【解決手段】第1のパルス検出技術では、信号電力閾値を使用する。パルスの大きさの2乗が信号電力閾値を超えると、パルスの開始が確定され、パルス処理が開始される。第2のパルス検出技術はモデルに基づいており、ウィンドウ内で一貫した2次(一般にd次)差分位相値がパルスにある場合、位相差閾値を超えるウィンドウ付き検出器を使用する。第1の技術は待ち時間が短く、パルス幅に依存しないが、15dBを超えるSNR値でのみ適切に動作する。第2の技術は待ち時間が長く、最小パルス幅が必要であるが、低い(約0dB)SNR値で動作する。
ステップ(c)の間およびステップ(f)の前に、先入れ先出しバッファ(128)内に前記ウィンドウ内の前記サンプルを格納するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ウィンドウ内の前記サンプルを、前記先入れ先出しバッファ(128)から、ステップ(e)に応答してステップ(f)を実行するように構成されたパルス処理モジュール(124)に渡すステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
(g)前記サンプルの前記受信信号の前記信号電力、初期ノイズ電力、および誤警報の望ましい確率に基づいて、前記信号電力閾値のリアルタイムでフィルタリングされた推定値を計算するステップと、
(h)ステップ(c)を実行した信号電力閾値比較器(14)に前記信号電力閾値を送信するステップと
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
融合された閾値/位相変調検出技術を使用してパルスを検出するためのシステムおよび方法の例示的な実施形態は、以下で詳細に説明される。ただし、実際の実装のすべての形態がこの仕様で説明されているわけではない。当業者は、そのような実際の実施形態の開発において、システム関連およびビジネス関連の制約への遵守など、開発者の特定の目標を達成するために、実装ごとに異なり得る複数の実装特有の決定を行わなければならないことを認識されよう。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとって日常的な作業であることは理解されよう。
【0025】
以下に詳細に説明する実施形態によれば、閾値検出方法は、パルス状信号をストリーミング方式で処理するデジタル受信機の信号検出のより高性能な方法を提供するために、二重位相差変調検出方法と融合される。本明細書で提案される方法は、多種多様な条件下でのパルスの正確な検出を可能にし、したがって、あらゆるレーダータイプの信号の検出に使用することができる。本明細書で提案される閾値および位相ベースのパルス検出方法の融合により、より低い電力およびより大きな範囲のパルスの検出が可能になる。ノイズ条件の変化に対応するために、閾値は継続的に更新される。さらに、位相変調検出方法のウィンドウも継続的に更新され、変化するノイズ条件に対応する。
【0026】
本明細書に開示されるシステムは、入力として受信信号{z
n}のサンプリングされた形式を取り、異なるが融合された2つの検出器に基づいてパルス信号が存在することを検出する。閾値検出器は、サンプルの大きさの2乗|z
n|
2を単純に使用し、それらが閾値Tより大きい場合を検出する。二重位相差変調検出器は、2次差分の分散を測定し、この分散が位相閾値Dより小さいかどうかを検出することにより、2次の多項式の位相変調された信号が存在することを検出する。2次の多項式の位相変調された信号(線形チャープなど)は、次の式で与えられる。
【0028】
ここで、t
nはサンプル時間で、a,b,cはチャープレートを制御する定数パラメータである。このような信号は、範囲および範囲レート測定用のレーダーに多くの用途がある。これは、通常、1つのパラメータセット{a
up,b
up,c
up}(各周期のアップチャープなど)または周期ペア、周波数が増加するアップチャープと周波数が減少するダウンチャープによって定義される。これらの周期ペアには、パラメータセット{a
up,b
up,c
up}と{a
down,b
down,c
down}のペアが関連付けられる。
【0029】
そのような信号を検出するために、本発明は連続的に2つの閾値TおよびDならびにウィンドウサイズWを生成する。これらは検出処理を制御し、2つのパラメータ(誤警報の望ましい確率PFAおよび検出の望ましい確率PD)に基づく。これらの閾値は、ノイズレベルに対して検出器を最適に保つために(潜在的に)変化するノイズレベルを追跡する回路によって継続的に更新される。
【0030】
(線形チャープだけでなく)一般的な多項式位相信号の場合、位相変調信号は次のように定義されることに留意されたい。
s(t)=e
2πif(t)(2)
ここで、f(t)は、長さd
fのパラメータベクトルを有する次数d
f−1の実数値多項式である。この場合、次数d
fの位相差が検出に使用される。
【0031】
例示のために、ここで、入ってくるレーダーパルスを分離し、ビークルの制御に使用するためのパルス記述子ワード(PDW)を生成する実施形態を説明する。しかしながら、本明細書で開示されるシステムは、ビークル制御以外の用途で使用されてもよいことを理解されたい。
【0032】
図1は、例示的な実施形態による、PDWの融合された閾値/パルス変調検出を生成するための信号処理システム100のコンポーネントを識別するブロック図である。
図1は、EW受信機で使用されるシステムの例を示している。(ここで説明されている技術は、従来のチャネライズ受信機でも使用できることに留意されたい。)
【0033】
