特開2020-192512(P2020-192512A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020192512-廃電池の運搬・保管方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-192512(P2020-192512A)
(43)【公開日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】廃電池の運搬・保管方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20201106BHJP
   B65D 19/12 20060101ALI20201106BHJP
   C22B 7/00 20060101ALN20201106BHJP
【FI】
   B09B5/00 AZAB
   B65D19/12
   C22B7/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-100938(P2019-100938)
(22)【出願日】2019年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596133201
【氏名又は名称】松田産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】中村 充志
(72)【発明者】
【氏名】本間 健一
(72)【発明者】
【氏名】上杉 諒平
(72)【発明者】
【氏名】石田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】浦田 泰裕
(72)【発明者】
【氏名】大河内 章宏
【テーマコード(参考)】
3E063
4D004
4K001
【Fターム(参考)】
3E063AA11
3E063BA01
3E063BA05
3E063BB01
3E063BB04
3E063CA18
3E063CA26
3E063CB04
3E063CD01
3E063FF03
3E063GG10
4D004AA23
4D004CA50
4D004CB45
4D004CB50
4K001AA02
4K001AA07
4K001AA09
4K001AA19
4K001AA34
4K001BA22
4K001CA11
(57)【要約】
【課題】廃リチウムイオン電池等の廃電池を安全に低コストで効率よく運搬又は保管する。
【解決手段】廃リチウムイオン電池10等を、内面全面に絶縁シート5が貼付された積み重ね可能な箱状容器1内に載置し、廃リチウムイオン電池等が載置された箱状容器を積み重ねて運搬又は保管する廃電池の運搬・保管方法。積み重ね可能な箱状容器を用いるため、効率よく運搬することができ、保管スペースも節約することができる。廃リチウムイオン電池等を加圧せずに運搬することができるため、爆発のおそれがなく安全である。箱状容器の内面全面に絶縁シートが貼付されているため、廃リチウムイオン電池等の運搬時の感電を防止することができる。箱状容器は、廃リチウムイオン電池等を収容する箱状部分の四方の壁面2a〜2dを折り畳み可能とすることができ、四方の壁面及び底面2eを金属で格子状に形成することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃電池を、内面全面に絶縁シートが貼付された積み重ね可能な箱状容器内に載置し、
該廃電池が載置された箱状容器を積み重ねて運搬又は保管することを特徴とする廃電池の運搬・保管方法。
【請求項2】
前記箱状容器は、前記廃電池を収容する箱状部分の四方の壁面を折り畳み可能であることを特徴とする請求項1に記載の廃電池の運搬・保管方法。
【請求項3】
前記箱状容器は、前記廃電池を収容する箱状部分の四方の壁面及び底面が金属で格子状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃電池の運搬・保管方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃リチウムイオン電池等の廃電池を運搬又は保管する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、アルミ箔にリチウム、コバルト、ニッケル等を塗布した正極材、銅箔に黒鉛等を塗布した負極材、電解液、セパレーター等から構成されている。リチウムイオン電池には、アルミニウム、リチウム、コバルト、ニッケル、銅等の有価金属が含まれているため、使用後廃棄されたリチウムイオン電池からこれらを回収することは、資源の乏しいわが国にとって極めて重要である。
【0003】
しかし、廃リチウムイオン電池は、電解液が灯油と同程度の危険性を有するために危険物扱いであり、残存電圧(1モジュールあたり30〜200V)によって感電のおそれがあり、重量が大きく(1モジュールあたり2〜250kg)、加圧されることで圧壊、短絡し、爆発のおそれもあるため、慎重な運搬、保管が必要となる。
【0004】
そこで、廃リチウムイオン電池を絶縁性を有するパレットに載置して感電を防止し、パレットの破損によって廃リチウムイオン電池が圧壊、短絡し、爆発しないように平積みで運搬したり、海外製の専用の防火製品で梱包した状態で運搬する方法が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、パレットで運搬する方法では、1パレットに100kg程度しか廃リチウムイオン電池を載せることができないため、4tトラックで1tしか運搬できず、運搬効率が悪いという問題があった。また、保管時にもパレット分の面積を確保する必要があった。
【0006】
一方、専用の防火製品は高額であり、内容積が小さく、運搬後に容器を空の状態にして運搬元に返却する必要がある。そのため、運搬コスト及び運搬効率の面で改善の余地があり、専用の防火製品を保管に用いることはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、廃リチウムイオン電池等の廃電池を安全に低コストで効率よく運搬又は保管することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の廃電池の運搬・保管方法は、廃電池を、内面全面に絶縁シートが貼付された積み重ね可能な箱状容器内に載置し、該廃電池が載置された箱状容器を積み重ねて運搬又は保管することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、積み重ね可能な箱状容器を用いるため、効率よく運搬することができ、保管スペースも節約することができる。また、廃リチウムイオン電池等の圧壊、短絡を防止しながら運搬することができるため、爆発のおそれがなく安全である。さらに、箱状容器の内面全面に絶縁シートが貼付されているため、廃リチウムイオン電池等の運搬時の感電を防止することができる。
