【課題】車両の減速走行時においてエンジンへの燃料供給が停止されているときにおける自動変速機のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間にブレーキペダルの踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰を出来る限り抑制する。
【解決手段】車両の制御装置は、車両の減速走行時に、エンジンへの燃料供給を停止し、エンジンの回転速度が所定の復帰回転速度を下回ったときに、エンジンへの燃料供給を復帰させるエンジン制御部と、変速制御部とを備え、変速制御部は、車両の減速走行時においてエンジンへの燃料供給が停止されているときにおける自動変速機のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間に、踏み増し判定を行い、該踏み増し判定においてブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定したときには、所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、イナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くする。
エンジンと、該エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた自動変速機と、上記駆動輪を含む全車輪に摩擦ブレーキ力を発生させる摩擦ブレーキ装置とを有する車両の制御装置であって、
上記車両の運転者によるブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサと、
上記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサと、
上記車両の減速走行時に、該車両のエンジンへの燃料供給を停止し、上記エンジン回転速度センサによる該エンジンの回転速度が所定の復帰回転速度を下回ったときに、該エンジンへの燃料供給を復帰させるエンジン制御部と、
上記自動変速機の変速制御を行う変速制御部と、を備え、
上記変速制御部は、上記車両の減速走行時において上記エンジン制御部により上記エンジンへの燃料供給が停止されているときにおける上記自動変速機のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間に、上記ブレーキペダルセンサによる上記踏み込み量から上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたか否かの踏み増し判定を行い、該踏み増し判定において上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定したときには、上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、上記シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くするように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車両の減速走行時においてエンジンへの燃料供給が停止されているときにおける自動変速機のシフトダウン変速中(特に、エンジンの回転速度が低下するトルクフェーズ期間)に、燃料供給が復帰された場合、変速ショックに、燃料復帰ショックが加わるため、車両にはより一層大きなショックが生じることになる。
【0007】
上記特許文献1のように、燃料供給復帰によるパワートレーンの駆動力変化を、パワートレーンの制動力制御により抑制するようにすれば、変速ショック自体はそれほど大きくはないので、車両に生じるショックは小さくなる。
【0008】
しかし、上記特許文献1の構成では、燃料供給の復帰を抑制するものではないため、燃費が悪化する可能性が高くなる。また、高応答なパワートレーンの制動力制御が必要になる。
【0009】
そこで、車両の減速走行時においてエンジンへの燃料供給が停止されているときに、通常のブレーキペダル踏み込みによる減速であれば、シフトダウン変速中のトルクフェーズ期間に、エンジンの回転速度が所定の復帰回転速度を下回らないように、トルクフェーズ期間を設定しておくことが考えられる。
【0010】
しかし、シフトダウン変速中にブレーキペダルの踏み増しが行われた場合には、トルクフェーズ期間にエンジンの回転速度が所定の復帰回転速度を下回る可能性が高くなり、車両には変速ショックと燃料復帰ショックとが生じる可能性が高くなる。
