【解決手段】コネクタ連結構造200が、コネクタ積層体100と連結具5とを含む。コネクタ積層体100では、ワイヤーハーネス300の端部301に接続されたコネクタ1のコネクタハウジング2がワイヤーハーネス300の長手方向Lに対して直交する積層方向Xに多段に積み重ねられる。積層方向Xに隣接するコネクタハウジング2どうしが互いの位置決め部によって互いに直交する3方向に互いに位置決めされる。連結具5は、積層方向Xに延びる本体部50と、一対の係止部51,52とを含む。一対の係止部51,52が、コネクタ積層体100の積層方向Xの両端部に配置される一対のコネクタハウジング2に設けられた被係止部に対して解除可能に係止する状態で、コネクタ積層体100を積層方向Xに挟持する。
ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタのコネクタハウジングが前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられ、前記積層方向に隣接するコネクタハウジングどうしが互いの位置決め部によって前記積層方向を含み互いに直交する3方向に互いに位置決めされたコネクタ積層体と、
前記積層方向に延びる本体部と、前記本体部の前記積層方向の両端部から延設され、前記コネクタ積層体の前記積層方向の両端部に配置される一対のコネクタハウジングに設けられた被係止部に対して解除可能に係止する状態で前記コネクタ積層体を前記積層方向に挟持する一対の係止部と、を含む連結具と、を備え、
前記一対の係止部の少なくとも一方が、前記被係止部に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部を含む、コネクタ連結構造。
ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタのコネクタハウジングが前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられ、前記積層方向に隣接するコネクタハウジングどうしが互いの位置決め部によって前記積層方向を含み互いに直交する3方向に互いに位置決めされたコネクタ積層体を係止する連結具であって、
前記積層方向に延びる本体部と、
前記本体部の前記積層方向の両端部から延設され、前記ハウジング積層体の前記積層方向の両端部に配置される一対のコネクタハウジングに設けられた被係止部に対して解除可能に係止する一対の係止部と、を備え、
前記前記一対の係止部の少なくとも一方が、前記被係止部に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部を含む、連結具。
ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタのコネクタハウジングが前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられたコネクタ積層体と、
前記積層方向に延びる本体部と、前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの位置決め孔に離脱可能に嵌合される複数の位置決め片と、前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの被係止部に対して引っ掛け係止する爪部を有する複数の弾性係止片と、を含む、連結具とを備える、コネクタ連結構造。
ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタのコネクタハウジングが前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられたコネクタ積層体を係止する連結具であって、
前記積層方向に延びる本体部と、
前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの位置決め孔に離脱可能に嵌合される複数の位置決め片と、
前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの被係止部に対して引っ掛け係止可能な爪部を含む複数の弾性係止片と、を備える、連結具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記コネクタ積層体をストッカーにストックした状態で、ストッカーからコネクタを1つずつ取り出す場合を想定すると、1つのコネクタを取り出す毎に、該コネクタと該コネクタに直接係止された隣接するコネクタとの係止を解除する係止解除作業が必要となる。このため、取り出し作業の作業性が悪い。
本発明の目的は、ストッカーへのストック作業の作業性が良く、しかも、ストッカーからの取り出し作業の作業性が良いコネクタ連結構造、並びにこれに用いる連結具及びコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ワイヤーハーネス(300)の端部(301)に接続されたコネクタ(1)のコネクタハウジング(2)が前記ワイヤーハーネスの長手方向(L)に対して直交する積層方向(X)に多段に積み重ねられ、前記積層方向に隣接するコネクタハウジングどうしが互いの位置決め部(21,24)によって前記積層方向を含み互いに直交する3方向に互いに位置決めされたコネクタ積層体(100)と、前記積層方向に延びる本体部(50)と、前記本体部の前記積層方向の両端部(50a,50b)から延設され、前記コネクタ積層体の前記積層方向の両端部に配置される一対のコネクタハウジングに設けられた被係止部(31,32)に対して解除可能に係止する状態で前記コネクタ積層体を前記積層方向に挟持する一対の係止部(51,52)と、を含む連結具(5)と、を備え、前記一対の係止部の少なくとも一方が、前記被係止部に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部(51b)を含む、コネクタ連結構造(200)を提供する。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載のコネクタ連結構造において、各前記コネクタハウジングが、ロボットハンドの一対のクランプ部(400)によってクランプ可能な一対の被クランプ部(33)を含み、前記連結具が一対設けられ、各前記コネクタハウジングの前記一対の被クランプ部が、それぞれ対応する連結具の本体部によって覆われていてもよい。