図1に示す例示的な実施形態では、信号処理システム100は、信号事前調整回路を介して、アンテナ118などのトランスデューサに通信可能に結合された信号データプロセッサ102を含む。この例では、信号事前調整回路は、低ノイズ増幅器108、帯域通過フィルタ110、およびアナログデジタル変換器(ADC)112である。アンテナ118は、少なくとも1つのレーダー信号発信機(2つのレーダー信号発信機106および107が
図1に示されている)を監視するように構成された広域センサであってもよい。動作中、信号事前調整回路は、アンテナ118から受信したセンサ出力信号を調整済み信号に変換する。各調整済み信号は、アンテナ118で受信された時変信号から導出される。時変信号には、レーダー信号発信機106および107から受信した信号の混合が含まれてもよい。例えば、時変信号は、レーダー信号発信機106によって生成される第1のレーダー信号114またはレーダー信号発信機107によって生成される第2のレーダー信号116を含むことができ、これらの信号はアンテナ118によって受信される。
【0034】
信号データプロセッサ102は、プリプロセッサ104とポストプロセッサ106を含む。調整済み信号は、プリプロセッサ104に送信される。プリプロセッサ104は、複数の信号ノイズ除去モジュール113(そのうちの1つのみが
図1に示されている)および対応する複数のパルス処理モジュール124(そのうちの1つのみが
図1に示されている)を含む。調整済み信号は、ノイズ除去された信号サンプルが関連するパルス処理モジュール124に送信されるべきかどうかを決定するためにパルス検出を受ける前に、信号ノイズ除去モジュール113によりノイズ除去される。ポストプロセッサ106は、パルス処理モジュール124からの出力を受信するために通信可能に結合されている。
【0035】
例えば、レーダー信号114は、周波数および帯域幅を含むがこれらに限定されない信号特性を有するパルスとして最初にアンテナ118で受信される。この例では、事前調整回路による処理後、第1のレーダー信号114の単一パルスが混合信号として信号ノイズ除去モジュール113で受信される(すなわち、調整済み信号は第1のレーダー信号114の信号パルスを表し、ノイズおよび関心のある所望の情報以外の情報を含むがこれらに限定されない様々な特性を有する)。信号ノイズ除去モジュール113は、混合着信信号のノイズを除去し、周波数および帯域幅(または周波数および帯域幅の規則的なパターン)を有するノイズ除去信号を出力する。
【0036】
ノイズ除去された信号サンプルは、パルスが本明細書で開示される融合された閾値/位相変調検出器システムによって検出された場合にのみパルス処理を受ける。プリプロセッサ104は、各パルス処理モジュール124用のそれぞれの融合されたパルス検出器を含む。
図1に示される実施形態によれば、融合されたパルス検出器は、閾値検出器120および位相変調検出器126を含む。閾値検出器120は、信号ノイズ除去モジュール113からノイズ除去された信号サンプルを受信するように接続されている。プリプロセッサ104は、信号ノイズ除去モジュール113からノイズ除去された信号サンプルも受信する入力ポートを有する第1のセレクタ122をさらに含む。第1のセレクタ122は、入力ポートに切り替え可能に接続され得る第1および第2の出力ポートを有する。第1のセレクタ122の状態は、閾値検出器120によって制御される。閾値検出器120が特定の信号電力閾値を超える電力を有する信号を検出した場合、閾値検出器120は第1のセレクタ状態制御信号を出力し、これにより第1のセレクタ122はノイズ除去された信号サンプルをパルス処理モジュール124に渡す。これは、第1のセレクタ122の第1の出力ポートを第1のセレクタ122の入力ポートに切り替え可能に接続することにより達成される。
【0037】
プリプロセッサ104は、位相変調検出器126および先入れ先出しバッファ128(以下「FIFOバッファ128」)をさらに含み、両方とも、第1のセレクタ122の第2の出力ポートに接続された入力ポートと、FIFOバッファ128の出力ポートに接続された入力ポートを有する第2のセレクタ130とを有する。閾値検出器120が、指定された閾値を超える電力を持たない信号を検出した場合、閾値検出器120は第2のセレクタ状態制御信号を出力し、これにより第1のセレクタ122はノイズ除去された信号サンプルを、パルス処理モジュール124の代わりに位相変調検出器126およびFIFOバッファ128に渡す。これは、第1のセレクタ122の第2の出力ポートを第1のセレクタ122の入力ポートに切り替え可能に接続することにより達成される。
【0038】
第2のセレクタ130の状態は、位相変調検出器126によって制御される。位相変調検出器126が、特定の位相差閾値よりも小さい2次差分を有する信号を検出する場合(パルスが検出されたことを意味する)、位相変調検出器126は第3のセレクタ状態制御信号を出力し、これにより第2のセレクタ130はFIFOバッファ128の出力をパルス処理モジュール124に渡す。これは、第2のセレクタ130の第1の出力ポートを第2のセレクタ130の入力ポートに切り替え可能に接続することにより達成される。位相変調検出器126が、特定の位相差閾値よりも大きい2次差分を有する信号を検出する場合(パルスが検出されなかったことを意味する)、位相変調検出器126は第4のセレクタ状態制御信号を出力し、これにより第2のセレクタ130はFIFOバッファ128の出力をパルス処理モジュール124に渡さない。これは、第2のセレクタ130の第2の出力ポートを第2のセレクタ130の入力ポートに切り替え可能に接続することにより達成される。
【0039】
