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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-188392(P2020-188392A)
(43)【公開日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】ステレオイヤホン及び判定装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 5/033 20060101AFI20201023BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20201023BHJP
【FI】
   H04R5/033 Z
   H04R1/10 104E
   H04R5/033 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-92643(P2019-92643)
(22)【出願日】2019年5月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮輔
【テーマコード(参考)】
5D005
5D011
【Fターム(参考)】
5D005BB01
5D005BB08
5D011AC00
(57)【要約】
【課題】使用者が未装着であるにもかかわらず、使用者が装着していると誤検知してしまうことを抑制できるステレオイヤホンを提供する。
【解決手段】ステレオイヤホンは、右耳用イヤホンと、左耳用イヤホンと、前記右耳用イヤホンに設けられる第1加速度センサと、前記左耳用イヤホンに設けられる第2加速度センサと、判定部と、を備える。前記判定部は、前記第1加速度センサの出力から求まる前記右耳用イヤホンの重力方向に対する傾きと前記第2加速度センサの出力から求まる前記左耳用イヤホンの重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内である場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右耳用イヤホン及び左耳用イヤホンを備えるステレオイヤホンであって、
前記右耳用イヤホンに設けられる第1加速度センサと、
前記左耳用イヤホンに設けられる第2加速度センサと、
判定部と、
を備え、
前記判定部は、
前記第1加速度センサの出力から求まる前記右耳用イヤホンの重力方向に対する傾きと前記第2加速度センサの出力から求まる前記左耳用イヤホンの重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内である場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する、ステレオイヤホン。
【請求項2】
使用者が前記ステレオイヤホンを装着しているか否かを検出する装着センサをさらに備え、
前記判定部は、前記差が前記所定範囲内であり、且つ、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していることを前記装着センサが検出している場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する、請求項1に記載のステレオイヤホン。
【請求項3】
前記差が前記所定範囲内である場合に、前記装着センサが動作を開始する、請求項2に記載のステレオイヤホン。
【請求項4】
前記装着センサは、
前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していないことを検出すると、動作を終了する、請求項2又は請求項3に記載のステレオイヤホン。
【請求項5】
前記判定部は、前記装着センサの出力のみに基づいて、前記使用者が前記ステレオイヤホンの装着を継続しているか否かを判定する、請求項2〜4のいずれか一項に記載のステレオイヤホン。
【請求項6】
前記装着センサは、
前記右耳用イヤホンに設けられ前記使用者が前記右耳用イヤホンを装着しているか否かを検出する第1装着センサと、
前記左耳用イヤホンに設けられ前記使用者が前記左耳用イヤホンを装着しているか否かを検出する第2装着センサと、
を備え、
前記判定部は、前記第1装着センサの出力のみに基づいて、前記使用者が前記右耳用イヤホンの装着を継続しているか否かを判定し、前記第2装着センサの出力のみに基づいて、前記使用者が前記左耳用イヤホンの装着を継続しているか否かを判定する、請求項5に記載のステレオイヤホン。
【請求項7】
所定条件は、
(a)前記第1加速度センサの出力から求まる前記右耳用イヤホンの重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であるという第1条件、
(b)前記第2加速度センサの出力から求まる前記左耳用イヤホンの重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であるという第2条件、
(c)前記第1条件及び前記第2条件、
のうちのいずれか一つであり、
前記判定部は、
前記差が前記所定範囲内であり、且つ、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していることを前記装着センサが検出している場合であっても、前記所定条件が成立すれば、例外的に前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定しない、請求項2〜6のいずれか一項に記載のステレオイヤホン。
【請求項8】
外部機器との無線通信を行う無線通信部を備え、
前記無線通信部は、前記判定部の判定結果に基づき、前記外部機器との通信接続を確立または解除させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のステレオイヤホン。