【0008】
請求項3に記載の発明は、ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタのコネクタハウジングが前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられ、前記積層方向に隣接するコネクタハウジングどうしが互いの位置決め部によって前記積層方向を含み互いに直交する3方向に互いに位置決めされたコネクタ積層体を係止する連結具(5)であって、前記積層方向に延びる本体部(50)と、前記本体部の前記積層方向の両端部から延設され、前記ハウジング積層体の前記積層方向の両端部に配置される一対のコネクタハウジングに設けられた被係止部(31,32)に対して解除可能に係止する一対の係止部(51,52)と、を備え、前記前記一対の係止部の少なくとも一方が、前記被係止部に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部(51b)を含む、連結具を提供する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、ワイヤーハーネスの端部に接続されるコネクタ(1)であって、前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられたときにコネクタ積層体(100)を形成可能であり、該コネクタ積層体の状態で、前記積層方向に延びる本体部と前記本体部の前記積層方向の両端部から延設された一対の係止部とを含む連結具(5)によって係止されるコネクタハウジング(2)を備え、前記コネクタハウジングが、前記積層方向の一側と他側とに配置され、前記一対の係止部に解除可能に係止される一対の被係止部(31,32)と、前記積層方向の一側に突出する前記位置決め部としての凸部(24)と、前記積層方向の他側に開く互いに直交する3つの位置決め面(21a,21b,21c)により形成され、前記コネクタ積層体の状態で前記積層方向の他側に隣接するコネクタハウジングの凸部に対して各位置決め面を係合させる前記位置決め部としての隅角部(21)と、を含む、コネクタを提供する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタ(1P;1Q)のコネクタハウジング(2P;2Q)が前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられたコネクタ積層体(100P;100Q)と、前記積層方向に延びる本体部(60;70)と、前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの位置決め孔(18)に離脱可能に嵌合される複数の位置決め片(61;71)と、前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの被係止部(19)に対して引っ掛け係止する爪部(62a;72a)を有する複数の弾性係止片(62;72)と、を含む、連結具(6;7)とを備える、コネクタ連結構造(200P;200Q)を提供する。
【0011】
請求項6に記載の発明のように、請求項5に記載のコネクタ連結構造において、各前記コネクタハウジングが、ロボットハンドの一対のクランプ部によってクランプ可能な一対の被クランプ部(33)を含み、前記連結具が一対設けられ、各前記コネクタハウジングの前記一対の被クランプ部が、それぞれ対応する連結具(6;7)の対応する弾性係止片(62)又は対応する位置決め片(71)によって覆われていてもよい。
【0012】
請求項7に記載の発明は、ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタのコネクタハウジングが前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられたコネクタ積層体を係止する連結具(6;7)であって、前記積層方向に延びる本体部(60;70)と、前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの位置決め孔(18)に離脱可能に嵌合される複数の位置決め片(61;71)と、前記本体部から片持ち状に延設され、各前記コネクタハウジングの被係止部(19)に対して引っ掛け係止可能な爪部(62a;72a)を含む複数の弾性係止片(62;72)と、を備える、連結具を提供する。
【0013】
請求項8に記載の発明は、ワイヤーハーネスの端部に接続されるコネクタ(1P;1Q)であって、前記ワイヤーハーネスの長手方向に対して直交する積層方向に多段に積み重ねられたときにコネクタ積層体(100P;100Q)を形成可能であり、該コネクタ積層体の状態で、前記積層方向に延びる本体部と前記本体部から片持ち状に延設された複数の位置決め片と前記本体部から片持ち状に延設された複数の弾性係止片とを含む連結具によって係止可能なコネクタハウジング(2P;2Q)を備え、前記コネクタハウジングが、前記位置決め片が離脱可能に嵌合される位置決め孔(18)と、前記弾性係止片の爪部が引っ掛け係止可能な被係止部(19)と、を含む、コネクタを提供する。
【0014】
請求項9に記載の発明のように、請求項1、請求項2、請求項5又は請求項6に記載のコネクタ連結構造(200;200P;200Q)において、各前記コネクタハウジング(2;2P;2Q)が、前記コネクタ積層体(1;1P;1Q)をストックするストッカー(500)に設けられて前記積層方向に延びる案内部(503)に係合される被案内部(23)を含み、前記連結具(5;6;7)が、前記被案内部から離隔して配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明のコネクタ連結構造では、下記の効果を奏する。すなわち、コネクタ積層体において積層方向に隣接するコネクタハウジングどうしが直交する3方向に互いに位置決めされている。連結具の一対の係止部が、積層方向の両端部に配置される一対のコネクタハウジングの被係止部に対して係止する状態で、一対の係止部によって、コネクタ積層体が積層方向に挟持される。コネクタ積層体を連結具によって係止した状態で一括して搬送してストッカーへストックすることができるので、ストック作業の作業性が良い。
