特開2020-189268(P2020-189268A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-189268(P2020-189268A)
(43)【公開日】2020年11月26日
(54)【発明の名称】噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 9/03 20060101AFI20201030BHJP
   A23N 12/02 20060101ALI20201030BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20201030BHJP
【FI】
   B05B9/03
   A23N12/02 N
   B08B3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-95661(P2019-95661)
(22)【出願日】2019年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】593012310
【氏名又は名称】菱熱工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516316185
【氏名又は名称】株式会社バイテックベジタブルファクトリー
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 貢
(72)【発明者】
【氏名】原田 宜
【テーマコード(参考)】
3B201
4B061
4F033
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB03
3B201AB40
3B201BB25
3B201BB62
3B201BB92
3B201CD42
3B201CD43
4B061BA01
4B061BA11
4B061CA13
4B061CA38
4F033RA12
4F033RA14
4F033RD07
4F033RD09
4F033RD10
4F033RE01
4F033RE11
4F033RE17
4F033RE19
(57)【要約】
【課題】より低コストで洗浄液を噴霧することができる噴霧装置を提供する。
【解決手段】ON状態またはOFF状態に切り替え可能なスイッチ50と、スイッチ50がOFF状態の場合、液体を吸込口から吸込み、吐出口から吐出するポンプ30と、吐出口と接続される流入ポートと、液体を霧状に噴射する一流体ノズルと接続される排出ポートとを有し、スイッチがON状態の場合、流入ポートと排出ポートとを接続する流路を閉鎖する弁を開放状態とする電磁弁40とを備えた。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ON状態またはOFF状態に切り替え可能なスイッチと、
前記スイッチがOFF状態の場合、液体を吸込口から吸込み、吐出口から吐出するポンプと、
前記吐出口と接続される流入ポートと、前記液体を霧状に噴射する一流体ノズルと接続される排出ポートとを有し、前記スイッチがON状態の場合、前記流入ポートと前記排出ポートとを接続する流路を閉鎖する弁を開放状態とする電磁弁と
を備える噴霧装置。
【請求項2】
前記スイッチがOFF状態に切り替えられた際に、予め設定された吐出量だけ前記ポンプに液体を吐出させるコントローラを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項3】
前記スイッチがON状態に切り替えられた際に、予め設定された開放時間だけ前記電磁弁を開放状態とするタイマを更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の噴霧装置。
【請求項4】
前記液体は亜塩素酸水であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の噴霧装置。
【請求項5】
前記スイッチはフットスイッチであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の噴霧装置。
【請求項6】
前記スイッチは近接センサであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を霧状に噴出する噴霧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、植物工場などにおいて生産された野菜や果物などの収穫物に対して、出荷前に損傷を与えることなく洗浄すること目的として、収穫物に対して洗浄液を霧状に噴出する噴霧装置を備えた洗浄装置が用いられている。