【0011】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の減速走行時においてエンジンへの燃料供給が停止されているときにおける自動変速機のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間にブレーキペダルの踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰を出来る限り抑制しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明では、エンジンと、該エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた自動変速機と、上記駆動輪を含む全車輪に摩擦ブレーキ力を発生させる摩擦ブレーキ装置とを有する車両の制御装置を対象として、上記車両の運転者によるブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサと、上記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサと、上記車両の減速走行時に、該車両のエンジンへの燃料供給を停止し、上記エンジン回転速度センサによる該エンジンの回転速度が所定の復帰回転速度を下回ったときに、該エンジンへの燃料供給を復帰させるエンジン制御部と、上記自動変速機の変速制御を行う変速制御部と、を備え、上記変速制御部は、上記車両の減速走行時において上記エンジン制御部により上記エンジンへの燃料供給が停止されているときにおける上記自動変速機のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間に、上記ブレーキペダルセンサによる上記踏み込み量から上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたか否かの踏み増し判定を行い、該踏み増し判定において上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定したときには、上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、上記シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くするように構成されている、という構成とした。
【0013】
上記の構成により、踏み増し判定においてブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定されたときには、ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされなかったと判定されたときに比べて、シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くするので、エンジンの回転速度が所定の復帰回転速度を下回る前に、イナーシャフェーズ期間の開始によってエンジンの回転速度を上昇させることができる。この結果、トルクフェーズ期間にブレーキペダルの踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰を出来る限り抑制することができる。
【0014】
上記車両の制御装置において、上記車両は、上記エンジンと連結された発電機を含み、該発電機の発電作動により上記駆動輪に回生ブレーキ力を発生させる回生ブレーキ装置を更に備え、上記ブレーキペダルセンサによる上記ブレーキペダルの踏み込み量に応じて、上記摩擦ブレーキ装置及び上記回生ブレーキ装置を制御するブレーキ制御部を更に備え、上記ブレーキ制御部は、上記エンジン回転速度センサによる上記エンジンの回転速度が、上記所定の復帰回転速度と同じ値又は略同じ値に設定された所定回転速度以上であるときには、上記摩擦ブレーキ装置及び上記回生ブレーキ装置の両方で上記車両を制動させる一方、上記エンジンの回転速度が上記所定回転速度よりも低いときには、上記摩擦ブレーキ装置のみにより上記車両を制動させるように構成されていてもよい。
【0015】
すなわち、トルクフェーズ期間に、エンジンの回転速度が、所定の復帰回転速度と同じ値又は略同じ値に設定された所定回転速度を下回ると、車両には、燃料復帰ショックに加えて、回生ブレーキ装置による制動が停止することによるショックも生じるとともに、燃料供給の復帰による燃費の悪化に加えて、回生ブレーキ装置による制動の停止による燃費の悪化も生じる。しかし、トルクフェーズ期間にブレーキペダルの踏み増しが行われても、エンジンの回転速度が所定の復帰回転速度(及び所定回転速度)を下回る前に、エンジンの回転速度を上昇させることで、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰及び回生ブレーキ装置による制動の停止を出来る限り抑制することができる。
【0016】
上記車両の制御装置において、上記変速制御部は、上記踏み増し判定において、上記ブレーキペダルセンサによる上記踏み込み量から、上記イナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くする前の該開始タイミングにおける上記エンジンの回転速度を予測して、該予測した回転速度が上記所定の復帰回転速度を下回ると判定したときには、上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定する一方、該予測した回転速度が上記所定の復帰回転速度を下回らないと判定したときには、上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされなかったと判定するように構成されている、ことが好ましい。
【0017】
