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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-187867(P2020-187867A)
(43)【公開日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】カード用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/73 20110101AFI20201023BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20201023BHJP
【FI】
   H01R12/73
   G06K7/00 043
   G06K7/00 021
   G06K7/00 082
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-90139(P2019-90139)
(22)【出願日】2019年5月10日
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】槇山 弘毅
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AC19
5E223AC23
5E223BA07
5E223BA09
5E223BB01
5E223BB12
5E223CA17
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB09
5E223DB11
5E223EA04
5E223EB04
5E223EB12
5E223EB23
5E223EB32
5E223EC13
5E223EC32
5E223EC44
5E223GB02
5E223GB12
5E223GB16
5E223GB42
5E223GB47
5E223GB52
5E223GC01
5E223GC14
5E223GC24
5E223GC28
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減したカード用コネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、凹部1cを有するハウジング1と凹部1cを覆うカバー板21を備える。又、コネクタ10は、一対のロック金具5a・5bと仕切り板6を備える。ロック金具5a・5bは、凹部1cの中央部に向かって一部を突出した自由端部を有する。ロック金具5a・5bは、係止開口52hを自由端部に有する。仕切り板6は、係止開口52hと係合自在な一対の係合部6a・6bを有する。係合部と係止開口が係合した状態では、幅の狭い第1カードCnをカバー板21と仕切り板6の間に移動でき、幅の広い第2カードCbを凹部1cに挿入すると、係合部と係止開口の係合状態が解除され、第2カードCbを仕切り板6と凹部1cの底面の間に移動できる。一対のロック金具5a・5bと仕切り板6が直接連動することで、部品点数を削減できる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部に複数の第1接続端子を配列した矩形の第1カードと、前記第1カードより大きい幅と前記第1カードより小さい厚さを有し、一方の端部に複数の第2接続端子を配列した矩形の第2カードを共用できるカード用コネクタであって、
前記第1カードを幅方向に案内する第1案内路、及び、前記第2カードを幅方向に案内する第2案内路をカード挿入口に有し、前記カード挿入口を介して、前記第1カード又は前記第2カードを内部に導入できる凹部を有する板状のハウジングと、
前記ハウジングの凹部を覆うカバー板と、
第1接点を前記凹部の底面に向かって配置し、前記第1接続端子に接触できる複数の第1コンタクトと、
第2接点を前記凹部の底面から突出し、前記第2接続端子に接触できる複数の第2コンタクトと、
固定端部を前記凹部の内壁に固定し、前記凹部の中央部に向かって自由端部の一部を突出し、前記第2カードが前記第2案内路を通過している状態では、前記自由端部が前記凹部の内壁に向かって後退する一対のベローズ状のロック金具と、
前記凹部を横断した状態で前記一対のロック金具に後続配置され、前記カバー板と前記凹部の底面の間を高さ方向に仕切る仕切り板と、
前記凹部の内壁に配置され、前記仕切り板が前記カバー板に向かって移動する力を付勢する一つ以上の板ばね片と、を備え、
前記ロック金具は、係止開口を前記自由端部に有し、
前記仕切り板は、両端部から相反する向きに突出し、前記係止開口と係合自在な一対の係合部を有し、
前記係合部と前記係止開口が係合した状態では、前記第1カードを前記カバー板と前記仕切り板の間に移動でき、
前記第2カードを前記カード挿入口の第2案内路に挿入すると、前記自由端部が前記凹部の内壁に向かって後退することで、前記係合部と前記係止開口の係合状態が解除され、前記第2カードを前記仕切り板と前記凹部の底面の間に移動できる、カード用コネクタ。
【請求項2】
前記仕切り板の係合部は、前記係止開口の縁部にスライド自在な傾斜面を端部に有し、
