(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-192518(P2020-192518A)
(43)【公開日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】パンコーティング装置用バッフル
(51)【国際特許分類】
B01J 2/00 20060101AFI20201106BHJP
B01J 2/12 20060101ALI20201106BHJP
B05C 3/08 20060101ALI20201106BHJP
A61K 9/14 20060101ALN20201106BHJP
A61K 9/30 20060101ALN20201106BHJP
A23L 5/00 20160101ALN20201106BHJP
【FI】
B01J2/00 B
B01J2/12
B05C3/08
A61K9/14
A61K9/30
A23L5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-101540(P2019-101540)
(22)【出願日】2019年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000112912
【氏名又は名称】フロイント産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102853
【弁理士】
【氏名又は名称】鷹野 寧
(72)【発明者】
【氏名】鵜野澤 一臣
(72)【発明者】
【氏名】磯部 重実
(72)【発明者】
【氏名】中村 卓也
(72)【発明者】
【氏名】味園 隼人
(72)【発明者】
【氏名】武内 優貴
【テーマコード(参考)】
4B035
4C076
4F040
4G004
【Fターム(参考)】
4B035LE07
4B035LP26
4B035LT09
4C076AA31
4C076AA43
4C076AA44
4C076GG16
4F040AA20
4F040AB20
4F040BA32
4F040DB30
4G004BA01
4G004HA01
(57)【要約】
【課題】回転ドラムの外側から交換可能であり、それ自体を傷付けることなく容易に交換可能なバッフルを提供する。
【解決手段】バッフル11はパンコーティング装置1の回転ドラム2内に設置される。回転ドラム2の直胴部周壁5aにはバッフル取付部14が開口形成されている。バッフル11は、バッフル取付部14のドラム内面側に設けられた基台部12と、基台部12に取り付けられバッフル板41を備えたバッフルユニット13を有する。基台部12には、バッフル取付部14の開口15を介して、バッフル板41を挿入可能なスリット16が形成されている。スリット16内には、基台部12とバッフル板41との間に介在される合成樹脂製のパッキン26が配設される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物が収容される回転ドラムを備え、前記回転ドラムの周壁にバッフル取付部が開口形成されたパンコーティング装置の前記回転ドラム内に設置されるバッフルであって、
前記バッフル取付部の前記回転ドラム内面側に設けられた基台部と、
前記基台部に取り付けられ、前記基台部に立設された状態で前記回転ドラム内に設置されるバッフル板を備えたバッフルユニットと、を有し、
前記基台部は、前記バッフル取付部の開口を介して、前記回転ドラムの外側から内側に向けて前記バッフル板を挿入可能なスリットを備え、さらに、
前記スリット内に配置され、前記基台部と前記バッフル板との間に介在されるパッキンを有することを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【請求項2】
請求項1記載のパンコーティング装置用バッフルにおいて、
前記パッキンは、前記基台部に取り付けられ、前記スリットに臨んで配置されることを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【請求項3】
請求項1記載のパンコーティング装置用バッフルにおいて、
前記パッキンは、前記バッフルユニットに取り付けられ、前記バッフルユニットを前記基台部に取り付けた状態で前記スリット内に配置されることを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のパンコーティング装置用バッフルにおいて、
