【解決手段】DC/DCコンバータ100は、例えば、ブートストラップ形式のスイッチ出力段(N1及びN2、P1、L1、C1及びC2)を駆動する駆動部110と、前記スイッチ出力段において入力電圧VIから所望の出力電圧VO1が生成されるように駆動部110を制御する制御部120と、出力電圧VO1が過電圧状態であるか否かを検出する過電圧検出部130とを有する。駆動部110は、出力電圧VO1の過電圧状態が検出されたときに前記スイッチ出力段の上側トランジスタN1をオフしてて下側トランジスタN2のみをオン/オフする第1過電圧保護動作を開始し、出力電圧VO1の過電圧状態が解消しないまま第1過電圧保護動作が所定期間Txに亘って継続したときに上側トランジスタN1及び下側トランジスタN2双方をオフする第2過電圧保護動作に移行する。
前記駆動部は、前記下側トランジスタのみを所定回数だけオン/オフしたときに、前記第1過電圧保護動作が前記所定期間に亘って継続したものとして前記第2過電圧保護動作に移行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
前記駆動部は、前記第2過電圧保護動作からの復帰に際して、通常動作の開始前に前記上側トランジスタをオフしたまま前記下側トランジスタのみをオン/オフすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<電子機器>
図1は、電子機器の全体構成を示す図である。本構成例の電子機器1は、システム電源IC10と、これに外付けされる種々のディスクリート部品(本図では、インダクタL1及びL2、並びに、キャパシタC1〜C4)を有する。
【0020】
システム電源IC10は、入力電圧VIの供給を受けて複数系統の出力電圧(本図では出力電圧VO1〜VO3の3系統)を生成する半導体集積回路装置である。なお、システム電源IC10は、IC外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数の外部端子(本図では、外部端子T11〜T15、外部端子T21〜T24、並びに、外部端子T31〜T34)を有する。
【0021】
システム電源IC10の外部において、外部端子T11は、キャパシタC2の第1端に接続されている。外部端子T12は、入力電圧VIの印加端に接続されている。なお、外部端子T12と接地端との間には、バイパスキャパシタを接続してもよい。外部端子T13は、インダクタL1の第1端とキャパシタC2の第2端に接続されている。外部端子T14は、インダクタL1の第2端及びキャパシタC1の第1端と共に、出力電圧VO1の印加端に接続されている。外部端子T15及びキャパシタC1の第2端は、いずれも接地端に接続されている。
【0022】
外部端子T21は、出力電圧VO1の印加端に接続されている。なお、外部端子T21と接地端との間には、バイパスキャパシタを接続してもよい。外部端子T22は、インダクタL2の第1端に接続されている。外部端子T23は、インダクタL2の第2端及びキャパシタC3の第1端と共に、出力電圧VO2の印加端に接続されている。外部端子T24及びキャパシタC3の第2端は、いずれも接地端に接続されている。
【0023】
外部端子T31は、出力電圧VO1の印加端に接続されている。なお、外部端子T31と接地端との間には、バイパスキャパシタを接続してもよい。また、外部端子T31と出力電圧VO1の印加端との間には、フィルタFLT(後出の
図3を参照)を接続してもよい。外部端子T32及びT33は、キャパシタC4の第1端と共に、出力電圧VO3の印加端に接続されている。外部端子T34及びキャパシタC4の第2端は、いずれも接地端に接続されている。
【0024】
<システム電源IC(内部構成)>
引き続き、
図1を参照しながら、システム電源IC10の内部構成について説明する。システム電源IC10は、DC/DCコンバータ100及び200と、リニアレギュレータ300と、を集積化して成る。
【0025】
より具体的に述べると、システム電源IC10は、DC/DCコンバータ100及び200やロジック制御クロック(不図示)などを集積化した半導体チップ10A(=第1チップ)と、リニアレギュレータ300を集積化した半導体チップ10B(=第2チップ)と、を単一のパッケージに封止して成る。
【0026】
このようなマルチチップ構成を採用することにより、単一のパッケージでありながら、ノイズ源となり得るDC/DCコンバータ100及び200と、低ノイズが要求されるリニアレギュレータ300とを分離することが可能となる。
【0027】
DC/DCコンバータ100は、システム電源IC10の内部において、外部端子T11〜T15に接続されており、入力電圧VI(例えば4.5〜36V)を降圧して所望の出力電圧VO1(例えば4.0V)を生成するプライマリ電源である。なお、出力電圧VO1は、システム電源IC10に内蔵されたセカンダリ電源(本図では、DC/DCコンバータ200及びリニアレギュレータ300)への電力供給にのみ用いられる。