前記第2カードを前記凹部から引き抜いた状態では、前記ロック金具の自由端部が復帰して、前記傾斜面にスライドすることで、前記仕切り板を前記凹部の底面に向かって移動させる、請求項1記載のカード用コネクタ。
【請求項3】
前記カバー板と反対側から前記ハウジングを覆うシールド板を更に備えている、請求項1又は2記載のカード用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用コネクタに関する。特に、外形寸法、又は厚さ、及び、接続端子の配列が異なる二種類のカードを共用できるカード用コネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、携帯電話機、パソコン、テレビ、ビデオ、デジタルカメラなどの電子機器は、CPU又はメモリ素子などのIC部品を組込んだICカードを接続するために、カード用コネクタを搭載している。
【0003】
ICカードの一種であるメモリカードは、その外形寸法、又は厚さ、及び接続端子の配列が異なる複数種類のカードが開発されている。一方、電子機器の需要者側からは、異なる複数種類のカードを共用できるカード用コネクタを電子機器に搭載することが求められている。このような電子機器の需要者の要望に応えるため、外形寸法、又は厚さ、及び、接続端子の配列が異なる複数種類のカードを共用できるカード用コネクタが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−14405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11は、従来技術によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、図11(A)は、カバーを取り付けた状態図、図11(B)は、カバーを取り外した状態図である。図12は、従来技術によるカード用コネクタの構成を示す縦断面図であり、図12(A)は、外形の大きいカードを内部に装着した状態図、図12(B)は、外形の小さいカードを内部に装着した状態図である。
【0006】
なお、本願の図11(A)と図11(B)は、特許文献1の図1図2に相当している。又、本願の図12(A)と図12(B)は、特許文献1の図9図12に相当している。
【0007】
図11又は図12を参照すると、従来技術によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)9は、矩形の板状のハウジング91とカバー92を備えている。カバー92は、ハウジング91に形成した凹部91cを覆っている。凹部91cには、外形の大きいカードSと外形の小さいカードDを導入できる。
【0008】
図11(B)を参照すると、ハウジング91は、対向間隔が狭い第1の対向壁W1・W1と対向間隔が広い第2の対向壁W2・W2をカード挿入口91aに形成している。図12(B)を参照して、外形の小さいカードDは、凹部91cの底面をスライドする共に、第1の対向壁W1・W1に案内されて、ハウジング91の内部に進出できる。図12(A)を参照して、外形の大きいカードSは、凹部91cの底面より高い段差をスライドする共に、第2の対向壁W2・W2に案内されて、ハウジング91の内部に進出できる。
【0009】
図11又は図12を参照すると、コネクタ9は、複数の第1コンタクト93と複数の第2コンタクト94を備えている。第1コンタクト93は、凹部91cの底面に配置されている。第1コンタクト93は、その接点が凹部91cの底面から突出した状態で配置されている。外形の小さいカードDをハウジング91の内部に挿入すると、外形の小さいカードDの端部に形成した接続端子を第1コンタクト93に接触できる(図12(B)参照)。
【0010】
図11(B)又は図12(A)を参照すると、第2コンタクト94は、ハウジング91の奥壁に配置されている。第2コンタクト94は、その接点が凹部91cの底面に対向した状態で配置されている。外形の大きいカードSをハウジング91の内部に挿入すると、外形の大きいカードSの端部に形成した接続端子を第2コンタクト94に接触できる(図12(A)参照)。
【0011】
図11(B)を参照すると、コネクタ9は、一対のロック金具95・95、シャッター96、及び、仕切り板97を更に備えている。一対のロック金具95・95は、ハウジング91の内部で対向配置されている。ロック金具95は、その基端部がハウジング91に固定され、カード挿入口91aに向かうと共に、ハウジング91の奥側に向かって反転している。ロック金具95は、その一部が第2の対向壁W2から突出している。
【0012】
図11(B)又は図12を参照すると、シャッター96は、図示しない板状部材と帯板状のブロック96bで構成している。図示しない板状部材は、その基端部が凹部91cの底面と回動自在に連結している。図示しない板状部材は、ブロック96bを先端部に固定している。ブロック96bは、ハウジング91を横断した状態で配置されている。
【0013】
