特開2020-191704(P2020-191704A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-191704(P2020-191704A)
(43)【公開日】2020年11月26日
(54)【発明の名称】走行装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/02 20060101AFI20201030BHJP
   H01F 7/20 20060101ALI20201030BHJP
   B60L 13/03 20060101ALI20201030BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20201030BHJP
【FI】
   H02K41/02 A
   H01F7/20 E
   B60L13/03 Z
   B65G54/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-94469(P2019-94469)
(22)【出願日】2019年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】角口 謙治
【テーマコード(参考)】
3F021
5H113
5H641
【Fターム(参考)】
3F021AA07
3F021BA02
5H113AA07
5H113CC04
5H113CD06
5H113DC03
5H113DC15
5H113DD01
5H641BB06
5H641GG02
5H641GG07
5H641GG12
5H641HH03
5H641JA04
5H641JB06
(57)【要約】
【課題】走行車の安定走行を維持する。
【解決手段】可動子115を有し所定の走行路を走行する走行車111と、走行路に沿って並んで配置され、可動子115に作用する磁界を発生させる複数のコイルユニット160とを備えた走行装置100であって、コイルユニット160は、走行路に沿って所定の間隔で並べて配置されたコイル116と、コイル116の上側を覆い、隣り合うコイルユニット160まで延在する板状の第一保護部材161と、を備える走行装置100。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動子を有し所定の走行路を走行する走行車と、前記走行路に沿って並んで配置され、前記可動子に作用する磁界を発生させる複数のコイルユニットとを備えた走行装置であって、
前記コイルユニットは、
前記走行路に沿って所定の間隔で並べて配置されたコイルと、
前記コイルの巻き軸方向において前記コイルの一方側を覆い、隣り合う前記コイルユニットまで延在する板状の第一保護部材と、を備える
走行装置。
【請求項2】
前記第一保護部材の前記コイルから突出する部分の撓みを抑制する補強部材を備える
請求項1に記載の走行装置。
【請求項3】
前記コイルから張り出した前記第一保護部材の部分の巻き軸方向において前記コイルに対する反対側を少なくとも覆い、隣り合う前記コイルユニットまで延在する板状の第二保護部材と、を備える
請求項1または2に記載の走行装置。
【請求項4】
前記補強部材は、前記第一保護部材と前記第二保護部材との間に配置され、前記第一保護部材、および前記第二保護部材に接続される
請求項2を引用する請求項3に記載の走行装置。
【請求項5】
前記第一保護部材は、配置された径路に沿って湾曲する湾曲部を備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の走行装置。
【請求項6】
前記第一保護部材は、前記湾曲部に連続する直線部を備える
請求項4に記載の走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアモータにより走行車を走行路に沿って走行させる走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上一次式リニアモータを利用して、スラットと称される走行車を走行させて物品を搬送する走行装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−123003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地上一次式リニアモータを用いて荷物を高速に搬送するような走行装置の場合、地上側のモータコイルを離散的に配置しても十分な推力を得ることができる。しかしながら長期間走行装置を運用することにより発明者は、隣り合うモータコイルの間の空間に異物が嵌まり込み、走行車と異物との衝突によりモータコイルや磁石を備える可動子などが損傷する場合があることを見出した。さらに、異物が磁性体の場合、走行車の可動子が備える磁石に異物が付着した状態で走行する場合があり、予想外な場所、タイミングで異物とモータコイルとが衝突することも見出した。
【0005】