【0016】
また、少なくとも一方の係止部が被係止部に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部を有しているので、ストッカーへのストック後に、コネクタ積層体から連結具を容易に取り外すことができる。該取り外しにより、全てのコネクタハウジングに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカーから各コネクタハウジングを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカーから各コネクタハウジングを取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0017】
請求項2に記載の発明のコネクタ連結構造では、ロボットハンドの一対のクランプ部によってクランプされる、各コネクタハウジングの被クランプ部が、連結具の本体部によって一括して覆われている。このため、輸送時等において、被クランプ部に傷がつくことを抑制することができる。
請求項3に記載の発明の連結具では、コネクタ積層体を係止した状態で一括してストッカーへストックすることができるので、ストック作業の作業性が良い。また、少なくとも一方の係止部が被係止部に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部を有しているので、コネクタ積層体から連結具を容易に取り外すことができる。該取り外しにより、全てのコネクタハウジングに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカーから各コネクタハウジングを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカーから各コネクタハウジングを取り出す際のストッカーからの取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0018】
請求項4に記載の発明のコネクタでは、コネクタ積層体において、積層方向に隣接するコネクタハウジングどうしが、一方のコネクタハウジングの凸部と他方のコネクタハウジングの隅角部の3つの位置決め面との係合によって、積層方向を含み互いに直交する3方向に互いに位置決めされる。このため、連結具の一対の係止部によってコネクタ積層体を積層方向に安定して挟持することが可能となる。また、隅角部に、3つの位置決め面が集約して配置されるため、凸部と隅角部とによる位置決め構造を小型化、簡素化することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明のコネクタ連結構造では、下記の効果を奏する。すなわち、コネクタ積層体において、各コネクタハウジングの位置決め孔に対して、連結具の対応する位置決め片が嵌合することにより、全てのコネクタハウジングが位置決めされた状態で、各コネクタハウジングの被係止部に対して、連結具の対応する弾性係止片の爪部が引っ掛け係止する。これにより、コネクタ積層体を連結具によって係止した状態で一括してストッカーへストックすることができ、ストック作業の作業性が良い。
【0020】
また、ストッカーへのストック後に、コネクタ積層体から連結具を容易に取り外すことができる。該取り外しにより、全てのコネクタハウジングに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカーからコネクタハウジングを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカーから各コネクタハウジングを取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0021】
請求項6に記載の発明のコネクタ連結構造では、ロボットハンドの一対のクランプ部によってクランプされる、各コネクタハウジングの被クランプ部が、連結具の対応する弾性係止片又は対応する位置決め片によってそれぞれ覆われている。このため、輸送時等において、被クランプ部に傷がつくことを抑制することができる。
請求項7に記載の発明の連結具では、コネクタ積層体を係止した状態で一括してストッカーへストックすることができるので、ストック作業の作業性が良い。また、各弾性係止片の爪部を各コネクタハウジングの被係止部に対して引っ掛け係止させる構造であるので、コネクタ積層体から連結具を取り外すことで、全てのコネクタハウジングに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカーから各コネクタハウジングを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカーから各コネクタハウジングを取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0022】
請求項8に記載の発明のコネクタでは、コネクタ積層体の状態で、各コネクタハウジングの位置決め孔に連結具の位置決め片が嵌合することにより各コネクタハウジングが連結具を介して相互に位置決めされる。このため、積層方向に隣接するコネクタハウジングどうしを直接位置決めする位置決め構造は不要であり、構造を簡素化することができる。
請求項9に記載の発明のコネクタ連結構造では、コネクタ積層体が、ストッカーにストックされた状態で、ストッカーの案内部によって積層方向に案内される、コネクタハウジングの被案内部が、連結具から離隔して配置される。このため、連結具を装着したままで、コネクタ積層体をストッカーにストックすることができる。また、ストッカーにストックされたコネクタ積層体から連結具を取り外すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るコネクタ連結構造200の概略斜視図である。
図1Bは、
図1Aとは別角度から見たコネクタ連結構造200の概略斜視図である。
コネクタ連結構造200は、コネクタ積層体100と、一対の連結具5とを備える。
【0025】