図12(B)を参照すると、シャッター96は、その板状部材が図示しない捩じりコイルばねに付勢されて起立している。又、図11(B)を参照すると、ブロック96bの両端部は、ロック金具95の先端部側の自由端部に設けた開口95hに係合している。これにより、シャッター96は、起立状態を維持している。
【0014】
図11(B)又は図12(B)を参照すると、仕切り板97は、凹部91cの底面に配置した板ばね(図示せず)に付勢されて、凹部91cの中間部に保持されている。後述するように、図12(B)に示した状態から、シャッター96が反時計方向に回動することで、ブロック96bが仕切り板97を押圧し、仕切り板97を凹部91cの底面に向かって移動できる。
【0015】
図11(B)又は図12(B)を参照して、シャッター96の図示しない板状部材は、中央部を開口している。外形の小さいカードDをカード挿入口91aに挿入すると、一対の第1の対向壁W1・W1に案内されて、外形の小さいカードDをハウジング91の内部に進出できる。この場合、シャッター96の板状部材は、中央部を開口しているので、外形の小さいカードDは、シャッター96を通過できる。外形の小さいカードDをハウジング91の内部に更に進出すると、仕切り板97と凹部91cの底面で外形の小さいカードDを挟持できる(図12(B)参照)。
【0016】
一方、図11(B)又は図12(A)を参照して、外形の大きいカードSをカード挿入口91aに挿入すると、一対の第2の対向壁W2・W2に案内されて、外形の大きいカードSをハウジング91の内部に進出できる。この場合、ロック金具95の一部が第2の対向壁W2から突出しているので(図11(B)参照)、外形の大きいカードSの両側面が一対のロック金具95・95の自由端部を押し拡げることで、ブロック96bの端部とロック金具95の開口95hとの係合を解除できる。
【0017】
図11(B)又は図12(A)を参照して、外形の大きいカードSをハウジング91の内部に更に進出すると、外形の大きいカードSの先端縁がブロック96bに当接する。この場合、ブロック96bの端部とロック金具95の開口95hとの係合は解除されているので、外形の大きいカードSをハウジング91の内部に更に進出すると、シャッター96を起立した状態から反時計方向に回動できる。
【0018】
図11(B)又は図12(A)を参照して、シャッター96が起立した状態から反時計方向に回動することで、ブロック96bが仕切り板97の前部を押し下げることができる。これにより、外形の大きいカードSをハウジング91の内部に更に進出すると、外形の大きいカードSが仕切り板97を乗り越えることができる。
【0019】
図11(B)又は図12(A)を参照して、外形の大きいカードSをハウジング91の内部に更に進出すると、外形の大きいカードSが仕切り板97を凹部91cの底面に向かって移動できる(図12(A)参照)。図12(A)に示した状態では、外形の大きいカードSは、仕切り板97とカバー92で挟持されている。
【0020】
このように、コネクタ9は、一対のロック金具95・95、シャッター96、及び、仕切り板97が連動すること、外形の大きいカードSを内部に保持できる。外形の大きいカードSをコネクタ9から引き抜くと、これらの連動部品を初期の状態に復帰できる。
【0021】
従来技術によるカード用コネクタは、外形の大きいカードと外形の小さいカードを選択的に装着できる、としている。又、従来技術によるカード用コネクタは、低背化できるとしている。
【0022】
しかしながら、従来技術によるカード用コネクタは、外形の大きいカードを装着するために、一対のロック金具、シャッター、シャッターを回動するための捩じりコイルばね、及び、仕切り板などの多くの部品で構成している。このため、これらの部品を購入する及び組み立てるコストを増加させている。
【0023】
外形の異なるカードを共用できるカード用コネクタであって、カード用コネクタを構成する部品点数を削減したカード用コネクタが求められている。カード用コネクタを構成する部品点数を削減することで、製造原価の低減に貢献できる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0024】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、外形の異なるカードを共用できるカード用コネクタであって、カード用コネクタを構成する部品点数を削減したカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明者は、シャッターを介在することなく、一対のロック金具と仕切り板を直接連動させることで、カード用コネクタを構成する部品点数を削減できると考え、これに基づいて、以下のような新たなカード用コネクタを発明するに至った。
【0026】
