【解決手段】電子機器は、カバーパネル91と、カバーパネル91の下側に配置された第1の円偏光板41と、第1の円偏光板41の下側に配置されたOLEDパネル5と、OLEDパネル5の下側に配置された発光部10および受光センサ98とを備える。発光部10は、LED21と、LED21の上側に配置された第2の円偏光板61とを含む。受光センサ98は、受光素子34と、受光素子34の上側に配置された第3の円偏光板51とを含む。第2の円偏光板61の偏光方向と第3の円偏光板51の偏光方向とは、同じである。第2の円偏光板61の偏光方向および第3の円偏光板51の偏光方向と、第1の円偏光板41の偏光方向とは、互いに逆向きである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、電子機器の一例としてスマートフォンを説明するが、これに限定されるものではなく、タッチパッド、テレビ、カメラ、音楽プレイヤ、スマートフォン以外の携帯通信機器などを含む。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、実施の形態のスマートフォンの主要な構成を表わす図である。
【0019】
スマートフォン100は、アンテナ2と、無線通信部3と、タッチパネル4と、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネル5と、照度センサ6と、スピーカ7と、マイク8と、近接センサ9と、加速度センサ16と、ジャイロセンサ17と、制御回路12と、電池15とを備える。近接センサ9は、発光部10と、受光センサ98とを備える。制御回路12は、プロセッサ13と、メモリ14とを備える。
【0020】
アンテナ2は、基地局へ無線信号を送信し、基地局からの無線信号を受信する。
無線通信部3は、アンテナ2から送られる無線信号を増幅処理およびダウンコンバートして、制御回路12へ出力する。無線通信部3は、制御回路12で生成された音信号等を含む送信信号をアップコンバートおよび増幅処理をして、処理後の無線信号をアンテナ2へ出力する。
【0021】
タッチパネル4は、ユーザの指などの物体の接触または近接を検出し、その検出結果に応じた検出信号を制御回路12へ出力する。
【0022】
マイク8は、スマートフォン100の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御回路12に出力する。
【0023】
スピーカ7は、制御回路12からの電気的な音信号を音に変換して出力する。
加速度センサ16は、スマートフォン100の加速度を検出する。
【0024】
ジャイロセンサ17は、スマートフォン100の回転速度を検出する。
OLEDパネル5は、制御回路12の制御によって、文字、記号、図形などの各種情報を表示する。
【0025】
照度センサ6は、周辺の環境の照度を検出して、その検出結果に応じた検出信号を制御回路12へ出力する。
【0026】
近接センサ9は、物体の近接を検出し、その検出結果に応じた検出信号を制御回路12へ出力する。制御回路12は、物体の近接が検出されたときには、タッチパネル4およびOLEDパネル5をオフ状態に設定する。
【0027】
発光部10は、赤外光を出射する。
受光センサ98は、発光部10による赤外光の出射を制御するとともに、発光部10から出射され、物体によって反射された赤外光を検出する。
【0028】
プロセッサ13は、CPU(Central Processing Unit)、およびDSP(Digital Signal Processing)などによって構成される。
【0029】
メモリ14は、スマートフォン100を制御するための制御プログラム、および複数のアプリケーションプログラムなどを記憶する。制御回路12の各種機能は、プロセッサ13がメモリ14内の各種プログラムを実行することによって実現される。
【0030】
電池15は、スマートフォン100に含まれる電子部品に電力を供給する。
図2は、実施の形態の近接センサ9の構成を表わす図である。
【0031】
受光センサ98は、受光IC(Integrated Circuit)11を備える。受光IC11は、制御ロジック31と、パルス生成器32と、ドライバ33を含む駆動部39と、受光素子34と、アンプ35と、ADC(Analog to Digital Converter)36とを含む。発光部10は、LED(Light Emitting Diode)21を含む。
【0032】
制御ロジック31は、プロセッサ13からの指令に従って、LED21の駆動を制御する。制御ロジック31は、赤外光の受光の有無をプロセッサ13へ通知する。
【0033】
パルス生成器32は、パルス幅変調信号PWMを出力する。
ドライバ33は、パルス幅変調信号PWMに従って、LED21を駆動する。
【0034】
受光素子34は、物体RFで反射された赤外光を検出する。受光素子34は、フォトダイオードによって構成される。
