【解決手段】 浴室リモコンと制御部とを備えた給湯装置と、記憶部を備えた管理装置と、を備え、浴室リモコンは、通信端末に対して呼出信号を送信するための呼出操作が可能に構成され、記憶部は、呼出操作が行われる前の呼出状態として、呼出なし状態を記憶し、制御部は、呼出操作に基づいて、管理装置に呼出信号を送信し、管理装置は、呼出信号を受信した場合に、記憶部に、呼出状態を、呼出なし状態から呼出中状態に切り替えて記憶させるとともに、通信端末に対して呼出信号を送信し、呼出信号を受信した通信端末から送信された応答信号を受信した場合に、記憶部に、呼出状態を、呼出中状態から応答中状態に切り替えて記憶させ、通信端末に対して記憶部に記憶されている現在の呼出状態を報知可能とする。
前記管理装置は、前記呼出なし状態以外の前記呼出状態において、前記浴室リモコンから所定の呼出停止操作が行われた場合に、前記記憶部に前記呼出状態を前記呼出なし状態に切り替えて記憶させるように構成される、請求項1または2に記載の浴室給湯システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。
【0020】
(一実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係る浴室給湯システムの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態における浴室給湯システム1は、給湯装置10と、管理装置64と、を備えている。
【0021】
給湯装置10は、所定の給湯箇所に給湯する給湯装置本体2と、給湯装置本体2に接続され、給湯装置本体2の制御を行う主制御部4を含む制御装置8と、浴室に設けられる浴室リモコン3aと、浴室外に設けられる浴室外リモコン3bと、を備えている。制御装置8は、通常、給湯装置本体2の筐体内に設けられる。給湯装置本体2は、例えば、風呂または台所等における給湯機能、風呂の追い焚き機能等を備えている。
【0022】
浴室リモコン3aおよび浴室外リモコン3bは、室内の壁面等に設置される壁面設置型のリモコン機器(専用リモコン)である。主制御部4および各リモコン3a,3bは、通信線5により互いに通信可能に接続されている。主制御部4は、通信部6を介して各リモコン3a,3bと通信する。各リモコン3a,3bは、主制御部4に対する操作信号を出力可能に構成される。リモコン3a,3b同士も、通信線5を介して互いに通信可能に構成される。
【0023】
通信線5は、例えば電源線上に通信情報を重畳させることが可能な2芯通信線が用いられる。給湯装置本体2(主制御部4)と各リモコン3a,3bとの間で相互通信される情報は、給湯に関する指令データ(給湯装置本体2の運転モードのオン/オフ切り替え、給湯設定温度変更等)、給湯結果の報知データ(風呂設定温度到達の報知、異常報知等)、浴室リモコン3aからの呼出信号等が含まれる。
【0024】
主制御部4は、CPU、ROM、およびRAM等で構成されたマイクロコントローラや集積回路を備えている。主制御部4と、給湯装置本体2を構成する送風機、風呂ポンプ
をはじめとする各電装品等との間には、各電装品等を制御する信号経路(図示せず)が設けられている。制御装置8は、主制御部4に接続される記憶部7を備えている。記憶部7は、例えば、フラッシュメモリのような不揮発性メモリ等により構成される。主制御部4は、記憶部7に記憶された制御プログラムに従って給湯装置本体2の各種制御を実行する。制御プログラムには、各電装品の運転に関する各種プログラムが含まれており、これらのプログラムに基づいて各電装品の制御が行われる。
【0025】
浴室リモコン3aは、浴室内に設置される。浴室外リモコン3bは、例えば台所の近傍に設置される台所リモコンとして構成される。
【0026】
各リモコン3a,3bは、主制御部4に対する操作信号を出力可能に構成されている。このために、各リモコン3a,3bは、ユーザによる入力操作を行うための入力操作部34a,34bと、給湯装置本体2からの情報を報知する報知部31と、給湯装置本体2(主制御部4)との通信を行うための通信部32と、記憶部33と、リモコン制御部38a,38bと、を備えている。報知部31は、図示しないが、例えば、給湯および/または風呂湯水についての現在の設定温度、動作確認表示、現在時刻等が表示されるディスプレイ(表示部)と設定温度到達音、警告音、所定のアナウンス等を出力するスピーカ(音声出力部)とを含む。