(1)本発明によるカード用コネクタは、一方の端部に複数の第1接続端子を配列した矩形の第1カードと、前記第1カードより大きい幅と前記第1カードより小さい厚さを有し、一方の端部に複数の第2接続端子を配列した矩形の第2カードを共用できるカード用コネクタであって、前記第1カードを幅方向に案内する第1案内路、及び、前記第2カードを幅方向に案内する第2案内路をカード挿入口に有し、前記カード挿入口を介して、前記第1カード又は前記第2カードを内部に導入できる凹部を有する板状のハウジングと、前記ハウジングの凹部を覆うカバー板と、第1接点を前記凹部の底面に向かって配置し、前記第1接続端子に接触できる複数の第1コンタクトと、第2接点を前記凹部の底面から突出し、前記第2接続端子に接触できる複数の第2コンタクトと、固定端部を前記凹部の内壁に固定し、前記凹部の中央部に向かって自由端部の一部を突出し、前記第2カードが前記第2案内路を通過している状態では、前記自由端部が前記凹部の内壁に向かって後退する一対のベローズ状のロック金具と、前記凹部を横断した状態で前記一対のロック金具に後続配置され、前記カバー板と前記凹部の底面の間を高さ方向に仕切る仕切り板と、前記凹部の内壁に配置され、前記仕切り板が前記カバー板に向かって移動する力を付勢する一つ以上の板ばね片と、を備え、前記ロック金具は、係止開口を前記自由端部に有し、前記仕切り板は、両端部から相反する向きに突出し、前記係止開口と係合自在な一対の係合部を有し、前記係合部と前記係止開口が係合した状態では、前記第1カードを前記カバー板と前記仕切り板の間に移動でき、前記第2カードを前記カード挿入口の第2案内路に挿入すると、前記自由端部が前記凹部の内壁に向かって後退することで、前記係合部と前記係止開口の係合状態が解除され、前記第2カードを前記仕切り板と前記凹部の底面の間に移動できる。
【0027】
(2)前記仕切り板の係合部は、前記係止開口の縁部にスライド自在な傾斜面を端部に有し、前記第2カードを前記凹部から引き抜いた状態では、前記ロック金具の自由端部が復帰して、前記傾斜面にスライドすることで、前記仕切り板を前記凹部の底面に向かって移動させることが好ましい。
【0028】
(3)前記カバー板と反対側から前記ハウジングを覆うシールド板を更に備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によるカード用コネクタは、係止開口を自由端部に有するロック金具、及び、係止開口と係合自在な係合部を端部に有する仕切り板をハウジングの内部に備え、シャッターを介在することなく、ロック金具と仕切り板が連動して、第1カードより大きい幅を有する第2カードをハウジングの内部に導入できるので、部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、図1(A)は、ハウジングをシールド板で覆った状態図、図1(B)は、ハウジングからシールド板を取り外した状態図である。
図2】前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、図2(A)は、ハウジングの底面側をカバー板で覆った状態図、図2(B)は、ハウジングからカバー板を取り外した状態図である。
図3】前記実施形態によるカード用コネクタの主要部品を抽出した図であり、図3(A)は、主要部品の全体構成を示す斜視図、図3(B)は、主要部品の斜視分解組立図である。
図4図2(B)の平面図である。
図5】前記実施形態によるカード用コネクタに備わる仕切り板の構成を示す斜視図であり、図5(A)は、仕切り板を一方の方向から観た状態図、図5(B)は、仕切り板を他方の方向から観た状態図である。
図6】前記実施形態によるカード用コネクタの要部を拡大した斜視図であり、図6(A)は、ロック金具に設けた係止開口と仕切り板に設けた係合部が係合している状態図、図6(B)は、ロック金具に設けた係止開口と仕切り板に設けた係合部の係合が解除した状態図である。
図7】幅の狭い第1カードが仕切り板に到達した状態を示す図であり、図7(A)は、カード用コネクタを底部側から観た斜視図、図7(B)は、図7(A)の縦断面図である。
図8】幅の狭い第1カードがカード用コネクタに嵌合した状態を示す図であり、図8(A)は、カード用コネクタを底部側から観た斜視図、図8(B)は、図8(A)の縦断面図である。
図9】幅の広い第2カードが仕切り板に到達した状態を示す図であり、図9(A)は、カード用コネクタを底部側から観た斜視図、図9(B)は、図9(A)の縦断面図である。
図10】幅の広い第2カードがカード用コネクタに嵌合した状態を示す図であり、図10(A)は、カード用コネクタを底部側から観た斜視図、図10(B)は、図10(A)の縦断面図である。
図11】従来技術によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、図11(A)は、カバーを取り付けた状態図、図11(B)は、カバーを取り外した状態図である。
図12】従来技術によるカード用コネクタの構成を示す縦断面図であり、図12(A)は、外形の大きいカードを内部に装着した状態図、図12(B)は、外形の小さいカードを内部に装着した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[カード用コネクタの構成]
最初に、本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を説明する。
【0032】
(全体構成)