【0028】
DC/DCコンバータ200は、システム電源IC10の内部において、外部端子T21〜T24に接続されており、出力電圧VO1を降圧して所望の出力電圧VO2(例えば1.25V)を生成するセカンダリ電源の一つである。なお、出力電圧VO2は、MCU[micro controller unit]などに供給される。
【0029】
リニアレギュレータ300は、システム電源IC10の内部において、外部端子T31〜T34に接続されており、出力電圧VO1を降圧して所望の出力電圧VO3(例えば、3.3V)を生成するセカンダリ電源の一つであり、例えば、LDO[low drop-out] レギュレータを好適に用いることができる。なお、出力電圧VO3は、ミリ波レーダー用MMIC[monolithic microwave integrated circuit]などに供給される。
【0030】
上記のミリ波レーダーは、周波数をスイープした送信波を送信した後、障害物によって反射された送信波を受信波として受信し、送信波と受信波の周波数差分を取得することにより、障害物を検知する。このような障害物検知時(特に送信波の送信中)にMMICの電源変動が生じると、送信波と受信波の周波数差分を正しく取得することができなくなるおそれがある。そのため、MMICに供給される出力電圧VO3(延いてはリニアレギュレータ300に供給される出力電圧VO1)には、低ノイズが要求されている。
【0031】
なお、システム電源IC10には、上記以外の機能ブロックを設けてもよい。例えば、セカンダリ電源として、昇圧型のDC/DCコンバータを有してもよいし、或いは、リニアレギュレータのチャンネル数を増やしてもよい。その場合、ノイズ源となり得る昇圧型のDC/DCコンバータは、先出のDC/DCコンバータ100及び200と共に、半導体チップ10Aに集積化することが望ましい。一方、増設されたリニアレギュレータは、低ノイズを要求されるリニアレギュレータ300と共に、半導体チップ10Bに集積化することが望ましい。
【0032】
また、システム電源IC10には、ロジック制御回路、ロジック制御クロック、内部基準電圧生成回路、通信インターフェイス(I/O)、マイコン監視回路(WDT[watch dog timer])、自己診断回路(BIST[built-in self test])、各種の異常保護回路(UVLO[under voltage locked out]、OCP[over current protection]、OVD[over voltage detection]、UVD[under voltage detection]、SCP[short circuit protection]、TSD[thermal shut down])なども集積化されている。
【0033】
<システム電源IC(パッケージ)>
図2は、システム電源IC10のパッケージ外観(トップ面及びボトム面)を示す図である。本図で示すように、システム電源IC10のパッケージとしては、例えばVQFN[very thin quad flat Non-leaded]パッケージを採用するとよい。
【0034】
より具体的に述べると、システム電源IC10は、平面視矩形状の樹脂封止体11を持ち、そのボトム面には、樹脂封止体11から突出することなく各辺14本ずつ計56本の外部端子12が露出されている。このようなノンリードのVQFNパッケージであれば、リードを持つパッケージ(QFP[quad flat package]など)と比べて、その実装面積を縮小することが可能となる。
【0035】
なお、樹脂封止体11には、そのボトム面がトップ面よりも若干小さくなるように、側面からボトム面に向けたテーパが付けられている。また、外部端子12は、樹脂封止体11のボトム面から側面にかけて露出されている。このような構成であれば、プリント配線基板(不図示)への実装作業を容易かつ確実に実施することができる。
【0036】
また、樹脂封止体11のボトム面には、半導体チップ(不図示)を搭載するアイランド13の裏面(=チップ搭載面の裏側)が放熱パッドとして露出されている。このような構成であれば、システム電源IC10の放熱性を高めることが可能となる。
【0037】
なお、アイランド13の四隅のうち、少なくとも一つには、切欠部13a(=樹脂封止体11のボトム面側からトップ面側に向けて窪んだ薄肉部)を設けておくとよい。この切欠部13aに樹脂封止体11の材料が入り込むことにより、アイランド13は、切欠部13aの形成領域において、上下両側から樹脂封止体11に挟持されている。このような構成とすることにより、樹脂封止体11との密着性を高めて、アイランド13の脱落を防止することが可能となる。
【0038】
<システム電源IC(ピン配置)>
図3は、システム電源IC10のピン配置(56ピンのVQFN採用時)を示す図である。なお、本図では、特に、