【0027】
入力操作部34a,34bは、複数の操作ボタンを備えている。リモコン制御部38a,38bは、マイクロコントローラ等により構成され、複数の操作ボタンの何れかが押下操作された場合に、当該押下操作された操作ボタンに応じた操作信号を生成する。生成された操作信号は、通信部32,6を介して主制御部4に送られ、主制御部4は、受信した操作信号に基づいて給湯装置本体2の制御を行う。
【0028】
また、浴室リモコン3aは、浴室外リモコン3bに対して呼出信号を送信するための呼出操作が可能に構成されている。本実施の形態において、浴室リモコン3aの入力操作部34aは、呼び出しボタン41および呼出停止ボタン42を備えている。また、浴室外リモコン3bの入力操作部34bは、呼出応答ボタン43を備えている。
【0029】
浴室リモコン3aの呼び出しボタン41が押下操作されると、浴室リモコン3aのリモコン制御部38aは、呼び出しボタン41の押下操作に基づいて呼出信号を生成し、浴室外リモコン3bに呼出信号を送信する。浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bは、呼出信号を受信した場合、報知部31から浴室からの呼び出しを報知する。
【0030】
浴室からの呼び出し中に、浴室外リモコン3bの呼出応答ボタン43が押下操作されると、浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bは、呼出応答ボタン43の押下操作に基づいて応答信号を生成し、浴室リモコン3aに応答信号を送信する。浴室リモコン3aのリモコン制御部38aは、応答信号を受信した場合、報知部31から応答中である旨の報知を行う。
【0031】
浴室リモコン3aの呼び出しボタン41の押下操作後、呼出停止ボタン42が押下操作されると、浴室リモコン3aのリモコン制御部38aは、呼出停止ボタン42の押下操作に基づいて呼出停止信号を生成し、浴室外リモコン3bに呼出停止信号を送信する。浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bは、呼出停止信号を受信した場合、報知部31における呼び出しの報知を終了する。
【0032】
上記ボタン41〜43の他、例えば、浴室外リモコン3bの入力操作部34bには、図示しないが、温度上昇ボタン、温度低下ボタン、オンオフボタン、追いだきボタンおよびふろ自動ボタンが含まれる。また、浴室リモコン3aの入力操作部34aには、図示しないが、浴室外リモコンの上記各ボタンに加えて、優先ボタンが含まれる。
【0033】
主制御部4および各リモコン3a,3bのリモコン制御部38a,38bにより構成される給湯装置10の制御部は、インターネット等の外部通信網63を介して管理装置64と通信接続される。管理装置64は、外部通信網63を介してリモコン3a,3bとは別の外部の通信端末(
図1の例では2つの通信端末61A,61B)と通信接続されるサーバ装置として構成される。制御部は、無線LANルータ等のルータ62と中継装置を介して通信接続される。本実施の形態において、浴室外リモコン3bは、当該中継装置として機能する。このため、浴室外リモコン3bは、ルータ62と通信接続される外部通信部39を備えている。ルータ62は外部通信網63を介して管理装置64と通信を行う。
【0034】
通信端末61A,61Bは、例えばスマートフォン等の携帯端末であり、3G(第3世代)あるいは4G(第4世代)携帯電話網の基地局等を介して外部通信網63に接続可能である。また、通信端末61A,61Bは、無線LAN接続が可能である。すなわち、ルータ62が無線LANルータとして構成される場合であって、通信端末61A,61Bがルータ62と無線LAN接続可能な場所に位置している場合(例えば通信端末61A,61Bを所持しているユーザが屋内にいる場合)には、通信端末61A,61Bは、ルータ62および外部通信網62を介して管理装置64と通信を行う。また、通信端末61A,61Bがルータ62と無線LAN接続可能な場所に位置していない場合、または、ルータ62が無線LANルータとして構成されていない場合には、通信端末61A,61Bは、外部通信網63を介して管理装置64と通信を行う。