このことで、トルクフェーズ期間にブレーキペダルの踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰の抑制を容易にかつ良好に行うことができる。
【0018】
上記車両の制御装置の一実施形態では、上記自動変速機は、油圧の供給及び非供給に応じて締結及び解放が可能な複数の摩擦締結要素を有し、上記変速制御部は、上記シフトダウン変速中において、上記自動変速機における上記複数の摩擦締結要素のうち、解放状態から締結状態へ移行させる摩擦締結要素である締結側摩擦締結要素の半締結状態で、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦締結要素である解放側摩擦締結要素が、締結状態の油圧からの減圧により解放されるように、該締結側摩擦締結要素及び該解放側摩擦締結要素への油圧を制御することで、該自動変速機のシフトダウン変速を行うよう構成され、更に上記変速制御部は、上記踏み増し判定において上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定したときには、上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、上記解放側摩擦締結要素に対する締結状態の油圧からの減圧開始を早くすることで、上記シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くするように構成されている。
【0019】
上記車両の制御装置の別の実施形態では、上記自動変速機は、油圧の供給及び非供給に応じて締結及び解放が可能な複数の摩擦締結要素を有し、上記変速制御部は、上記シフトダウン変速中において、上記自動変速機における上記複数の摩擦締結要素のうち、解放状態から締結状態へ移行させる摩擦締結要素である締結側摩擦締結要素の半締結状態で、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦締結要素である解放側摩擦締結要素が、締結状態の油圧からの減圧により解放されるように、該締結側摩擦締結要素及び該解放側摩擦締結要素への油圧を制御することで、該自動変速機のシフトダウン変速を行うよう構成され、更に上記変速制御部は、上記踏み増し判定において上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定したときには、上記ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、上記解放側摩擦締結要素に対する締結状態の油圧からの減圧速度を速くすることで、上記シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くするように構成されている。
【0020】
上記一実施形態及び上記別の実施形態の構成により、シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを容易に早くすることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の車両の制御装置によると、車両の減速走行時においてエンジンへの燃料供給が停止されているときにおける自動変速機のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間に、ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたか否かの踏み増し判定を行い、該踏み増し判定においてブレーキペダルが所定量以上踏み増しされたと判定したときには、ブレーキペダルが所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、上記シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くするようにしたことにより、上記シフトダウン変速中のトルクフェーズ期間にブレーキペダルの踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰を出来る限り抑制することができる。よって、シフトダウン変速中に、車両に燃料復帰ショックが生じるのを抑制することができるとともに、燃費が悪化するのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置(後述のコントロールユニット50)が搭載された車両1の概略構成を示す。車両1は、エンジン2と、エンジン2と連結されかつエンジン2の駆動を補助する、スタータ及び発電機兼用のモータであるISG3(Integrated Starter-Generator)とを備えるハイブリッド車両である。
【0025】
車両1は、ISG3及びエンジン2と駆動輪8aとの間の動力伝達経路に設けられた自動変速機5を更に備える。この自動変速機5は、トルクコンバータ6を介してエンジン2(詳細には、クランクシャフト2a)からの動力が入力されるようになされている。トルクコンバータ6は、一般的なトルクコンバータであって、エンジン2のクランクシャフト2aに連結されたケースと、該ケース内に固設されたポンプと、該ポンプに対向配置されかつ該ポンプにより作動油を介して駆動されるタービンと、該ポンプと該タービンとの間に介設され、トルク増大作用を行うステータと、上記ケースを介してエンジン2のクランクシャフト2aとタービンとを直結するロックアップクラッチとを有する。上記タービンの回転が自動変速機5に伝達される。