【0003】
また、関連する技術として、薬剤を含む殺菌液を噴霧する殺菌部と、殺菌部で噴霧されて回収された殺菌液を貯留する殺菌液貯溜部と、洗浄液を噴霧する洗浄部と、洗浄部で噴霧されて回収された洗浄液を貯留する洗浄液貯溜部と、殺菌液の噴霧領域および洗浄液の噴霧領域に順次野菜を搬送する搬送部と、殺菌液貯溜部に貯留された殺菌液の一部を殺菌部に送液する第1送液部と、洗浄液貯溜部に貯留された洗浄液の一部を洗浄部に送液する第2送液部と、洗浄液貯溜部に貯留された洗浄液の一部を殺菌液貯溜部に送液する第3送液部と、第3送液部により殺菌液貯溜部に送液される洗浄液の量を計量する計量部と、薬剤を殺菌液貯溜部に供給する薬剤供給部と、計量結果に応じて薬剤の供給量を制御する制御部とを備える野菜洗浄装置、が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−212910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の洗浄装置においては、噴霧装置が洗浄液を常時噴霧し続けており、噴霧された洗浄液中にベルトコンベアなどにより搬送される収穫物を通過させることによって、収穫物が洗浄されていた。そのため、収穫物が通過されない状態においても噴霧に係る電力や洗浄液が消費され、噴霧に係るコストが必要以上に大きくなってしまう、という問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、より低コストで液体を噴霧することができる噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ON状態またはOFF状態に切り替え可能なスイッチと、前記スイッチがOFF状態の場合、液体を吸込口から吸込み、吐出口から吐出するポンプと、前記吐出口と接続される流入ポートと、前記液体を霧状に噴射する一流体ノズルと接続される排出ポートとを有し、前記スイッチがON状態の場合、前記流入ポートと前記排出ポートとを接続する流路を閉鎖する弁を開放状態とする電磁弁とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より低コストで液体を噴霧することができる噴霧装置を実現できる。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る洗浄装置の構成を示す概略正面図である。
図2】実施形態に係る洗浄装置の構成を示す概略側面図ある。
図3】実施形態に係る洗浄装置の構成を示す概略平面図である。
図4】噴霧装置における噴霧制御に係る構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(洗浄装置の構成)
図1図3を参照して、本実施形態に係る洗浄装置の構成を説明する。図1〜3は、それぞれ、本実施形態に係る洗浄装置の構成を示す概略正面図、概略側面図、概略平面図である。なお、図2は、洗浄装置を右側方(図1中右側)から見た状態を示す。
【0012】
図1〜3に示すように、本実施形態に係る洗浄装置1は、収穫物Vが搬送されるライン上に設置され、本体フレーム10、貯液タンク20、ポンプ30、2つの電磁弁40、2つのノズル41、フットスイッチ50を備える。また、洗浄装置1は、後述するタイマ60、コントローラ70(図4参照)を更に備え、貯液タンク20、ポンプ30、2つの電磁弁40、2つのノズル41、フットスイッチ50、タイマ60、コントローラ70により噴霧装置が構成される。
【0013】
本体フレーム10は、噴霧装置の各部材を所定の位置に支持するとともに、洗浄対象とする収穫物Vを洗浄する際、収穫物Vを一時的に載置するための作業台11を支持する支持部材である。
【0014】
貯液タンク20は、収穫物Vの洗浄に用いる洗浄液Cを貯留する。本実施形態においては、亜塩素酸水を洗浄液Cとして用いるが、他の種類の液体、例えば、アルコールを洗浄液Cとして用いても良い。洗浄液Cとして亜塩素酸水を用いることによれば、収穫物Vを洗浄後に水洗いする必要がなく、延いては、水道水に含まれる塩素が収穫物Vに残留することがない。なお、亜塩素酸水は、空気に触れることによって変性して水となるため、洗浄後の収穫物Vの安全性を高めることができる
【0015】
ポンプ30は、電磁定量ポンプであり、吸込口から貯液タンク20内の洗浄液Cを吸込むとともに、吐出口から洗浄液Cを吐出する。ポンプ30の吸込口、吐出口のそれぞれには、ホースH1,H2が接続されており、吸込口に一端が接続されたホースH1は他端開口が貯液タンク20に対しての洗浄液Cを吸込可能に配され、吐出口に一端が接続されたホースH2は流路が2つに分岐するように形成され、ホースH2の2つの他端が2つの電磁弁40にそれぞれ接続される。