【請求項9】
ステレオイヤホンの右耳用イヤホンに設けられる第1加速度センサの出力を取得する第1取得部と、
前記ステレオイヤホンの左耳用イヤホンに設けられる第2加速度センサの出力を取得する第2取得部と、
を備え、
前記第1加速度センサの出力から求まる前記右耳用イヤホンの重力方向に対する傾きと前記第2加速度センサの出力から求まる前記左耳用イヤホンの重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内である場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する、判定装置。
【請求項10】
前記ステレオイヤホンに設けられ使用者が前記ステレオイヤホンを装着しているか否かを検出する装着センサの出力を取得する第3取得部をさらに備え、
前記差が所定範囲内であり、且つ、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していることを前記装着センサが検出している場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する、請求項9に記載の判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、右耳用イヤホン及び左耳用イヤホンを備えるステレオイヤホン及び使用者がステレオイヤホンを装着しているか否かを判定する判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイを必要としないコミュニケーションが可能なヒアラブルデバイス(耳に装着できる小型デバイス)への注目が高まっている。ヒアラブルデバイスは、一般的に左右分離型のワイヤレスイヤホンの形態であって、スピーカ、マイクロフォン、複数種類のセンサ等を内蔵している。ヒアラブルデバイスは、センサの出力に基づき、ヒアラブルデバイスの状態検知や使用者の状態検知等を行っている。
【0003】
ヒアラブルデバイスの状態検知の一例として、ヒアラブルデバイスが使用者に装着されている状態であるか否かの検知が挙げられる。ヒアラブルデバイス等のデバイスが使用者に装着されている状態であるか否かを検知するセンサとしては近接センサが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−104670号公報
【特許文献2】特開2005−110920号公報(段落0107)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている静電容量型の近接センサは、人体の接近を検出するので、近接センサを内蔵するデバイスが人に握られたり人が着ている衣服のポケットに収納されたりした場合に、使用者に装着されている状態であると誤検知するおそれがある。超音波型や赤外線型の近接センサは、人体を含む物体全般の接近を検出するので、静電容量型の近接センサと同様に誤検知のおそれがある。
【0006】
近接センサの代わりに脈波センサを用いて、ヒアラブルデバイス等のデバイスが使用者に装着されている状態であるか否かを検知することも考えられる(例えば特許文献2参照)。しかしながら、脈波センサは、外乱へのロバスト性が低く、脈波に近いノイズが発生したときに、使用者に装着されていない状態であるにもかかわらず、使用者に装着されている状態であると誤検知するおそれがある。
【0007】
このような問題は、ヒアラブルデバイスの機能を有するステレオイヤホンのみならず、使用者に装着されている状態であるか否かを検知するステレオイヤホン全般が抱える問題である。
【0008】
本発明は、上記の状況に鑑み、使用者が未装着であるにもかかわらず、使用者が装着していると誤検知してしまうことを抑制できるステレオイヤホン及び判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書中に開示されているステレオイヤホンは、右耳用イヤホンと、左耳用イヤホンと、前記右耳用イヤホンに設けられる第1加速度センサと、前記左耳用イヤホンに設けられる第2加速度センサと、判定部と、を備え、前記判定部は、前記第1加速度センサの出力から求まる前記右耳用イヤホンの重力方向に対する傾きと前記第2加速度センサの出力から求まる前記左耳用イヤホンの重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内である場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する構成(第1の構成)である。
【0010】
また、上記第1の構成のステレオイヤホンにおいて、使用者が前記ステレオイヤホンを装着しているか否かを検出する装着センサをさらに備え、前記判定部は、前記差が所定範囲内であり、且つ、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していることを前記装着センサが検出している場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する構成(第2の構成)であってもよい。
【0011】
また、上記第2の構成のステレオイヤホンにおいて、前記差が前記所定範囲内である場合に、前記装着センサが動作を開始する構成(第3の構成)であってもよい。
【0012】
また、上記第2又は第3の構成のステレオイヤホンにおいて、前記装着センサは、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していないことを検出すると、動作を終了する構成(第4の構成)であってもよい。
【0013】