【0026】
自動変速機5は、本実施形態では、前進6速後退1速の有段式自動変速機であって、動力伝達経路を切り換えることで変速段を切り換えるための複数の摩擦締結要素(クラッチ及び/又はブレーキ)と、これら複数の摩擦締結要素及びロックアップクラッチに油圧を供給する油圧装置80(
図2参照)とを有する。油圧装置80は、油圧供給回路と、油圧供給回路に設けられたソレノイドバルブ等のようなアクチュエータとを含む。各摩擦締結要素は、該摩擦締結要素(詳細には、締結用油圧室)への油圧の供給及び非供給に応じて締結及び解放が可能に構成されている。上記アクチュエータの制御によって、各摩擦締結要素(締結用油圧室)に油圧が供給されたり非供給にされたりすることで、各摩擦締結要素の締結及び解放の制御(つまり、変速制御)がなされる。また、上記アクチュエータの制御によって、ロックアップクラッチの締結及び解放の制御がなされる。
【0027】
ISG3の回転軸3aは、巻掛け伝動機構11を介してクランクシャフト2aにおける自動変速機5とは反対側の端部に連結されている。これにより、ISG3は、エンジン2を介して自動変速機5と連結されることになる。尚、エンジン2がISG3を介して自動変速機5と連結されていてもよい。
【0028】
巻掛け伝動機構11は、クランクシャフト2aにおける自動変速機5とは反対側の端部に設けられたプーリ12と、ISG3の回転軸3aの先端部に設けられたプーリ13と、これらのプーリ12,13間に巻き掛けられたベルト14とを有している。巻掛け伝動機構11によって、クランクシャフト2aの回転が回転軸3aに伝達されるか、又は、回転軸3aの回転がクランクシャフト2aに伝達される。
【0029】
エンジン2の駆動力(又は、エンジン2及びISG3の駆動力)は、トルクコンバータ6、自動変速機5及び差動機構7を介して、車両1の全車輪8(本実施形態では、2つの前輪及び2つの後輪)のうちの2つの駆動輪8a(本実施形態では、2つの前輪)に伝達される。尚、
図1では、全車輪8のうち1つの車輪8(ここでは、駆動輪8a)のみを示す。
【0030】
車両1は、全車輪8に摩擦ブレーキ力を発生させる摩擦ブレーキ装置21と、駆動輪8aに回生ブレーキ力を発生させる回生ブレーキ装置31とを更に備える。
【0031】
摩擦ブレーキ装置21は、全車輪8それぞれに設けられたブレーキ機構22と、車両1の運転者が操作するブレーキペダル23と、運転者によるブレーキペダル23の踏み込み操作により、全車輪8のブレーキ機構22に油圧を供給する油圧供給装置24とを有している。油圧供給装置24は、倍力装置25と、マスタシリンダ26と、マスタシリンダ26からブレーキ機構22に供給される油圧の大きさを調整する油圧調整弁27とを含む。摩擦ブレーキ装置21は、運転者によるブレーキペダル23の踏み込み操作により、油圧供給装置24を介してブレーキ機構22に油圧を供給することで、全車輪8に摩擦ブレーキ力を発生させる。
【0032】
回生ブレーキ装置31は、発電機として作動するISG3及び巻掛け伝動機構11を含む。ISG3は、ブレーキペダル23が踏み込まれているとき(車両1の減速走行時)に、発電機として発電作動されて、駆動輪8aに回生ブレーキ力を発生させる。すなわち、駆動輪8aから差動機構7、自動変速機5、トルクコンバータ6及びエンジン2を介してISG3に伝達された運動エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ回生が行われる。ISG3で発電された電力は、不図示のバッテリに充電される。こうして該バッテリに充電された電力は、ISG3がモータとして作動する際にISG3に供給される。
【0033】
図2に示すように、車両1には、エンジン2、ISG3、摩擦ブレーキ装置21の油圧調整弁27、及び、自動変速機5の油圧装置80の作動を制御するコントロールユニット50が設けられている。
【0034】
コントロールユニット50は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、コンピュータプログラム(OS等の基本制御プログラム、及び、OS上で起動されて特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)を実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されたメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。
【0035】
上記ROMには、種々のコンピュータプログラムや、各種のマップを含むデータ等が格納され、上記RAMには、上記CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。
【0036】
図2に示すように、コントロールユニット50内には、エンジン制御部50aと、変速制御部50bと、ブレーキ制御部50cと、ISG制御部50dとが設けられている。エンジン制御部50a、変速制御部50b、ブレーキ制御部50c及びISG制御部50dは、上記ROMに記憶されているコンピュータプログラムに従って、各部に入力される信号を上記CPUで処理して、後述の如く動作する。