各パルス処理モジュール124は、PDWパラメータベクトル信号を生成するように構成されたPDW生成モジュールを含む。各PDWパラメータベクトル信号は、レーダー信号114および116の一方の関心のある特性を表すデータを含む(例えば、周波数、帯域幅、到着時間、出発時間、パルス幅、パルス振幅、パルス繰り返し間隔、および/または到着角度)。PDWパラメータベクトル信号は、ポストプロセッサ106に送信される。ポストプロセッサ106は、コンピューティングデバイス132とメモリ134を備えている。コンピューティングデバイス132は、PDWパラメータベクトル信号に含まれるデータに基づいて動作を実行するように構成される。そのような動作には、検出、処理、および定量化が含まれるが、これらに限定されない。コンピューティングデバイス132によって実行された動作からの結果データは、メモリ134に格納される。メモリ134は、1つまたは複数の非一時的な有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体を含む。一実施形態によれば、コンピューティングデバイス132は、ソフトウェアの形で命令を実行するように構成されたプロセッサである。
【0040】
一実装形態によれば、PDW生成モジュールは、(振幅、到着時間、中心周波数、パルス幅、および帯域幅)=(amp,toa,cf,pw,bw)に類似するPDWパラメータベクトル信号として各PDWをコンピューティングシステム132に送信する。インターセプトされた各信号のPDWは、コンピューティングシステム132でさらに処理するためにパルスバッファに格納される。このような処理の一部として、着信レーダーパルスをグループにクラスター化することにより、PDWがソートおよびデインターリーブされる。原則として、各グループには、単一のレーダー供給源またはレーダー供給源のクラスを表す特性が必要であり、これにより、そのレーダー供給源またはクラスを識別できる。特定の信号の識別は、通常、その信号の観測された特性を、既知のレーダーの識別も含むリストに格納された特性と相関させることにより推測される。レーダー放射器を識別するデインターリーバを備えることに加えて、コンピューティングシステム132は、識別されたレーダー放射器の位置の座標を決定するためのジオロケーションエンジンをさらに備える。
【0041】
さらに、
図1に示される例示的な実施形態では、コンピューティングデバイス132は、ポストプロセッサ106に人間が読み取れるデータ信号136をヒューマンマシンインタフェースに送信させて、相互作用、修正、視覚化、少なくとも1つのさらなる動作、および信号処理システム100のユーザによる少なくとも1つのレーダー信号114および116に関する情報の視認可能な記録のうちの少なくとも1つを容易にする。ヒューマンマシンインタフェースは、例えば、ポストプロセッサ106から人間が読み取れるデータ信号142を受信するディスプレイ装置140であってもよい。一例では、信号処理システム100によって決定されたレーダー信号発信機106および107の特性は、監視された空間を含む物理空間領域を表すグリッドを有するマップとしてディスプレイ装置140に表示され、レーダー信号発信機106および107の位置および識別情報は、実質的にリアルタイムで表示およびプロットされる。人間が読み取れるデータ信号136は、ポストプロセッサ106から信号処理システム100に関連する少なくとも1つのデバイスおよび/またはシステム(例えば、空中または地上ベースのビークル142)に送信されてもよい。さらに、コンピューティングデバイス132により、ポストプロセッサ106は、実質的にリアルタイムで、ビークル142内に含まれるアクチュエータコントローラー144にアクチュエータ制御信号138を送信して、その動きを指示または制御することができる。例えば、ビークル142は、遠隔および/または自律的に操作される陸上ビークルまたは無人航空ビークルであり得る。
【0042】
ある動作モードでは、各PDWに含まれる周波数および帯域幅情報の少なくとも1つが、各レーダー信号発信機106および107の位置とともにディスプレイ装置140上のマップにプロットされ、位置の正確な追跡とそれらの特定のレーダー信号発信機との関連付けを容易にする。少なくとも1つのレーダー信号発信機が移動可能な場合、ディスプレイ装置140上のマップは、少なくとも1つのそれぞれのモバイルレーダー信号発信機の位置情報を実質的にリアルタイムで更新する。さらに、コンピューティングデバイス132は、1つまたは複数のモバイルレーダー信号発信機(例えば、レーダー信号発信機106および107)の速度、加速度、軌道、およびトラック(すなわち、現在および以前の位置を含む)のうちの少なくとも1つを決定する。別の動作モードでは、信号データプロセッサ102によって実施される信号データ処理方法によって決定される特性は、信号処理システム100と通信する物理デバイスおよびシステムでの様々な実質的にリアルタイムの物理的アクションをトリガしてもよい。例えば、信号処理システム100により実施される信号データ処理方法により決定される周波数および帯域幅を含む様々なレーダー信号発信機の特性は、ビークル142(例えば、無人航空ビークルのラダーおよびフラップ)のアクチュエータコントローラー144へのデータとして実質的にリアルタイムで送信され得、例えば、脅威と判断された無許可レーダー信号発信機の動作領域を回避したり、無許可発信機に向かって移動して脅威を排除したりするために、移動を指示したり、その操縦を促進したりする。さらなる例として、本明細書で説明される信号データ処理方法によって決定されるレーダー信号発信機106および107の特性は、信号処理システム100に関連する電子支援手段(ESM)デバイスおよび電子戦(EW)システムの少なくとも1つに、制御信号において実質的にリアルタイムで送信され得、例えば、監視された環境で許可なく動作する特定のレーダー信号発信機にレーダー妨害信号を送る。
【0043】
位相変調検出器126は、信号サンプルのウィンドウに基づいて検出値
【0045】