また、上記第2〜第4いずれかの構成のステレオイヤホンにおいて、前記判定部は、前記装着センサの出力のみに基づいて、前記使用者が前記ステレオイヤホンの装着を継続しているか否かを判定する構成(第5の構成)であってもよい。
【0014】
また、上記第5の構成のステレオイヤホンにおいて、前記装着センサは、前記右耳用イヤホンに設けられ前記使用者が前記右耳用イヤホンを装着しているか否かを検出する第1装着センサと、前記左耳用イヤホンに設けられ前記使用者が前記左耳用イヤホンを装着しているか否かを検出する第2装着センサと、を備え、前記判定部は、前記第1装着センサの出力のみに基づいて、前記使用者が前記右耳用イヤホンの装着を継続しているか否かを判定し、前記第2装着センサの出力のみに基づいて、前記使用者が前記左耳用イヤホンの装着を継続しているか否かを判定する構成(第6の構成)であってもよい。
【0015】
また、上記第2〜第6いずれかの構成のステレオイヤホンにおいて、所定条件は、(a)前記第1加速度センサの出力から求まる前記右耳用イヤホンの重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であるという第1条件、(b)前記第2加速度センサの出力から求まる前記左耳用イヤホンの重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であるという第2条件、(c)前記第1条件及び前記第2条件、のうちのいずれか一つであり、前記判定部は、前記差が前記所定範囲内であり、且つ、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していることを前記装着センサが検出している場合であっても、前記所定条件が成立すれば、例外的に前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定しない構成(第7の構成)であってもよい。
【0016】
また、上記第1〜第7いずれかの構成のステレオイヤホンにおいて、外部機器との無線通信を行う無線通信部を備え、前記無線通信部は、前記判定部の判定結果に基づき、前記外部機器との通信接続を確立または解除させる構成(第8の構成)であってもよい。
【0017】
本明細書中に開示されている判定装置は、ステレオイヤホンの右耳用イヤホンに設けられる第1加速度センサの出力を取得する第1取得部と、前記ステレオイヤホンの左耳用イヤホンに設けられる第2加速度センサの出力を取得する第2取得部と、を備え、前記第1加速度センサの出力から求まる前記右耳用イヤホンの重力方向に対する傾きと前記第2加速度センサの出力から求まる前記左耳用イヤホンの重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内である場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する構成(第9の構成)である。
【0018】
また、上記第9の構成の判定装置において、前記ステレオイヤホンに設けられ使用者が前記ステレオイヤホンを装着しているか否かを検出する装着センサの出力を取得する第3取得部をさらに備え、前記差が所定範囲内であり、且つ、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していることを前記装着センサが検出している場合に、前記使用者が前記ステレオイヤホンを装着していると判定する構成(第10の構成)であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本明細書中に開示されているステレオイヤホン及び判定装置によれば、使用者が未装着であるにもかかわらず、使用者が装着していると誤検知してしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ステレオイヤホンの一構成例を示す図
図2】判定部の第1概略動作例を示すフローチャート
図3】判定部の第2概略動作例を示すフローチャート
図4】判定部の第3概略動作例を示すフローチャート
図5】判定部の第4概略動作例を示すフローチャート
図6】ステレオイヤホンの他の構成例を示す図
図7】ステレオイヤホンの更に他の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<ステレオイヤホンの構成>
図1はステレオイヤホンの一構成例を示す図である。ステレオイヤホン100は、右耳用イヤホン200と、左耳用イヤホン300と、を備える。ステレオイヤホン100は、完全分離型ワイヤレスイヤホンである。すなわち、右耳用イヤホン200と左耳用イヤホン300とは完全に分離しており互いに有線接続されておらず、ステレオイヤホン100と外部機器とは無線通信を行う。
【0022】
右耳用イヤホン200は、無線通信部1Rと、スピーカ2Rと、加速度センサ3Rと、装着センサ4Rと、判定部5Rと、バッテリ6Rと、充放電制御部7Rと、を備える。
【0023】
無線通信部1Rは、外部機器と無線通信を行う。本実施形態では、外部機器はスマートフォン400である。ただし、本実施形態とは異なり、外部機器はスマートフォン以外の電子機器であってもよい。無線通信部1Rと外部機器との無線通信の形式は特に限定されないが、例えばBluetooth(登録商標)通信を用いることができる。
【0024】
無線通信部1Rは、左耳用イヤホン300の無線通信部1Lとも無線通信を行う。無線通信部1Rと無線通信部1Lとの無線通信の形式は、無線通信部1Rと外部機器との無線通信の形式と同一であってもよく異なっていてもよい。
【0025】
スピーカ2Rは、スマートフォン400から無線通信部1Rに送信された右チャンネル用音響信号を音に変換して出力する。
【0026】
加速度センサ3Rは、加速度を検出する。本実施形態では、加速度センサ3Rとして3軸加速度センサを用いる。3軸加速度センサは、互いに直交するX軸Y軸Z軸の3方向の加速度を検出する。