コネクタ積層体100は、ワイヤーハーネス300の端部301に接続されたコネクタ1のコネクタハウジング2がワイヤーハーネス300の長手方向Lに対して直交する積層方向Xに多段に積み重ねられた状態にある、コネクタ1の集合体である。一対の連結具5は、コネクタ積層体100を積層方向Xに挟持する状態で係止している。
積層方向Xに隣接するコネクタハウジング2どうしが、積層方向Xを含み互いに直交する3方向に互いに位置決めされている。互いに直交する3方向は、上下方向である積層方向Xと、左右方向Yと、ワイヤーハーネス300の長手方向に相当する前後方向Zとである。前後方向Zの前側は、図示しない相手側コネクタへの連結方向でもある。
【0026】
コネクタ1は、コネクタハウジング2と、図示しないコンタクトとを含む。各コンタクトは、ワイヤーハーネス300の対応する被覆電線300aの端部に接続されている。
次いで、コネクタハウジング2を説明する。
図2Aは、コネクタハウジング2の概略斜視図である。
図2Bは、
図2Aとは別角度から見たコネクタハウジング2の概略斜視図である。
図3Aは、コネクタハウジング2の平面図である。
図3Bは、コネクタハウジング2の正面図である。
図3Cは、コネクタハウジング2の底面図である。
図4Aは、コネクタハウジング2の側面図である。
図4Bは、コネクタハウジング2の背面図である。
【0027】
図2A及び
図2Bに示すように、コネクタハウジング2は、コネクタハウジング本体10と、一対の第1ブロック20と、一対の第2ブロック30と、ロックアーム40とを含む。
コネクタハウジング本体10には、左右方向Yに並び、前側及び後側に開口する複数のコンタクト収容孔11が形成されている。各コンタクト収容孔11に、コンタクト(図示せず)が収容保持されている。
【0028】
コネクタハウジング本体10は、略直方体形状に形成されている。具体的には、コネクタハウジング本体10は、上壁部12と、下壁部13と、一対の側壁部14と、前壁部15と、後壁部16とを含む。各コンタクト収容孔11は、
図3B及び
図4Bに示すように、前壁部15及び後壁部16に開口されている。
図2A及び
図3Aに示すように、ロックアーム40は、上壁部12上に弾性的に揺動変位可能に支持されている。ロックアーム40は、図示しない爪部を有している。ロックアーム40は、コネクタ1が図示しない相手側コネクタに接続されたときに、前記爪部が相手側コネクタに係止することにより、コネクタの接続状態をロックする機能を果たす。
【0029】
次いで、
図2A〜
図4Bを参照して、第1ブロック20を説明する。
一対の第1ブロック20は、一対の側壁部14にそれぞれ沿うようにして積層方向Xに延びる略直方体形状のブロックであり、前後方向Zの中央部に配置されている。一対の第1ブロック20は、左右対称な形状である。
各第1ブロック20は、位置決め部としての隅角部21を有する基部22と、被案内部23と、位置決め部としての凸部24とを含む。
【0030】
基部22は、側壁部14に沿うようにして積層方向Xに延びる略直方体形状に形成されている。基部22は、上面22aと、下面22bと、前面22cと、後面22dと、外側面22eとを含む。また、基部22は,上部に形成された隅角部21を含む。
被案内部23は、隅角部21の下側に配置されて、
図2Aに示すように、基部22の外側面22eから外側方へ突出する羽根板である。被案内部23は、ストッカー500の案内溝503に挿入される(
図10(a)及び(b)を参照)。ストッカー500の案内溝503によって、被案内部23を介して、コネクタハウジング2が、積層方向Xに案内される。
【0031】
図2Bに示すように、凸部24は、被案内部23から下方に延設され、基部22に対して積層方向Xの下側(一側)に突出している。コネクタハウジング2が積層方向Xに積層されるときに、積層方向Xに隣接する一対のコネクタハウジング2のうち、上側のコネクタハウジング2の凸部24が、下側のコネクタハウジング2の隅角部21に係合することで、一対のコネクタハウジング2が、直交する3方向に互いに位置決めされる(
図6(a)及び(b)を参照)。
【0032】
具体的には、
図2A、
図3A及び
図4Aに示すように、隅角部21は、積層方向Xの上側(他側)に開放されている。位置決め部としての隅角部21は、互いに直交する第1位置決め面21aと第2位置決め面21bと第3位置決め面21cとにより形成されている。
第1位置決め面21aは、基部22の上面22aよりも下方に配置され、積層方向Xに対して直交する平面であり、積層方向Xの上側に向く。被案内部23の上面23aは、第1位置決め面21aと連続する平面であり、第1位置決め面として機能する。第1位置決め面21aおよび被案内部23の上面23a(第1位置決め面)は、上方に開放されている。第2位置決め面21bは、前方に開放されている。第3位置決め面21cは、外側方に開放されている。
【0033】
図3C及び
図4Aに示すように、位置決め部としての凸部24は、第1位置決め面としての下面24aと、第2位置決め面としての後面24bと、第3位置決め面としての内側面24cとを含む。
図6(a)に示すように、コネクタハウジング2が積層方向Xに積層されるときに、上側のコネクタハウジング2の凸部24の下面24a(第1位置決め面)が、下側のコネクタハウジング2の隅角部21の第1位置決め面21aに係合することにより、両コネクタハウジング2が、積層方向Xに位置決めされる。
【0034】
また、
図6(b)に示すように、上側のコネクタハウジング2の凸部24の凸部24の後面24b(第2位置決め面)が、下側のコネクタハウジングの隅角部21の第2位置決め面21bに係合することにより、両コネクタハウジング2が、前後方向Zに位置決めされる。
また、
図6(a)に示すように、上側のコネクタハウジング2の凸部24の凸部24の内側面24c(第3位置決め面)が、下側のコネクタハウジング2の隅角部21の第3位置決め面21cに係合することにより、両コネクタハウジング2が、左右方向Yに位置決めされる。
【0035】
次いで、第2ブロック30を説明する。
図2A〜
図4Bに示すように、一対の第2ブロック30は、一対の側壁部14の後端部にそれぞれ沿うようにして積層方向Xに延びている。一対の第2ブロック30は、左右対称な形状である。
図5(a)は、第2ブロック30の概略断面図であり、
図4AのVa−Va断面図に相当する。これら
図4A及び