前記パッキンは、前記基台部の上端から前記回転ドラム内に突出して設置されることを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のパンコーティング装置用バッフルにおいて、
前記パッキンは、前記スリット内において、前記バッフル板の四方を取り囲むように配置されることを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【請求項6】
請求項5記載のパンコーティング装置用バッフルにおいて、
前記パッキンは、前記バッフル板の四方を取り囲むように一体に形成されてなることを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【請求項7】
請求項5記載のパンコーティング装置用バッフルにおいて、
前記パッキンは、前記バッフル板の四方の各辺ごとに個別に分割形成されていることを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のパンコーティング装置用バッフルにおいて、
前記バッフルユニットは、作業者が該バッフルユニットを手で取り扱うための把手を有することを特徴とするパンコーティング装置用バッフル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体の混合・撹拌を促進するため粉粒体処理装置内に設置されるバッフルに関し、特に、錠剤や食品等の粉粒体(以下、錠剤等と称する)に対しコーティング処理を行うパン型のコーティング装置に適用して有効なバッフルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医薬品や食品等の製造装置として、多角形断面や円形断面の回転ドラム(以下、適宜ドラムと略記する)を用いたコーティング装置が知られている。回転ドラムはコーティングパンとも呼ばれ、水平軸線を中心に回転し、ドラム内部にはコーティング液を供給するスプレー装置が設置される。ドラム内に投入された錠剤等は、ドラムの回転に伴って転動し、その表面にはスプレー装置から糖衣液等のコーティング液が噴霧される。コーティング液の噴霧と共に、回転ドラム内には適宜、熱風や冷風が供給・排気され、錠剤等の表面にコーティング層が形成される。
【0003】
このようなコーティング装置では、回転ドラム内に、錠剤等の混合・撹拌効率の促進を図るべく、バッフル(邪魔板)が適宜配置される。一方、錠剤等のコーティング処理においては、製品ごと、あるいは実験スケールによって錠剤等の仕込み量が異なる場合があり、それぞれの場合により、回転ドラム内における錠剤等の層(以下、錠剤層と称する)とバッフル高さの関係が変化する。このとき、バッフル高さが適正に設定されていないと、バッフルの汚れやコーティング被膜のバラツキなどの問題が生じる。
【0004】
たとえば、バッフルの高さが錠剤層よりも高いと、コーティング時に錠剤層からバッフルが飛び出した状態となり、コーティング液がバッフルに直接かかり、バッフルが汚れしまうという問題が生じる。また、これとは逆に、バッフルの高さが錠剤層よりも低すぎると、錠剤等が十分に攪拌されず、錠剤等のコーティング被膜にバラつきが出てしまう恐れがある。
【0005】
そこで、このような課題を解消すべく、バッフルを台座と付設体とから構成し、錠剤等の仕込み量に応じて付設体を変更できるようにしたバッフルも提案されている(特許文献1)。そこでは、想定される錠剤層の高さに応じて、高さの異なる付設体を選択し、台座に固定する。これにより、錠剤層とバッフル高さとの関係を適正に設定することができ、汚れや被膜のバラツキなどの問題が解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−251207号公報
【特許文献2】特開2013−255883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のバッフルでは、付設体を変更するためには回転ドラム内に人が入って作業を行う必要がある。このため、コンタミネーションのリスクがあり、また、ドラム内外から同時に作業を行う必要があるため、2人以上での作業を強いられ、工数が嵩むと共に、作業者にとっても負担が大きかった。
【0008】
これに対し、作業者がドラム内に入らず、ドラムの外側から変更可能なバッフルとして、特許文献2のようなものが提案されている。しかしながら、特許文献2の構成では、バッフル着脱の際にバッフルとドラムの辺壁部が当接し、バッフルとドラムがこすれ、バッフルに傷が付いてしまうおそれがある。バッフルに傷が付くと、そこにコーティング原料が入り込み、洗浄が不十分な場合にはコンタミネーションを起こしてしまう、という問題がある。また、傷ついた箇所に錠剤等が接触することで、錠剤等の表面が削れてしまうというリスクもある。