図1で示した外部端子(T11〜T15、T21〜T24、及び、T31〜T34)に着目して、それぞれの配置例が描写されている。
【0039】
システム電源IC10の第1辺(本図下辺)には、本図の左から右に向けて、14本の外部端子(1ピン〜14ピン)が順に並べられている。1ピン及び2ピンは、DC/DCコンバータ200用のパワーグランド端子(外部端子T24に相当)であり、いずれも接地端に接続されている。3ピン及び4ピンは、DC/DCコンバータ200用のパワー電源入力端子(外部端子T21に相当)であり、いずれも出力電圧VO1の印加端に接続されている。なお、3ピン及び4ピンと接地端との間には、バイパスキャパシタ(不図示)を接続してもよい。6ピンは、DC/DCコンバータ200用のフィードバック端子(外部端子T23に相当)であり、出力電圧VO2の印加端(=インダクタL2の第2端)に接続されている。なお、出力電圧VO2の印加端と接地端との間には、出力平滑用のキャパシタC3が接続されている。
【0040】
システム電源IC10の第2辺(本図右辺)には、本図の下から上に向けて、14本の外部端子(15ピン〜28ピン)が順に並べられている。21ピンは、リニアレギュレータ300用の接地端子(外部端子T34に相当)であり、接地端に接続されている。25ピンは、リニアレギュレータ300用のフィードバック端子(外部端子T33に相当)であり、出力電圧VO3の印加端に接続されている。26ピン及び27ピンは、リニアレギュレータ300用の出力端子(外部端子T32に相当)であり、いずれも出力電圧VO3の印加端に接続されている。なお、出力電圧VO3の印加端と接地端との間には、出力平滑用のキャパシタC4が接続されている。
【0041】
システム電源IC10の第3辺(本図上辺)には、本図の右から左に向けて、14本の外部端子(29ピン〜42ピン)が順に並べられている。29ピン及び30ピンは、リニアレギュレータ300用のパワー電源入力端子(外部端子T31に相当)であり、フィルタ済み出力電圧VO1FILの印加端(=フィルタFLTの出力端)に接続されている。フィルタFLT(例えばLCフィルタ)は、出力電圧VO1のノイズ成分を除去することによりフィルタ済み出力電圧VO1FILを生成する。なお、29ピン及び30ピンと接地端との間には、バイパスキャパシタ(不図示)を接続してもよい。31ピンは、リニアレギュレータ300用の接地端子(外部端子T34に相当)であり、接地端に接続されている。このように、リニアレギュレータ300用の接地端子は、システム電源IC10の異なる2辺(例えば第2辺及び第3辺)に設けられている。37ピン〜39ピンは、DC/DCコンバータ100用のパワー電源入力端子(外部端子T12に相当)であり、いずれも入力電圧VIの印加端に接続されている。37ピン〜39ピンと接地端との間には、バイパスキャパシタ(不図示)を接続してもよい。41ピン及び42ピンは、DC/DCコンバータ100用のパワーグランド端子(外部端子T15に相当)であり、接地端に接続されている。なお、39ピンと41ピンとの間には、パワー電源入力端子とパワーグランド端子とのショートを防止するために、不使用端子(40ピン)が設けられている。
【0042】
システム電源IC10の第4辺(本図左辺)には、本図の上から下に向けて、14本の外部端子(43ピン〜56ピン)が順に並べられている。43ピンは、DC/DCコンバータ100用のブート端子(外部端子T11に相当)であり、キャパシタC2の第1端に接続されている。45ピン〜47ピンは、DC/DCコンバータ100用のスイッチング端子(外部端子T13に相当)であり、いずれもインダクタL1の第1端とキャパシタC2の第2端に接続されている。50ピンは、DC/DCコンバータ100用のフィードバック端子(外部端子T14に相当)であり、出力電圧VO1の印加端(=インダクタL1の第2端)に接続されている。なお、出力電圧VO1の印加端と接地端との間には、出力平滑用のキャパシタC1が接続されている。55ピン及び56ピンは、DC/DCコンバータ200用のスイッチング端子(外部端子T22に相当)であり、いずれもインダクタL2の第1端に接続されている。
【0043】
<DC/DCコンバータ(プライマリ電源)>
図4は、ブートストラップ形式のDC/DCコンバータ100の一構成例を示す図である。本構成例のDC/DCコンバータ100は、駆動部110と、制御部120と、過電圧検出部130と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN1及びN2と、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタP1と、を有する。
【0044】
なお、上記構成要素のうち、トランジスタN1及びN2並びにP1は、システム電源IC10に外付けされたディスクリート部品(インダクタL1、キャパシタC1及びC2)と共に、ブートストラップ形式のスイッチ出力段を形成する。以下、これらの接続関係について詳細に説明する。
