(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-188973(P2020-188973A)
(43)【公開日】2020年11月26日
(54)【発明の名称】浴室洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A47K 4/00 20060101AFI20201030BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20201030BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20201030BHJP
【FI】
A47K4/00
A47K3/00 Q
B08B3/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-96519(P2019-96519)
(22)【出願日】2019年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】市丸 秀仁
【テーマコード(参考)】
2D132
3B201
【Fターム(参考)】
2D132GA00
3B201AA33
3B201AB53
3B201BB38
3B201BB92
3B201BB94
3B201CD43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】洗剤用開閉弁に故障などが生じた場合であっても、湯水流路への不当な洗剤漏れを、構成が簡易な手段によって適切に防止することが可能な浴室洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗剤タンク5からベンチュリ部4に到る洗剤供給路6に設けられた洗剤用開閉弁Vaを備えている、浴室洗浄装置Aであって、洗剤供給路6に設けられており、かつ1次圧と2次圧との圧力差により弁開閉動作を行なうように構成されて、通常時は弁閉状態にある一方、2次圧がベンチュリ部4において発生した負圧により低下したときには弁開状態となるように構成された制御弁Vbを、さらに備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄ノズルに繋がった湯水流路の途中箇所に設けられ、かつ前記湯水流路を流通する湯水に洗剤を混合させて洗浄水を生成するためのベンチュリ部と、
洗剤タンクから前記ベンチュリ部に到る洗剤供給路に設けられ、かつ前記ベンチュリ部への洗剤供給のオン・オフを切り替えるための洗剤用開閉弁と、
を備えている、浴室洗浄装置であって、
前記洗剤供給路に設けられており、かつ1次圧と2次圧との圧力差に基づいて弁開閉動作を行なうように構成されて、通常時は弁閉状態にある一方、前記2次圧が前記ベンチュリ部において発生した負圧により低下したときには弁開状態となるように構成された制御弁を、
さらに備えていることを特徴とする、浴室洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室洗浄装置であって、
前記制御弁は、前記2次圧が所定の負圧となったときに弁開状態となるように構成されたバネ付きチェックバルブである、浴室洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の浴室洗浄装置であって、
前記制御弁は、前記洗剤タンクの洗剤流出口の内部、この洗剤流出口に連結されたハウジング部材の内部、または前記洗剤用開閉弁の接続用管体部の内部に組み込まれている、浴室洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽洗浄装置などの浴室洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室洗浄装置の具体例として、特許文献1に記載されたものがある。
同文献に記載の浴室洗浄装置においては、浴槽の底部に洗浄ノズルが取付けられ、かつこの洗浄ノズルに繋がって設けられた湯水流路の途中には、ベンチュリ部(洗剤混合部)を介して洗剤供給路が分岐接続されている。洗剤供給路は、洗剤タンクからベンチュリ部への洗剤供給を可能とする流路である。