を表す信号を連続的に生成する。位相変調検出には、各サンプルでの着信信号の瞬間位相の知識が必要である。したがって、このフェーズは、いくつかの方法のいずれかで推定する必要がある。
【0046】
図2は、一実施形態に従って位相変調検出器126(
図2を参照)によって実行されるステップを識別するフローチャートである。表記は次のとおりである。Z
−1は、1クロック周期だけ値を遅延させる働きもするレジスタまたはメモリ要素(つまり、
図2のレジスタ32および34)を示し、丸で囲まれた「+」記号は合計(つまり、加算器36、38、40、および46)を示し、Mod(1)は、−1と1の間の各正規化値の標準デジタルモジュロ1計算を実行するように構成されたモジュロ1回路42および44を示し(これはデジタル演算回路で自然に発生する)、そして、RV(W
D)は、加算器46およびモジュロ1回路44によって出力されたそれぞれの信号に基づいて、リアルタイムでウィンドウ化された分散推定(W
Dはウィンドウの長さ)を並列に実行するように構成されたそれぞれの分散推定回路48および50を示す。(分散は、ランダム変数の平均からの偏差の2乗の期待値であり、(ランダムな)数値のセットが平均からどれだけ広がっているかを略式に測定する。)2つの分散計算は、π/2でオフセットされた2つの可能な位相パスに基づいている。これにより、角度が+1および−1の極値に近い場合でも、分散計算が正しく機能する。最小分散回路52は、分散推定回路48および50の出力を受け取り、2つの入力の最小値を選択し、検出値
【0049】
図2に示される位相変調検出プロセスは、(1)非常に少ない供給源を使用し、分割はなく、ハードウェア実装に適した新しいリアルタイムでウィンドウ化された分散推定方法、および(2)サンプルのウィンドウ内で最適なモジュロ値を選択できる並列ストリーミング計算の使用、を含む。これにより、他の方法よりも全体的な検出待ち時間が短縮される。
【0050】
前述のアプローチは、二次多項式サンプリング関数{Q
i}が一定の2次差分を有するという事実に基づいており、つまり、Δ
2{Q
i}=Q
i+2−2Q
i+1+Q
iはノイズなしで一定である。(二次多項式は、最大2次の項を含む多項式関数である。)したがって、ノイズの多い二次サンプリング関数の分散を測定すると、ノイズの多い2次差分がどの程度一定でないかを測定できる。位相の多項式関数(1と−1との間で正規化)が測定されているため、位相がそれらのエンドポイントでラップし、問題が複雑になる。例えば、次のサンプルで0.2だけ進む0.9の位相は1.1になり、これは−0.9にラップする。したがって、エンドポイントの近くの位相は値がジャンプし、これは一定であっても、2次差分のジャンプを引き起こす。この問題を解消するために、位相と1/2だけオフセットした位相を測定する2つの計算チャネルが提供される。したがって、2つのうちの1つにはジャンプがほとんどないか、まったくないはずであるため、分散の最小値が検出を決定するメトリックとして採用される。d次差分Δ
dを計算することにより、非線形チャープ、つまり任意の次数dの多項式に簡単に一般化できる。次の例では、2次差分が使用される。2次差分位相変調検出プロセスは、ここではΔ
2位相として表され、一方、ウィンドウW
Dは、以下では、多くの場合、Wで示される。
【0051】
前述のリアルタイム分散方法に加えて、除算を必要としない代替の近似分散が説明されていることに留意されたい(ただし、PFA/PDテーブルからの1/W
Dのテーブル検索が必要である)。このリアルタイムの近似分散の反復は、入力シーケンス{x
n}について以下の方程式で与えられる。
u
n=u
n−1+(1/W)x
n−(1/W)x
n−W
v
n=v
n−1+(x
n−u
n)
2−(x
n−W−u
n−W)
2
【0052】
位相変調の検出に加えて、SNRの推定値もこの方法から入手できる。具体的には、ルックアップテーブルから補間することにより、最小分散の値
【0054】
を使用してSNR値を推定できる。具体的には、これをシミュレーションで実行して、
【0056】
をSNR(dB)にマッピングする値のテーブルを作成できる。SNR値は、例えば、他の信号処理がSNR推定値を有することにより多大な利益を得ることができるため、所望であれば、パルス処理モジュール124(
図1を参照)を利用できるようにすることができる。SNR値をPDW生成出力ベクトルに追加してもよい。
【0057】
したがって、本明細書で提案されるパルス検出方法論は、互いに補完する2つの異なるパルス検出技術の組み合わせを融合する。閾値検出器120は、その電力(二乗された大きさ)が指定された信号電力閾値を超えるときにパルスを検出する。この手法を使用すると、本質的に待ち時間なしでパルスの開始を正確に確定でき、この決定はパルス幅に依存しない。ただし、閾値方法は、15dBを超えるSNRに対してのみ確実に機能する。位相変調検出器126は、検出される信号がウィンドウ内で一貫した位相値(パルスを示す)を有する場合、指定された位相差閾値が交差するウィンドウ付き検出器である。融合されたパルス検出器(位相変調検出器126によってバックアップされた閾値検出器120)は、より高いSNRパルスに対して短い待ち時間を有するが、追加の待ち時間で低SNRパルスも検出できる。入ってくるノイズ除去された信号サンプルは、閾値検出器120によって最初にスクリーニングされ、パルスが検出されると信号をパルス処理モジュール124に送り、パルスが検出されない場合は位相変調検出器126とFIFOバッファ128に信号を送る。FIFOバッファ128によって受信された信号は、位相変調検出器126によってもスクリーニングされ、パルスが検出された場合、FIFOバッファ128からの信号をパルス処理モジュール124に送り、パルスが検出されなかった場合、それらの信号をパルス処理モジュール124に送らない。
