【実施例】
【0034】
<第1実施形態の実施例>
図1に示した樹脂発泡体11からなる第1実施形態の光反射板10について、その実施例を次に示す。
ポリプロピレンとしてホモポリプロピレン、融点;162℃、品名;EA9、日本ポリプロ社製、50重量部と、ポリエチレンとして低密度ポリエチレン、融点;110℃、品名;NUC8042、NUC社製、33重量部と、ゴム成分としてEPDM、17重量部とからなるポリマー組成物を用い、超臨界発泡成形法を用いる押出成形により、厚み1.8mm、0.9mmの2種類の樹脂発泡体を形成し、
図4に示す層構成からなる実施例1〜6の光反射板を構成した。
【0035】
また、ポリプロピレンとしてランダムポリプロピレン、融点;160℃、品名;PC630S、サンアロマー社製、70重量部と、ポリエチレンとして低密度ポリエチレン、融点;110℃、品名;NUC8042、NUC社製、5重量部と、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとして、SEBS;スチレンブタジエントリブロックポリマーの水素添加物(スチレン比率20%、数平均分子量10万)、品名;タフテック H1062、旭化成社製、25重量部とからなるポリマー組成物を用いた。前記ポリマー組成物を、超臨界発泡成形法を用いる押出成形により、厚み1.8mmの樹脂発泡体を形成し、
図4に示す層構成からなる実施例7の光反射板を構成した。実施例7は、実施例1〜6のEPDM(ゴム成分)に代えて、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)を配合した場合の一例である。
【0036】
また、比較例1の光反射板として超微細発泡光反射板、品名;:MCPET、古河電機工業社製と、比較例2の光反射板として反射用フィルム、品名;:ルミラーE60V、東レ社製を用意した。
【0037】
各実施例の光反射板と各比較例の光反射板について、300〜780μmの波長領域にて光反射率を測定した。光反射率の測定は、紫外可視近赤外分光光度計 V−650(日本分光社製)を使用し、測定波長範囲:300〜780nm、光源:重水素(D2)ランプおよびタングステン(WI)ランプ、標準白色板:硫酸バリウムを用いた。サンプル数は3である。
【0038】
実施例1は、成形後の厚みが1.8mm、圧縮固定が無、層構成が元厚み1.8mmの単層であり、光反射率の最大値(MAX)が92.49%、最小値(MIN)が82.10%、最大値と最小値の差(R)が10.39、光反射率の平均が89.87%、標準偏差σが2.09、標準偏差3σが6.27である。
【0039】
実施例2は、成形後の厚みが0.9mm、圧縮固定が無、層構成が元厚み0.9mmの単層であり、光反射率のMAXが83.02%、MINが77.81%、Rが5.20、光反射率の平均が80.23%、標準偏差σが1.14、標準偏差3σが3.42である。
【0040】
実施例3は、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mmの単層、圧縮率が28%であり、光反射率のMAXが93.81%、MINが83.90%、Rが9.91、光反射率の平均が91.09%、標準偏差σが1.87、標準偏差3σが5.61である。
【0041】
実施例4は、成形後の厚みが0.25mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mmの単層、圧縮率が14%であり、光反射率のMAXが91.70%、MINが81.28%、Rが10.43、光反射率の平均が87.99%、標準偏差σが1.82、標準偏差3σが5.46である。
【0042】
実施例5は、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mm+1.8mmの2層、圧縮率が13%であり、光反射率のMAXが98.12%、MINが84.59%、Rが13.53、光反射率の平均が94.92%、標準偏差σが2.71、標準偏差3σが8.13である。
【0043】
実施例6は、成形後の厚みが0.25mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mm+0.9mmの2層、圧縮率が9%であり、光反射率のMAXが88.11%、MINが74.57%、Rが13.54、光反射率の平均が84.76%、標準偏差σが2.58、標準偏差3σが7.73である。