前記湯水流路に湯水が流れると、ベンチュリ部における負圧発生作用により、洗剤はベンチュリ部に円滑に供給され、湯水に洗剤が混合した洗浄水が生成される。この洗浄水は、洗浄ノズルから浴槽に向けて噴射され、浴槽が洗浄される。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように未だ改善すべき余地があった。
【0004】
すなわち、洗剤供給路には、ベンチュリ部および湯水流路側への洗剤供給のオン・オフ切替えを行なうための開閉弁(洗剤用開閉弁)が設けられている。ところが、この洗剤用開閉弁に故障、あるいは異物の噛み込みなどがあると、洗剤が湯水流路側に漏れる虞がある。このような虞を生じたのでは、洗剤の無駄が発生する他、種々の不具合を生じさせる。したがって、そのような不具合を適切に解消することが望まれる。
なお、特許文献1には、湯水流路に漏液防止弁を設ける手段が記載されている。ただし、この漏液防止弁は、洗剤が湯水流路側に漏れた場合に、この洗剤が洗浄ノズルを介して浴槽内に漏出することを防止するためのものに過ぎず、湯水流路に洗剤が漏出すること自体は解消されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−148256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、洗剤用開閉弁に故障などが生じた場合であっても、湯水流路への不当な洗剤漏れを、構成が簡易な手段によって適切に防止することが可能な浴室洗浄装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明により提供される浴室洗浄装置は、洗浄ノズルに繋がった湯水流路の途中箇所に設けられ、かつ前記湯水流路を流通する湯水に洗剤を混合させて洗浄水を生成するためのベンチュリ部と、洗剤タンクから前記ベンチュリ部に到る洗剤供給路に設けられ、かつ前記ベンチュリ部への洗剤供給のオン・オフを切り替えるための洗剤用開閉弁と、を備えている、浴室洗浄装置であって、前記洗剤供給路に設けられており、かつ1次圧と2次圧との圧力差に基づいて弁開閉動作を行なうように構成されて、通常時は弁閉状態にある一方、前記2次圧が前記ベンチュリ部において発生した負圧により低下したときには弁開状態となるように構成された制御弁を、さらに備えていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、洗剤用開閉弁に故障、あるいは異物の噛み込みなどがあり、この洗剤用開閉弁が適切な閉状態にならない事態が発生したとしても、制御弁は、通常時は弁閉状態にある。このため、この制御弁の存在により、洗剤供給路からベンチュリ部および湯水流路への洗剤の漏出を適切に防止することが可能である。
第2に、洗剤用開閉弁に故障などがなく、浴室洗浄を行なうべく、湯水流路に湯水を流通させた際には、ベンチュリ部において負圧が発生し、制御弁は2次圧の低下に起因して開状態となる。このため、洗剤をベンチュリ部および湯水流路に適切に供給し、洗剤が混合された湯水を洗浄ノズルから噴出させることが可能である。制御弁の存在により、浴室洗浄処理に支障を生じることはない。
第3に、制御弁は、1次圧と2次圧との圧力差に基づいて弁開閉動作を行なうものであるため、たとえば遠隔操作可能な電磁開閉弁などと比較すると、構成が簡易であって、そのコストを廉価なものとすることが可能である。したがって、浴室洗浄装置全体の製造コストの上昇を抑える上でも有利である。
第4に、たとえば電気系統や制御系統のトラブルに起因して、洗剤用開閉弁に不具合を生じたとしても、制御弁は、そのような電気系統や制御系統とは無縁であるため、洗剤用開閉弁と同様な不具合を生じない。したがって、洗剤の漏出防止をより確実に図ることができる。
第5に、洗剤供給路における逆流を制御弁によって防止することも可能となる。たとえば、湯水流路のうち、ベンチュリ部よりも下流側の部位や、洗浄ノズルに詰まりを生じたり、あるいはベンチュリ部よりも下流側の部位を踏み付けたような場合、なんらの対策が講じられていなければ、洗剤供給路に逆流を生じる虞がある。これに対し、本発明によれば、そのような逆流も制御弁によって適切に防止することが可能である。
【0010】
本発明において、好ましくは、前記制御弁は、前記2次圧が所定の負圧となったときに弁開状態となるように構成されたバネ付きチェックバルブである。
【0011】