【0009】
この場合、バッフルに傷が付かないように、バッフルとドラムとの間のクリアランスを大きくとることも考え得る。しかし、クリアランスが大きいと、錠剤等が両者の隙間に当たって傷ついたり、錠剤等が隙間に入り込んだりすることにより、コーティング不良の製品が発生する可能性があり、好ましくない。
【0010】
本発明の目的は、回転ドラムの外側から交換可能であり、しかも、それ自体を傷付けることなく容易に交換可能なパンコーティング装置用のバッフルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のバッフルは、被処理物が収容される回転ドラムを備え、前記回転ドラムの周壁にバッフル取付部が開口形成されたパンコーティング装置の前記回転ドラム内に設置されるバッフルであって、前記バッフル取付部の前記回転ドラム内面側に設けられた基台部と、前記基台部に取り付けられ、前記基台部に立設された状態で前記回転ドラム内に設置されるバッフル板を備えたバッフルユニットと、を有し、前記基台部は、前記バッフル取付部の開口を介して、前記回転ドラムの外側から内側に向けて前記バッフル板を挿入可能なスリットを備え、さらに、前記スリット内に配置され、前記基台部と前記バッフル板との間に介在されるパッキンを有することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、回転ドラム内にスリットの入った基台部を設け、このスリットにドラム外からバッフルユニットを着脱する形でバッフルを構築し、さらに、基台部のスリットに、基台部とバッフル板との間に介在されるパッキンを設ける。これにより、バッフルユニットの着脱作業を、ドラム外にて作業者1人で容易に行うことができ、コンタミネーションのリスクが低減され、工数削減や作業者の負担軽減が図られる。また、パッキンの設置により、基台部に直接触れることなくバッフルユニットを基台部に着脱でき、バッフル板が基台部に接触して傷付いてしまうリスクが低減され、バッフル板の傷に入り込んだコーティング原料によるコンタミネーションや、傷との接触による錠剤等の表面損傷などを抑制できる。
【0013】
前記パンコーティング装置用バッフルにおいて、前記パッキンは、前記基台部に取り付けられ、前記スリットに臨んで配置されるようにしても良い。また、前記パッキンは、前記バッフルユニットに取り付けられ、前記バッフルユニットを前記基台部に取り付けた状態で前記スリット内に配置されるようにしても良い。さらに、前記パッキンは、前記基台部の上端から前記回転ドラム内に突出して設置されるようにしても良い。
【0014】
また、前記パッキンは、前記スリット内において、前記バッフル板の四方を取り囲むように配置しても良い。この場合、前記パッキンを、前記バッフル板の四方を取り囲むように一体に形成しても良い。また、前記パッキンを、前記バッフル板の四方の各辺ごとに個別に分割形成しても良い。
【0015】
加えて、前記バッフルユニットに、作業者が該バッフルユニットを手で取り扱うための把手を設けても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明のバッフルによれば、回転ドラム内にスリットの入った基台部を設け、このスリットにドラム外からバッフルユニットを着脱する形でバッフルを構築し、さらに、基台部のスリットに、基台部とバッフル板との間に介在されるパッキンを設けたので、バッフルユニットの着脱作業を、ドラム外にて作業者1人で容易に行うことができる。これにより、コンタミネーションのリスクを低減し、工数削減や作業者の負担軽減を図ることが可能となる。
【0017】
また、パッキンの設置により、基台部に直接触れることなくバッフルユニットを基台部に着脱できる。これにより、バッフル板が基台部に接触して傷付いてしまうリスクを低減でき、バッフル板の傷に入り込んだコーティング原料によるコンタミネーションや、傷との接触による錠剤等の表面損傷などを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1であるバッフルを用いたパンコーティング装置の構成を示す説明図である。
【
図2】本発明の実施の形態1であるバッフルの構成を示す断面図である。
【
図4】(a)は基台の斜視図、(b)はバッフルユニットの斜視図である。
【
図5】バッフルを取り付ける様子を示す説明図である。
【
図6】本発明の実施の形態2であるバッフルの構成を示す断面図である。