【0058】
標準の閾値検出性能を、所定の誤警報確率(PFA)および検出確率(PD)のSNR曲線のセットを含む受信機動作特性グラフでキャプチャできる。例えば、ROCグラフは、0.2%のPFAと99%のPDには約15dBのSNRが必要であることを示している。一般的なシステムは、トレードオフを行って、存在するパルスを見逃し、それに対応して存在しないパルスを検出する利点とコストの両方を決定する。例えば、脅威レーダー検出器は検出されたパルスを見逃すコストが高くなるが、誤検出は許容され、一方で、監視センサは多くの誤検出を処理する処理コストが高くなるが、より低い検出率に耐えることができる。
【0059】
対照的に、
図2に示される位相変調検出方法は、より低いSNRレベルではるかに優れた検出を行う。
図3は、100個のサブサンプルのウィンドウに対する所定の誤警報率設定での検出確率の曲線(SNR対PD)を示すグラフである。したがって、
図2に示す方法は、信号の信頼性の高い検出に必要な通常のSNR(通常12dBまたは15dB)を大きく下回る9dBより小さいSNRでも良好な結果をもたらす。このアプローチのコストは、待ち時間(ウィンドウ長さによる)とパルス幅の制限である。
【0060】
図4は、一実施形態による融合されたパルス検出を使用するシステム10の構成要素およびモジュールを識別するブロック図である。システム10の基本的な動作は次のとおりである。サンプルの複合セット(受信したサンプリングされた信号パルスをいつでも含み得る)は、図のように融合されたパルス検出システムに流れ込む。パラメータ入力には、初期ノイズ電力N
init、所望のPFA、および所望のPDが含まれる。閾値検出器は、入力信号zの電力|z
n|
2を計算するように構成された信号電力推定モジュール12と、計算された電力を信号電力閾値Tと比較する信号電力閾値比較器14とを含む。電力|z
n|
2は、第3のセレクタ16にも出力される。
【0061】
一方、信号電力閾値比較器14が、|z
n|
2がTよりも大きいと判断した場合、第1のセレクタ状態制御信号(
図4の「はい」)が第1のセレクタ122および第3のセレクタ16に送信される。一方、|z
n|
2がTより大きくないと判断された場合、第2のセレクタ状態制御信号(
図4の「いいえ」)は、第1のセレクタ122および第3のセレクタ16に送信される。
【0062】
第1のセレクタ状態制御信号の受信に応答して、第1のセレクタ122は、信号zをパルス処理モジュール124およびパルス終了処理モジュール30に渡す。パルスは、PDW出力を生成するために処理される。逆に、第2のセレクタ状態制御信号の受信に応答して、第1のセレクタ122は、信号zをパルス処理モジュール124およびパルス終了処理モジュール30に渡さない。その代わりに、第1のセレクタ122は、信号zをFIFOバッファ128および位相変調検出器の一部である複合サンプル位相推定モジュール24に渡す。
【0063】
第2のセレクタ状態制御信号(
図4の「いいえ」)の受信に応答して、第3のセレクタ16は、電力|z
n|
2をノイズ電力推定モジュール20に渡す。逆に、第1のセレクタ状態制御信号(
図4の「はい」)の受信に応答して、第3のセレクタ16は電力|z
n|
2をノイズ電力推定モジュール20に渡さない。
【0064】
ノイズ電力推定モジュール20は、入力サンプル電力、初期ノイズ電力N
initおよび所望のPFAに基づいて、信号電力閾値Tのリアルタイムでフィルタリングされた推定値を計算するように構成される。これは、時間iでそれぞれμ
iとσ
i2によって示される|z
n|
2の移動平均と分散を計算し、次の式を計算することによって行われる。
T
i=μ
i+kσ
i
ここで、kは標準正規分布の累積分布関数から決定される。k=3の値は、99.73%のPFAを与える。次に、パラメータαの標準指数フィルタを使用して、
T=(1−α)T+αT
i
【0065】
パルス処理中、サンプルはノイズ電力推定モジュール20、FIFOバッファ128、および複合サンプル位相推定モジュール24のいずれにも送信されない。パルスが処理されていない場合、ノイズ電力推定モジュール20は、閾値検出方法のための所望のPFAレートを得るために信号電力閾値Tがどうあるべきかを推定する。信号電力閾値Tは、信号電力閾値比較器14およびパルス終了処理モジュール30に送信される。この信号電力閾値は、位相変調検出器の一部である2次位相差推定モジュール26のウィンドウ長さWを生成し、位相変調検出器の一部でもある位相差閾値比較器28が使用する位相差閾値Dを生成するために、PFA/PDテーブル22でも使用される。FIFOバッファ128は、サンプルを2次位相差推定モジュール26の待ち時間に合わせる時間遅延を提供する。
【0066】
前述のように、第2のセレクタ状態制御信号の受信に応答して、第1のセレクタ122は、信号zをFIFOバッファ128および複合サンプル位相推定モジュール24に渡す。FIFOバッファ128は、サンプルクロックレートでWサンプル時間後にサンプルを取り込み、それらを出力に配信し、したがって、通常の「先入れ先出し」回路が動作するように動作する。
【0067】
複合サンプル推定モジュール24は、各サンプルの位相を計算するように構成される。2次位相差推定モジュール26は、複合サンプル推定モジュール24から位相推定値を受け取る。一実施形態によれば、2次位相差推定モジュール26は、
図2に示すように構成される。2次位相差推定モジュール26は、位相差閾値比較器28において位相差閾値Dと比較される値
【0072】
がDよりも小さいと判断した場合(位相変調パルス信号が検出されたことを示す)、第3のセレクタ状態制御信号が、第2のセレクタ130の第1の出力ポートを第2のセレクタ130の入力ポートに切り替え可能に接続する第2のセレクタ130に送信される。他方では、