【0045】
トランジスタN1のドレインは、外部端子T12(=入力電圧VIの印加端)に接続されている。トランジスタN1のソースは、外部端子T13(=スイッチ電圧Vswの印加端)に接続されている。トランジスタN1のゲートは、上側ゲート信号HGの印加端に接続されている。トランジスタN1は、上側ゲート信号HGがハイレベル(≒VB)であるときにオンして、上側ゲート信号HGがローレベル(≒Vsw)であるときにオフする。なお、トランジスタN1は、スイッチ出力段の上側トランジスタ(=出力トランジスタ)として機能する。
【0046】
トランジスタN2のドレインは、外部端子T13に接続されている。トランジスタN2のソースは、外部端子T15(=接地電圧GNDの印加端)に接続されている。トランジスタN2のゲートは、下側ゲート信号LGの印加端に接続されている。トランジスタN2は、下側ゲート信号LGがハイレベル(≒Vreg)であるときにオンして、下側ゲート信号LGがローレベル(≒GND)であるときにオフする。なお、トランジスタN2は、スイッチ出力段の下側トランジスタ(=同期整流トランジスタ)として機能する。
【0047】
トランジスタP1のドレインは、内部電源電圧Vregの印加端に接続されている。トランジスタP1のソースは、外部端子T11(=ブート電圧VBの印加端)に接続されている。このように接続されたトランジスタP1は、システム電源IC10に外付けされたキャパシタC2と共に、ブートストラップ回路を形成する。
【0048】
上記のブートストラップ回路は、スイッチ電圧Vswよりも常にキャパシタC2の両端間電圧VC2(=キャパシタC2の満充電時には、VC2≒Vreg−Vds(P1)、ただし、Vds(P1)はトランジスタP1のドレイン・ソース間電圧)だけ高いブート電圧VB(≒Vsw+VC2)を生成する。
【0049】
すなわち、ブート電圧VBは、スイッチ電圧Vswのハイレベル期間(Vsw≒VI、N1=ON、N2=OFF)にはVB≒VI+VC2となり、スイッチ電圧Vswのローレベル期間(Vsw≒GND、N1=OFF、N2=ON)にはVB≒VC2となる。
【0050】
このようにして生成されるブート電圧VBは、駆動部110(特に、後述の上側ドライバ111)に供給されており、上側ゲート電圧HGのハイレベル(=トランジスタN1をオンするためのゲート電圧)として用いられる。従って、トランジスタN1のオン期間には、上側ゲート電圧HGのハイレベル(≒VB)がスイッチ電圧Vswのハイレベル(≒VI)よりも高い電圧値(≒VI+VC2)まで引き上げられるので、トランジスタN1のゲート・ソース間電圧を高めてトランジスタN1を確実にオンすることが可能となる。
【0051】
なお、ブートストラップ回路の構成要素としては、上記のトランジスタP1に代えて、アノードが内部電源電圧Vregの印加端に接続されてカソードが外部端子T11に接続されたダイオードを用いてもよい。この場合、キャパシタC2の両端間電圧VC2は、満充電時にVC2≒Vreg−Vf(ただしVfはダイオードの順方向降下電圧)となる。
【0052】
駆動部110は、ブートストラップ形式のスイッチ出力段(特にトランジスタN1及びN2)を駆動する機能ブロックであり、上側ドライバ111と、下側ドライバ112と、ロジック部113と、を含む。
【0053】
上側ドライバ111は、ブート電圧VBとスイッチ電圧Vswの供給を受けて動作し、ロジック部113から入力される上側制御信号HSに基づいて、上側ゲート信号HGを生成する。例えば、上側ドライバ111は、上側制御信号HSがハイレベルであるときに、上側ゲート信号HGをハイレベル(≒VB)とし、上側制御信号HSがローレベルであるときに、上側ゲート信号HGをローレベル(≒Vsw)とする。
【0054】
下側ドライバ112は、内部電源電圧Vreg及び接地電圧GNDの供給を受けて動作し、ロジック部113から入力される下側制御信号LSに基づいて、下側ゲート信号LGを生成する。例えば、下側ドライバ112は、下側制御信号LSがハイレベルであるときに、下側ゲート信号LGをハイレベル(≒Vreg)とし、下側制御信号LSがローレベルであるときに、下側ゲート信号LGをローレベル(≒GND)とする。
【0055】
ロジック部113は、所定のスイッチング周波数Fsw(例えば475kHz)でパルス駆動されるオン信号Sonと、制御部120から入力されるオフ信号Soffに基づいて、上側制御信号HS及び下側制御信号LSを生成する。
【0056】
例えば、スイッチ出力段の通常動作時(=各種の異常保護動作が掛かっていない状態)において、オン信号Sonにパルスエッジが生成されたときには、トランジスタN1をオンしてトランジスタN2をオフすべく、上側制御信号HSをハイレベルとして下側制御信号LSをローレベルとする。一方、オフ信号Soffにパルスエッジが生成されたときには、トランジスタN1をオフしてトランジスタN2をオンすべく、上側制御信号HSをローレベルとして下側制御信号LSをハイレベルとする。