【0037】
コントロールユニット50には、車両1の運転者によるブレーキペダル23の踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ51からの信号と、車両1の車速を検出する車速センサ52からの信号と、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ53からの信号と、車両1の運転者が操作するシフトレバーのレンジ位置を検出するレンジ位置センサ54からの信号と、エンジン2の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ55からの信号とが入力される。また、コントロールユニット50には、これらセンサの他に、エンジン2、ISG3、油圧調整弁27及び油圧装置80の制御に必要な種々のセンサからの信号が入力される。
【0038】
エンジン制御部50aは、アクセル開度センサ53によるアクセル開度、エンジン回転速度センサ55によるエンジン2の回転速度等に基づいて、エンジン2の作動を制御する。また、エンジン制御部50aは、車両1の減速走行時には、エンジン2への燃料供給を停止し、エンジン回転速度センサ55によるエンジン2の回転速度が所定の復帰回転速度N1を下回ったときには、エンジン2への燃料供給を復帰させる。所定の復帰回転速度N1は、エンジンストールが生じないような最低の回転速度に設定される。尚、本実施形態では、エンジン制御部50aは、空気調和装置の作動状態等によって、所定の復帰回転速度N1の値を変更する。この変更された所定の復帰回転速度N1の値は、上記メモリのRAMに記憶される。
【0039】
変速制御部50bは、自動変速機5の油圧装置80を制御して、自動変速機5の変速を制御する。変速制御部50bは、例えば、レンジ位置センサ54による上記シフトレバーのレンジ位置がDレンジ位置にあるときには、車両1の走行状態(アクセル開度センサ58によるアクセル開度及び車速センサ52による車速)から、上記メモリのROMに予め記憶した変速マップを用いて変速段を決定して、その決定した変速段になるように、油圧装置80を制御する(各摩擦締結要素の締結及び解放を制御する)。
【0040】
また、変速制御部50bは、車両1の減速走行時には、その減速に応じてシフトダウン変速を行う(摩擦締結要素の掛け替えを行う)。すなわち、変速制御部50bは、シフトダウン変速中において、自動変速機5における上記複数の摩擦締結要素のうち、解放状態から締結状態へ移行させる摩擦締結要素である締結側摩擦締結要素の半締結状態で、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦締結要素である解放側摩擦締結要素が、締結状態の油圧からの減圧により解放されるように、該締結側摩擦締結要素及び該解放側摩擦締結要素への油圧を制御することで、自動変速機5のシフトダウン変速を行う。締結側摩擦締結要素は、解放側摩擦締結要素が解放された後に、完全に締結状態とされる。
【0041】
ブレーキ制御部50cは、車両1の走行中(車速センサ52による車速が0よりも大きいとき)におけるブレーキペダルセンサ51によるブレーキペダル23の踏み込み量が所定踏み込み量(遊び程度の量)よりも大きいとき(つまり、運転者が車両1を減速させようとするとき)において、ブレーキ制御を行うべく、摩擦ブレーキ装置21(詳細には、本実施形態では、油圧調整弁27)を制御するとともに、ISG制御部50dを介して、回生ブレーキ装置31における発電機としてのISG3を制御する。
【0042】
ISG制御部50dは、ブレーキ制御部50cがブレーキ制御を行っているときに、ブレーキ制御部50cからの指令を受けて、ISG3を、エネルギ回生を行う発電機として制御する。また、ISG制御部50dは、後述の如くブレーキ制御部50cが摩擦ブレーキ装置21のみによるブレーキ制御を行っているときには、ブレーキ制御部50cからの指令を受けて、発電機としてのISG3の作動を停止する。一方、ブレーキ制御部50cがブレーキ制御を行っていないときには、ISG制御部50dは、ISG3を、モータとして作動させたり、エンジン2により駆動される発電機として作動させたりする。
【0043】
ブレーキ制御部50cは、ブレーキ制御の際、ブレーキペダルセンサ51によるブレーキペダル23の踏み込み量に応じて車両1の目標減速度を設定する。本実施形態では、ブレーキペダル23の踏み込み量から、上記メモリのROMに予め記憶した目標減速度マップを用いて目標減速度を設定する。ブレーキペダル23の踏み込み量が大きいほど、車両1の目標減速度は大きくなる。
【0044】
ブレーキ制御部50cは、ブレーキ制御の際、エンジン回転速度センサ55によるエンジン2の回転速度が所定回転速度N2以上であるときには、摩擦ブレーキ装置21及び回生ブレーキ装置31の両方で車両1を制動させる一方、エンジン2の回転速度が上記所定回転速度N2よりも低いときには、摩擦ブレーキ装置21のみにより車両1を制動させる。所定回転速度N2も、エンジンストールが生じないような最低の回転速度に設定される。したがって、所定回転速度N2は、所定の復帰回転速度N1と同じ値又は略同じ値(所定の復帰回転速度N1よりも僅かに大きい方が好ましい)に設定される。本実施形態では、所定回転速度N2は、所定の復帰回転速度N1(所定の復帰回転速度N1がエンジン制御部50aにより変更された場合は、その変更された所定の復帰回転速度N1)と同じ値とする。