本発明は、発明者の前記知見に基づいてなされたものであり、長期間安定して走行を維持することのできる地上一次式リニアモータを用いた走行装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つである走行装置は、可動子を有し所定の走行路を走行する走行車と、前記走行路に沿って並んで配置され、前記可動子に作用する磁界を発生させる複数のコイルユニットとを備えた走行装置であって、前記コイルユニットは、前記走行路に沿って所定の間隔で並べて配置されたコイルと、前記コイルの巻き軸方向において前記コイルの一方側を覆い、隣り合う前記コイルユニットまで延在する板状の第一保護部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コイルが離散的に配置されている場合であっても、走行方向において異物がコイルユニットの端部と干渉せず、安定走行を維持し続けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る走行装置の一部を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る走行装置の走行車を走行方向から示す図である。
図3】実施の形態に係るコイルユニットを上方から示す平面図である。
図4】実施の形態に係るコイルユニットを側方から示す側面図である。
図5】コイルユニットの別形状1を側方から示す側面図である。
図6】コイルユニットの別形状2を側方から示す側面図である。
図7】コイルユニットの別形状3を側方から示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る走行装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0011】
図1は、走行装置を示す斜視図である。図2は、走行装置の走行車を走行方向から示す図である。これらの図に示すように、走行装置100は、走行路を形成する走行レール117に沿って複数の走行車111をリニアモータによって走行させる装置であり、走行車111と、コイルユニット160とを備えている。本実施の形態の場合、走行装置100は、保持した物品200を走行路(例えば図1中はオーバル形状の走行路の一部を示す)に沿って搬送し、所定の移載スペース110において物品200を移載する搬送装置として機能している。なお、移載スペース110とは、搬入装置102から物品200を受け取るために走行車111が停止する位置を示す仮想的な領域である。
【0012】
搬入装置102は、走行路と交差する方向において、移載スペース110内に配置されている走行車111に対して物品200を搬入する装置である。搬入装置102の種類は、特に限定されるものでは無く、本実施の形態の場合、ベルトコンベアが採用されている。搬入装置102は、搬入方向が走行装置100の走行路に直交するように配置されており、走行装置100全体の設置スペースの小型化が図られている。
【0013】
走行レール117は、走行車111が走行する走行路を形成するための部材である。走行レール117の形状などは特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、長尺状の2本の部材であり、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属により構成される。なお、走行レール117は、その他の金属、樹脂により構成してもよい。本実施の形態では、図1に一部省略して示しているが、走行レール117は、長円環状で断面が矩形の2本の平行な部材で構成されている。また、走行レール117の少なくとも一方には、コイルユニット160が取り付けられる。
【0014】
走行車111は、走行レール117によって形成される走行路に沿って走行する。走行車111は、バッテリーや電動モータを備えず、コイルユニット160からの磁気作用によって推力を得るリニアモータが採用されている。具体的に走行車111は、永久磁石を有する可動子115を備え、走行車111の走行路に沿って所定間隔で並んで配置されるコイルユニット160からの磁気作用により可動子115が走行方向の力を発生させて走行車111を走行路に沿って走行させている。
【0015】
可動子115は、例えば、複数の永久磁石により構成される。可動子115を構成する複数の永久磁石は、走行車111に対し走行方向に並んで配置される。可動子115の複数の永久磁石は、コイルユニット160を挟むように配置される(図2参照)。つまり、可動子115の永久磁石は、コイルユニット160の上下両側において、複数の永久磁石が走行方向に並んで配置されている。コイルユニット160の一方側に並ぶ複数の永久磁石は、コイルユニット160に対向する側にN極と、S極とが交互に向いているように配置され、他方側に並ぶ永久磁石は、N極とS極との並びが一方側と異なるように配置される。なお、可動子115は、上下2段の永久磁石に限らずに、1段の永久磁石により構成されていてもよい。
【0016】
走行車111は、構造的基礎となる基台119を備える。基台119には、可動子115の他、移載機構112と、移載用可動子113とが取り付けられている。また、走行車111の基台119の下部には、走行レール117上に載置されて転がる車輪118が取り付けられている。
【0017】
移載機構112は、走行路中に設定される移載スペース110において搬入装置102から物品200を受け取って物品200を走行車111内の所定の場所まで移動させ、また、走行車111が搬送した物品200を搬出装置(図示せず)まで移動させる機構である。移載機構112の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、移載機構112は、走行車111の走行方向と直交する方向に物品を移動させることができるいわゆるコンベアである。移載機構112は、物品200を載置した状態で移動させる無端環状部材121と、無端環状部材121を所定の軌道に沿って循環させる一対のローラ122と、移載用可動子113から片方のローラ122に駆動力を伝達する伝達部材123とを備えている。