【0057】
このように、スイッチ出力段のトランジスタN1及びN2を相補的にオン/オフすることにより、外部端子T13には、矩形波状(ハイレベル:VIN、ローレベル:GND)のスイッチ電圧Vswが生成される。このスイッチ電圧VswをLCフィルタ(=インダクタL1及びキャパシタC1)で整流及び平滑することにより、スイッチ出力段のオンデューティDon(=スイッチング周期Tsw(=1/Fsw)に占めるトランジスタN1のオン期間Tonの割合、Don=Ton/Tsw)に応じた出力電圧VO1(=VI×Don)を生成することができる。
【0058】
なお、ロジック部113は、トランジスタN1及びN2に過大な貫通電流が流れないように、トランジスタN1及びN2の相補的なオン/オフに際して、両トランジスタの同時オフ期間(いわゆるデッドタイム)を設ける機能も備えている。
【0059】
また、ロジック部113は、過電圧検出信号OVPのハイレベル期間(=出力電圧VO1の過電圧状態が検出されている期間、以下では、OVP期間と呼ぶ)を計時するカウンタ114を含み、OVP期間の長さに応じて過電圧保護動作の方式を切り替える機能も備えている。この新規な過電圧保護動作については、後ほど詳細に説明する。
【0060】
制御部120は、スイッチ出力段で入力電圧VIから所望の出力電圧VO1が生成されるように、具体的には、帰還入力される出力電圧VO1がその目標値と一致するように、オフ信号Soffを生成して駆動部120を制御する機能ブロックであり、エラーアンプ121と、オフ信号生成部122と、抵抗123〜125と、キャパシタ126を含む。
【0061】
抵抗123及び124は、外部端子T14(=出力電圧VO1の印加端)と接地端との間に直列接続されており、相互間の接続ノードから帰還電圧Vfb(=出力電圧VO1の分圧電圧)を出力する。なお、出力電圧VO1が後段の入力ダイナミックレンジに収まっていれば、抵抗123及び124を割愛し、出力電圧VO1を後段にスルーしてもよい。
【0062】
エラーアンプ121は、2系統の非反転入力端(+)にそれぞれ入力される基準電圧Vref及びソフトスタート電圧Vssのいずれか低い方と、反転入力端(−)に入力される帰還電圧Vfbとの差分に応じた誤差電流Ierrを出力する。
【0063】
なお、誤差電流Ierrの流れる方向は、Vref(Vss)>Vfbであるときに、第1方向(=エラーアンプ121からキャパシタ126に向かう方向、すなわち、キャパシタ126を充電する方向)となり、逆に、Vref(Vss)<Vfbであるときに、第2方向(=キャパシタ126からエラーアンプ121に向かう方向、すなわち、キャパシタ126を放電する方向)となる。また、誤差電流Ierrの大きさ(絶対値)は、基準電圧Vref(またはソフトスタート電圧Vss)と帰還電圧Vfbとの差分が大きいほど増大し、逆に、両電圧の差分が小さいほど減少する。
【0064】
また、ソフトスタート電圧Vssは、DC/DCコンバータ100の初回起動時ないし再起動時において、ゼロ値から所定のソフトスタート期間Tss(例えば3ms)を掛けて基準電圧Vrefを上回るように緩やかに上昇する。従って、ソフトスタート期間Tssの満了前は、ソフトスタート電圧Vssと帰還電圧Vfbとの差分に応じた誤差電流Ierrが生成され、ソフトスタート期間Tssの満了後は、ソフトスタート電圧Vssと帰還電圧Vfbとの差分に応じた誤差電流Ierrが生成される。このようなソフトスタート動作により、キャパシタC1への突入電流を防止することができる。
【0065】
抵抗125及びキャパシタ126は、エラーアンプ121の出力端と接地端との間に直列接続されており、誤差電流Ierrを誤差電圧Verrに変換する電流/電圧変換回路として機能すると共に、エラーアンプ121の発振を防止するための位相補償回路としても機能する。なお、誤差電圧Verrは、Vref(Vss)>Vfbであるときに上昇し、逆に、Vref(Vss)<Vfbであるときに低下する。
【0066】
オフ信号生成部122は、誤差電圧Verrに基づいてオフ信号Soffを生成する。より具体的に述べると、オフ信号生成部122は、誤差電圧Verrが高いほどオフ信号Soffのパルスエッジ生成タイミング(=トランジスタN1のオフタイミングに相当)を遅らせ、逆に、誤差電圧Verrが低いほどオフ信号Soffのパルスエッジ生成タイミングを早める。このようなオフ信号Soffは、例えば、誤差電圧Verrと三角波状または鋸波状のスロープ電圧Vslpとを比較するコンパレータを用いることにより、容易に生成することができる。
【0067】
また、例えば、スイッチ出力段に流れる電流(トランジスタN1に流れる上側スイッチ電流、トランジスタN2に流れる下側スイッチ電流、インダクタL1に流れるインダクタ電流、若しくは、負荷に流れる出力電流)を検出してオフ信号生成部122に帰還入力してやれば、電流モード制御方式を実現することもできる。
