【解決手段】半導体発光装置A10は、回路基板10、半導体発光素子20、枠体30、接続部材60、封止樹脂50を備える。回路基板10は、互いに反対側を向く主面111及び裏面112を有する基材11と、主面111に配置された主面電極12と、を有する。半導体発光素子20は、主面電極12に搭載される。枠体30は、主面111に搭載され、回路基板10の側の下面302と、下面302と反対方向を向く上面301と、半導体発光素子20に向かう内側面303と、内側面303と反対側を向く外側面304とを有する。接続部材60は、枠体30を基材11の主面111に接続する。封止樹脂50は、枠体30の内側に充填され、主面111及び半導体発光素子20を覆い、透光性を有。そして、枠体30は、封止樹脂50よりも透光性が低い樹脂からなる。
前記枠体の内側面は、前記上面から前記下面に向かうほど前記枠体の内側寸法が小さくなるように傾斜している、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体発光装置。
前記枠体の内側面は、前記上面から前記下面に向かうほど前記枠体の内側寸法が大きくなるように傾斜している、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体発光装置。
前記枠体の内側面は、前記回路基板の主面に垂直な断面において、前記上面の側の開口寸法よりも前記下面の側の開口寸法が大きく、前記枠体の内部に向かって窪むように湾曲した面である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体発光装置。
前記枠体の内側面は、前記回路基板の主面に垂直な断面において、前記上面の側の開口寸法よりも前記下面の側の開口寸法が小さく、前記枠体の内部に向かって窪むように湾曲した面である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体発光装置。
前記複数の半導体発光素子は、赤色光を出射する第1発光素子と、緑色光を出射する第2発光素子と、青色光を出射する第3発光素子と、からなる、請求項22に記載の半導体発光装置。
前記封止樹脂は、前記半導体発光素子を覆う第1樹脂層と、前記第1樹脂層の上面を覆う第2樹脂層とを含む、請求項1から請求項23の何れか一項に記載の半導体発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態及び変更例について図面を参照して説明する。
以下に示す各実施形態及び変更例は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の各実施形態及び変更例は、種々の変更を加えることができる。また、以下の各実施形態及び変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0011】
本明細書において、「部材Aが部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bとが物理的に直接的に接続される場合、並びに、部材A及び部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合を含む。
【0012】
同様に、「部材Cが部材Aと部材Bとの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cとが直接的に接続される場合、並びに、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cとが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合を含む。
【0013】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態の半導体発光装置を説明する。
図1及び
図2に示すように、半導体発光装置A10は、回路基板10、半導体発光素子20、枠体30、反射膜40、封止樹脂50を備えている。
【0014】
回路基板10は、基材11、主面電極12、裏面電極13を有している。
基材11は、板状の部材である。説明の便宜上、基材11の厚さ方向を「厚さ方向Z」と呼ぶ。厚さ方向Zに対して直交する一方向を「第1方向X」と呼び、厚さ方向Z及び第1方向Xの双方に対して直交する方向を「第2方向Y」と呼ぶ。
【0015】
