【解決手段】基板10は、複数のバンプを有する第1電子部品を実装する基板であって、絶縁体からなり、その上面に前記第1電子部品のバンプの先端部を収容可能な少なくとも1つの溝部13が形成される基材部11と、溝部13の少なくとも底面に設けられた電極12と、を備える。
前記溝部は、前記基材部の角部にそれぞれ配置されている第1溝部と、前記第1溝部より径が小さく、前記基材部の4つの角部以外に配置されている第2溝部と、で構成される請求項4に記載の基板。
絶縁体からなり、その上面に少なくとも1つの前記バンプの先端部を収容可能な少なくとも1つの溝部が形成される基材部と、前記溝部の少なくとも底面に設けられた電極と、を有する基板を準備し、
前記基板の前記溝部に、第1はんだ合金を充填し、
第1電子部品を、バンプの先端部が前記基板の溝部に収容されるように前記基板の上面に載置し、
前記第1はんだ合金が溶融する温度で加熱する電子基板の製造方法。
前記第1電子部品の実装前に、融点が前記第1はんだ合金の融点よりも高い第2はんだ合金により前記基板に第2電子部品が実装されている請求項12または13に記載の電子基板の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電子基板の模式図である。
【
図3A】
図3Aは、第1実施形態に係る樹脂シートの平面図である。
【
図4A】
図4Aは、第1実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図である。
【
図4B】
図4Bは、第1実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、基板と樹脂シートと第1電子部品を組み立て前の断面図である。
【
図4C】
図4Cは、第1実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、基板に樹脂シートを乗せ、第1電子部品をフリップチップボンディングする前の断面図である。
【
図4D】
図4Dは、第1実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、基板と樹脂シートと電子部品とが組み立てられた断面図である。
【
図4E】
図4Eは、第1実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、基板と樹脂シートと第1電子部品とが組み立てられて、熱が加えられて実装された断面図である。
【
図5A】
図5Aは、従来技術に係るバンプと電極の接合部の構造を説明する図である。
【
図5B】
図5Bは、第1実施形態に係るバンプと電極の接合部の構造を説明する図である。
【
図7A】
図7Aは、第1実施形態に係る樹脂シートの平面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る電子基板の断面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、基板に装着された樹脂シートに第1電子部品を位置合わせしたる図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る電子基板の断面図であって、基板に第1電子部品が搭載された状態の断面図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態の変形例に係る基板の平面図である。
【
図15】
図15は、第5実施形態に係る電子基板の模式図である。
【
図16A】
図16Aは、第5実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、基板に第2電子部品を搭載した状態の断面図である。
【
図16B】
図16Bは、第5実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、第2電子部品が搭載された基板に樹脂シートと第1電子部品を搭載する方法を示す段面図である。
【
図16C】
図16Cは、第5実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、第2電子部品が搭載された基板に第1電子部品用の樹脂シートが装着された状態を示す断面図である。
【
図16D】