【0045】
尚、上記バッテリが、これ以上充電させることができない状態(バッテリの残存容量(SOC)が多い状態)にあるときには、エンジン2の回転速度に関係なく、摩擦ブレーキ装置21のみにより車両1が制動される。
【0046】
ブレーキ制御部50cは、摩擦ブレーキ装置21及び回生ブレーキ装置31の両方によるブレーキ制御(以下、ブレーキ協調制御という)の際には、車両1の減速度が上記目標減速度になるように、摩擦ブレーキ装置による全車輪8の目標摩擦ブレーキ力と回生ブレーキ装置による駆動輪8aの目標回生ブレーキ力とを設定する。そして、ブレーキ制御部50cは、上記設定された目標摩擦ブレーキ力が全車輪8に発生しかつ上記設定された目標回生ブレーキ力が駆動輪8aに発生するように、油圧調整弁27及びISG3(発電量)を制御する。
【0047】
一方、ブレーキ制御部50cは、摩擦ブレーキ装置21のみによるブレーキ制御の際には、車両1の減速度が上記目標減速度になるように、目標摩擦ブレーキ力を設定する。この目標摩擦ブレーキ力は、ブレーキ協調制御における目標摩擦ブレーキ力と目標回生ブレーキ力とを合わせたトータル目標ブレーキ力に相当する。
【0048】
ここで、
図3Bに示すように、変速制御部50bが、車両1の減速走行時においてエンジン2への燃料供給が停止されかつブレーキ協調制御がなされているときに、時刻t0で、(N+1)速からN速へのシフトダウン変速を開始したとする。
【0049】
時刻t0で、解放側摩擦締結要素への油圧の指令値がP1からP2(<P1)にされ、締結側摩擦締結要素への油圧の指令値が0からP3(<P2)とされる。これにより、
図3Bに示すように、時刻t0から少し遅れた時刻t1で、解放側摩擦締結要素の実油圧がP2となり、時刻t1よりも遅れた時刻t2で、締結側摩擦締結要素の実油圧がP3となる。油圧P1,P2は、解放側摩擦締結要素の締結状態を維持することが可能な油圧であり、油圧P2は、これよりも低くなると、解放側摩擦締結要素が解放し始める(スリップし始める)油圧である。また、油圧P3は、締結側摩擦締結要素の解放状態を維持することが可能な油圧であって、これよりも高くなると、締結側摩擦締結要素が締結し始める(スリップし始める)油圧である。
【0050】
以下、締結側摩擦締結要素及び解放側摩擦締結要素への油圧の指令値の変化ではなく、実油圧の変化を説明する。
【0051】
締結側摩擦締結要素の実油圧は、時刻t2から時刻t3にかけて、油圧P3から徐々に上昇して、時刻t3でP4となり、時刻t3以降は、時刻t7の直後までP4が維持される。油圧P4は、該油圧P4を継続することでやがて締結側摩擦締結要素を完全に締結状態にすることが可能な油圧である。こうして、締結側摩擦締結要素は、時刻t2から締結し始めて、時刻t7で完全に締結状態になる。時刻t7の直後に、締結側摩擦締結要素の実油圧は、P1まで上昇する。
【0052】
一方、解放側摩擦締結要素の実油圧は、時刻t3後の時刻t4から時刻t5にかけて、油圧P2から徐々に減少して、時刻t5でP3となり、時刻t5以降もゆっくりと減少して、時刻t6で、0になる。こうして、解放側摩擦締結要素は、時刻t4から解放し始めて、時刻t5で解放状態になり、時刻t5以降も解放状態が維持される。尚、ここでは、解放側摩擦締結要素が解放し始める時刻t4は、時刻t3後であるが、締結側摩擦締結要素が締結し始める時刻t2以降であれば、どこで解放し始めてもよい。
【0053】
時刻t0から時刻t5の直前までは、変速比(つまりギヤ比(入力回転速度/出力回転速度))の変更が行われていないトルクフェーズ期間であり、このトルクフェーズ期間では、入力回転速度(エンジン2の回転速度、又はトルクコンバータ6のタービンの回転速度)は、エンジン2への燃料供給が停止されているので、徐々に低下する。
【0054】
時刻t5から時刻t7までは、変速比(ギヤ比)の変更が行われるイナーシャフェーズ期間であり、このイナーシャフェーズ期間では、入力回転速度が変速制御後の変速比に対応する回転速度に向けて大きく変化(上昇)する。イナーシャフェーズ期間が終了する時刻t7で、シフトダウン変速が完了し、時刻t7以降、エンジン2の回転速度は、時刻t7の回転速度から低下することになる。
【0055】
シフトダウン変速中のトルクフェーズ期間は、通常のブレーキペダル23の踏み込みによる減速であれば、トルクフェーズ期間に、エンジン2の回転速度が所定の復帰回転速度N1(所定回転速度N2)を下回ることはなく、
図3Bの「エンジンの回転速度」の欄に二点鎖線で示すように、時刻t5でのエンジンの回転速度は、所定の復帰回転速度N1よりも大きい。
【0056】
しかし、
図3Bの「トータルブレーキ力」の欄に示すように、シフトダウン変速中のトルクフェーズ期間の時刻T1で、ブレーキペダル23が踏み増しされて、トータルブレーキ力が上昇した場合、トルクフェーズ期間の長さに変更がなければ、トルクフェーズ期間にエンジン2の回転速度が所定の復帰回転速度N1を下回る可能性が高くなる。