【0018】
無端環状部材121は、環状のゴム製ベルトや、板状部材を環状に連結したものなどを例示することができる。無端環状部材121は一対のローラ122により張り渡され、ローラ122を回転させることにより所定の軌道を順方向や逆方向に循環させることができる部材である。
【0019】
ローラ122は、基台119に取り付けられ、自身が軸周りに回転することができる円筒状、または円柱状の部材であり、無端環状部材121を循環可能に保持している。
【0020】
伝達部材123は、移載用可動子113が発生させた駆動力をローラ122の回転として伝達する部材である。伝達部材123の種類は特に限定されるものではなく、歯車、シャフト、これらの組み合わせなどを例示できるが、本実施の形態の場合は、ベルトが採用されている。
【0021】
なお、移載機構112は上記に限定されるものでは無く、例えば無端環状部材121を備えない、ローラコンベヤなどでもかまわない。
【0022】
移載用可動子113は、走行車111の走行方向に延在する状態で走行車111の基台119に取り付けられる丸棒状の部材であり、磁気作用により動作して移載機構112を駆動する部材である。移載用可動子113は、移載用固定子114からの磁気作用による磁力を受けることで回転動作する部材であり、周方向にN極とS極とが交互に並ぶように複数の永久磁石が周方向に取り付けられている。具体的に例えると、移載用可動子113は、ブラシレスモータのロータと同様の構造、機能を有している。
【0023】
移載用固定子114は、走行路に対し固定的に配置される部材であり、一部が切り欠かれた環状の部材である。移載用固定子114は、走行車111の一部が移載スペース110の外に位置する状況においても、移載用可動子113が所定の長さ挿入されていれば、磁気作用により移載用可動子113を動作させることができる。
【0024】
移載用固定子114は、走行車111の走行時において、走行車111に取り付けられている移載用可動子113を通過させることができるように断面の一部が切り欠かれた円環状(断面C字状)の部材である。移載用固定子114は、挿入された移載用可動子113の周面に対向するように端面が配置された複数のコイルを周方向に並べて備えており、移載用固定子114の各コイルで発生させる磁界を制御することにより、挿入された移載用可動子113に磁気を作用させ任意の方向に回転させることが可能となっている。
【0025】
図3は、コイルユニットを上方から示す平面図である。図4は、コイルユニットを側方から示す側面図である。コイルユニット160は、所定の走行路全体にわたって配置されており、コイル116と、第一保護部材161とを備えている。本実施の形態の場合、コイルユニット160は、第二保護部材162と、補強部材163とを備えている。
【0026】
コイル116は、電線が巻き回された電磁石であり、固定子として機能する部材である。本実施の形態の場合、コイル116は、高い推力を与えつつ正確な位置制御を行うため走行路と交差する方向(図中Y軸方向)に延びたトラック形状に巻き回された電線により形成される。コイル116は、走行路に沿って所定の間隔で並べて配置された状態で一枚の基板164上に固定されている。複数のコイル116は、図示しないコントローラにより個別に制御されることで、それぞれが独立して磁界を発生する。このように、コイルユニット160は、コントローラにより個別にコイル116から発生する磁界が制御されることで、複数台の走行車111を高い効率、精度で走行させることができる。
【0027】
第一保護部材161は、コイルユニット160が備える複数のコイル116の巻き軸方向(図中Z軸方向)においてコイル116の一方側(本実施の形態の場合、上側)の全体を覆い、隣り合うコイルユニット160の第一保護部材161と端面同士が切れ目なく接しているいわゆる付き合わせ状態となるまで延在する板状の部材である。本実施の形態の場合、第一保護部材161の形状は、上面視において(図中XY平面において)コイルユニット160が備える複数のコイル116を全て包含する最小矩形領域を含み、幅方向(図中Y軸方向)においては、取り付けられる走行レール117側に張り出した矩形となっている。また、第一保護部材161の走行レール117側に張り出した部分には、走行レール117にコイルユニット160を片持ち状態で締結する取付孔165が設けられている。取付孔165は、第一保護部材161から、基板164を貫通しさらに後述する第二保護部材162を貫通して設けられている。
【0028】
本実施の形態の場合、走行装置100は、図3に示すコイル116から走行方向(図中X軸方向)の両側に第一保護部材161が同じ量だけ張り出したコイルユニット160、図5に示す走行方向において一方側の第一保護部材161の張出量は同じで、他方側は張り出していないコイルユニット160、および図6に示す走行方向において一方側の第一保護部材161の張出量は同じで、他方側は張出量が3分の1のコイルユニット160を組み合わせることにより走行レール117の長さに対応するものとなっている。具体的に例えば、走行方向における第一保護部材161の長さが450mmのコイルユニット160、400mmのコイルユニット160、375mmのコイルユニット160を組み合わせることにより、25mm単位でコイルユニット160の長さを調整することができる。
【0029】