【0027】
装着センサ4Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着しているか否かを検出する。装着センサ4Rとしては、例えば、近接センサ、脈波センサ、温度センサ等を用いることができる。
【0028】
判定部5Rは、加速度センサ3R、左耳用イヤホン300の加速度センサ3L、及び装着センサ4Rの各出力に基づき、使用者がステレオイヤホン100を装着しているか否かを判定する。判定部5Rは、例えばマイクロコンピュータ等で実現することができる。判定手法の詳細については後述する。左耳用イヤホン300の加速度センサ3Lの出力に関する情報は、左耳用イヤホン300の無線通信部1Lから無線通信部1Rに送信される。
【0029】
なお、本実施形態とは異なり、装着センサ4R及び判定部5Rの少なくとも一方を右耳用イヤホン200に実装せずに左耳用イヤホン300に実装してもよい。
【0030】
バッテリ6Rの放電電力は、右耳用イヤホン200の各部で電源電力として用いられる。
【0031】
充放電制御部7Rは、バッテリ6Rの充放電を制御する。充放電制御部7Rは、ワイヤレス給電でバッテリ6Rを充電してもよく、有線給電でバッテリ6Rを充電してもよい。
【0032】
左耳用イヤホン300は、無線通信部1Lと、スピーカ2Lと、加速度センサ3Lと、バッテリ6Lと、充放電制御部7Lと、を備える。
【0033】
無線通信部1Lは、外部機器と無線通信を行う。本実施形態では、外部機器はスマートフォン400である。ただし、本実施形態とは異なり、外部機器はスマートフォン以外の電子機器であってもよい。無線通信部1Lと外部機器との無線通信の形式は特に限定されないが、例えばBluetooth通信を用いることができる。
【0034】
無線通信部1Lは、右耳用イヤホン200の無線通信部1Rとも無線通信を行う。
【0035】
スピーカ2Lは、スマートフォン400から無線通信部1Lに送信された左チャンネル用音響信号を音に変換して出力する。
【0036】
加速度センサ3Lは、加速度を検出する。本実施形態では、加速度センサ3Lとして3軸加速度センサを用いる。
【0037】
バッテリ6Lの放電電力は、左耳用イヤホン300の各部で電源電力として用いられる。
【0038】
充放電制御部7Lは、バッテリ6Lの充放電を制御する。充放電制御部7Lは、ワイヤレス給電でバッテリ6Lを充電してもよく、有線給電でバッテリ6Lを充電してもよい。
【0039】
<ステレオイヤホンの第1概略動作例>
図2は、判定部5Rの第1概略動作例を示すフローチャートである。判定部5Rは、例えば右耳用イヤホン200が充電器にセットされた状態からセットされていない状態に切り替わった時点で、図2に示すフローチャートの動作を開始する。
【0040】
まず始めに判定部5Rは、ステレオイヤホン100の状態を表すパラメータstateの内容を“未装着”に設定する(ステップS10)。パラメータstateの内容が“未装着”に設定されている期間、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していないと判定する。
【0041】
次に判定部5Rは、加速度センサ3R及び3Lの各出力を取得する(ステップS20)。本実施形態では、使用者がステレオイヤホン100を設計通りの向きで装着したときに3軸加速度センサである加速度センサ3R及び3Lが同一の座標系になるように、加速度センサ3Rが右耳用イヤホン200に実装され、加速度センサ3Lが左耳用イヤホン300に実装される。本実施形態では、加速度センサ3Rの出力はX軸の出力、Y軸の出力、及びZ軸の出力になり、加速度センサ3Lの出力も同様にX軸の出力、Y軸の出力、及びZ軸の出力になる。なお、例えば加速度センサ3Rの座標系に対して加速度センサ3Lの座標系がX軸回りに180°回転するように加速度センサ3R及び3Lが実装される場合には、加速度センサ3LのY軸とZ軸の各極性を反転させて疑似的に同一の座標系にしてもよい。
【0042】
次に判定部5Rは、右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きを算出する(ステップS30)。右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きは、X軸に対する重力方向の傾きφR、Y軸に対する重力方向の傾きθR、及びZ軸に対する重力方向の傾きψRである。各傾きφR、θR、及びψRは、加速度センサ3RのX軸Y軸Z軸の各出力から算出される。左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きは、X軸に対する重力方向の傾きφL、Y軸に対する重力方向の傾きθL、及びZ軸に対する重力方向の傾きψLである。各傾きφL、θL、及びψLは、加速度センサ3LのX軸Y軸Z軸の各出力から算出される。
【0043】
次に判定部5Rは、右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS40)。例えば、傾きφRと傾きφLとの差、傾きθRと傾きθLとの差、傾きψRと傾きψLとの差がそれぞれ所定角度(例えば10°)以内であれば、右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内であると判定すればよい。なお、傾きφRと傾きφLとの差、傾きθRと傾きθLとの差、傾きψRと傾きψLとの差それぞれについて所定角度の値を個別に設定してもよい。
【0044】
右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内でなければ(ステップS40のNO)、右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きが揃っておらず使用者がステレオイヤホン100を装着していないとみなせるので、ステップS20に戻る。