図3Bでは、「エンジンの回転速度」の欄に実線で示すように、時刻t5の直前にエンジン2の回転速度が所定の復帰回転速度N1(所定回転速度N2)を下回っている。
【0057】
エンジン2の回転速度が所定の復帰回転速度N1(所定回転速度N2)を下回ると、車両1には、燃料復帰ショックが生じるとともに、
図3Bの「回生ブレーキ力」の欄に示すように、回生ブレーキ力が0にまで減少し、その分だけ摩擦ブレーキ力が上昇するため、車両1には、回生ブレーキ装置31による制動が停止(ブレーキ協調制御が停止)することによるショックも生じる。
【0058】
そこで、本実施形態では、変速制御部50bは、車両1の減速走行時においてエンジン制御部50aによりエンジン2への燃料供給が停止されかつブレーキ制御部50cブレーキ協調制御がなされているときにおける自動変速機5のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間に、ブレーキペダルセンサ51によるブレーキペダル23の踏み込み量からブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされたか否かの踏み増し判定を行う。そして、変速制御部50bは、その踏み増し判定においてブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされたと判定したときには、ブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くする。
【0059】
本実施形態では、変速制御部50bは、上記踏み増し判定において、ブレーキペダルセンサ51によるブレーキペダル23の踏み込み量(つまり、ブレーキ制御部50cにより設定された目標減速度)から、イナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くする前の該開始タイミングにおけるエンジン2の回転速度を予測する。より詳細には、変速制御部50bは、現時点までにエンジン回転速度センサ55により検出されたエンジン2の回転速度と、トルクフェーズ期間の長さ時間(つまり、イナーシャフェーズ期間の開始タイミング)と、ブレーキ制御部50cにより設定された目標減速度とに基づいて、イナーシャフェーズ期間の開始タイミングにおけるエンジン2の回転速度を予測する。
【0060】
トルクフェーズ期間の長さ時間は、一定値であってもよいが、締結側摩擦締結要素及び解放側摩擦締結要素の経年劣化等によって、トルクフェーズ期間の長さ時間が長くなる傾向にあるので、変速制御部50bが、新品からの経過時間等を考慮して、トルクフェーズ期間の長さ時間を予測しており、本実施形態では、その予測した値を用いる。
【0061】
変速制御部50bは、上記予測した回転速度が所定の復帰回転速度N1を下回ると判定したときには、ブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされたと判定する一方、該予測した回転速度が所定の復帰回転速度N1を下回らないと判定したときには、ブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされなかったと判定する。すなわち、ブレーキペダル23の踏み増し量に関する上記所定量は、ブレーキペダル23の踏み増しによりトルクフェーズ期間にエンジン2の回転速度が所定の復帰回転速度N1を下回るような踏み増し量の最小値である。
【0062】
そして、変速制御部50bは、上記踏み増し判定においてブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされたと判定したときには、ブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、解放側摩擦締結要素に対する締結状態の油圧P2からの減圧開始を早くすることで、シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くする。
【0063】
すなわち、上記踏み増し判定においてブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされなかったと判定されたときには、解放側摩擦締結要素の解放し始める時刻は、
図3Aの「実油圧」の欄に破線で示すように、
図3Bと同じ時刻t4とされる。これに対し、上記踏み増し判定においてブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされたと判定されたときには、
図3Aの「実油圧」の欄に実線で示すように、解放側摩擦締結要素の解放し始める時刻は、時刻t4よりも早い時刻t4′(時刻t2の直後)に変更される。ここでは、油圧P2からの減圧速度は変更されないので、解放側摩擦締結要素の実油圧がP3となる時刻は、時刻t5に対して、t4からt4′への変更時間と同じ時間だけ早くなる時刻t5′に変更される。尚、解放側摩擦締結要素の実油圧が0になる時刻も、時刻t6に対して、t4からt4′への変更時間と同じ時間だけ早くなる時刻t6′に変更される。
【0064】
こうしてイナーシャフェーズ期間の開始タイミングが早くなるので、