このような構成によれば、制御弁に要するコストをより低減することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、前記制御弁は、前記洗剤タンクの洗剤流出口の内部、この洗剤流出口に連結されたハウジング部材の内部、または前記洗剤用開閉弁の接続用管体部の内部に組み込まれている。
【0013】
このような構成によれば、制御弁の取付け構造の簡素化、コンパクト化を図ることができる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る浴室洗浄装置の一例を示す概略説明図である。
【
図2】
図1に示す浴室洗浄装置の要部の構成を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1に示す浴室洗浄装置Aは、浴槽1を洗浄するための浴槽洗浄装置として構成されて
いる。
具体的には、この浴室洗浄装置Aは、浴槽1の底部に取付けられた洗浄ノズル2、この洗浄ノズル2に繋がった湯水流路3、この湯水流路3に設けられ、かつ洗浄ノズル2への湯水供給のオン・オフ切り替えを行なうための注湯開閉弁V0、湯水流路3の途中に設けられたベンチュリ部4、洗剤タンク5の洗剤をベンチュリ部4に供給するための洗剤供給路6、この洗剤供給路6に設けられた洗剤用開閉弁Va、および制御弁Vbを備えている。
【0018】
湯水流路3には、給湯装置(図示略)、あるいは水道管などの湯水供給源から湯水供給が可能である。注湯開閉弁V0は、たとえば電磁開閉弁である。湯水流路3には、流量センサSや流量調整弁V1が適宜設けられており、流量センサSによる検出値に基づいて流量調整弁V1の弁開度の制御が適宜実行される。
【0019】
図2によく表れているように、ベンチュリ部4は、両端部が湯水流路3に繋がった流路40を部分的に絞った絞り部41と、この絞り部41に交差して繋がった連通路42とを備えており、絞り部41を湯水が高速で流れることにより連通路42に負圧が生じる。連通路42は、洗剤供給路6の一部を構成している。このため、前記負圧の作用により洗剤供給路6からベンチュリ部4に洗剤が円滑に流入し、この洗剤と湯水とが混合した洗浄水が生成される。
【0020】
洗剤用開閉弁Vaは、ベンチュリ部4への洗剤供給のオン・オフ切り替えを行なうための開閉弁であり、たとえば
図2に示すような電磁開閉弁である。より具体的には、この洗剤用開閉弁Vaは、弁開口部80およびその周囲に形成された弁座81に対向する弁体82が弁室83内に設けられ、かつこの弁体82は、ソレノイド84の駆動により往復動自在である。
【0021】
制御弁Vbは、バネ付きチェックバルブであるが、後述するように、2次圧P2(背圧)が所定の負圧となったときに弁開状態となるように構成された常閉の弁である(
図2は、弁閉状態を示す)。より具体的には、この制御弁Vbは、筒状のハウジング70内に形成された弁開口部71の周囲に形成された弁座72、この弁座72に対向して往復動可能に支持された弁体73、この弁体73を弁座72に当接させる方向に常時弾発付勢するバネ74を備えている。
【0022】
この制御弁Vbは、洗剤タンク5の洗剤流出口50の内部に嵌入されている。洗剤流出口50の筒状部51には、ネジ部51a,91を介して継手部材9が螺合接続されており、この継手部材9によって洗剤流出口50から制御弁Vbが脱出しないように押さえ付けられている。
図2において、符号60は、洗剤供給路6を構成する配管部材(たとえば、ホース)を示す。
【0023】
制御弁Vbの1次圧P1としては、洗剤タンク5内の洗剤の水頭圧が作用する。これに対し、制御弁Vbの2次圧P2は、ベンチュリ部4に負圧が発生していない場合には略大気圧である。このような通常時においては、制御弁Vbは弁閉状態を維持するように、バネ74の弾発力が設定されている。一方、ベンチュリ部4に湯水が流れて負圧が発生し、2次圧P2が大気圧よりも低い所定の負圧まで低下したときには、弁体73がバネ74の弾発力に抗して1次圧P1によって押されて後退し、弁開状態となるように構成されている。
【0024】
次に、前記した浴室洗浄装置Aの作用について説明する。
【0025】
浴槽1の洗浄処理を行なう場合、湯水流路3を流れる湯水に、ベンチュリ部4において
洗剤を混合させてから、この湯水(洗浄水)を洗浄ノズル2から浴槽1に噴射させる。この場合には、洗剤用開閉弁Vaを開状態とする。その際、制御弁Vbの2次圧P2は、ベンチュリ部4における負圧作用の影響を受けた負圧状態にあるため、制御弁Vbも開状態となり、ベンチュリ部4および湯水流路3への洗剤供給を阻害することはない。