第一保護部材161の材質は、非強磁性体であれば特に限定されるものではなく、ガラスエポキシ樹脂などの樹脂を例示することができる。なお、第一保護部161が導体の場合、渦電流が生じて走行する走行車111に対するブレーキとなるため、第一保護部161の材質としては絶縁体を用いることが好ましい。
【0030】
第二保護部材162は、コイル116の巻き軸方向において、コイル116から張り出した第一保護部材161の部分のコイル116に対する反対側(本実施の形態の場合、下側)を少なくとも覆い、隣り合うコイルユニット160の第二保護部材162に突き合わせ状態となるまで延在する板状の部材である。本実施の形態の場合、第二保護部材162の形状は、第一保護部材161の形状と同じである。本実施の形態の場合、コイル116は、基板164に取り付けられており、第二保護部材162は、基板164全体をもコイル116に対する第一保護部161の反対側から覆う形状となっている。また、第二保護部材162の材質も第一保護部材161と同じである。
【0031】
第二保護部材162は、隣り合うコイルユニットの下側を切れ目なく繋ぎ異物の下からの侵入を防止している。これによりコイルユニット160の隙間に下側から異物が侵入することを防止し、コイルユニット160の下側にも配置されている可動子115と異物との衝突などを防止している。
【0032】
なお、コイルユニット160は、基板164を備えず、第二保護部材162に直接コイル116を取り付けても構わない。また、第二保護部材162は、コイル116から張り出した第一保護部材161の部分の下側のみを覆うものとし、基板164と面一になるように突き合わせ状態で配置しても構わない。
【0033】
補強部材163は、第一保護部材161の下面に配置され、第一保護部材161のコイル116から突出する部分の撓みを抑制する部材である。補強部材163の形状は特に限定されるものではなく、リブなどでも構わない。本実施の形態の場合、補強部材163は、第一保護部材161と第二保護部材162との間に配置され、第一保護部材161、および第二保護部材162に接続されている。補強部材163には、取付孔165が設けられており、第一保護部材161、および第二保護部材162と共に、走行レール117に片持ち状態で取り付けられている。これにより第一保護部材161をコイル116側(下側)から支え、第一保護部材161の撓みを防止し、隣り合うコイルユニット160の突き合わせ部分において第一保護部材161同士で段差が発生することを防止している。また、補強部材163は、係合、締結、接着などにより第二保護部材162と固定的に接続されることで、第二保護部材162を第一保護部材161側(上側)から保持し、第二保護部材162の撓みを防止し、隣り合うコイルユニット160の突き合わせ部分において第二保護部材162同士で段差が発生することを防止している。
【0034】
上記実施の形態に示したコイルユニット160を備えた走行装置100によれば、走行車111に推力を付与するコイル116を走行レール117に沿って離散的に配置した場合でも、板状の第一保護部材161、および第二保護部材162がコイル116、およびその間を切れ目なく覆っているため、隣り合うコイルユニット160の間に異物が存在する状況を創出させない。従って、走行車111の走行中に異物に可動子115が衝突することを防止でき、走行車111の安定した走行を長期間維持することが可能となる。
【0035】
また、走行車111の走行中に可動子115に付着した異物がコイルユニット160の端面と衝突することを防止できる。特に、補強部材163により突き合わせ状態の第一保護部材161、突き合わせ状態の第二保護部材162を補強部材163により面一となるように保持するため、わずかな段差と異物とが干渉することも防止できる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0037】
例えば、第一保護部材161は、図7に示すように、配置された径路に沿って湾曲する湾曲部166を備えてもよい。さらに、湾曲部166に一体に連続する直線部167を備えても構わない。第一保護部材161は、湾曲部166のみを備えていても構わない。湾曲部166、直線部167について第二保護部材162も同様である。
【0038】
また、コイルユニット160は、走行レール117に取り付けられるばかりでなく、移載用固定子114が取り付けられる取付ベースなどに固定されていても構わない。
【0039】
また、コイルユニット160は、コイル116の巻き軸が上記実施の形態と向きが90度異なる配置、すなわちコイル166の巻き軸方向が水平面内に配置され走行方向と直交してもかまわない。この場合、可動子115は、コイルユニット160の側方を通過する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、物品を効率的に搬送する必要のある物流拠点や工場などに利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
100 走行装置
102 搬入装置
110 移載スペース
111 走行車
112 移載機構
113 移載用可動子
114 移載用固定子
115 可動子
116 コイル
117 走行レール
118 車輪
119 基台
121 無端環状部材
122 ローラ
123 伝達部材
160 コイルユニット
161 第一保護部材
162 第二保護部材
163 補強部材
164 基板
165 取付孔
166 湾曲部
167 直線部
200 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7