図5(a)に示すように、各第2ブロック30は、上面30aと、下面30bと、前面30cと、後面30dと、外側面30eと、上面凹部30fと、外側面凹部30gと、第1被係止部31と、第2被係止部32と、被クランプ部33とを含む。
【0036】
図2A及び
図5(a)に示すように、上面凹部30fは、上面30aに形成された鉤形凹部である。
図2B及び
図5(a)に示すように、外側面凹部30gは、外側面30eに形成されている。
図5(a)に示すように、第1被係止部31は、上面30aの一部である被挟持面31aと、上面凹部30fの底面である凹部底面30hと被挟持面31aとを接続する被係止面31bとを含む。
【0037】
被クランプ部33は、第2ブロック30の外側面30eに形成され前後方向Zに延びる凹溝で形成されている。被クランプ部33は、断面台形状に形成されている。被クランプ部33は、溝底面33aと、互いに逆向きで等しい傾斜角度で傾斜する上下一対の内壁面33bとを含み、前後方向Zに開放されている。
ロボットハンドの断面円形の一対のクランプ部400が、一対の被クランプ部33の溝底面33aと一対の内壁面33bとに内接する状態で(
図5(b)を参照)、一対の被クランプ部33をクランプする。
【0038】
図2A及び
図3Bに示すように、第1ブロック20の後面22dと第2ブロック30の前面30cとの間には、外側方及び上下方向に開放する縦溝17が形成されている。ロボットハンドのクランプ部400の先端側に配置される大径部(図示せず)が、縦溝17に嵌合される。
図5(a)に示すように、外側面凹部30gは、被クランプ部33の下側で外側面30eに形成されている。外側面凹部30gは、凹部底面30hと、凹部内上面30kと、凹部底面30hに隣接して凹部内上面30kに形成され上方へ凹む凹部30mとを含む。
【0039】
外側面凹部30gの凹部内上面30kは、積層方向Xに対して直交する。外側面凹部30gの凹部底面30hは、斜め下向きに向くように傾斜されている。
第2被係止部32は、外側面凹部30gの凹部内上面30kに設けられた被挟持面32aと、凹部30mの底面と被挟持面32aとを接続する被係止面32bとを含む。
次いで、連結具5を説明する。
【0040】
図1A及び
図1Bに示される一対の連結具5は、共通の合成樹脂部材で形成され、互いに向きを変えて用いられる。
図7(a)は、連結具5の概略斜視図であり、
図7(b)は、
図7(a)とは別角度から見た連結具5の概略斜視図である。
図8は、連結具5の概略側面図である。
図7(a)及び(b)並びに
図8を参照して、連結具5は、積層方向Xに延びる本体部50と、本体部50の積層方向Xの第1端部50aから延設された第1係止部51と、本体部50の積層方向Xの第2端部50bから延設された第2係止部52とを含む。
【0041】
本体部50は、積層方向Xと直交する断面が溝形に形成されており、主板部53と、一対のフランジ54とを含む。第1係止部51及び第2係止部52は、主板部53から延設されている。主板部53には、積層方向Xに延びる一対の矩形の肉抜き孔53a(
図7(b)を参照)が形成されている。なお、一対のフランジ54は、必ずしも形成されていなくてもよい。
【0042】
第1係止部51は、主板部53から直交状に延びる片持ち状の弾性アーム部51aと、弾性アーム部51aの先端部に設けられ第2係止部52側に突出する爪部51bとを含む。
図8に示すように、弾性アーム部51aは、本体部50に接続される基端部を支点として積層方向Xに弾性的に撓み可能である。弾性アーム部51aは、積層方向Xに対して直交し、第2係止部52側に向く挟持面51cを含む。
【0043】
爪部51bは、頂部51dと、頂部51dの両側に配置された案内面51eと係止面51fとを含む。頂部51dは、積層方向Xに対して直交する平面で形成される。案内面51eは、弾性アーム部51aの先端側に開放し、弾性アーム部51aの延びる方向に対して傾斜する傾斜面である。係止面51fは、弾性アーム部51aの延びる方向に対して鋭角をなす傾斜面である。
【0044】
本体部50の主板部53には、連結具5を射出成形するときの成形型の要素であって、係止面51fを形成する要素が型開き時に通る孔部53b(
図7(b)を参照)が形成されている。
第2係止部52は、鉤形状係止部である。すなわち、第2係止部52は、主板部53から直交状に延びる剛性アーム部52aと、剛性アーム部52aの先端部から第1係止部51側に突出する凸部52bとを含む。
【0045】
第2係止部52の剛性アーム部52aは、第1係止部51の弾性アーム部51aよりも短くされており、殆ど撓まない剛体として機能する。剛性アーム部52aは、積層方向Xに対して直交し、第1係止部51側に向く挟持面52cを含む。弾性アーム部51aの挟持面51cと、剛性アーム部52aの挟持面52cとが、積層方向Xに対向して配置される。
【0046】
凸部52bは、係止面52dを含む。本体部50の主板部53には、連結具5を射出成形するときの成形型の要素であって係止面52dを形成する要素が型開き時に通る孔部53c(
図7(b)を参照)が形成されている。
次いで、
図9(a),(b)及び(c)は、コネクタ積層体100を連結具5で係止する工程を順次に示す模式的工程図である。
【0047】
まず、
図9(a)及び(b)に示すように、連結具5を少し傾斜させた状態で、コネクタ積層体100の積層方向Xの下端に配置されたコネクタハウジング2の第2被係止部32に対して、連結具5の鉤形状の第2係止部52を係止させる。このとき、コネクタハウジング2の外側面凹部30gの傾斜状の凹部底面30hによって、第2係止部52の凸部52bが、凹部30m内へ挿入案内される。
【0048】
第2係止部52の係止後に、
図9(c)に示すように、コネクタ積層体100の積層方向Xの上端に配置されたコネクタハウジング2の第1被係止部31に対して、連結具5の第1係止部51を乗り越え係止させる。
すなわち、
図9(b)に示すように、第1係止部51の爪部51bの傾斜状の案内面51eが、コネクタハウジング2の上面30aと外側面30eとの間のコーナ部に当接する。これにより、第1係止部51の弾性アーム部51aが上向きに撓まされて、爪部51bの頂部51dがコネクタハウジング2の上面30aに乗り上げた後、
図9(c)に示すように、爪部51bの係止面51fが、第2被係止部32の被挟持面32aに係止する。
【0049】