【0010】
上記廃電池の運搬・保管方法において、前記箱状容器を、前記廃電池を収容する箱状部分の四方の壁面を折り畳み可能とすることで、箱状容器を使用していないときに減容することができ、一度に大量の箱状容器を運搬元に返却することも可能となる。
【0011】
また、前記廃電池を収容する箱状部分の四方の壁面及び底面を金属で格子状に形成することで、軽量となり操作性が向上する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、廃電池を安全に低コストで効率よく運搬又は保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る廃電池の運搬・保管方法に用いられる箱状容器の一例を示す一部破断概略斜視図である。
図2図1の箱状容器を4段重ね合わせた状態を示す概略断面図である。
図3図1の箱状容器をトラックの荷台に積載した状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る廃電池の運搬・保管方法の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明では、廃電池として廃リチウムイオン電池を例示する。
【0015】
図1は、本発明に係る廃リチウムイオン電池の運搬・保管方法に用いられる箱状容器の一例を示し、この箱状容器1は、廃リチウムイオン電池10を収容する箱状部2の四方の壁面2a〜2d及び底面2eが鉄等の金属で格子状に形成され、箱状部2の内面全面に絶縁シート5が貼付される。絶縁シート5の材質は、絶縁性を有するポリエチレン(PE)等のプラスチック、酸化アルミニウム等の酸化物、ゴムが好ましい。各壁面2a〜2dの廃リチウムイオン電池10に触れない上部は、絶縁シート5を貼着せず金属の格子状のままでもよい。尚、同図では、壁面2dの一部の記載を省略している。
【0016】
また、底面2eの四隅には、下方に突出部3が設けられ、箱状部2の上方開口の四隅には、凹部(不図示)が設けられる。上方に位置する箱状容器1の突出部3と、下方に位置する箱状容器1の凹部とを係合させることで、上下方向に2つの箱状容器1を積み重ねることができる。底面2eに車輪を有するものであってもよく、吊り下げ式でもよい。
【0017】
箱状容器1の材質は、一般構造圧延鋼(SS)、ステンレス鋼(SUS304)、銅合金等の金属合金、ポリプロピレン(PP)等のプラスチックが好ましいが、機械強度や腐食による強度低下を防ぐ観点からステンレス鋼(SUS304)がより好ましい。
【0018】
上記箱状容器1として、市販のメッシュパレットを利用することもできる。例えば、小さいもので、外寸:幅1,000mm×奥行800mm×高さ490mm(内寸:幅950mm×奥行760mm×高さ340mm)程度、大きいもので、外寸:幅1,200mm×奥行1,000mm×高さ890mm(内寸:幅1,150mm×奥行950mm×高さ740mm)、耐荷重1,000kg程度のものを用い、このようなメッシュパレットの箱状部の内面に天然ゴムシート等を貼付して箱状容器1を構成することもできる。
【0019】
次に、箱状容器1を用いた廃リチウムイオン電池の運搬・保管方法について説明する。
【0020】
廃リチウムイオン電池の取扱業者や、自動車等の解体事業者から廃リチウムイオン電池を回収する時点では、廃リチウムイオン電池は形がいびつであり、大きいものは畳1枚分(250kg程度)から、小さいもので1個5kg程度と様々である。廃リチウムイオン電池の大きさや重量は、メーカーによって大きく異なる。
【0021】
回収時点では、廃リチウムイオン電池は帯電しており、電池パック同士を重ねることができず、パレットを挟んでもパレットが荷重に耐えられないと、廃リチウムイオン電池が爆発する可能性がある。
【0022】
そこで、上記箱状容器1の箱状部2に廃リチウムイオン電池10を収容し、収容した廃リチウムイオン電池10と箱状部2の上部開口との間にある程度の隙間を設けた状態で、図2に示すように、最大で4段程度まで重ね合わせ、図3に示すように、4tウイング車6等の荷台6aに積層し、廃リチウムイオン電池10を解体する解体業者まで運搬する。解体業者は、運搬された状態のまま、すなわち箱状容器1の箱状部2に廃リチウムイオン電池10を収容した状態のまま保管し、廃リチウムイオン電池10を解体する際に、箱状容器1の箱状部2から廃リチウムイオン電池10を取り出し、廃リチウムイオン電池10を解体すると共に、箱状容器1の箱状部2の壁面2a〜2dを折り畳み、廃リチウムイオン電池の取扱業者等に返却する。壁面2a〜2dを折り畳むことで平パレットと同様の大きさまで減容することができ、一度に大量の箱状容器1を返却することができる。
【0023】
解体された廃リチウムイオン電池10は、その後焙焼業者によって焙焼処理され、焙焼物から最終的にアルミニウム、リチウム、コバルト、ニッケル、銅等の有価金属を回収する。
【0024】
本発明によれば、積み重ね可能な箱状容器1を用いるため、効率よく運搬することができ、保管スペースも節約することができる。例えば、4段重ね合わせた場合には、平積みの場合に比較して4倍の重量の廃リチウムイオン電池10を運搬することができると共に、保管スペースも4分の1に低減することができる。また、廃リチウムイオン電池10を加圧せずに運搬することができるため、爆発のおそれがなく安全である。さらに、箱状容器1の内面全面に絶縁シート5が貼付されているため廃リチウムイオン電池10の運搬時の感電を防止することができる。
【0025】
尚、箱状容器1での運搬の対象になる廃リチウムイオン電池は、重ねることで圧壊、短絡のおそれある重量2kg〜250kgのハイブリット自動車や電気自動車等の電動車両用の電源で用いられる車載用や自家用電源等に用いられる定置用である。さらに、リチウムイオン電池のみならず、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ナトリウム硫黄電池等も運搬が可能である。
【0026】
尚、上記実施の形態においては、箱状容器1の形状は直方体としたが、円筒状等その他の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 箱状容器
2 箱状部
2a〜2d 壁面
2e 底面
5 絶縁シート
6 4tウイング車
6a 荷台
10 廃リチウムイオン電池
図1
図2
図3