【0016】
電磁弁40は、流入ポートと排出ポートとこれらを接続する流路を閉鎖する弁とを有する2方向電磁弁であり、流入ポートにはホースH2の他端が接続され、排出ポートにはノズル41が接続される。電磁弁40において、弁が開放される開放状態においては流入ポートから流入された洗浄液Cは排出ポートから排出され、弁が閉鎖される閉鎖状態においては流入ポートから流入された洗浄液Cは排出ポートから排出されず、ポンプ30による洗浄液Cの吐出によって流入ポート側において液圧が高まる。ノズル41は、流入口と噴射口が形成され、噴射口から一流体を噴霧する。ノズル41は、流入口から洗浄液Cが流入するように電磁弁40の排出ポートに接続される。
【0017】
本実施形態において、2つの電磁弁40は、本体フレーム10において、排出ポートが左右方向内方を向いた状態で左右方向に互いに対向するように、且つノズル41による噴霧方向が水平方向に対して30〜40度だけ下方に傾けられるように配されものとする。また、ノズル41は、80度の噴射角度で洗浄液Cを噴霧するように形成されるものとし、噴霧形状Mが円錐状となるように噴霧する。収穫物Vの洗浄を行う作業者は、前段の工程から搬送された収穫物Vを持ち、この収穫物Vを左右両側から噴霧されるように位置付けることによって、収穫物Vの洗浄を行うものとする。
【0018】
コンプレッサを用いた二流体のノズルによる噴霧によれば、液体と空気とが混合されて噴霧されるため、洗浄液Cが空気中の雑菌を多く含むこととなるとともに、亜塩素酸水の変性が速く進んでしまうため、洗浄液Cによる洗浄能力が低下してしまう。これに対し、ポンプ30を用いた一流体のノズル41による噴霧によれば、洗浄液Cのみが噴霧されることとなるため、洗浄液Cに含まれる雑菌を低減することができるとともに、亜塩素酸水の変性を遅らせることができる。
【0019】
(噴霧装置のハードウェア構成)
噴霧装置における噴霧制御に係る構成及び動作について説明する。図4は、噴霧装置における噴霧制御に係るハードウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
図4に示すように、噴霧装置においては、フットスイッチ50、タイマ60、コントローラ70によって、ポンプ30による吐出量と、電磁弁40における弁の開閉状態とが制御される。フットスイッチ50は、タイマ60を介して電磁弁40と電気的に接続されるとともに、コントローラ70を介してポンプ30と電気的に接続される。なお、図4においては、説明上、1つの電磁弁40のみを示している。
【0021】
フットスイッチ50は、作業者が足で踏むことにより、電気信号をON/OFFの2状態に切り替えるスイッチである。タイマ60は、所定の開放時間に設定され、フットスイッチ50がON状態とされた際にON信号を開放時間だけ持続させる。コントローラ70は、フットスイッチ50がOFF状態とされた際に、予め設定された吐出量だけ洗浄液Cを吐出するようにポンプ30を制御する。
【0022】
フットスイッチ50がOFF状態とされた際には、電磁弁40が閉鎖状態となるとともに、ポンプ30が設定された吐出量だけ洗浄液Cを吐出して、ポンプ30と電磁弁40との間の液圧が高まる。一方、フットスイッチ50がON状態とされた際には、電磁弁40が開放状態となり洗浄液Cが設定された開放所間だけ噴霧される。
【0023】
このような噴霧装置の構成によれば、収穫物Vを洗浄する際のみ、洗浄液Cを噴霧することができ、洗浄に係る洗浄液Cの量、及び消費電力を低減させることができる。上述の実施形態においては、噴霧装置が2つの電磁弁40を備えるものとしたが、少なくとも1つ以上の電磁弁40を備えるものであれば良い。
【0024】
なお、フットスイッチ50を収穫物Vを非接触で検知する近接センサとしても良く、この場合、噴霧装置を収穫物Vの搬送路上に設置し、収穫物Vが噴霧装置の設置箇所を通過し、近接センサが収穫物Vを検知した場合にON状態となるように構成しても良い。また、タイマ60をON状態の持続時間をカウントして表示する表示器(例えばデジタルカウンタ)としても良く、この場合、作業者が表示器により持続時間を確認しながらフットスイッチ50を押し続けて任意の噴霧時間だけ洗浄液Cを噴霧させることができる。
【0025】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0026】
1 洗浄装置
30 ポンプ
40 電磁弁
41 ノズル
50 フットスイッチ(スイッチ)
図1
図2
図3
図4