本実施形態の基材11は、厚さ方向Zから視て、矩形状であり、厚さ方向Zを向くとともに互いに反対側を向く主面111及び裏面112、主面111及び裏面112と直交し第1方向Xを向く側面113,114、主面及び裏面112と直交し第2方向Yを向く側面115,116を有している。なお、厚さ方向Zから視た基材11の形状は、多角形状、円形状、楕円形状、またはそれらを組み合わせた形状とすることができる。
【0016】
基材11は、電気絶縁性を有する材料から構成される。当該材料として、例えば、ガラスエポキシ樹脂、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックスが挙げられる。
主面電極12は基材11の主面111に設けられている。裏面電極13は、基材11の裏面112に設けられている。なお、基材11の主面111には、主面電極12とともに半導体発光素子20を接続するための各種の配線が設けられている。基材11は、主面電極12及び配線と裏面電極13とを互いに電気的に接続する構成を有している。例えば、基材11は、基材11を貫通する貫通孔に形成されたスルーホールや貫通電極、基材11の内部の1又は複数の配線層、及び配線層と主面電極12及び配線、裏面電極13を接続するビア、配線層間を接続するビア、等を有している。
【0017】
本実施形態において、基材11の主面111には、複数の主面電極12が設けられている。各主面電極12には、半導体発光素子20が搭載されている。各半導体発光素子20は、可視光を出射する発光ダイオード(LED)である。
【0018】
本実施形態において、基材11の裏面112には複数の裏面電極13が設けられている。裏面電極13は、主面電極12に搭載された半導体発光素子20を駆動する駆動電力の供給に用いられる。裏面電極13は、図示しない実装基板のランドに接続される。
【0019】
図1に示すように、各半導体発光素子20は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く主面201及び裏面202を有する。主面201は、基材11の主面111と同じ側を向く面であり、裏面202は、主面電極12と対向する面である。半導体発光素子20は、主面201の電極と裏面202の電極とを有している。裏面202の電極は主面電極12に接合部材により接合されている。接合部材は、例えば銀(Ag)を含むエポキシ樹脂を主材とした合成樹脂(いわゆるAgペースト)から構成され、導電性を有する。主面201の電極はワイヤにより基材11の主面111に設けられた配線に接続される。
【0020】
図2に示すように、本実施形態の半導体発光装置A10において、半導体発光素子20は、赤色光を出射する第1発光素子としての半導体発光素子20R、緑色光を出射する第2発光素子としての半導体発光素子20G、青色光を出射する第3発光素子としての半導体発光素子20B、を含む。本実施形態の半導体発光装置A10は、各半導体発光素子20R,20G,20Bを適宜駆動し、任意の色の光(例えば白色光)を出射するためのものである。
【0021】
図2に示すように、枠体30は、厚さ方向Zから視て、矩形の枠状である。枠体30は、厚さ方向Zを向くと共に互いに反対側を向く上面301及び下面302、枠体30の内側を向く内側面303、枠体30の外側を向く外側面304を有している。上面301は、基材11の主面111と同じ側を向く面であり、下面302は、基材11の主面111と対向する面である。
【0022】
枠体30は、半導体発光素子20が出射する光における透光性が封止樹脂50よりも低い樹脂、つまり透過する光量の低い樹脂からなる。本実施形態において、枠体30は、黒色に着色された樹脂である。枠体30として黒色の樹脂を用いることで、半導体発光素子20から出射する光に対して高い遮光性を有することになる。したがって、枠体30の内側面303から外側面304までの厚さを、薄くでき、半導体発光装置A10を小型化できる。枠体30の厚さは、例えば0.3mmである。これにより、半導体発光装置A10の側方(第1方向X及び第2方向Y)への光の漏れを抑制する。
【0023】
なお、着色は黒色に限られない。枠体30として、絶縁性を有する樹脂を用いることもできる。枠体30は、例えば樹脂に着色剤を混合することにより得られる。着色剤としては、例えばカーボンブラックやチタンブラックなどの黒色顔料、複数種類の顔料を混合したもの、等を用いることができる。
【0024】