【0068】
もちろん、制御部120の出力帰還制御方式は、電圧モード制御方式や電流モード制御方式に限定されるものではなく、非線形のヒステリシス制御方式(リップル制御方式)などを採用してもよい。
【0069】
過電圧検出部130は、出力電圧VO1が過電圧状態であるか否かを検出する機能ブロックである。なお、過電圧検出部130としては、例えば、外部端子T21から非反転入力端(+)に入力される出力電圧VO1と、反転入力端(−)に入力される所定の閾値電圧Vth(例えば4.7V)とを比較することにより、過電圧検出信号OVPを生成するヒステリシスコンパレータを用いることができる。この場合、過電圧検出信号OVPは、VO1<Vthであるときにローレベル(=正常時の論理レベル)となり、VO1>Vthであるときにハイレベル(=異常時の論理レベル)となる。
【0070】
ここで、システム電源IC10には、出力電圧VO1をプライマリ電源(=DC/DCコンバータ100)に帰還入力するための外部端子T14と、出力電圧VO1をセカンダリ電源(=DC/DCコンバータ200)に供給するための外部端子T21とが個別に設けられている。従って、外部端子T14及びT21のいずれを監視対象としても、出力電圧VO1の過電圧検出を行うことは可能である。
【0071】
ただし、セカンダリ電源(DC/DCコンバータ200やリニアレギュレータ300)の安全性を鑑みると、過電圧検出部130では、後者の外部端子T21を監視して出力電圧VO1の過電圧検出を行うことが望ましい。
【0072】
例えば、外部端子T14が出力電圧VO1の印加端から外れて地絡状態(=接地端またはこれに準ずる低電位端への短絡状態)となり、DC/DCコンバータ100が出力電圧VO1を際限なく高めようとしている状況を考える。この場合、仮に、過電圧検出部130で地絡状態の外部端子T14を監視していたならば、出力電圧VO1の過電圧状態を検出することができず、過大な出力電圧VO1の生成動作が継続されてしまうので、セカンダリ電源(ないしはこれに繋がる負荷)の異常や破壊を招くおそれがある。
【0073】
一方、過電圧検出部130で外部端子T21を監視する構成であれば、外部端子T14が地絡状態であっても、出力電圧VO1の過電圧検出を行うことができるので、システム電源IC10の安全性を高めることが可能となる。
【0074】
なお、外部端子T21が出力電圧VO1の印加端から外れて地絡状態となった場合、過電圧検出部130は正しく機能しなくなるが、DC/DCコンバータ100の出力帰還ループが正常である限り、出力電圧VO1が過電圧状態に陥ることはない。
【0075】
また、プライマリ電源から電力供給を受けて動作するセカンダリ電源が複数設けられている場合には、例えば、プライマリ電源に最も近いセカンダリ電源のパワー電源入力端子を過電圧検出部の監視対象とすればよい。
【0076】
<過電圧保護動作>
次に、DC/DCコンバータ100における新規な過電圧保護動作について詳述する。先にも述べたように、DC/DCコンバータ100の駆動部110(特にロジック部113)は、OVP期間の長さに応じて過電圧保護動作の方式を切り替える機能を持つ。
【0077】
より具体的に述べると、駆動部110は、出力電圧VO1の過電圧状態が検出されたときに、トランジスタN1をオフしてトランジスタN2のみをオン/オフする第1過電圧保護動作を開始し、出力電圧VO1の過電圧状態が解消しないまま第1過電圧保護動作が所定期間Txに亘って継続したときに、トランジスタN1及びN2双方をオフする第2過電圧保護動作に移行する。以下では、この新規な過電圧保護動作について、
図5〜
図7を参照しつつ場合を分けて詳細に述べる。
【0078】
図5は、過電圧保護動作の第1例を示すタイミングチャートであり、上から順に、出力電圧VO1、過電圧検出信号OVP、上側ゲート信号HG、及び、下側ゲート信号LGが描写されている。本図の挙動は、例えば、過渡的な負荷変動が生じた場合に起こり得る。
【0079】
時刻t11以前には、出力電圧VO1が閾値電圧Vth(=過電圧検出値)を下回っているので、過電圧検出信号OVPはローレベル(=正常時の論理レベル)となる。このとき、駆動部110は、スイッチ出力段の通常動作として、トランジスタN1及びN2を相補的にオン/オフする。すなわち、出力電圧VO1の過電圧状態が検出されていないときには、上側ゲート信号HG及び下側ゲート信号LGの双方が通常通りにスイッチング駆動(パルス駆動)される。
【0080】
時刻t11において、出力電圧VO1が閾値電圧Vthを上回ると、過電圧検出信号OVPがハイレベル(=異常時の論理レベル)に立ち上がる。このとき、駆動部110は、トランジスタN1をオフしつつ、トランジスタN2のみを最小デューティで周期的にオン/オフする第1過電圧保護動作を開始する。すなわち、第1過電圧保護動作では、上側ゲート信号HGがローレベルに固定されたまま、下側ゲート信号LGのみが最小デューティ(最小ハイレベル幅)で周期的にスイッチング駆動される。