【0044】
実施例7は、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mmの単層、圧縮率が28%であり、光反射率のMAXが5.76%、MINが35.59%、Rが46.16、光反射率の平均が80.35%、標準偏差σが10.64、標準偏差3σが31.91である。
【0045】
比較例1は、厚み0.5mm、光反射率のMAXが98.87%、MINが−3.95%、Rが102.82、光反射率の平均が80.84%、標準偏差σが34.84、標準偏差3σが104.51である。なお、光反射率の最小値(MIN)がマイナスの値であるのは光が透過していることを示唆している。
【0046】
比較例2は、厚み0.25mm、光反射率のMAXが100.98%、MINが4.52%、Rが96.46、光反射率の平均が81.62%、標準偏差σが33.79、標準偏差3σが101.36である。
【0047】
実施例1〜7の光反射板は、比較例1〜2の光反射板に比べ、300〜780μmの波長領域で光反射率の平均値が同等あるいはそれ以上であり、光反射性に優れている。さらに、実施例1〜7の光反射板は、比較例1〜2の光反射板よりも光反射率の標準偏差3σが小さいことから、反射した光が均一な照度で散乱しており、良質な反射光が得られる。
【0048】
また、実施例1〜6におけるポリプロピレンとポリエチレンの配合割合を変化させて、
図5に示す実施例8〜12の樹脂発泡体からなる光反射板を形成した。ポリプロピレンであるホモポリプロピレンは、45〜65重量部、ポリエチレンである低密度ポリエチレンは、20〜40重量部、ゴム成分としてEPDMは、15〜35重量部で変量した。いずれも厚み1.8mmで圧縮固定することなく光反射率を測定したところ、いずれも光反射率のMAX(最大値)は90%以上であり、MIN(最小値)は80%以上、3σは10以下であった。なお、実施例12のブロックポリプロピレンは、融点162℃、品名;EC9、日本ポリプロ社製である。
【0049】
なお、実施例1〜12の樹脂発泡体(圧縮前)について、厚み方向に沿って切断した断面をマイクロスコープにより撮影し、得られた画像から気泡の直径を30個測定し、平均した値は何れも5〜250μmであり、かつ、樹脂発泡体の表面から内部に向かって気泡径が大になっていた。
【0050】
<第2実施形態の実施例>
図2に示した樹脂発泡体11と光反射樹脂フィルム21との積層体からなる第2実施形態の光反射板20について、その実施例を次に示す。
第1実施形態の実施例1〜6と同じ配合のポリマー組成物から、超臨界発泡成形法を用いる押出成形により、厚み1.8mm、0.9mmの2種類の樹脂発泡体を形成し、その樹脂発泡体に、光反射樹脂フィルムをダイレクトラミネートによって積層し、
図6に示す実施例13〜17の光反射板を得た。樹脂発泡体の圧縮固定が必要な実施例については、光反射樹脂フィルム積層後の樹脂発泡体に対して圧縮固定を行った。なお、
図6には、比較のため、光反射樹脂フィルム非積層である第1実施形態の実施例1、3、5、7及び比較例1、2についても示した。
【0051】
光反射樹脂フィルムとしてA、B、Cの3種類を用いた。光反射樹脂フィルムAは、白色顔料が10重量%配合されたポリプロピレン樹脂のフィルム、厚み100μm、アイシート社製 試作品である。光反射樹脂フィルムBは、塩化ビニル樹脂のフィルム、厚み60μm、品名;ディフューザーフィルム 3635−70、3M社製である。光反射樹脂フィルムCは、酸化チタンが塩化ビニル樹脂のフィルム、厚み60μm、品名;ディフューザーフィルム 3635−300、3M社製である。
【0052】
実施例13〜17の光反射板について、300〜780μmの波長領域にて光反射率を測定した。光反射率の測定は、紫外可視近赤外分光光度計 V−650(日本分光社製)を使用し、測定波長範囲:300〜780nm、光源:重水素(D2)ランプおよびタングステン(WI)ランプ、標準白色板:硫酸バリウムを用いた。サンプル数は3である。光反射率に基づいて光反射性を評価した。光反射率が300nm、555nm、780nmの各領域の全ての領域で80%以上の場合は評価「◎」、光反射率が300nm、555nm,780nmの各領域の全ての領域で30%以上であって、かつ、いずれかの領域で80%未満である場合は評価「〇」、光反射率が300nm、555nm,780nmの各領域のいずれかの領域で30%未満である場合は評価「×」とした。