これにより、第1係止部51の弾性アーム部51aの挟持面51cと第2係止部52の剛性アーム部52aの挟持面52cとの間で、コネクタ積層体100が積層方向Xに挟持される。なお、連結具5をコネクタ積層体100から取り外すときは、指で、弾性アーム部51aを上側へ撓ませて爪部51bの係止を解除させる。
また、連結具5の係止状態で、連結具5の本体部50の主板部53が、各コネクタハウジング2の被クランプ部33を覆う状態となる。また、図示していないが、一方のフランジ54は、ロボットハンドのクランプ部400(
図5(b)を参照)の先端の大径部(図示せず)が収容される縦溝17に挿入される。他方のフランジ54は、コネクタハウジング2の後壁部16の後方に配置される。これにより、一対のフランジ54が、被クランプ部33の前後を覆うことになり、被クランプ部33を保護する効果が高い。
【0050】
コネクタ積層体100は、一対の連結具5によって係止された状態で輸送された後、工場内で、
図10(a)及び(b)に示すように、ストッカー500にストックされる。
図10(b)に示すように、ストッカー500は、主壁部501と、一対の側壁部502とを含む溝形に形成されている。一対の側壁部502の入口部の内側面に、積層方向Xに延びる案内溝503がそれぞれ形成されている。
【0051】
コネクタ積層体100は、一対の連結具5によって係止された状態で、
図10(a)に示すように、下側のコネクタハウジング2の被案内部23から順次に、案内溝503に挿入されつつ、
図10(b)に示すように、ストッカー500に対して一括してストックされる。このとき、各連結具5は、案内溝503に挿入される被案内部23から離隔しているため、ストッカー500と干渉することがない。
【0052】
コネクタ積層体100をストッカー500にストックした後、
図11(a)及び(b)に示すように、一対の連結具5をコネクタ積層体100から外側方へ取り外す。これにより、ストッカー500から各コネクタ1を上側から順次に取り出すことが可能となる。
本実施形態に係るコネクタ連結構造200では、下記の効果を奏する。すなわち、コネクタ積層体100において積層方向Xに隣接するコネクタハウジング2どうしが直交する3方向に互いに位置決めされている。連結具5の第1係止部51及び第2係止部52が、コネクタ積層体100の積層方向Xの両端部に配置される一対のコネクタハウジング2の第1被係止部31及び第2被係止部32に対して係止する状態で、
図9(c)に示すように、連結具5の第1係止部51及び第2係止部52によってコネクタ積層体100が積層方向Xに挟持される。
【0053】
このため、ワイヤーハーネス300付きのコネクタ1であっても多段に積み重ねられたコネクタ積層体100のまま崩れることなく梱包し、一括して輸送することができる。そして、
図10(a)及び(b)に示すように、コネクタ積層体100を連結具5によって係止した状態で一括してストッカー500へストックすることができるので、ストック作業の作業性が良い。
【0054】
また、
図9(b)及び(c)に示すように、第1係止部51が第1被係止部31に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部51bを有しているので、ストッカー500へのストック後に、
図11(a)に示すように、コネクタ積層体100から連結具5を容易に取り外すことができる。この取り外しにより、全てのコネクタハウジング2に対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカー500から各コネクタハウジング2を取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカー500から各コネクタハウジング2を取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0055】
また、コネクタ連結構造200では、ロボットハンドの一対のクランプ部400によってクランプされる、各コネクタハウジング2の被クランプ部33が、連結具5の本体部50によって一括して覆われている(
図9(c)を参照)。このため、輸送時等において、被クランプ部33に傷がつくことを抑制することができる。
また、コネクタ連結構造200では、
図10(a)に示すように、コネクタ積層体100における各コネクタハウジング2の被案内部23が、ストッカー500の案内溝503によって積層方向Xに案内される。コネクタハウジング2の被案内部23は、連結具5から離隔して配置される。このため、連結具5を装着したままで、コネクタ積層体100をストッカー500にストックすることができる。また、
図11(a)に示すように、ストッカー500にストックされたコネクタ積層体100から連結具5を取り外すことができる。
【0056】
また、コネクタ連結構造200では、ワイヤーハーネス300を挟んだ両側に一対の連結具5が配置される構造であるので、コネクタ1の極数に拘らず適用可能である。
また、本実施形態に係る連結具5では、コネクタ積層体100を係止した状態で一括してストッカー500へストックすることができるので、ストック作業の作業性が良い。また、第1係止部51が第1被係止部31に対して弾性的に乗り越え係止可能な爪部51bを有しているので、コネクタ積層体100から連結具5を容易に取り外すことができる。該取り外しにより、全てのコネクタハウジング2に対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカー500から各コネクタハウジング2を取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカー500から各コネクタハウジング2を取り出す際のストッカー500からの取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0057】
また、本実施形態に係るコネクタ1では、コネクタ積層体100において、積層方向Xに隣接するコネクタハウジング2どうしが、一方のコネクタハウジング2の凸部24と他方のコネクタハウジング2の隅角部21の3つの位置決め面21a,21b,21cとの係合によって、積層方向Xを含み互いに直交する3方向(積層方向X、左右方向Y及び前後方向Z)に互いに位置決めされる。
【0058】
