(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-189372(P2020-189372A)
(43)【公開日】2020年11月26日
(54)【発明の名称】単軸ロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 9/00 20060101AFI20201030BHJP
【FI】
B25J9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-95917(P2019-95917)
(22)【出願日】2019年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石谷 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】青木 卓也
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS15
3C707BS11
3C707CT04
3C707CY29
3C707CY37
3C707HS27
3C707HT20
(57)【要約】
【課題】ボールねじや直線ガイドを交換しやすい単軸ロボットを提供する。
【解決手段】単軸ロボット1は、一方にベースプレート11を有する筐体2と、筐体2の他方に配置された支持板3と、筐体2内に、ベースプレート11に配置された直線ガイド4と、直線ガイド4に沿って延びた、ベースプレート11に配置された第1のサドル穴5と、筐体2内に、直線ガイド4上に配置され、直線ガイド4に沿って移動できるスライダ6と、第1のサドル穴5を貫通して、筐体2の外部に突出するように、スライダ6の一方端に配置されたサドル7と、支持板3に、スライダ6の他方端に配置され、スライダ6を駆動する駆動体8と、筐体2の外部に、ベースプレート11とサドル7の間に配置された伸縮カバー9と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方にベースプレートを有する筐体と、
前記筐体の他方に配置された支持板と、
前記筐体内に、前記ベースプレートに配置された直線ガイドと、
前記直線ガイドに沿って延びた、前記ベースプレートに配置された第1のサドル穴と、
前記筐体内に、前記直線ガイド上に配置され、前記直線ガイドに沿って移動できるスライダと、
前記第1のサドル穴を貫通して、前記筐体の外部に突出するように、前記スライダの一方端に配置されたサドルと、
前記支持板に、前記スライダの他方端に配置され、前記スライダを駆動する駆動体と、
前記筐体の外部に、前記ベースプレートと前記サドルの間に配置された伸縮カバーと、
を備える、単軸ロボット。
【請求項2】
前記駆動体は、
モータと、
前記スライダに配置されるナットと、モータ端と、前記モータ端の反対側の端である軸端とを持ち、前記モータと接続されたボールねじと、
を含み、
前記支持板は、
前記モータ及び前記モータ端を支持するモータ支持板と、
前記軸端を支持する軸端支持板と、を含む、
請求項1の単軸ロボット。
【請求項3】
前記支持板は、前記筐体から取り外し可能に配置される、
請求項1又は2の単軸ロボット。
【請求項4】
前記直線ガイドは、前記ベースプレートに平行に配置された二本一組の直線ガイドであり、
前記第1のサドル穴は、前記二本一組の直線ガイドの間に配置された、
請求項1〜3のいずれか一項の単軸ロボット。
【請求項5】
前記サドルは、
前記第1のサドル穴を貫通して前記スライダに立てて固定された支柱と、
前記支柱の一方端に固定され、前記筐体の外部に配置されたサドル板と、を有する、
請求項1〜4のいずれか一項の単軸ロボット。
【請求項6】
前記伸縮カバーは、
前記ベースプレートに配置され、一方に開口部を、他方に第2のサドル穴を持つ箱体と、
前記箱体の内部に前記サドルが貫通して配置され、前記箱体内を前記直線ガイドに沿って前記サドルと共に移動する移動箱と、
前記箱体に固定された固定端と、前記移動箱に固定された移動端を有し、前記移動箱の移動方向の両側に配置された蛇腹と、を有する、
請求項1〜5のいずれか一項の単軸ロボット。
【請求項7】
前記モータ支持板に固定された固定端と、
前記サドルの前記他方端に固定された移動端と、を有し、
前記筐体内に配置されたケーブル保護管を、更に備える、
請求項2の単軸ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単軸ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