【0074】
がD以上であると判断された場合、第4のセレクタ状態制御信号が、第2のセレクタ130の第2の出力ポートを第2のセレクタ130の入力ポートに切り替え可能に接続する第2のセレクタ130に送信される。第2のセレクタ130の第1の出力ポートは、パルス処理モジュール124およびパルス終了処理モジュール30に接続されており、第2のセレクタ130の第2の出力ポートは接続されていない。
【0075】
第3のセレクタ状態制御信号の受信に応答して、第2のセレクタ130は、信号zをFIFOバッファ128からパルス処理モジュール124およびパルス終了処理モジュール30に渡す。パルスは、PDW出力を生成するために処理される。一実施形態によれば、値
【0077】
もパルス処理モジュールに送信されて、SNR推定値として使用される。逆に、第4のセレクタ状態制御信号の受信に応答して、第2のセレクタ130は、信号zをパルス処理モジュール124およびパルス終了処理モジュール30に渡さない。
【0078】
パルス終了処理モジュール30は、以下の注目すべき態様を有する。パルス処理が閾値検出器によって初期化されると、パルス終了処理モジュール30は、以下のようなパルス終了処理への標準的なアプローチを使用する。信号電力がTより小さい連続サンプルのプリセット数EOPが検出された場合(値EOPとTは両方ともパルス終了処理モジュール30に入力される)、「完了」信号がパルス終了処理モジュール30によってパルス処理モジュール124および第3のセレクタ16に送信され、それ以外の場合は、「未完了」信号が送信される。これにより、パルス処理をより信頼性の高い方法で終了できる。しかしながら、パルス処理が位相変調検出器によって初期化される場合、「完了」信号は、
【0080】
がDより小さくないことを示す(検出されるパルスがもはやないことを意味する)位相差閾値比較器28からの信号に応答して送信される。
【0081】
誤警報の確率/検出の確率テーブル22(以下「PFA/PDテーブル22」)は、誤警報、検出の望ましい確率、および測定された信号対雑音比に基づいて、2次差分位相変調検出器の最適なウィンドウ長さと検出閾値を生成する定義済みのテーブルである。PFA/PDテーブル22の一例を構築するために、シミュレーションが完了し、PFAおよびPD曲線が生成された。
図5〜
図9は、それぞれ15,10,5,0,および−5dBのSNRについて、それぞれのPFA/PDテーブルに格納されたデータによって表されるPFAおよびPD曲線を示すグラフである。PD曲線は、所定のPD性能を達成するための閾値の下限であり、PFA曲線は、所定のPFA性能を達成するための閾値の上限である。より具体的には、下側の曲線は、0.6847(−・−・−)、0.9545(・・・・・)、0.9973(−・・−・・−)に等しいPDに対するものであり、上側の曲線は、0.3173(―――)、0.0455(−−−)、0.9973(----)に等しいPFAに対するものである。
図9は、SNRが−5dBの場合、2次差分位相変調検出器は役に立たないことを示しているが、0dBを超えるSNRでは、2次差分位相変調検出器は、より低いSNRに対して大きなウィンドウを有する検出器として動作することができる。
【0082】
ウィンドウを大きくすると、性能が向上するが待ち時間が長くなり、また、パルス幅がウィンドウ長さより短い場合、短いパルスを見逃す可能性がある。したがって、PFA/PDテーブル22は、所望の性能を与える最小ウィンドウ長さを生成し得る。これは、2つの曲線の交点で決定され、対応する2次位相差閾値Dも決定される。例えば、
図7は、5dBのSNRの場合、50個のサンプルのウィンドウ長さWと0.48の正規化された2次位相差閾値Dが0.27%のPFAで99.73%のPDを与えることを示している。ここでは、閾値はノイズ電力レベル1に正規化されている。
【0083】
PFA/PDテーブルからの正規化された閾値は、2次位相差推定モジュール26(
図4参照)の出力
【0085】
と比較するために使用される最終位相差閾値Dを与えるためにT倍される。
【0086】
所定のPFAおよびPDのWの格納値とともに、その逆数1/WもPFA/PDテーブル22に格納できる。これにより、除算(通常、非常にハードウェアを集中的に使用する)を行う必要がなくなる。
【0087】
互いに補完する2つの異なるアプローチの組み合わせ(融合)によるパルスのより良い検出のための方法と手段が説明されている。第1のパルス検出技術では、信号電力閾値を使用する。パルスの大きさの2乗が信号電力閾値を超えると、パルスの開始が確定され、パルス処理が開始される。第2のパルス検出技術はモデルに基づいており、ウィンドウ内で一貫した2次差分位相値がパルスにある場合、位相差閾値を超えるウィンドウ付き検出器を使用する。
【0088】
本明細書では、特定のシステム、装置、アプリケーション、またはプロセスがいくつかのモジュールを含むものとして説明されている。モジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせで実装できる個別の機能の単位であってもよい。モジュールの機能がソフトウェアを介して任意の部分で実行される場合、モジュールは非一時的な有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体を含むことができる。上記で開示した方法は、ストリーミング(または動作中の)計算を使用するため、これらの計算を実行するように構成されたモジュールは、FPGAまたはASICまたはその他のハードウェアベースの実装に適している。
【0089】