【0045】
一方、右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内でなければ(ステップS40のYES)、右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きが揃っており使用者がステレオイヤホン100を装着している可能性があるので、ステップS50に進む。
【0046】
ステップS50において、判定部5Rは、装着センサ4Rの出力を取得する。そして、判定部5Rは、装着センサ4Rが装着を検出しているか否かを判定する(ステップS60)。
【0047】
装着センサ4Rが装着を検出していなければ(ステップS60のNO)、ステップS20に戻る。
【0048】
一方、装着センサ4Rが装着を検出していれば(ステップS60のYES)、判定部5Rは、パラメータstateの内容を“装着”に設定する(ステップS70)。パラメータstateの内容が“装着”に設定されている期間、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定する。
【0049】
ステップS70に続くステップS80において、判定部5Rは、装着センサ4Rの出力を取得する。そして、判定部5Rは、装着センサ4Rが装着を検出しているか否かを判定する(ステップS90)。
【0050】
装着センサ4Rが装着を検出していれば(ステップS90のYES)、ステップS80に戻る。
【0051】
一方、装着センサ4Rが装着を検出していなければ(ステップS90のNO)、使用者がステレオイヤホン100を取り外した可能性が高いので、ステップS10に戻る。
【0052】
上記の動作によって、判定部5Rは、加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内であり、且つ、使用者がステレオイヤホン100を装着していることを装着センサ4Rが検出している場合に、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定する。
【0053】
裏を返せば、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していることを装着センサ4Rが検出している場合であっても、加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲外であれば、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定しない。
【0054】
したがって、ステレオイヤホン100は、使用者が未装着であるにもかかわらず、使用者が装着していると誤検知してしまうことを抑制できる。また、加速度センサ3R及び3Lによって誤検知を抑制しているので、装着センサ4Rに検出精度が低い安価なセンサを用いることができる。
【0055】
装着センサ4Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していないにもかかわらず装着していると誤検出することはあるが、使用者がステレオイヤホン100を装着しているにもかかわらず装着していないと誤検出することは基本的にない。そのため、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定した後は、装着センサ4Rの出力のみに基づいて、使用者がステレオイヤホン100の装着を継続している否か、言い換えるとステレオイヤホン100が取り外されたか否かを判定している。これにより、判定部5Rによって使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定された後、判定部5Rの処理負荷を軽減することができる。
【0056】
なお、図2に示すフローチャートの動作において、ステップS10〜S40の処理を実行している期間、装着センサ4Rは動作しないことが望ましい。すなわち、ステップS40からステップS50に移行するときに、装着センサ4Rは動作を開始することが望ましい。これにより、装着センサ4Rの消費電力を低減することができる。
【0057】
また、図2に示すフローチャートの動作において、装着センサ4Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していないことを検出すると、動作を終了することが望ましい。すなわち、ステップS60からステップS20に戻るとき、及び、ステップS90からステップS10に戻るとき、装着センサ4Rは動作を終了することが望ましい。これにより、装着センサ4Rの消費電力を低減することができる。
【0058】
また、図2に示すフローチャートの動作において、パラメータstateの内容が“装着”である期間、加速度センサ3R及び3Lは動作しないようにしてもよい。これにより、加速度センサ3R及び3Lの消費電力を低減することができる。ただし、パラメータstateの内容が“装着”である期間の少なくとも一部において、装着判定以外の用途で加速度センサ3R及び3Lの出力が利用される場合には、加速度センサ3R及び3Lを動作させればよい。
【0059】
無線通信部1Rは、判定部5Rの判定結果に基づき、スマートフォン400との通信接続を確立または解除させてもよい。例えば、パラメータstateの内容が“未装着”から“装着”に切り替わると、無線通信部1Rがスマートフォン400との通信接続を確立し、パラメータstateの内容が“装着”から“未装着”に切り替わると、無線通信部1Rがスマートフォン400との通信接続を解除するようにするとよい。判定部5Rの判定結果に関する情報を右耳用イヤホン200から左耳用イヤホン300に送信して、無線通信部1Lが、無線通信部1と同様に、判定部5Rの判定結果に基づき、スマートフォン400との通信接続を確立または解除させてもよい。