【0081】
なお、トランジスタN2のオン期間には、内部電源電圧Vregの印加端からトランジスタP1、キャパシタC2、及び、トランジスタN2を介して接地端に至る電流経路が導通し、そこに流れる電流によりキャパシタC2が充電される。
【0082】
従って、上記の第1過電圧保護動作では、トランジスタN1をオフして出力電圧VO1の生成動作を停止しつつ、トランジスタN2をオン/オフしてキャパシタC2を周期的に充電し、その両端間電圧VC2(延いてはブート電圧VB)を適切な電圧値(=トランジスタN1を確実にオンすることのできる電圧値)に維持しておくことができる。
【0083】
また、駆動部110(特にカウンタ114)は、過電圧検出信号OVPがハイレベルに立ち上がった時点で、所定期間Txの計時を開始する。なお、所定期間Txの計時手法としては、例えば、スイッチング周期Tswでオン/オフされるトランジスタN2のオン回数mをカウントすればよい。この場合、所定期間Txは、Tx=m×Tswで表される。従って、例えば、Tsw≒2μs(Fsw=475kHz)である場合、m=256は、Tx≒0.5msと等価になる。
【0084】
その後、時刻t12において、所定期間Txの満了前に、出力電圧VO1が閾値電圧Vthを下回り、過電圧検出信号OVPがローレベルに立ち下がると、駆動部110は、第1過電圧保護動作から通常動作に復帰する。このとき、キャパシタC2の両端間電圧VC2は、第1過電圧保護動作におけるキャパシタC2の周期的な充電により、適切な電圧値に維持されている。従って、駆動部110は、出力電圧VO1の過電圧状態が解消された時点でトランジスタN1及びN2の相補的なオン/オフを速やかに再開することができるので、通常動作に遅滞なく復帰することが可能となる。
【0085】
図6は、過電圧保護動作の第2例を示すタイミングチャートであり、上から順に、出力電圧VO1、過電圧検出信号OVP、上側ゲート信号HG、及び、下側ゲート信号LGが描写されている。本図の挙動は、例えば、外部端子T14(=DC/DCコンバータ100用のフィードバック端子)が出力電圧VO1の印加端から外れて地絡状態となった場合に起こり得る。
【0086】
例えば、外部端子T14の地絡に伴い、DC/DCコンバータ100が出力電圧VO1を際限なく引き上げようとする異常状態に陥り、時刻t21において、出力電圧VO1が閾値電圧Vthを上回ると、過電圧検出信号OVPがハイレベルに立ち上がり、先述の第1過電圧保護動作が開始される。すなわち、トランジスタN1がオフされてトランジスタN2のみが最小デューティで周期的にオン/オフされるようになる。その結果、出力電圧VO1が上昇から低下に転じる。
【0087】
その後、時刻t22において、所定期間Txの満了前に、出力電圧VO1が閾値電圧Vthを下回ると、過電圧検出信号OVPがローレベルに立ち下がるので、第1過電圧保護動作から通常動作に復帰される。
【0088】
ただし、外部端子T14の地絡状態が解消していなければ、通常動作への復帰後、出力電圧VO1が再上昇する。そのため、本図の時刻t22以降で示したように、第1過電圧保護動作への移行(時刻t22、t24、t26)と、通常動作への復帰(時刻t23、t25、t27)が交互に繰り返される状態となる。もちろん、このような状態であっても、それぞれの第1過電圧保護動作では、キャパシタC2の両端間電圧VC2が適切な電圧値に維持されるので、出力電圧VO1の過電圧状態が解消する度に、通常動作への即時復帰を行うことが可能である。
【0089】
図7は、過電圧保護動作の第3例を示すタイミングチャートであり、上から順に、出力電圧VO1、過電圧検出信号OVP、上側ゲート信号HG、及び、下側ゲート信号LGが描写されている。本図の挙動は、例えば、外部端子T21が天絡状態(例えば入力電圧VIの印加端またはこれに準ずる高電位端への短絡状態)となった場合に起こり得る。
【0090】
外部端子T21の天絡に伴い、時刻t31において、出力電圧VO1が閾値電圧Vthを上回ると、過電圧検出信号OVPがハイレベルに立ち上がり、先述の第1過電圧保護動作が開始される。すなわち、トランジスタN1がオフされてトランジスタN2のみが最小デューティで周期的にオン/オフされるようになる。ただし、外部端子T21が天絡している場合には、このような第1過電圧保護動作を行っても、出力電圧VO1が閾値電圧Vthを下回ることはなく、過電圧検出信号OVPがハイレベルに維持される。
【0091】
その後、時刻t32において、出力電圧VO1の過電圧状態が解消しないまま、第1過電圧保護動作が所定期間Txに亘って継続すると、駆動部110は、トランジスタN1及びN2双方をオフする第2過電圧保護動作に移行する。なお、所定期間Txの経過判定手法としては、例えば、トランジスタN2のオン回数mが所定値(例えばm=256)に達したか否かを判定すればよい。