本実施形態において、枠体30の内側面303は、反射膜40により覆われている。反射膜40は、半導体発光素子20が出射する光における反射性を有する。この反射膜40により、半導体発光装置A10からの光の取出し効率が向上する。反射膜40は、例えば白色の樹脂である。この反射膜40は、例えば酸化チタンなどの白色フィラーや白色顔料を含有したエポキシ系樹脂やオルガノポリシロキサン系樹脂等の樹脂材を用いることができる。
【0025】
枠体30は、接続部材60により基材11の主面111に接続されている。接続部材60は、例えば接着剤である。接着剤としては、例えばエポキシ系、ポリイミド系やシリコーン系等の接着剤を用いることができる。接着剤としては、液状の接着剤、フィルム状の接着剤を用いることができる。液状の接着剤では、枠体30の下面302や基材11の主面111に容易に塗布できる。フィルム状の接着剤では、基材11と枠体30との接続において、接着剤のはみだしを抑制できる。なお、接続部材60は着色されてもよい。着色としては、白色、黒色、等の適宜の色とすることができる。このように、接続部材60を着色することにより、接続部材60における透光性を低くし、光の漏れを抑制できる。
【0026】
封止樹脂50は、回路基板10と枠体30とにより形成される凹部に充填されている。本実施形態の封止樹脂50は、回路基板10の上面、つまり、基材11の主面111、主面電極12、半導体発光素子20、反射膜40を覆っている。封止樹脂50は、厚さ方向Zを向く上面501を有し、その上面501は、枠体30の上面301と略面一である。封止樹脂50は、半導体発光素子20が出射する光に対する透光性を有する樹脂材料からなる。このような樹脂材料として、透明あるいは半透明の、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、等が挙げられる。なお、封止樹脂50は、半導体発光素子20が出射する光を拡散する拡散材、半導体発光素子20が出射する光によって励起されることにより異なる波長の光を発する蛍光体の少なくとも1つを含むものであってもよい。
【0027】
(作用)
次に、上述の半導体発光装置A10の作用を説明する。
半導体発光装置A10は、回路基板10、半導体発光素子20、枠体30、接続部材60、封止樹脂50を備える。回路基板10は、互いに反対側を向く主面111及び裏面112を有する基材11と、主面111に配置された主面電極12と、裏面112に配置された裏面電極13と、を有する。半導体発光素子20は、主面電極12に搭載される。枠体30は、主面111に搭載され、回路基板10の側の下面302と、下面302と反対方向を向く上面301と、半導体発光素子20に向かう内側面303と、内側面303と反対側を向く外側面304とを有する。接続部材60は、枠体30を基材11の主面111に接続する。封止樹脂50は、枠体30の内側に充填され、主面111及び半導体発光素子20を覆い、透光性を有。そして、枠体30は、封止樹脂50よりも透光性が低い樹脂からなる。
【0028】
この構成によれば、封止樹脂50よりも透光性が低い樹脂からなる枠体30を備えることで、封止樹脂50から回路基板10と平行な方向、つまり半導体発光装置A10の側方への光の漏れ出しを抑制できる。このため、回路基板10と平行な方向における枠体30の厚さを薄くでき、半導体発光装置A10を小型化できる。
【0029】
枠体30の内側面303は、反射膜40により覆われている。反射膜40は、半導体発光素子20が出射する光における反射性を有する。この反射膜40により、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置A10の上方への光の出射効率が向上する。
【0030】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)半導体発光装置A10は、回路基板10、半導体発光素子20、枠体30、接続部材60、封止樹脂50を備える。回路基板10は、互いに反対側を向く主面111及び裏面112を有する基材11と、主面111に配置された主面電極12と、裏面112に配置された裏面電極13と、を有する。半導体発光素子20は、主面電極12に搭載される。枠体30は、主面111に搭載され、回路基板10の側の下面302と、下面302と反対方向を向く上面301と、半導体発光素子20に向かう内側面303と、内側面303と反対側を向く外側面304とを有する。接続部材60は、枠体30を基材11の主面111に接続する。封止樹脂50は、枠体30の内側に充填され、主面111及び半導体発光素子20を覆い、透光性を有。そして、枠体30は、封止樹脂50よりも透光性が低い樹脂からなる。