【0060】
無線通信部1R及び1Lが判定部5Rの判定結果に基づきスマートフォン400との通信接続を確立または解除させることで、無線通信部1R及び1Lの消費電力を削減することができる。
【0061】
なお、誤検知の抑制効果が若干弱まるが、ステレオイヤホン100が装着センサ4Rを備えないようにしてもよい。この場合、ステップS50及びS60の処理を行わず、ステップS80及びS90の代わりに、加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差を用いて、使用者がステレオイヤホン100を取り外したか否かを判定するステップを実行すればよい。後述する第2〜第4概略動作例に対しても同様の変形(ステレオイヤホン100に装着センサ4Rを設けない構成への変更)を行うことができる。
【0062】
<ステレオイヤホンの第2概略動作例>
図3は、判定部5Rの第2概略動作例を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、図2に示すフローチャートにステップS45を追加したものである。ステップS45は、ステップS40とステップS50との間に設けられる。
【0063】
ステップS45において、判定部5Rは、傾きが所定範囲外であるか否かを判定する。傾きが所定範囲外であるか否かの判定として、下記(a)〜(c)のいずれか一つの判定を採用すればよい。なお、下記(a)〜(c)における所定方向範囲の値は、傾きφ、傾きφ、傾きθそれぞれについて個別に設定される。
(a)加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であるか否かの判定
(b)加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であるか否かの判定
(c)加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であり且つ加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きが所定方向範囲外であるか否かの判定
【0064】
傾きが所定方向範囲外であれば(ステップS45のYES)、ステップS20に戻る。一方、傾きが所定方向範囲外でなければ(ステップS45のNO)、ステップS50に進む。
【0065】
図2に示すフローチャートの動作では、例えば使用者が着ている衣服のポケットにステレオイヤホン100が収納されているときに、偶然右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きとが揃っていると、使用者が未装着であるにもかかわらず、使用者が装着していると誤検知してしまうおそれがある。
【0066】
一方、図3に示すフローチャートの動作では、使用者が着ている衣服のポケットにステレオイヤホン100が収納されているときに、偶然右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きとが揃っていても、傾きが所定方向範囲外であれば、上記の誤検知を防止することができる。例えば、立っている又は横たわっている使用者がステレオイヤホン100を設計通りの向きで装着した状態で、首の可動域に応じて変化可能な傾きの範囲を所定方向範囲にすればよい。このように所定方向範囲を設定すれば、通常の使用状態ではあり得ない傾きを所定方向範囲外にすることができる。通常の使用状態ではあり得ない傾きとしては、例えば、逆立ちしている使用者がステレオイヤホン100を設計通りの向きで装着した状態で、顎を引いて首を左右に傾けていないときの傾きを挙げることができる。
【0067】
<ステレオイヤホンの第3概略動作例>
図4は、判定部5Rの第3概略動作例を示すフローチャートである。判定部5Rの第3概略動作例において、判定部5Rの第1概略動作例と重複する部分の説明は適宜省略する。判定部5Rは、例えば右耳用イヤホン200が充電器にセットされた状態からセットされていない状態に切り替わった時点で、図4に示すフローチャートの動作を開始する。
【0068】
まず始めに判定部5Rは、ステレオイヤホン100の状態を表すパラメータstateの内容を“未装着”に設定する(ステップS110)。パラメータstateの内容が“未装着”に設定されている期間、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していないと判定する。
【0069】
次に判定部5Rは、装着センサ4Rの出力を取得する(ステップS120)。そして、判定部5Rは、装着センサ4Rが装着を検出しているか否かを判定する(ステップS130)。
【0070】
装着センサ4Rが装着を検出していなければ(ステップS130のNO)、ステップS120に戻る。一方、装着センサ4Rが装着を検出していれば(ステップS130のYES)、ステップS140に進む。
【0071】
ステップS140において、判定部5Rは、加速度センサ3R及び3Lの各出力を取得する。
【0072】
次に判定部5Rは、右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きを算出する(ステップS150)。
【0073】
次に判定部5Rは、右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS160)。
【0074】
右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内でなければ(ステップS160のNO)、右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きが揃っておらず使用者がステレオイヤホン100を装着していないとみなせるので、ステップS120に戻る。