【0035】
アンプ35は、受光素子34の出力信号を増幅する。
ADC36は、アンプ35の出力信号をデジタル信号に変換して、制御ロジック31へ出力する。
【0036】
図3は、第1の実施形態における、LED21、受光素子34、OLEDパネル5、第1の円偏光板41、第2の円偏光板61、および第3の円偏光板51の配置を表わす図である。
【0037】
スマートフォン100の長手方向をY軸方向とする。スマートフォン100の短手方向をX軸とする。スマートフォン100の正面の法線方向をZ軸方向とする。以下の説明では、下側とは、Z軸の負方向、上側とは、Z軸の正方向とする。
【0038】
第1の円偏光板41は、カバーパネル91の下側に配置される。具体的には、第1の円偏光板41は、カバーパネル91の下側の面に貼り付けられている。
【0039】
タッチパネル4は、第1の円偏光板41の下側に配置される。
OLEDパネル5は、タッチパネル4の下側に配置される。
【0040】
OLEDパネル5の下側に、メイン基板92上に発光部10と受光センサ98とを含む近接センサ9が配置される。
【0041】
発光部10は、発光モジュール196と、第2の円偏光板61とを備える。
発光モジュール196は、ベース基板94と、LED21と、樹脂体96とを備える。
【0042】
LED21は、ベース基板94上に配置される。樹脂体96は、LED21を水分および大気から保護する。ベース基板94の裏側の主面がメイン基板92の表側の主面PMと接続することによって、LED21は、メイン基板92と電気的に接続する。発光モジュール196の上側の面に第2の円偏光板61が貼り付けられている。すなわち、LED21の上側に、樹脂体96を介して第2の円偏光板61が配置される。
【0043】
受光センサ98は、受光モジュール195と、第3の円偏光板51とを備える。受光モジュール195と、ベース基板93と、受光IC11と、樹脂体95とを備える。
【0044】
受光IC11は、ベース基板93上に配置される。受光IC11は、受光素子34を含む。樹脂体95は、受光IC11を水分および大気から保護する。ベース基板93の裏側の主面がメイン基板92の表側の主面PMと接続することによって、受光IC11は、メイン基板92と電気的に接続する。受光モジュール195の上側の面に第3の円偏光板51が貼り付けられている。すなわち、受光素子34の上側に、樹脂体95を介して第3の円偏光板51が配置される。
【0045】
第2の円偏光板61の偏光方向と第3の円偏光板51の偏光方向とは、同じである。第2の円偏光板61の偏光方向および第3の円偏光板51の偏光方向と、第1の円偏光板41の偏光方向とは、互いに逆向きである。
【0046】
第1の円偏光板41は、第1の直線偏光板42と、第1の1/4波長板43とを備える。第1の1/4波長板43は、第1の直線偏光板42の下側に配置される。第1の直線偏光板42の透過軸をX軸方向とする。第1の直線偏光板42の透過軸(X軸)に対して、第1の1/4波長板43の光軸がα(=45度)の角度で交差する。
【0047】
第2の円偏光板61は、第2の直線偏光板63と、第2の1/4波長板62とを備える。第2の1/4波長板62は、第2の直線偏光板63の上側に配置される。第2の直線偏光板63の透過軸をX軸方向とする。第2の直線偏光板63の光軸と、第2の1/4波長板62の光軸とのなす角度はβ(=−45度)である。
【0048】
第3の円偏光板51は、第3の直線偏光板53と、第3の1/4波長板52とを備える。第3の1/4波長板52は、第3の直線偏光板53の上側に配置される。第3の直線偏光板53の透過軸をX軸方向とする。第3の直線偏光板53の光軸と、第3の1/4波長板52の光軸とのなす角度はβ(−45度)である。
【0049】
図4は、外部から入射される光の経路を表わす図である。
外部からの光は、カバーパネル91を経由して、第1の直線偏光板42に入射される。
【0050】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射されて、第1の1/4波長板43に入射される。
【0051】
第1の1/4波長板43から第2の方向(左回り)に回転する光が出射されて、タッチパネル4を経て、OLEDパネル5に入射される。OLEDパネル5で反射された光は、タッチパネル4を経て、第1の1/4波長板43に入射される。
【0052】
第1の1/4波長板43からは、2つの1/4波長板の位相差が加算されて、X軸方向と垂直方向に振動する光が出射されて、第1の直線偏光板42に入射される。第1の直線偏光板42は、入射された光を透過させない。これによって、外部から入射された光は、外部へ戻らない。これによって、OLEDパネル5のコントラストが低減されるのを防止できる。
【0053】
図5は、LED21から出射された光の経路を表わす図である。
図5に示される光の経路(1)〜(7)について説明する。
【0054】