【0035】
中継装置として機能する浴室外リモコン3bは、制御部との間の通信処理を実行するとともに、ルータ62および外部通信網63を介して行う管理装置64との間の通信処理を実行する。浴室外リモコン3bは、例えば、主制御部4から送信されてきた機器情報を、通信形式を変換してルータ62および外部通信網63を介して管理装置64へ送信する。また、浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bは、管理装置64から外部通信網63およびルータ62を介して送信されてきた情報を取得し、必要であれば、通信形式を変換して主制御部4または浴室リモコン3aのリモコン制御部38aへ送信する。
【0036】
管理装置64は、関連付け情報を記憶する記憶部64aを備えている。関連付け情報は、浴室外リモコン3bのシリアル番号(中継装置の識別情報)に、通信端末61A,61Bから送信されたユーザアカウント(使用者識別情報)が関連付けされてなる情報である。
【0037】
また、管理装置64の記憶部64aには、浴室外リモコン3bから送信された機器情報が記憶される。ここで、機器情報としては、主制御部4から電源投入後に最初に浴室外リモコン3bへ送信される機器構成情報、主制御部4から定期的(例えば1時間間隔)に浴室外リモコン3bへ送信される給湯装置本体2の運転状態を示す運転状態情報、エラー情報等がある。ここで、機器構成情報は、給湯装置本体2の種類等を示す情報であり、運転状態情報は、給湯装置本体2の給湯設定温度、燃焼運転回数、燃焼運転時間等を含む情報である。エラー情報は、給湯装置本体2に何らかの異常が発生したときに、その異常を示す情報であり、各リモコン3a,3bにも表示される情報である。
【0038】
これらの機器情報は、浴室外リモコン3bから浴室外リモコン3bのシリアル番号とともに管理装置64へ送信される。そして管理装置64では、受信した機器情報を、浴室外リモコン3bのシリアル番号と関連付けて記憶部64aに記憶している。
【0039】
通信端末61A,61Bには、給湯装置専用のアプリケーションプログラムがインストールされており、管理装置64の記憶部64aに関連付け情報が記憶されていれば、浴室外リモコン3bのシリアル番号と関連付けられているユーザアカウントを用いて、管理装置64等を介して給湯装置本体2の遠隔操作および状態確認を行うことができる。すなわち、管理装置64は、記憶部64aに記憶された関連付け情報において関連付けられた通信端末61A,61Bと浴室外リモコン3b(中継装置)との間の管理装置64を介した通信を許可する。
【0040】
一の浴室外リモコン3bのシリアル番号(一のユーザアカウント)には、複数の通信端末61A,61Bが関連付けされ得る。したがって、複数の通信端末61A,61Bと一の浴室外リモコン3b(中継装置)との間の管理装置64を介した通信が可能である。
【0041】
通信端末61A,61Bは、タッチ操作による操作入力が可能なタッチパネルを有する表示部70を有している。表示部70に表示される給湯操作画面には、当該通信端末61A,61Bを用いて操作する(操作信号を伝送する)給湯装置1を特定する情報(例えば給湯装置1の機種名、機種番号等)および当該給湯装置1に対応する複数の動作項目が表示される。複数の動作項目のそれぞれは、タッチ操作が可能な仮想操作ボタンとして構成される。複数の仮想操作ボタンが通信端末61A,61Bにおける主制御部4に対する入力操作部を構成する。
【0042】
複数の仮想操作ボタンは、浴室外リモコン3bの入力操作部34bに対応した各種仮想操作ボタンを含んでいる。したがって、通信端末61A,61Bは、表示部70に、呼出応答ボタン43、オンオフボタン、追いだきボタン、ふろ自動ボタン等の仮想操作ボタンを表示可能である。
【0043】
例えば、通信端末61A,61Bの表示部70に表示される追いだきボタンをタッチ操作すると、通信端末61A,61Bから管理装置64を介して対応する給湯装置1の主制御部4に追いだき操作開始信号を送信する。また、ふろ自動ボタンをタッチ操作すると、通信端末61A,61Bから管理装置64を介して対応する給湯装置1の主制御部4にふろ自動操作開始信号を送信する。
【0044】