図1から図10を参照すると、本発明の一実施形態によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)10は、矩形の第1カードCnと矩形の第2カードCbを共用できる。図7又は図8を参照すると、第1カードCnは、一方の端部の一方の面に複数の第1接続端子1ctを配列している。図9(B)又は図10(B)を参照すると、第2カードCbは、一方の端部の他方の面に複数の第2接続端子2ctを配列している。
【0033】
図7から図10を参照すると、第2カードCbは、第1カードCnより大きい幅と第1カードCnより小さい厚さを有している。第1カードCnは、例えば、CFexpress(登録商標) typeAカードを適用できる。第2カードCbは、例えば、SDカードを適用できる。なお、第1カードCnを「幅の狭い第1カードCn」と呼び、第2カードCbを「幅の広い第2カードCb」と呼ぶこともある。
【0034】
図1から図10を参照すると、コネクタ10は、板状のハウジング1とカバー板21を備えている。又、コネクタ10は、複数の第1コンタクト3と複数の第2コンタクト4を備えている。
【0035】
図2を参照すると、ハウジング1は、一方の面を開放した凹部1cを有している。カバー板21は、ハウジング1に形成した凹部1cを覆っている。凹部1cには、幅の狭い第1カードCnと幅の広い第2カードCbのいずれか一方を導入できる。
【0036】
図1を参照すると、ハウジング1は、対向間隔が狭い第1の対向壁W1・W1と対向間隔が広い第2の対向壁W2・W2をカード挿入口1aに形成している。図7(A)又は図8(A)を参照して、幅の狭い第1カードCnは、凹部1cの底面から離隔した状態で凹部1cの底面に沿って移動する共に、第1の対向壁W1・W1に案内されて、ハウジング1の内部に進出できる。第1の対向壁W1・W1は、幅の狭い第1カードCnを幅方向に案内する第1案内路1Wgを構成している(図1参照)。
【0037】
図9(A)又は図10(A)を参照して、幅の広い第2カードCbは、凹部1cの底面に近接した状態で凹部1cの底面に沿って移動する共に、第2の対向壁W2・W2に案内されて、ハウジング1の内部に進出できる。第2の対向壁W2・W2は、幅の広い第2カードCbを幅方向に案内する第2案内路2Wgを構成している(図1参照)。
【0038】
図2(B)又は図7(B)及び図8(B)を参照すると、第1コンタクト3は、第1接点3sを凹部1cの底面に向かって配置している。幅の狭い第1カードCnをハウジング1の内部に進出すると、第1コンタクト3は、第1接続端子1ctに接触できる(図7又は図8参照)。
【0039】
図2(B)又は図9(B)及び図10(B)を参照すると、第2コンタクト4は、第2接点4sを凹部1cの底面から突出している。幅の広い第2カードCbをハウジング1の内部に進出すると、第2コンタクト4は、第2接続端子2ctに接触できる(図9(B)又は図10(B)参照)。
【0040】
図2(B)又は図3から図6を参照すると、コネクタ10は、一対のベローズ状のロック金具5a・5bと仕切り板6を更に備えている。図2(B)又は図4を参照すると、一対のロック金具5a・5bは、それらの固定端部51が凹部1cの内壁に固定されている。又、一対のロック金具5a・5bは、カード挿入口1aに向かうと共に、自由端部52がハウジング1の奥側に向かって反転している(図4参照)。
【0041】
図2(B)又は図4を参照すると、一対のロック金具5a・5bは、凹部1cの中央部に向かって自由端部52の一部を突出している。自由端部52の一部は、第2の対向壁W2・W2から突出している。後述するように、幅の広い第2カードCbが第2の対向壁W2・W2を通過している状態では、一対の自由端部52・52は、凹部1cの内壁に向かって後退する。
【0042】
図2(B)又は図4を参照すると、仕切り板6は、凹部1cを横断した状態で、一対のロック金具5a・5bに後続配置されている。図7(B)又は図9(B)を参照すると、仕切り板6は、カバー板21と凹部1cの底面の間を高さ方向に仕切っている。
【0043】
図3又は図6を参照すると、コネクタ10は、一対の板ばね片41・41を凹部1cの底面に配置している。一対の板ばね片41・41は、仕切り板6がカバー板21に向かって移動する力を付勢している。
【0044】
図3又は図6を参照すると、一対のロック金具5a・5bは、矩形の係止開口52hを自由端部52に有している。一方、図3又は図5及び図6を参照すると、仕切り板6は、一対の係合部6a・6bを一方の端部に有している。一対の係合部6a・6bは、仕切り板6の両端部から相反する向きに突出している。通常、一対の係合部6a・6bは、係止開口52hに係合している(図6(A)参照)。
【0045】
図6(A)に示すように、一対の係合部6a・6bと係止開口52hが係合した状態では、カバー板21と仕切り板6の間に、幅の狭い第1カードCnを挿入できる空間を形成している(図7(B)参照)。これにより、幅の狭い第1カードCnをカバー板21と仕切り板6の間に移動できる。そして、幅の狭い第1カードCnの第1接続端子1ctを第1コンタクト3に接触できる(図8(B)参照)。
【0046】