(1)経路(1)および(2)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板63に入射される。第2の直線偏光板63からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板62に入射される。第2の1/4波長板62から第1の方向(右回り)に回転する光が出射されて、OLEDパネル5およびタッチパネル4を経て、第1の1/4波長板43に入射される。第1の1/4波長板43からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第1の直線偏光板42に入射される。
【0055】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射される。第1の直線偏光板42から出射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91の上側の面で反射され(経路(2))、あるいは、カバーパネル91を経て、物体RFで反射される(経路(1))。反射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91を経て、第1の直線偏光板42に入射される。第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射されて、第1の1/4波長板43に入射される。
【0056】
第1の1/4波長板43から第2の方向(左回り)に回転する光が出射されて、タッチパネル4およびOLEDパネル5を経て、第3の1/4波長板52に入射される。第3の1/4波長板52からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板53に入射される。第3の直線偏光板53からX軸方向に振動する光が出射されて、受光素子34に入射される。これによって、経路(1)、(2)を辿った光は、受光素子34に入射される。
図5では、経路(2)を辿る光は、物体RFによって反射されたものではないので、経路(2)を辿る光は、物体RFの近接の検出には、利用されない。しかし、物体RFがカバーパネル91に接触したときに、経路(2)がないと、物体RFの近接を検出することができなくなってしまう。したがって、経路(2)は、必要な経路である。また、物体RFが存在しないため、経路(1)を辿る光がない場合に、経路(2)を辿る光が受光素子34において検出される光の強度をI1とし、物体RFがカバーパネル91に接触したため、経路(1)を辿る光がない場合に、経路(2)を辿る光が受光素子34において検出される光の強度をI2としたときに、I2>I1となる。よって、物体RFがカバーパネル91に接触したときでも、物体RFの近接を検出することができる。
【0057】
(2)経路(3)〜(7)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板63に入射される。第2の直線偏光板63からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板62に入射される。第2の1/4波長板62から第1の方向(右回り)に回転する光が出射される。第2の1/4波長板62から出射された第1の方向(右回り)に回転する光は、第1の1/4波長板43の下側の面(経路(3))、タッチパネル4の上側の面(経路(4))、タッチパネル4の下側の面(経路(5))、OLEDパネル5の上側の面(経路(6))、OLEDパネル5の下側の面(経路(7))で反射される。反射された第1の方向(右回り)に回転する光は、第3の1/4波長板52に入射される。
【0058】
第3の1/4波長板52からは、2つの1/4波長板の位相差が加算されて、X軸方向と垂直方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板53に入射される。第3の直線偏光板53は、入射された光を透過させない。これによって、経路(3)を辿った光は、受光素子34に入射されない。よって、物体RFの近接の誤検出を防止できる。
【0059】
以上のように、本実施の形態によれば、表示パネルとしてOLEDパネルを用い、OLEDパネルの下側に近接センサを配置することによって、ベゼルの面積を小さくすることができる。その結果、OLEDパネルの面積を大きくすることができる。
【0060】
さらに、本実施の形態によれば、第1の円偏光板によって、外部からの光をOLEDパネルで反射されることがないようにすることができる。さらに、本実施の形態によれば、第1の円偏光板、第2の円偏光板、および第3の円偏光板によって、LEDから出射された光が内部のタッチパネル、OLEDパネルなどで反射されて受光素子に入射されることによって、物体の近接の検出精度が劣化するのを防止できる。
【0061】