また、通信端末61A,61Bは、表示部70に仮想操作ボタンとして予約ボタンを表示し得る。予約ボタンは、湯張り、湯沸しを設定時刻において完了する予約操作を実行するためのボタンである。予約ボタンをタッチ操作すると、設定時刻設定画面(図示せず)が表示され、設定時刻を入力することにより、通信端末61A,61Bから管理装置64を介して対応する給湯装置1の主制御部4または浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bに予約信号を入力された設定時刻とともに送信する。
【0045】
このように、主制御部4は、通信端末61A,61Bからの操作に基づいて給湯装置本体2に対して給湯温度の変更操作以外の給湯操作を実行する。このようにして、通信端末61A,61Bは、給湯装置1の操作を行うことができる汎用(またはサブ)リモコンとして機能する。
【0046】
浴室リモコン3aのリモコン制御部38aは、呼び出しボタン41の押下操作に基づいて生成した呼出信号を管理装置64にも送信する。より具体的には、呼出信号は、浴室リモコン3aから浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bに送信され、外部通信部39からルータ62および外部通信網63を介して管理装置64に送信される。呼出信号を受信した管理装置64は、対応する通信端末61A,61Bに呼出信号を送信する。管理装置64は、受信した呼出信号を、外部通信網63(および場合によってはルータ62)を介して対応する通信端末61A,61Bに送信する。このように、浴室リモコン3aは、通信端末61A,61Bに対して呼出信号を送信するための呼出操作が可能に構成されている。
【0047】
さらに、浴室リモコン3aのリモコン制御部38aは、呼出停止ボタン42の押下操作に基づいて生成した呼出停止信号を管理装置64にも送信する。また、浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bは、呼出応答ボタン43の押下操作に基づいて生成した応答信号を管理装置64にも送信する。これらの信号を受信した管理装置64は、対応する通信端末61A,61Bに、対応する信号を送信する。
【0048】
また、後述する浴室内のユーザからの呼び出し中に、通信端末61A,61Bに表示された仮想の呼出応答ボタン71をタッチ操作した場合、タッチ操作を受けた通信端末61A,61Bは、応答信号を管理装置64に送信する。通信端末61A,61Bからの応答信号を受信した管理装置64は、浴室外リモコン3bまたは主制御部4に応答信号を送信得る。
【0049】
(呼出状態報知処理)
管理装置64の記憶部64aは、これらの信号に応じた、浴室リモコン3aからの呼出状態を記憶する。
図2は、本実施の形態における記憶部の呼出状態の報知処理の流れを例示するフローチャートである。
【0050】
記憶部64aは、呼出操作が行われる前の呼出状態として、呼出なし状態を記憶している(ステップS1)。主制御部4が、記憶部64aに、呼出操作が行われる前の呼出状態として、呼出なし状態を記憶させてもよい。管理装置64は、呼出なし状態において、呼出信号を受信したか否かを監視する(ステップS2)。上述したように、浴室リモコン3aの呼び出しボタン41が押下操作された場合に、呼出信号が生成され、管理装置64に送信される。
【0051】
図3は、
図1のシステムにおける呼び出し時の各構成の状態を示す模式図である。
図3においては給湯装置本体2および制御装置8(主制御部4)の図示を省略している。また、ルータ62が無線LANルータである場合を例示している。また、浴室外ユーザAが所持する通信端末61Aおよび浴室外ユーザBが所持する通信端末61Bは、いずれも無線LAN通信可能な範囲にいる(例えば屋内にいる)場合を例示している。
【0052】
浴室内のユーザが呼び出しボタン41を押下操作する呼出操作を行うと、浴室外リモコン3bを介して管理装置64に呼出信号が送信される。浴室リモコン3aは、報知部31において呼出中の報知(表示および/または音声出力)を行う。また、浴室外リモコン3bは、呼出信号を受信した場合、報知部31において浴室からの呼び出しがある旨の報知(表示および/または音声出力)を行う。
【0053】