【0031】
本実施形態の半導体発光装置A10では、封止樹脂50よりも透光性が低い樹脂からなる枠体30を備えることで、封止樹脂50から回路基板10と平行な方向、つまり半導体発光装置A10の側方への光の漏れ出しを抑制できる。このため、回路基板10と平行な方向における枠体30の厚さを薄くでき、半導体発光装置A10を小型化できる。
【0032】
(1−2)枠体30の内側面303は反射膜40により覆われている。反射膜40は、半導体発光素子20が出射する光における反射性を有する。この反射膜40により、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置A10の上方への光の出射効率を向できる。
【0033】
(1−3)半導体発光装置A10において、半導体発光素子20は、赤色光を出射する半導体発光素子20R、緑色光を出射する半導体発光素子20G、青色光を出射する半導体発光素子20B、を含む。本実施形態の半導体発光装置A10は、各半導体発光素子20R,20G,20Bを適宜駆動することで、任意の色の光(例えば白色光)を出射できる。
【0034】
(第一実施形態の変更例)
図3に示すように、半導体発光装置A11において、封止樹脂50は、半導体発光素子20を覆う第1樹脂層51と、第1樹脂層51の上面511を覆う第2樹脂層52とを含む。第1樹脂層51及び第2樹脂層52は透光性を有する樹脂である。そして、第1樹脂層51と第2樹脂層52の少なくとも一方は拡散材を含む。例えば、第1樹脂層51は、透明又は半透明の樹脂であり、第2樹脂層52は、拡散材を含み透光性を有する樹脂である。このように、拡散材を含む第2樹脂層52により、封止樹脂50の上面501の全体から略均一に光を出射することができる。また、半導体発光素子20R,20G,20Bを用いることにより、均一な色の光りを封止樹脂50の上面501から出射することができる。なお、第1樹脂層51と第2樹脂層52の少なくとも一方に、半導体発光素子20が出射する光によって励起されることにより異なる波長の光を発する蛍光体を含むものとしてもよい。
【0035】
図4に示すように、半導体発光装置A12において、枠体30の上面301と下面302はそれぞれ反射膜401,402により覆われている。例えば、樹脂の板材に、枠体30の内側面303を形成するための貫通孔を複数形成し、その板材の表面全体に反射膜を形成する。そして、板材を切断して複数の枠体30を形成する。この場合、枠体30の外側面304は、反射膜により覆われていない。このような工程により枠体30及び反射膜40,401,402を容易に形成でき、コストを低減できる。
【0036】
本実施形態において、枠体30の内側面303と上面301と下面302は、反射膜40,401,402により覆われている。本実施形態において、枠体30の外側面304は、反射膜により覆われていない。なお、少なくとも枠体30の内側面303の反射膜40が設けられていればよく、枠体30の上面301及び下面302の少なくとも一方において反射膜401,402が省略されてもよい。
【0037】
反射膜40,401,402は、半導体発光素子20が出射する光における反射性を有する。この反射膜40,401,402により、半導体発光装置A12からの光の取出し効率が向上する。反射膜40,401,402は、例えば白色の樹脂である。この反射膜40,401,402は、例えば酸化チタンなどの白色フィラーや白色顔料を含有したエポキシ系樹脂やオルガノポリシロキサン系樹脂等の樹脂材を用いることができる。
【0038】
枠体30は、接続部材60により基材11の主面111に接続されている。詳述すると、本実施形態では、枠体30の下面302は反射膜40が形成されている。従って、枠体30は、下面302の反射膜40と接続部材60を介して基材11の主面111に接続されている。接続部材60は、例えば接着剤である。接着剤としては、例えばエポキシ系、ポリイミド系やシリコーン系等の接着剤を用いることができる。接着剤としては、液状の接着剤、フィルム状の接着剤を用いることができる。液状の接着剤では、枠体30の下面302(反射膜40の下面)や基材11の主面111に容易に塗布できる。フィルム状の接着剤では、基材11と枠体30との接続において、接着剤のはみだしを抑制できる。なお、接続部材60は着色されてもよい。着色としては、白色、黒色、等の適宜の色とすることができる。このように、接続部材60を着色することにより、接続部材60における透光性を低くし、光の漏れを抑制できる。