【
図7】一部断面がL字形となったバッフルの変形例を示す説明図である。
【
図8】回転ドラム外部に部材が突出する構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1であるバッフルを用いたパンコーティング装置の構成を示す説明図である。
図1に示すように、パンコーティング装置1は、コーティング処理用の回転ドラム2(以下、ドラム2と略記する)を備えている。ドラム2は、パンコーティング装置1の筐体3の中央部に配置されており、ほぼ水平な回転軸線Oを中心に回転する。ドラム2の内部には、錠剤等の被処理物が投入・収容され、ドラム2内に配されたスプレーガン4によりコーティング液が噴霧される。
【0020】
ドラム2は、円筒形の直胴部5と、直胴部5の両端に形成された円錐台状のコニカル部6とを備えている。直胴部5は、ステンレス製の多孔板にて形成されている。直胴部5の周壁5aは、多数個の通気孔7により、通気可能となっている。一方、コニカル部6は、孔のないステンレス製板材にて形成されている。コニカル部6の一端側(
図1において左方側、以下、前方側と称する)には、前面開口部8が開口形成されている。コニカル部6の他端側(同右方側、以下、後方側と称する)は、エンドプレート9にて閉鎖されており、回転軸10が取り付けられている。
【0021】
ドラム2の
図1において右側には、電動のドラム駆動モータを用いた図示しないドラム回転機構が配置されている。ドラム2の後方側には、前述のように回転軸10が固定されており、この回転軸10には、図示しないスプロケットが取り付けられている。スプロケットは、チェーンを介して、筐体3内に設置されたモータ側のスプロケットと接続されている。モータを回転させると、その回転に伴ってドラム2がチェーン駆動され、回転軸線Oを中心に回転する。ドラム2の
図1において左端側は、図示しないローラによって支持されている。
【0022】
ドラム2に対しては、前面開口部8からエアが供給される。ドラム2内に供給されたエアは、錠剤等を加温等させつつ、通気孔7からドラム2外に排出される。筐体3には、図示しない排気ダクトが設けられており、ドラム2から排出されたエアは、排気ダクトを介して装置外へと排出される。ドラム2内の錠剤等に対しては、ドラム2を回転させつつ、また、適宜エアを供給しつつ、スプレーガン4からコーティング液の噴霧を行い、コーティング処理が実施される。コーティング処理が終了した錠剤等は、前面開口部8側から装置外へと取り出される。
【0023】
一方、ドラム2の内側には、錠剤等の転動流を撹乱し、混合撹拌効率の促進を図るべくバッフル11が設置されている。
図2は、本発明の実施の形態1であるバッフル11の構成を示す断面図、
図3は、バッフル11の斜視図である。
図2,3に示すように、バッフル11は、ドラム直胴部5の周壁5a内面側に突設されており、基台部12とバッフルユニット13とから構成されている。バッフルユニット13は、基台部12に対し着脱可能となっており、被処理物の処理量に応じて適宜交換可能である。したがって、処理量が多い場合には、基台部12に背の高いバッフルユニット13を取り付けて高バッフル仕様とし、処理量が少ない場合には、背の低いバッフルユニット13を取り付けて低バッフル仕様とすることができる。
【0024】
基台部12は、断面略台形の山型となっており、ドラム2の円周方向に沿って、回転軸線Oに対し傾斜した状態で延設されている。ドラム2の直胴部5にはバッフル取付部14が開口形成されており、基台部12は、バッフル取付部14の開口15を覆うように取り付けられている。基台部12の上端部には、基台部12の長手方向に沿ってスリット16が開口形成されている。基台部12は、スリット16を取り囲むように配された4枚のステンレス製板状部材によって中空状に形成されており、前面開口部8側に配された前方壁17と、エンドプレート9側の後方壁18、両壁17,18の両端をそれぞれ接続する側方壁19,20とを備えている。各壁17〜20の底縁部17a〜20aは、開口15の周縁15aに溶接固定されている。
【0025】
基台部12の内側には、バッフルユニット13を取り付けるためのバッフル固定部21が設けられている。バッフル固定部21は、前方壁17と後方壁18の内側側面にそれぞれ複数個突設されており、前方壁17に取り付けられたバッフル固定板(第1バッフル固定板)22と、後方壁18取り付けられたバッフル固定板(第2バッフル固定板)23を備えている。バッフル固定板22とバッフル固定板23との間は、スリット16に対応して空隙部24となっている。また、バッフル固定板22,23には、バッフルユニット13を固定するためのネジ孔25がそれぞれ設けられている。