図16Dは、第5実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、第2電子部品が搭載された基板に樹脂シート、第1電子部品が装着された状態の断面図である。
【
図16E】
図16Eは、第5実施形態に係る電子基板の製造方法を説明する図であって、熱が加えられて第1電子部品が実装された状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る基板、電子基板、および電子基板の製造方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、第1実施形態に係る電子基板100の模式図である。電子基板100は、基板10と、樹脂シート20と、第1電子部品30と、を備えている。電子基板100は、基板10に樹脂シート20を介して1つの第1電子部品30が実装されているが、電子基板100は、基板10に2以上の第1電子部品30が実装されているものであってもよい。
【0013】
図2Aは、第1実施形態に係る基板10の平面図、
図2Bは
図2AのA−A線での断面図である。基板10は、絶縁体からなり、上面に溝部13が形成された矩形状の基材部11と、溝部13の底面および側面に設けられている導電体からなる電極12と、を有している。溝部13は、基材部11の上面に格子状に複数、
図2Aの例では、後述する第1電子部品30のバンプ32と同数の81個設けられている。溝部13は、第1電子部品30のバンプ32と対応する位置に設けられ、バンプ32の先端部を収容する大きさである。
図2Aでは、溝部13は有底の円柱状であるがこれに限定するものではなく、バンプ32の先端部を収容できれば、角柱状であってもよい。本明細書において、基板10の厚さ方向を上下方向(Z方向)とし、上下方向に直行する一方向を左右方向(X方向)、上下方向および左右方向に直行する方向を前後方向(Y方向)とする。また、基板10の樹脂シート20と接する側を上面、その反対側を下面とする。
【0014】
図3Aは、第1実施形態に係る樹脂シート20の平面図、
図2Bは
図2AのG−G線での断面図である。樹脂シート20は、矩形状の本体部21と、本体部21の厚さ方向に貫通する貫通孔22と、を備えている。貫通孔22は、基板10の溝部13と同様に、第1電子部品30のバンプ32に対応する位置に設けられ、第1電子部品30を樹脂シート20上に載置した際、バンプ32を収容する大きさである。貫通孔22の直径は、バンプ32の直径以上であればよいが、バンプ32の貫通孔22への収容のしやすさ、電子基板100の小型化、および本体部21の電極12とバンプ32への接着による接続部保護という観点から、バンプ32の直径の1.05〜1.20倍程度である。
図3Aでは、貫通孔22は円柱状をなしているがこれに限定するものではなく、バンプ32を収容できれば、角柱状であってもよい。
【0015】
本体部21は、予備硬化された樹脂からなる。本体部21は、アンダーフィルとして使用される材料、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂等から選択される。本体部21は、予備硬化することにより所定形状の貫通孔22を形成することができる。本体部21には、ガラス等のフィラーが添加されていてもよい。なお、樹脂シート20は、本体部21を覆うカバーフィルムを備えていてもよい。
【0016】
第1電子部品30は、本体部31と、基板10の電極12に電気的に接続されるバンプ32と、を有している(
図4B等参照)。第1電子部品30は、本体部31と、バンプ32とを有し、リフローはんだ付けによって、基板10の電極12に実装される。第1電子部品30は、バンプ32を介して基板10に実装されるものであれば限定されるものではないが、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)が好適である。バンプ32は、BGAのボールを含む。バンプ32は、半田ボール、金、銅等から形成され、バンプ32の直径は、例えば、100〜1000μmである。
【0017】
次に、図を参照して、電子基板100の製造方法について説明する。
図4A〜
図4Eは、第1実施形態に係る電子基板100の製造方法を説明する図である。電子基板100の製造方法は、充填工程と、樹脂シート載置工程と、電子部品載置工程と、実装工程と、を含んでいる。
【0018】
充填工程では、