一方、図9(A)を参照して、幅の広い第2カードCbをカード挿入口1aの第2案内路2Wgに挿入すると、一対のロック金具5a・5bの自由端部が凹部1cの内壁に向かって後退する(図4参照)。これにより、一対の係合部6a・6bと係止開口52hの係合状態が解除される(図6(B)参照)。
【0047】
図6(B)に示すように、一対の係合部6a・6bと係止開口52hの係合が解除された状態では、仕切り板6の前部は、一対の板ばね片41・41に付勢されて、カバー板21に向かって移動する。つまり、仕切り板6が凹部1cの底面から離隔することで、仕切り板6と凹部1cの底面の間に、幅の広い第2カードCbを挿入できる空間を形成している(図9(B)参照)。これにより、幅の広い第2カードCbを仕切り板6と凹部1cの底面の間に移動できる。そして、幅の広い第2カードCbの第2接続端子2ctを第2コンタクト4に接触できる(図10(B)参照)。
【0048】
図1から図10を参照すると、実施形態によるコネクタ10は、係止開口52hを自由端部に有する一対のロック金具52a・52b、及び、係止開口52hと係合自在な係合部6a・6bを端部に有する仕切り板6をハウジング1の内部に備え、シャッターを介在することなく、一対のロック金具52a・52bと仕切り板6が連動して、第1カードCnより大きい幅を有する第2カードCbをハウジング1の内部に導入できるので、部品点数を削減できる。
【0049】
図3又は図5及び図6(B)を参照すると、一対の係合部6a・6bは、傾斜面6sを端部に形成している。
【0050】
図9(B)又は図10(B)を参照して、幅の広い第2カードCbを仕切り板6と凹部1cの底面の間に挿入した状態から、幅の広い第2カードCbを凹部1cから引き抜くと、一対のロック金具52a・52bの自由端部を凹部1cの内壁に向かって復帰できる。
【0051】
図6(B)に示した状態から、一対のロック金具52a・52bの自由端部が復帰することで、傾斜面6sが係止開口52hの縁部にスライドし、一対の板ばね片41・41の付勢力に抗して、仕切り板6を凹部1cの底面に向かって復帰できる。これにより、図6(A)に示すように、一対の係合部6a・6bと係止開口52hが係合した状態に復帰する。
【0052】
このように、実施形態によるコネクタ10は、仕切り板6の係合部6a・6bが係止開口52hの縁部にスライド自在な傾斜面6sを端部に形成することで、一対のロック金具52a・52bと仕切り板6が連動して、仕切り板6を初期の状態に復帰できる。
【0053】
引き続き、実施形態によるコネクタ10の構成を説明する。図1(A)を参照すると、コネクタ10は、シールド板22を更に備えている。シールド板22は、カバー板21と反対側からハウジング1を覆っている。シールド板22がハウジング1を覆うことで、コネクタ10を電磁遮蔽できる。
【0054】
図1(A)を参照すると、シールド板22の一部は、プリント基板1pの表面にはんだ接合している。つまり、実施形態によるコネクタ10は、表面実装型のコネクタである。
【0055】
図2(B)又は図4を参照すると、実施形態によるコネクタ10は、ライトプロテクトスイッチ71sとカード認識スイッチ72sを含んでいる。ライトプロテクトスイッチ71sがカードを検出することで、カードに書き込み動作ができないようにすることができる。カード認識スイッチ72sがカードを検出することで、カードの存在を電気的に認識できる。
【0056】
(イジェクト機構の構成)
又、図2(B)又は図4を参照すると、実施形態によるコネクタ10は、プッシュ・プッシュ式のイジェクト機構Eを更に含んでいる。ハウジング1は、イジェクト機構Eを凹部1cの一方の端部に配置している。イジェクト機構Eは、第1カードCn又は第2カードCbを凹部1cに挿入すると、第1カードCn又は第2カードCbを停止するように動作でき、停止状態の第1カードCn又は第2カードCbを押すと、第1カードCn又は第2カードCbをコネクタ10から排出できる。以下、イジェクト機構Eの構成及び動作は、第1カードCnを代表して説明する。
【0057】
図2(B)又は図4を参照すると、イジェクト機構Eは、平板状のスライド部材E1、圧縮コイルばねE2、及び、案内棒E3を備えている。スライド部材E1は、第1カードCnの挿抜方向と平行する方向に進退自在に、ハウジング1と連結している。又、スライド部材E1は、ハート型のカム溝を表面に穿設している。
【0058】
図4を参照すると、圧縮コイルばねE2は、凹部1cの一方の端部の内部に保持されている。又、圧縮コイルばねE2は、第1カードCnが排出される方向にスライド部材E1を付勢している。案内棒E3は、その一端部がハート型のカム溝に連結している。又、案内棒E3は、その他端部がハウジング1に回転自在に連結している。
【0059】
図4を参照して、凹部1cに第1カードCnを挿入し、圧縮コイルばねE2の付勢力に抗して、スライド部材E1をハウジング1の奥側に移動すると、案内棒E3の一端部は、ハート型のカム溝の分岐点に移動する。そして、案内棒E3の一端部がハート型のカム溝の分岐点に到達すると、案内棒E3はスライド部材E1をロックでき、第1カードCnの停止位置を規定できる。
【0060】