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態における、LED21、受光素子34、OLEDパネル5、第1の円偏光板41、第2の円偏光板81、および第3の円偏光板71の配置を表わす図である。
図6の第2の実施形態の配置が、
図3の第1の実施形態の配置と相違する点は、以下である。
【0062】
発光部10は、発光モジュール196の上面に貼り付けられた第2の円偏光板を備えない。受光センサ98は、受光モジュール195の上面に貼り付けられた第3の円偏光板を備えない。
【0063】
第2の実施形態のスマートフォンは、LED21の上側であって、OLEDパネル5の下側の面に貼り付けられた第2の円偏光板81と、受光素子34の上側であって、OLEDパネル5の下側の面に貼り付けられた第3の円偏光板71とを備える。
【0064】
第2の円偏光板81の偏光方向と第3の円偏光板71の偏光方向とは、同じである。第2の円偏光板81の偏光方向および第3の円偏光板71の偏光方向と、第1の円偏光板41の偏光方向とは、互いに逆向きである。
【0065】
第2の円偏光板81は、第2の直線偏光板83と、第2の1/4波長板82とを備える。第2の1/4波長板82は、第2の直線偏光板83の上側に配置される。第2の直線偏光板83の透過軸をX軸方向とする。第2の直線偏光板83の光軸と、第2の1/4波長板82の光軸とのなす角度はβ(=−45度)である。
【0066】
第3の円偏光板71は、第3の直線偏光板73と、第3の1/4波長板72とを備える。第3の1/4波長板72は、第3の直線偏光板73の上側に配置される。第3の直線偏光板73の透過軸をX軸方向とする。第3の直線偏光板73の光軸と、第3の1/4波長板72の光軸とのなす角度はβ(−45度)である。
【0067】
次に、
図6に示される光の経路(1)〜(7)について説明する。
(1)経路(1)および(2)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板83に入射される。第2の直線偏光板83からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板82に入射される。第2の1/4波長板82から第1の方向(右回り)に回転する光が出射されて、OLEDパネル5およびタッチパネル4を経て、第1の1/4波長板43に入射される。第1の1/4波長板43からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第1の直線偏光板42に入射される。
【0068】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射される。第1の直線偏光板42から出射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91の上側の面で反射され(経路(2))、あるいは、カバーパネル91を経て、物体RFで反射される(経路(1))。反射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91を経て、第1の直線偏光板42に入射される。
【0069】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射されて、第1の1/4波長板43に入射される。第1の1/4波長板43から第2の方向(左回り)に回転する光が出射されて、タッチパネル4およびOLEDパネル5を経て、第3の1/4波長板72に入射される。第3の1/4波長板72からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板73に入射される。第3の直線偏光板73からX軸方向に振動する光が出射されて、受光素子34に入射される。これによって、経路(1)、(2)を辿った光は、受光素子34に入射される。
【0070】
(2)経路(3)〜(7)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板83に入射される。第2の直線偏光板83からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板82に入射される。第2の1/4波長板82から第1の方向(右回り)に回転する光が出射される。第2の1/4波長板82から出射された第1の方向(右回り)に回転する光は、第1の1/4波長板43の下側の面(経路(3))、タッチパネル4の上側の面(経路(4))、タッチパネル4の下側の面(経路(5))、OLEDパネル5の上側の面(経路(6))、OLEDパネル5の下側の面(経路(7))で反射される。反射された第1の方向(右回り)に回転する光は、第3の1/4波長板72に入射される。
【0071】
第3の1/4波長板72からは、2つの1/4波長板の位相差が加算されて、X軸方向と垂直方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板73に入射される。第3の直線偏光板73は、入射された光を透過させない。これによって、経路(3)を辿った光は、受光素子34に入射されない。よって、物体RFの近接の誤検出を防止できる。