図4Aに示すように、基板10の溝部13内に、第1はんだ合金14を充填する。第1はんだ合金14は、溝部13内の電極12上に塗布される。
【0019】
ここで、第1はんだ合金14としては、バンプ32よりも融点の低いはんだ合金が好適である。第1はんだ合金14の融点は、例えば、150℃以下であることが好ましい。低融点のはんだ合金を第1はんだ合金14として用いることにより、第1電子部品30を実装する際の加熱温度が低くなり、第1電子部品30に加わる熱負荷を低減することができる。150℃以下のはんだ合金としては、Sn−Bi系はんだ合金を例示することができる。Sn−Bi系はんだ合金の具体例としては、Sn−Biはんだ合金、Sn−Bi―Cuはんだ合金、Sn−Bi−Niはんだ合金、Sn−Bi−Cu−Niはんだ合金、Sn−Bi−Agはんだ合金、Sn−Bi−Sbはんだ合金が挙げられる。
【0020】
Sn−Biはんだ合金中のBi含有量は、30〜80質量%であることが好ましい、Bi含有量が上記範囲内とすると、例えば、融点を138℃とすることができる。融点を低くする観点から、Bi含有量は、35〜70質量%であることがさらに好ましく、53〜61質量%であることが特に好ましい。また、Sn−Biはんだ合金にCuやNiを添加する場合、Cu:0.1〜1.0質量%、Ni:0.01〜0.1質量%の割合で添加することが好ましい。
【0021】
一方、バンプ32の材質としては、例えば、Sn−Cuはんだ合金、Sn−Agはんだ合金、Sn−Ag−Cuはんだ合金Sn−Ag−Cu−Niはんだ合金Sn−Ag−Cu−Sbはんだ合金mSn−Ag−Cu−Ni−Sbはんだ合金などを使用することができる。バンプ32の材質としては、第1電子部品30の実装の際に溶融しない融点をしめすはんだ合金、例えば200℃以上の高融点はんだ合金が好ましいが、第1電子部品30の実装の際に溶融する低融点はんだを使用してもよい。
【0022】
樹脂シート載置工程では、
図4B、
図4Cに示すように、樹脂シート20の下面を基板10の上面と対向させて、基板10の上に載置する。載置は、樹脂シート20の貫通孔22の位置を、基板10の溝部13の上に合わせるようにして行う。位置合わせは、画像制御や位置決めピン等で行うことができる。
【0023】
電子部品載置工程は、
図4Dに示すように、第1電子部品30を樹脂シート20の上に載置する工程である。電子部品載置工程は、樹脂シート載置工程より前に行ってもよい。電子部品載置工程は、第1電子部品30のバンプ32の位置を、樹脂シート20の貫通孔22の上に合わせるようにして行う。この位置合わせにより、バンプ32は、貫通孔22内に収容される。位置合わせは、画像制御や位置決めピン等で行うことができる。バンプ32と第1はんだ合金14とが接するように、第1はんだ合金14の充填量等を調整することが好ましい。なお、後述する第1電子部品30の実装工程において、第1電子部品30の自重によりバンプ32が第1はんだ合金14と接触し、電極12と電気的に接続可能であれば、必ずしも第2載置工程でバンプ32と第1はんだ合金14とが接しておらず、バンプ32の先端部が溝部13に収容されていなくてもよい。
【0024】
実装工程では、
図4Eに示すように、第1電子部品30のバンプ32と基板10の電極12とを、第1はんだ合金14により電気的に接続する。実装工程は、リフローにより行うことが好ましい。実装工程は、基板10と第1電子部品30の間に樹脂シート20を挟んだ状態で、リフロー炉に入れて加熱して行う。加熱により、第1はんだ合金14が溶融し、バンプ32と電極12とが、第1はんだ合金14を介して電気的に接続される。また、樹脂シート20は、加熱により硬化して、第1電子部品30と基板10とを物理的に接続する。実装工程の加熱温度は、例えば、150〜180℃である。また、リフローの前に、50〜100℃程度の予備加熱を行い、第1はんだ合金14中の溶剤を除去してもよい。
【0025】
図5Aは、従来技術に係るバンプ32と電極12の接合部の構造を説明する図であり、
図5Bは、第1実施形態に係るバンプ32と電極12の接合部の構造を説明する図である。
図5Aに示すように、従来のフリップチップ実装では、電子基板100’に熱負荷が加えられて、樹脂シート20と基板10との熱膨張係数差により基板10’が変形した場合、その応力は、図中の矢印で示す電極12と第1はんだ合金14との接続界面に集中し、この界面からはんだや基板10’にクラック等が生じていた。これに対し、溝部13内にバンプ32の先端部を収容する第1実施形態では、