【0026】
一方、浴槽1の洗浄処理を行なわない通常時においては、洗剤供給路6からベンチュリ部4および湯水流路3に洗剤が流れることを防止すべく洗剤用開閉弁Vaは閉状態とされる。ただし、故障や異物の噛み込みなどに起因し、洗剤用開閉弁Vaが適切な閉状態にならない場合があり得る。これに対し、制御弁Vbは、2次圧P2が負圧状態にない通常状態では、閉状態にあるため、この制御弁Vbの存在により、ベンチュリ部4や湯水流路3への洗剤の漏出は適切に防止される。
【0027】
また、洗剤用開閉弁Vaが、たとえば電気系統や制御系統のトラブルにより適切に動作しない状態になったとしても、制御弁Vbはそのような電気系統や制御系統とは関係なく、それ単独で動作するものであるため、洗剤用開閉弁Vaと同様な電気系統や制御系統のトラブルは生じない。したがって、制御弁Vbはトラブルに強く、洗剤の漏出防止をより確実に図ることが可能となる。
【0028】
制御弁Vbは、洗剤供給路6における逆流防止機能も発揮する。たとえば、洗浄ノズル2や、湯水流路3のうちのベンチュリ部4よりも下流側に詰まりを生じた状態において、湯水流路3に湯水供給がなされた場合には、その水圧によって湯水がベンチュリ部4から洗剤供給路6に逆流する虞がある。これに対し、本実施形態によれば、制御弁Vbは逆止弁として働くため、前記した逆流は適切に防止される。
【0029】
制御弁Vbは、1次圧P1と2次圧P2との圧力差(およびバネ74の弾発付勢力)により弁開閉動作を行なう簡易な構成であり、洗剤用開閉弁Vaなどと比較すると、そのコストを廉価なものとすることが可能である。したがって、浴室洗浄装置Aの全体の製造コストの上昇を抑える上でも好ましいものとなる。
また、制御弁Vbは、洗剤タンク5の洗剤流出口50内に収容されている。したがって、制御弁Vbが大きく嵩張らないようにし得るとともに、制御弁Vbの取付けの容易化も図ることができる。洗剤流出口50は、制御弁Vbの収容ハウジングとして機能しているため、制御弁Vbの取付けに必要とされる部品の点数も少なくすることが可能である。
【0030】
図3および
図4は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
【0031】
図3に示す実施形態においては、制御弁Vbを収容する筒状のハウジング部材92が、洗剤タンク5の洗剤流出口50に継手部材93などを介して連結されている。ハウジング部材92には、配管部材60(ホース)が接続された継手部材94がネジ部94a,94bを介して螺合接続されている。
【0032】
図4に示す実施形態においては、洗剤用開閉弁Vaの接続用管体部88の内部に、制御弁Vbが収容されており、かつ配管部材60(ホース)が接続された継手部材95によって制御弁Vbの一端部が押さえられ、位置決めが図られている。
【0033】
前記した
図3および
図4のいずれの実施形態においても、上述した実施形態と同様に、制御弁Vbがコンパクトな状態で洗剤供給路6に設けられている。また、制御弁Vbの取付けに必要な部品の点数も少なくすることができる。
【0034】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る浴室洗浄装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0035】
制御弁は、1次圧と2次圧との圧力差に基づいて弁開閉動作を行なうように構成され、かつ通常時は弁閉状態にある一方、2次圧がベンチュリ部において発生した負圧により低下したときに弁開状態となる構成であればよく、その具体的な構成は、上述した実施形態とは異なった構成とすることが可能である。
また、制御弁は、洗剤供給路のいずれかの位置に設けられていればよく、たとえば洗剤タンクと洗剤用開閉弁とを接続する配管部材の途中に設けた構成、あるいは洗剤用開閉弁よりもベンチュリ部側の位置に設けた構成とすることもできる。
【0036】
本発明に係る浴室洗浄装置の洗浄対象は、浴槽に限定されず、これ以外として、たとえば浴室の床面、側壁面、天井、浴槽蓋などとすることが可能である。
洗剤の具体的な種類、成分なども限定されない。
【符号の説明】
【0037】
A 浴室洗浄装置
V0 注湯開閉弁
Va 洗剤用開閉弁
Vb 制御弁
2 洗浄ノズル
3 湯水流路
4 ベンチュリ部
5 洗剤タンク
6 洗剤供給路