【0039】
図5に示す半導体発光装置A13において、回路基板10は、遮光用配線14を含む。遮光用配線14は、基材11の主面111に設けられている。遮光用配線14は、枠体30の内側に設けられ、枠体30の内側面303に沿った枠状である。遮光用配線14は、主面電極12と同様に構成されている。この遮光用配線14は、枠体30を基材11に接続する接続部材60に入射する光を遮る遮光材として機能する。これによい、接続部材60を介して外部への光の漏れを抑制できる。なお、遮光用配線14は、主面電極12や主面111に配設された配線と電気的に分離されていてもよく、また主面電極12や配線の一部と電気的に接続されていてもよい。
【0040】
図6に示す半導体発光装置A14において、枠体30の内側面303は、枠体30の下面302から上面301に向けて枠体30の内側寸法が徐々に大きくなるように傾斜している。このような傾いた内側面303では、半導体発光素子20から出射した光が内側面303を覆う反射膜40によって反射されるため、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置A14の上方への光の出射効率を向上できる。
【0041】
(第二実施形態)
以下、第二実施形態の半導体発光装置を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0042】
図7は、本実施形態の半導体発光装置B10の概略断面を示す。なお、本実施形態の半導体発光装置B10の厚さ方向Zから視た形状は第一実施形態と同じであるため、図面を省略する。
【0043】
図7に示すように、半導体発光装置B10は、回路基板10、半導体発光素子20、枠体31、反射膜41、封止樹脂50を備えている。
枠体31は、厚さ方向Zから視て、矩形の枠状である。枠体31は、厚さ方向Zを向くと共に互いに反対側を向く上面311及び下面312、枠体31の内側を向く内側面313、枠体31の外側を向く外側面314を有している。上面311は、基材11の主面111と同じ側を向く面であり、下面312は、基材11の主面111と対向する面である。
【0044】
枠体31は、半導体発光素子20が出射する光における透光性が封止樹脂50よりも低い金属、つまり透過する光量の低い金属からなる。本実施形態において、枠体31の材料としては、銅(Cu),Cu合金、ステンレス鋼(SUS)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、金(Au)、等を用いることができる。枠体31を金属とすることで、半導体発光素子20から出射する光に対して高い遮光性を有することになる。したがって、枠体31の内側面313から外側面314までの厚さを、薄くでき、半導体発光装置B10を小型化できる。枠体31の厚さは、例えば0.3mmである。これにより、半導体発光装置B10の側方(第1方向X及び第2方向Y)への光の漏れを抑制する。
【0045】
枠体31の内側面313は、反射膜41により覆われている。本実施形態の反射膜41は、めっき膜である。この反射膜41としては、例えばCu,ニッケル(Ni),パラジウム(Pd),Au,銀(Ag),Al,錫(Sn)、等のメッキ膜を用いることができる。例えばAlめっき膜又はAgめっき膜からなる反射膜41は、可視光に対する反射率が高く、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置B10の上方への出射効率が向上する。同様に、可視光以外の光に対しても反射膜41とするめっき膜を適宜選択することで、出射効率が向上する。
【0046】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2−1)半導体発光装置B10は、回路基板10、半導体発光素子20、枠体31、接続部材60、封止樹脂50を備える。枠体31は、封止樹脂50よりも透光性が低い金属からなる。本実施形態の半導体発光装置B10では、封止樹脂50よりも透光性が低い金属からなる枠体31を備えることで、封止樹脂50から回路基板10と平行な方向、つまり半導体発光装置B10の側方への光の漏れ出しを抑制できる。そして、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御できる。このため、回路基板10と平行な方向における枠体31の厚さを薄くでき、光の漏れ、集光を制御しつつ半導体発光装置B10を小型化できる。