【0072】
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態における、LED21、受光素子34、OLEDパネル5、第1の円偏光板41、第2の円偏光板81、および第3の円偏光板71の配置を表わす図である。
【0073】
図7の第3の実施形態の配置が、
図3の第1の実施形態の配置と相違する点は、以下である。第3の実施形態では、第1の円偏光板41、第2の円偏光板61、および第3の円偏光板51の代わりに、第1の円偏光板141、第2の円偏光板161、および第3の円偏光板151を備える。
【0074】
第1の円偏光板141は、カバーパネル91の下側に配置される。具体的には、第1の円偏光板141は、カバーパネル91の下側の面に貼り付けられている。
【0075】
発光モジュール196の上側の面に第2の円偏光板161が貼り付けられている。すなわち、LED21の上側に、樹脂体96を介して第2の円偏光板161が配置される。受光モジュール195の上側の面に第3の円偏光板151が貼り付けられている。すなわち、受光素子34の上側に、樹脂体95を介して第3の円偏光板151が配置される。
【0076】
第2の円偏光板161の偏光方向と第3の円偏光板151の偏光方向とは、同じである。第2の円偏光板161の偏光方向および第3の円偏光板151の偏光方向と、第1の円偏光板41の偏光方向とは、互いに逆向きである。
【0077】
第1の円偏光板41は、第1の直線偏光板42と、第1の1/4波長板143とを備える。第1の1/4波長板143は、第1の直線偏光板42の下側に配置される。第1の直線偏光板42の透過軸をX軸方向とする。第1の直線偏光板42の透過軸(X軸)に対して、第1の1/4波長板143の光軸がα(=−45度)の角度で交差する。
【0078】
第2の円偏光板161は、第2の直線偏光板63と、第2の1/4波長板162とを備える。第2の1/4波長板162は、第2の直線偏光板63の上側に配置される。第2の直線偏光板63の透過軸をX軸方向とする。第2の直線偏光板63の光軸と、第2の1/4波長板162の光軸とのなす角度はβ(=45度)である。
【0079】
第3の円偏光板151は、第3の直線偏光板53と、第3の1/4波長板152とを備える。第3の1/4波長板152は、第3の直線偏光板53の上側に配置される。第3の直線偏光板53の透過軸をX軸方向とする。第3の直線偏光板53の光軸と、第3の1/4波長板152の光軸とのなす角度はβ(45度)である。
【0080】
図7に示される光の経路(1)〜(7)について説明する。
(1)経路(1)および(2)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板63に入射される。第2の直線偏光板63からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板162に入射される。第2の1/4波長板162から第2の方向(左回り)に回転する光が出射されて、OLEDパネル5およびタッチパネル4を経て、第1の1/4波長板143に入射される。第1の1/4波長板143からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第1の直線偏光板42に入射される。
【0081】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射される。第1の直線偏光板42から出射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91の上側の面で反射され(経路(2))、あるいは、カバーパネル91を経て、物体RFで反射される(経路(1))。反射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91を経て、第1の直線偏光板42に入射される。
【0082】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射されて、第1の1/4波長板143に入射される。第1の1/4波長板143から第1の方向(右回り)に回転する光が出射されて、タッチパネル4およびOLEDパネル5を経て、第3の1/4波長板152に入射される。第3の1/4波長板152からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板53に入射される。第3の直線偏光板53からX軸方向に振動する光が出射されて、受光素子34に入射される。これによって、経路(1)、(2)を辿った光は、受光素子34に入射される。これによって、経路(1)、(2)を辿った光は、受光素子34に入射される。
【0083】