管理装置64は、呼出信号を受信した場合(ステップS2でYes)に、記憶部64aに、呼出状態を、呼出なし状態から呼出中状態に切り替えて記憶させる(ステップS3)。さらに、管理装置64は、各通信端末61A,61Bに対して呼出信号を送信する。給湯装置10側から見ると、主制御部4は、呼出操作に基づいて、記憶部64aに、呼出状態を、呼出なし状態から呼出中状態に切り替えて記憶させるとともに、管理装置64に、通信端末61A,61Bに対して呼出信号を送信させる。
【0054】
呼出信号を受信した通信端末61A,61Bは、表示部70に浴室からの呼び出しがある旨の報知(表示および/または音声出力)を行う。
図3の例では、表示部70に呼出状態を表示する呼出状態表示画面72を表示する。さらに、通信端末61A,61Bは、表示部70に呼出応答ボタン71を表示する(タッチ操作可能にする)。
【0055】
このように、浴室リモコン3aの呼び出しボタン41が押下操作されることにより、各通信端末61A,61Bを所持する浴室外ユーザA,Bおよび浴室外リモコン3bの近傍にいる浴室外ユーザCに浴室内のユーザから呼び出しがあることを知らせることができる。
【0056】
このような浴室からの呼び出し中を示す呼出中状態において、管理装置64は、応答中信号を受信したか否かを監視する(ステップS4)。
【0057】
図4は、
図3における呼出中状態から応答中状態に遷移したときの各構成の状態を示す模式図である。
図4の例では、浴室外ユーザAが通信端末61Aの呼出応答ボタン71をタッチ操作した場合を例示している。
【0058】
浴室外ユーザAが通信端末61Aの呼出応答ボタン71をタッチ操作する呼出応答操作を行うと、管理装置64に対して応答信号が送信される。管理装置64は、通信端末61Aから送信された応答信号を受信した場合(ステップS4でYes)に、記憶部64aに、呼出状態を、呼出中状態(
図3)から応答中状態(
図4)に切り替えて記憶させる(ステップS5)。給湯装置10側から見ると、制御部(主制御部4または中継装置として機能する浴室外リモコン3bのリモコン制御部38b)は、管理装置64が呼出信号を受信した通信端末61Aから送信された応答信号を受信した場合に、記憶部64aに、呼出状態を、呼出中状態から応答中状態に切り替えて記憶させる。
【0059】
なお、浴室外ユーザCが浴室外リモコン3bの呼出応答ボタン43を押下操作した場合も、同様に、管理装置64に対して応答信号が送信され、ステップS4およびステップS5と同様の処理が行われる。
【0060】
管理装置64は、通信端末61A,61Bおよび浴室外リモコン3bに対して記憶部64に記憶されている現在の呼出状態を報知可能に構成されている。例えば、管理装置64は、呼出状態が変更された場合に、対応する通信端末61A,61Bおよび浴室外リモコン3bに変更後の呼出状態の情報を送信する。例えば、管理装置64は、通信端末61A,61Bに対して呼出状態が変更されたことを示すプッシュ通知を送信する。また、これに代えて、通信端末61A,61Bおよび浴室外リモコン3bは、管理装置64に定期的にアクセスし、現在の呼出状態の情報を定期的に取得してもよい。
【0061】
通信端末61A,61Bは、呼出状態が応答中状態に切り替えられたことにより、表示部70の呼出状態表示画面72を更新し、応答中である旨を報知する。なお、
図4においては、呼出応答ボタンをタッチ操作した通信端末61Aとタッチ操作を行っていない通信端末61Bとで呼出状態表示画面72に相違はないが、互いに異なる表示としてもよい。例えば、タッチ操作した通信端末61Aの呼出状態表示画面72には、「浴室に向かって下さい」等の浴室への移動を促す表示を行ってもよい。
【0062】
同様に、浴室外リモコン3bは、呼出状態が応答中状態に切り替えられたことにより、報知部31の報知内容を更新し、応答中である旨を報知する。さらに、
図4の例では、浴室リモコン3aも呼出状態の情報を取得し、報知部31において、応答中である旨を報知する。
【0063】
このように、浴室からの呼び出しに対して応答しようとする一の浴室外ユーザAが通信端末61Aの呼出応答ボタン71をタッチ操作することにより、他の浴室外ユーザB,Cは、浴室からの呼び出しに対して応答している浴室外ユーザがいることを知ることができる。
【0064】