図5Bに示すように、基板10が熱応力で変形する場合、図中の矢印で示すバンプ32の外周部に応力が加わるが、バンプ32は形状的に剛性が高いため、熱応力による接合部の破壊を抑制することができる。
【0026】
以上、説明したように、第1実施形態に係る電子基板100は、第1電子部品30のバンプ32と基板10の電極12とが第1はんだ合金14により電気的に接続されるとともに、第1電子部品30と基板10とが樹脂シート20により物理的に接続されている。第1実施形態に係る電子基板100は、電極12を基材部11の上面に設けられた溝部13内に形成し、バンプ32の先端部を溝部13内に収容した状態で、第1はんだ合金14を介して接続することにより、熱応力により基板10が変形した場合でも、接合部の破壊を効果的に防止することができる。また、第1実施形態では、電極12を溝部13の底面および側面に形成するため、バンプ32と接続する電極12の面積が増加する。従って、電子基板100の大型化を防止しながら、バンプ32と電極12との接続強度を向上することができる。
【0027】
なお、第1実施形態では、電極12を溝部13の底面および側面に形成しているが、底面のみに形成してもよい。
【0028】
また、第1実施形態では、基板10と第1電子部品30との間に樹脂シート20を挿入して、バンプ32と電極12との接合部を保護しているが、樹脂シート20を必ずしも使用する必要はない。あるいは、電子基板100の接合部において更に強度が必要な場合は、追加工程にて補強用の樹脂封止を行なってもよい。
【0029】
図6Aは、第2実施形態に係る基板10Bの平面図、
図6Bは
図6AのB−B線での断面図である。以下、第2実施形態について説明するが、上述の実施形態等と同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0030】
基板10Bは、上面に溝部13および溝部13Bが形成された基材部11Bと、溝部13および溝部13Bの底面および側面に設けられている導電体からなる電極12および電極12Bと、を有している。溝部13Bは、基材部11の4つの角部に配置されている第1溝部であり、溝部13は、溝部13Bより径が小さく、4つの角部以外に配置されている第2溝部である。
図6Bに示すように、溝部13Bは、溝部13よりも深さも深い。
【0031】
図7Aは、第2実施形態に係る樹脂シート20Bの平面図、
図7Bは
図7AのH−H線での断面図である。樹脂シート20Bは、矩形状の本体部21Bと、本体部21Bの厚さ方向に貫通する貫通孔22および貫通孔22Bと、を備えている。貫通孔22Bは、本体部21Bの4つの角部に配置され、貫通孔22は、貫通孔22Bより径が小さく、4つの角部以外に配置されている。
【0032】
図8は、第2実施形態に係る電子基板100Bの断面図である。第1電子部品30Bは、本体部31Bと、バンプ32およびバンプ32Bと、を備えている。バンプ32Bは、本体部31Bの下面の4つの角部に配置され、バンプ32は、バンプ32Bより径が小さく、4つの角部以外に配置されている。
【0033】
第2実施形態に係る電子基板100Bは、第1実施形態と同様に、充填工程と、樹脂シート載置工程と、電子部品載置工程と、実装工程と、により製造される。充填工程で、溝部13および溝部13Bに、第1はんだ合金14および第1はんだ合金14Bをそれぞれ充填する。第1はんだ合金14および第1はんだ合金14Bは、同種のはんだ合金であり、充填量のみ異なる。樹脂シート載置工程では、樹脂シート20Bの貫通孔22、貫通孔22Bの位置を、基板10Bの溝部13、溝部13Bの上にそれぞれ合わせるようにして載置し、電子部品載置工程では、第1電子部品30Bのバンプ32、バンプ32Bの位置を、樹脂シート20Bの貫通孔22、貫通孔22Bの上にそれぞれ合わせるようにして載置する。これにより、電子部品載置工程では、バンプ32を貫通孔22および溝部13内に収容し、バンプ32Bを貫通孔22Bおよび溝部13B内に収容する。
【0034】
第2実施形態では、第1電子部品30Bの4つの角部に大きいバンプ32Bを配置し、基板10Bおよび樹脂シート20Bの4つの角部にも、対応する大きい溝部13Bおよび貫通孔22Bを配置する。角部に大きなバンプ32Bおよび溝部13Bを配置することにより、角部に配置されたバンプ32Bと電極12Bとの接合部の接合強度をさらに向上することができる。