図4を参照して、案内棒E3の一端部がハート型のカム溝の分岐点に位置した状態から、第1カードCnを一旦押すと、案内棒E3の一端部は、ハート型のカム溝の分岐点から解放されて、ハート型のカム溝の帰り行程に相対的に移動する。そして、圧縮コイルばねE2がスライド部材E1をハウジング1のカード挿入口1a側に移動させることで、第1カードCnを排出できる。
【0061】
(ハウジングの構成)
次に、実施形態によるハウジング1の構成を説明する。図1図2及び図4を参照して、ハウジング1は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましい。絶縁性を有する合成樹脂を成形して、所望の形状のハウジング1を得ることができる。
【0062】
図2(B)又は図4を参照すると、ハウジング1は、複数の第1コンタクト3を奥壁11cに固定している。第1コンタクト3は、ハウジング1の奥壁11cに圧入されることで、固定されている。
【0063】
又、図2(B)又は図4を参照すると、ハウジング1は、少なくとも複数の第2コンタクト4を含むリードフレームF(図3参照)をインサート成形することで、凹部1cの底壁を形成している。
【0064】
(第1コンタクトの構成)
次に、実施形態による第1コンタクト3の構成を説明する。図1(B)又は図2(B)及び図3を参照すると、第1コンタクト3は、導電性を有する金属板からなることが好ましい。図示しない導電性を有する展開板を打ち抜き加工及び折り曲げ加工して、片持ち状のベローズ形の第1コンタクト3を得ることができる。
【0065】
図1(B)又は図2(B)及び図3を参照すると、第1コンタクト3は、その固定端部の終端部にリード部3rを形成している。これらのリード部3rは、プリント基板1pの表面にはんだ接合できる(図1(A)参照)。つまり、コネクタ10は、表面実装形のコネクタになっている。
【0066】
(第2コンタクトの構成)
次に、実施形態による第2コンタクト4の構成を説明する。図3又は図4を参照すると、第2コンタクト4は、導電性を有する金属板からなることが好ましい。図3を参照すると、リードフレームFは、複数の第2コンタクト4を含んでいる。導電性を有する展開板からなるリードフレームFを打ち抜き加工及び折り曲げ加工して、片持ち状のベローズ形の第2コンタクト4を得ることができる。
【0067】
図3を参照すると、第2コンタクト4は、その固定端部の終端部にリード部4rを形成している。これらのリード部4rは、プリント基板1pの表面にはんだ接合できる(図1(A)参照)。つまり、コネクタ10は、表面実装形のコネクタになっている。
【0068】
なお、図3を参照すると、リードフレームFは、一対のロック金具5a・5bと一対のベローズ状のロック金具5a・5bを更に含んでいる。一対のロック金具5a・5bをリードフレームFと別体で構成し、一対のロック金具5a・5bを凹部1cの内壁に配置することもできる。
【0069】
(仕切り板の構成)
実施形態による仕切り板6の構成を説明する。図3又は図5を参照すると、仕切り板6は、金属板を所望の形状に成形してもよく、合成樹脂板を所望の形状に成形してもよく、素材を限定しない。
【0070】
図5を参照すると、仕切り板6は、対向配置した一対の案内片61g・62gを備えている。一方の案内片61gは、ロック金具5aから連続している。他方の案内片62gは、ロック金具5bから連続している。一対の案内片61g・62gの間には、幅の狭い第1カードCnを導入できると共に、幅の狭い第1カードCnの両側面を案内できる。
【0071】
図5を参照すると、仕切り板6は、一組の第1規制片63c・64cと三つの第2規制片65c・66c・67cを更に備えている。一組の第1規制片63c・64cは、一対の案内片61g・62gと同じ方向に起立している。一組の第1規制片63c・64cは、凹部1cの内壁に近接配置されることで、仕切り板6の横振れを規制している。
【0072】
図5を参照すると、三つの第2規制片65c・66c・67cは、一組の第1規制片63c・64cと反対方向に下降している。三つの第2規制片65c・66c・67cは、凹部1cの内壁に近接配置されることで、仕切り板6の横振れを規制していると共に、仕切り板6の凹部1cの底面との間隔を規制している。
【0073】
又、図5を参照すると、仕切り板6は、略矩形の逃げ穴6eを中央部に開口している。図3(B)又は図4を参照すると、逃げ穴6eは、第2コンタクト4が接触しない位置に開口している。
【0074】
[カード用コネクタの作用]
次に、実施形態によるコネクタ10の動作を説明しながら、コネクタ10の作用及び効果を説明する。最初に、幅の狭い第1カードCnを用いた場合のコネクタ10の動作を説明する。図7を参照すると、コネクタ10には、第1接続端子1ctを上向きにした状態(いわゆる、リバース状態)で、幅の狭い第1カードCnがカード挿入口1aに挿入される(図1参照)。
【0075】
図1又は図7を参照して、幅の狭い第1カードCnをカード挿入口1aに挿入すると、第1案内路1Wgに案内されて、幅の狭い第1カードCnをカバー板21の内面に沿って移動できる。
【0076】