このため、連結具5の第1係止部51及び第2係止部52によってコネクタ積層体100を積層方向Xに安定して挟持することが可能となる。また、隅角部21に、3つの位置決め面21a,21b,21cが集約して配置されるため、凸部24と隅角部21とによる位置決め構造を小型化、簡素化することができる。
(第2実施形態)
図12は、本発明の第2実施形態に係るコネクタ連結構造200Pの概略斜視図である
図12では、ワイヤーハーネス300の図示が省略されている。
図13は、連結具6の概略斜視図である。
図14は、ストッカー500にストックされたコネクタ連結構造200Pの要部の概略断面図である。
図15は、ストッカー500にストックされたコネクタ積層体100Pから連結具6を取り外す途中の状態を示す概略斜視図である。
【0059】
図12に示すように、コネクタ連結構造200Pは、コネクタ積層体100Pと、一対の連結具6とを含む。
図14及び
図15に示すように、コネクタ1Pのコネクタハウジング2Pには、後壁部16に開口し前後方向Zに延びる断面矩形の位置決め孔18が形成されている。
コネクタハウジング2Pの側壁部14の外側面には、積層方向Xに延びる被係止部としての縦溝19が形成されている。縦溝19は、凹溝状の被クランプ部33の前側に隣接して形成されている。側壁部14の外側面には、縦溝19から前側に離隔して羽根板状の被案内部23が突出形成されている。
【0060】
図13及び
図14に示すように、連結具6は、積層方向Xに延びる本体部60と、複数の片持ち状の位置決め片61と、複数の片持ち状の弾性係止片62とを含む。本体部60は、コネクタハウジング2P側である前面60aと、前面60aの反対側の後面60bとを含む。
複数の位置決め片61は、本体部60の前面60aから前側に突出する片持ち状の凸片である。複数の位置決め片61は、断面矩形に形成されており、積層方向Xに等間隔で並んでいる。各位置決め片61が、
図14に示すように、コネクタ積層体100Pの各コネクタハウジング2の断面矩形の位置決め孔18に対して離脱可能に嵌合される。
【0061】
図13及び
図14に示すように、複数の弾性係止片62は、本体部60の前面60aから各位置決め片61と平行に前側に突出する片持ち状の弾性凸片である。弾性係止片62は、本体部60と接続される基端部を支点として、弾性的に揺動変位可能である。弾性係止片62は、先端部に、対応する位置決め片61側に向けて突出する爪部62aを有している。
【0062】
本体部50には、連結具6を射出成形するときの成形型の要素であって、各弾性係止片62の爪部62aの係止面62bを形成する要素が型開き時に通過する孔部60cが形成されている。
図12及び
図14に示すように、コネクタ連結構造200Pにおいて、各弾性係止片62は、コネクタハウジング2の凹溝状の被クランプ部33を覆っている。
図14に示すように、各弾性係止片62の爪部62aは、被クランプ部33の溝底面33aに乗り上げた後、被クランプ部33に隣接する縦溝19の内壁面19aに引っ掛け係止する。
【0063】
本実施形態に係るコネクタ連結構造200Pでは、コネクタ積層体100Pにおいて、各コネクタハウジング2Pの位置決め孔18に対して、連結具6の対応する位置決め片61が嵌合することにより全てのコネクタハウジング2Pが位置決めされた状態で、各コネクタハウジング2Pの縦溝19(被係止部)に対して、連結具6の対応する弾性係止片62の爪部62aが引っ掛け係止する。これにより、コネクタ積層体100Pを連結具6によって係止した状態で一括してストッカー500へストックすることができ、ストック作業の作業性が良い。
【0064】
また、ストッカー500へのストック後に、
図15に示すように、コネクタ積層体100Pから連結具6を容易に取り外すことができる。該取り外しにより、全てのコネクタハウジング2Pに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカー500からコネクタハウジング2Pを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカー500から各コネクタハウジング2Pを取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0065】
各コネクタハウジング2Pが、連結具6の各位置決め片61を介して相互に位置決めされるため、積層方向Xに隣接する一対のコネクタハウジング2Pどうしを互いに直接位置決めする位置決め構造を設ける必要がない。このため、コネクタ1Pの構造を簡素化することができる。
また、コネクタ連結構造200Pでは、ワイヤーハーネス300を挟んだ両側に一対の連結具6が配置される構造であるので、コネクタ1Pの極数に拘らず適用可能である。
【0066】
また、コネクタ連結構造200Pでは、ロボットハンドの一対のクランプ部400によってクランプされる、各コネクタハウジング2Pの被クランプ部33が、連結具6の対応する弾性係止片62によってそれぞれ覆われている。このため、輸送時等において、被クランプ部33に傷がつくことを抑制することができる。
また、本実施形態に係る連結具6では、コネクタ積層体100Pを係止した状態で一括してストッカー500へストックすることができるので、ストック作業の作業性が良い。また、各弾性係止片62の爪部62aを各コネクタハウジング2Pの縦溝19(被係止部)に対して引っ掛け係止させる構造であるので、コネクタ積層体100Pから連結具6を取り外すことで、全てのコネクタハウジング2Pに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカー500から各コネクタハウジング2Pを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカー500から各コネクタハウジング2Pを取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0067】
また、本実施形態に係るコネクタ1Pでは、コネクタ積層体100Pの状態で、各コネクタハウジング2Pの縦溝19(被係止部)に対して、連結具6の弾性係止片62の爪部62aが引っ掛け係止可能である。このため、連結具6の着脱作業が容易である。また、連結具6の位置決め片61が位置決め孔18に嵌合することで、コネクタ積層体100Pの各コネクタ1Pが連結具6を介して相互に位置決めされる。このため、積層方向Xに隣接する一対のコネクタハウジング2Pどうしを互いに直接位置決めする位置決め構造を設ける必要がない。このため、コネクタ1Pの構造を簡素化することができる。