何れかの浴室外ユーザが応答の意思表示を行ったことを示す応答中状態において、管理装置64は、呼出停止信号を受信したか否かを監視する(ステップS6)。
【0065】
図5は、
図4における応答中状態から呼出なし状態に遷移したときの各構成の状態を示す模式図である。
【0066】
浴室に向かった浴室外ユーザAまたは浴室内のユーザが浴室リモコン3aの呼出停止ボタン42を押下操作する呼出停止操作を行うと、浴室外リモコン3bを介して管理装置64に呼出停止信号が送信される。管理装置64は、呼出停止信号を受信した場合(ステップS6でYes)に、記憶部64aに、呼出状態を、応答中状態(
図4)から応答なし状態(
図5)に切り替えて記憶させる(ステップS7)。
【0067】
呼出中状態において、呼出応答操作が行われる前に呼出停止信号を受信した場合(ステップS4でNoかつステップS8でYes)も同様に、管理装置64は、記憶部64aに、呼出状態を、呼出中状態(
図3)から応答なし状態(
図5)に切り替えて記憶させる(ステップS7)。
【0068】
通信端末61A,61Bは、呼出状態が呼出なし状態に切り替えられたことにより、表示部70の呼出状態表示画面72を更新し、呼び出しがない旨を報知する。なお、
図5においては、呼出状態表示画面72に呼び出しがない旨の表示を行う態様を例示しているが、呼出状態表示画面72の表示自体を停止してもよい。この場合、表示部70には、呼出状態表示画面72の代わりに、例えば、給湯操作のためのオンオフボタン、追いだきボタン、ふろ自動ボタン等の仮想ボタンが表示される遠隔操作画面が表示されたり、アプリケーションプログラムの初期画面が表示されたりしてもよい。
【0069】
また、浴室外リモコン3bは、呼出停止信号を受信した場合、報知部31における呼出がある旨の報知または応答中である旨の報知を終了する。また、浴室リモコン3aは呼出停止操作によって報知部31における呼出中である旨の報知または応答中である旨の報知を終了する。
【0070】
上記構成によれば、浴室内のユーザによる呼出操作に基づいて、外部の通信端末61A,61Bに呼出信号が送信される。また、制御部(主制御部4、リモコン制御部38a,38b)に通信接続された管理装置64の記憶部64aに、浴室リモコン3aからの現在の呼出状態が記憶される。呼出状態には、呼出操作が行われる前の状態である呼出なし状態と、呼出操作に基づいて浴室リモコン3aから送信された呼出信号を管理装置64が受信した状態である呼出中状態と、呼出信号を受信した通信端末61Aまたは61Bから送信された応答信号を管理装置64が受信した状態である応答中状態と、が含まれる。
【0071】
通信端末61A,61Bには、記憶部64aに記憶されている現在の呼出状態が報知される。このため、浴室外ユーザA,Bは、通信端末61A,61Bを通じて、浴室内のユーザからの呼び出しがあるか否か、および、その呼び出しに他の浴室外ユーザが応答しているか否かを知ることができる。したがって、浴室内のユーザからの呼び出しに、複数の浴室外ユーザA,Bが重複して応答することを防止することができる。
【0072】
さらに、上記構成によれば、浴室外リモコン3bにも、記憶部64aに記憶されている現在の呼出状態が報知される。このため、浴室外ユーザCは、浴室外リモコン3bを通じて、浴室内のユーザからの呼び出しがあるか否か、および、その呼び出しに他の浴室外ユーザが応答しているか否かを知ることができる。したがって、浴室内のユーザからの呼び出しに、複数の浴室外ユーザA,B,Cが重複して応答することを防止することができる。
【0073】
また、上記構成によれば、浴室外ユーザが浴室に到着した場合、または、浴室内のユーザが呼び出しをキャンセルする場合に、呼出停止操作が行われることによって、記憶部64aに記憶される呼出状態が呼出なし状態にリセットされる。したがって、浴室内のユーザからの呼び出しに応答した浴室外ユーザ以外の他の浴室外ユーザに、浴室内のユーザからの呼び出し事案が完了したことを報知することができる。
【0074】
(他の実施の形態)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【0075】