融合された閾値/位相変調検出技術を使用してパルスを検出するためのシステムおよび方法を様々な実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、本明細書の教示から逸脱することなく、様々な変更がなされ得、その要素に対して等価物が代用され得ることが理解されよう。さらに、本明細書で特定の状況に開示された実施のための概念および削減に適合させるために、多くの修正がなされてもよい。したがって、特許請求の範囲によってカバーされる主題は、開示された実施形態に限定されないことが意図される。
【0090】
上記で開示された実施形態は、1つまたは複数の処理またはコンピューティングデバイスを使用する。そのようなデバイスには通常、プロセッサ、処理デバイス、またはコントローラー(汎用中央処理装置、マイクロコントローラー、縮小命令セットコンピュータープロセッサ、ASIC、プログラマブルロジック回路、FPGA、デジタル信号プロセッサ、および/または本明細書に記載の機能を実行できる他の回路もしくは処理デバイスなど)が含まれる。本明細書で説明する方法は、記憶装置および/またはメモリ装置を含むが、これに限定されない非一時的な有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体で実現される実行可能命令としてエンコードされることができる。このような命令は、処理デバイスによって実行されると、処理デバイスに、本明細書に記載された方法の少なくとも一部を実行させる。上記の例は単なる例示であり、したがって、「プロセッサ」および「コンピューティングデバイス」という用語の定義および/または意味を決して限定することを意図するものではない。
【0091】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。
条項1.ストリーミング方式で受信信号のパルスを検出するための方法であって、
(a)受信信号をサンプリングしてデジタル形式のサンプルを生成するステップと、
(b)各サンプルの受信信号のそれぞれの信号電力を推定するステップと、
(c)ステップ(b)で推定された信号電力が信号電力閾値より小さいと判断するステップと、
(d)ステップ(c)に続くウィンドウ内の複数のサンプルの位相のそれぞれの2次差分を推定するステップと、
(e)ステップ(d)で推定された2次差分が位相差閾値より小さいと判断するステップと、
(f)ウィンドウ内のサンプルを処理して受信信号内のパルスのパラメータ値のそれぞれのデータセットを含む情報ベクトルを生成するステップと
を含む方法。
【0092】
条項2.ステップ(c)の間およびステップ(f)の前に、先入れ先出しバッファ内にウィンドウ内のサンプルを格納するステップをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0093】
条項3.ウィンドウ内のサンプルを、先入れ先出しバッファから、ステップ(e)に応答してステップ(f)を実行するように構成されたパルス処理モジュールに渡すステップをさらに含む、条項2に記載の方法。
【0094】
条項4.(g)ステップ(c)の後、ステップ(d)の前に、各信号サンプルの受信信号のそれぞれの瞬間の信号位相を推定するステップ
をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0095】
条項5.ステップ(f)が、連続したステップ(g)、(d)、および(e)の実行に固有の待ち時間の関数である時間遅延で実行される、条項3に記載の方法。
【0096】
条項6.ステップ(f)が実行されている間、ステップ(g)、(d)、および(e)は実行されない、条項5に記載の方法。
【0097】
条項7.(g)サンプルの受信信号の信号電力、初期ノイズ電力、および誤警報の望ましい確率に基づいて、信号電力閾値のリアルタイムでフィルタリングされた推定値を計算するステップと、
(h)ステップ(c)を実行した信号電力閾値比較器に信号電力閾値を送信するステップと
をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0098】
条項8.(i)誤警報の望ましい確率および検出の望ましい確率の曲線を生成するステップと、
(j)ステップ(i)で生成された誤警報の望ましい確率および検出の望ましい確率の曲線を表すデータ値を含むルックアップテーブルを構築するステップと、
(k)誤警報の望ましい確率、検出の望ましい確率、および測定された信号対雑音比に基づいて、ルックアップテーブルからウィンドウ長さと位相差閾値を取得するステップと
をさらに含む、条項7に記載の方法。
【0099】
条項9.(g)非一時的な有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体に情報ベクトルのパラメータ値のデータセットを格納するステップと、
(h)パラメータ値の格納されたデータセットに基づいて信号発信機を識別するステップと、
(i)基準フレームに対する信号発信機の位置を特定するステップと、
(j)ビークルのアクチュエータコントローラーに制御信号を送信するステップであって、制御信号はステップ(i)で決定された信号発信機の位置に基づいてビークルの動きを指示する、ステップと
をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0100】
条項10.(g)ステップ(d)で推定された2次差分が、もはや位相差閾値より小さくないことを決定するステップと、
(h)ステップ(g)に応答してステップ(f)を終了するステップと
をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0101】
条項11.ストリーミング方式で受信信号のパルスを検出するための方法であって、
(a)受信信号をサンプリングしてデジタル形式のサンプルを生成するステップと、