【0035】
第2実施形態では、電極12および電極12Bを、溝部13および溝部13Bの底面および側面に形成しているが、底面のみに形成してもよい。また、第2実施形態では、基板10Bと第1電子部品30Bとの間に樹脂シート20Bを挿入して、バンプ32、バンプ32Bと電極12、電極12Bとの接合部を保護しているが、樹脂シート20Bを必ずしも使用する必要はない。
【0036】
図9Aは、第3実施形態に係る基板10Dの断面図であり、
図9Bは、
図9AのD−D線での断面図である。以下、第3実施形態について説明するが、上述の実施形態等と同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0037】
基板10Dは、上面の4つの角部に溝部13が形成された矩形状の基材部11Dと、溝部13の底面および側面に設けられている電極12と、基材部11Dの溝部13が配置される4つの角部以外の上面であって、4つの角部が形成された上面より掘り下げられた段部17と、段部17上に設けられた電極12Dと、を有している。
【0038】
図10Aは、第3実施形態に係る樹脂シート20Dの平面図、
図10Bは
図10AのE−E線での断面図である。樹脂シート20Dは、板状の本体部21Dと、本体部21Dの厚さ方向に貫通する貫通孔22と、を備えている。
【0039】
図11は、第3実施形態に係る電子基板100Dの製造方法を説明する図である。
図11では、基板10の電極12d、および樹脂シート20Dの貫通孔22の図示を省略している。
【0040】
電子基板100Dは、第1実施形態の電子基板100と同様に、充填工程と、樹脂シート載置工程と、電子部品載置工程と、実装工程と、により製造する。基板10Dの溝部13内および電極12D上に第1はんだ合金14を充填および塗布する充填工程後、
図11に示すように、第1電子部品30の本体部31よりも面積が小さい樹脂シート20Dを、第1電子部品30の4つの角度に対応する基板10D上の位置にそれぞれ載置する。その後、第1電子部品30の4つの角部を各樹脂シート20D上に合わせて載置する電子部品載置工程、および実装工程を行うことにより、電子基板100Dを製造することができる。
【0041】
電子基板100Dでは、熱負荷に伴い基板10Dに変形が生じた場合でも、最も応力負荷が大きい第1電子部品30の4つの角部のバンプ32の一部は、溝部13内に収容され、かつバンプ32の周囲は樹脂シート20Dにより封止されているため、効果的にバンプ32と電極12との接合部を保護することができる。
【0042】
第3実施形態では、9つの貫通孔22を有する樹脂シート20Dを4つ使用しているが、これに限定するものではなく、例えば、より面積が小さい樹脂シート(例えば、貫通孔4つ)を第1電子部品30の4つの角部と、各角部を結ぶ辺の中間地点にそれぞれ配置してもよい。
【0043】
また、第3実施形態では、電極12を、溝部13の底面および側面に形成しているが、底面のみに形成してもよい。さらに、第3実施形態では、基板10Bと第1電子部品30Dとの間に樹脂シート20Dを挿入して、バンプ32と電極12、電極12Dとの接合部を保護しているが、樹脂シート20Dを必ずしも使用する必要はない。
【0044】
図13は、第3実施形態の変形例に係る基板10Eの平面図である。基板10Eは、上面の4つの角部に溝部13が形成された基材部11Eと、溝部13の底面および側面に設けられている電極12と、基材部11Eの溝部13が配置される4つの角部以外の上面であって、溝部13が形成された上面より掘り下げられた段部17Eと、段部17E上に設けられた電極12Eと、を有している。第3実施形態に係る基板10Dでは、溝部13が形成される基材部11Dの上面形状は矩形状であるが、基板10Eでは、溝部13が形成される基材部11Eの上面形状は多角形状である。変形例に係る基板10Eを使用した場合にも、第3実施形態と同様に、最も応力負荷が大きい第1電子部品30の4つの角部のバンプ32の一部を、溝部13内に収容し、電極12と接続することにより、接続部の強度を向上することができる。
【0045】
図14Aは、第4実施形態に係る基板10Fの平面図であり、
図14Bは、