例えば、上記実施の形態において浴室外リモコン3bがルータ62と通信接続される中継装置として機能する態様を例示したが、これに限られない。例えば、浴室リモコン3aが中継装置として機能してもよいし、これらのリモコン3a,3bとは別に中継装置が設けられていてもよい。すなわち、上記実施の形態においては、外部通信部39が浴室外リモコン3bに設けられている構成を例示したが、これに代えて、外部通信部39が、浴室リモコン3a、給湯装置本体2、制御装置8または通信線5に接続される中継装置に設けられていてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態においては、浴室外リモコン3bを1つ備えた構成を例示したが、複数の浴室外リモコン3bを備えていてもよい。この場合、複数の浴室外リモコン3bのうちの何れか1つが中継装置として機能してもよい。また、一の給湯装置10に対応する通信端末の数は、上記実施の形態における2つに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0077】
また、上記実施の形態において、通信端末61A,61Bは、スマートフォン等の携帯端末を例示したが、これに限られない。通信端末61A,61Bは、据え置き型の通信端末であってもよい。例えば、通信端末61A,61Bは、パーソナルコンピュータであってもよいし、音声による操作入力が可能なスマートスピーカであってもよいし、外部通信網63と通信接続の可能なスマートテレビ等の電子機器であってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態においては、外部通信網63としてインターネットを例示したが、外部通信網63は、有線通信または無線通信を問わず、給湯装置1の中継装置と通信可能な所定の通信規格による通信網であれば特に限定されない。例えば外部通信網63としてECHONET Lite(登録商標)規格等が用いられ得る。この場合、中継装置として通信規格専用の通信アダプタが設けられる。また、通信端末61A,61Bは、複数の設備機器(エアコン、照明器具、家庭用発電設備等)を一括して操作可能なコントローラ(HEMSコントローラ等)を採用することができる。
【0079】
また、管理装置64は、サーバ装置でなくてもよい。例えば、管理装置64は、給湯装置10に設けられてもよい。例えば、管理装置64は、制御装置8の制御ブロックとして構成されてもよい。また、管理装置64は、リモコン3a,3bに設けられてもよい。また、別途、中継装置が設けられる場合には、中継装置に設けられてもよい。これらの場合、制御部(主制御部4、リモコン制御部38a,38b)は、管理装置64とは外部通信網63を介さずに通信接続される。また、管理装置64と通信端末61A,61Bとを通信接続する外部通信網63は、LANでもよい。
【0080】
また、上記実施の形態において、浴室リモコン3aのリモコン制御部38aが呼出操作に基づいて呼出信号を生成し、管理装置64に送信する態様を例示したが、主制御部4が呼出信号を生成し、管理装置64に送信してもよい。この場合、呼出操作を受けて浴室リモコン3aのリモコン制御部38aが主制御部4に押下操作情報を送信し、主制御部4が押下操作情報に基づいて呼出信号を生成し、浴室外リモコン3b(中継装置)を介して管理装置64へ送信してもよい。すなわち、呼出操作に基づく管理装置64への呼出信号の送信が主制御部4を介して行われてもよい。
【0081】
これに代えて、浴室外リモコン3bのリモコン制御部38bが呼出信号を生成してもよいし、別途中継装置が設けられる場合には、中継装置の制御部が呼出信号を生成してもよい。応答中信号および呼出停止信号の生成主体となる制御部についても同様であり、主制御部4または何れかの制御部が一括して生成してもよいし、個々の制御部が個別に生成してもよい。以上より、特許請求の範囲における「制御部」は、主制御部4であってもよいし、何れかのリモコン3a,3bのリモコン制御部38a,38bであってもよいし、別途中継装置が設けられる場合には、中継装置の制御部であってもよいし、これらのいくつかまたは全部により構成されてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態において、記憶部64aは、現在の呼出状態を記憶することを説明したが、これに加えて、過去の呼出状態を記憶してもよい。すなわち、記憶部64aは、浴室リモコン3aからの呼出状態の変更履歴情報を記憶してもよい。