【0075】
一方、右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内でなければ(ステップS160のYES)、右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きが揃っており装着センサ4Rが誤検知していないとみなせるので、ステップS170に進む。
【0076】
ステップS170において、判定部5Rは、パラメータstateの内容を“装着”に設定する(ステップS170)。パラメータstateの内容が“装着”に設定されている期間、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定する。
【0077】
ステップS170に続くステップS180において、判定部5Rは、装着センサ4Rの出力を取得する。そして、判定部5Rは、装着センサ4Rが装着を検出しているか否かを判定する(ステップS190)。
【0078】
装着センサ4Rが装着を検出していれば(ステップS190のYES)、ステップS180に戻る。
【0079】
一方、装着センサ4Rが装着を検出していなければ(ステップS190のNO)、使用者がステレオイヤホン100を取り外した可能性が高いので、ステップS110に戻る。
【0080】
上記の動作によって、判定部5Rは、加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内であり、且つ、使用者がステレオイヤホン100を装着していることを装着センサ4Rが検出している場合に、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定する。
【0081】
裏を返せば、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していることを装着センサ4Rが検出している場合であっても、加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン200の重力方向に対する傾きと加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲外であれば、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定しない。
【0082】
したがって、ステレオイヤホン100は、使用者が未装着であるにもかかわらず、使用者が装着していると誤検知してしまうことを抑制できる。また、加速度センサ3R及び3Lによって誤検知を抑制しているので、装着センサ4Rに検出精度が低い安価なセンサを用いることができる。
【0083】
装着センサ4Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していないにもかかわらず装着していると誤検出することはあるが、使用者がステレオイヤホン100を装着しているにもかかわらず装着していないと誤検出することは基本的にない。そのため、判定部5Rは、使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定した後は、装着センサ4Rの出力のみに基づいて、使用者がステレオイヤホン100の装着を継続している否か、言い換えるとステレオイヤホン100が取り外されたか否かを判定している。これにより、判定部5Rによって使用者がステレオイヤホン100を装着していると判定された後、判定部5Rの処理負荷を軽減することができる。
【0084】
なお、図4に示すフローチャートの動作において、パラメータstateの内容が“装着”である期間、加速度センサ3R及び3Lは動作しないようにしてもよい。これにより、加速度センサ3R及び3Lの消費電力を低減することができる。ただし、パラメータstateの内容が“装着”である期間の少なくとも一部において、装着判定以外の用途で加速度センサ3R及び3Lの出力が利用される場合には、加速度センサ3R及び3Lを動作させればよい。
【0085】
無線通信部1Rは、判定部5Rの判定結果に基づき、スマートフォン400との通信接続を確立または解除させてもよい。例えば、パラメータstateの内容が“未装着”から“装着”に切り替わると、無線通信部1Rがスマートフォン400との通信接続を確立し、パラメータstateの内容が“装着”から“未装着”に切り替わると、無線通信部1Rがスマートフォン400との通信接続を解除するようにするとよい。判定部5Rの判定結果に関する情報を右耳用イヤホン200から左耳用イヤホン300に送信して、無線通信部1Lが、無線通信部1と同様に、判定部5Rの判定結果に基づき、スマートフォン400との通信接続を確立または解除させてもよい。
【0086】
無線通信部1R及び1Lが判定部5Rの判定結果に基づきスマートフォン400との通信接続を確立または解除させることで、無線通信部1R及び1Lの消費電力を削減することができる。
【0087】
<ステレオイヤホンの第4概略動作例>
図5は、判定部5Rの第4概略動作例を示すフローチャートである。判定部5Rの第4概略動作例において、判定部5Rの第2概略動作例と重複する部分の説明は適宜省略する。図5に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートにステップS165を追加したものである。ステップS165は、ステップS160とステップS170との間に設けられる。
【0088】
ステップS165において、判定部5Rは、傾きが所定範囲外であるか否かを判定する。
【0089】