(第3実施形態)
図16(a)及び(b)は、第3実施形態に係るコネクタ連結構造200Qの互いに別角度から見た概略斜視図である。
図16(a)及び(b)では、ワイヤーハーネスの図示が省略されている。
図17(a)及び(b)は、第3実施形態に係る連結具7の互いに別角度からの概略斜視図である。
【0068】
図16(a)及び(b)に示すように、コネクタ連結構造200Qは、コネクタ積層体100Qと、一対の連結具7とを備える。コネクタ1Qのコネクタハウジング2Qには、被案内部23を前後方向Zに貫通する断面矩形の位置決め孔18が形成されている。コネクタハウジング2Qの側壁部14の外側面には、被案内部23から後側に離隔して、積層方向Xに延びる被係止部としての縦溝19が形成されている。縦溝19は、図示しない被クランプ部の前側に隣接して配置されている。
【0069】
図17(a)及び(b)に示すように、連結具7は、積層方向Xに延びる本体部70と、複数の断面矩形の位置決め片71と、複数の弾性係止片72と、複数の連結片73とを含む。位置決め片71及び弾性係止片72は、本体部70から前後方向Zの前側へ突出しており、積層方向Xに交互に配置されている。各連結片73は、積層方向Xに隣接する位置決め片71どうしを弾性係止片72の前側で連結している。また、本体部70において各位置決め片71の後方には、肉抜き孔70aが形成されている。
【0070】
図16(b)に示すように、各位置決め片71において連結片73よりも前側の部分が、対応するコネクタハウジング2Qの位置決め孔18に離脱可能に嵌合される。
図17(a)及び(b)に示すように、弾性係止片72は、本体部70によって片持ち状に支持されている。弾性係止片72は、本体部70と接続される基端部を支点として弾性的に揺動変位可能である。弾性係止片72は、先端部に、爪部72aを有している。
図17(a)に示すように、各弾性係止片72の爪部72aは、対応するコネクタハウジング2Qの側壁部14の外側面に乗り上げた後、縦溝19(被係止部)に対して引っ掛け係止する。
【0071】
本実施形態に係るコネクタ連結構造200Qでは、コネクタ積層体100Qにおいて、各コネクタハウジング2Qの位置決め孔18に対して、連結具7の対応する位置決め片71が嵌合することにより全てのコネクタハウジング2Qが位置決めされた状態で、各コネクタハウジング2Qの縦溝19(被係止部)に対して、連結具7の対応する弾性係止片72の爪部72aが引っ掛け係止する。これにより、コネクタ積層体100Qを連結具7によって係止した状態で一括してストッカー500(第2実施形態の
図15を参照)へストックすることができ、ストック作業の作業性が良い。
【0072】
また、ストッカー500へのストック後に、コネクタ積層体100Qから連結具7を容易に取り外すことができる。該取り外しにより、全てのコネクタハウジング2Qに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカー500からコネクタハウジング2Qを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカー500から各コネクタハウジング2Qを取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0073】
各コネクタハウジング2Qが、連結具7の各位置決め片71を介して相互に位置決めされるため、積層方向Xに隣接する一対のコネクタハウジング2Qどうしを互いに直接位置決めする位置決め構造を設ける必要がない。このため、コネクタ1Qの構造を簡素化することができる。
また、コネクタ連結構造200Qでは、ワイヤーハーネス300(
図12では示さず)を挟んだ両側に一対の連結具7が配置される構造であるので、コネクタ1Pの極数に拘らず適用可能である。
【0074】
また、コネクタ連結構造200Qでは、ロボットハンドの一対のクランプ部400(第1実施形態の
図5(b)を参照)によってクランプされる、各コネクタハウジング2Qの被クランプ部33が、
図16(a)に示すように、連結具7の対応する位置決め片71によってそれぞれ覆われている。このため、輸送時等において、被クランプ部33に傷がつくことを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態に係る連結具7では、コネクタ積層体100Qを係止した状態で一括してストッカー500へストックすることができるので、ストック作業の作業性が良い。また、各弾性係止片72の爪部72aを各コネクタハウジング2Qの縦溝19(被係止部)に対して引っ掛け係止させる構造であるので、コネクタ積層体100Qから連結具7を取り外すことで、全てのコネクタハウジング2Qに対する係止解除が一括して行える。したがって、ストッカー500から各コネクタハウジング2Qを取り出す毎の係止解除作業は不要である。このため、ストッカー500から各コネクタハウジング2Qを取り出す際の取り出し作業の作業性が格段に向上する。
【0076】
また、本実施形態に係るコネクタ1Qでは、コネクタ積層体100Qの状態で、各コネクタハウジング2Qの縦溝19(被係止部)に対して、連結具7の弾性係止片72の爪部72aが引っ掛け係止可能である。このため、連結具7の着脱作業が容易である。
また、連結具7の位置決め片71が位置決め孔18に嵌合することで、コネクタ積層体100Qの各コネクタ1Qが連結具7を介して相互に位置決めされる。このため、積層方向Xに隣接する一対のコネクタハウジング2Qどうしを互いに直接位置決めする位置決め構造を設ける必要がない。このため、コネクタ1Qの構造を簡素化することができる。
【0077】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1実施形態において、第1係止部51及び第2係止部52の少なくとも一方が、爪部を有する弾性アーム部を含んでいればよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。