【0053】
また、実施例13〜17の光反射板と、第1実施形態の実施例1、3、5、7及び比較例1、2について、難燃性を測定した。難燃性の測定は、難燃規格UL94のHBF試験に基づいて行い、HBF試験の判定基準を満足するもの(100mm標線間の燃焼速度が40mm/分以下、または、燃焼距離が125mm未満)を合格、:HBF試験の判定基準を満たさないものを不合格とした。
【0054】
実施例13は、光反射樹脂フィルムA、光反射樹脂フィルムの厚み100μmであり、樹脂発泡体は、実施例3と同様であり、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mmの単層、圧縮率が28%である。
実施例13の光反射率は、300nmが85%、555nmが97%、780nmが98%であり、光反射性の評価が「◎」、難燃性の判定が「合格」であった。
実施例13の光反射板は、樹脂発泡体が同じ構成で、光反射樹脂フィルムが非積層の実施例3の光反射板と比べて光反射率が高く、かつ難燃性に優れていた。
【0055】
実施例14は、光反射樹脂フィルムA、光反射樹脂フィルムの厚み100μmであり、樹脂発泡体は、実施例5と同様であり、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mm+1.8mmの2層、圧縮率が13%である。
実施例14の光反射率は、300nmが85%、555nmが98%、780nmが99%であり、光反射性の評価が「◎」、難燃性の判定が「合格」であった。
実施例14の光反射板は、樹脂発泡体が同じ構成で、光反射樹脂フィルムが非積層の実施例5の光反射板と比べて光反射率が高く、かつ難燃性に優れていた。
【0056】
実施例15は、光反射樹脂フィルムB、光反射樹脂フィルムの厚み70μmであり、樹脂発泡体は、実施例3と同様であり、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mmの単層、圧縮率が28%である。
実施例15の光反射率は、300nmが94%、555nmが98%、780nmが98%であり、光反射性の評価が「◎」、難燃性の判定が「合格」であった。
実施例15の光反射板は、樹脂発泡体が同じ構成で、光反射樹脂フィルムが非積層の実施例3の光反射板と比べて光反射率が高く、かつ難燃性に優れていた。
【0057】
実施例16は、光反射樹脂フィルムB、光反射樹脂フィルムの厚み70μmであり、樹脂発泡体は、実施例5と同様であり、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mm+1.8mmの2層、圧縮率が13%である。
実施例16の光反射率は、300nmが85%、555nmが98%、780nmが99%であり、光反射性の評価が「◎」、難燃性の判定が「合格」であった。
実施例16の光反射板は、樹脂発泡体が同じ構成で、光反射樹脂フィルムが非積層の実施例5の光反射板と比べて光反射率が高く、かつ難燃性に優れていた。
【0058】
実施例17は、光反射樹脂フィルムC、光反射樹脂フィルムの厚み30μmであり、樹脂発泡体は、実施例3と同様であり、成形後の厚みが0.5mm、圧縮固定が有り、層構成が元厚み1.8mmの単層、圧縮率が28%である。
実施例16の光反射率は、300nmが83%、555nmが95%、780nmが95%であり、光反射性の評価が「◎」、難燃性の判定が「合格」であった。
実施例16の光反射板は、樹脂発泡体が同じ構成で、光反射樹脂フィルムが非積層の実施例3の光反射板と比べて光反射率が高く、かつ難燃性に優れていた。
【0059】
なお、
図6に示すように、光反射樹脂フィルム非積層の実施例1、3、5、7は、何れも難燃性が「不合格」となった。また、比較例1、2は、難燃性については「合格」になったが、300nmの光反射性に劣り、光反射性の評価が「×」であった。
【0060】
このように、本発明の光反射板は、光反射性に優れ、良質な反射光が得られる。
優れた光反射性を有する本発明の光反射板は、光が筐体内で反射拡散するバックライト方式の面照射装置に好適である。