傾きが所定方向範囲外であれば(ステップS165のYES)、ステップS120に戻る。一方、傾きが所定方向範囲外でなければ(ステップS165のNO)、ステップS170に進む。
【0090】
図4に示すフローチャートの動作では、例えば使用者が着ている衣服のポケットにステレオイヤホン100が収納されているときに、偶然右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きとが揃っていると、使用者が未装着であるにもかかわらず、使用者が装着していると誤検知してしまうおそれがある。
【0091】
一方、図5に示すフローチャートの動作では、使用者が着ている衣服のポケットにステレオイヤホン100が収納されているときに、偶然右耳用イヤホン200の向きと左耳用イヤホン300の向きとが揃っていても、傾きが所定方向範囲外であれば、上記の誤検知を防止することができる。
【0092】
<その他>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0093】
例えば、ステレオイヤホン100の代わりに、図6に示すステレオイヤホン101を用いてもよい。なお、図6において図1と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0094】
ステレオイヤホン101は、右耳用イヤホン200と、左耳用イヤホン301と、を備える。左耳用イヤホン301は、図1中の左耳用イヤホン300に装着センサ4Lを追加した構成である。
【0095】
装着センサ4Lは、使用者がステレオイヤホン100を装着しているか否かを検出する。装着センサ4Lとしては、例えば、近接センサ、脈波センサ、温度センサ等を用いることができる。装着センサ4Lは、装着センサ4Rと同種のセンサであってもよく、装着センサ4Rと異種のセンサであってもよい。
【0096】
ステレオイヤホン101における判定部5Rの概略動作としては、例えば上述した第1〜第4概略動作例のいずれかを採用することができる。ただし、判定部5Rが装着センサ4Rの出力を取得するステップを判定部5Rが装着センサ4R及び4Lの各出力を取得するステップに置き換え、装着センサ4Rが装着を検出しているか否かを判定するステップを装着センサ4Rと装着センサ4Lとの両方が装着を検出しているか否かを判定するステップに置き換えるとよい。
【0097】
なお、パラメータstateの内容が“装着”に設定されてから“未装着”に切り替わるまでの期間において、上記の置換とは異なり、判定部5Rは、装着センサ4Rの出力のみに基づいて、使用者が右耳用イヤホン200の装着を継続しているか否かを判定し、装着センサ4Lの出力のみに基づいて、使用者が左耳用イヤホン301の装着を継続しているか否かを判定するようにしてもよい。これにより、判定部5Rは、右耳用イヤホン200及び左耳用イヤホン301の片方のみが取り外されたか否かを判定することができる。
【0098】
例えば、ステレオイヤホン100の代わりに、図7に示すステレオイヤホン102を用いてもよい。なお、図7において図1と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0099】
ステレオイヤホン102は、右耳用イヤホン202と、左耳用イヤホン300と、を備える。右耳用イヤホン202は、図1中の右耳用イヤホン200から判定部5Rを取り除いた構成である。
【0100】
図7において、スマートフォン400は、特定のアプリを起動させることで、図1中の判定部5Rと同等の機能を有する判定装置として機能する。具体的には、特定のアプリを起動させると、スマートフォン400は、第1取得部11と、第2取得部12と、第3取得部13と、を備え、加速度センサ3Rの出力から求まる右耳用イヤホン202の重力方向に対する傾きと加速度センサ3Lの出力から求まる左耳用イヤホン300の重力方向に対する傾きとの差が所定範囲内であり、且つ、使用者がステレオイヤホン102を装着していることを装着センサ4Rが検出している場合に、使用者がステレオイヤホン102を装着していると判定する判定装置として機能する。
【0101】
第1取得部11は、ステレオイヤホン102の右耳用イヤホン202に設けられる加速度センサ3Rの出力を取得する。したがって、右耳用イヤホン202は、加速度センサ3Rの出力に関する情報をスマートフォン400に送信する。
【0102】
第2取得部12は、ステレオイヤホン102の左耳用イヤホン300に設けられる加速度センサ3Lの出力を取得する。したがって、左耳用イヤホン300は、加速度センサ3Lの出力に関する情報をスマートフォン400に送信する。
【0103】
第3取得部13は、装着センサ4Rの出力を取得する。したがって、右耳用イヤホン202は、装着センサ4Rの出力に関する情報をスマートフォン400に送信する。
【0104】
判定装置の判定結果は、ステレオイヤホン102に送信されステレオイヤホン102において利用されてもよく、ステレオイヤホン102に送信されずスマートフォン400のみにおいて利用されてもよい。
【0105】
なお、誤検知の抑制効果が若干弱まるが、ステレオイヤホン102が装着センサ4Rを備えずスマートフォン400が第3取得部13を備えないようにしてもよい。
【0106】
上述した各ステレオイヤホンは、ヒアラブルデバイスであってもよく、ヒアラブルデバイスでなくてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1R、1L 無線通信部
3R、3L 加速度センサ
4R、4L 装着センサ
5R 判定部
11 第1取得部
12 第2取得部
13 第3取得部
100〜102 ステレオイヤホン
200〜202 右耳用イヤホン
300、301 左耳用イヤホン
400 スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7