図14AのF−F線での断面図である。以下、第4実施形態について説明するが、上述の実施形態等と同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0046】
基板10Fは、上面の外周領域に溝部13が形成された基材部11Fと、溝部13の底面および側面に設けられている電極12と、基材部11Fの溝部13が配置される外周領域より内側の領域の上面に設けられ、外周領域の上面より掘り下げられた段部17Fと、段部17F上に設けられた電極12Fと、を有している。
【0047】
基板10Fは、第1電子部品30の外周部に配置されるバンプ32の先端部を溝部13に収容し、溝部13内に形成されている電極12と接続するため、応力負荷が大きい第1電子部品30の外周部のバンプ32と電極12との接合部を保護することができる。また、第1電子部品30の外周部に配置されるバンプ32の周辺を封止する樹脂シートを使用することにより、バンプ32と電極12との接合部の接合強度を向上するとともに、湿度等の環境からの接合部への影響を遮断することができる。
【0048】
第4実施形態では、基板10Fの外周領域に一列に溝部13を配置し、加えて4つの角部の近傍にさらに溝部13を追加しているが、溝部13の配置はこれに限定するものではなく、溝部13を一列に配置するだけでもよく、あるいは二列に配置してもよい。
【0049】
図15は、第5実施形態に係る電子基板100Aの模式図である。電子基板100Aは、基板10Aと、樹脂シート20を介して基板10Aに実装されている第1電子部品30と、第2電子部品40と、を備えている。電子基板100Aは、基板10Aに1つの第1電子部品30、および1つの第2電子部品40が実装されているが、電子基板100Aは、基板10Aに2以上の第1電子部品30、および/または2以上の第2電子部品40が実装されているものであってもよい。以下、第5実施形態について説明するが、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0050】
第1電子部品30および第2電子部品40としては、LSI(Large Scale Integration)、SSI(Small Scale integration)などのIC(Integrated Circuit)チップを用いることができる。CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、メモリー、SSD(Solid State Drive)などの比較的高価で熱に弱い部品を第1電子部品30とし、その他の部品を第2電子部品40として用いることが好ましい。
【0051】
第5実施形態では、充填工程の前に予備実装工程を行う。予備実装工程では、
図16Aに示すように、基板10Aに第2電子部品40を実装する。第2電子部品40は、電極15に第2はんだ合金16を介して、図示しない第2電子部品40の電極部が電気的に接続されている。予備実装工程は、リフローにより行うことが好ましい。第2はんだ合金16は、電極15上にマスクを介してプリント、またはジェットプリント等により塗布することができる。
【0052】
予備実装工程後、
図16B〜
図16Eに示すように、充填工程、樹脂シート載置工程、電子部品載置工程、実装工程を行うことにより、電子基板100Aを製造することができる。
【0053】
第5実施形態で使用する第2はんだ合金16は、第1はんだ合金14よりも融点が高いものであることが好ましい。第5実施形態では、第2電子部品40を第2はんだ合金16により電極15に接続後、第1電子部品30を第1はんだ合金14により電極12に接続するが、第1電子部品30の実装の際に第2はんだ合金16の再溶融を防止できるためである。第1はんだ合金14として、融点が150℃以下の低融点はんだを使用する場合、第2はんだ合金16の融点は、180℃程度であることが好ましい。
【0054】
なお、第2電子部品40がバンプを有し、基板10Aにフリップチップ実装されるものである場合、第2電子部品40の実装の際にも、基板10Aに第2電子部品40のバンプを収容する溝部を設けて、溝部内に形成した電極と第2電子部品40のバンプとを第2はんだ合金により実装してもよい。
【0055】
第5実施形態に係る電子基板100Aは、第1実施形態の効果に加え、異なる種類の電子部品を備える場合でも、電子部品の耐熱性等を考慮して実装を行うことができ、電子基板100Aの信頼性を向上することができる。