【0026】
基台部12の内側にはさらに、ポリオキシメチレン等の合成樹脂にて形成されたパッキン26が設置されている。パッキン26は4パーツから構成されており、スリット16の四方を取り囲むように、前方壁17に固定された前方パッキン(第1パッキン)27と、後方壁18に固定された後方パッキン(第2パッキン)28、両パッキン27,28の両端をそれぞれ接続する側方パッキン(第3パッキン)29,30を備えている。
【0027】
前方パッキン27と後方パッキン28は、前方壁17と後方壁18の内側側面にそれぞれ固定されている。前方壁17と後方壁18にはそれぞれパッキン取付ボルト31が設けられており、前方および後方パッキン27,28には、パッキン取付ボルト31に対応してボルト孔32が形成されている。前方および後方パッキン27,28は、パッキン取付ボルト31をボルト孔32に通し、ナット33を締め付ける形で前方壁17と後方壁18にそれぞれ固定される。側方パッキン29,30は、前方および後方パッキン27,28の両端部と側方壁19,20との間に挿入・挟持される形で装着される。
【0028】
パッキン26は、基台部12上端のスリット16から突出するように設置されている。前方パッキン27と後方パッキン28の両先端部27a,28aの間には、スリット状のバッフル挿入部34が形成されている。このように、パッキン26の高さを基台部12よりも高くすることにより、基台部12とバッフルユニット13との段差が縮小し、基台部12とバッフルユニット13の接続部分に錠剤等が入り込むのを防止でき、錠剤等へのダメージを低減させることが可能となる。
【0029】
また、両パッキン27,28の先端部27a,28a側には、バッフル挿入部34を挟んでテーパ部35が設けられている。このように、パッキン27,28の先端にテーパ部35を設けると、前方壁17および後方壁18とバッフルユニット13が滑らかに接続される。したがって、バッフル11の近傍では、矢示Xのように錠剤等がさらにスムーズに流れ、錠剤等の損傷が抑えられる。
【0030】
基台部12に取り付けられるバッフルユニット13は、略T字形に形成されており、ドラム2内に突設されるバッフル板41と、バッフル板41の一端側に取り付けられたベースプレート42、ベースプレート42の外側に取り付けられた把手43とから構成されている。バッフル板41は、ベースプレート42の幅方向中央に立設されており、長手方向に沿って溶接固定されている。把手43は、作業者がベースプレート42を手で持ち運びできるよう、ベースプレート42の外側の長手方向中央に取り付けられている。ベースプレート42には、バッフル固定板22,23のネジ孔25に対応してボルト孔44が設けられている。
【0031】
なお、把手43は必ずしも設けなくとも良いが、作業性の面では設置が好ましい。特に、大型機ではバッフルユニット13の重量が大きくなるため、作業者がベースプレート42を手で取り扱うためには、把手43は有効である。また、把手43を用いて作業を行うことにより、作業性が向上すると共に、バッフルユニット13が基台部12やドラム2などに接触してしまうのを防止でき、バッフル板41や装置の他の部位の損傷防止も図られる。
【0032】
図5は、バッフルユニット13を取り付ける様子を示す説明図である。バッフルユニット13は、ドラム2の外側から、バッフル取付部14の開口15を介して取り付けられる。その際、作業者は、把手43を持ち、ネジ孔25とボルト孔44を合わせつつ、バッフル板41をバッフル挿入部34に差し込む。この場合、バッフル挿入部34の幅寸法t0は、バッフル板41の幅寸法t1よりも若干小さく設定されており、バッフル板41は、パッキン26によって四方を取り囲まれた状態で、軽圧入気味にバッフル挿入部34に差し込まれる。そして、ボルト孔44からネジ孔25にボルト45を取り付け、それを締め込む。これにより、バッフルユニット13は基台部12に取り付けられ、バッフル板41がドラム2内に立設される。一方、バッフルユニット13を取り外すときは、これとは逆に、ボルト45を外してバッフルユニット13を抜き取る。
【0033】
このように、本発明によるバッフル11は、ドラム2内にスリット16の入った基台部12を設け、このスリット16にドラム外からバッフルユニット13を着脱する形で構築される。この場合、バッフル11の組み付け作業は、バッフルユニット13をバッフル取付部14に差し込み、ボルト止めするだけで行うことができる。また、バッフルユニット13の取り外しも、ボルトを外してバッフルユニット13を引き抜くだけで行うことができる。このため、バッフルユニット13の着脱作業を、ドラム外にて作業者1人で容易に行うことができ、ドラム内での作業が不要となりコンタミネーションのリスクを低減することができる。また、作業も単純化され短時間で行うことができるため、工数削減や作業者の負担軽減を図ることが可能となる。