図3Aの「エンジンの回転速度」の欄に示すように、エンジン2の回転速度が所定の復帰回転速度N1(所定回転速度N2)を下回る前に、イナーシャフェーズ期間の開始によってエンジン2の回転速度が上昇する。したがって、トルクフェーズ期間にブレーキペダル23の踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰及びブレーキ協調制御の停止が抑制される。
【0065】
シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くする方法として、上記のように、解放側摩擦締結要素に対する締結状態の油圧P2からの減圧開始を早くすることに代えて、又は、これに加えて、解放側摩擦締結要素に対する締結状態の油圧P2からの減圧速度を速くする(つまり、t4からt5までの時間を短くする)ようにしてもよい。
【0066】
次に、車両1の減速走行時においてエンジン2への燃料供給が停止されかつブレーキ協調制御がなされているときにシフトダウン変速を開始したときの変速制御部50bの処理動作を、
図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0067】
最初のステップS1で、上記メモリのRAMから所定の復帰回転速度N1を取得し、次のステップS2で、トルクフェーズ期間の長さ時間を予測するとともに、ブレーキ制御部50cが設定した目標減速度を、ブレーキ制御部50cから取得する。
【0068】
次のステップS3では、現時点までにエンジン回転速度センサ55により検出されたエンジン2の回転速度と、上記ステップS2で予測したトルクフェーズ期間の長さ時間と、上記ステップS2で取得した目標減速度とに基づいて、イナーシャフェーズ期間の開始タイミングにおけるエンジン2の回転速度Nを予測する。
【0069】
次のステップS4では、イナーシャフェーズ期間の開始タイミングにおけるエンジン2の回転速度Nと所定の復帰回転速度N1とを比較し、次のステップS5で、イナーシャフェーズ期間の開始タイミングにおけるエンジン2の回転速度Nが所定の復帰回転速度N1よりも小さいか否かを判定する。
【0070】
ステップS5の判定がNOであるときには、ステップS6に進んで、イナーシャフェーズ期間が開始されたか否かを判定し、このステップS6の判定がNOであるときには、上記ステップS1に戻る一方、ステップS6の判定がYESであるときには、本制御を終了する。
【0071】
一方、ステップS5の判定がYESあるときには、ステップS7に進んで、解放側摩擦締結要素に対する締結状態の油圧P2からの減圧開始、及び/又は、締結状態の油圧P2からの減圧速度を速くすることで、イナーシャフェーズ期間の開始タイミングが早くし、しかる後に本制御を終了する。
【0072】
したがって、本実施形態では、変速制御部50bが、車両1の減速走行時においてエンジン2への燃料供給が停止されかつブレーキ協調制御がなされているときにときにおける自動変速機5のシフトダウン変速中のトルクフェーズ期間に、ブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされたか否かの踏み増し判定を行い、該踏み増し判定においてブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされたと判定したときには、ブレーキペダル23が所定量以上踏み増しされなかったと判定したときに比べて、上記シフトダウン変速中のイナーシャフェーズ期間の開始タイミングを早くするようにしたことにより、上記シフトダウン変速中のトルクフェーズ期間にブレーキペダル23の踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰及びブレーキ協調制御の停止を出来る限り抑制することができる。よって、シフトダウン変速中に、車両1に、燃料復帰ショック、及び、回生ブレーキ装置31による制動が停止することによるショックが生じるの抑制することができるとともに、燃料供給の復帰による燃費の悪化、及び、回生ブレーキ装置31による制動の停止による燃費の悪化を抑制することができる。
【0073】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態では、ブレーキ制御部50cが、ブレーキ制御の際、エンジン回転速度センサ55によるエンジン2の回転速度が所定回転速度N2以上であるときには、摩擦ブレーキ装置21及び回生ブレーキ装置31の両方で車両1を制動させる(ブレーキ協調制御を行う)一方、エンジン2の回転速度が上記所定回転速度N2よりも低いときには、摩擦ブレーキ装置21のみにより車両1を制動させるようにしているが、ブレーキ協調制御を行わずに常に摩擦ブレーキ装置21のみによるブレーキ制御しか行わない場合であっても、本発明を適用することができる。これにより、トルクフェーズ期間にブレーキペダル23の踏み増しが行われても、トルクフェーズ期間における燃料供給の復帰を出来る限り抑制することができる。よって、シフトダウン変速中に、車両1に燃料復帰ショックが生じるのを抑制することができるとともに、燃料供給の復帰による燃費の悪化を抑制することができる。
【0075】
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。