(b)各サンプルの受信信号のそれぞれの信号電力を推定するステップと、
(c)ステップ(b)で推定された信号電力が信号電力閾値より小さいと判断するステップと、
(d)ステップ(c)に続くウィンドウ内の複数のサンプルの位相のそれぞれのd次差分を推定するステップであって、dは1より大きい整数である、ステップと
(e)ステップ(d)で推定されたd次差分が位相差閾値より小さいと判断するステップと、
(f)ウィンドウ内のサンプルを処理して受信信号内のパルスのパラメータ値のそれぞれのデータセットを含む情報ベクトルを生成するステップと
を含む、方法。
【0102】
条項12.(g)ステップ(c)の後、ステップ(d)の前に、各信号サンプルの受信信号のそれぞれの瞬間の信号位相を推定するステップ
をさらに含む、条項11に記載の方法。
【0103】
条項13.ステップ(f)が、連続したステップ(g)、(d)、および(e)の実行に固有の待ち時間の関数である時間遅延で実行される、条項12に記載の方法。
【0104】
条項14.ステップ(f)が実行されている間、ステップ(g)、(d)、および(e)は実行されない、条項13に記載の方法。
【0105】
条項15.(g)ステップ(d)で推定された2次差分が、もはや位相差閾値より小さくないことを決定するステップと、
(h)ステップ(g)に応答してステップ(f)を終了するステップと
をさらに含む、条項11に記載の方法。
【0106】
条項16.ストリーミング方式で受信信号のパルスを検出するためのシステムであって、
受信エネルギー波を電気形式の受信信号に変換するためのトランスデューサと、
選択された周波数帯域幅内の周波数を有する受信信号の一部を通過させるためのフィルタと、
フィルタによる受信信号出力をサンプリングして信号サンプルを生成するように構成されたアナログデジタル変換器と、
信号サンプルを処理して、受信信号内のパルスのパラメータ値のそれぞれのデータセットを含む情報ベクトルを生成するように構成されたパルス処理モジュールと、
信号サンプルのウィンドウを格納するように構成されたバッファと、
信号電力閾値を超える信号電力が検出された場合に信号サンプルをパルス処理モジュールに送るか、信号電力が信号電力閾値を超えていない場合に信号サンプルをバッファに送るように構成された閾値検出器と、
バッファに送信される信号サンプルを受信するように接続され、ウィンドウ内の連続する信号サンプルの位相の2次差分が位相差より小さい場合にバッファからパルス処理モジュールに信号サンプルを送るように構成された位相変調検出器と
を備える、システム。
【0107】
条項17.閾値検出器が、
各サンプルの受信信号のそれぞれの信号電力を推定するように構成された信号電力推定モジュールと、
信号電力推定モジュールにより推定された信号電力が信号電力閾値よりも大きいか否かを判定するように構成された信号電力閾値比較器と
を備える、条項16に記載のシステム。
【0108】
条項18.位相変調検出器が、
各サンプルの位相を計算するように構成された複合サンプル推定モジュールと、
ウィンドウ内の複数のサンプルの位相のそれぞれの2次差分を推定するように構成された位相差推定モジュールと、
位相差推定モジュールにより推定された2次差分が位相差閾値より小さいか否かを判定するように構成された位相差閾値比較器と
を備える、条項17に記載のシステム。
【0109】
条項19.信号サンプルを受信し、閾値検出器によって出力されるセレクタ状態制御信号に応じてパルス処理モジュールまたは位相変調検出器のいずれかに信号サンプルを渡すように接続された第1のセレクタをさらに備える、条項16に記載のシステム。
【0110】
条項20.位相変調検出器から出力されるセレクタ状態制御信号に応じて、バッファから信号サンプルを受信し、バッファからパルス処理モジュールに信号サンプルを渡すか、または渡さないように接続された第2のセレクタをさらに備える、条項19に記載のシステム。
【0111】
条項21.パルス処理モジュールによって生成された情報ベクトルのパラメータ値のデータセットを格納する非一時的な有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体と、
パラメータ値の格納されたデータセットに基づいて信号発信機を識別し、信号発信機の位置を特定し、ビークルのアクチュエータコントローラーに制御信号を送信するように構成されたコンピューターシステムであって、制御信号は信号発信機の位置に基づいてビークルの動きを指示する、コンピューターシステムと
をさらに備える、条項16に記載のシステム。
【0112】
条項22.入力サンプル電力、初期ノイズ電力、および誤警報の望ましい確率に基づいて、信号電力閾値のリアルタイムでフィルタリングされた推定値を計算するように構成されたノイズ電力推定モジュールをさらに備える、条項16に記載のシステム。
【0113】
条項23.ノイズ電力推定モジュールからの信号電力閾値を使用してウィンドウ長さおよび位相差閾値を生成するように構成された誤警報の確率/検出の確率テーブルをさらに含む、条項12に記載のシステム。
【0114】
以下に記載されるプロセスの請求項は、そこに列挙されたステップがアルファベット順に(請求項における任意のアルファベットの順序は、前に列挙されたステップを参照する目的のためだけに使用される)、または請求項の言語がそれらのステップの一部または全部が実行される特定の順序を示す条件を明示的に指定または記載している場合を除き、列挙された順序で実行されることを要求すると解釈されるべきではない。また、特許請求の範囲の記載がそのような解釈を排除する条件を明示的に記載している場合を除き、2つ以上のステップの任意の部分を同時にまたは交互に実行することをプロセスの請求項が排除すると解釈されるべきではない。