【0047】
(2−2)反射膜41は、めっき膜である。この反射膜41としては、例えばCu,ニッケル(Ni),パラジウム(Pd),Au,銀(Ag),Al,錫(Sn)、等のメッキ膜を用いることができる。この反射膜41により、半導体発光装置B10からの光の取出し効率が向上する。なお、Alめっき膜又はAgめっき膜からなる反射膜41は、可視光に対する反射率が高く、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置B10の上方への出射効率を向上できる。
【0048】
(第二実施形態の変更例)
図8に示す半導体発光装置B11において、枠体31の上面311及び下面312は、それぞれ反射膜411,412により覆われている。例えば、金属の板材に、枠体31の内側面313を形成するための貫通孔を複数形成し、その板材の表面全体に反射膜を形成する。そして、板材を切断して複数の枠体31を形成する。この場合、枠体31の外側面314は、反射膜により覆われていない。このような工程により枠体31及び反射膜41,411,412を容易に形成でき、コストを低減できる。
【0049】
図9に示す半導体発光装置B12において、枠体31の内側面313は、枠体31の下面312から上面311に向けて枠体31の内側寸法が徐々に大きくなるように傾斜している。このような傾いた内側面313では、半導体発光素子20から出射した光が内側面313を覆う反射膜41によって反射されるため、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置B12の上方への光の出射効率を向上できる。このように傾斜した内側面313は、レーザ加工により形成できる。
【0050】
図10に示す半導体発光装置B13において、枠体31の内側面313は、枠体31の下面312から上面311に向けて枠体31の内側寸法が徐々に小さくなるように傾斜している。この枠体31では、上面311の幅が大きく、半導体発光装置B13を実装基板等に実装する際に、半導体発光装置B13を保持するチャックにおける保持を容易にできる。また、このように傾斜した内側面313を有する枠体31では、枠体31内に充填する封止樹脂50が枠体31の上面311の反射膜41を覆うことが抑制できる。このため、例えば粘着性を有する封止樹脂50を用いた場合には、その封止樹脂50が半導体発光装置B13を保持するチャックに付着することを抑制でき、半導体発光装置B13の実装を確実にできる。
【0051】
図11に示す半導体発光装置B14において、枠体31の内側面313は、枠体31の上面311の側の開口寸法よりも下面312の側の開口寸法が小さく、枠体31の内部に向かって窪む湾曲した面である。このような内側面313は、枠体31を形成する金属製の板材を上面311の側からエッチングすることにより得られる。エッチングした板材を切断して枠体31を形成することで、複数の枠体31を容易に形成でき、製造コストを低減できる。
【0052】
図12に示す半導体発光装置B15において、枠体31の内側面313は、枠体31の上面311の側の開口寸法よりも下面312の側の開口寸法が大きく、枠体31の内部に向かって窪む湾曲した面である。このような内側面313は、枠体31を形成する金属製の板材を下面312の側からエッチングすることにより得られる。エッチングした板材を切断して枠体31を形成することで、複数の枠体31を容易に形成でき、製造コストを低減できる。
【0053】
図13に示す半導体発光装置B16において、枠体31は、上面311の側の開口端部及び下面312の側の開口端部よりも内側に突出する突出部315を有する。そして、枠体31の内側面313は、上面311の側の開口端部と突出部315までの間であって枠体31の内部に向かって窪むように湾曲した第1内側面313aと、下面312の側の開口端部と突出部315までの間であって枠体31の内部に向かって窪むように湾曲した第2内側面313bと、からなる。
【0054】
このような内側面313は、枠体31を形成する金属製の板材を上面311の側と下面312の側とからエッチングすることにより得られる。エッチングした板材を切断して枠体31を形成することで、複数の枠体31を容易に形成でき、製造コストを低減できる。また、上面311又は下面312からエッチングして内側面を形成する場合と比べてエッチングに要する時間を短縮できる。
【0055】