【0034】
さらに、バッフル11では、基台部12のスリット16の部分にパッキン26が設けられており、バッフル板41は、パッキン26に当接、案内される形でバッフル挿入部34に挿入されたり、引き抜かれたりする。したがって、バッフル11では、パッキン26を設けることにより、基台部12とバッフル板41との間のクリアランスを十分に確保すると共に、基台部12の各壁17〜20に直接触れることなく、バッフルユニット13を基台部12に着脱できる。このため、バッフル板41が基台部12に接触して傷付いてしまうリスクを大幅に低減することができ、バッフル板41の傷に入り込んだコーティング原料によるコンタミネーションや、傷との接触による錠剤等の表面損傷などを防止することが可能となる。
【0035】
加えて、バッフル11においては、スリット16にパッキン26が存在するため、バッフル板41とパッキン26が密接し、不要な隙間が存在しない。このため、隙間によって錠剤等が傷ついたり、隙間に錠剤等が入り込んだりすることがなく、バッフル近傍の隙間に起因するコーティング不良の発生を防止することも可能となる。したがって、錠剤等の損傷やコーティング不良等を低減することができ、製品の歩留まりを向上させることが可能となり、工数削減等も相俟って、製品コストの低減も図られる。
【0036】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2であるバッフルについて説明する。
図6は、本発明の実施の形態2であるバッフル51の構成を示す断面図である。なお、以下の実施の形態では、実施の形態1のバッフル11等と同様の部分、部材については同一の名称あるいは番号を付し、その説明は省略する。実施の形態2のバッフル51もまた、ドラム2に対しドラム外から着脱作業を行えるようになっているが、
図6に示すように、ここでは、パッキン52が基台部53側ではなく、バッフルユニット54側に取り付けられており、バッフルユニット54と共に抜き差しされる。
【0037】
バッフル51では、バッフルユニット54に棚状のパッキン載置部55が設けられている。パッキン載置部55は、バッフル板41の側面41aから、プレート部材56を垂直に突設(溶接)する形で設けられている。この場合、パッキン52はシリコンにて形成されており、バッフル板41の四方を囲むように、パッキン載置部55に設置される。なお、パッキン52は、パッキン載置部55にボルト等によって固定されずに載置されているが、パッキン52を、バッフル板41やパッキン載置部55にボルト・ナット等にて固定しても良い。
【0038】
実施の形態2のバッフル51では、スリット57の開口幅は、実施の形態1に比して狭くなっており、パッキン52の先端部52aに形成されたテーパ部58と係合するようになっている。パッキン52は、テーパ部58が基台部53上端のスリット57から突出するように設置される。これにより、パッキン52が隙間なくスリット57と嵌合すると共に、前方壁17および後方壁18とバッフル板41が滑らかに接続され、バッフル51の近傍における錠剤等の流れがスムーズとなり、錠剤等の損傷が抑えられる。
【0039】
このようなバッフル51もまた、バッフルユニット54をドラム2の外側からバッフル取付部14に着脱することができる。バッフルユニット54を取り付けるときは、作業者は、把手43を持ち、ネジ孔25とボルト孔44を合わせつつ、パッキン52が装着された状態のバッフルユニット54をスリット57に差し込む。その際、パッキン52は、前方壁17と後方壁18の各上縁部59に圧接された状態でスリット57に差し込まれる。そして、ボルト孔44からネジ孔25にボルト45を取り付け、それを締め込むことにより、バッフルユニット54は基台部53に取り付けられる。一方、バッフルユニット54を取り外すときは、これとは逆に、ボルト45を外してバッフルユニット54を抜き取る。
【0040】