(2)経路(3)〜(7)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板63に入射される。第2の直線偏光板63からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板162に入射される。第2の1/4波長板162から第2の方向(左回り)に回転する光が出射される。第2の1/4波長板162から出射された第2の方向(左回り)に回転する光は、第1の1/4波長板143の下側の面(経路(3))、タッチパネル4の上側の面(経路(4))、タッチパネル4の下側の面(経路(5))、OLEDパネル5の上側の面(経路(6))、OLEDパネル5の下側の面(経路(7))で反射される。反射された第2の方向(左回り)に回転する光は、第3の1/4波長板152に入射される。
【0084】
第3の1/4波長板152からは、2つの1/4波長板の位相差が加算されて、X軸方向と垂直方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板53に入射される。第3の直線偏光板53は、入射された光を透過させない。これによって、経路(3)〜(7)を辿った光は、受光素子34に入射されない。よって、物体RFの近接の誤検出を防止できる。
【0085】
第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態における、LED21、受光素子34、OLEDパネル5、第1の円偏光板141、第2の円偏光板181、および第3の円偏光板171の配置を表わす図である。
図8の第4の実施形態の配置が、
図7の第3の実施形態の配置と相違する点は、以下である。
【0086】
発光部10は、発光モジュール196の上面に貼り付けられた第2の円偏光板を備えない。受光センサ98は、受光モジュール195の上面に貼り付けられた第3の円偏光板を備えない。
【0087】
第4の実施形態のスマートフォンは、LED21の上側であって、OLEDパネル5の下側の面に貼り付けられた第2の円偏光板181と、受光素子34の上側であって、OLEDパネル5の下側の面に貼り付けられた第3の円偏光板171とを備える。
【0088】
第2の円偏光板181の偏光方向と第3の円偏光板171の偏光方向とは、同じである。第2の円偏光板181の偏光方向および第3の円偏光板171の偏光方向と、第1の円偏光板141の偏光方向とは、互いに逆向きである。
【0089】
第2の円偏光板181は、第2の直線偏光板83と、第2の1/4波長板182とを備える。第2の1/4波長板182は、第2の直線偏光板83の上側に配置される。第2の直線偏光板83の透過軸をX軸方向とする。第2の直線偏光板83の光軸と、第2の1/4波長板182の光軸とのなす角度はβ(=45度)である。
【0090】
第3の円偏光板171は、第3の直線偏光板73と、第3の1/4波長板172とを備える。第3の1/4波長板172は、第3の直線偏光板73の上側に配置される。第3の直線偏光板73の透過軸をX軸方向とする。第3の直線偏光板73の光軸と、第3の1/4波長板172の光軸とのなす角度はβ(45度)である。
【0091】
図8に示される光の経路(1)〜(7)について説明する。
(1)経路(1)および(2)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板83に入射される。第2の直線偏光板83からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板182に入射される。第2の1/4波長板182から第2の方向(左回り)に回転する光が出射されて、OLEDパネル5およびタッチパネル4を経て、第1の1/4波長板143に入射される。第1の1/4波長板143からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第1の直線偏光板42に入射される。
【0092】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射される。第1の直線偏光板42から出射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91の上側の面で反射され(経路(2))、あるいは、カバーパネル91を経て、物体RFで反射される(経路(1))。反射されたX軸方向に振動する光は、カバーパネル91を経て、第1の直線偏光板42に入射される。
【0093】
第1の直線偏光板42からX軸方向に振動する光が出射されて、第1の1/4波長板143に入射される。第1の1/4波長板143から第1の方向(右回り)に回転する光が出射されて、タッチパネル4およびOLEDパネル5を経て、第3の1/4波長板172に入射される。第3の1/4波長板172からは、2つの1/4波長板の位相差が相殺されて、X軸方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板73に入射される。第3の直線偏光板73からX軸方向に振動する光が出射されて、受光素子34に入射される。これによって、経路(1)、(2)を辿った光は、受光素子34に入射される。