【0092】
上記の第2過電圧保護動作であれば、トランジスタN1だけでなくトランジスタN2もオフされる。従って、キャパシタC2を充電するためにトランジスタN2を周期的にオン/オフしていた第1過電圧保護動作と異なり、トランジスタN2に過電流が一切流れなくなるので、トランジスタN2の破壊リスクを低減することが可能となる。
【0093】
なお、所定期間Tx(=第1過電圧保護動作の継続期間)の長さについては、第1過電圧保護動作において、トランジスタN2に断続的に流れる過電流により、トランジスタN2が破壊してしまわないように、十分な安全マージンを持たせておくことが望ましい。
【0094】
その後、外部端子T21の天絡状態が解消され、時刻t33において、出力電圧VO1が閾値電圧Vthを下回り、過電圧検出信号OVPがローレベルに立ち下がると、第2過電圧保護動作から通常動作への復帰が行われる。
【0095】
ただし、先述の第2過電圧保護動作では、トランジスタN1及びN2双方がオフするので、キャパシタC2の両端間電圧VC2が上側ドライバ111などを介して放電されてしまい、適切な電圧値に維持されていないおそれがある。
【0096】
そこで、第2過電圧保護動作からの復帰に際しては、時刻t33〜t34で示したように、通常動作の開始前にトランジスタN1をオフしたままトランジスタN2のみを所定のオン回数n(例えばn=32)だけ周期的にオンすることが望ましい。このような動作によれば、キャパシタC2をプリチャージしておくことができるので、通常動作に先立ち、トランジスタN1を確実にオン/オフすることが可能となる。
【0097】
なお、DC/DCコンバータ100は、キャパシタC2のプリチャージ完了後、ソフトスタート動作を経て通常動作に移行する(時刻t24以降を参照)。このような動作は、DC/DCコンバータ100の初回起動時と何ら変わらない。すなわち、第2過電圧保護動作からの復帰は、DC/DCコンバータ100の再起動として理解することもできる。
【0098】
以上で説明したように、OVP期間が短いときには、トランジスタN1をオフしてトランジスタN2のみをオン/オフする第1過電圧保護動作が行われるので、通常動作への即時復帰が優先される一方、OVP期間が長くなると、トランジスタN1及びN2双方をオフする第2過電圧保護動作に移行されて、トランジスタN2の破壊防止が優先される。
【0099】
この新規な過電圧保護動作により、異常検出時における安全性確保と異常解消時における即時復帰との両立を実現することが可能となる。
【0100】
<車両への適用>
図8は、車両Xの一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、バッテリから電力供給を受けて動作する種々の電子機器(車載機器)X11〜X18を搭載している。なお、本図における電子機器X11〜X18の搭載位置については、図示の便宜上、実際とは異なる場合がある。
【0101】
電子機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
【0102】
電子機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
【0103】
電子機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
【0104】
電子機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power steering]制御、電子サスペンション制御など)を行う制動ユニットである。
【0105】
電子機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
【0106】
電子機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、ダンパー(ショックアブソーバー)、電動サンルーフ、電動シート、若しくは、ミリ波レーダーなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
【0107】
電子機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザオプション品として任意で車両Xに装着される電子機器である。
【0108】
電子機器X18は、車載ブロア、オイルポンプ、ウォーターポンプ、バッテリ冷却ファンなど、高耐圧系モータを備えた電子機器である。
【0109】
なお、先に説明したシステム電源10は、電子機器X11〜X18のいずれにも組み込むことが可能である。すなわち、電子機器X11〜X18は、それぞれ、先に説明した電子機器1の具体例として理解することができる。
【0110】
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。