一方に開口を持つ箱型の筐体と、筐体の内部に配置された一組の直線ガイドと、一組の直線ガイド上をスライドするスライダと、筐体の内部に配置されたボールねじと、ボールねじに接続するモータと、開口とスライダとの間を覆うカバーを有する単軸ロボットが利用されている(例えば、THK株式会社、“精密ステージシリーズ A/AX, CMX, CHX THK 電動アクチュエータ”、第5ページ、[online]、[令和元年5月13日検索]、インターネット<URL:https://tech.thk.com/upload/product_data/upfile/precision_stage_series.pdf?_ga=2.62142444.1177243993.1557715664−1848377462.1557715664>、以下、非特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非特許文献1の単軸ロボットのボールねじや直線ガイドを交換する場合、サドル側のカバーを取り外す必要があった。本発明は、ボールねじや直線ガイドを交換しやすい単軸ロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
代表的な本発明は、単軸ロボットであって、一方にベースプレートを有する筐体と、前記筐体の他方に配置された支持板と、前記筐体内に、前記ベースプレートに配置された直線ガイドと、前記直線ガイドに沿って延びた、前記ベースプレートに配置された第1のサドル穴と、前記筐体内に、前記直線ガイド上に配置され、前記直線ガイドに沿って移動できるスライダと、前記第1のサドル穴を貫通して、前記筐体の外部に突出するように、前記スライダの一方端に配置されたサドルと、前記支持板に、前記スライダの他方端に配置され、前記スライダを駆動する駆動体と、前記筐体の外部に、前記ベースプレートと前記サドルの間に配置された伸縮カバーと、を備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ボールねじや直線ガイドを交換しやすい単軸ロボットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の単軸ロボットを適用した洗浄機の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、洗浄機51は、カバー56、架台59、単軸ロボット1、アーム52、ハンド55、ノズル60及びノズルブロック57を含む。単軸ロボット1は、筐体2、伸縮カバー9を含む。筐体2は架台59の後側に立てて配置される。アーム52はサドル7に配置される。アーム52は例えば、5軸アームである。ハンド55はアーム52の先端に配置され、対象物70を把持する。カバー56は架台59の上方に配置され、アーム52、ノズル60、ノズルブロック57を覆う。単軸ロボット1はアーム52を上下方向に駆動する。アーム52は対象物70を移動する。アーム52は対象物70をノズル60に対向させて、ノズル60から噴出した洗浄液によって対象物70を洗浄する。洗浄液は対象物70に当たって散乱する。伸縮カバー9はカバー56内に充満する蒸気や洗浄液噴流が筐体2内に侵入することを抑制する。
【0008】
以下、説明の都合上、
図2〜5に示すように、単軸ロボット1について上下左右前後の方向を設定する。ただし、方向は一例であって、単軸ロボット1の実際の設置方向が限定されるものではない。
単軸ロボット1は、筐体2と、支持板3と、直線ガイド4と、第1のサドル穴5と、スライダ6と、サドル7と、駆動体8と、を備えている。単軸ロボット1は、筐体2の内部に配置されるケーブル保護管41を含んで良い。
【0009】
筐体2は、ベースプレート11を有する。ベースプレート11は筐体2の前方(一方)に配置される。筐体2は例えば、後方(他方)に開口を持つ箱体である。筐体2は例えば、左右に側板12、13を有する。ベースプレート11は第1のサドル穴5を有する。第1のサドル穴5は、ベースプレート11の中央部に、上下に延びる。
【0010】
支持板3は、筐体2の後方に配置される。支持板3は、ベースプレート11と離間して配置される。支持板3は例えば、側板12、13の間に架けられる。支持板3は例えば、位置決めピンによって正確に配置される。支持板3は、筐体2に対して取り外しできる。支持板3は、モータ支持板3A及び軸端支持板3Bを含んで良い。
モータ支持板3Aは、筐体2の上方よりに配置される。モータ支持板3Aは、モータブラケット28と、ベアリング29と、ベアリングホルダ30を有する。
モータブラケット28はモータ支持板3Aの前方に配置される。ベアリングホルダ30は、モータ支持板3Aの前方に配置される。ベアリングホルダ30はベアリング29を持つ。モータ支持板3Aは、筐体2に対して取り外しできる。