図1又は図7を参照して、第1接続端子1ctを下向きにした状態(いわゆる、ノーマル状態)で、幅の狭い第1カードCnをカード挿入口1aに挿入すると、図7に示すように、幅の狭い第1カードCnは、両側面に段差を形成しているので、幅の狭い第1カードCnの端縁が仕切り板6の端縁に当接することで、幅の狭い第1カードCnの誤挿入を防止できる。
【0077】
図7を参照して、幅の狭い第1カードCnをカード挿入口1aに挿入し、幅の狭い第1カードCnが仕切り板6に到達する過程では、幅の狭い第1カードCnの両側面は、一対のロック金具52a・52bに接触しないので(図6(A)参照)、幅の狭い第1カードCnを乗り越えて凹部1cの奥側へ進出できる。
【0078】
次に、図8(A)を参照すると、幅の狭い第1カードCnは、スライド部材E1に規制されて停止している。図8に示した状態では、第1コンタクト3は、第1接続端子1ctに接触している。これにより、コネクタ10と幅の狭い第1カードCnを電気的に接続できる。
【0079】
図8に示した状態から、幅の狭い第1カードCnを一旦、押すことで、イジェクト機構Eの作用により(図4参照)、幅の狭い第1カードCnをコネクタ10から排出できる。
【0080】
次に、幅の広い第2カードCbを用いた場合のコネクタ10の動作を説明する。図7を参照すると、コネクタ10には、第2接続端子2ctを下向きにした状態(いわゆる、ノーマル状態)で、幅の広い第2カードCbがカード挿入口1aに挿入される(図1参照)。
【0081】
図1又は図9を参照して、幅の広い第2カードCbをカード挿入口1aに挿入すると、第2案内路2Wgに案内されて、幅の広い第2カードCbを凹部1cの底面に沿って移動できる。
【0082】
図1又は図9を参照して、第2接続端子2ctを上向きにした状態(いわゆる、リバース状態)で、幅の広い第2カードCbをカード挿入口1aに挿入すると、図9(A)又は図10(A)に示すように、幅の広い第2カードCbは、中央部と両側部で厚さ方向に段差を形成しているので、幅の広い第2カードCbの中央部が第1の対向壁W1・W1に当接することで(図1参照)、幅の広い第2カードCbの誤挿入を防止できる。
【0083】
図9を参照して、幅の広い第2カードCbをカード挿入口1aに挿入し、幅の広い第2カードCbが仕切り板6に到達する過程では、幅の広い第2カードCbは、一対のロック金具52a・52bと仕切り板6を連係させて、仕切り板6をカバー板21に向かって移動させるので(図6(B)参照)、幅の広い第2カードCbを仕切り板6と凹部1cの底面の間に進出できる。
【0084】
次に、図10(A)を参照すると、幅の広い第2カードCbは、スライド部材E1に規制されて停止している。図10に示した状態では、第2コンタクト4は、第2接続端子2ctに接触している。これにより、コネクタ10と幅の広い第2カードCbを電気的に接続できる。
【0085】
図10に示した状態から、幅の広い第2カードCbを一旦、押すことで、イジェクト機構Eの作用により(図4参照)、幅の広い第2カードCbをコネクタ10から排出できる。
【0086】
図1から図10を参照すると、実施形態によるコネクタ10は、係止開口52hを自由端部に有する一対のロック金具52a・52b、及び、係止開口52hと係合自在な係合部6a・6bを端部に有する仕切り板6をハウジング1の内部に備え、シャッターを介在することなく、一対のロック金具52a・52bと仕切り板6が連動して、第1カードCnより大きい幅を有する第2カードCbをハウジング1の内部に導入できるので、部品点数を削減できる。そして、コネクタ10の製造原価の低減に貢献できる。
【0087】
又、実施形態によるコネクタ10は、仕切り板6の係合部6a・6bが係止開口52hの縁部にスライド自在な傾斜面6sを端部に形成することで、一対のロック金具52a・52bと仕切り板6が連動して、仕切り板6を初期の状態に復帰できる。
【0088】
更に、施形態によるコネクタ10は、カバー板21と反対側からハウジング1を覆うシールド板22を備え、シールド板22がハウジング1を覆うことで、コネクタ10を電磁遮蔽できる。
【0089】
本発明によるカード用コネクタに用いた仕切り板は、金属板を所望の形状に成形してもよく、合成樹脂板を所望の形状に成形してもよく、素材を限定しない。
【0090】
本発明によるカード用コネクタは、幅の狭い第1カードをリバース状態で挿入し、幅の広い第2カードをノーマル状態で挿入する実施形態を開示したが、幅の狭い第1カードをノーマル状態で挿入し、幅の広い第2カードをリバース状態で挿入するカード用コネクタを提供することもできる。
【符号の説明】
【0091】
1 ハウジング
1a カード挿入口
1c 凹部
1ct 第1接続端子
1Wg 第1案内路
2ct 第2接続端子
2Wg 第2案内路
3 第1コンタクト
3s 第1接点
4 第2コンタクト
4s 第2接点
5a・5b 一対のロック金具
6 仕切り板
6a・6b 一対の係合部
10 コネクタ(カード用コネクタ)
21 カバー板
41 板ばね片
51 固定端部
52 自由端部
52h 係止開口
Cn 第1カード
Cb 第2カード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12