副作用はないが偶々処方されていた栄養素は、低い頻度に留まる。
この副作用の生じた栄養処方対象者の栄養素別頻度により、特定の副作用(この図では「吐き気」)に対して原因となっている栄養素を示唆することができる(副作用症状や所見頻度による栄養素示唆手段)。
【0042】
図10は、症状所見語彙管理手段において、特定の副作用である症状所見(本図では「吐き気」)について、当該副作用が生じた栄養処方対象者に対して、処方されていた栄養素ペアごとの対象者頻度を求め、副作用症状や所見頻度による栄養素ペア示唆手段としたことを説明した図である。
特定の「吐き気」との副作用を有する栄養処方対象者で、栄養処方の結果当該副作用を生じた栄養処方対象者をリストアップし、当該栄養処方対象者に処方されていた栄養素のリストについて、それぞれの栄養素ペアをカウントアップし、処方栄養素ペアごとの栄養処方対象者の頻度を求めている。
処方されていた栄養素のうち、本当に副作用のあった栄養素ペアに関しては副作用の生じた栄養処方対象者の頻度が高くなるのに対し、副作用はないが偶々処方されていた栄養素ペアは、低い頻度に留まる。
この副作用の生じた栄養処方対象者の栄養素ペア頻度により、特定の副作用(この図では「吐き気」)に対して原因となっている栄養素ペアを示唆することができる(副作用頻度による栄養素ペア示唆手段)。
栄養素間には、複数の栄養素が同時に投与されることで副作用が増強される場合(相乗効果)と、逆に副作用を打ち消しあって減弱する場合(相殺効果)がある。
栄養素のペアごとに副作用を生じた対象者の頻度を測ることにより、栄養素ペアの有効な、あるいは避けるべき処方の組み合わせに関しての示唆を得ることができる。
【0043】
栄養処方対象者管理手段は、栄養処方対象者の症状や所見のリスト、処方された栄養素のリスト、前記症状や所見それぞれごとの有効/無効、副作用である症状や所見を記録している。
このような記録を保持し続けることは、追加の分析が必要になった際など有用であるが、記録の管理のためのコストが増大しやすい。
また、栄養処方に際して直接必要であるのは、処方栄養素、症状や所見の組合せごとの有効や無効の頻度であり、頻度計算に用いられた個々の栄養処方対象者の記録自体は必要とされない。
この理由により、処方栄養素、症状や所見の組合せごとの有効や無効の頻度の計算に用いられた個々の栄養処方対象者の記録は削除して、結果としての各種頻度分布のみを利用することとすれば、少ないデータ量で栄養処方を支援する目的を達することができる。
各種頻度分布のみを複数の栄養処方者に配布することにより、多数の施設で効率的な栄養処方が可能となる。
個々の栄養処方対象者の記録の削除に際しては、一例ごとに頻度の計算を行ってから、その都度直ちに削除してもよいし、頻度計算終了後に、まとめて削除してもよい。
栄養素と症状や所見との関連は不明点が数多く残っているので、特許文献3のように演繹的に栄養処方を考えることは必ずしも有用ではない。
本願のように、両者の間の頻度分布を求めて、帰納的に栄養処方を支援することは有用であると思われる。
【0044】
以上、実施例を説明したが、図で例示した栄養素 症状所見 頻度は説明のための便宜上のものであり、実施においては、より詳細に定義、計測することとなることは言うまでもない。
また、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明では栄養素処方と改善対象としての症状所見、副作用について説明したが、同じ構成で、薬剤と治療対象としての疾患の症状、所見、さらには薬剤による副作用に関し、薬剤処方における有用な支援情報の提供が可能である。
図1
図2
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図10