軸端支持板3Bは、筐体2の下方よりに配置される。軸端支持板3Bは、ベアリング31と、ベアリングホルダ32を有する。ベアリングホルダ32は、軸端支持板3Bの前方(一方)に配置される。ベアリングホルダ32はベアリング31を持つ。軸端支持板3Bは、筐体2から取り外しできる。
【0011】
二本一組の直線ガイド4は、ガイドブロック17を含む。直線ガイド4は、ベースプレート11の後面に、上下方向に延びて配置される。直線ガイド4は、直線ガイド4A,4Bを含む。直線ガイド4A、4Bは、第1のサドル穴5の左右にそれぞれ配置される。ガイドブロック17は、直線ガイド4上に配置され、直線ガイド4上を摺動する。
【0012】
スライダ6は、ガイドブロック17を介して直線ガイド4A,4B上に配置される。スライダ6は、前後方向視で矩形状からなる鉛直板状の部材である。スライダ6は、ナットホルダ22を持つ。ナットホルダ22は、スライダ6の後面側に配置される。スライダ6はベースプレート11の後面側に配置される。
【0013】
サドル7は、支柱18と、サドル板19を含む。サドル7は、第1のサドル穴5を貫通して、筐体2の外部に突出するように、スライダ6の前方端(一方側)に形成されている。支柱18は、スライダ6の前面に固定され、第1のサドル穴5を貫通する。例えば、支柱18は、前後方向に沿って延びる左右一対の板状部材である。サドル板19は、支柱18の前方端に固定され、筐体2の外部に配置される。サドル板19は、前後方向視で矩形状であり、ベースプレート11の前側においてベースプレート11と平行となるように鉛直面に配置される。
【0014】
図4に示すように、駆動体8は、例えばボールねじ機構である。駆動体8はモータ20、ボールねじ21及びカップリング27を含む。駆動体8は上下方向に配置される。駆動体8は、スライダ6の後方(他方側)に配置される。駆動体8はスライダ6を駆動する。
ボールねじ21はねじ軸10及びナット23を備える。ボールねじ21は軸端25とモータ端24を持つ。軸端25はベアリング31に支持される。モータ端24はベアリング29に支持される。ナット23はナットホルダ22に固定される。
【0015】
モータ20は、モータブラケット28を介してモータ支持板3Aに支持される。モータ20は出力軸26を有する。モータ20は例えば、サーボモータやステッピングモータである。モータ20は出力軸26を下方に向けて配置される。
カップリング27は、出力軸26とねじ軸10とを直接締結する。
【0016】
伸縮カバー9は、ベースプレート11とサドル板19との間に配置される。伸縮カバー9は、箱体35と、移動箱36と、蛇腹37と、を備えている。
箱体35は、前方(一方)に開口部33を、後方(他方)に第2のサドル穴34を持つ。箱体35は前後方向に扁平の縦長形状であり、ベースプレート11の前面に取り付けられている。第2のサドル穴34は、第1のサドル穴5とほぼ同じ縦長形状であり、第1のサドル穴5と重なるように配置されている。
移動箱36は、サドル板19の後面に配置される。移動箱36は前後方向に扁平の箱形状である。移動箱36の左右幅は、箱体35の内側の左右幅よりも小さい。移動箱36は通し穴38を持つ。移動箱36はサドル板19に固定されて良い。
蛇腹37は、箱体35に固定された固定端39と、移動箱36に固定された移動端40とを有しており、移動箱36の移動方向の両側、つまり本実施形態では移動箱の上方と下方に配置されている。
支柱18は第2のサドル穴34及び通し穴38を貫通する。移動箱36は、箱体35内を直線ガイド4A,4Bに沿ってサドル7と共に移動する。
【0017】
図2に示すように、ケーブル保護管41は、モータ支持板3Aに固定された固定端42と、サドル7の後方端に固定された移動端43と、を有している。ケーブル保護管41は、U字状に垂下するように配置されている。ケーブル保護管41の内部には、例えばアーム52に接続する信号ケーブル、エア配管や電源ケーブル等が収容される。
【0018】
ナット23をナットホルダ22から取り外し、支持板3を筐体2から取り外すことにより、容易に駆動体8を筐体2から取り外せる。伸縮カバー9はベースプレート11とサドル板19の間に配置されているため、筐体2の内部への洗浄液や異物の侵入を抑制する。
【0019】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0020】
1 単軸ロボット
2 筐体
3 支持板
3A モータ支持板
3B 軸端支持板
4 直線ガイド
4A,4B 直線ガイド
5 第1のサドル穴
6 スライダ
7 サドル
8 駆動体
9 伸縮カバー
11 ベースプレート
18 支柱
19 サドル板
20 モータ
21 ボールねじ
23 ナット
24 モータ端
25 軸端
33 開口部
34 第2のサドル穴
35 箱体
36 移動箱
37 蛇腹
39 固定端
40 移動端
41 ケーブル保護管
42 固定端
43 移動端