図14に示す半導体発光装置B17において、枠体31の内側面313は、第1内側面313aと第2内側面313bとからなる。この枠体31では、第1樹脂層51と第2樹脂層52とを含む封止樹脂50の場合、第1樹脂層51と第2樹脂層52の厚さをそれぞれ均一とすることができる。第1樹脂層51を充填した場合、内側面に沿って這い上がる。このため、第1樹脂層51は周辺で厚くなり、第2樹脂層52は周辺で薄くなる。一方、
図14に示す枠体31では、突出部315により樹脂の這い上がりが抑制できる。このため、第1樹脂層51の厚さを均一にするとともに、第2樹脂層52の厚さを均一にできる。なお、突出部315の厚さ方向Zの位置は、厚さ方向Zにおける枠体31の中央に限らず、任意の位置とすることができる。
【0056】
図15に示す半導体発光装置B18において、枠体31は、上面311の側の内側縁部316が、曲面状に丸みを帯びている。このような枠体31は、枠体31を形成する金属製の板材を上面311の側からプレス加工することにより得られる。プレス加工とすることにより、短時間で多くの枠体31を容易に形成でき、コストを低減できる。
【0057】
図16に示す半導体発光装置B19において、枠体31は、下面312の側の内側縁部317が、曲面状に丸みを帯びている。このような枠体31は、枠体31を形成する金属製の板材を下面312の側からプレス加工することにより得られる。プレス加工とすることにより、短時間で多くの枠体31を容易に形成でき、コストを低減できる。また、上面311の幅が大きく、半導体発光装置B19を実装基板等に実装する際に、半導体発光装置B19を保持するチャックにおける保持を容易にできる。また、このように傾斜した内側面313を有する枠体31では、枠体31内に充填する封止樹脂50が枠体31の上面311の反射膜41を覆うことが抑制できる。このため、例えば粘着性を有する封止樹脂50を用いた場合には、その封止樹脂50が半導体発光装置B19を保持するチャックに付着することを抑制でき、半導体発光装置B19の実装を確実にできる。
【0058】
図17に示す半導体発光装置B20において、回路基板10は、接続用配線15を含む。接続用配線15は、基材11の主面111に設けられている。接続用配線15は、枠体31の周縁に沿って配設された枠状である。この接続用配線15は、主面電極12と同様に構成されている。この接続用配線15は、枠体31の接続に用いられる。接続部材61は、はんだであり、接続用配線15と枠体31の下面312の反射膜41とを接続する。はんだからなる接続部材61を用いることで、回路基板10に対して枠体31の接続強度を向上できる。また、はんだからなる接続部材61を用いることで、回路基板10と枠体31との間から光の漏れを抑制できる。
【0059】
(第三実施形態)
以下、第三実施形態の半導体発光装置を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図18は、本実施形態の半導体発光装置C10の概略断面を示す。なお、本実施形態の半導体発光装置C10の厚さ方向Zから視た形状は第一実施形態と同じであるため、図面を省略する。
【0061】
図18に示すように、半導体発光装置C10は、回路基板10、半導体発光素子20、枠体32、反射膜42、封止樹脂50を備えている。
枠体32は、厚さ方向Zから視て、矩形の枠状である。枠体32は、厚さ方向Zを向くと共に互いに反対側を向く上面321及び下面322、枠体32の内側を向く内側面323、枠体32の外側を向く外側面324を有している。上面321は、基材11の主面111と同じ側を向く面であり、下面322は、基材11の主面111と対向する面である。
【0062】
枠体32は、半導体発光素子20が出射する光における透光性が封止樹脂50よりも低い基板材料、つまり透過する光量の低い基板材料からなる。本実施形態において、枠体32の材料としては、ポリイミド系樹脂や液晶ポリマ(LCP)、等を用いることができる。
【0063】
枠体32の内側面323は、反射膜42により覆われている。本実施形態の反射膜42は、銅スルーホールである。本実施形態の反射膜42は、枠体32の内側面323を覆うとともに、枠体32の上面321及び下面322において、内側面323となる開口(貫通孔)の周縁部321a,322aを覆うように形成されている。この反射膜42は、表面にめっき膜が形成されている。めっき膜としては、例えば、Cu,Ni,Pd,Au,Ag,Al,Sn、等のメッキ膜を用いることができる。例えばAlめっき膜又はAgめっき膜からなる反射膜42は、可視光に対する反射率が高く、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置C10の上方への出射効率が向上する。同様に、可視光以外の光に対しても反射膜42とするめっき膜を適宜選択することで、出射効率が向上する。