【0094】
(2)経路(3)〜(7)について
LED21から出射された光は、第2の直線偏光板83に入射される。第2の直線偏光板83からX軸方向に振動する光が出射されて、第2の1/4波長板182に入射される。第2の1/4波長板182から第2の方向(左回り)に回転する光が出射される。第2の1/4波長板182から出射された第2の方向(左回り)に回転する光は、第1の1/4波長板143の下側の面(経路(3))、タッチパネル4の上側の面(経路(4))、タッチパネル4の下側の面(経路(5))、OLEDパネル5の上側の面(経路(6))、OLEDパネル5の下側の面(経路(7))で反射される。反射された第2の方向(左回り)に回転する光は、第3の1/4波長板172に入射される。
【0095】
第3の1/4波長板172からは、2つの1/4波長板の位相差が加算されて、X軸方向と垂直方向に振動する光が出射されて、第3の直線偏光板73に入射される。第3の直線偏光板73は、入射された光を透過させない。これによって、経路(3)を辿った光は、受光素子34に入射されない。よって、物体RFの近接の誤検出を防止できる。
【0096】
第4の実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
[第5の実施形態]
図9は、第5の実施形態における、LED21、受光素子34、OLEDパネル5、第1の円偏光板241、第2の円偏光板261、および第3の円偏光板251の配置を表わす図である。
【0097】
図9の第5の実施形態の配置が、
図3の第1の実施形態の配置と相違する点は、以下である。
【0098】
第1の円偏光板241は、第1の1/4波長板43と第1の直線偏光板42との間に、第1の1/2波長板244を備える。第2の円偏光板261は、第2の1/4波長板62と第2の直線偏光板63との間に、第2の1/2波長板264を備える。第3の円偏光板251は、第3の1/4波長板52と第3の直線偏光板53との間に、第3の1/2波長板254を備える。
【0099】
1/4波長板43、62、53は、波長が短くなるほど、位相差が大きくなるという特性を有する。本実施の形態では、円偏光板241、261、251は、波長によって位相差が変化しないようにするために、1/2波長板244、264、254を備える。
【0100】
1/2波長板244、264、254によって、光は180度回転するので、本実施の形態の光の経路(1)〜(7)は、
図5に示す第1の実施形態の光の経路と同様である。
【0101】
なお、第2〜第4の実施形態のスマートフォンにおいても、同様に、第1、第2、および第3の円偏光板は、それぞれ、1/4波長板と直線偏光板との間に1/2波長板を備えるものとしてもよい。
【0102】
第5の実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、第5の実施形態では、3つの1/2波長板を追加することによって、物体の近接検出機能、外部からの光の反射防止機能の精度を高めることができる。
【0103】
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば、以下のような変形例も含む。
【0104】
(1)上記の実施形態では、第1の直線偏光板の光軸と第1の1/4波長板の光軸とのなす角度は、45度または(−45)度であり、第2の直線偏光板の光軸と第2の1/4波長板の光軸とのなす角度は、(−45)度または45度であり、第3の直線偏光板の光軸と第3の1/4波長板の光軸とのなす角度は、(−45度)または45度としたが、これに限定されるものではない。
【0105】
第1の直線偏光板の光軸と第1の1/4波長板の光軸とのなす角度をαとし、第2の直線偏光板の光軸と第2の1/4波長板の光軸とのなす角度をβとし、第3の直線偏光板の光軸と第3の1/4波長板の光軸とのなす角度をβとし、αとβの大きさが等しく、αとβの符号が相違するものとしてもよい。
【0106】
αとβの大きさが45度のときには、1/4波長版に円偏光の光が入射または出射される。αとβの大きさが45度以外のときには、1/4波長版に楕円偏光の光が入射または出射される。
【0107】
(2)上記の実施形態では、スマートフォンは、照度センサと、近接センサの受光センサとを備えるものとしたが、これに限定されるものではない。1つの受光センサが、照度検出と、近接検出の両方を実行するものとしてもよい。
【0108】
(3)LEDの数は、1個に限定されるものではない。近接センサは、2個以上のLEDを備えるものとしてもよい。
【0109】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。