実施の形態2のバッフル51もまた、前述の実施の形態1と同様に、スリット57にドラム外からバッフルユニット54を着脱する形で構築されるため、ドラム外にて作業者1人で容易に行うことができ、コンタミネーションリスクの低減や、工数削減、作業者の負担軽減を図ることが可能となる。また、バッフル51では、バッフルユニット54にパッキン52が設けられており、バッフル板41は、パッキン52に案内される形でスリット57に挿入されたり、引き抜かれたりする。このため、基台部53とバッフル板41との間のクリアランスが十分に確保され、基台部53と直接触れることなくバッフルユニット54を着脱できる。したがって、バッフル板41が基台部53に接触して傷付いてしまうリスクを大幅に低減でき、実施の形態1と同様に、コンタミネーションや錠剤等の表面損傷などを防止することが可能となる。
【0041】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、前述の実施形態では、バッフル11,51として、バッフルユニット13,54が断面T字形となったものを用いた例を示したが、バッフルユニットの形状はT字形には限定されず、例えば、
図7に示すように、一部断面がL字形となったバッフルユニット61も使用できる。この場合、ベースプレート62は、バッフル板41の下端に左右交互に間欠的に設けられ、これに合わせてバッフル固定部21のバッフル固定板も左右交互に間欠的に配設される。
【0042】
また、バッフルに使用するパッキンは、耐熱性や硬度の面でポリオキシメチレンなどの合成樹脂が好ましいが、その材質はポリオキシメチレンのみならず、実施の形態2のようなシリコンやゴムなどの弾性素材を用いても良い。さらに、実施の形態1ではパッキン26を基台部12に設置し、実施の形態2ではパッキン52をバッフルユニット54に設置する構成を示したが、前方・後方2つのパッキンの何れか一方を基台部12,53側、他方をバッフルユニット13,54側に設置する構成としても良い。なお、本願において、パッキンを設置するとは、実施の形態1のように、パッキン26を前方壁17および後方壁18にボルト固定する形態のみならず、実施の形態2のように、パッキン52をボルト等にて固定せず、バッフルユニット54のパッキン載置部55に載せる形態をも含む概念である。
【0043】
一方、前述の実施形態では、基台部12,53がドラム2の内側へ凸形状にて突設された構成となっており、円形ドラムに適するように、ボルト45がドラム2の外部に突出しない形となっているが、円形ドラムではなく、多角形断面の角形ドラムや排気ジャケット付きのドラムの場合は、
図8のように、ドラム外部に部材が突出する構成を採用しても良い。この場合、T字形のバッフルユニット65は、パッキン66を介して、ドラム2のバッフル取付部14に形成されたスリット67に固定される。
【0044】
加えて、前述の実施形態では、ドラム2に対し前面開口部8からエアを供給する前面給気タイプのコーティング装置に本発明のバッフルを適用した例を示したが、当該バッフルは、通気口7からエアを供給する並流給気タイプのコーティング装置など、バッフルを使用する種々のコーティング装置に広く適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、錠剤のコーティング装置以外にも、菓子やガム等の食品のコーティング装置などにも適用可能である。また、本発明によるバッフルが適用可能なコーティング装置は、
図1のような構成のものには限定されず、当該バッフルはパンコーティング装置一般に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 パンコーティング装置
2 回転ドラム
3 筐体
4 スプレーガン
5 直胴部
5a 周壁
6 コニカル部
7 通気孔
8 前面開口部
9 エンドプレート
10 回転軸
11 バッフル
12 基台部
13 バッフルユニット
14 バッフル取付部
15 開口
15a 周縁
16 スリット
17 前方壁
18 後方壁
19 側方壁
20 側方壁
17a〜20a 底縁部
21 バッフル固定部
22 バッフル固定板
23 バッフル固定板
24 空隙部
25 ネジ孔
26 パッキン
27 前方パッキン
27a 先端部
28 後方パッキン
28a 先端部
29 側方パッキン
30 側方パッキン
31 パッキン取付ボルト
32 ボルト孔
33 ナット
34 バッフル挿入部
35 テーパ部
41 バッフル板
41a 側面
42 ベースプレート
43 把手
44 ボルト孔
45 ボルト
51 バッフル
52 パッキン
52a 先端部
53 基台部
54 バッフルユニット
55 パッキン載置部
56 プレート部材
57 スリット
58 テーパ部
59 上縁部
61 バッフルユニット
62 ベースプレート
65 バッフルユニット
66 パッキン
67 スリット
O 回転軸線
t0 バッフル挿入部の幅寸法
t1 バッフル板の幅寸法