【0064】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(3−1)枠体32は、半導体発光素子20が出射する光における透光性が封止樹脂50よりも低い基板材料、つまり透過する光量の低い基板材料からなる。本実施形態において、枠体32の材料としては、ポリイミド系樹脂や液晶ポリマ(LCP)、等を用いることができる。枠体32の内側面323は、反射膜42により覆われている。本実施形態の反射膜42は、銅スルーホールである。本実施形態の反射膜42は、枠体32の内側面323を覆うとともに、枠体32の上面321及び下面322において、内側面323となる開口(貫通孔)の周縁部321a,322aを覆うように形成されている。この反射膜42は、表面にめっき膜が形成されている。めっき膜としては、例えば、Cu,Ni,Pd,Au,Ag,Al,Sn、等のメッキ膜を用いることができる。例えばAlめっき膜又はAgめっき膜からなる反射膜42は、可視光に対する反射率が高く、半導体発光素子20が出射する光を封止樹脂50の上面501へ集光を制御でき、半導体発光装置C10の上方への出射効率を向上できる。同様に、可視光以外の光に対しても反射膜42とするめっき膜を適宜選択することで、出射効率を向上できる。
【0065】
(第三実施形態の変更例)
図19に示す半導体発光装置C11において、回路基板10は、接続用配線15を含む。接続用配線15は、基材11の主面111に設けられている。接続用配線15は、枠体32の周縁に沿って配設された枠状である。この接続用配線15は、主面電極12と同様に構成されている。この接続用配線15は、枠体32の接続に用いられる。接続部材61は、はんだであり、接続用配線15と枠体32の下面322の反射膜42とを接続する。はんだからなる接続部材61を用いることで、回路基板10に対して枠体32の接続強度を向上できる。また、はんだからなる接続部材61を用いることで、回路基板10と枠体32との間から光の漏れを抑制できる。
【0066】
(その他の変更例)
・上記各実施形態及び変更例に対し、回路基板10に搭載する半導体発光素子20の数を適宜変更してもよい。また、半導体発光素子20として、赤外光を出射する半導体発光素子、紫外光を出射する半導体発光素子、レーザダイオード(LD)、等が用いられてもよい。また、複数種類の半導体発光素子、例えば可視光を出射する半導体発光素子と赤外光を出射する半導体発光素子とが回路基板10に搭載されてもよい。
【0067】
・本開示に係る半導体発光装置は、上述の実施形態及び各変更例に限定されるものではない。本開示に係る半導体発光装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0068】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
互いに反対側を向く主面及び裏面を有する基材と、前記主面に配置された主面電極と、前記裏面に配置された裏面電極と、を有する回路基板と、
前記主面電極に搭載された半導体発光素子と、
前記主面に搭載され、前記回路基板の側の下面と、前記下面と反対方向を向く上面と、前記半導体発光素子に向かう内側面と、前記内側面と反対側を向く外側面とを有し、前記半導体発光素子を囲む枠体と、
前記枠体を前記主面に接続する接続部材と、
前記枠体の内側に充填され、前記主面及び前記半導体発光素子を覆い、透光性を有する封止樹脂と、
を備え、
前記枠体は、液晶ポリマ、又はポリアミド系樹脂からなる、
半導体発光装置。
【0069】
(付記2)
前記反射膜は、銅スルーホールである、付記1に記載の半導体発光装置。
(付記3)
前記銅スルーホールは、前記枠体の上面及び下面の少なくとも一方のパッド部と接続されている、付記1又は2に記載の半導体発光装置。
【0070】
(付記4)
前記銅スルーホールの表面を覆うめっき層をさらに備える、付記1から付記3のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0071】
(付記5)
前記めっき層は、Cu,Ni,Au,Ag,Al、又はSnからなる、付記4に記載の半導体発光装置。